JP2010242530A - 油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】切替弁の異常の有無を的確に診断する。
【解決手段】油圧制御装置は、オイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁してオイルの一部を逃がす弁であって開弁圧を可変とする可変部材24を有するリリーフ弁21と、開弁圧を所定の開弁圧とするために可変部材24に対して印加される油圧Pdの印加態様を切り替える切替弁29とを備え、切替弁29の開度制御を通じてリリーフ弁21の開弁圧を切り替えることにより供給対象へ供給されるオイルの圧力段を制御する。また、切替弁29と可変部材24とを接続する導入通路28に設けられて油圧Pdを検出する油圧センサ44を備える。そして電子制御装置30を通じて、切替弁29に対して開度指令信号が出力されたときに油圧センサ44により検出される油圧Pdに基づいて切替弁29の異常の有無を診断する。
【選択図】図1
【解決手段】油圧制御装置は、オイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁してオイルの一部を逃がす弁であって開弁圧を可変とする可変部材24を有するリリーフ弁21と、開弁圧を所定の開弁圧とするために可変部材24に対して印加される油圧Pdの印加態様を切り替える切替弁29とを備え、切替弁29の開度制御を通じてリリーフ弁21の開弁圧を切り替えることにより供給対象へ供給されるオイルの圧力段を制御する。また、切替弁29と可変部材24とを接続する導入通路28に設けられて油圧Pdを検出する油圧センサ44を備える。そして電子制御装置30を通じて、切替弁29に対して開度指令信号が出力されたときに油圧センサ44により検出される油圧Pdに基づいて切替弁29の異常の有無を診断する。
【選択図】図1
Description
本発明は、油圧制御装置に関する。
従来一般の内燃機関の油圧制御装置では、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁するリリーフ弁を備え、同リリーフ弁を通じてオイルの一部をリリーフ通路に逃がすようにしている。これにより、機関の各部に供給されるオイルの圧力が過度に上昇することを抑制するようにしている。尚、こうした内燃機関の油圧制御装置としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
また、こうしたリリーフ弁の開弁圧を例えば2段階に切り換えることにより、内燃機関の各部に対して供給されるオイルの圧力段を高圧段と低圧段とで切り替えるものが開発されるに至っている。
図9に、油圧制御装置の概略構造を示す。
同図に示すように、オイルパン12内のオイルを機関の各部に供給するための主供給通路11には、オイルポンプ14の下流側と上流側とを接続するリリーフ通路16が設けられており、リリーフ通路16にはオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力Psが所定の開弁圧Prrf以上となると開弁するリリーフ弁21が設けられている。また、リリーフ弁21は、開弁圧Prrfを可変とする可変部材24を有している。また、リリーフ通路16においてリリーフ弁21の上流側には、同リリーフ通路16から分岐して可変部材24に対して油圧を印加するための導入通路28が設けられている。ここで、導入通路28を通じての可変部材24への油圧の印加態様は同通路28に設けられる切替弁29の開度制御を通じて行われる。すなわち、切替弁29が開弁されることにより、導入通路28を通じて可変部材24に油圧が印加されると、これにともないリリーフ弁21の開弁圧Prrfが第1の所定圧Prrf1とされてオイルの圧力段が低圧段とされる。また、切替弁29が閉弁されることにより、導入通路28を通じて可変部材24に油圧が印加されなくなると、これにともない可変部材24が変位してリリーフ弁21の開弁圧Prrfが第1の所定圧Prrf1よりも高い第2の所定圧Prrf2(>Prrf1)とされてオイルの圧力段が高圧段とされる。
同図に示すように、オイルパン12内のオイルを機関の各部に供給するための主供給通路11には、オイルポンプ14の下流側と上流側とを接続するリリーフ通路16が設けられており、リリーフ通路16にはオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力Psが所定の開弁圧Prrf以上となると開弁するリリーフ弁21が設けられている。また、リリーフ弁21は、開弁圧Prrfを可変とする可変部材24を有している。また、リリーフ通路16においてリリーフ弁21の上流側には、同リリーフ通路16から分岐して可変部材24に対して油圧を印加するための導入通路28が設けられている。ここで、導入通路28を通じての可変部材24への油圧の印加態様は同通路28に設けられる切替弁29の開度制御を通じて行われる。すなわち、切替弁29が開弁されることにより、導入通路28を通じて可変部材24に油圧が印加されると、これにともないリリーフ弁21の開弁圧Prrfが第1の所定圧Prrf1とされてオイルの圧力段が低圧段とされる。また、切替弁29が閉弁されることにより、導入通路28を通じて可変部材24に油圧が印加されなくなると、これにともない可変部材24が変位してリリーフ弁21の開弁圧Prrfが第1の所定圧Prrf1よりも高い第2の所定圧Prrf2(>Prrf1)とされてオイルの圧力段が高圧段とされる。
このようにして、切替弁の開度制御を通じてリリーフ弁の開弁圧を切り替えることにより、機関の各部へ供給されるオイルの圧力段が変更される。
こうした油圧制御装置によれば、例えば機関の各部に対して供給するオイルの圧力を高くする必要のない機関運転状態のときにはオイルの圧力段を低圧段に変更することで、燃費の向上を図ることができる。
こうした油圧制御装置によれば、例えば機関の各部に対して供給するオイルの圧力を高くする必要のない機関運転状態のときにはオイルの圧力段を低圧段に変更することで、燃費の向上を図ることができる。
ところで、このような油圧制御装置にあっては、オイルに含まれる異物が切替弁29の可動部に混入するなどして同弁29が固着するおそれがある。この場合には、導入通路28を通じての可変部材24への油圧の印加態様を変更することができず、リリーフ弁21の開弁圧Prrfを切り替えることができなくなる。このため、例えばオイルの圧力段を
高圧段に切り替えることができない場合には、高い圧力のオイルを必要とする機関運転状態のときに機関を安定して運転することができないおそれがある。また、オイルの圧力段を低圧段にすることができない場合には、オイルの圧力が不要に高くなることに起因して燃費が悪化するおそれがある。
高圧段に切り替えることができない場合には、高い圧力のオイルを必要とする機関運転状態のときに機関を安定して運転することができないおそれがある。また、オイルの圧力段を低圧段にすることができない場合には、オイルの圧力が不要に高くなることに起因して燃費が悪化するおそれがある。
