JP4534858B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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本発明は、静電荷像現像用トナーに関し、詳しくは、特定構造の化合物を含有する静電荷像現像用トナーに関する。
複写機やプリンタなどの電子写真方式による画像形成技術の分野では、デジタル技術の進展に伴い、最近では1200dpi(dpiとは、1インチ(2.54cm)当たりのドット数)レベルの微小なドット画像を正確に再現させるレベルの技術が要求される様になってきた。
そして、この様な微小なドット画像を忠実に再現させるために、トナーの粒子の小径化が検討され、製造工程で粒径や形状の制御が可能な重合トナーに代表されるケミカルトナーが注目されてきた(例えば、特許文献1参照。)。
一方、紙等の画像形成支持体上に転写したトナー画像を定着する方式として、熱ロール定着方式や熱ベルト定着方式に代表される接触定着方式の定着方式が広く利用されている。しかしながら、接触定着方式では、溶融状態のトナーが加熱部材に付着し、加熱部材に付着したトナーが画像形成支持体に転写するオフセット現象を発生させ易いという問題を有していた。
オフセット現象の発生を防止する手段として、例えば、定着装置の加熱部材表面にシリコンオイルを塗布して、加熱部材に離型性を付与する方法が従来よりあったが、シリコンオイルを塗布した転写材ではボールペン等の筆記具による書込みができなくなったり、シリコンオイル中の揮発成分による汚染など事務機械に使用するには不都合な面を有していた。
そこで、トナーの粒子そのものに離型性を付与したオイルレストナーの開発が検討され、トナーの粒子中に離型性を発現させる定着改良剤を添加する技術が登場した。そして、離型性を発現する化合物として、例えば、長鎖炭化水素基を含有する高級脂肪酸のエステル化合物などの化合物を含有したオイルレスのケミカルトナーが開発される様になった(例えば、特許文献2、3参照。)。このエステル化合物を離型剤として含有したトナーの登場は、オイルレスの画像形成技術の発展に大きく寄与するものとなった。
ところで、最近は電子写真方式の画像形成技術に対して、画像形成に伴う環境への影響を配慮したり、オフィスでのビジネスコストの低減化を達成するために、プリンタや複写機の電力消費量を低減させたいと考える傾向があり、その対策の1つとして現状の定着温度よりも更に低い温度で定着を行う技術が注目されてきた。また、電子写真方式の画像形成装置が印刷のように版を起こす手間もなく、必要な時に必要な枚数だけプリント物を作成できるメリットを有することから、新たに軽印刷の分野にも展開される様になってきた。
ところが、前述のエステル化合物を含有したトナーを用いて低温での定着を行うと、形成されたトナー画像が転写材上より剥離し易い傾向を有することが確認された。また、プリントを数十万枚レベル繰り返す様な、大量の連続プリントを行うと、トナーの帯電立ち上がり性能が劣化する傾向があり、大量の画像形成を行っても帯電立ち上がり傾向に変動を来すことのない性能が要求されていた。この様に、市場の新たな動向やニーズを十分に満足する性能をオイルレストナーに付与する必要があった。
特開2000−214629号公報(段落0061等参照) 特開2002−287405号公報(段落0051等参照) 特開2003−91101号公報(段落0208等参照)
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、例えば、転写材の表面温度が100℃前後の低い温度で定着を行っても、トナー画像が転写材上から剥離しない、転写材に対して良好な接着性を発現することの可能な静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
また、本発明は、例えば、数十万枚レベルの大量プリントを連続で行ってもトナーの帯電立ち上がり性能が変動することのない耐久性を有する静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明の課題は、下記構成を採ることにより達成される。
(請求項1)
少なくとも結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
Figure 0004534858
(式中、R1、R2、R3は炭素数10〜30の置換基を有してもよいアルキル基を表す。R4は炭素数4〜30の置換基を有してもよいアルキル基を表す。)
本発明は、上記一般式(1)で表される化合物を含有する静電荷像現像用トナーにより、例えば、転写材の表面温度が100℃前後の低い温度で定着を行っても、トナー画像が転写材上から剥離しない、転写材に対して良好な接着性を発現する静電荷像現像用トナーの提供を可能にした。
また、本発明に係るトナーによれば、例えば、数十万枚レベルの大量プリントを連続で行う様な画像形成に用いても帯電立ち上がり性能が変動しないことが確認された。その結果、高濃度を有し、且つかぶりの無いトナー画像が安定して得られた。
本発明は、特定構造の化合物を含有する静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)に関する発明である。
本発明者等は、前述の一般式(1)で表される化合物を含有したトナーを、例えば、100℃前後の温度で定着を行う画像形成装置に使用した時に、トナー画像が転写紙上から剥離せず、強固な定着性を発現することを見出した。
この様に、一般式(1)で表される化合物をトナーに含有することにより定着性能が発現された理由は以下のように推測される。
先ず、一般式(1)の化合物は、極性基であるエステル基が分子内に複数存在しているので、紙等の画像形成支持体に対して、配向し易い性質を有するものと推測される。この配向により、トナーの画像形成支持体への接着性が向上し、定着性を向上させたものと推測される。特に、一般式(1)の化合物は、分子末端部に極性基が存在していることも配向を促進させる要因になっているものと推測される。
