ところが、このような油圧制御装置にあっては、オイルの圧力段を高圧段にすることができない異常がリリーフ弁或いは切替弁に生じると、オイルの圧力が低くなることで、高い圧力のオイルを必要とする機関運転状態のときに機関を安定して運転することができないおそれがある。また、オイルの圧力段を低圧段にすることができない異常が生じると、オイルの圧力が不要に大きくなることに起因して燃費が悪化するといった問題が生じる。
尚、こうした問題は、上記リリーフ弁及び切替弁を備えるものに限られるものではなく、内燃機関の各部位に対して供給するオイルの圧力段を高圧段と低圧段とで切り替える圧力段切替機構を備え、圧力段切替機構の作動態様を変更することによりオイルの圧力を制御する内燃機関の油圧制御装置にあっては概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧力段切替機構に異常が生じている場合にこれを的確に判定することのできる内燃機関の油圧制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、機関の各部位に対して供給するオイルの圧力段を高圧段と低圧段とで切り替える圧力段切替機構を備え、前記圧力段切替機構の作動態様を変更することにより前記オイルの圧力を制御する内燃機関の油圧制御装置において、前記圧力段切替機構により制御された後のオイルの圧力を検出する検出手段と、前記オイルの圧力段を前記高圧段とすべく前記圧力段切替機構に対して指令を出力するとともに、当該指令の出力後に前記検出手段により検出される前記オイルの圧力が、そのときの機関運転状態において前記高圧段とされている場合に想定される値と前記低圧段とされている場合に想定される値との間の値として設定される高圧段異常判定値を下回ることを条件に、前記圧力段切替機構に異常が生じている旨判定する判定手段と、を備えることをその要旨としている。
圧力段切替機構に異常が生じていることに起因してオイルの圧力段を高圧段とすることができず、オイルの圧力段が低圧段や、低圧段よりは高いが高圧段よりは低い圧力段となっている場合には、オイルの圧力段を高圧段とすべく同機構に対して指令を出力すると、当該指令の出力後に同機構により制御された後のオイルの圧力は、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値よりも小さい値となる。
上記構成によれば、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値と低圧段とされている場合に想定される値との間の値として高圧段異常判定値が設定される。そして、判定手段を通じて、当該指令の出力後に検出手段により検出されるオイルの圧力が、上記高圧段異常判定値を下回った場合には、これをもって圧力段切替機構に異常が生じている旨判定される。従って、オイルの圧力段を高圧段とすることができない異常が圧力段切替機構に生じている場合には、これを的確に判定することができるようになる。
(2)請求項1に記載の発明は、請求項2に記載の発明によるように、前記高圧段異常判定値は、当該判定に際してそのときの機関運転状態において前記高圧段とされている場合に想定される値と前記低圧段とされている場合に想定される値との中間の値として設定されるといった態様をもって具体化することができる。この場合、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値と低圧段とされている場合に想定される値とから高圧段異常判定値を簡易に設定することができる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の油圧制御装置において、前記判定手段は、前記オイルの圧力段を前記低圧段とすべく前記圧力段切替機構に対して指令を出力するとともに、当該指令の出力後に前記検出手段により検出される前記オイルの圧力が、そのときの機関運転状態において前記高圧段とされている場合に想定される値と前記低圧段とされている場合に想定される値との間の値として設定される低圧段異常判定値を上回ることを条件に、前記圧力段切替機構に異常が生じている旨判定することをその要旨としている。
圧力段切替機構に異常が生じていることに起因してオイルの圧力段を低圧段とすることができず、オイルの圧力段が高圧段や、高圧段よりは低いが低圧段よりは高い圧力段となっている場合には、オイルの圧力段を低圧段とすべく同機構に対して指令を出力すると、当該指令の出力後に同機構により制御された後のオイルの圧力は、そのときの機関運転状態において低圧段とされている場合に想定される値よりも大きい値となる。
