JP4816885B2 - 液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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図4、及び図5に示すように、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ(4)は、ガラス基板(40)上にブラックマトリックス(41)、着色画素(42)、及び透明導電膜(43)が順次に形成されたものである。
図4、及び図5はカラーフィルタを模式的に示したもので、着色画素(42)は12個表されているが、実際のカラーフィルタにおいては、例えば、対角17インチの画面に数百μm程度の着色画素が多数個配列されている。
ブラックマトリックス(41)は、遮光性を有するマトリックス状のものであり、着色画素(42)は、例えば、赤色、緑色、青色のフィルタ機能を有するものであり、透明導電膜(43)は、透明な電極として設けられたものである。
ブラックマトリックスは、カラーフィルタの着色画素の位置を定め、大きさを均一なものとし、また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。
或いは、ガラス基板(40)上に、ブラックマトリックス形成用の黒色感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ法によってブラックマトリックス(41)を形成するといった方法がとられている。
また、透明導電膜(43)の形成は、着色画素が形成されたブラックマトリックス基板上
に、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いスパッタ法によって透明導電膜を形成するといった方法がとられている。
多様な液晶表示装置の開発、実用に伴い、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタには、上記基本的な機能に付随して種々な機能、例えば、配向分割機能が付加されるようになった。
しかし、多くの液晶表示装置に用いられているTN型液晶においては、原理的に広い視野角を得ることは困難であり、中間調表示状態では斜め視角において光がもれ、コントラストが低下し表示品質が悪化する。すなわち、コントラストが良好な視野角は狭いといった問題を有していた。
図6に示す例では、一画素が2分割されたものとなり、一画素内で液晶分子の傾斜方向が2方向になり視野角特性の優れた液晶表示装置となる。
また、図8(a)、(b)は、別な一例の一画素を拡大して示す平面図、及び断面図である。図8(a)、(b)に示すように、この別な例は、平面形状が円形の配向制御突起(93)が形成されたカラーフィルタである。
このようなカラーフィルタを用いた液晶表示装置は、電圧印加時に液晶分子は、いわば無限の方向に傾斜する、すなわち、一画素が無限に分割されたものとなり、図8(c)に示すように、視野角特性の優れた液晶表示装置となる。配向制御突起は、例えば、ポジ型のフォトレジストを用いて形成される。
あげられる。上記諸機能の内、そのカラーフィルタの用途、仕様にもとづき1機能或いは複数の機能が図4に示すカラーフィルタ(4)に追加される。
フォトリソグラフィ法によりカラーフィルタを製造する際の露光方法として、この一括露光法は廉価に大量にカラーフィルタを製造することのできる優れた露光法といえる。
従って、1m×1.3m、或いは1.5m×1.8m程度のサイズのガラス基板への露光には、1枚の同一フォトマスクを用い、例えば、カラーフィルタの画面を左右に2分割した分割露光法が採用されることになる。
また、カラーフィルタの1画面(11)を構成する配向制御突起(73)などの位置は、カラーフィルタのY軸(Y0 )に対し左右対称となっている。
このパターン領域(12)内には、配向制御突起(73)を形成するためのマスクパターン(75)が全面に設けられている。図2では、その描画の多くを省略してある。
図2中、(X1 )、及び(Y1 )は、各々フォトマスク(PM1)のパターン領域(12)中心を通るX軸、及びY軸を表している。(Y3 )は、分割露光によって得られるカラーフィルタの1画面(11)における左画面(11L)と右画面(11R)との間の継ぎ部に対応したフォトマスク(PM1)上の継ぎ部の位置を表している。図2中、左側の継ぎ部(Y3 )の左方には、左遮光帯(13L)が、また、右側の継ぎ部(Y3 )の右方には、右遮光帯(13R)が設けられている。