尚、こうした問題は、上述した内燃機関の油圧制御装置に限られるものではなく、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁して同オイルの一部を逃がす弁であって同開弁圧を可変とする可変部材を有するリリーフ弁と、開弁圧を所定の開弁圧とするために可変部材に対して印加される油圧の印加態様を切り替える切替弁とを備え、切替弁の開度制御を通じてリリーフ弁の開弁圧を切り替えることにより、供給対象へ供給されるオイルの圧力段を制御するものであれば、概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、切替弁の異常の有無を的確に診断することのできる油圧制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁して前記オイルの一部を逃がす弁であって前記開弁圧を可変とする可変部材を有するリリーフ弁と、前記開弁圧を所定の開弁圧とするために前記可変部材に対して印加される油圧の印加態様を切り替える切替弁とを備え、前記切替弁の開度制御を通じて前記リリーフ弁の開弁圧を切り替えることにより、供給対象へ供給されるオイルの圧力段を制御する油圧制御装置において、前記切替弁と前記可変部材とを接続する油路に設けられて前記油圧を検出する油圧検出手段と、前記切替弁に対して開度指令信号が出力されたときに前記油圧検出手段により検出される油圧に基づいて前記切替弁の異常の有無を診断する診断手段と、を備えることをその要旨としている。
(1)請求項1に記載の発明は、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁して前記オイルの一部を逃がす弁であって前記開弁圧を可変とする可変部材を有するリリーフ弁と、前記開弁圧を所定の開弁圧とするために前記可変部材に対して印加される油圧の印加態様を切り替える切替弁とを備え、前記切替弁の開度制御を通じて前記リリーフ弁の開弁圧を切り替えることにより、供給対象へ供給されるオイルの圧力段を制御する油圧制御装置において、前記切替弁と前記可変部材とを接続する油路に設けられて前記油圧を検出する油圧検出手段と、前記切替弁に対して開度指令信号が出力されたときに前記油圧検出手段により検出される油圧に基づいて前記切替弁の異常の有無を診断する診断手段と、を備えることをその要旨としている。
切替弁が正常である場合に、例えば切替弁の開度を全開とすべく同弁に対する開度指令信号を出力すると、全開とされる切替弁を通じて同弁と可変部材とを接続する油路に油圧が導入される。このとき、油路の油圧は上昇して切替弁が全開とされている状態に対応した比較的高いものとなる。一方、切替弁が全閉状態で固着するといった異常が生じている場合には、例えば切替弁の開度を全開とすべく同弁に対する開度指令信号を出力しても、切替弁が全閉状態であることから切替弁と可変部材とを接続する油路に油圧が導入されない。このとき、油路の油圧は変化せず比較的低いものとなる。従って、上記構成によれば、こうした関係を利用することにより、切替弁に対して開度指令信号が出力されたときに油圧検出手段により検出される油圧に基づいて、切替弁の異常の有無を的確に診断することができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の油圧制御装置において、前記切替弁は同弁の開度が第1の所定開度と同第1の所定開度よりも閉じ側の第2の所定開度とに切り替えられるものであり、前記診断手段は、前記切替弁を前記第1の所定開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に前記油圧検出手段により検出される油圧が、前記切替弁が前記第1の所定開度とされている場合に想定される値と、前記切替弁が前記第2の所定開度とされている場合に想定される値との間の値として設定される所定値を下回ることを条件に、前記切替弁に異常が生じている旨診断することをその要旨としている。
上記構成によれば、切替弁の開度を第1の所定開度とすることができず同第1の所定開度よりも閉じ側の開度となる異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の油圧制御装置において、前記切替弁は同弁の開度が第1の所定開度と同第1の所定開度よりも閉じ側の第2の所定開度とに切り替えられるものであり、前記診断手段は、前記切替弁を前記第2の所定開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に前記油圧検出手段により検出される油圧が、前記切替弁が前記第2の所定開度とされている場合に想定される値と、前記切替弁が前記第1の所定開度とされている場合に想定される値との間の値として設定される所定値を上回ることを条件に、前記切替弁に異常が生じている旨診断することをその要旨としている。
上記構成によれば、切替弁の開度を第2の所定開度とすることができず同第2の所定開度よりも開き側の開度となる異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(4)請求項2又は請求項3に記載の発明は、請求項4に記載の発明によるように、前記第1の所定開度は全開開度であり、前記第2の所定開度は全閉開度であるといった態様をもって具体化することができる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の油圧制御装置において、前記オイルポンプは内燃機関の機関出力軸により駆動されるものであり、前記油路は、前記オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を前記可変部材に対して印加するものであり、機関回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記診断手段は、前記回転速度検出手段により検出される機関回転速度に応じて前記所定値を可変設定することをその要旨としている。
一般に、機関駆動式のオイルポンプにあっては、機関回転速度が高くなるとこれにともないオイルポンプから吐出されるオイルの圧力が高くなる。このため、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を、油路を通じて可変部材に対して印加する構成にあっては、切替弁の開度が同一であっても、機関回転速度が高いときほど同油路における油圧は高いものとなる。従って、上記構成によるように、機関回転速度に応じて所定値を可変設定することとすれば、同所定値を的確に設定することができるようになる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の油圧制御装置において、前記診断手段は、前記切替弁を所定開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に前記油圧検出手段により検出される油圧と前記切替弁が前記所定開度とされている場合に想定される値との乖離度合が所定度合を上回ることを条件に、前記切替弁に異常が生じている旨診断することをその要旨としている。
