JP5228949B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

トナー及びトナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に使用されるトナー及びトナーの製造方法に関し、特に、着色剤にフタロシアニン化合物を含有するトナー及びトナーの製造方法に関する。
静電潜像を形成した感光体上にトナーを供給して画像形成を行う電子写真方式の画像形成方法は、文書作成に代表されるモノクロのプリント作製に加え、フルカラーのプリント作製でも幅広く利用される様になった。その中でも、印刷の様に版を起こさずに必要枚数分のプリント作製を行える、オンデマンド印刷あるいはPOD(プリントオンデマンド)という新しい印刷の事業展開が注目される様になっている。この様な少量のプリント発注が多い軽印刷分野での展開により、カタログや広告等のフルカラーのプリント物がトナーを用いて作製されている(たとえば、特許文献1参照)。
カタログや広告等のフルカラープリント物をトナーで作成するにあたり、使用トナーにはオリジナルに忠実な画質や色再現性が求められる。すなわち、フルカラーの画像形成では、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー画像を重ね合わせて目標の色調画像が再現され、忠実な色再現を実現する上でベースとなるこれらカラートナーが良好な色再現性を有することが求められていた。そのため、カラートナーの色再現性向上を目的として、これまでもトナー用の着色剤の検討が進められてきた。
たとえば、代表的なカラートナー用着色剤の1つに銅フタロシアニン系顔料がある。銅フタロシアニン系顔料を用いたトナーは、印刷インクで作製される画像レベルの画質を概ね再現する汎用性と優れた耐光性を有するが、画像の反射スペクトルにおいて長波長側のベースラインが高く色濁りを感じさせる色調の画像を形成する傾向が有られた。また、印刷分野で作成する機会が多い写真画像の色再現性に対して、最適な色相角を発現することが困難なところがあった。そこで、銅フタロシアニン系顔料に代えて、写真画像の色再現に最適な色相角を発現する着色剤を含有するトナーの検討が行われた(たとえば、特許文献2参照)。
前述した特許文献2に開示された着色剤は、着色剤そのものの色調は優れたものであったが、トナー用の着色剤として用いると所定の色再現性が発現しにくくなる傾向を有することがわかった。これは、着色剤に機械的ストレスを加えると凝集構造に何らかの影響があらわれ、その結果、所定の色再現性を発現できなくなったものと考えられる。たとえば、トナー製造時には着色剤に機械的なストレスを加えて着色剤粒子分散液を作製するが、この様なストレスの影響でトナー粒子中に含有させた特許文献2の着色剤は所定の色再現性を発現できなくなっているものと考えられる。この様な観点から、トナー製造時に加わるストレスに耐え得る安定性を有し、かつ、写真画像の色再現に最適な色相角を発現する着色剤の検討が進められた。
本発明者等は、ケイ素原子等の金属原子を含有するテトラアザポルフィン系化合物やフタロシアニン系化合物を着色剤として用いたトナーにより、写真画像の色再現性に最適な色相角を発現するトナーを見出した(たとえば、特許文献3参照)。ところが、前記特許文献3に開示されたトナーを用いてプリント作製を行っていると、プリント作製枚数の増大に伴って画像形成装置内でトナー飛散が発生する様になり、飛散トナーが作製プリント上に付着して画像汚染を発生させた。この様な画像汚染によるプリント物の品質低下は、画像品質に対する要求が高い印刷分野では問題であり、連続プリントを行っているときにトナー飛散を起こさず画像汚染のないプリント物を安定提供する高信頼性のトナーが求められていた。また、前述の特許文献3には、開示されたカラートナーを用いてプリント作製を行ったときにトナー飛散が発生することは記載も示唆もなく、本発明者はトナー飛散を発生しないフタロシアニン化合物を含有するトナーの検討を行った。
特開2005−157314号公報 特開2006−63171号公報 特開2008−176311号公報
本発明は、プリント作製枚数が増大してもトナー飛散に起因する画像汚染を発生させることがなく、かつ、良好な色再現性を発現することが可能なトナーを提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題が下記に記載のいずれかの構成により解消されることを見出した。すなわち、請求項1に記載の発明は、
『少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーであって、
前記着色剤は、
少なくとも下記一般式〔I〕、〔II〕のいずれかの構造を有する化合物を含有するものであり、
かつ、前記化合物が、CuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないものであることを特徴とするトナー。
Figure 0005228949
〔式中、Zは各々独立に、炭素数6〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示す。〕
Figure 0005228949
〔式中、Z、Zは各々独立に、炭素数6〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示す。
また、Lは、酸素原子、または、−O−SiR−O−を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、塩素基、ヒドロキシ基のいずれかを表す。〕
Figure 0005228949
(式中、R、R、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または、炭素数6〜10のアリールオキシ基を示す。なお、R、R、Rはお互い同じ基であっても、異なる基であってもよい。)
さらに、上記一般式〔I〕、〔II〕を構成するA、A、A及びAは同一または各々独立に
Figure 0005228949
で表される原子団を示す。』というものである。
請求項2に記載の発明は、
『前記化合物は、アシッドペースト処理を行ったものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。』というものである。
請求項3に記載の発明は、
『少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーの製造方法であって、
少なくとも、重合性単量体を水系媒体中に分散させた状態で重合を行って前記樹脂を作製する工程と、前記着色剤を水系媒体中に分散させる工程と、分散させた前記着色剤と前記樹脂を水系媒体中で凝集させる工程を有するものであって、
前記着色剤は、
少なくとも下記一般式〔I〕、〔II〕のいずれかの構造を有する化合物を含有するものであり、
かつ、前記化合物がCuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないものであることを特徴とするトナーの製造方法。
Figure 0005228949
〔式中、Zは各々独立に、炭素数6〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示す。〕
Figure 0005228949
〔式中、Z、Zは各々独立に、炭素数6〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示す。
また、Lは、酸素原子、または、−O−SiR−O−を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、塩素基、ヒドロキシ基のいずれかを表す。〕
Figure 0005228949
(式中、R、R、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または、炭素数6〜10のアリールオキシ基を示す。なお、R、R、Rはお互い同じ基であっても、異なる基であってもよい。)
さらに、上記一般式〔I〕、〔II〕を構成するA、A、A及びAは同一または各々独立に
Figure 0005228949
で表される原子団を表す。』というものである。
請求項4に記載の発明は、
『前記化合物は、アシッドペースト処理を行ったものであることを特徴とする請求項3に記載のトナーの製造方法。』というものである。
本発明によれば、プリント作製を繰り返し行っても画像形成装置内でトナー飛散や画像汚染を発生させることがなく、しかも、青色系画像や緑色系画像に対して良好な色再現性を発現することが可能なトナーを提供することを可能にした。
二成分系現像方式の画像形成が可能なタンデム型フルカラー画像形成装置の一例を示す概略図である。
本発明は、電子写真方式の画像形成に使用されるトナーに関し、特に、フタロシアニン化合物を着色剤として含有してなるトナーに関する。