また、本発明に係るトナーは良好な離型性を発現しているが、これは、一般式(1)の化合物が、エステル結合に連なって炭素数が10〜30のアルキル基を複数個有していることによるものと推測している。即ち、化合物(1)は、これらのアルキル基を複数個有しているので、化合物間で有る程度の親和性が発現される。して、この親和性の作用によりトナー中で微少なドメイン構造を形成し、このように形成されたドメインがトナー中に分散しているので。適度な離型効果を発現できたものと推測される。
この様な理由により、良好な良好な定着性能が発現されたものと推測される。
また、本発明に係るトナーは、数十万枚レベルの大量プリントを連続して行っても、トナーの帯電立ち上がり性能に変動をきたすことがなかった。この理由は、おそらく、水系媒体中での重合工程を経て作成されるトナーは、構造中に残存しているであろう水bんの影響で、化合物中のエステル基が配向し易い構造となり、この領域の作用で帯電立ち上がり効果が発現されるものと推測される。更に、エステル基の近傍にアルキル基が存在していることにより帯電の保持機能も付与される結果、帯電立ち上がり性能が改善されると共に帯電リークの発生も抑制さえるものと推測される。その結果、大量のプリントを行っても帯電立ち上がり性能に変動をきたさずに、高濃度を有し、且つ、かぶりのないトナー画像を安定して形成することができたものと推測される。
以下、本発明について詳細に説明する。
ここで、本発明のトナーに含有される一般式(1)で表される化合物を特定構造のエステル化合物ともいう。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤を含有し、該離型剤が特定構造のエステル化合物であることを特徴としている。
本発明で用いられる特定構造のエステル化合物は、下記一般式(1)で表されるエステル基が分子鎖中に複数存在している構造を有するものである。
Figure 0004534858
(一般式(1)中、R1、R2及びR3は炭素数10〜30の置換基を有してもよいアルキル基を表す。尚、式中R1、R2及びR3は同じ構造を有するものであっても、また、異なる構造のものであっても、何れのものでもよい。R4は炭素数4〜30の置換基を有してもよいアルキル基を表す。)
上記特定構造のエステル化物の具体例としては、下記化合物(1)〜(11)を挙げることができる。
Figure 0004534858
本発明に使用される特定構造のエステル化合物の作製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、多価アルコールと炭素数10〜30の置換基を有してもよいアルキル基を有する脂肪酸とを脱水縮合反応させる方法等が挙げられる。
本発明に用いられる特定構造のエステル化合物の含有量(割合)は、トナー全体に対して1〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。
尚、特定構造のエステル化合物は、単独でも混合して用いてもよい。
特定構造のエステル化合物の含有量をこの範囲とすることで、良好な離型性及び帯電性が発現されると共に転写材に対して適度な接着性が発現され、安定した定着性能を発現することができる。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーは、少なくとも重合性単量体を水系媒体中で重合して得られるものが好ましい。この製造方法は、重合性単量体を懸濁重合法により重合して樹脂粒子を調製し、或いは、必要な添加剤の乳化液を加えた液中(水系媒体中)にて単量体を乳化重合、或いはミニエマルジョン重合を行って微粒の樹脂粒子を調製し、必要に応じて荷電制御性樹脂粒子を添加した後、有機溶媒、塩類などの凝集剤等を添加して当該樹脂粒子を凝集、融着する方法で製造するものである。
〈懸濁重合法〉
本発明のトナーを製造する方法の一例としては、重合性単量体中に前述した化合物及びトナーの構成成分として必要な着色剤や荷電制御剤、更に重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解或いは分散させる。この各種構成材料が溶解或いは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。次いで、加熱することで懸濁重合させ、重合終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、更に乾燥することで本発明のトナーを調製する。尚、本発明でいうところの「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
〈乳化重合法〉
また、本発明のトナーを製造するその他の方法として樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。即ち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、或いは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上塩析、凝集、融着させる方法、特に水中に、これらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、更に加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。尚、ここにおいて凝集剤と同時にアルコールなど水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
本発明に係るトナーの製造方法においては、重合性単量体に前述した特定構造のエステル化合物を溶解或いは分散した後、水系媒体中に機械的に微粒分散させ、ミニエマルジョン重合法により重合性単量体を重合させる工程を経て形成した複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる方法が好ましく用いられる。重合性単量体に前述した特定構造のエステル化合物を溶かすとき、この混合物を溶解させて溶かしても、溶融して溶かしてもよい。