上記構成によれば、切替弁の開度を所定開度とすることができない異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の油圧制御装置において、前記オイルポンプは内燃機関の機関出力軸により駆動されるものであり、前記油路は、前記オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を前記可変部材に対して印加するものであり、機関回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記診断手段は、前記回転速度検出手段により検出される機関回転速度に応じて、前記切替弁が前記所定開度とされる場合における前記油圧を想定することをその要旨としている。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の油圧制御装置において、前記オイルポンプは内燃機関の機関出力軸により駆動されるものであり、前記油路は、前記オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を前記可変部材に対して印加するものであり、機関回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記診断手段は、前記回転速度検出手段により検出される機関回転速度に応じて、前記切替弁が前記所定開度とされる場合における前記油圧を想定することをその要旨としている。
一般に、機関駆動式のオイルポンプにあっては、機関回転速度が高くなるとこれにともないオイルポンプから吐出されるオイルの圧力が高くなる。このため、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を、油路を通じて可変部材に対して印加する構成にあっては、切
替弁の開度が同一であっても、機関回転速度が高いときほど同油路における油圧は高いものとなる。従って、上記構成によるように、機関回転速度に応じて、切替弁が所定開度とされる場合における油圧を想定することとすれば、これを的確に想定することができるようになる。
替弁の開度が同一であっても、機関回転速度が高いときほど同油路における油圧は高いものとなる。従って、上記構成によるように、機関回転速度に応じて、切替弁が所定開度とされる場合における油圧を想定することとすれば、これを的確に想定することができるようになる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の油圧制御装置において、前記診断手段は、前記切替弁に対する開度指令信号を変更するとともに、該変更にともなう前記油圧検出手段により検出される油圧の変化度合が所定度合を下回ることを条件に、前記切替弁に異常が生じている旨診断することをその要旨としている。
上記構成によれば、切替弁の開度を変更することができない異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の油圧制御装置において、前記オイルポンプは内燃機関の機関出力軸により駆動されるものであり、前記油路は、前記オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を前記可変部材に対して印加するものであり、機関回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記診断手段は、前記回転速度検出手段により検出される機関回転速度に応じて前記所定度合を可変設定することをその要旨としている。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の油圧制御装置において、前記オイルポンプは内燃機関の機関出力軸により駆動されるものであり、前記油路は、前記オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を前記可変部材に対して印加するものであり、機関回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記診断手段は、前記回転速度検出手段により検出される機関回転速度に応じて前記所定度合を可変設定することをその要旨としている。
一般に、機関駆動式のオイルポンプにあっては、機関回転速度が高くなるとこれにともないオイルポンプから吐出されるオイルの圧力が高くなる。このため、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を、油路を通じて可変部材に対して印加する構成にあっては、切替弁の開度が同一であっても、機関回転速度が高いときほど同油路における油圧は高いものとなる。また、機関回転速度が高いときほど切替弁の開度指令信号の変更にともなう油圧の変化度合は大きなものとなる。従って、上記構成によるように、機関回転速度に応じて所定度合を可変設定することとすれば、同所定値を的確に設定することができるようになる。
<第1実施形態>
以下、図1〜図6を参照して、本発明に係る油圧制御装置を、内燃機関の油圧制御装置
として具体化した第1実施形態について説明する。
以下、図1〜図6を参照して、本発明に係る油圧制御装置を、内燃機関の油圧制御装置
として具体化した第1実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る油圧制御装置の概略構成を示す。
同図に示すように、内燃機関には、オイルパン12の内部に貯留されているオイルを機関の各部に対して供給するための主供給通路11が設けられている。主供給通路11の途中には、オイルを吸引・吐出する機関駆動式のオイルポンプ14が設けられている。主供給通路11の上流側の端部(オイルパン12側の端部)には、オイルに含まれる不純物のうち比較的大きなものを濾過するためのオイルストレーナ13が設けられている。また、主供給通路11においてオイルポンプ14の下流側には、オイルに含まれる不純物のうち比較的小さいものを濾過するためのオイルフィルタ15が設けられている。機関出力によりオイルポンプ14が駆動されると、オイルパン12内のオイルが主供給通路11を通じて同ポンプ14により吸引されるとともに同通路11の下流側に吐出される。そして、機関の各部、例えばオイルの圧力により駆動される油圧駆動式の各種装置、機関出力を取り出すための機関ピストンに対してオイルを噴射することで同ピストンを冷却するピストンジェット機構、及び機関の被潤滑部等(いずれも図示略)に対して供給されるようになっている。
同図に示すように、内燃機関には、オイルパン12の内部に貯留されているオイルを機関の各部に対して供給するための主供給通路11が設けられている。主供給通路11の途中には、オイルを吸引・吐出する機関駆動式のオイルポンプ14が設けられている。主供給通路11の上流側の端部(オイルパン12側の端部)には、オイルに含まれる不純物のうち比較的大きなものを濾過するためのオイルストレーナ13が設けられている。また、主供給通路11においてオイルポンプ14の下流側には、オイルに含まれる不純物のうち比較的小さいものを濾過するためのオイルフィルタ15が設けられている。機関出力によりオイルポンプ14が駆動されると、オイルパン12内のオイルが主供給通路11を通じて同ポンプ14により吸引されるとともに同通路11の下流側に吐出される。そして、機関の各部、例えばオイルの圧力により駆動される油圧駆動式の各種装置、機関出力を取り出すための機関ピストンに対してオイルを噴射することで同ピストンを冷却するピストンジェット機構、及び機関の被潤滑部等(いずれも図示略)に対して供給されるようになっている。
また、主供給通路11には、オイルポンプ14の下流側と上流側とを接続するリリーフ通路16が設けられている。リリーフ通路16は、その一端が主供給通路11においてオイルフィルタ15の下流側に接続されるとともに、その他端が主供給通路11においてオイルポンプ14の上流側であってオイルストレーナ13の下流側に接続されている。リリーフ通路16には、オイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧Prrf以上となると開弁してオイルの一部をオイルポンプ14の上流側に逃がすリリーフ弁21が設けられている。