本発明者は、プリント作製枚数の増大に伴いトナー飛散が発生する原因を解析し、着色剤として含有させるフタロシアニン化合物の構造に着目した。そして、非晶質構造のフタロシアニン化合物を用いたトナーでは、プリント作製枚数が増大してもトナー飛散を発生させず、画像汚染のないプリント物を安定して作製することができるものであることを見出した。この様に、画像汚染のないプリント物が安定して作製される様になった理由は、おそらく、非晶質構造のフタロシアニン化合物を用いることにより着色剤がトナー粒子に均一に含有されてトナー粒子表面が滑らかになる。そして、粒子表面が滑らかなのでトナーの流動性が向上してムラのない均一な帯電が行える様になるためと考えられる。その結果、画像形成工程では帯電量不足の状態でトナーが感光体に供給されることがなくなりトナー飛散が発生しなくなったものと考えられる。
一方、従来技術では結晶性のフタロシアニン化合物が存在しており、非晶質のものに比べて粒径が大きな結晶性のフタロシアニン化合物がトナー粒子表面に存在すると、粒子表面は凹凸を帯びた構造になるので均一な帯電が行いにくくなる。その結果、トナー粒子表面における帯電量に局所的なバラツキが生じ、十分な帯電量が得られなかった領域の多いトナーは帯電不足で感光体に供給できず、飛散トナーになって画像汚染を発生させるものと考えられる。
なお、本発明では、着色剤として使用する後述する一般式〔I〕、〔II〕で表される化合物のX線回折パターンを観察したときに、ブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないことを確認することができるものを「非晶性のフタロシアニン化合物」と呼んでいる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係るトナーは、CuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さない特定構造の化合物を着色剤として含有するものである。本発明に係るトナーが、10°から30°の間に回折ピークを有さないものであることを確認する手法としては、X線として銅のKα線であって波長0.15417nmの特性X線(CuKαを線源とするX線)を用いる方法が挙げられる。前記特性X線を用いることにより、本発明に係るトナーのX線回折パターンが得られる。そして、トナーのX線回折パターンを得るための測定条件と同一の測定条件により、トナーに使用されている着色剤自体のX線回折パターンと着色剤以外のトナー構成材料のX線回折パターンを得る。これら本発明に係るトナーのX線回折パターン、着色剤自体のX線回折パターン及び着色剤以外のトナー構成材料のX線回折パターンに基づき、本発明に係るトナーが10°〜30°の間に回折ピークを有さないものであることを確認することができる。
ここで、「回折ピークを有さないもの」とは、ブラッグ角10°〜30°の範囲に、強度が0.5×10counts以上で、半値幅が0.1°以上である回折ピークが存在しないことを意味するものである。
なお、ここでいう「回折ピーク」とは、X線回折スペクトル測定により作成されるスペクトルチャート上で鋭角な突出部として示されるもので、スペクトルチャート中のノイズとは、その形状が明らかに異なるものである。
CuKαを線源とするX線回折スペクトルの測定方法としては、たとえば、粉末法や薄膜法等の公知の測定方法が挙げられ、これらはX線源としてCuKα(波長1.54178Å)を用いるものである。以下、X線回折スペクトルの測定方法の1つである薄膜法について説明する。
薄膜法によるX線回折スペクトル測定では、本発明に係るトナーの薄膜X線回折スペクトルが得られるメリットがある。測定方法の一例としては、本発明に係るトナーをガラス面上に形成し、これを測定する方法が挙げられる。以下に、本発明に係るトナーに含有される化合物のCuKαを線源とするX線回折スペクトルの測定方法の手順をより具体的に説明する。
(1)測定試料の作製
無反射カバーガラスに、乾燥後の膜厚が10μm以上となる様に本発明に係るトナーを分散させた分散液を塗布し、乾燥させる。
(2)測定装置及び測定条件
X線回折スペクトルを測定する測定装置としては、人工多層膜ミラーにて単色平行化したCuKα線を線源とする薄膜試料測定用のX線回折装置を用いる。たとえば、「リガクRINT2000(リガク(株))」等が挙げられる。X線回折スペクトルの測定条件は、以下のとおりである。すなわち、
X線出力電圧:50kV
X線出力電流:300mA
固定入射角(θ):1.0°
走査範囲(2θ):5〜45°
スキャンステップ幅:0.05°
入射ソーラースリット:5.0°
入射スリット:0.1mm
受光ソーラースリット:0.1°
上記測定条件に設定して本発明に係るトナーのX線回折スペクトルを測定することが可能である。
次に、本発明に係るトナーに着色剤として含有される下記一般式〔I〕、〔II〕で表される構造を有する化合物について説明する。本発明に係るトナーは、着色剤として、少なくとも下記一般式〔I〕、〔II〕のいずれかの構造を有する化合物を含有するものである。すなわち、
Figure 0005228949
Figure 0005228949
一般式〔I〕及び〔II〕中のZは、各々独立に、炭素数6〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示すものである。これらの中でも一般式(1)で表される基が好ましいものである。また、一般式〔II〕中のLは、酸素原子、または、−O−SiR−O−を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、塩素基、ヒドロキシ基のいずれかを表すものである。
また、一般式〔I〕及び〔II〕中のZで表される基の中で好ましい基とされる一般式(1)で表される基、すなわち、
Figure 0005228949
を構成するR、R、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または、炭素数6〜10のアリールオキシ基を示すものである。なお、R、R、Rはお互い同じ基であっても、異なる基であってもよいものである。
さらに、上記一般式〔I〕、〔II〕を構成するA、A、A及びAは同一または各々独立に
Figure 0005228949
で表される原子団を示す。
上記一般式〔I〕、〔II〕で表される化合物を着色剤として用いたトナーは、軸配位子を有するものであり、この軸配位子を有する上記構造の化合物は軸配位子を有さないフタロシアニン化合物に比べて良好な色再現性を発現する。これは、おそらく非晶質の上記〔I〕、〔II〕で表される化合物を用いることにより、トナー粒子中での着色剤の分散性が向上することにより、良好な色再現性が発現されるものと考えられる。すなわち、非晶質の前記化合物を用いることによりトナー粒子中において着色剤が均一分散し易くなることで、トナー粒子中における着色剤分布が等方化し、ムラのない色調を形成し易くなったものと考えられる。そして、上記一般式〔I〕、〔II〕で表される化合物の中でも一般式〔I〕で表されるテトラアザポルフィン化合物、すなわち、軸配位子を有するフタロシアニン化合物を用いたトナーはその傾向が顕著に表れるものである。
本発明に係るトナーでは、上記一般式〔I〕、〔II〕で表される化合物を単独もしくは複数種類併用することも可能である。トナー中に着色剤として含有される前記一般式で表される化合物の含有量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。特に、上記化合物は高い分子吸光性が期待されるので、添加量が少なくても良好な色再現性を発現することができるものと考えられる。
以下に、上記一般式〔I〕、〔II〕で表される化合物の中でも好ましいとされる一般式〔I〕で表されるテトラアザポルフィン化合物(軸配位子を有するフタロシアニン化合物)の具体例を表1に示す。なお、本発明に係るトナーに使用可能な一般式〔I〕で表される化合物は表1に示すもののみに限定されるものではない。
Figure 0005228949
表1に示すシリコンフタロシアニン化合物の中でも化合物(I−3)が特に好ましい。
また、一般式〔II〕で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に係るトナーに使用可能な一般式〔II〕で表される化合物はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例では、化合物の構造式について前述の一般式で示した立体性の表示が省略されているが、下記具体例も一般式と同様、構造に立体性を有するものである。
Figure 0005228949
Figure 0005228949
Figure 0005228949
Figure 0005228949
Figure 0005228949
Figure 0005228949
Figure 0005228949
Figure 0005228949
前記一般式〔I〕で表される化合物や一般式〔II〕で表される化合物は、たとえば、以下の文献に開示された公知の方法を用いて作製することが可能である。一般式〔I〕で表されるテトラアザポルフィン系化合物(軸配位子を有するフタロシアニン化合物)の製造方法は、たとえば、以下の特許明細書に記載された内容から参照することができる。米国特許第5428152号、同第4927735号、同第5021563号、同第5219706号、同第5034309号、同5284943号、同5075203号、同5484685号、同5039600号、同5438135号、同5665875号等。