上記構成によれば、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値と低圧段とされている場合に想定される値との間の値として低圧段異常判定値が設定される。そして、判定手段を通じて、当該指令の出力後に検出手段により検出されるオイルの圧力が、上記低圧段異常判定値を上回った場合には、これをもって圧力段切替機構に異常が生じている旨判定される。従って、圧力段切替機構にオイルの圧力段を高圧段とすることができない異常が生じている場合であれ、圧力段切替機構にオイルの圧力段を低圧段とすることができない異常が生じている場合であれ、これらを的確に判定することができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、機関の各部位に対して供給するオイルの圧力段を高圧段と低圧段とで切り替える圧力段切替機構を備え、前記圧力段切替機構の作動態様を変更することにより前記オイルの圧力を制御する内燃機関の油圧制御装置において、前記圧力段切替機構により制御された後のオイルの圧力を検出する検出手段と、前記オイルの圧力段を前記低圧段とすべく前記圧力段切替機構に対して指令を出力するとともに、当該指令の出力後に前記検出手段により検出される前記オイルの圧力が、そのときの機関運転状態において前記高圧段とされている場合に想定される値と前記低圧段とされている場合に想定される値との間の値として設定される低圧段異常判定値を上回ることを条件に、前記圧力段切替機構に異常が生じている旨判定する判定手段と、を備えることをその要旨としている。
同構成によれば、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値と低圧段とされている場合に想定される値との間の値として低圧段異常判定値が設定される。そして、判定手段を通じて、当該指令の出力後に検出手段により検出されるオイルの圧力が、上記低圧段異常判定値を上回った場合には、これをもって圧力段切替機構に異常が生じている旨判定される。従って、オイルの圧力段を低圧段とすることができない異常が圧力段切替機構に生じている場合には、これを的確に判定することができるようになる。
(5)請求項3又は請求項4に記載の発明は、請求項5に記載の発明によるように、前記低圧段異常判定値は、当該判定に際してそのときの機関運転状態において前記高圧段とされている場合に想定される値と前記低圧段とされている場合に想定される値との中間の値として設定されるといった態様をもって具体化することができる。この場合、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値と低圧段とされている場合に想定される値とから低圧段異常判定値を簡易に設定することができる。また特に、請求項3に記載の発明において本発明を適用すれば、高圧段異常判定値と低圧段異常判定値とを各別に設定する必要がないことから、これら判定値を各別に設定する場合に比べて、制御構成を簡易なものとすることができる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧制御装置において、前記圧力段切替機構は、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁して前記オイルの一部を逃がすリリーフ弁と、前記低圧段に対応する第1の所定圧と同第1の所定圧よりも大きい圧力であって前記高圧段に対応する第2の所定圧とで前記開弁圧を切り替える切替手段とを備えることをその要旨としている。
同構成によれば、切替手段により、リリーフ弁の開弁圧が第1の所定圧とされた場合には、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が上昇して同第1の所定圧以上となると、リリーフ弁が開弁して過剰なオイルが逃がされるようになる。そしてこれにより、機関の各部に供給されるオイルの圧力段が低圧段とされる。一方、切替手段により、リリーフ弁の開弁圧が第1の所定圧よりも大きい第2の所定圧とされた場合には、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が上昇して同第2の所定圧以上となると、リリーフ弁が開弁して過剰なオイルが逃がされるようになる。そしてこれにより機関の各部に供給されるオイルの圧力段が高圧段とされる。こうした構成を備える内燃機関の油圧制御装置にあっては、例えばリリーフ弁の開弁圧が第1の所定圧に固定されるといった切替手段の異常が生じると、オイルの圧力段を高圧段とすることができなくなる。また、リリーフ弁の開弁圧が第2の所定圧に固定されるといった切替手段の異常が生じると、オイルの圧力段を低圧段とすることができなくなる。
この点、請求項6に記載の内燃機関の油圧制御装置に対して、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明を適用すれば、切替手段に異常が生じている場合には、これを的確に判定することができるようになる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関の油圧制御装置において、前記オイルポンプは機関駆動式のものであり、前記判定手段は、機関回転速度に基づいて前記高圧段異常判定値或いは前記低圧段異常判定値を設定することをその要旨としている。