リリーフ弁21は、リリーフ通路16の途中に設けられる片側有底円筒状のハウジング22、及び同ハウジング22の内部空間である収容室23内に収容されて同ハウジング22の軸方向(以下、「軸方向A」)に対して変位可能に設けられる円柱状の弁体25を備えている。また、収容室23内において軸方向Aに沿って変位可能に設けられる片側有底筒状の可変部材24を備えている。ハウジング22及び可変部材24は、それらの底部22A,24Aがそれぞれリリーフ通路16において上流側(図中上側)に位置するように設けられている。また、リリーフ弁21は、ハウジング22の底部22Aとは反対側(図中下側)の端部22Bの開口部を覆う固定部材26、及び弁体25と固定部材26との間に設けられて弁体25を可変部材24の底部24A側(図中上側)に付勢するばね27を備えている。可変部材24の外径はハウジング22の内径よりもわずかに小さくされている。また、弁体25の外径は可変部材24の内径よりもわずかに小さくされている。固定部材26は、円柱状の拡径部26Aと、同拡径部26Aと一体且つ同軸状に設けられて同拡径部26Aに比べて縮径された円柱状の縮径部26Bとを有している。拡径部26Aは、その端面がハウジング22の端部22Bの下端面に当接し、縮径部26Bは、その側面が可変部材24の底部24Aとは反対側(図中下側)の端部24Bの内周面に当接している。
ハウジング22の底部22A及び可変部材24の底部24Aのそれぞれの中心には、入口側貫通孔22C及び同入口側貫通孔22Cと同一の直径である入口側連通孔24Cがそれぞれ形成されており、これら貫通孔22C及び連通孔24Cはリリーフ通路16の一部をなしている。
ハウジング22の側部において軸方向Aにおける中央位置(図中左側中央位置)には、同側部を貫通するとともに軸方向Aに対して延びる出口側貫通孔22Dが形成されるとともに、これに対応する可変部材24の側部には、同側部を貫通するとともに上記出口側貫
通孔22Dよりも軸方向Aにおける長さが短い出口側連通孔24Dが形成されている。可変部材24が、軸方向Aにおいて最もハウジング22の底部22A側に位置する状態(以下、この位置を「第1の位置」とする)において、出口側連通孔24Dの底部24A側(図中上側)の部位と出口側貫通孔22Dの底部22A側(図中上側)の部位とが一致する。また、可変部材24が、軸方向Aにおいて最も固定部材26側に位置する状態(以下、この位置を「第2の位置」とする)において、出口側連通孔24Dの固定部材26側(図中下側)の部位と出口側貫通孔22Dの固定部材26側(図中下側)の部位とが一致する。このように、可変部材24の出口側連通孔24Dの軸方向Aにおける位置を変更することによって収容室23の出口部23Dの開口位置が軸方向Aにおいて変更される。
通孔22Dよりも軸方向Aにおける長さが短い出口側連通孔24Dが形成されている。可変部材24が、軸方向Aにおいて最もハウジング22の底部22A側に位置する状態(以下、この位置を「第1の位置」とする)において、出口側連通孔24Dの底部24A側(図中上側)の部位と出口側貫通孔22Dの底部22A側(図中上側)の部位とが一致する。また、可変部材24が、軸方向Aにおいて最も固定部材26側に位置する状態(以下、この位置を「第2の位置」とする)において、出口側連通孔24Dの固定部材26側(図中下側)の部位と出口側貫通孔22Dの固定部材26側(図中下側)の部位とが一致する。このように、可変部材24の出口側連通孔24Dの軸方向Aにおける位置を変更することによって収容室23の出口部23Dの開口位置が軸方向Aにおいて変更される。
可変部材24は、軸方向Aにおける長さが収容室23よりも短くされている。これにより、可変部材24の端部24Bの下面、ハウジング22の端部22Bの内周面、縮径部26Bの上面、及び固定部材26の拡径部26Aの外周面によって円環状をなす所定の空間23Fが形成される。また、ハウジング22の端部22B(図中右側)には、上記空間23Fとハウジング22の外部とを連通する導入用貫通孔22Eが形成されている。導入用貫通孔22Eと、リリーフ通路16においてリリーフ弁21の上流側とは導入通路28により接続されている。導入通路28の途中には、リリーフ通路16においてリリーフ弁21の上流側のオイルを、導入用貫通孔22Eを通じて上記所定の空間23Fに導入するか否かを切り替えるための電磁ソレノイド式の切替弁29が設けられている。ここで、本実施形態では、切替弁29のソレノイドに対して通電がなされると同弁29が開弁し、切替弁29のソレノイドに対する通電が停止されると同弁29が閉弁するように構成されている。
こうした切替弁29の通電制御を行う電子制御装置30には、機関運転状態を把握するための各種センサからの出力信号が入力される。各種センサとしては、例えば、機関回転速度NEを検出する機関回転速度センサ41、吸入空気量GAを検出する吸入空気量センサ42、及び機関冷却水の温度THWを検出する冷却水温センサ43等が挙げられる。電子制御装置30は、各種センサからの出力信号に基づいて機関運転状態を把握し、これに応じて切替弁29の開度制御を実行する。そして、リリーフ弁21の開弁圧Prrfが以下に説明するように切り替えられることにより、機関の各部に対して供給するオイルの圧力段が高圧段と低圧段とで切り替えられる。
次に、図2及び図3を参照してリリーフ弁21の作動態様について説明する。
図2(a)は、オイルの圧力段が低圧段とされている場合におけるリリーフ弁21の断面構造を示している。また、図2(b)は、オイルの圧力段が高圧段とされている場合におけるリリーフ弁21の断面構造を示している。
図2(a)は、オイルの圧力段が低圧段とされている場合におけるリリーフ弁21の断面構造を示している。また、図2(b)は、オイルの圧力段が高圧段とされている場合におけるリリーフ弁21の断面構造を示している。
まず、切替弁29が開弁状態とされると、図2(a)に示すように、オイルポンプ14から吐出されたオイルの一部が導入通路28及び収容室23の導入部23Eを通じて上記所定の空間23Fに導入される。これにより、油圧によって可変部材24が弁体25の閉弁方向(図中上方)に押し上げられることで、可変部材24の位置は上記「第1の位置」に保持される。こうした状態において、機関回転速度NEの上昇にともないオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が上昇するとともに、弁体25に対してその開弁方向(図中下方)に作用するオイルの圧力が上昇して第1の所定圧Prrf1以上となることで、弁体25が同図にて示す位置或いはそれよりも下方まで変位すると、収容室23の入口部23Cと出口部23Dとが連通状態となる。これにより、オイルポンプ14の下流側における過剰なオイルがリリーフ通路16を通じてオイルポンプ14の上流側に逃がされるようになることで、オイルの圧力段が低圧段とされる。
次に、図2(b)に示すように、切替弁29が閉弁状態とされると、導入通路28を通