また、一般式〔II〕で表される化合物の製造方法は、たとえば、特開平10−158534号公報で紹介されているジクロロシリコンフタロシアニン化合物を用いた作製方法が挙げられる。たとえば、前記特許文献には次の手順で一般式〔II〕で表される化合物の1つである2量化ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物を作製する、1984年にE.Ciliberto等がJ.Am、Chem.Soc.誌に発表した方法が開示されている。先ず、1,3−ジイミノイソインドリンまたはフタロジニトリルと四塩化ケイ素を溶媒中で加熱後、反応生成物をろ過、洗浄、精製してジクロロシリコンフタロシアニンを生成する。これをアルカリ処理してジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物とし、キノリン等の高沸点溶剤中で加熱処理を行った後、さらにアルカリ処理を行うことで2量化ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物が得られる。また、ジクロロシリコンフタロシアニン化合物をN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の親水性極性溶媒で加熱し、アルカリ処理する工程を経て作製する方法もある。
また、本発明に係るトナーに使用される一般式〔I〕、〔II〕で表される化合物は、前述した様に、CuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないものである。一般式〔I〕、〔II〕で表される化合物は、公知の処理方法を用いてこの様な非晶性構造に変換することが可能で、構造変換処理の具体例としては、たとえば、前記化合物を硫酸に溶解する工程を経て構造変換を行うアシッドペースト法等がある。
ここで、「アシッドペースト処理」とは、一般式〔I〕、〔II〕で表される化合物を硫酸溶液に溶解させ、その後で前記化合物を溶解させた硫酸溶液を氷中に注ぐ工程を経ることにより、前記化合物を非晶性の構造に変換させる処理方法のことである。
「アシッドペースト処理」は、以下の処理工程より構成されるものである。すなわち、
(1)一般式〔I〕または〔II〕で表される化合物を硫酸溶液に溶解する工程
(2)作製した化合物溶液中より不溶物を除去するためにろ過を行う工程
(3)ろ過した化合物溶液を氷水中に注入して粒子を生成する工程
(4)化合物の粒子溶液をろ過して化合物のペーストを生成する工程
(5)化合物のペーストを水洗して硫酸を除去した後、ろ過を行う工程
(6)化合物を乾燥する工程
なお、(5)の化合物ペーストを水洗、ろ過する工程は、硫酸を十分に除去する必要性から、場合によっては繰り返し行うことも可能である。
本発明では、トナー中に含有させる一般式〔I〕または〔II〕で表される化合物にアシッドペースト処理を施すことが好ましく、アシッドペースト処理によりブラッグ角(2θ±0.2°)10°〜30°に回折ピークを有さない非晶性の前記化合物が得られる。
本発明に係るトナーは、ブラッグ角(2θ±0.2°)10°〜30°の間に回折ピークを有さない前記一般式〔I〕または〔II〕で表される化合物を含有することにより、プリント作製枚数が増大してもトナー飛散に起因する画像汚染を発生させず、かつ、写真画像の色再現性に最適な色相角を発現させることを可能にしている。
また、本発明に係るトナーは、中間調のトナー画像を形成した時に粒状性の粗い画像を形成することがなく、均質なフルカラー画像が得られる。また、湿度が変化する環境下でプリント作製を行っても、階調性や色調が変動することがなく安定したカラー画像形成が行える。特に、湿度が高い環境下でプリント作製を行っても、グリーンやブルーの色調が変化することがなく、安定した色調のカラー画像が安定して得られる。したがって、オフィスに比べ温度や湿度の環境条件が厳しいとされる印刷工場で安定したトナーを用いたプリント作製が行えるので、印刷工場で作成することの多い写真画像入りのカラーのグラビア写真を版を起こす手間をかけずにオンデマンドに作成することができる。この様に、本発明に係るトナーを用いることにより、印刷工場では作製したプリント物の画質を飛躍的に向上させることができる。また、プリント物の生産性向上にも貢献することができる。
また、本発明に係るトナーは、濁りのない鮮やかな色調のカラー画像形成が行えるものであるが、これは、プリント作製環境の影響を受けることなく安定した帯電量が得られるためと考えられる。なお、トナーの帯電量はブローオフ式の帯電量測定装置を用いて測定することができる。
ブローオフ式の帯電量測定は、両端に金網を配した円筒形状のファラデーケージと呼ばれる容器に現像剤を収納し、高圧空気により現像剤からトナーを脱離させた後、残留した電荷量をエレクトロメータにより測定するものである。また、トナーの帯電量は残留電荷量をQ、トナー質量をMとしたときにQ/Mで表され、トナー質量はブローオフ前後のファラデーケージの質量差から求められる。
以下に、ブローオフ式の帯電量測定手順を具体的に説明する。
400メッシュのステンレス製スクリーンを装着したブローオフ式帯電量測定装置「TB−200(東芝ケミカル社製)」を用い、ブロー圧4.9×10Paの条件で10秒間窒素ガスにてブローを行ってトナーを飛翔させる。トナー帯電量(μC/g)は測定された電荷を飛翔したトナーの質量で除することにより算出することができる。
次に、本発明に係るトナーの粒径等について説明する。
本発明に係るトナーは、体積基準におけるメディアン径(D50)を3μm以上8μm以下とすることが好ましい。体積基準メディアン径を上記範囲とすることにより、たとえば、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することも可能である。
本発明に係るトナーは、写真画像の色再現を忠実に行える様にすることが課題の1つであるが、前述した構成に加えて、体積基準メディアン径を前述した小径レベルの範囲にすることで、画像を構成するドット画像を微小化できるので、印刷画像と同等以上の高精細な写真画像を形成することができる。特に、オンデマンド印刷と呼ばれる数百部から数千部レベルでプリント注文を受ける印刷分野では、高精細な写真画像の入った高画質プリントを迅速にユーザへ納品することができる。
なお、トナーの体積基準メディアン径(D50径)は、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、たとえば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
本発明に係るトナーは、その体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)が2%以上21%以下のものが好ましく、5%以上15%以下のものがより好ましい。
体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)は、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表したもので、以下の式によって定義される。
CV値(%)=〔(個数粒度分布における標準偏差)/(個数粒度分布におけるメディアン径(D50))〕×100
このCV値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、それだけトナー粒子の大きさが揃っていることを意味する。すなわち、大きさの揃ったトナーが得られることになるので、デジタル画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能である。また、写真画像をプリントするにあたり、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルあるいはそれ以上の高画質の写真画像を作成することができる。
本発明に係るトナーは、その軟化点温度(Tsp)が70℃以上110℃以下となるものが好ましく、70℃以上100℃以下となるものがより好ましい。本発明に係るトナーに使用される着色剤は、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するものであるが、軟化点を前記範囲とすることで定着時にトナーに加わる熱の影響をより低減させることができる。したがって、着色剤に負担をかけずに画像形成が行えるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。
また、トナーの軟化点を前記範囲とすることにより、従来技術よりも低い温度でトナー画像定着が行える様になり、電力消費の低減を実現した環境に優しい画像形成を可能にする。
なお、トナーの軟化点は、たとえば、以下の方法を単独で、あるいは、組み合わせることにより制御が可能である。すなわち、
(1)樹脂形成に用いる単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により樹脂の分子量を調節する。
(3)ワックス等の種類や添加量を調節する。
トナーの軟化点温度の測定方法は、具体的には「フローテスターCFT−500(島津製作所社製)」を用い、高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×10Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、最初に流出する温度を溶融開始温度、降下量5mmに対する温度を軟化点温度とするものが挙げられる。