機関駆動式のオイルポンプを備える構成にあっては、オイルの圧力段が高圧段或いは低圧段とされている場合に想定されるオイルの圧力は機関回転速度が高くなるほど大きな値となる。従って、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値と低圧段とされている場合に想定される値との間の値として設定される高圧段異常判定値或いは低圧段異常判定値を機関回転速度に基づいて設定することとすれば、これら判定値を一層的確に設定することができる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関の油圧制御装置において、前記判定手段は、機関回転速度及び機関温度の双方に基づいて前記高圧段異常判定値或いは前記低圧段異常判定値を設定することをその要旨としている。
オイルの温度が高くなるほどその粘度は低くなり、オイルの圧力は高いものとなることから、オイルの圧力段が高圧段或いは低圧段とされている場合に想定されるオイルの圧力は、機関回転速度が同一である場合にはオイルの温度が高いほど大きな値となる。従って、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値と低圧段とされている場合に想定される値との間の値として設定される高圧段異常判定値或いは低圧段異常判定値を機関回転速度及び機関温度の双方に基づいて設定することとすれば、これら判定値をより一層的確に設定することができる。
以下、図1〜図8を参照して、本発明に係る内燃機関の油圧制御装置を具体化した一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る内燃機関の油圧制御装置の概略構成を示す。
同図に示すように、内燃機関には、オイルパン12の内部に貯留されているオイルを機関の各部位に対して供給するための主供給通路11が設けられている。主供給通路11には、オイルを吸引・吐出する機関駆動式のオイルポンプ14が設けられている。主供給通路11の上流側の端部、すなわちオイルパン12側の端部には、オイルに含まれる不純物のうち比較的大きなものを濾過するオイルストレーナ13が設けられている。主供給通路11においてオイルポンプ14の下流側には、オイルに含まれる不純物のうち比較的小さいものを濾過するオイルフィルタ15が設けられている。そして、機関運転にともないオイルポンプ14が駆動されると、オイルパン12内のオイルが主供給通路11を通じて同ポンプ14により吸引されるとともに同通路11の下流側に吐出されて、機関の各部位、例えばオイルの圧力により駆動される油圧駆動式の各種装置、機関出力を取り出すためのピストンに対してオイルを噴射することで同ピストンを冷却するピストンジェット機構、及び機関の被潤滑部等に供給されるようになっている。
また、主供給通路11には、オイルポンプ14の下流側と上流側とを接続するリリーフ通路16が設けられている。具体的には、リリーフ通路16は、その一端が主供給通路11においてオイルフィルタ15の下流側に接続されるとともに、その他端が主供給通路11においてオイルポンプ14の上流側であってオイルストレーナ13の下流側に接続されている。リリーフ通路16には、機関の各部位に対して供給するオイルの圧力段を高圧段と低圧段とで切り替える圧力段切替機構20が設けられている。圧力段切替機構20は、電子制御装置30により制御される。
電子制御装置30には、機関回転速度NEを検出する機関回転速度センサ32の出力信号、機関冷却水の温度(以下、「冷却水温THW」)を検出する冷却水温センサ33の出力信号、吸入空気量GAを検出する吸入空気量センサ34の出力信号、主供給通路11に設けられて機関の各部位に供給されるオイルの圧力(以下、「オイル圧力Ps」)を検出するオイル圧力センサ31の出力信号をはじめとして、各種センサの出力信号が入力される。電子制御装置30は、各種センサの出力信号に基づいて機関運転状態を把握し、これに応じて圧力段切替機構20を含む内燃機関の制御を行う。
次に、図2を参照して圧力段切替機構20の具体的な構成について詳細に説明する。
図2に、圧力段切替機構20を中心とした断面構造を示す。
同図に示すように、圧力段切替機構20は、オイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧Prrf以上となると開弁してオイルの一部を逃がすリリーフ弁21と、上記低圧段に対応する第1の所定圧Prrf1と、上記高圧段に対応する第2の所定圧Prrf2とで上記開弁圧Prrfを切り替える切替弁29とを備えている。ここで、第2の所定圧Prrf2は第1の所定圧Prrf1よりも大きな値に設定されている。
まず、リリーフ弁21は、リリーフ通路16の途中に設けられる片側有底円筒状のハウジング22、同ハウジング22の内部空間である収容室23内に収容されるとともに同ハウジング22の軸方向(以下、「軸方向A」)に変位可能に設けられる片側有底筒状の可動部材24、及び同可動部材24の内部に収容されるとともに軸方向Aに対して変位可能に設けられる円柱状の弁体25を備えている。ハウジング22及び可動部材24は、それらの底部22A,24Aがそれぞれリリーフ通路16において上流側に位置するように設けられている。また、リリーフ弁21は、ハウジング22の底部22Aとは反対側(図中下側)の端部22Bの開口部を覆う固定部材26、及び弁体25と固定部材26との間に設けられて同弁体25を可動部材24の底部24A側(図中上側)に付勢するばね27を備えている。