本発明に係るトナーの製造方法としては、多段重合法によって得られる複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる工程が好ましく用いられる。
次に、好ましいトナーの製造方法(乳化重合会合法)の一例について詳細に説明する。
この製造方法には、
(1)エステル化合物をラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子を融着させて着色粒子(会合粒子)を得る融着工程
(4)着色粒子の分散液を冷却する冷却工程
(5)冷却された着色粒子の分散液から当該着色粒子を固液分離し、当該着色粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(6)洗浄処理された着色粒子を乾燥する乾燥工程
必要に応じ
(7)乾燥処理された着色粒子に外添剤を添加する工程が含まれていてもよい。
以下、各工程について説明する。
〔溶解/分散工程〕この工程は、ラジカル重合性単量体にエステル化合物を溶解させて、当該エステル化合物のラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
〔重合工程〕
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、前記エステル化合物を溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い攪拌又は超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この重合工程により、エステル化合物と結着樹脂とを含有する樹脂微粒子が得られる。かかる樹脂微粒子は、着色された微粒子であってもよく、着色されていない微粒子であってもよい。着色された樹脂微粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。また、着色されていない樹脂微粒子を使用する場合には、後述する融着工程において、樹脂微粒子の分散液に、着色剤微粒子の分散液を添加し、樹脂微粒子と着色剤微粒子とを融着させることで着色粒子とすることができる。
〔融着工程〕
前記融着工程における融着の方法としては、重合工程により得られた樹脂微粒子(着色又は非着色の樹脂微粒子)を用いた塩析/融着法が好ましい。また、当該融着工程においては、樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに、離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子なども融着させることができる。
前記融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
着色剤微粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。また、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。尚、着色剤(微粒子)は表面改質されていてもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分子量液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
好ましい融着方法である塩析/融着法は、樹脂微粒子と着色剤微粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。この工程では、水に無限溶解する有機溶媒を添加し、樹脂微粒子のガラス転移温度を実質的に下げることで融着を効果的に行う手法を採用してもよい。ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。また、塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。更に、前記水に無限溶解する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン等が挙げられるが、炭素数が3以下のメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのアルコールが好ましく、特に、2−プロパノールが好ましい。
融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。また、塩析剤を添加する温度としては少なくとも樹脂微粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度が樹脂微粒子のガラス転移温度以上であると樹脂微粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
また、本発明では、塩析剤を樹脂微粒子のガラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、樹脂微粒子のガラス転移温度以上であって、且つ、前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。更に、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確では無いが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。この融着工程により、樹脂微粒子及び任意の微粒子が塩析/融着されてなる会合粒子(着色粒子)の分散液が得られる。
〔冷却工程〕
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
〔固液分離・洗浄工程〕
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却された着色粒子の分散液から当該着色粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウエット状態にある着色粒子をケケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥された着色粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