次に、本発明に係るトナーの製造方法について説明する。
本発明に係るトナーは、少なくとも樹脂と着色剤を含有してなる粒子(以下、着色粒子ともいう)より構成されるものである。本発明に係るトナーを構成する着色粒子は、特に限定されるものではなく、従来のトナー製造方法により作製することが可能である。すなわち、混練、粉砕、分級工程を経てトナーを作製するいわゆる粉砕法によるトナー製造方法や、重合性単量体を重合させ、同時に、形状や大きさを制御しながら粒子形成を行ういわゆる重合トナーの製造方法(たとえば、乳化重合法、乳化重合凝集法、懸濁重合法、ポリエステル伸長法等)を適用することにより作製可能である。これらの製造方法の中でも、高画質の画像を再現させる観点から、小粒径のトナーを安定して作製することが可能な重合法が好ましく、その中でも乳化重合凝集法を用いることが好ましい。
乳化重合凝集法は、乳化重合法により作製された樹脂粒子の分散液を、着色剤粒子等のトナー粒子構成成分の分散液と混合し、pH調整による粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径及び粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌により粒子間の融着を行って形状制御を行うことによりトナー粒子を製造する方法である。
また、乳化重合凝集法を用いる場合に形成させる樹脂粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とすることもできる。この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)することにより作製することができる。
以下に、乳化重合凝集法によるトナー作製方法について説明する。乳化重合凝集法によるトナー作製は以下の様な工程を経て行われる。
(1)樹脂粒子分散液の作製工程
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
(3)樹脂粒子等の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
(8)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂粒子分散液の作製工程
この工程では、樹脂粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して分散させておき、この中に重合開始剤を投入して重合を行って100nm程度の大きさの樹脂粒子を形成する工程である。ここで、「水系媒体」という言葉が用いられているが、本発明でいう「水系媒体」とは、水50〜100質量%と水溶性有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体のことをいう。水溶性の有機溶剤には、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン等の公知のものがある。
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
前述した手順により、水系媒体中に着色剤を分散させて、着色剤粒子分散液を作製する工程である。
(3)樹脂粒子等の凝集・融着工程
この工程は、水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて粒子を形成し、凝集により形成した粒子を融着させてトナーの母体粒子、すなわち、外添処理をする前のトナーの母体となる粒子(以下、着色粒子ともいう)を作製する工程である。つまり、この工程は、本発明でいう「樹脂粒子を凝集させる工程」に該当するものである。
この工程では、樹脂粒子や着色剤粒子等が存在する水系媒体中に、塩化マグネシウム等に代表されるアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の凝集剤を添加することによりこれら粒子を凝集させる。次いで、水系媒体中を前記樹脂粒子のガラス転移温度以上で、かつ、前記混合物の融解ピーク温度以上に加熱することにより凝集を進行させると同時に凝集させた樹脂粒子同士を融着させている。さらに、凝集を進行させて粒子が目標の粒径になった時に、食塩等の塩を添加して凝集を停止させ、着色粒子を形成するものである。
(4)熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより着色粒子の形状を所望の平均円形度になるまで熟成するいわゆる形状制御工程とも呼ばれる工程である。熟成工程では、前述の凝集・融着工程で形成された着色粒子を構成する結着樹脂のガラス転移温度以上に加熱することにより、着色粒子の形状制御が行える。
(5)冷却工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/分の冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(6)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離する工程と、固液分離されたウェット状態の着色粒子表面より界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去する洗浄工程からなる。
生産工程では、固液分離された着色粒子は、通常、トナーケーキと呼ばれるケーキ状の集合物の形態をとり、洗浄処理はトナーケーキを解砕して行う。また、洗浄処理は、ろ液の電気伝導度がたとえば10μS/cm程度になるまで水で洗浄する。固液分離方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用する減圧ろ過法、フィルタプレス等を使用するろ過法等がある。
(7)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された着色粒子を乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレイドライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機や、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等がある。
乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以下である。なお、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサ、コーヒーミル、フードプロセッサ等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(8)外添剤処理工程
この工程は、乾燥処理した着色粒子に後述する様な外添剤や滑剤を添加することにより画像形成に使用可能なトナー粒子を作製する工程である。なお、前記乾燥工程を経た着色粒子をそのままトナー粒子として使用するケースもあるが、外添剤を添加することによりトナーの帯電性や流動性、クリーニング性を向上させることができる。これら外添剤には、後述する無機微粒子や有機微粒子、脂肪族金属塩を使用することができ、その添加量はトナー全体に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤は種々のものを組み合わせて添加することができる。なお、外添剤を添加する際に使用する混合装置としては、たとえば、タービュラミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機、コーヒーミル等の公知の機械式の混合装置がある。
以上の工程を経ることにより、乳化重合凝集法を用いてトナー作製を行うことが可能である。
また、粉砕法により本発明に係るトナーを製造する場合、混練物の温度を130℃以下に維持した状態で作製を行うことが好ましい。これは、混練物に加える温度が130℃を超えると、混練物に加えられた熱の作用で混練物中における着色剤の凝集状態に変動を来し均一な凝集状態を維持できなくなるおそれがあるためである。仮に、凝集状態にバラツキが発生すると、作製されたトナーの色調にバラツキが生じることになり、色濁りの原因となることが懸念される。
次に、本発明に係るトナーを構成する樹脂やワックス等について、具体例を挙げて説明する。
先ず、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂は、特に限定されるものではないが、下記に記載されるビニル系単量体と呼ばれる重合性単量体を重合して形成される重合体がその代表的なものである。また、本発明で使用可能な樹脂を構成する重合体は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られる重合体を構成成分とするものであり、これらビニル系単量体を単独あるいは複数種類組み合わせて作製した重合体である。
以下に、ビニル系の重合性単量体の具体例を示す。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等