ここで、可動部材24の外径はハウジング22の内径よりもわずかに小さくされている。また、弁体25の外径は可動部材24の内径よりもわずかに小さくされている。また、固定部材26は、円柱状の拡径部26Aと、同拡径部26Aと同軸状に設けられて同拡径部26Aに比べて縮径された円柱状の縮径部26Bとを有している。拡径部26Aは、その端面がハウジング22の上記端部22Bの端面に当接するとともに設けられ、縮径部26Bは、その側面が可動部材24の底部24Aとは反対側(図中下側)の端部24Bの内周面に当接するように設けられている。また、ハウジング22の底部22Aの中心には、入口側貫通孔22Cが形成され、可動部材24の底部24Aの中心には、上記入口側貫通孔22Cと同一の直径である入口側連通孔24Cが形成されており、これら貫通孔22C及び連通孔24Cはリリーフ通路16の一部をなしている。尚、入口側貫通孔22Cにおいて収容室23に開口する開口部が、本発明の入口側開口部に相当する。
一方、ハウジング22の側部において軸方向Aにおける中央には、同側部を貫通するとともに軸方向Aに伸びる出口側貫通孔22Dが形成され、これに対応する可動部材24の側部には、同側部を貫通するとともに上記出口側貫通孔22Dよりも軸方向Aにおける大きさが小さい出口側連通孔24Dが形成されている。尚、出口側貫通孔22Dにおいて収容室23に開口する開口部が、本発明の出口側開口部に相当する。また、軸方向Aにおいて可動部材24が最もハウジング22の底部22A側に位置するとき(以下、「第1の位置」)、出口側連通孔24Dの底部24A側(図中上側)の部位と出口側貫通孔22Dの底部22A側(図中上側)の部位とが一致するようになっている。また、軸方向において可動部材24が最も固定部材26側に位置するとき(以下、「第2の位置」)、出口側連通孔24Dの固定部材26側の部位と出口側貫通孔22Dの固定部材26側の部位とが一致するようになっている。
他方、可動部材24は、軸方向Aにおける大きさが収容室23よりも小さくされている。これにより、可動部材24の端部24Bと固定部材26の拡径部26Aと縮径部26Bとによって所定の空間23Eが形成される。また、ハウジング22の端部22Bには、上記空間23Eと外部とを連通する導入用貫通孔22Eが形成されている。また、リリーフ通路16においてハウジング22の入口側貫通孔22Cの上流側と、上記導入用貫通孔22Eとは導入通路28により接続されている。また、導入通路28の途中には、オイルポンプ14から吐出されたオイルを、上記導入用貫通孔22Eに導入するか否かを切り替えるための電磁式の切替弁29が設けられている。尚、本実施形態では、切替弁29に対して通電がなされると同弁29が開弁し、切替弁29に対する通電が遮断されると同弁29が閉弁するように構成されている。
次に、図3を参照して圧力段切替機構20の作動態様について説明する。
図3(a)に、オイルの圧力段が低圧段とされている場合における圧力段切替機構20の断面構造を示す。また、図3(b)に、オイルの圧力段が高圧段とされている場合における圧力段切替機構20の断面構造を示す。
まず、図3(a)に示すように、切替弁29が開弁状態とされると、オイルポンプ14から吐出されたオイルが導入通路28及び導入用貫通孔22Eを通じて上記所定の空間23Eに導入される。これにより、オイルの圧力に基づく力が可動部材24をハウジング22の底部22A側、すなわち弁体25の閉弁方向に押し上げることで、同可動部材24は上記第1の位置まで変位する。そして、機関回転速度NEの上昇にともないオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が上昇することで、弁体25に対してその開弁方向に作用するオイルの圧力が第1の所定圧Prrf1以上となると、弁体25が同図にて示す位置或いはそれよりも下方まで変位する。これにより、入口側貫通孔22C、入口側連通孔24C、収容室23、出口側連通孔24D、及び出口側貫通孔22Dの全てが連通状態となる。これにより、オイルポンプ14の下流側における過剰なオイルがリリーフ通路16を通じてオイルポンプ14の上流側に逃がされるようになり、機関の各部に供給されるオイルの圧力段が低圧段となる。
次に、図3(b)に示すように、切替弁29が閉弁状態とされると、オイルポンプ14から吐出されたオイルの導入通路28及び導入用貫通孔22Eを通じた上記所定の空間23Eへの導入が禁止される。これにより、オイルの圧力に基づく力であって可動部材24を、ハウジング22の底部22A側、すなわち弁体25の閉弁方向に押し上げる力が、固定部材26側、すなわち弁体25の開弁方向に押し下げる力よりも小さくなり、同可動部材24は上記第2の位置まで変位する。そして、機関回転速度NEの上昇にともないオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が上昇することで、弁体25に対してその開弁方向に作用するオイルの圧力が第2の所定圧Prrf2(>Prrf1)以上となると、弁体25が同図にて示す位置或いはそれよりも下方まで変位する。これにより、入口側貫通孔22C、入口側連通孔24C、収容室23、出口側連通孔24D、及び出口側貫通孔22Dの全てが連通状態となる。これにより、オイルポンプ14の下流側における過剰なオイルがリリーフ通路16を通じてオイルポンプ14の上流側に逃がされるようになり、機関の各部に供給されるオイルの圧力段が高圧段となる。