本発明のトナーの平均粒径は体積基準におけるメディアン粒径(D50)にて3〜9μmであることが好ましい。この体積基準におけるメディアン粒径(D50)はコールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを30000個に設定して測定する。尚、コールターマルチサイザーのアパチャー径は100μmのものを使用した。
本発明のトナーは、黒トナー、或いはカラートナーとして用いることができる。
次に、本発明のトナーを構成する化合物(結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤、外添剤、滑剤)について説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
また、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
(着色剤)
本発明で用いる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(離型剤)
本発明では離型剤として本発明の特定構造を有するエステル化合物を用いる。エステル化合物は、トナー全体に対して1〜15質量%含有することが好ましく、3〜12質量%がより好ましい。この量を含有することにより良好な結果を得ることができる。
(荷電制御剤)
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩或いはその金属錯体等が挙げられる。含有される金属としては、Al、B、Ti、Fe、Co、Niなどが挙げられる。荷電制御剤として特に好ましいのはベンジル酸誘導体の金属錯体化合物である。尚、荷電制御剤は、好ましくはトナー全体に対して0.1〜20.0質量%の含有率とすると、良好な結果を得ることができる。
(外添剤)
本発明のトナーには、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては必要に応じて疎水化処理したものを用いても良い。具体的なシリカ微粒子としては、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
これら外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
(滑剤)
本発明のトナーには、必要に応じてクリーニング性、転写性の向上の目的で滑剤を添加して用いても良い。滑剤としては、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これら滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
本発明のトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれにも使用することができる。また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の鉄含有磁性粒子に代表される従来から公知の材料を用いることができるが、特に好ましくはフェライト粒子もしくはマグネタイト粒子である。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは20〜80μmのものが良い。
キャリアの体積平均粒径の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているコーティングキャリア、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
また、キャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=1:1〜50:1の範囲とするのが良い。
本発明のトナーは、トナー像が形成された転写材を、定着装置を構成する加熱部材間を通過させて定着する接触型定着方式の画像形成装置に好適に使用される。
次に、画像形成装置、定着装置について説明する。
図1は、本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。
図1において、20Y(20M、20C、20Bk)は画像形成ユニット、21Y(21M、21C、21Bk)は感光体ドラム、22Y(22M、22C、22Bk)はスコロトロン帯電器、23Y(23M、23C、23Bk)は露光光学系、24Y(24M、24C、24Bk)は現像器、25Y(25M、25C、25Bk)はクリーニング装置、34Y(34M、34C、34Bk)は転写器、40は定着装置、115は転写材搬送ベルト、160は搬送部、Pは転写材を示す。
以下、図1の画像形成装置について説明する。
図1の画像形成装置では、4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Bkが転写材搬送ベルト115に沿って設けられている。
各画像形成ユニットは、感光体ドラム21Y(21M、21C、21Bk)、スコロトロン帯電器22Y(22M、22C、22Bk)、露光光学系23Y(23M、23C、23Bk)、現像器24Y(24M、24C、24Bk)及びクリーニング装置(クリーニング手段)25Y(25M、25C、25Bk)より構成され、各画像形成ユニットの感光体ドラム(21Y、21M、21C、21Bk)上に形成された各トナー像を、タイミングを合わせて搬送されてくる転写材(転写紙、OHP等)Pに、転写手段としての転写器34Y(34M、34C、34Bk)により順次転写して、重ね合わせカラートナー像を形成する。
転写材Pは、転写材搬送ベルト115に乗って搬送され、転写材分離手段としての紙分離AC除電器161による除電作用と、所定の間隔を空けて搬送部160に設けられる分離部材である分離爪210とにより、搬送ベルトから分離される。