じて上記所定の空間23Fにオイルが導入されなくなる。これにより、可変部材24に対して、導入通路28を通じて印加される油圧が、収容室23の入口部23Cから流入するオイルの圧力に基づく力、すなわち同部材24に対して弁体25の開弁方向(図中下方)に作用する力よりも小さくなり、可変部材24は上記「第2の位置」まで変位する。こうした状態において、機関回転速度NEの上昇にともないオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が上昇するとともに、弁体25に対してその開弁方向(図中下方)に作用するオイルの圧力が上昇して第1の所定圧Prrf1よりも大きい第2の所定圧Prrf2以上となることで、弁体25が同図にて示す位置或いはそれよりも下方まで変位すると、収容室23の入口部23Cと出口部23Dとが連通状態となる。これにより、オイルポンプ14の下流側における過剰なオイルがリリーフ通路16を通じてオイルポンプ14の上流側に逃がされるようになることで、オイルの圧力段が高圧段とされる。
じて上記所定の空間23Fにオイルが導入されなくなる。これにより、可変部材24に対して、導入通路28を通じて印加される油圧が、収容室23の入口部23Cから流入するオイルの圧力に基づく力、すなわち同部材24に対して弁体25の開弁方向(図中下方)に作用する力よりも小さくなり、可変部材24は上記「第2の位置」まで変位する。こうした状態において、機関回転速度NEの上昇にともないオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が上昇するとともに、弁体25に対してその開弁方向(図中下方)に作用するオイルの圧力が上昇して第1の所定圧Prrf1よりも大きい第2の所定圧Prrf2以上となることで、弁体25が同図にて示す位置或いはそれよりも下方まで変位すると、収容室23の入口部23Cと出口部23Dとが連通状態となる。これにより、オイルポンプ14の下流側における過剰なオイルがリリーフ通路16を通じてオイルポンプ14の上流側に逃がされるようになることで、オイルの圧力段が高圧段とされる。
図3は、オイルの圧力段を低圧段とする低圧段領域と高圧段とする高圧段領域とを機関回転速度NEと機関負荷KLとにより規定したマップである。尚、本実施形態では、機関負荷KLとして、そのときの吸入空気量GAと、そのときの機関回転速度NEにおいて得られる吸入空気量の最大値である最大吸入空気量GAmaxとの比「GA/GAmax」を用いている。
同図に示すように、低圧段領域は、機関回転速度NEが低い、或いは機関負荷KLが低い領域として規定されている。また、高圧段領域は、機関回転速度NEが高い、或いは機関負荷KLが高い領域として規定されている。
図4は、所定の機関負荷KLにおける機関回転速度NEと、リリーフ弁21により調圧された後のオイル圧力Psとの関係を示すグラフである。
図4に示すように、切替弁29が開弁されている状態において、機関回転速度NEが上昇してN0となり、オイル圧力PsがP0となると、弁体25に対してその開弁方向に作用するオイルの圧力が上昇して第1の所定圧Prrf1となることでリリーフ弁21が開弁して、オイルポンプ14から吐出されたオイルの一部がオイルポンプ14の上流側に逃がされるようになる。これにより、機関回転速度NEがN0以上の領域では、機関回転速度NEがN0未満の期間に比べて機関回転速度NEの上昇に対するオイル圧力Psの上昇率が低くなり、機関の各部に供給されるオイルの圧力段が低圧段とされる。
図4に示すように、切替弁29が開弁されている状態において、機関回転速度NEが上昇してN0となり、オイル圧力PsがP0となると、弁体25に対してその開弁方向に作用するオイルの圧力が上昇して第1の所定圧Prrf1となることでリリーフ弁21が開弁して、オイルポンプ14から吐出されたオイルの一部がオイルポンプ14の上流側に逃がされるようになる。これにより、機関回転速度NEがN0以上の領域では、機関回転速度NEがN0未満の期間に比べて機関回転速度NEの上昇に対するオイル圧力Psの上昇率が低くなり、機関の各部に供給されるオイルの圧力段が低圧段とされる。
また、機関回転速度NEが更に上昇してNE1となり、オイル圧力PsがP1となるタイミングで、切替弁29を閉弁状態とすると、リリーフ弁21の開弁圧Prrfが第2の所定圧Prrf2に変更される。これにより、オイル圧力PsがP1よりも大きいP2となるまでは、オイルポンプ14から吐出されたオイルの一部がオイルポンプ14の上流側に逃がされなくなるため、オイル圧力Psは急激に上昇する。そして、オイル圧力PsがP2となるとリリーフ弁21が開弁することで、それまでに比べて機関回転速度NEの上昇に対するオイル圧力Psの上昇率が低くなり、機関の各部に供給されるオイルの圧力段が高圧段とされる。
こうした油圧制御装置によれば、例えば機関の各部に対して供給するオイルの圧力Psを高くする必要のない機関回転速度NEが低い、或いは機関負荷KLが低い機関運転状態のときにはオイルの圧力段を低圧段に変更することで、オイルポンプ14の駆動にともない内燃機関の機械的な負荷が増大することを抑制することができ、燃費の向上を図ることができる。
ところで、前述したように、このような油圧制御装置にあっては、オイルに含まれる異物が切替弁29の可動部に混入するなどして同弁29が固着するおそれがある。この場合には、導入通路28を通じての可変部材24への油圧の印加態様を変更することができず
、リリーフ弁21の開弁圧を切り替えることができなくなる。このため、例えばオイルの圧力段を高圧段に切り替えることができない場合には、高い圧力のオイルを必要とする機関運転状態のときに機関を安定して運転することができないおそれがある。また、オイルの圧力段を低圧段にすることができない場合には、オイルの圧力が不要に高くなることに起因して燃費が悪化するおそれがある。
、リリーフ弁21の開弁圧を切り替えることができなくなる。このため、例えばオイルの圧力段を高圧段に切り替えることができない場合には、高い圧力のオイルを必要とする機関運転状態のときに機関を安定して運転することができないおそれがある。また、オイルの圧力段を低圧段にすることができない場合には、オイルの圧力が不要に高くなることに起因して燃費が悪化するおそれがある。
そこで、以下のようにして、切替弁29の異常の有無を的確に診断するようにしている。すなわち、導入通路28に油圧Pdを検出する油圧センサ44を設け、電子制御装置30を通じて、切替弁29に対して開度指令信号が出力されたときに油圧センサ44により検出される油圧Pdに基づいて切替弁29の異常の有無を診断するようにしている。このようにして切替弁29の異常診断を実行する理由は以下の通りである。切替弁29が正常である場合に、切替弁29の開度を全開とすべく同弁29に対する開度指令信号を出力すると、全開とされる切替弁29を通じて導入通路28に油圧が導入される。このとき、導入通路28の油圧Pdは上昇して切替弁29が全開とされている状態に対応した比較的高いものとなる。一方、切替弁29が全閉状態で固着するといった異常が生じている場合には、切替弁29の開度を全開とすべく同弁に対する開度指令信号を出力しても、切替弁29が全閉状態であることから導入通路28に油圧が導入されない。このとき、導入通路28の油圧Pdは変化せず比較的低いものとなる。
本実施形態では、これらの関係を利用することにより、電子制御装置30を通じて、切替弁29を全開とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に油圧センサ44により検出される油圧Pdが、所定値(以下、「第1の所定値」)Pdth1を下回ること(Pd≦Pdth1)を条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断するようにしている。ここで、第1の所定値Pdth1は、切替弁29が全開とされている場合に想定される値(以下、「全開想定油圧」)Pdopnと、切替弁29が全閉とされている場合に想定される値(以下、「全閉想定油圧」)Pdclsとの間の値であって、これら想定油圧Pdopn,Pdclsの中間の値(=(Pdopn+Pdcls)/2)よりも大きい値として設定されている。