次に、図4を参照して、オイルの圧力段を機関回転速度NEの上昇に応じて低圧段から高圧段に切り替えた場合におけるオイル圧力Psの変化態様の一例について説明する。
図4に、機関回転速度NEと、オイル圧力センサ31により検出されるオイル圧力Psとの関係を示す。
同図に示すように、機関回転速度NEが上昇してNE1となるまでは、機関回転速度NEの上昇にともないオイル圧力Psは上昇する。ここで、オイル圧力Psが第1の所定圧Prrf1以上となると、リリーフ弁21が開弁してオイルポンプ14の下流側における過剰なオイルがリリーフ通路16を通じてオイルポンプ14の上流側に逃がされるようになる。このため、機関回転速度NEの上昇にともないオイル圧力Psは上昇するものの、機関回転速度NEがNE1以下のときに比べて緩やかに上昇するようになる。そして、機関回転速度NEがNE2(>NE1)となるときに、圧力段切替機構20によりオイルの圧力段を低圧段から高圧段に切り替えると、その時点でのオイル圧力Psは第2の所定圧Prrf2よりは小さいことから、リリーフ弁21が閉弁することとなる。このため、機関回転速度NEが上昇してNE3となるまでは、リリーフ弁21が開弁しているときに比べて急激にオイル圧力Psが上昇するようになる。そして、機関回転速度NEがNE3(>NE2)となってオイル圧力Psが第2の所定圧Prrf2以上となると、リリーフ弁21が開弁してオイルポンプ14の下流側における過剰なオイルがリリーフ通路16を通じてオイルポンプ14の上流側に逃がされるようになる。このため、機関回転速度NEの上昇にともないオイル圧力Psは上昇するものの、機関回転速度NEがNE1からNE2までのときに比べて緩やかに上昇するようになる。
次に、図5を参照して、冷却水温THWとオイル圧力Psとの関係について説明する。尚、冷却水温THWがT1であるときのオイル圧力Psの変化態様を図中実線にて示し、冷却水温THWがT2(<T1)であるときのオイル圧力Psの変化態様を図中一点鎖線にて示す。
オイルの温度が高くなるほどオイルの粘度は低くなることから、図5に示すように、冷却水温THWが高温側であるT1のときには、低温側であるT2のときに比べて同一の機関回転速度NEにおけるオイル圧力Psは小さくなる。このため、冷却水温THWがT1であるときには、機関回転速度NE1のときにオイル圧力Psが第1の所定圧Prrf1となってリリーフ弁21が開弁することとなるが、冷却水温THWがT2であるときには、機関回転速度NEがNE1よりも小さいNE11(<NE1)のときに既にオイル圧力Psが第1の所定圧Prrf1となってリリーフ弁21が開弁することとなる。
以上のように、機関回転速度NEや冷却水温THWといった機関運転状態を示すパラメータに応じてオイル圧力Psは変化する。従って、所望のオイル圧力Psを得ることができるように、電子制御装置30を通じて機関運転状態を把握するとともに、機関運転状態に応じてオイルの圧力段を適宜切り替えるようにしている。尚、上記パラメータの他にも、例えば吸入空気量GAを加味してオイルの圧力段の切替タイミングを設定するようにしてもよい。
ところで、こうした圧力段切替機構20を備える内燃機関の油圧制御装置にあっては、例えば断線等に起因して切替弁29が閉弁状態のままとなる固着異常、或いは開弁状態のままとなる固着異常が生じることがある。また、可動部材24が第1の位置或いは第2の位置にて変位しなくなる固着異常が生じることがある。このため、例えばオイルの圧力段を高圧段とすることができず、オイルの圧力段が低圧段や、低圧段よりは高いが高圧段よりは低い圧力段となっている場合には、オイル圧力Psが所望の圧力よりも低くなることで、高い圧力のオイルを必要とする機関運転状態のときに機関を安定して運転することができないおそれがある。また、オイルの圧力段を低圧段とすることができず、オイルの圧力段が高圧段や、高圧段よりは低いが低圧段よりは高い圧力段となっている場合には、オイル圧力Psが不要に大きくなることに起因して燃費が悪化するといった問題が生じる。
そこで、本実施形態では、以下のようにして圧力段切替機構20に生じている異常を把握するようにしている。すなわち、電子制御装置30を通じて、オイルの圧力段を高圧段とすべく切替弁29に対して指令を出力するとともに、当該指令の出力後にオイル圧力Psが、異常判定値Pthxを下回ることを条件に、圧力段切替機構20に異常が生じている旨判定するようにしている。また、オイルの圧力段を低圧段とすべく切替弁29に対して指令を出力するとともに、当該指令の出力後にオイル圧力センサ31により検出されるオイル圧力Psが、異常判定値Pthxを上回ることを条件に、圧力段切替機構20に異常が生じている旨判定するようにしている。これにより、圧力段切替機構20にオイルの圧力段を高圧段とすることができない異常が生じている場合であれ、圧力段切替機構20にオイルの圧力段を低圧段とすることができない異常が生じている場合であれ、これらを的確に判定するようにしている。
