JP4736277B2 - カラーフィルターの着色画素の形成方法及びカラーフィルターのブラックマトリックスの形成方法 - Google Patents

カラーフィルターの着色画素の形成方法及びカラーフィルターのブラックマトリックスの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置用カラーフィルタに関するものであり、特に、矩形の着色画素の四隅、及び樹脂ブラックマトリックスの四隅を直角に形成することのできるフォトマスク及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタの概念を模式的に示した平面図である。また、図8は、図7に示すカラーフィルタのX−X’線における断面図である。
図7、及び図8に示すように、液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタは、基板(70)上にブラックマトリックス(72)、及び着色画素(71)が形成されたものである。
【0003】
ブラックマトリックス(72)は、遮光性を有するマトリックス状のものであり、着色画素(71)は、例えば、赤色、緑色、青色のフィルタ機能を有するものである。
ブラックマトリックスは、カラーフィルタの着色画素の位置を定位置に、大きさを均一なものとし、また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。また、液晶を駆動するTFT素子への光を遮蔽する機能も兼ねている。
【0004】
これまで実用されてきた液晶表示装置の多くは透過型液晶表示装置である。この透過型液晶表示装置には、液晶パネルの後方に照明が設けられており、後方からの照明光によって液晶表示装置を観視するものである。
そして、透過型液晶表示装置の多くに、上記構造のブラックマトリックスを具備したカラーフィルタが用いられている。
【0005】
このブラックマトリックス(72)は、基板(70)上に、例えば、クロム(Cr)、酸化クロム(CrOX )などの金属、もしくは金属化合物を用いて薄膜を成膜し、成膜した薄膜上に、ポジ型のフォトレジストを用いてエッチングレジストパターンを形成し、次に、成膜された金属薄膜の露出部分のエッチング及びエッチングレジストパターンの剥膜を行いブラックマトリックスとして形成されたものである。クロム(Cr)などの金属を用いて形成されたブラックマトリックスをクロム・ブラックマトリックスと称し広く用いられている。
【0006】
ブラックマトリックスには樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスもある。これは、ブラックマトリックス形成用の材料として、例えば、遮光性フォトレジスト(感光性着色樹脂組成物)を用いてフォトリソグラフィ法によって形成されたもである。クロム(Cr)などの金属に代わり樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを樹脂ブラックマトリックスと称している。
【0007】
樹脂ブラックマトリックスは、例えば、テレビなどのように、高輝度なバックライトを用いた際に、クロムなどの金属をブラックマトリックスとして用いたときに起こる液晶表示装置での内部反射を抑制するために、低反射の樹脂ブラックマトリックスが要望される場合、或いは、例えば、IPS(In PlaneSwiching)方式に用いたときに起こる液晶表示装置での電界の乱れを抑制するために、高絶縁性の樹脂ブラックマトリックスが要望される場合などに採用される。
【0008】
一方、反射型液晶表示装置は、モバイル機器用の表示装置として活発に開発がなされている。
この反射型液晶表示装置には、液晶パネルの後方に照明が設けられておらず、液晶表示装置を観視する環境における観視側周辺からの光によって液晶表示装置を観視するものである。
そして、反射型液晶表示装置においては、透過型液晶表示装置と同様に、上記構造のブラックマトリックスを具備したカラーフィルタが用いられたものもあるが、反射型液晶表示装置は、元来、画像のコントラストが透過型液晶表示装置に比べ著しく劣るものなので、ブラックマトリックスを具備した際の画像のコントラスト向上効果と経済性(コスト)との兼ね合いで、ブラックマトリックスを具備させないカラーフィルタを用い、その普及を目指す方向にある。
【0009】
上記のように、クロム・ブラックマトリックスを形成する場合、樹脂ブラックマトリックスを形成する場合、いずれの場合もブラックマトリックスの形成にはフォトリソグラフィ法が広く用いられている。
【0010】
