JP5228949B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
『少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーであって、
前記着色剤は、
少なくとも下記一般式〔I〕、〔II〕のいずれかの構造を有する化合物を含有するものであり、
かつ、前記化合物が、CuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないものであることを特徴とするトナー。
さらに、上記一般式〔I〕、〔II〕を構成するA1、A2、A3及びA4は同一または各々独立に
『前記化合物は、アシッドペースト処理を行ったものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。』というものである。
『少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーの製造方法であって、
少なくとも、重合性単量体を水系媒体中に分散させた状態で重合を行って前記樹脂を作製する工程と、前記着色剤を水系媒体中に分散させる工程と、分散させた前記着色剤と前記樹脂を水系媒体中で凝集させる工程を有するものであって、
前記着色剤は、
少なくとも下記一般式〔I〕、〔II〕のいずれかの構造を有する化合物を含有するものであり、
かつ、前記化合物がCuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないものであることを特徴とするトナーの製造方法。
さらに、上記一般式〔I〕、〔II〕を構成するA1、A2、A3及びA4は同一または各々独立に
『前記化合物は、アシッドペースト処理を行ったものであることを特徴とする請求項3に記載のトナーの製造方法。』というものである。
(1)測定試料の作製
無反射カバーガラスに、乾燥後の膜厚が10μm以上となる様に本発明に係るトナーを分散させた分散液を塗布し、乾燥させる。
(2)測定装置及び測定条件
X線回折スペクトルを測定する測定装置としては、人工多層膜ミラーにて単色平行化したCuKα線を線源とする薄膜試料測定用のX線回折装置を用いる。たとえば、「リガクRINT2000(リガク(株))」等が挙げられる。X線回折スペクトルの測定条件は、以下のとおりである。すなわち、
X線出力電圧:50kV
X線出力電流:300mA
固定入射角(θ):1.0°
走査範囲(2θ):5〜45°
スキャンステップ幅:0.05°
入射ソーラースリット:5.0°
入射スリット:0.1mm
受光ソーラースリット:0.1°
上記測定条件に設定して本発明に係るトナーのX線回折スペクトルを測定することが可能である。
(1)一般式〔I〕または〔II〕で表される化合物を硫酸溶液に溶解する工程
(2)作製した化合物溶液中より不溶物を除去するためにろ過を行う工程
(3)ろ過した化合物溶液を氷水中に注入して粒子を生成する工程
(4)化合物の粒子溶液をろ過して化合物のペーストを生成する工程
(5)化合物のペーストを水洗して硫酸を除去した後、ろ過を行う工程
(6)化合物を乾燥する工程
なお、(5)の化合物ペーストを水洗、ろ過する工程は、硫酸を十分に除去する必要性から、場合によっては繰り返し行うことも可能である。
このCV値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、それだけトナー粒子の大きさが揃っていることを意味する。すなわち、大きさの揃ったトナーが得られることになるので、デジタル画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能である。また、写真画像をプリントするにあたり、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルあるいはそれ以上の高画質の写真画像を作成することができる。
(1)樹脂形成に用いる単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により樹脂の分子量を調節する。
(3)ワックス等の種類や添加量を調節する。
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
(3)樹脂粒子等の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
(8)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
この工程では、樹脂粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して分散させておき、この中に重合開始剤を投入して重合を行って100nm程度の大きさの樹脂粒子を形成する工程である。ここで、「水系媒体」という言葉が用いられているが、本発明でいう「水系媒体」とは、水50〜100質量%と水溶性有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体のことをいう。水溶性の有機溶剤には、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン等の公知のものがある。
前述した手順により、水系媒体中に着色剤を分散させて、着色剤粒子分散液を作製する工程である。
この工程は、水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて粒子を形成し、凝集により形成した粒子を融着させてトナーの母体粒子、すなわち、外添処理をする前のトナーの母体となる粒子(以下、着色粒子ともいう)を作製する工程である。つまり、この工程は、本発明でいう「樹脂粒子を凝集させる工程」に該当するものである。
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより着色粒子の形状を所望の平均円形度になるまで熟成するいわゆる形状制御工程とも呼ばれる工程である。熟成工程では、前述の凝集・融着工程で形成された着色粒子を構成する結着樹脂のガラス転移温度以上に加熱することにより、着色粒子の形状制御が行える。
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/分の冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離する工程と、固液分離されたウェット状態の着色粒子表面より界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去する洗浄工程からなる。