次に、図6を参照して、異常判定値Pthxの設定態様について説明する。
図6に、所定の冷却水温THWにおける機関回転速度NEとオイル圧力Psとの関係を示す。尚、同図において、オイルの圧力段が高圧段とされている場合に想定されるオイルの圧力PHxを一点鎖線にて、オイルの圧力段が低圧段とされている場合に想定されるオイルの圧力PLxを破線にてそれぞれ示すとともに、異常判定値Pthxを実線にて示す。
同図に示すように、異常判定値Pthxは、判定に際してそのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値PHxと低圧段とされている場合に想定される値PLxとの中間の値(=(PHx+PLx)/2)として設定される。具体的には、同一の冷却水温THWにおけるオイル圧力Psは機関回転速度NEが大きいときほど大きくなることから、機関回転速度NEが大きいときほど異常判定値Pthxを大きな値として設定するようにしている。
また、上述したように、同一の機関回転速度NEにおけるオイル圧力Psは、冷却水温THWが低いときほど大きくなることから、図7に示すように、冷却水温THWが低いときほど異常判定値Pthxを大きな値として設定するようにしている。
尚、所定の冷却水温THWにおいて、高圧段とされている場合に想定されるオイルの圧力PHx及び所定の冷却水温THWにおいて低圧段とされている場合に想定されるオイルの圧力PLxはそれぞれ実験等により予め求められており、機関回転速度NE及び冷却水温THWをパラメータとするマップを参照することにより導き出されるようになっている。
次に、図8を参照して、オイルの圧力段を高圧段とすることができない異常(以下、「高圧段切替異常」)が圧力段切替機構20に生じているか否かを判定する処理手順について詳細に説明する。尚、図8は、上記処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、機関運転中に切替弁29に対して通電が行われているときに電子制御装置30により実行される。
この処理では、まず、ステップS101の処理として、切替弁29への通電を遮断する。すなわち、オイルの圧力段を高圧段とすべく切替弁29に対して指令を出力する。そして、次に、通電が遮断されてから所定時間Δtが経過したか否かを判断する(ステップS102)。ここで、所定時間Δtは、切替弁29への通電を遮断してからオイルの圧力段が高圧段となるまでに要する時間よりも長い時間として設定されており、所定時間Δtが経過していない場合には(ステップS102:「NO」)、所定時間Δtが経過するまで上記判断処理が繰り返し実行される。そして、次に、そのときの機関運転状態を示すパラメータとしての機関回転速度NE及び冷却水温THWに基づいて異常判定値Pthxを設定する(ステップS103)。こうして異常判定値Pthxを設定すると、次に、そのときのオイル圧力Psが上記異常判定値Pthx以下であるか否かを判断する(ステップS104)。そしてこの結果、そのときのオイル圧力Psが上記異常判定値Pthx以下である場合には(ステップS104:「YES」)、圧力段切替機構20に高圧段異常切替異常が生じている旨判断して、この一連の処理を一旦終了する。一方、上記ステップS104の判断処理において、そのときのオイル圧力Psが上記異常判定値Pthxよりも大きい場合には、この一連の処理を一旦終了する。
次に、図9を参照して、オイルの圧力段を低圧段とすることができない異常(以下、「低圧段切替異常」)が圧力段切替機構20に生じているか否かを判定する処理手順について詳細に説明する。尚、図9は、上記処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、機関運転中に切替弁29に対する通電が遮断されているときに電子制御装置30により実行される。
この処理では、まず、ステップS201の処理として、切替弁29への通電を開始する。すなわち、オイルの圧力段を低圧段とすべく切替弁29に対して指令を出力する。そして、次に、通電が開始されてから所定時間Δtが経過したか否かを判断する(ステップS202)。ここで、所定時間Δtは、切替弁29への通電を開始してからオイルの圧力段が低圧段となるまでに要する時間よりも長い時間として設定されており、所定時間Δtが経過していない場合には(ステップS202:「NO」)、所定時間Δtが経過するまで上記判断処理が繰り返し実行される。そして、次に、そのときの機関運転状態を示すパラメータとしての機関回転速度NE及び冷却水温THWに基づいて異常判定値Pthxを設定する(ステップS203)。