また、基板上に着色画素を形成する方法としては顔料分散法が主流となっている。顔料分散法は感光性着色樹脂組成物を用い、フォトリソグラフィ法によって着色画素を形成する方法である。
着色画素の形成に用いる感光性着色樹脂組成物は、例えば、高分子樹脂に顔料を分散剤を用いて分散させ、この分散液に重合性モノマー、光重合開始剤、増感剤、溶剤などを添加して調製されるものである。
【0011】
予め、ブラックマトリックスが形成された基板上に第一色目の、例えば、赤色の感光性着色樹脂組成物を塗布し、第一色目のフォトマスクを介しての露光、及び現像、ポストベークを行い第一色目の赤色着色画素を形成する。
同様にして、第二色目として、緑色の感光性着色樹脂組成物、第二色目のフォトマスクを用いて第二色目の緑色着色画素を形成する。同様に、第三色目の青色着色画素を形成するといった方法である。
この顔料分散法は、高品位の着色画素を安定して廉価に製造することができることが大きな特徴となっている。
【0012】
液晶表示装置に用いられるカラーフィルタを、例えば、顔料分散法によって大型基板上に多面付けして製造する際には、カラーフィルタの多面全体が描画されている略大型基板大の一枚のフォトマスクを用いて、大型基板上に塗布されたフォトレジストに一回の露光により多面全体を露光する方法が採用されている。この露光法は、一括露光法と称している方法である。
これは、IC製造におけるウエファー基板上に塗布されたフォトレジストに、例えば、一個のICが描画されているフォトマスクを用いて、ウエファー基板上の位置を変えて、多回数の露光をし、多数のICを面付けした状態に露光する方法、すなわちステップアンドリピート露光法に対する称しかたである。
従来、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタを製造する際の露光法として、コストの面から一括露光法が広く採用されている。
【0013】
この一括露光法において、露光装置内では、基板にフォトマスクが密着することによって生じるキズを防止するため、また、フォトマスクに塵埃が付着した際に画素が欠陥となってしまうのを防止するためフォトレジスト(感光性着色樹脂組成物)が塗布された基板と、略基板大のフォトマスクとは、例えば、50μm〜80μm程度の間隙を保ってのプロキシミティ(近接)露光を行っている。
【0014】
図10(a)は、略大型基板大のフォトマスクに描画されたパターンの一例を拡大して示す平面図である。また、図10(b)は、図10(a)に示すフォトマスクを用いて形成された着色画素を拡大して示す平面図である。
図10(a)に示すように、このフォトマスクは光透過部(101)と遮光部(102)で構成され、光透過部(101)は縦(h)約300μm、横(i)約100μm程度の矩形で、所望する着色画素の形状となっている。
矩形の光透過部(101)の四隅(j)は直角になっている。また、このフォトマスクは光透過部(101)を透過した光が基板上に設けられたフォトレジスト膜を硬化させるネガ型フォトレジスト用のものとなっている。
【0015】
このようなフォトマスクを介し、基板上に設けられたネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜に露光を行い、現像処理を行うと、図10(b)に示すように、四隅(j’)に丸みを帯びた着色画素(103)が基板(104)上に得られる。
このように、フォトマスクの光透過部(101)の四隅(j)は直角であっても、得られる着色画素(103)の四隅(j’)が丸みを帯びたものとなるのは、主としてプロキシミティ(近接)露光における光の回折の影響によるものである。
【0016】
図9は、プロキシミティ(近接)露光が行われる際の、露光装置におけるフォトマスクとネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜が設けられた基板との位置関係を断面で示す説明図である。図9は、フォトマスクに描画されたパターンの光透過部(101)と遮光部(102)の境界部分を拡大して示したものである。
図9に示すように、ネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜(91)が設けられた基板(90)の上方に、マスク基板(93)上にクロム膜(94)が設けられたフォトマスク(95)がプロキシミティ間隙(d1)を保って配置されている。
【0017】
フォトマスク(95)の光透過部(101)に照射される光(96)は、マスク基板(93)、プロキシミティ間隙(d1)を経てネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜(91)に至り、厚さd2を有するネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜(91)内で散乱される。