また、切替弁29を全閉とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に油圧センサ44により検出される油圧Pdが、所定値(以下、「第2の所定値」)Pdth2を上回ること(Pd≧Pdth2)を条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断するようにしている。ここで、第2の所定値Pdth2は、全開想定油圧Pdopnと全閉想定油圧Pdclsとの間の値であって、これら想定油圧Pdopn,Pdclsの中間の値(=(Pdopn+Pdcls)/2)よりも小さい値として設定されている。これにより、切替弁29の開度を全開開度とすることができず全開開度よりも閉じ側の開度となる異常、及び切替弁29の開度を全閉開度とすることができず全閉開度よりも開き側の開度となる異常の少なくとも一方が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
図5は、所定の機関負荷KLにおける機関回転速度NEと、導入通路28における油圧Pdとの関係を示したグラフである。
図5に示すように、機関回転速度NEが高くなるとこれにともないオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が高くなる。このため、切替弁29が全開状態とされていると、機関回転速度NEが高いときほど導入通路28における油圧Pd(全開想定油圧Pdopn)は高いものとなることから、第1の所定値Pdth1については、同図に一点鎖線にて示すように、機関回転速度NEが高くなるほど大きくなるように設定されている。
図5に示すように、機関回転速度NEが高くなるとこれにともないオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が高くなる。このため、切替弁29が全開状態とされていると、機関回転速度NEが高いときほど導入通路28における油圧Pd(全開想定油圧Pdopn)は高いものとなることから、第1の所定値Pdth1については、同図に一点鎖線にて示すように、機関回転速度NEが高くなるほど大きくなるように設定されている。
一方、切替弁29が全閉状態とされていると、機関回転速度NEにかかわらず導入通路28における油圧Pd(全閉想定油圧Pdcls)は一定となることから、第2の所定値
Pdth2については、同図に二点鎖線にて示すように、機関回転速度NEにかかわらず一定に設定されている。
Pdth2については、同図に二点鎖線にて示すように、機関回転速度NEにかかわらず一定に設定されている。
次に、図6のフローチャートを参照して、切替弁29の異常診断の処理手順について詳細に説明する。尚、このフローチャートに示される一連の処理は、機関運転中に電子制御装置30により実行される。
この処理では、まず、ステップS101の処理として、切替弁29のソレノイドに対する通電を実行する(ステップS101)。ここでは、ソレノイドに対して既に通電が実行されている場合にはこれが継続されるとともに、ソレノイドに対して通電が停止されている場合には通電が開始される。そして、次に、油圧センサ44により検出される油圧Pdが第1の所定値Pdth1以上であるか否かを判断する(ステップS102)。ここで、検出油圧Pdが第1の所定値Pdth1以上でない場合には(ステップS102:「NO」)、切替弁29の開度がソレノイドに対する通電の実行に対応したものとなっていないとして、次に、切替弁29に異常が生じている旨診断して(ステップS103)、この一連の処理を終了する。
一方、ステップS102において、検出油圧Pdが第1の所定値Pdth1以上である場合には(ステップS102:「YES」)、切替弁29の開度がソレノイドに対する通電の実行に対応したものとなっているとして、次に、切替弁29のソレノイドに対する通電を停止する(ステップS104)。そして、次に、油圧センサ44により検出される油圧Pdが第2の所定値Pdth2以下であるか否かを判断する(ステップS105)。ここで、検出油圧Pdが第2の所定値Pdth1以下でない場合には(ステップS105:「NO」)、切替弁29の開度がソレノイドに対する通電の停止に対応したものとなっていないとして、次に、切替弁29に異常が生じている旨診断して、この一連の処理を終了する。
一方、ステップS105において、検出油圧Pdが第2の所定値Pdth1以下である場合には(ステップS105:「YES」)、切替弁29の開度がソレノイドに対する通電の停止に対応したものとなっているとして、次に、切替弁29が正常である旨診断して(ステップS106)、この一連の処理を終了する。
以上説明した本実施形態に係る油圧制御装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)導入通路28に設けられて油圧Pdを検出する油圧センサ44を備え、電子制御装置30を通じて、切替弁29に対して開度指令信号が出力されたときに油圧センサ44により検出される油圧Pdに基づいて切替弁29の異常の有無を診断することとした。これにより、切替弁29の異常の有無を的確に診断することができるようになる。
(1)導入通路28に設けられて油圧Pdを検出する油圧センサ44を備え、電子制御装置30を通じて、切替弁29に対して開度指令信号が出力されたときに油圧センサ44により検出される油圧Pdに基づいて切替弁29の異常の有無を診断することとした。これにより、切替弁29の異常の有無を的確に診断することができるようになる。
(2)電子制御装置30を通じて、切替弁29を全開開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に油圧センサ44により検出される油圧Pdが、切替弁29が全開開度とされている場合に想定される値Pdopnと、切替弁29が全閉開度とされている場合に想定される値Pdclsとの間の値として設定される第1の所定値Pdth1を下回ること(Pd≦Pdth1)を条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断することとした。これにより、切替弁29の開度を全開開度とすることができず全開開度よりも閉じ側の開度となる異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(3)電子制御装置30を通じて、切替弁29を全閉開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に油圧センサ44により検出される油圧Pdが、切替弁29が全閉
開度とされている場合に想定される値Pdclsと、切替弁29が全開開度とされている場合に想定される値Pdopnとの間の値として設定される第2の所定値Pdth2を上回ること(Pd≧Pdth2)を条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断することとした。これにより、切替弁29の開度を全閉開度とすることができず全閉開度よりも開き側の開度となる異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