また、(A1 )は、フォトマスク(PM1)のY軸(Y1 )上に形成されたアライメントマークを表している。
この左画面(11L)への第1露光の際には、右画面(11R)の内、Y軸(Y0 )近傍の領域はフォトマスク(PM1)の右遮光帯(13R)によって遮光されるが、右画面(11R)の大部分は遮光されないので、フォトマスク(PM1)の光源側にブラインド・シャッター(図示せず)を設け右画面(11R)を遮光しておく。
この右画面(11R)への第2露光の際には、左画面(11L)を遮光しておくために、フォトマスク(PM1)の光源側にブラインド・シャッター(図示せず)を設け左画面(11L)を遮光しておく。
このような、レジスト残りや、配向制御突起に欠けが生じると、継ぎ部(Y3 )の近傍にて液晶の配向に乱れが発生し、表示画面の継ぎ部に表示ムラが観視されてしまうものと推量されている。
図1に示す、Y軸(Y0 )の左側に形成された、左側配向制御突起(73L)は、図2に示す、右側の継ぎ部(Y3 )の左方に設けられているマスクパターン(75R)に対応している。また、図1に示す、Y軸(Y0 )の右側に形成された、右側配向制御突起(73R)は、図2に示す、左側の継ぎ部(Y3 )の右方に設けられているマスクパターン(75L)に対応している。
図9(a)に示すように、ガラス基板(10)上に設けられたポジ型のフォトレジストの塗膜(15)に、フォトマスク(PM1)を介した第1露光(L1)を与え、現像処理を行うと左側配向制御突起(73L)が形成される。
続いて、図9(b)に示すように、フォトマスク(PM1)を介した第2露光(L2)を与え、現像処理を行うと右側配向制御突起(73R)が形成される。
尚、図9においては、現像処理後の左側配向制御突起(73L)、及び右側配向制御突起(73R)の断面形状を示してある。
尚、符号(14R)及び(14L)は、各々右遮光帯(13R)の端部、左遮光帯(13L)の端部を表している。また、説明上、第1露光におけるフォトマスク(PM1)の位置ズレ(a2)と、第2露光におけるフォトマスク(PM1)の位置ズレ(a2)は逆方向の等量としてある。
図11(a)に示すように、ガラス基板(10)上に設けられたポジ型のフォトレジストの塗膜(15)に、フォトマスク(PM1)を介した第1露光(L1)を与え、現像処理を行うと左側配向制御突起(73L)が形成される。
続いて、図11(b)に示すように、フォトマスク(PM1)を介した第2露光(L2)を与え、現像処理を行うと右側配向制御突起(73R)が形成される。
トの塗膜(15)に、フォトマスク(PM1)を介した第1露光(L1)を与え、現像処理を行うと左側配向制御突起(73L)が形成される。同時に、右遮光帯(13R)の位置ズレ(b1)に対応した配向制御突起の欠け(16R)が生じる。
この右側配向制御突起(73R)には、上記第1露光によって欠けが発生している。同時に、左遮光帯(13L)の位置ズレ(b1)に対応した左側配向制御突起(73L)に欠け(16L)が生じる。すなわち、ガラス基板(10)上の継ぎ部(Y3 )の近傍の配向制御突起である左側配向制御突起(73L)及び右側配向制御突起(73R)おいて配向制御突起の欠け(16L、16R)が生じることとなる。
尚、説明上、第1露光におけるフォトマスク(PM1)の位置ズレ(b1)と、第2露光におけるフォトマスク(PM1)の位置ズレ(b1)は逆方向の等量としてある。
このような不具合な現象を解消する手法としては、例えば、露光装置として位置ズレの少ない、すなわち、精度の高い露光装置を用いることが容易に考えられる。
例えば、所謂、レンズスキャン方式の露光装置は、フォトマスク画面をスキャンしながら露光を行う露光装置であるが、第1露光と第2露光との位置ズレは、例えば、最大0.7μmといった高い精度を有する露光装置である。
すなわち、右遮光帯(13R)の端部(14R)の位置の補正、及び左遮光帯(13L)の端部(14L)の位置の補正を、前記露光装置の位置ズレ0.7μmに対応した補正(a1)である「0.7μm/2」以上に対して、精度の低い露光装置の位置ズレ2μmに対応した補正(a3)として「2.0μm/2」以上の補正を行うことによってレジスト残りを解消することができる。