また、フォトマスク(95)の光透過部(101)と遮光部(102)の境界に照射される光(97)は、マスク基板(93)を経てクロム膜(94)の端で回折し、プロキシミティ間隙(d1)を経て図中の斜め下方のネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜(91)に至り、厚さd2を有するネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜(91)内で散乱される。
すなわち、フォトマスク(95)の光透過部(101)と遮光部(102)の境界より遮光部(102)側の(w)で表す幅まで光が達する。
【0018】
これにより、光透過部(101)と遮光部(102)の境界より光透過部(101)側、(B)にて示す光透過部(101)の中央部のネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜(91)には正常な露光量が照射されても、光透過部(101)と遮光部(102)の境界より光透過部(101)側の境界近傍、(A)にて示す部分のネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜(91)は、露光量が正常より少ないものとなる。
【0019】
特に、図10(a)に示す光透過部(101)の四隅(j)の光透過部(101)側の境界近傍において露光量が少ないものとなる。
従って、(A)にて示す部分のネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜(91)は、光硬化が不十分なものとなり、現像処理によって溶解され易く、図10(b)に示すように、着色画素(103)の四隅(j’)は丸みを帯びたものとなる。
【0020】
また、上記現像処理は湿式処理であるので、ネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜(91)の膨潤、基板との密着性の劣化などが伴い、着色画素(103)の四隅(j’)が丸みを帯びることを助長している。
【0021】
このように、着色画素の矩形の四隅において、その形状が所望する形状の直角でなく、丸みを帯びた形状に形成されると、前記のように、カラーフィルタにブラックマトリックスが具備した際には、ブラックマトリックスは着色画素の位置を定位置に、大きさを均一なものとするものの、より微細な着色画素を形成する場合には支障をきたすことになり好ましいものではない。
また、前記のように、特に、反射型液晶表示装置において、カラーフィルタにブラックマトリックスを具備させない場合には、着色画素の形状が不正確なものとなり好ましいものではない。
【0022】
また、上記は、ネガ型フォトレジスト、及びネガ型フォトレジスト用フォトマスクを用いて着色画素を形成する場合の例であるが、ポジ型フォトレジスト、及びポジ型フォトレジスト用フォトマスクを用いて着色画素を形成する場合も同様に、着色画素の四隅が丸みを帯びたものとなる。
すなわち、遮光部と光透過部の境界より光透過部側の光透過部の中央部のポジ型フォトレジスト(ポジ型感光性着色樹脂組成物)膜に正常な露光量を照射した際に、遮光部と光透過部の境界より遮光部側の境界近傍の部分のポジ型フォトレジスト(ポジ型感光性着色樹脂組成物)膜にも回折による光が照射されるので、ポジ型フォトレジスト(ポジ型感光性着色樹脂組成物)膜は光分解が多少すすみ、現像処理によって四隅は溶解され易くなるからである。
【0023】
また、上記は、ネガ型フォトレジスト、及びネガ型フォトレジスト用フォトマスクを用いて着色画素を形成する場合の例であるが、ブラックマトリックスを形成する場合も同様に、ブラックマトリックスの格子の四隅は丸みを帯びたものとなる。また、ポジ型フォトレジスト、及びポジ型フォトレジスト用フォトマスクを用いたブラックマトリックスの場合も同様である。
すなわち、本来、ブラックマトリックスの格子の四隅は丸みを帯びず直角の形状であるべきものが、丸みを帯びていることは、僅かとはいえ画素の開口率を低下させることとなり好ましいものではない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、フォトリソグラフィ法によって基板上にカラーフィルタの着色画素、ブラックマトリックスを形成する際に、一括露光法によってフォトマスクを介し基板に近接露光を行っても、四隅は丸みを帯びず直角形状の矩形の着色画素、四隅は丸みを帯びず直角形状のブラックマトリックスを形成することのできるカラーフィルタ用フォトマスクを提供することを課題とするものである。