この工程は、洗浄処理された着色粒子を乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレイドライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機や、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等がある。
この工程は、乾燥処理した着色粒子に後述する様な外添剤や滑剤を添加することにより画像形成に使用可能なトナー粒子を作製する工程である。なお、前記乾燥工程を経た着色粒子をそのままトナー粒子として使用するケースもあるが、外添剤を添加することによりトナーの帯電性や流動性、クリーニング性を向上させることができる。これら外添剤には、後述する無機微粒子や有機微粒子、脂肪族金属塩を使用することができ、その添加量はトナー全体に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤は種々のものを組み合わせて添加することができる。なお、外添剤を添加する際に使用する混合装置としては、たとえば、タービュラミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機、コーヒーミル等の公知の機械式の混合装置がある。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等
また、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すイオン性解離基を有するものも使用可能である。たとえば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の官能基を単量体の側鎖に有するものが挙げられ、具体的には、以下のものが挙げられる。
次に、本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、以下に示す様な公知のものが挙げられる。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
(1)任意の波長を有する露光光を電子写真感光体上に照射することにより静電潜像を形成する静電潜像形成工程
(2)静電潜像が形成された電子写真感光体上に現像剤を供給して、電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程
(3)電子写真感光体上に形成されたトナー画像を用紙等の転写体上に転写する転写工程
(4)転写体上に転写されたトナー像を定着する定着工程。
1.着色剤用化合物の硫酸処理
(1)「化合物I−1」の硫酸処理
前述した表1に示す化合物I−1 10質量部を市販の特級濃硫酸(関東化学社製)500質量部に氷冷下でゆっくりと溶解させた後、当該溶液をグラスフィルタとろ過鐘を用いて吸引ろ過した。吸引ろ過を完了させた後、ろ液の温度を25℃以下に保ちながら、ガラス容器に入れた3000質量部の氷の上に当該ろ液をゆっくり注ぐことにより、化合物I−1が粒子状に固化した。
前述の表1に示す「化合物I−2、3、5、10〜14、16、19〜22、24」を、前記「化合物I−1」のときと同じ手順で硫酸処理した。また、前述した一般式〔II〕で表される化合物の例示化合物である「化合物II−3〜6、8、9、12、15〜18」についても、前記「化合物I−1」のときと同じ手順で硫酸処理を行った。
2−1.「トナー1」(混練・粉砕法によるトナー)の作製
下記化合物をヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
(ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸の縮合物 重量平均分子量20,000)
化合物I−3 2.0質量部
ペンタエリスリトールテトラステアレート(ワックス) 6質量部
ジベンジル酸ホウ素(荷電制御剤) 1質量部
混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粉砕処理し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積基準メディアン径が5.5μmの着色粒子を得た。
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)
0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。
(1)「着色剤微粒子分散液1〜20」の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に「化合物I−3」2.0質量部を徐々に添加し、次いで、「クレアミックスWモーションCLM−0.8(エムテクニック社製)」を用いて分散処理を行うことにより、「着色剤微粒子分散液1」を調製した。「着色剤微粒子分散液1」中の「着色剤微粒子1(化合物I−3)」は、体積基準メディアン径が165nmであった。
〔測定条件〕
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重 :1.05(球状粒子換算)
溶媒屈折率 :1.33
溶媒粘度 :0.797(30℃)、1.002(20℃)
ゼロ点調整 :測定セル内にイオン交換水を入れて行った。
下記に示す第1段重合、第2段重合及び第3段重合を経て多層構造を有する「コア部用樹脂粒子1」を作製した。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に下記(構造式1)に示すアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部とともに投入し、界面活性剤水溶液を調製した。
上記界面活性剤水溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃に昇温させた後、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて反応容器中に滴下した。
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
上記単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子を作製した。この樹脂粒子を「樹脂粒子A1」とする。なお、第1段重合で作製した「樹脂粒子A1」の重量平均分子量は16,500だった。