次に転写材Pは、搬送部160を通った後、加熱ローラ41と、加圧ローラ42とにより構成される定着装置(定着手段)40へと搬送され、加熱ローラ41と加圧ローラ42により形成されるニップ部Tで転写材Pが挟持され、熱と圧力とが加えられることにより転写材P上の重ね合わせトナー像が定着された後、機外へ排出される。
前記露光手段には像露光光源として、半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等を用いることができる。
転写材を搬送する転写材搬送ベルト115には、ポリイミド、ポリカーボネート、PVdF等の高分子フィルムや、シリコンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムにカーボンブラック等の導電性フィラーを添加して導電化したもの等が用いられ、ドラム状、ベルト状どちらでもよいが、装置設計の自由度の観点からベルト状が好ましい。
また、転写ベルトの表面は、適当に粗面化されていることが好ましい。転写ベルトの十点表面粗さRzを0.5〜2μmにすることにより、転写材と転写ベルトの密着性を高め、転写ベルト上での転写材の揺動を防止し、感光体から転写材へのトナー像の転写性を良好にすることができる。
本発明で用いられる転写材とは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写体或いは転写紙と通常よばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
図2は、本発明で用いられる定着装置(加圧ローラと加熱ローラを用いたタイプ)の一例を示す断面図である。
図2に示す定着装置10は、加熱ローラ71と、これに当接する加圧ローラ72とを備えている。尚、図2において、17は転写材(転写紙)P上に形成されたトナー像である。
加熱ローラ71は、フッ素樹脂又は弾性体からなる被覆層82が芯金81の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材75を内包している。
芯金81は、金属から構成され、その内径は10〜70mmとされる。芯金81を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属或いはこれらの合金を挙げることができる。
芯金81の肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層82の表面を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)及びPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みは10〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmとされる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつきやすく、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
また、被覆層82を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
被覆層82を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
また、弾性体からなる被覆層82の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
加熱部材75としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラ72は、弾性体からなる被覆層84が芯金83の表面に形成されてなる。被覆層84を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコンゴムなどの各種軟質ゴム及びスポンジゴムを挙げることができ、被覆層84を構成するものとして例示したシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムを用いることが好ましい。
また、被覆層84の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
また、定着温度(加熱ローラ10の表面温度)は70〜210℃、定着線速は80〜640mm/secが好ましい。また、加熱ローラのニップ幅は8〜40mm、好ましくは11〜30mmに設定する。
尚、加熱ローラは、シリコンオイルを1プリンント当たり0.3mg以下塗布して用いても良いが、オイルレスで用いても良い。
図3は、本発明で用いられる定着装置(ベルトと加熱ローラを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
図3の定着装置10は、ニップ幅を確保するためにベルトと加熱ローラを用いたタイプのもので、定着ローラ601とシームレスベルト11、及びシームレスベルト11を介して定着ローラ601に押圧される圧力パッド(圧力部材)12a、圧力パッド(圧力部材)12b、前記潤滑剤供給部材40とで主要部が構成されている。
定着ローラ601は、金属製のコア(円筒状芯金)10aの周囲に耐熱性弾性体層10b、及び離型層(耐熱性樹脂層)10cを形成したものであり、コア10aの内部には、加熱源としてのハロゲンランプ14が配置されている。定着ローラ601の表面の温度は温度センサ15によって計測され、その計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ14がフィードバック制御されて、定着ローラ601の表面が一定温度になるように調整される。シームレスベルト11は、定着ローラ601に対し所定の角度巻き付けられるように接触し、ニップ部を形成している。
シームレスベルト11の内側には、低摩擦層を表面に有する圧力パッド12がシームレスベルト11を介して定着ローラ601に押圧される状態で配置されている。圧力パッド12は、強いニップ圧がかかる圧力パッド12aと、弱いニップ圧がかかる圧力パッド12bとが設けられ、金属製等のホルダー12cに保持されている。