また、そのカラーフィルタ用フォトマスクを用いたカラーフィルタの製造方法を提供することを課題とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ネガ型フォトレジストを用いて矩形の着色画素を形成する際に使用するカラーフィルタ用フォトマスクにおいて、矩形の光透過部の四隅に略三角形状の光透過部を延長して設けたことを特徴とするカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0026】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ用フォトマスクにおいて、前記ネガ型フォトレジストがネガ型感光性着色樹脂組成物であることを特徴とするカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0027】
また、本発明は、ポジ型フォトレジストを用いて矩形の着色画素を形成する際に使用するカラーフィルタ用フォトマスクにおいて、矩形の遮光部の四隅に略三角形状の遮光部を延長して設けたことを特徴とするカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0028】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ用フォトマスクにおいて、前記ポジ型フォトレジストがポジ型感光性着色樹脂組成物であることを特徴とするカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0029】
また、本発明は、ネガ型フォトレジストを用いて樹脂ブラックマトリックスを形成する際に使用するカラーフィルタ用フォトマスクにおいて、矩形の遮光部の四隅に略三角形状の遮光部を延長して設けたことを特徴とするカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0030】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ用フォトマスクにおいて、前記ネガ型フォトレジストがネガ型感光性着色樹脂組成物であることを特徴とするカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0031】
また、本発明は、ポジ型フォトレジストを用いて樹脂ブラックマトリックスを形成する際に使用するカラーフィルタ用フォトマスクにおいて、矩形の光透過部の四隅に略三角形状の光透過部を延長して設けたことを特徴とするカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0032】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ用フォトマスクにおいて、前記ポジ型フォトレジストがポジ型感光性着色樹脂組成物であることを特徴とするカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0033】
また、本発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用フォトマスクを用いて矩形の着色画素を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0034】
また、本発明は、請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用フォトマスクを用いて樹脂ブラックマトリックスを形成し、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用フォトマスクを用いて矩形の着色画素を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明を一実施の形態に基づいて以下に説明する。
図1(a)は、本発明によるカラーフィルタ用フォトマスクの一実施例のパターンの一部を拡大して示す平面図である。
このカラーフィルタ用フォトマスクは、着色画素を形成するためのものであり、また、着色画素を形成するフォトレジストとしてネガ型感光性着色樹脂組成物を用いた際のものである。すなわち、請求項2に係わるカラーフィルタ用フォトマスクである。
また、図1(b)は、図1(a)に示すカラーフィルタ用フォトマスクを用いて形成された着色画素を拡大して示す平面図である。
【0036】