また、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すイオン性解離基を有するものも使用可能である。たとえば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の官能基を単量体の側鎖に有するものが挙げられ、具体的には、以下のものが挙げられる。
先ず、カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。また、スルフォン酸基を有するものとしては、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等が挙げられ、リン酸基を有するものとしてはアシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の樹脂を作製することも可能である。以下に、多官能性ビニル類の具体例を示す。
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等
次に、本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、以下に示す様な公知のものが挙げられる。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
次に、本発明に係るトナーは、その製造工程で外部添加剤(=外添剤)として数平均一次粒径が4〜800nmの無機微粒子や有機微粒子等の粒子を添加して、トナー作製されることが可能である。
外添剤の添加により、トナーの流動性や帯電性が改良され、また、クリーニング性の向上等が実現される。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、たとえば、以下に挙げる無機微粒子や有機微粒子、及び、滑剤が挙げられる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、たとえば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましいものとして挙げられる。また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用可能である。
シリカ微粒子の具体例としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
また、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために滑剤を使用することも可能であり、たとえば、以下の様な高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。すなわち、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩が挙げられる。
これら外添剤や滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。また、外添剤や滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
本発明に係るトナーは、キャリアとトナーより構成される二成分現像剤として、また、トナーのみから構成される非磁性一成分現像剤として使用することが可能である。
本発明に係るトナーを二成分現像剤として使用する場合、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の公知の材料からなる磁性粒子を用いることが可能で、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとして、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアやバインダ樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダ型キャリア等を使用することも可能である。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、バインダ型キャリアを構成するバインダ樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することが可能で、たとえば、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等を使用することが可能である。
キャリアは、高画質の画像が得られること、及びキャリアかぶりが抑止されることから、体積基準のメディアン径で20〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、耐スペント性の観点から、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル樹脂を用いたコートキャリアが挙げられ、特に、耐久性、耐環境安定性及び耐スペント性の観点から、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)に、イソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したコートキャリアを好ましく挙げられる。上記のコートキャリアを形成するビニル系単量体は、イソシアネートと反応性を有する水酸基などの置換基を有する単量体である。
また、キャリアを使用せずに画像形成を行う非磁性一成分現像剤として使用する場合、画像形成時にトナーは帯電部材や現像ローラ面に摺擦、押圧して帯電が行われる。非磁性一成分現像方式による画像形成は、現像装置の構造を簡略化できるので、画像形成装置全体をコンパクト化できるメリットがある。したがって、本発明に係るトナーを非磁性一成分現像剤として使用すると、コンパクトなカラープリンタでフルカラーのプリント作成が実現され、スペース的に制限のある作業環境でも色再現性に優れたフルカラープリントの作成が可能である。
次に、本発明に係るトナーを用いてフルカラー画像形成が行える画像形成装置について説明する。先ず、本発明に係るトナーを用いてフルカラー画像形成を行う場合、少なくとも以下の工程を経てフルカラー画像を形成することができる。すなわち、
(1)任意の波長を有する露光光を電子写真感光体上に照射することにより静電潜像を形成する静電潜像形成工程
(2)静電潜像が形成された電子写真感光体上に現像剤を供給して、電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程
(3)電子写真感光体上に形成されたトナー画像を用紙等の転写体上に転写する転写工程
(4)転写体上に転写されたトナー像を定着する定着工程。
なお、上記4つの工程以外の他の工程を有するものであってもよい。たとえば、トナー画像を転写した後、静電潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程を有するものが好ましい。また、転写工程では、静電潜像担持体より記録媒体上へのトナー画像の転写を中間転写体を介して行うものでもよい。
また、上記現像工程では直流バイアスに交流バイアスを重畳した現像バイアスを印加して静電潜像を現像することも可能である。
次に、本発明に係るトナーを用いてフルカラー画像形成が行える画像形成装置の一例を説明する。図1は、二成分系現像剤によりフルカラー画像形成が行える画像形成装置の一例を示す概略図である。
図1において、1Y、1M、1C、1Bkは感光体、4Y、4M、4C、4Bkは現像装置(現像手段)、5Y、5M、5C、5Bkは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Bkはクリーニング装置、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と呼ばれるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとしてイエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとしてマゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとしてシアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。
さらに、他の異なる色のトナー像の1つとして黒色の画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Bk、該感光体1Bkの周囲に配置された帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、1次転写手段としての1次転写ロール5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は1次転写ロール5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Bkは常時、感光体1Bkに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