更にホルダー12cには、シームレスベルト11がスムーズに摺動回転するようにベルト走行ガイドが取り付けられている。ベルト走行ガイドはシームレスベルト11内面と摺擦するため摩擦係数が低い部材が望ましく、且つ、シームレスベルト11から熱を奪いにくいように熱伝導の低い部材がよい。
図4は、本発明で用いられる定着装置(ソフトローラと加熱ローラを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
図4に示す着装置10は、定着ニップを確保するとともに、転写材の巻き付きを防止し、画質に優れるソフトローラと加熱ローラを用いたタイプのもので、加熱ローラ部材として加熱ローラ601と、ソフトローラ部材としてのソフトローラ17bを用い、加熱ローラ601の内部に加熱部材としてのハロゲンランプ14を備えたものである。
加熱ローラ601とソフトローラ17bとの間にニップ部Nを形成し、ニップ部Nを通して熱と圧力とを加えることにより、転写材P上のトナー像を定着するものである。上記において、ソフトローラ17bの内部にも加熱部材としてのハロゲンランプ14(不図示)を配設するようにしてもよい。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
〈特定構造のエステル化合物の作製〉
多価アルコールと炭素数10〜30の置換基を有してもよいアルキル基を有する脂肪酸とを脱水縮合反応させることにより、化合物(1)、(2)、(3)、(5)、(8)、(9)、(10)、(11)を作製した。
反応は、窒素雰囲気下220℃で8時間行い、反応終了後20℃/分の冷却速度で80℃まで冷却し、水酸化カリウム水溶液で中和反応を行った後、洗浄、脱水、濾過を行うことにより上記エステル化合物を得た。
また、同様の縮合反応により、比較化合物(1)、(2)、(3)を作成した。
Figure 0004534858
Figure 0004534858
Figure 0004534858
〈トナーの作製〉
(着色粒子Bk1の作製)
(1)低分子量樹脂粒子の合成
攪拌装置、冷却管及び温度センサを装着した四頭コルベンに、スチレン509.83gと、n−ブチルアクリレート88.67gと、メタクリル酸34.83gと、tert−ドデシルメルカプタン21.83gと、化合物(1)66.7gとを入れ、内温を80℃に昇温し、化合物(1)が溶解するまで攪拌し、そのまま温度を保持した。一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gを純水2700gに溶解させた界面活性剤水溶液を同様に内温80℃になるよう加熱し、そのまま保持した。80℃に保温した前記界面活性剤水溶液を攪拌しながら、化合物(1)を溶解したモノマー溶液を添加し、超音波乳化装置を用いて乳化を行って乳化液を得た。次いで、攪拌装置、冷却管、窒素導入管及び温度センサを装着した四頭コルベンに、前記乳化液を投入し、攪拌を行いながら、窒素気流下、内温を70℃に保持し、過硫酸アンモニウム7.52gを純水500gに溶解した重合開始剤水溶液を添加し、4時間重合を行った後、室温まで冷却し、濾過を行い樹脂粒子を得た。反応後において重合残渣は認められず、安定した樹脂粒子が得られた。これを「樹脂粒子(L−1)」とする。
得られた「樹脂粒子(L−1)」について、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子(株)製)を用いて数平均一次粒径を測定したところ125nmであった。また、DSCによりガラス転移温度を測定したところ58℃であった。また、静置乾燥による質量法で測定した上記樹脂粒子の分散液の固形分濃度は20質量%であった。
(2)高分子量樹脂粒子の合成
攪拌装置、冷却管及び温度センサを装着した四頭コルベンに、スチレン92.47gと、n−ブチルアクリレート30.4gと、メタクリル酸3.80gと、tert−ドデシルメルカプタン0.12gと、化合物(1)13.34gとを入れ、内温を80℃に昇温し、前記化合物(1)が溶解するまで攪拌し、そのまま温度を保持した。一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.27gを純水540gに溶解させた界面活性剤水溶液を同様に内温80℃になるよう加熱し、そのまま保持した。80℃に保温した前記界面活性剤水溶液を攪拌しながら、化合物(1)を溶解したモノマー溶液を添加し、超音波乳化装置を用いて乳化を行って乳化液を得た。次いで、攪拌装置、冷却管、窒素導入管及び温度センサを装着した四頭コルベンに、前記乳化液を投入し、攪拌を行いながら、窒素気流下、内温を70℃に保持し、過硫酸アンモニウム0.27gを純水100gに溶解した重合開始剤水溶液を添加し、4時間重合を行った後、室温まで冷却し、濾過を行い樹脂粒子を得た。反応後において重合残渣は認められず、安定した樹脂粒子が得られた。これを「樹脂粒子(H−1)」とする。
得られた「樹脂粒子(H−1)」について、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子(株)製)を用いて数平均一次粒径を測定したところ108nmであった。また、DSCによりガラス転移温度を測定したところ59℃であった。また、静置乾燥による質量法で測定した上記樹脂粒子の分散液の固形分濃度は20質量%であった。
(3)着色粒子Bkの作製
攪拌装置、冷却管及び温度センサを装着した四頭コルベンに、樹脂粒子(H−1)250gと、樹脂粒子(L−2−1)1000gと、純水900gと、界面活性剤水溶液(ドデシル硫酸ナトリウム9.2gを純水160gに溶解した水溶液)にカーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)20gを分散してなるカーボンブラック分散液とを仕込み、攪拌しながら5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。更に、塩化マグネシウム・6水和物28.5gを純水1000gに溶解した水溶液を攪拌しながら室温下に添加した後、内温が95℃になるまで昇温した。そのまま内温を95℃に維持しながら、「コールターカウンターII」(ベックマン・コールター社製)を用いて分散粒子の粒径を測定し、その粒径が6.5μmになったところで、塩化ナトリウム80.6gを純水700gに溶解した水溶液を添加し、内温を95℃に維持しながら6時間反応を継続させた。反応終了後、得られた会合粒子の分散液(95℃)を、45℃になるまで10分間冷却した(冷却速度=5℃/min)。このようにして生成した会合粒子(着色粒子Bk)を濾過し、純水への再懸濁及び濾過を繰り返して洗浄を行った後、乾燥することによって着色粒子Bkを作製した。これを「着色粒子Bk1」とする。「着色粒子Bk1」の粒径を「コールターカウンターII」(ベックマン・コールター社製)を用いて測定したところ、体積基準におけるメディアン粒径(D50)=6.5μm、CV値=18.2%であった。