図1(a)に示すように、このカラーフィルタ用フォトマスクは光透過部(1)と遮光部(2)で構成され、光透過部(1)は縦(a)約300μm、横(b)約100μm程度の矩形で、所望する着色画素の寸法となっている。矩形の光透過部(1)の四隅に略三角形状の光透過部(5)が延長して設けてある。
このようなカラーフィルタ用フォトマスクを介し、基板上に設けられたネガ型感光性着色樹脂組成物の膜に近接露光を行い、現像処理を行うと、四隅の光透過部と遮光部の境界より光透過部側の境界近傍、前記(A)にて示す部分のネガ型感光性着色樹脂組成物膜には、正常な露光量が照射され、図1(b)に示すように、四隅(c)は丸みを帯びず直角の着色画素(3)が基板(4)上に得られる。
【0037】
図5は、矩形の光透過部(1)の四隅に延長する略三角形状の光透過部(5)の延長方向を示す説明図である。
図5に示すように、本発明によるカラーフィルタ用フォトマスクの略三角形状の光透過部(5)の延長方向は、光透過部(1)の中心を原点(O)とするxy座標において、第一象限(I)内にある光透過部(1)の隅においては、光透過部(1)の上辺を基準として角度左回転45度の線上方向であり、この線上に略三角形状の光透過部(5I)の頂点がくるように略三角形状の光透過部(5I)を延長する。
【0038】
また、第二象限(II)内にある光透過部(1)の隅においては、光透過部(1)の下辺を基準として角度右回転45度の線上方向であり、この線上に略三角形状の光透過部(5II)の頂点がくるように略三角形状の光透過部(5II)を延長する。
同様に、略三角形状の光透過部(5III)は、下辺を基準として角度左回転45度の線上方向であり、略三角形状の光透過部(5IV)は、上辺を基準として角度右回転45度の線上方向である。
このような各々の方向に、四隅に延長する略三角形状の光透過部を延長することによって、光の回折による影響を効果的に補うことができるものとなる。
【0039】
また、図6(イ)、(ロ)、(ハ)は、矩形の光透過部(1)の四隅に延長する略三角形状の光透過部の形状の例を示す説明図である。
略三角形の形状は、(イ)〜(ハ)に示すような略二等辺三角形である。また、略二等辺三角形の先鋭さは、図6に示すa:bの比にて表されるものであり、例えば、図6(イ)においては、表1に示すような例のa:bの比となる。
なお、カラーフィルタ用フォトマスクを介し、基板上に設けられたネガ型感光性着色樹脂組成物の膜に近接露光を行い、現像処理を行うと、四隅の光透過部と遮光部の境界より光透過部側の境界近傍、図9(A)にて示す部分のネガ型感光性着色樹脂組成物膜には、正常な露光量が照射され、図1(b)に示すように、四隅(c)は丸みを帯びず直角の着色画素(3)が基板(4)上に得られるので、略三角形の形状、及び面積は、フォトレジスト、露光、現像などの条件によって適宜に選択されるものであるが、aは3〜10μm、bは1〜5μm程度のものである。
【0040】
【表1】
Figure 0004736277
【0041】
請求項1に係わるカラーフィルタ用フォトマスクは、例えば、着色画素の形成に非感光性着色樹脂組成物を用いる際に使用されるカラーフィルタ用フォトマスクである。この際の着色画素の形成は、まづ、基板上に非感光性着色樹脂組成物の膜を形成し、この膜上にネガ型フォトレジストを用いてエッチング・レジストパターンを形成する。このエッチング・レジストパターンを形成する際に請求項1に係わるカラーフィルタ用フォトマスクを用いる。
次に、非感光性着色樹脂組成物の露出部分をエッチング、及びエッチング・レジストパターンの剥離を行い着色画素を形成するものである。
【0042】
また、前記請求項2に係わるカラーフィルタ用フォトマスクの略三角形状の延長部分の面積は、一般に、上記請求項1に係わるカラーフィルタ用フォトマスクの略三角形状の延長部分の面積よりやや大きなものとなる。
これは、請求項2においてはネガ型フォトレジストがネガ型感光性着色樹脂組成物であるので、ネガ型感光性着色樹脂組成物を構成する顔料によって膜中での光分散が大きくなるからである。
【0043】
図2(a)は、請求項4に係わるカラーフィルタ用フォトマスクの一例のパターンの一部を拡大して示す平面図である。
このカラーフィルタ用フォトマスクは、着色画素を形成するためのものであり、また、着色画素を形成するフォトレジストとしてポジ型感光性着色樹脂組成物を用いた際のものである。
また、図2(b)は、図2(a)に示すカラーフィルタ用フォトマスクを用いて形成された着色画素を拡大して示す平面図である。
【0044】
図2(a)に示すように、このカラーフィルタ用フォトマスクは光透過部(21)と遮光部(22)で構成され、遮光部(22)は縦(a)約300μm、横(b)約100μm程度の矩形で、所望する着色画素の寸法となっている。矩形の遮光部(22)の四隅に略三角形状の遮光部(25)が延長して設けてある。