図13(a)は第1露光の段階、(b)は第2露光の段階を表している。また、図13(a)においては、説明上、フォトマスクが上下に2枚示してある。図13(a)中、上方フォトマスクは、右遮光帯(13R)の端部(14R)に「2.0μm/2」の補正(a3)を施した端部(14R’)を有し(a3=1.0μm)、位置ズレなく配置された場合を表している。また、下方フォトマスクは、この上方フォトマスクに、白太矢印で示す右方向へ位置ズレ(b1)が加わった場合を表している(b1=2.0μm/2=1.0μm)。第1露光は下方フォトマスクを介して行われる。
1)該フォトマスクは、フォトマスク上の継ぎ部に位置する遮光帯の端部には、遮光帯の内側方向の位置への補正を加えることなく、遮光帯の端部を該継ぎ部に位置させたフォトマスクであり、
2)前記近接露光のギャップ量として、2回露光におけるフォトマスクの位置ズレによって生じた、継ぎ部近傍の照射光が直接照射しないポジ型のフォトレジスト塗膜の部分に、2回露光における両遮光帯の端部での回折光が上記直接照射に相当する照射をもたらすギャップ量を用いることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法である。
1)該フォトマスクは、フォトマスク上の継ぎ部に位置する遮光帯の端部には、遮光帯の内側方向の位置への補正を加えることなく、遮光帯の端部を該継ぎ部に位置させ、
2)フォトマスク上の遮光帯の端部からマスクパターンの遮光帯側端までの間隔は、各露光におけるフォトマスクの位置ズレの絶対値の和に、遮光帯の端部での回折光幅の絶対値を加算した値以上であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法である。
図14は、本発明によるフォトマスクの一実施例を説明する断面図である。図14(a)は、フォトマスク上の右側の継ぎ部(Y3 )の近傍を拡大した断面図である。また、図14(b)は、フォトマスク上の左側の継ぎ部(Y3 )の近傍を拡大した断面図である。図14(a)に示すように、本発明によるフォトマスクにおいては、右遮光帯(13R)の端部(14R)の位置は、右側の継ぎ部(Y3 )の位置である。端部(14R)にはフォトマスクの位置ズレに起因するレジスト残りを解消するための、右遮光帯(13R)の内側方向(矢印方向)への補正は加えていない。
図15(b)に示すように、次に与える第2露光においては、フォトマスクに、白太矢印で示す右方向(+方向)へ位置ズレ(a2L)が加わった場合を表している。左遮光帯(13L)の端部(14L)の位置は継ぎ部(Y3 )より+1.0μmの位置となる(a2L=+1.0μm)。
左遮光帯の端部(14L)の位置ズレ(a2L)に対応した塗膜上の領域(25R)には
、第2露光による照射光は直接には照射していない。しかし、ギャップ(G1)が設けられているので、端部(14L)での回折光(19L)は、端部(14L)から左方向(−方向)の塗膜上の領域(25R)内に達している。
具体的には、図16に模式的に示すように、回折光(19R)の幅(c1R)が+1.5μm程度、回折光(19L)の幅(c1L)が−1.5μm程度の際に、2.0μm程度の位置ズレ(a2R+a2L)の領域(25L+25R)内が直接照射に相当する強度となる。
また、フォトマスク上の左遮光帯(13L)の端部(14L)からマスクパターン(75L)の遮光帯側端までの間隔(27R)は、後述する第1露光におけるフォトマスクの位置ズレ(b1R)の絶対値と第2露光におけるフォトマスクの位置ズレ(b1L)の絶対値の和に、右遮光帯の端部(14R)での回折光(19R)の幅(c1R)の絶対値を加算した値以上である。
第2露光は下方フォトマスクを介して行われる。第2露光によって、現像処理後に得られる右側配向制御突起(73R)の左端の位置は、マスクパターン(75L)がY軸(Y0 )方向へ位置ズレ(b1L)した量、近づいた位置になる(b1L=−1.0μm)。また、左遮光帯の端部(14L)での回折光(19L)は、幅(c1L)をもって端部(14L)から左方向(−方向)の塗膜(15)上に達している。
すなわち、遮光帯の端部からマスクパターンの端部までの間隔(27L、27R)を3.5μm以上とすることによって、配向制御突起の欠けを解消することが出来る。