(着色粒子Bk2の作製)
「着色粒子Bk1」の低分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)66.7gを100.0gに変更、高分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)13.45gを18.50gに変更した以外は同様にして「着色粒子Bk2」を作製した。
(着色粒子Bk3の作製)
「着色粒子Bk1」の低分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)66.7gを20.0gに変更、高分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)13.45gを4.00gに変更した以外は同様にして「着色粒子Bk3」を作製した。
(着色粒子Bk4の作製)
「着色粒子Bk1」の作製で用いた化合物(1)を、化合物(2)に変更した以外は同様にして「着色粒子Bk4」を作製した。
(着色粒子Bk5の作製)
「着色粒子Bk1」の低分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)66.7gを化合物(3)14.20gに変更、高分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)13.45gを化合物(3)2.80gに変更した以外は同様にして「着色粒子Bk5」を作製した。
(着色粒子Bk6の作製)
「着色粒子Bk1」の低分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)66.7gを化合物(8)50.10gに変更、高分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)13.45gを化合物(8)10.21gに変更した以外は同様にして「着色粒子Bk6」を作製した。
(着色粒子Bk7の作製)
「着色粒子Bk1」の低分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)を化合物(10)に変更、高分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)を化合物(10)に変更した以外は同様にして「着色粒子Bk7」を作製した。
(着色粒子Bk8の作製)
「着色粒子Bk1」の低分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)を化合物(11)に変更、高分子量樹脂粒子の合成で用いた化合物(1)を化合物(11)に変更した以外は同様にして「着色粒子Bk8」を作製した。
(着色粒子Bk9の作製)
「着色粒子Bk1」の作製で用いた化合物(1)を、化合物(1)と化合物(9)の各々50質量%づつ混合したものに変更した以外は同様にして「着色粒子Bk9」を作製した。
(着色粒子Bk10の作製)
「着色粒子Bk1」の作製で用いた化合物(1)を、比較化合物(1)に変更した以外は同様にして「着色粒子Bk10」を作製した。
(着色粒子Bk11の作製)
「着色粒子Bk1」の作製で用いた化合物(1)を、比較化合物(2)に変更した以外は同様にして「着色粒子Bk11」を作製した。
(着色粒子Bk12の作製)
「着色粒子Bk1」の作製で用いた化合物(1)を、比較化合物(3)に変更した以外は同様にして「着色粒子Bk12」を作製した。
(着色粒子Bk13の作製)
「着色粒子Bk1」の作製で用いた化合物(1)を、カルナウバワックスに変更した以外は同様にして「着色粒子Bk13」を作製した。
(着色粒子C1〜C13の作製)
「着色粒子Bk1〜Bk13」の作製で用いた「リーガル330R」(キャボット社製)の20gを「C.I.ピグメントブルー15:3」の10gに変更した以外は同様にして「着色粒子C1〜C13」を作製した。
(着色粒子M1〜M13の作製)
「着色粒子Bk1〜Bk13」の作製で用いた「リーガル330R」(キャボット社製)の20gを「C.I.ピグメントレッド122」の17gに変更した以外は同様にして「着色粒M−1〜M13」を作製した。
(着色粒子Y1〜Y13の作製)
「着色粒子Bk1〜Bk13」の作製で用いた「リーガル330R」(キャボット社製)の20gを「C.I.ピグメントイエロー17」の18gに変更した以外は同様にして「着色粒子M1〜M13」を作製した。
表1に「着色粒子Bk1〜Bk13」の作製に用いた化合物とその量、体積基準におけるメディアン粒径(D50)、CV値を示す。
Figure 0004534858
尚、「着色粒子C1〜C13」、「着色粒子M1〜M13」及び「着色粒子Y1〜Y13」は測定結果が「着色粒子Bk1〜Bk13」の測定結果と同等であったので省略する。
(着色粒子の外添剤処理)
次いで、上記で作製した各着色粒子に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径:12nm、疎水化度:68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径:20nm、疎水化度:63)1質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)を用いて10分間混合した。その後、45μmのふるいを用いて粗大粒子を除去し「トナーBk1〜Bk13」、「トナーC1〜C13」、「トナーM1〜M13」、「トナーY1〜Y13」を作製した。これらを「本発明Bk1〜Bk9」、「本発明C1〜C9」、「本発明M1〜M9」、「本発明Y1〜Y9」、「比較例Bk1〜Bk4」、「比較例C〜C4」、「比較例M〜M4」、「比較例Y1〜Y4」とする。