このようなカラーフィルタ用フォトマスクを介し、基板上に設けられたポジ型感光性着色樹脂組成物の膜に露光を行い、現像処理を行うと、遮光部と光透過部の境界より遮光部側の境界近傍の部分のポジ型感光性着色樹脂組成物膜には回折による光が照射されず、図2(b)に示すように、四隅(c)は丸みを帯びず直角の着色画素(23)が基板(24)上に得られる。
【0045】
矩形の遮光部(22)の四隅に延長する略三角形状の遮光部(25)の延長方向は、前記ネガ型感光性着色樹脂組成物の場合と同様である。
また、略三角形の形状、及び面積は、フォトレジスト、露光、現像などの条件によって適宜に選択されるものである。
また、請求項3に係わるカラーフィルタ用フォトマスクは、前記ネガ型感光性着色樹脂組成物の場合と同様に、例えば、着色画素の形成に非感光性着色樹脂組成物を用いる際に使用されるカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0046】
図3(a)は、請求項6に係わるカラーフィルタ用フォトマスクの一例のパターンの一部を拡大して示す平面図である。
このカラーフィルタ用フォトマスクは、樹脂ブラックマトリックスを形成するためのものであり、また、樹脂ブラックマトリックスを形成するフォトレジストとしてネガ型感光性着色樹脂組成物を用いた際のものである。
また、図3(b)は、図3(a)に示すカラーフィルタ用フォトマスクを用いて形成された樹脂ブラックマトリックスを拡大して示す平面図である。
【0047】
図3(a)に示すように、このカラーフィルタ用フォトマスクは光透過部(31)と遮光部(32)で構成され、遮光部(32)は縦(e)約300μm、横(f)約100μm程度の矩形で、所望する樹脂ブラックマトリックスの開口部の寸法となっている。矩形の遮光部(32)の四隅に略三角形状の遮光部(35)が延長して設けてある。
このようなカラーフィルタ用フォトマスクを介し、基板上に設けられたネガ型感光性着色樹脂組成物の膜に露光を行い、現像処理を行うと、図3(b)に示すように、四隅(g)は丸みを帯びず直角の開口部(36)を有する樹脂ブラックマトリックス(33)が基板(34)上に得られる。
【0048】
矩形の遮光部(32)の四隅に延長する略三角形状の遮光部(35)の延長方向は、前記着色画素の場合と同様である。
また、略三角形の形状、及び面積は、フォトレジスト、露光、現像などの条件によって適宜に選択されるものである。
【0049】
基板上に、図3(b)に示す樹脂ブラックマトリックス(33)を形成し、引き続き、図1(b)に示す着色画素を形成して、例えば、透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタを製造する際には、樹脂ブラックマトリックスの開口部(36)の大きさと、着色画素(3)の大きさの関係は、a>e、b>f、で(a×b)>(e×f)となる。
これは、図7、及び図8に示すように、カラーフィルタの着色画素の位置を定位置に、大きさを均一なものとする働きを樹脂ブラックマトリックスにさせているからである。
【0050】
また、請求項5に係わるカラーフィルタ用フォトマスクは、前記着色画素の場合と同様に、例えば、樹脂ブラックマトリックスの形成に非感光性着色樹脂組成物を用いる際に使用されるカラーフィルタ用フォトマスクである。
【0051】
図4(a)は、請求項8に係わるカラーフィルタ用フォトマスクの一例のパターンの一部を拡大して示す平面図である。
このカラーフィルタ用フォトマスクは、樹脂ブラックマトリックスを形成するためのものであり、また、樹脂ブラックマトリックスを形成するフォトレジストとしてポジ型感光性着色樹脂組成物を用いた際のものである。
また、図4(b)は、図4(a)に示すカラーフィルタ用フォトマスクを用いて形成された樹脂ブラックマトリックスを拡大して示す平面図である。
【0052】
図4(a)に示すように、このカラーフィルタ用フォトマスクは光透過部(41)と遮光部(42)で構成され、光透過部(41)は縦(e)約300μm、横(f)約100μm程度の矩形で、所望する樹脂ブラックマトリックスの開口部の寸法となっている。矩形の光透過部(41)の四隅に略三角形状の光透過部(45)が延長して設けてある。
このようなカラーフィルタ用フォトマスクを介し、基板上に設けられたポジ型感光性着色樹脂組成物の膜に露光を行い、現像処理を行うと、図4(b)に示すように、四隅(g)は丸みを帯びず直角の開口部(46)を有する樹脂ブラックマトリックス(43)が基板(44)上に得られる。