(b)第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物からなる単量体混合液を投入し、続いて、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57(日本製蝋社製)」93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。この様にして単量体溶液を調製した。
n−ブチルアクリレート 62.2質量部
メタクリル酸 12.3質量部
n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
一方、前記アニオン界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製し、98℃に加熱した。この界面活性剤水溶液中に前記「樹脂粒子A1」を32.8質量部(固形分換算)添加し、さらに、上記パラフィンワックスを含有する単量体溶液を添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エムテクニック社製)」で8時間混合分散した。前記混合分散により分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液を調製した。
(c)第3段重合
上記第2段重合で得られた「樹脂粒子A2」に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
n−ブチルアクリレート 154.1質量部
n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却して「コア部用樹脂粒子1」を作製した。第3段重合で作製した。「コア部用樹脂粒子1」の重量平均分子量は26,800であった。
前記「コア部用樹脂粒子1」の作製における第1段重合で使用された単量体混合液を以下のものに変更した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行って「シェル用樹脂粒子1」を作製した。
2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 56質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
(4)「トナー2」の作製
下記の手順により「トナー2」を作製した。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、
コア部用樹脂粒子 420.7質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
着色剤微粒子1 200質量部(固形分換算)
を投入、撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8乃至11に調整した。
次に、上記液を65℃にして「シェル用樹脂粒子1」を96質量部添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたり撹拌を行った。この様にして、「コア部1」の表面に「シェル用樹脂粒子1」を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェルを形成させた。
作製した「着色粒子2」に下記外添剤を添加して、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)にて外添処理を行い、「トナー2」を作製した。
0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)
0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。
「トナー2」の作製で使用した「着色剤微粒子分散液1」を表2に示す「着色剤微粒子分散液2〜20」に変更した他は同じ手順で「トナー3〜21」を作製した。
(1)「比較用トナー1」の作製
「トナー2」の作製において、「着色剤微粒子分散液1」に代えて、以下の手順で銅フタロシアニンを作製し、当該銅フタロシアニン化合物に前述の硫酸処理を施したものを用いて作製した「銅フタロシアニン微粒子分散液1」を用いた他は同じ手順で「比較用トナー1」を作製した。
(銅フタロシアニンの作製)
還流冷却器、撹拌装置、温度計、加熱装置を備えた反応容器に、以下の化合物を供給し、180〜185℃に保ちながら2時間反応させた。
尿素 23.0質量部
無水塩化第一銅 3.6質量部
モリブテン酸アンモニウム 0.007質量部
tert−ブチルキシレン 100質量部
(tert−ブチル−o−キシレンを主成分とし、他にtert−ブチル−m−キシレン、tert−ブチル−p−キシレンとを含有してなる混合物)
反応終了後、反応物を冷却した後、減圧ろ過により反応物を回収した。回収した反応物をメタノール400質量部に投入して洗浄処理した後、ろ過処理を行った。このメタノールによる洗浄処理とろ過を2回行った。
前記「比較用トナー1」の作製で用いた「銅フタロシアニン化合物」を前述の硫酸処理後、さらに、以下の加熱処理を施した。
前記「トナー2」の作製において、「着色剤微粒子分散液1」を特開平5−239368号公報に開示される下記に示す化合物に前述の硫酸処理を施して作製した着色剤微粒子分散液を用いた他は同じ手順で「比較用トナー3」を作製した。
前記「トナー2」の作製において、「着色剤微粒子分散液1」に代えて、下記に示すスズ原子を含有するフタロシアニン化合物に前述の硫酸処理を施して作製した着色剤微粒子分散液を用いた他は同じ手順で「比較用トナー4」を作製した。また、この化合物を硫酸処理後、「比較用トナー2」の作製で行った加熱処理による精製を行ったもので作製した着色剤微粒子分散液を用いて「比較用トナー5」を作製した。
前記「トナー2」の作製において、「着色剤微粒子分散液1」に代えて、下記に示すゲルマニウム原子を含有するフタロシアニン化合物に前述の硫酸処理を施して作製した着色剤微粒子分散液を用いた他は同じ手順で「比較用トナー6」を作製した。また、この化合物を硫酸処理後、「比較用トナー2」の作製で行った加熱処理による精製を行ったもので作製した着色剤微粒子分散液を用いて「比較用トナー7」を作製した。
上記「トナー1〜21」及び「比較用トナー1〜7」の各々に、シリコーン樹脂を被覆してなる体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤1〜21」及び「比較用現像剤1〜7」を調製した。