こうして異常判定値Pthxを設定すると、次に、そのときのオイル圧力Psが上記異常判定値Pthx以上であるか否かを判断する(ステップS204)。そしてこの結果、そのときのオイル圧力Psが上記異常判定値Pthx以上である場合には(ステップS204:「YES」)、圧力段切替機構20に低圧段異常切替異常が生じている旨判断して、この一連の処理を一旦終了する。一方、上記ステップS204の判断処理において、そのときのオイル圧力Psが上記異常判定値Pthxよりも小さい場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の油圧制御装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)圧力段切替機構20により制御された後のオイル圧力Psを検出するオイル圧力センサ31を備えることとした。また、電子制御装置30を通じて、オイルの圧力段を高圧段とすべく圧力段切替機構20に対して指令を出力するとともに、当該指令の出力後にオイル圧力Psが、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値PHxと低圧段とされている場合に想定される値PLxとの間の値として設定される異常判定値Pthxを下回ることを条件に、圧力段切替機構20に異常が生じている旨判定することとした。これにより、オイルの圧力段を高圧段とすることができない異常が圧力段切替機構20に生じている場合には、これを的確に判定することができるようになる。
(2)異常判定値Pthxは、当該判定に際してそのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値PHxと低圧段とされている場合に想定される値PLxとの中間の値として設定されることとした。これにより、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値PHxと低圧段とされている場合に想定される値PLxとから異常判定値Pthxを簡易に設定することができる。
(3)電子制御装置30を通じて、オイルの圧力段を低圧段とすべく圧力段切替機構20に対して指令を出力するとともに、当該指令の出力後にオイル圧力センサ31により検出されるオイル圧力Psが、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値PHxと低圧段とされている場合に想定される値PLxとの間の値として設定される異常判定値Pthxを上回ることを条件に、圧力段切替機構20に異常が生じている旨判定することとした。これにより、圧力段切替機構20にオイルの圧力段を高圧段とすることができない異常が生じている場合であれ、圧力段切替機構20にオイルの圧力段を低圧段とすることができない異常が生じている場合であれ、これらを的確に判定することができるようになる。
(4)高圧段異常判定に用いる異常判定値Pthxと低圧段異常判定に用いる異常判定値Pthxとを同一の値とすることとした。これにより、これら異常判定値Pthxを各別に設定する必要がないことから、これら判定値Pthxを各別に設定する場合に比べて、制御構成を簡易なものとすることができる。
(5)オイルポンプ14は機関駆動式のものであり、電子制御装置30を通じて、機関回転速度NEに基づいて異常判定値Pthxを設定することとした。機関駆動式のオイルポンプ14を備える構成にあっては、オイルの圧力段が高圧段或いは低圧段とされている場合に想定されるオイルの圧力PHx,PLxは機関回転速度NEが高くなるほど大きな値となる。従って、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値PHxと低圧段とされている場合に想定される値PLxとの間の値として設定される異常判定値Pthxを機関回転速度NEに基づいて設定することとすれば、異常判定値Pthxを一層的確に設定することができる。
(6)電子制御装置30を通じて、機関回転速度NE及び冷却水温THWの双方に基づいて異常判定値Pthxを設定することとした。オイルの温度が高くなるほどオイルの粘度は低くなり、オイルの圧力は高いものとなることから、オイルの圧力段が高圧段或いは低圧段とされている場合に想定されるオイルの圧力PHx,PLxは、機関回転速度NEが同一である場合にはオイルの温度が高いほど大きな値となる。また、オイルの温度が高いときほど冷却水温THWは高くなる。従って、判定に際して、そのときの機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値PHxと低圧段とされている場合に想定される値PLxとの間の値として設定される異常判定値Pthxを機関回転速度NE及び冷却水温THWの双方に基づいて設定することにより、異常判定値Pthxをより一層的確に設定することができる。
尚、本発明に係る内燃機関の油圧制御装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、冷却水温THWに基づいて異常判定値Pthxを設定するようにしているが、これに代えて、オイルの温度を直接検出するとともに、同検出されたオイルの温度自体に基づいて異常判定値Pthxを設定するようにしてもよい。また、機関温度を反映するパラメータであれば、他の温度を採用することもできる。