開度とされている場合に想定される値Pdclsと、切替弁29が全開開度とされている場合に想定される値Pdopnとの間の値として設定される第2の所定値Pdth2を上回ること(Pd≧Pdth2)を条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断することとした。これにより、切替弁29の開度を全閉開度とすることができず全閉開度よりも開き側の開度となる異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(4)機関回転速度NEを検出する機関回転速度センサ41を備え、電子制御装置30を通じて、機関回転速度NEに応じて第1の所定値Pdth1を可変設定することとした。これにより、機関駆動式のオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力を、導入通路28を通じて可変部材24に対して印加する構成にあって、所定値Pdth1を的確に設定することができるようになる。
<第2実施形態>
以下、図7を参照して、本発明に係る油圧制御装置の第2実施形態について説明する。
<第2実施形態>
以下、図7を参照して、本発明に係る油圧制御装置の第2実施形態について説明する。
先の第1実施形態では、切替弁29を全開開度或いは全閉開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後における検出油圧Pdと、全開想定油圧Pdopnと全閉想定油圧Pdclsとの間の値として設定される所定値Pdth1,Pdth2との大小比較に基づいて切替弁29の異常の有無を診断した。これに対して、本実施形態では、切替弁29を全開開度或いは全閉開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後における検出油圧Pdと全開想定油圧Pdopn或いは全閉想定油圧Pdclsとの偏差の絶対値と、所定値ΔPth1,ΔPth2との大小比較に基づいて切替弁29の異常の有無を診断する点が相違している。
次に、図7のフローチャートを参照して、切替弁29の異常診断の処理手順について詳細に説明する。尚、このフローチャートに示される一連の処理は、機関運転中に電子制御装置30により実行される。
この処理では、まず、ステップS201の処理として、切替弁29のソレノイドに対する通電を実行する(ステップS201)。そして、次に、油圧センサ44により検出される油圧Pdと全開想定油圧Pdopnとの偏差の絶対値(=|Pd−Pdopn|)が第1の所定値ΔPth1以下であるか否かを判断する(ステップS202)。ここで、該偏差の絶対値が第1の所定値ΔPth1以下でない場合には(ステップS202:「NO」)、切替弁29の開度がソレノイドに対する通電の実行に対応したものとなっていないとして、次に、切替弁29に異常が生じている旨診断して(ステップS203)、この一連の処理を終了する。
一方、ステップS202において、上記偏差の絶対値が第1の所定値ΔPth1以下である場合には(ステップS202:「YES」)、切替弁29の開度がソレノイドに対する通電の実行に対応したものとなっているとして、次に、切替弁29のソレノイドに対する通電を停止する(ステップS204)。そして、次に、油圧センサ44により検出される油圧Pdと全閉想定油圧Pdclsとの偏差の絶対値(=|Pd−Pdcls|)が第2の所定値ΔPth2以下であるか否かを判断する(ステップS205)。ここで前述したように、全閉想定油圧Pdclsは機関回転速度NEにより変化しない、すなわち第2の所定値ΔPth2についてはこれを比較的小さな値として設定しても、それにより誤判定がなされる可能性が低いことから、本実施形態では、第2の所定値ΔPth2を、第1の所定値ΔPth1よりも小さな値として設定している。
上記ステップS205において、該偏差の絶対値が第2の所定値Pth2以下でない場合には(ステップS205:「NO」)、切替弁29の開度がソレノイドに対する通電の
停止に対応したものとなっていないとして、次に、切替弁29に異常が生じている旨診断して、この一連の処理を終了する。
停止に対応したものとなっていないとして、次に、切替弁29に異常が生じている旨診断して、この一連の処理を終了する。
一方、ステップS205において、上記偏差の絶対値が第2の所定値Pdth2以下である場合には(ステップS205:「YES」)、切替弁29の開度がソレノイドに対する通電の停止に対応したものとなっているとして、次に、切替弁29が正常である旨診断して(ステップS206)、この一連の処理を終了する。
以上説明した本実施形態に係る油圧制御装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)電子制御装置30を通じて、切替弁29を全開開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に油圧センサ44により検出される油圧Pdと切替弁29が全開開度とされている場合に想定される値Pdopnとの偏差の絶対値(=|Pd−Pdopn|)が第1の所定値ΔPth1を上回ることを条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断することした。これにより、切替弁29の開度を全開開度とすることができない異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(1)電子制御装置30を通じて、切替弁29を全開開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に油圧センサ44により検出される油圧Pdと切替弁29が全開開度とされている場合に想定される値Pdopnとの偏差の絶対値(=|Pd−Pdopn|)が第1の所定値ΔPth1を上回ることを条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断することした。これにより、切替弁29の開度を全開開度とすることができない異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(2)電子制御装置30を通じて、切替弁29を全閉開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に油圧センサ44により検出される油圧Pdと切替弁29が全閉開度とされている場合に想定される値Pdclsとの偏差の絶対値(=|Pd−Pdcls|)が第2の所定値ΔPth2を上回ることを条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断することした。これにより、切替弁29の開度を全閉開度とすることができない異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(3)機関回転速度NEを検出する機関回転速度センサ41を備え、電子制御装置30を通じて、機関回転速度NEに応じて、切替弁29が全開開度とされる場合における油圧Pdopnを想定することとした。これにより、機関駆動式のオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力を、導入通路28を通じて可変部材24に対して印加する構成にあって、全開想定油圧Pdopnを的確に設定することができるようになる。