図1に示す二成分系現像方式の画像形成装置に対応する市販の複合プリンタ「bizhub C450(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」に、各現像剤を投入したシアン現像装置を装填して、トナー飛散、画像汚染、色調について評価した。ここで、本発明の構成を有するトナーよりなる「現像剤1〜21」を用いたものを「実施例1〜21」、本発明の構成を有さないトナーよりなる「比較用現像剤1〜7」を用いたものを「比較例1〜7」とした。なお、色調評価を行うために使用するイエロートナーとマゼンタトナーは、当該複合プリンタ対応の純正品を使用した。
(a)トナー飛散評価
上記複合プリンタにて、シアントナーのみで3万枚の連続プリントを実施後、シアン現像装置を取り出して空回転機にセットした。当該シアン現像装置のスリーブ直下が中心位置になる様にA4用紙を配置して、空回転を10分間行い、用紙上に落下したトナーの質量を測定した。評価は下記基準に基づいて行い、A〜Dの範囲にあるものを合格とした。
B:3mg以上6mg未満
C:6mg以上9mg未満
D:9mg以上12mg未満
E:12mg以上15mg未満
F:15mg以上
(b)画像汚染評価
高温低湿環境(温度30℃、湿度25%RH)下において、相対画像濃度が1.2のプリント物(A4)を5000枚連続出力した後、白紙(A4)を出力し、倍率5倍のルーペを用いて当該白紙上に存在する粒状汚染(青ポチ)の発生個数を数えて評価した。評価は下記基準に基づいて行い、前記汚染が20個未満である◎〜△の範囲にあるものを合格とした。
○:1個〜3個
△:4個〜19個
×:20個以上
(2)色調評価
次に、上記画像形成装置を用いて以下の手順で色調評価を行った。
青色系ロゴマークを採用しているメーカ50社のロゴマークを、各社ホームページより下記に詳細を記すコンピュータディスプレイ上に表示し、それを転写紙「和紙コピー大王(小津産業社製)」にプリントした。作製したプリント物を無作為に抽出した10代〜70代のパネラ100名に提示し、「プリント上のロゴマークがディスプレイ上に表示されたロゴマークと比較して違和感なく再現されている」と評価した人の数で評価を行った。
A:「再現されている」と評価した人が90人以上(優良)
B:「再現されている」と評価した人が80人以上90人未満(良好)
C:「再現されている」と評価した人が60人以上80人未満(実用可能)
D:「再現されている」と評価した人が60人未満(不良)
(コンピュータディスプレイ条件)
・コンピュータ:iMAC(アップルコンピュータ(株)製)
・24インチワイドスクリーン液晶表示画面
・画面解像度:1920×1200ピクセル
・2.16GHz Intel Core 2 Duo プロセッサ1
・4MB共有L2キャッシュ
・1GBメモリ(2×512MB SO−DIMM)
・250GBシリアルATAハードドライブ2
・8x二層式SuperDrive(DVD+R DL、DVD±RW、CD−RW)
・NVIDIA GeForce 7300 GT 128MB GDDR3 メモリ
・AirMac Extreme及びBluetooth2.0内蔵
・Apple Remote
(b)緑色系ロゴマークの色味評価
緑色系ロゴマークを採用している銀行、学校法人、メーカから50団体のロゴマークを各法人のホームページより前記青色系ロゴマークの色味評価を行ったコンピュータディスプレイ上に表示し、それを転写紙「和紙コピー大王(小津産業社製)」にプリントした。作製したプリント物を無作為に抽出した10代〜70代のパネラ100名に提示し、「プリント上のロゴマークがディスプレイ上に表示されたロゴマークと比較して違和感なく再現されている」と評価した人の数で評価を行った。
A:「再現されている」と評価した人が90人以上(優良)
B:「再現されている」と評価した人が80人以上90人未満(良好)
C:「再現されている」と評価した人が60人以上80人未満(実用可能)
D:「再現されている」と評価した人が60人未満(不良)
以上の結果を表4に示す。
2(2Y、2M、2C、2Bk) 帯電装置
3(3Y、3M、3C、3Bk) 露光装置
4(4Y、4M、4C、4Bk) 現像装置
5(5Y、5M、5C、5Bk、5A) 転写ロール
6(6Y、6M、6C、6Bk) クリーニング装置
7 中間転写体ユニット
10(10Y、10M、10C、10Bk) 画像形成部
24 熱ロール式定着装置
70 中間転写体
Claims (4)
- 少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーであって、
前記着色剤は、
少なくとも下記一般式〔I〕、〔II〕のいずれかの構造を有する化合物を含有するものであり、
かつ、前記化合物が、CuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないものであることを特徴とするトナー。
また、Lは、酸素原子、または、−O−SiR2−O−を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、塩素基、ヒドロキシ基のいずれかを表す。〕
さらに、上記一般式〔I〕、〔II〕を構成するA1、A2、A3及びA4は同一または各々独立に下記構造で表される原子団を示す。
- 前記化合物は、アシッドペースト処理を行ったものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーの製造方法であって、
少なくとも、重合性単量体を水系媒体中に分散させた状態で重合を行って前記樹脂を作製する工程と、前記着色剤を水系媒体中に分散させる工程と、分散させた前記着色剤と前記樹脂を水系媒体中で凝集させる工程を有するものであって、
前記着色剤は、
少なくとも下記一般式〔I〕、〔II〕のいずれかの構造を有する化合物を含有するものであり、
かつ、前記化合物がCuKαを線源とするX線スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)10°から30°の間に回折ピークを有さないものであることを特徴とするトナーの製造方法。
また、Lは、酸素原子、または、−O−SiR2−O−を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、塩素基、ヒドロキシ基のいずれかを表す。〕
さらに、上記一般式〔I〕、〔II〕を構成するA1、A2、A3及びA4は同一または各々独立に下記構造で表される原子団を表す。
- 前記化合物は、アシッドペースト処理を行ったものであることを特徴とする請求項3に記載のトナーの製造方法。
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