【0053】
矩形の光透過部(41)の四隅に延長する略三角形状の光透過部(45)の延長方向は、前記着色画素の場合と同様である。
また、略三角形の形状、及び面積は、フォトレジスト、露光、現像などの条件によって適宜に選択されるものである。
【0054】
請求項7に係わるカラーフィルタ用フォトマスクは、前記着色画素の場合と同様に、例えば、樹脂ブラックマトリックスの形成に非感光性着色樹脂組成物を用いる際に使用されるカラーフィルタ用フォトマスクである。この際の樹脂ブラックマトリックスの形成は、まづ、基板上に非感光性着色樹脂組成物の膜を形成し、この膜上にポジ型フォトレジストを用いてエッチング・レジストパターンを形成する。このエッチング・レジストパターンを形成する際に請求項7に係わるカラーフィルタ用フォトマスクを用いる。
次に、非感光性着色樹脂組成物の露出部分をエッチング、及びエッチング・レジストパターンの剥離を行い樹脂ブラックマトリックスを形成するものである。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、矩形の光透過部の四隅に略三角形状の光透過部を延長して、又は、矩形の遮光部の四隅に略三角形状の遮光部を延長して設けたカラーフィルタ用フォトマスクであるので、基板上にカラーフィルタの着色画素、ブラックマトリックスを形成する際に、本発明によるフォトマスクを介し基板に近接露光を行えば、四隅は丸みを帯びず直角形状の矩形の着色画素、四隅は丸みを帯びず直角形状のブラックマトリックスを形成することができる。
これにより、より微細な着色画素を形成する場合には支障をきたすことがなくなる。また、特に、反射型液晶表示装置において、カラーフィルタにブラックマトリックスを具備させない場合には、着色画素の形状が正確なものとなる。
【0056】
また、本発明は、上記カラーフィルタ用フォトマスクを使用して矩形の着色画素を形成するカラーフィルタの製造方法であるので、四隅は丸みを帯びず直角形状の矩形の着色画素を有するカラーフィルタの製造方法となる。
また、本発明は、上記カラーフィルタ用フォトマスクを使用して樹脂ブラックマトリックスを形成し、上記カラーフィルタ用フォトマスクを使用して矩形の着色画素を形成するカラーフィルタの製造方法であるので、四隅は丸みを帯びず直角形状の矩形の着色画素、四隅は丸みを帯びず直角形状のブラックマトリックスを有するカラーフィルタの製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明によるカラーフィルタ用フォトマスクの一実施例のパターンの一部を拡大して示す平面図である。
(b)は、(a)に示すカラーフィルタ用フォトマスクを用いて形成された着色画素を拡大して示す平面図である。
【図2】(a)は、請求項4に係わるカラーフィルタ用フォトマスクの一例のパターンの一部を拡大して示す平面図である。
(b)は、(a)に示すカラーフィルタ用フォトマスクを用いて形成された着色画素を拡大して示す平面図である。
【図3】(a)は、請求項6に係わるカラーフィルタ用フォトマスクの一例のパターンの一部を拡大して示す平面図である。
(b)は、(a)に示すカラーフィルタ用フォトマスクを用いて形成された樹脂ブラックマトリックスを拡大して示す平面図である。
【図4】(a)は、請求項8に係わるカラーフィルタ用フォトマスクの一例のパターンの一部を拡大して示す平面図である。
(b)は、(a)に示すカラーフィルタ用フォトマスクを用いて形成された樹脂ブラックマトリックスを拡大して示す平面図である。
【図5】矩形の光透過部の四隅に延長する略三角形状の光透過部の延長方向を示す説明図である。
【図6】(イ)、(ロ)、(ハ)は、矩形の光透過部の四隅に延長する略三角形状の光透過部の形状の例を示す説明図である。
【図7】液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタの概念を模式的に示した平面図である。
【図8】図7に示すカラーフィルタのX−X’線における断面図である。
【図9】近接露光が行われる際の、フォトマスクとネガ型フォトレジスト膜が設けられた基板との位置関係を断面で示す説明図である。
【図10】(a)フォトマスクに描画されたパターンの一例を拡大して示す平面図である。
(b)は、(a)に示すフォトマスクを用いて形成された着色画素を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
1、21、31、41、101…フォトマスクの光透過部
2、22、32、42、102…フォトマスクの遮光部
3、23、91、103…着色画素
4、24、34、44、70、90、104…基板