10、40・・・ガラス基板
11・・・カラーフィルタの1画面
11L・・・カラーフィルタの左画面
11R・・・カラーフィルタの右画面
12・・・フォトマスクのパターン領域
13L・・・左遮光帯
13R・・・右遮光帯
14L・・・左遮光帯の端部
14R・・・右遮光帯の端部
14L’・・・補正した左遮光帯の端部
14R’・・・補正した右遮光帯の端部
15・・・フォトレジストの塗膜
15L、15R・・・レジスト残り
16L、16R・・・配向制御突起の欠け
17L、27L・・・マスクパターンの右端の継ぎ部から距離
17R、27R・・・マスクパターンの左端の継ぎ部から距離
19L、19R・・・照射光の回折
20・・・TFT側基板
21・・・液晶分子
22a、22b、23、73、83、93・・・配向制御突起
25L、25R・・・照射光が直接には照射していない塗膜上の領域
41・・・ブラックマトリックス
42・・・着色画素
43・・・透明導電膜
73L・・・左側配向制御突起
73R・・・右側配向制御突起
75・・・マスクパターン
80・・・MVA−LCD
A0 ・・・カラーフィルタ(ガラス基板)のアライメントマーク
A1 ・・・フォトマスク(PM1)のアライメントマーク
G1、G2・・・近接露光のギャップ
L1・・・第1露光
L2・・・第2露光
PM1・・・フォトマスク
X0 ・・・カラーフィルタ(ガラス基板)のX軸
X1 ・・・フォトマスク(PM1)のX軸
Y0 ・・・カラーフィルタ(ガラス基板)のY軸
Y1 ・・・フォトマスク(PM1)のY軸
Y3 ・・・継ぎ部
c1・・・回折の幅
a1、a3・・・補正量
a2、b1・・・フォトマスクの位置ズレ
a2L、b1L・・・左遮光帯の端部の位置ズレ
a2R、b1R・・・右遮光帯の端部の位置ズレ
c1L・・・左遮光帯の端部での回折の幅
c1R・・・右遮光帯の端部での回折の幅
Claims (4)
- 近接露光を行う露光装置を用い、ポジ型のフォトレジスト塗膜が設けられた基板の左右への1枚のフォトマスクを介した2回露光で、該フォトマスクより大きな1画面を有し、継ぎ部にて左右対称なカラーフィルタを製造する液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法において、
1)該フォトマスクは、フォトマスク上の継ぎ部に位置する遮光帯の端部には、遮光帯の内側方向の位置への補正を加えることなく、遮光帯の端部を該継ぎ部に位置させたフォトマスクであり、
2)前記近接露光のギャップ量として、2回露光におけるフォトマスクの位置ズレによって生じた、継ぎ部近傍の照射光が直接照射しないポジ型のフォトレジスト塗膜の部分に、2回露光における両遮光帯の端部での回折光が上記直接照射に相当する照射をもたらすギャップ量を用いることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。 - 前記フォトマスクのマスクパターンは、配向制御突起形成用のマスクパターンであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 近接露光を行う露光装置を用い、ポジ型のフォトレジスト塗膜が設けられた基板の左右への1枚のフォトマスクを介した2回露光で、該フォトマスクより大きな1画面を有し、継ぎ部にて左右対称なカラーフィルタを製造する液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法において、
1)該フォトマスクは、フォトマスク上の継ぎ部に位置する遮光帯の端部には、遮光帯の内側方向の位置への補正を加えることなく、遮光帯の端部を該継ぎ部に位置させ、
2)フォトマスク上の遮光帯の端部からマスクパターンの遮光帯側端までの間隔は、各露光におけるフォトマスクの位置ズレの絶対値の和に、遮光帯の端部での回折光幅の絶対値を加算した値以上であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。 - 前記マスクパターンは、配向制御突起形成用のマスクパターンであることを特徴とする請求項3記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
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