この様に、感光体1Y、1M、1C、1Bk上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Bkは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残留したトナーを除去後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
非磁性一成分系現像剤を用いるフルカラー画像形成方法は、たとえば、前述した二成分系現像剤用の現像手段4を公知の非磁性一成分系現像剤用の現像手段に交換した画像形成装置を用いることにより実現が可能である。
また、本発明に係る画像形成方法で実施可能な定着方法は、特に限定されるものではなく、公知の定着方式により対応が可能である。公知の定着方式としては、加熱ローラと加圧ローラからなるローラ定着方式、加熱ローラと加圧ベルトからなる定着方式、加熱ベルトと加圧ローラで構成される定着方式、加熱ベルトと加圧ベルトからなるベルト定着方式等が挙げられ、いずれの方式でもよい。また加熱方式としてはハロゲンランプによる方式、IH定着方式など、公知のいずれの加熱方式を採用することができる。
本発明に係るトナーを用いて形成されたトナー画像は、最終的に記録部材P上に転写され、定着処理により、転写材上に固定されることにより画像形成が行われる。上記画像形成に使用される記録部材Pは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、記録材あるいは転写材ともよばれるものである。具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙や上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種記録部材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、シアン着色剤微粒子の体積基準のメディアン径は
1.着色剤用化合物の硫酸処理
(1)「化合物I−1」の硫酸処理
前述した表1に示す化合物I−1 10質量部を市販の特級濃硫酸(関東化学社製)500質量部に氷冷下でゆっくりと溶解させた後、当該溶液をグラスフィルタとろ過鐘を用いて吸引ろ過した。吸引ろ過を完了させた後、ろ液の温度を25℃以下に保ちながら、ガラス容器に入れた3000質量部の氷の上に当該ろ液をゆっくり注ぐことにより、化合物I−1が粒子状に固化した。
次に、ろ紙を敷いたヌッチェを用い、粒子状に固化した化合物I−1を含有する液を減圧ろ過により固液分離した。固液分離操作中、イオン交換水20000質量部を数回に分けてろ紙を敷いたヌッチェ上の粒子状固化物にかけて硫酸を洗浄、除去した。固液分離操作後、ろ紙を敷いたヌッチェ上の化合物I−1をシャーレにあけ、60℃で数日間乾燥し、粒子状の化合物I−1 9.5質量部が得られた。
得られた化合物I−1について、前述したCuKα線を線源とする薄膜試料測定用のX線回折装置「リガクRINT2000(リガク(株))」を用いてX線回折スペクトルを測定すると、ブラッグ角(2θ)10°〜30°の範囲内に回折ピークはみられなかった。
(2)「化合物I−2、3、5、10〜14、16、19〜22、24」及び「化合物」及び「化合物II−3〜6、8、9、12、15〜18」の硫酸処理
前述の表1に示す「化合物I−2、3、5、10〜14、16、19〜22、24」を、前記「化合物I−1」のときと同じ手順で硫酸処理した。また、前述した一般式〔II〕で表される化合物の例示化合物である「化合物II−3〜6、8、9、12、15〜18」についても、前記「化合物I−1」のときと同じ手順で硫酸処理を行った。
上記硫酸処理を行った上記各化合物について、上述のX線回折スペクトル測定を行ってみたところ、これら化合物もブラッグ角(2θ)10°〜30°の範囲内に回折ピークはみられないものであった。
2.「トナー1〜21」、「比較用トナー1〜8」の作製
2−1.「トナー1」(混練・粉砕法によるトナー)の作製
下記化合物をヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
ポリエステル樹脂 100質量部
(ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸の縮合物 重量平均分子量20,000)
化合物I−3 2.0質量部
ペンタエリスリトールテトラステアレート(ワックス) 6質量部
ジベンジル酸ホウ素(荷電制御剤) 1質量部
混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粉砕処理し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積基準メディアン径が5.5μmの着色粒子を得た。
次に、上記着色粒子に下記外添剤を添加して、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)にて外添処理を行い、「トナー1」を作製した。
ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm)0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)
0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。
2−2.「トナー2〜21」(乳化会合法によるトナー)の作製
(1)「着色剤微粒子分散液1〜20」の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に「化合物I−3」2.0質量部を徐々に添加し、次いで、「クレアミックスWモーションCLM−0.8(エムテクニック社製)」を用いて分散処理を行うことにより、「着色剤微粒子分散液1」を調製した。「着色剤微粒子分散液1」中の「着色剤微粒子1(化合物I−3)」は、体積基準メディアン径が165nmであった。
着色剤微粒子の体積基準メディアン径は、「MICROTRAC UPA 150」(HONEWELL社製)により、下記の測定条件下で測定したものである。すなわち、
〔測定条件〕
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重 :1.05(球状粒子換算)
溶媒屈折率 :1.33
溶媒粘度 :0.797(30℃)、1.002(20℃)
ゼロ点調整 :測定セル内にイオン交換水を入れて行った。
さらに、上記「着色剤微粒子分散液1」の調製に用いた「化合物I−3」2.0質量部に代えて、表2に示す様に化合物とその添加量を変更した他は同じ手順で「着色剤微粒子分散液2〜20」を作製した。
Figure 0005228949
(2)「コア部用樹脂粒子1」の作製
下記に示す第1段重合、第2段重合及び第3段重合を経て多層構造を有する「コア部用樹脂粒子1」を作製した。
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に下記(構造式1)に示すアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部とともに投入し、界面活性剤水溶液を調製した。
(構造式1) C1021(OCHCHSONa
上記界面活性剤水溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃に昇温させた後、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて反応容器中に滴下した。
スチレン 532質量部
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
上記単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子を作製した。この樹脂粒子を「樹脂粒子A1」とする。なお、第1段重合で作製した「樹脂粒子A1」の重量平均分子量は16,500だった。
(b)第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物からなる単量体混合液を投入し、続いて、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57(日本製蝋社製)」93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。この様にして単量体溶液を調製した。
スチレン 101.1質量部
n−ブチルアクリレート 62.2質量部
メタクリル酸 12.3質量部
n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
一方、前記アニオン界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製し、98℃に加熱した。この界面活性剤水溶液中に前記「樹脂粒子A1」を32.8質量部(固形分換算)添加し、さらに、上記パラフィンワックスを含有する単量体溶液を添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エムテクニック社製)」で8時間混合分散した。前記混合分散により分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液を調製した。