5、45…略三角形状の光透過部
5I…第一象限内にある光透過部の隅の略三角形状の光透過部
5II…第二象限内にある光透過部の隅の略三角形状の光透過部
5III…第三象限内にある光透過部の隅の略三角形状の光透過部
5IV…第四象限内にある光透過部の隅の略三角形状の光透過部
25、35…略三角形状の遮光部
33、43…樹脂ブラックマトリックス
36、46…樹脂ブラックマトリックスの開口部
72…ブラックマトリックス
91…ネガ型フォトレジスト(ネガ型感光性着色樹脂組成物)膜
93…マスク基板
94…クロム膜
95…フォトマスク
96…光透過部に照射される光
97…光透過部と遮光部の境界に照射される光
d1…プロキシミティ間隙
a、h…着色画素用フォトマスクの光透過部、又は遮光部の縦
b、i…着色画素用フォトマスクの光透過部、又は遮光部の横
e…樹脂ブラックマトリックス用フォトマスクの遮光部、又は光透過部の縦
f…樹脂ブラックマトリックス用フォトマスクの遮光部、又は光透過部の横
g…樹脂ブラックマトリックスの四隅
j…光透過部の四隅
j’、c…着色画素の四隅
O…フォトマスクの光透過部、又は遮光部を中心とする原点

Claims (4)

  1. 基板上に設けられたネガ型感光性着色樹脂組成物の膜に対して、50μm〜80μmの間隙を保って配置したフォトマスクを介して露光光線を照射して露光し、現像して矩形の着色画素を形成する方法において、
    前記フォトマスクが、前記着色画素に対応する縦約300μm、横約100μm程度の矩形の光透過部の四隅に略三角形状の光透過部を延長して設けたものであり、
    矩形の光透過部の辺に沿った距離であって、略三角形状の光透過部の頂点と前記矩形の光透過部の四隅の頂点との間の距離をaとし、略三角形状の光透過部の頂点をはさむ辺と前記矩形の光透過部の辺との交点と、前記矩形の光透過部の四隅の頂点との間の距離をbとしたとき、aが3〜10μmであり、bが1〜5μmであることを特徴とするカラーフィルターの着色画素の形成方法。
  2. 基板上に設けられたポジ型感光性着色樹脂組成物の膜に対して、50μm〜80μmの間隙を保って配置したフォトマスクを介して露光光線を照射して露光し、現像して矩形の着色画素を形成する方法において、
    前記フォトマスクが、前記着色画素に対応する縦約300μm、横約100μm程度の矩形の遮光部の四隅に略三角形状の遮光部を延長して設けたものであり、
    矩形の遮光部の辺に沿った距離であって、略三角形状の遮光部の頂点と前記矩形の遮光部の四隅の頂点との間の距離をaとし、略三角形状の遮光部の頂点をはさむ辺と前記矩形の遮光部の辺との交点と、前記矩形の遮光部の四隅の頂点との間の距離をbとしたとき、aが3〜10μmであり、bが1〜5μmであることを特徴とするカラーフィルターの着色画素の形成方法。
  3. 基板上に設けられたネガ型感光性着色樹脂組成物の膜に対して、50μm〜80μmの間隙を保って配置したフォトマスクを介して露光光線を照射して露光し、現像して樹脂ブラックマトリックスを形成する方法において、
    前記フォトマスクが、前記樹脂ブラックマトリックスの開口に対応する縦約300μm、横約100μm程度の矩形の遮光部の四隅に略三角形状の遮光部を延長して設けたものであり、
    矩形の遮光部の辺に沿った距離であって、略三角形状の遮光部の頂点と前記矩形の遮光部の四隅の頂点との間の距離をaとし、略三角形状の遮光部の頂点をはさむ辺と前記矩形の遮光部の辺との交点と、前記矩形の遮光部の四隅の頂点との間の距離をbとしたとき、aが3〜10μmであり、bが1〜5μmであることを特徴とするカラーフィルターのブラックマトリックスの形成方法。
  4. 基板上に設けられたポジ型感光性着色樹脂組成物の膜に対して、50μm〜80μmの間隙を保って配置したフォトマスクを介して露光光線を照射して露光し、現像して樹脂ブラックマトリックスを形成する方法において、
    前記フォトマスクが、前記樹脂ブラックマトリックスの開口に対応する縦約300μm、横約100μm程度の矩形の光透過部の四隅に略三角形状の光透過部を延長して設けたものであり、
    矩形の光透過部の辺に沿った距離であって、略三角形状の光透過部の頂点と前記矩形の光透過部の四隅の頂点との間の距離をaとし、略三角形状の光透過部の頂点をはさむ辺と前記矩形の光透過部の辺との交点と、前記矩形の光透過部の四隅の頂点との間の距離をbとしたとき、aが3〜10μmであり、bが1〜5μmであることを特徴とするカラーフィルターのブラックマトリックスの形成方法。
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