・上記実施形態によるように、機関回転速度NE及び機関温度の双方に基づいて異常判定値Pthxを設定することが、同判定値Pthxをより一層的確に設定する上では望ましい。しかしながら、例えば暖機完了後等の所定の機関温度のときに限って上記異常判定処理を行うようにすれば、機関回転速度NEのみに基づいて異常判定値Pthxを設定することもできる。
・上記実施形態によるように、機関回転速度NEに基づいて異常判定値Pthxを設定することが、同判定値Pthxをより一層的確に設定する上では望ましい。しかしながら、例えば暖機完了後のアイドル運転状態のときに限って上記異常判定処理を行うようにすれば、上記異常判定値として固定値を採用することもできる。
・上記実施形態では、機関駆動式のオイルポンプについて例示したが、本発明に係る油圧制御装置は機関駆動式のオイルポンプを必須の構成とするものではなく、これに代えて電動式のオイルポンプを採用することもできる。この場合であっても、オイルの圧力段が高圧段或いは低圧段とされている場合に想定されるオイル圧力Psが、機関回転速度NEが高くなるほど大きな値となるといった特性を有するものであれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、切替弁29を電磁弁としているが、これに代えて油圧、負圧等によって切替弁を開閉するようにしてもよい。
・上記実施形態では、オイルポンプ14から吐出されたオイルを、導入通路28、導入用貫通孔22Eを通じて上記所定の空間23Eへ導入するか否かを切替弁29により切り替えることで、弁体25の開閉方向における可動部材24の位置を上記第1の位置と第2の位置とで切り替えるようにしている。しかしながら、可動部材の位置を切り替える手段はこれに限られるものではなく、電気的或いは機械的に可動部材を直接駆動して可動部材の位置を切り替えるようにしてもよい。
・本発明に係るリリーフ弁は上記実施形態において例示したリリーフ弁21に限られるものではない。リリーフ弁としては、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧Prrf以上となると開弁して同オイルの一部を逃がすものであればよい。また、切替手段としては、低圧段に対応する第1の所定圧Prrf1と高圧段に対応する第2の所定圧Prrf2とで開弁圧を切り替えるものであればよい。
・上記実施形態では、低圧段異常判定に用いられる異常判定値Pthxと、高圧段異常判定に用いられる異常判定値Pthxとを同一の値として設定しているが、本発明に係る高圧段異常判定値及び低圧段異常判定値はこれに限られるものではない。すなわち、高圧段異常判定値と低圧段異常判定値とを個別に設定するようにしてもよい。この場合、高圧段異常判定値を、例えば機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値PHxと低圧段とされている場合に想定される値PLxとの中間の値よりも大きな値或いは小さな値或いは大きな値として設定するようにしてもよい。また、低圧段異常判定値を、例えば機関運転状態において高圧段とされている場合に想定される値PHxと低圧段とされている場合に想定される値PLxとの中間の値よりも大きな値或いは小さな値或いは大きな値として設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、低圧段異常判定及び高圧段異常判定の双方を実行するものについて例示したが、これに代えて低圧段異常判定及び高圧段異常判定の一方のみを実行するものとしてもよい。
・上記実施形態では、圧力段切替機構の一例として、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁してオイルの一部を逃がすリリーフ弁と、低圧段に対応する第1の所定圧と同第1の所定圧よりも大きい圧力であって高圧段に対応する第2の所定圧とで開弁圧を切り替える切替手段とを備えるものについて説明した。しかしながら、本発明に係る圧力段切替機構はこれに限られるものではなく、例えばオイルポンプ自体が機関の各部位に対して供給するオイルの圧力段を高圧段と低圧段とで切り替えるものであってもよい。
11…主供給通路、12…オイルパン、13…オイルストレーナ、14…オイルポンプ、15…オイルフィルタ、16…リリーフ通路、20…圧力段切替機構、21…リリーフ弁、22…ハウジング、22A…底部、22B…端部、22C…入口側貫通孔、22D…出口側貫通孔、22E…導入用貫通孔、23…収容室、24…可動部材、24A…底部、24B…端部、24C…入口側連通孔、24D…出口側連通孔、25…弁体、26…固定部材、26A…拡径部、26B…縮径部、27…ばね(付勢部材)、28…導入通路、29…切替弁、30…電子制御装置(判定手段)、31…オイル圧力センサ(検出手段)、32…機関回転速度センサ、33…水温センサ、34…吸入空気量センサ。