〈現像剤の調製〉
上記で作製した各トナーの各々に、シリコン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合して「現像剤Bk1〜Bk13」、「現像剤C1〜C13」、「現像剤M1〜M13」及び「現像剤Y1〜Y13」を調製した。
〈評価装置〉
評価装置としては、図1に記載の画像形成装置に、図3の定着装置を装着して用いた。尚、定着速度、熱ロール表面温度は下記のように設定できるようにした。
定着速度:280mm/sec(約50枚/A4版、横送り)
加熱ロールの表面温度:90〜240℃で任意に設定可。
〈評価〉
上記評価装置を用い、上記で作製した各トナーと現像剤を順番に装填し、プリントを行い、下記項目について評価を行った。
《定着可能温度評価》
定着可能温度評価は、常温常湿(20℃、50%RH)の環境で、熱ロールから排出直後の転写材の表面温度を90℃〜200℃まで10℃刻みで変更し、定着画像を作製して行った。尚、転写材としてはA4版の上質紙(65g/m2)を使用した。
定着可能温度は、得られた定着画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いて求めた。具体的には、転写材表面温度を変更し、全て合わせてトナー付着量が0.6mg/cm2である2.54cm角のべた定着画像を作製した後、「スコッチメンディングテープ」(住友3M社製)で剥離する前後の画像濃度を測定し、画像濃度の残存率を定着率として求めた。
テープ剥離法
1)5mm角のべた黒の絶対反射濃度D0を測定する
2)「メンディングテープ」(住友3M社製:No.810−3−12相当)を軽く張り付ける
3)1kPaの圧力でテープを3.5回往復擦り付ける
4)180°の角度、200gの力でテープを剥がす
5)剥離後の絶対反射濃度D1を測定する
6)定着率=100×D1/D0(%)
定着率が90%以上得られた定着温度を定着可能温度として評価した。尚、画像濃度の測定には反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
《定着オフセット評価》
熱ロールの表面温度を、150℃に設定した。
定着オフセットは、低温低湿環境(10℃、20%RH)の環境にて、フルカラー画像(線画で全画素率が40%(各色10%))の原稿を用い、同環境にて調湿されたA4版の上質紙(65g/m2)で連続1000枚のプリントを行い、1000枚のプリント後の画像上及び熱ロール表面を直接目視観察し、プリント画像及び熱ロール表面に発生したトナー付着によるオフセットの程度で評価した。尚、転写材の表面温度は、排出直後にて100℃前後であることを確認した。
評価基準
◎:画像上及び熱ロール表面ともにオフセットの発生が見られず良好
○:画像上には見られないが熱ロールにはオフセットが発生しているが実用問題ない
×:画像上にオフセットによる汚れが発生し実用上問題有り。
《画像評価》
熱ロール表面温度を150℃に設置し、常温上質(20℃、50%RH)の環境で、A4版の上質紙(65g/m2)を用い、全色で5%の画素率の原稿を、1枚間欠で10万枚のプリントを行い、その後、一夜放置後1枚目、連続100枚目にプリントした画像濃度、かぶりを評価した。
〈画像濃度〉
べた黒画像部の濃度は、相対濃度(プリントしていない転写材の濃度を0.00とする)で評価した。尚、測定はマクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて行った。
〈かぶり〉
かぶり濃度は、未使用の転写材の白地部分を反射濃度0.000としたとき、プリントの白地部分のかぶり濃度を相対濃度として測定した。尚、測定はマクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて行った。
評価結果を表2に示す。
Figure 0004534858
表2から明らかなように、「本発明Bk1〜Bk9」、「本発明C1〜C9」、「本発明M1〜M9」及び「本発明Y1〜Y9」は何れの評価項目も優れているが、本発明外の「比較例Bk1〜Bk4」、「比較例C1〜C4」、「比較例M〜M4」及び「比較例Y1〜Y4」は評価項目のいくつかに問題が有ることが判る。
本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。 本発明で用いられる定着装置(加圧ローラと加熱ローラを用いたタイプ)の一例を示す断面図である。 本発明で用いられる定着装置(ベルトと加熱ローラを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。 本発明で用いられる定着装置(ソフトローラと加熱ローラを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
符号の説明
20Y(20M、20C、20Bk) 画像形成ユニット
21Y(21M、21C、21Bk) 感光体ドラム
22Y(22M、22C、22Bk) スコロトロン帯電器
23Y(23M、23C、23Bk) 露光光学系
24Y(24M、24C、24Bk) 現像器
25Y(25M、25C、25Bk) クリーニング装置
34Y(34M、34C、34Bk) 転写器
40 定着装置
115 転写材搬送ベルト
160 搬送部
P 転写材

Claims (1)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    Figure 0004534858
    (式中、R1、R2、R3は炭素数10〜30の置換基を有してもよいアルキル基を表す。R4は炭素数4〜30の置換基を有してもよいアルキル基を表す。)
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