次いで、前記乳化粒子分散液に過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌を行うことで重合(第2段重合)を行って樹脂粒子を作製した。この樹脂粒子を「樹脂粒子A2」とする。なお、第2段重合で作製した「樹脂粒子A2」の重量平均分子量は23,000だった。
(c)第3段重合
上記第2段重合で得られた「樹脂粒子A2」に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 293.8質量部
n−ブチルアクリレート 154.1質量部
n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却して「コア部用樹脂粒子1」を作製した。第3段重合で作製した。「コア部用樹脂粒子1」の重量平均分子量は26,800であった。
(3)「シェル用樹脂粒子」の作製
前記「コア部用樹脂粒子1」の作製における第1段重合で使用された単量体混合液を以下のものに変更した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行って「シェル用樹脂粒子1」を作製した。
スチレン 624質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 56質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
(4)「トナー2」の作製
下記の手順により「トナー2」を作製した。
(a)コア部の形成
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、
コア部用樹脂粒子 420.7質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
着色剤微粒子1 200質量部(固形分換算)
を投入、撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8乃至11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を撹拌の下で30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温させ、上記粒子の会合を行った。この状態で「マルチサイザー3(コールター社製)」を用いて会合粒子の粒径測定を行い、会合粒子の体積基準メディアン径が5.5μmになったときに、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた水溶液を添加して会合を停止させた。
会合停止後、さらに、熟成処理として液温を70℃にして1時間にわたり加熱撹拌を行うことにより融着を継続させて「コア部1」を作製した。
「コア部1」の平均円形度を「FPIA2100(シスメックス社製)」で測定したところ、0.912だった。
(b)シェルの形成
次に、上記液を65℃にして「シェル用樹脂粒子1」を96質量部添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたり撹拌を行った。この様にして、「コア部1」の表面に「シェル用樹脂粒子1」を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェルを形成させた。
この後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加してシェル形成を停止した。さらに、8℃/分の速度で30℃に冷却して生成した着色粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェルを有する「着色粒子2」を作製した。
(c)外添処理
作製した「着色粒子2」に下記外添剤を添加して、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)にて外添処理を行い、「トナー2」を作製した。
ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm)
0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)
0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。
(5)「トナー3〜21」の作製
「トナー2」の作製で使用した「着色剤微粒子分散液1」を表2に示す「着色剤微粒子分散液2〜20」に変更した他は同じ手順で「トナー3〜21」を作製した。
以上の手順により作製した「トナー1〜21」について、前述の方法によりX線回折スペクトル測定を行ったところ、いずれのトナーもブラッグ角(2θ)10°〜30°の範囲内に回折ピークはみられないものであった。
2−3.「比較用トナー1〜8」の作製
(1)「比較用トナー1」の作製
「トナー2」の作製において、「着色剤微粒子分散液1」に代えて、以下の手順で銅フタロシアニンを作製し、当該銅フタロシアニン化合物に前述の硫酸処理を施したものを用いて作製した「銅フタロシアニン微粒子分散液1」を用いた他は同じ手順で「比較用トナー1」を作製した。
(銅フタロシアニンの作製)
還流冷却器、撹拌装置、温度計、加熱装置を備えた反応容器に、以下の化合物を供給し、180〜185℃に保ちながら2時間反応させた。
無水フタル酸 21.0質量部
尿素 23.0質量部
無水塩化第一銅 3.6質量部
モリブテン酸アンモニウム 0.007質量部
tert−ブチルキシレン 100質量部
(tert−ブチル−o−キシレンを主成分とし、他にtert−ブチル−m−キシレン、tert−ブチル−p−キシレンとを含有してなる混合物)
反応終了後、反応物を冷却した後、減圧ろ過により反応物を回収した。回収した反応物をメタノール400質量部に投入して洗浄処理した後、ろ過処理を行った。このメタノールによる洗浄処理とろ過を2回行った。
ろ過物よりメタノール等を除去後、反応物を2%水酸化ナトリウム水溶液4000質量部に投入し、1時間の煮沸洗浄処理を行った後、ろ過処理を行い、さらに、ろ過処理後、洗浄水が中和するまで熱水による洗浄を繰り返した。熱水による洗浄実施後、今度は反応物を2%塩酸2000質量部に投入し、上記同様、煮沸洗浄処理、ろ過処理を行い、洗浄水が中和するまで熱水による洗浄を繰り返した。この様にして、「銅フタロシアニン化合物」を得た。
(2)「比較用トナー2」の作製
前記「比較用トナー1」の作製で用いた「銅フタロシアニン化合物」を前述の硫酸処理後、さらに、以下の加熱処理を施した。
前述の硫酸処理を施した「銅フタロシアニン化合物」5質量部をるつぼに投入し、昇華装置のチャンバを45Paに減圧した後、るつぼの温度を450℃に上げて2時間加熱して、「銅フタロシアニン化合物」を昇華させる。上記加熱処理実施後、るつぼの冷却を開始し、るつぼの温度が室温になったところで、チャンバ内を大気圧にする。このとき、チャンバ内に設けられたコレクタ基体に加熱により昇華した「銅フタロシアニン化合物」が凝集している。
昇華を経て形成した「銅フタロシアニン化合物」3.0質量部をニトロベンゼン300質量部に懸濁させ、200℃にて1時間加熱処理した後、ろ過を行い、アセトン、次いで、メタノールで洗浄処理を行った後、乾燥処理をして精製処理を完了させる。以上の加熱処理を施した「銅フタロシアニン化合物」を用いた他は同じ手順で「比較用トナー2」を作製した。
(3)「比較用トナー3」の作製
前記「トナー2」の作製において、「着色剤微粒子分散液1」を特開平5−239368号公報に開示される下記に示す化合物に前述の硫酸処理を施して作製した着色剤微粒子分散液を用いた他は同じ手順で「比較用トナー3」を作製した。
Figure 0005228949
(4)「比較用トナー4、5」の作製
前記「トナー2」の作製において、「着色剤微粒子分散液1」に代えて、下記に示すスズ原子を含有するフタロシアニン化合物に前述の硫酸処理を施して作製した着色剤微粒子分散液を用いた他は同じ手順で「比較用トナー4」を作製した。また、この化合物を硫酸処理後、「比較用トナー2」の作製で行った加熱処理による精製を行ったもので作製した着色剤微粒子分散液を用いて「比較用トナー5」を作製した。
Figure 0005228949
(5)「比較用トナー6、7」の作製
前記「トナー2」の作製において、「着色剤微粒子分散液1」に代えて、下記に示すゲルマニウム原子を含有するフタロシアニン化合物に前述の硫酸処理を施して作製した着色剤微粒子分散液を用いた他は同じ手順で「比較用トナー6」を作製した。また、この化合物を硫酸処理後、「比較用トナー2」の作製で行った加熱処理による精製を行ったもので作製した着色剤微粒子分散液を用いて「比較用トナー7」を作製した。
Figure 0005228949
以上の手順により作製した「比較用トナー1〜7」についても「トナー1〜21」と同じ方法でX線回折スペクトル測定を行い、ブラッグ角(2θ)10°〜30°の範囲内での回折ピークの有無を評価した。
以上、「トナー1〜21」及び「比較用トナー1〜7」について、着色剤を構成する化合物とその添加量、X線回折スペクトル測定によるブラッグ角(2θ)10°〜30°の範囲内での回折ピークの有無を表3に示す。
Figure 0005228949
2−4.「現像剤1〜21」、「比較用現像剤1〜7」の調製
上記「トナー1〜21」及び「比較用トナー1〜7」の各々に、シリコーン樹脂を被覆してなる体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤1〜21」及び「比較用現像剤1〜7」を調製した。
3.評価実験
図1に示す二成分系現像方式の画像形成装置に対応する市販の複合プリンタ「bizhub C450(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」に、各現像剤を投入したシアン現像装置を装填して、トナー飛散、画像汚染、色調について評価した。ここで、本発明の構成を有するトナーよりなる「現像剤1〜21」を用いたものを「実施例1〜21」、本発明の構成を有さないトナーよりなる「比較用現像剤1〜7」を用いたものを「比較例1〜7」とした。なお、色調評価を行うために使用するイエロートナーとマゼンタトナーは、当該複合プリンタ対応の純正品を使用した。
(1)トナー飛散と画像汚染の評価
(a)トナー飛散評価
上記複合プリンタにて、シアントナーのみで3万枚の連続プリントを実施後、シアン現像装置を取り出して空回転機にセットした。当該シアン現像装置のスリーブ直下が中心位置になる様にA4用紙を配置して、空回転を10分間行い、用紙上に落下したトナーの質量を測定した。評価は下記基準に基づいて行い、A〜Dの範囲にあるものを合格とした。
A:3mg未満
B:3mg以上6mg未満
C:6mg以上9mg未満
D:9mg以上12mg未満
E:12mg以上15mg未満
F:15mg以上
(b)画像汚染評価
高温低湿環境(温度30℃、湿度25%RH)下において、相対画像濃度が1.2のプリント物(A4)を5000枚連続出力した後、白紙(A4)を出力し、倍率5倍のルーペを用いて当該白紙上に存在する粒状汚染(青ポチ)の発生個数を数えて評価した。評価は下記基準に基づいて行い、前記汚染が20個未満である◎〜△の範囲にあるものを合格とした。
◎:全くなし
○:1個〜3個
△:4個〜19個
×:20個以上
(2)色調評価
次に、上記画像形成装置を用いて以下の手順で色調評価を行った。
(a)青色系ロゴマークの色味評価
青色系ロゴマークを採用しているメーカ50社のロゴマークを、各社ホームページより下記に詳細を記すコンピュータディスプレイ上に表示し、それを転写紙「和紙コピー大王(小津産業社製)」にプリントした。作製したプリント物を無作為に抽出した10代〜70代のパネラ100名に提示し、「プリント上のロゴマークがディスプレイ上に表示されたロゴマークと比較して違和感なく再現されている」と評価した人の数で評価を行った。
(評価基準)
A:「再現されている」と評価した人が90人以上(優良)
B:「再現されている」と評価した人が80人以上90人未満(良好)
C:「再現されている」と評価した人が60人以上80人未満(実用可能)
D:「再現されている」と評価した人が60人未満(不良)
(コンピュータディスプレイ条件)
・コンピュータ:iMAC(アップルコンピュータ(株)製)
・24インチワイドスクリーン液晶表示画面
・画面解像度:1920×1200ピクセル
・2.16GHz Intel Core 2 Duo プロセッサ1
・4MB共有L2キャッシュ
・1GBメモリ(2×512MB SO−DIMM)
・250GBシリアルATAハードドライブ2
・8x二層式SuperDrive(DVD+R DL、DVD±RW、CD−RW)
・NVIDIA GeForce 7300 GT 128MB GDDR3 メモリ
・AirMac Extreme及びBluetooth2.0内蔵
・Apple Remote
(b)緑色系ロゴマークの色味評価
緑色系ロゴマークを採用している銀行、学校法人、メーカから50団体のロゴマークを各法人のホームページより前記青色系ロゴマークの色味評価を行ったコンピュータディスプレイ上に表示し、それを転写紙「和紙コピー大王(小津産業社製)」にプリントした。作製したプリント物を無作為に抽出した10代〜70代のパネラ100名に提示し、「プリント上のロゴマークがディスプレイ上に表示されたロゴマークと比較して違和感なく再現されている」と評価した人の数で評価を行った。
(評価基準)
A:「再現されている」と評価した人が90人以上(優良)
B:「再現されている」と評価した人が80人以上90人未満(良好)
C:「再現されている」と評価した人が60人以上80人未満(実用可能)
D:「再現されている」と評価した人が60人未満(不良)
以上の結果を表4に示す。
Figure 0005228949
表4に示す様に、本発明の構成を有する「トナー1〜21」を用いた「実施例1〜21」は、いずれもトナー飛散や画像汚染の問題が発生しないものであることが確認された。また、作製した青色系ロゴマークと緑色系ロゴマークも実用可能な仕上がりになり良好な色調が得られることが確認された。一方、本発明の構成を有さない「比較用トナー1〜7」を用いた「比較例1〜7」は、いずれもトナー飛散や画像汚染の程度が激しく「実施例1〜21」とは性能が異なるものであることが確認された。
1(1Y、1M、1C、1Bk) 感光体
2(2Y、2M、2C、2Bk) 帯電装置
3(3Y、3M、3C、3Bk) 露光装置
4(4Y、4M、4C、4Bk) 現像装置
5(5Y、5M、5C、5Bk、5A) 転写ロール
6(6Y、6M、6C、6Bk) クリーニング装置
7 中間転写体ユニット
10(10Y、10M、10C、10Bk) 画像形成部
24 熱ロール式定着装置
70 中間転写体

Claims (4)

  1. 少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーであって、
    前記着色剤は、
    少なくとも下記一般式〔I〕、〔II〕のいずれかの構造を有する化合物を含有するものであり、
    かつ、前記化合物が、CuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないものであることを特徴とするトナー。
    Figure 0005228949
    〔式中、Zは各々独立に、炭素数6〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示す。〕
    Figure 0005228949
    〔式中、Z、Zは各々独立に、炭素数6〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示す。
    また、Lは、酸素原子、または、−O−SiR−O−を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、塩素基、ヒドロキシ基のいずれかを表す。〕
    Figure 0005228949
    (式中、R、R、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または、炭素数6〜10のアリールオキシ基を示す。なお、R、R、Rはお互い同じ基であっても、異なる基であってもよい。)
    さらに、上記一般式〔I〕、〔II〕を構成するA、A、A及びAは同一または各々独立に下記構造で表される原子団を示す。
    Figure 0005228949
  2. 前記化合物は、アシッドペースト処理を行ったものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーの製造方法であって、
    少なくとも、重合性単量体を水系媒体中に分散させた状態で重合を行って前記樹脂を作製する工程と、前記着色剤を水系媒体中に分散させる工程と、分散させた前記着色剤と前記樹脂を水系媒体中で凝集させる工程を有するものであって、
    前記着色剤は、
    少なくとも下記一般式〔I〕、〔II〕のいずれかの構造を有する化合物を含有するものであり、
    かつ、前記化合物がCuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないものであることを特徴とするトナーの製造方法。
    Figure 0005228949
    〔式中、Zは各々独立に、炭素数6〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示す。〕
    Figure 0005228949
    〔式中、Z、Zは各々独立に、炭素数6〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示す。
    また、Lは、酸素原子、または、−O−SiR−O−を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、塩素基、ヒドロキシ基のいずれかを表す。〕
    Figure 0005228949
    (式中、R、R、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または、炭素数6〜10のアリールオキシ基を示す。なお、R、R、Rはお互い同じ基であっても、異なる基であってもよい。)
    さらに、上記一般式〔I〕、〔II〕を構成するA、A、A及びAは同一または各々独立に下記構造で表される原子団を表す。
    Figure 0005228949
  4. 前記化合物は、アシッドペースト処理を行ったものであることを特徴とする請求項3に記載のトナーの製造方法。
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