<第3実施形態>
以下、図8を参照して、本発明に係る油圧制御装置の第3実施形態について説明する。
<第3実施形態>
以下、図8を参照して、本発明に係る油圧制御装置の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、切替弁29に対する開度指令信号を変更するとともに、該変更にともなう油圧Pdの変化速度Vp(=|ΔPd/Δt|)と所定値Vthとの大小比較に基づいて切替弁29の異常の有無を診断する点が先の第1実施形態及び第2実施形態とは相違している。
次に、図8のフローチャートを参照して、切替弁29の異常診断の処理手順について詳細に説明する。尚、このフローチャートに示される一連の処理は、機関運転中において切替弁29のソレノイドに対して通電が実行されているときに電子制御装置30により実行される。
この処理では、まず、ステップS301の処理として、油圧センサ44により検出される油圧(以下、「第1油圧」)Pd1を読み込む(ステップS301)。すなわち、切替弁29のソレノイドに対して通電が実行されているときの検出油圧Pd1を読み込む。そして、次に、切替弁29のソレノイドに対する通電を停止し(ステップS302)、該停止から所定期間Δtが経過したか否かを判断する(ステップS303)。ここで、該停止から所定期間Δtが経過した場合には(ステップS303:「NO」)、次に、油圧センサ44により検出される油圧(以下、「第2油圧」)Pd2を読み込む(ステップS304)。そして、次に、第1油圧Pd1から第2油圧Pd2を減じた値を所定期間Δtで除
した値の絶対値(=|(Pd1−Pd2)/Δt|)が所定値Vth以上であるか否かを判断する(ステップS305)。ここで前述したように、機関回転速度NEが高くなるとこれにともないオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が高くなる。このため、全開から全閉へと切替弁29の開度が変更されると、機関回転速度NEが高いときほど導入通路28における油圧Pdの低下速度は大きなものとなることから、所定値Vthは、機関回転速度NEが高いときほど大きな値として設定されている。
した値の絶対値(=|(Pd1−Pd2)/Δt|)が所定値Vth以上であるか否かを判断する(ステップS305)。ここで前述したように、機関回転速度NEが高くなるとこれにともないオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が高くなる。このため、全開から全閉へと切替弁29の開度が変更されると、機関回転速度NEが高いときほど導入通路28における油圧Pdの低下速度は大きなものとなることから、所定値Vthは、機関回転速度NEが高いときほど大きな値として設定されている。
上記ステップS305において、該絶対値が所定値Vth以上である場合には(ステップS305:「YES」)、油圧Pdの変化速度Vp(=|ΔPd/Δt|)が、切替弁29に対する開度指令信号の変更に対応したものとなっているとして、次に、切替弁29が正常である旨診断して(ステップS306)、この一連の処理を終了する。
一方、上記ステップS305において、該絶対値が所定値Vth以上でない場合には(ステップS305:「NO」)、油圧Pdの変化速度Vp(=|ΔPd/Δt|)が、切替弁29に対する開度指令信号の変更に対応したものとなっていないとして、次に、切替弁29に異常が生じている旨診断して、この一連の処理を終了する。
以上説明した本実施形態に係る油圧制御装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)切替弁29に対する開度指令信号を変更するとともに、該変更にともなう油圧センサ44により検出される油圧Pdの変化速度Vp(=|ΔPd/Δt|)が所定値Vthを下回ることを条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断することとした。これにより、切替弁29の開度を変更することができない異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(1)切替弁29に対する開度指令信号を変更するとともに、該変更にともなう油圧センサ44により検出される油圧Pdの変化速度Vp(=|ΔPd/Δt|)が所定値Vthを下回ることを条件に、切替弁29に異常が生じている旨診断することとした。これにより、切替弁29の開度を変更することができない異常が生じている場合には、これを的確に診断することができるようになる。
(2)機関回転速度を検出する機関回転速度センサ41を備え、電子制御装置30を通じて、機関回転速度センサ41により検出される機関回転速度NEに応じて上記所定値Vthを可変設定することとした。これにより、機関駆動式のオイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力を、導入通路28を通じて可変部材24に対して印加する構成にあって、上記所定値Vthを的確に設定することができるようになる。
尚、本発明に係る油圧制御装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、電磁ソレノイドにより駆動される切替弁29について例示したが、本発明に係る切替弁はこれに限られるものではなく、他に例えばモータにより駆動されるものであってもよい。要するに、リリーフ弁21の開弁圧を所定の開弁圧とするために可変部材24に対して印加される油圧Pdの印加態様を切り替えるものであればこれを任意に変更することができる。
・上記実施形態では、電磁ソレノイドにより駆動される切替弁29について例示したが、本発明に係る切替弁はこれに限られるものではなく、他に例えばモータにより駆動されるものであってもよい。要するに、リリーフ弁21の開弁圧を所定の開弁圧とするために可変部材24に対して印加される油圧Pdの印加態様を切り替えるものであればこれを任意に変更することができる。
・本発明に係るリリーフ弁は上記実施形態にて例示したものに限られるものではなく、オイルポンプ14から吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁してオイルの一部を逃がす弁であって開弁圧を可変とする可変部材を有するものであれば、その構成を任意に変更することができる。
・一般に、オイルの温度が高くなるほどオイルの粘度が低くなることから、他の条件が同一であればオイルの温度が高いほど導入通路28における油圧Pdは低いものとなる。従って、上記各実施形態にて例示した切替弁29の異常診断において、各所定値Pdth1,Pdth2,Vthや、想定油圧Pdopn,Pdclsの設定に際してオイルの温度を加味することとすれば、該異常診断を一層的確に行うことができるようになる。
・上記第3実施形態では、機関回転速度NEに応じて上記所定値Vthを可変設定するようにしているが、例えば切替弁29と可変部材24とを接続する油路に導入される油圧がオイルポンプ14とは別の生成源にて生成される構成や、オイルポンプが機関駆動式のものではない構成のように、上記油路における油圧Pdの大きさが機関回転速度NEに依存しないものである場合には、こうした構成を採用しなくともよい。
・上記第3実施形態では、切替弁29に対する開度指令信号の変更の前後における検出油圧Pd1,Pd2の差に基づいて切替弁29の異常の有無を診断するようにしているが、これに代えて、これら検出油圧Pd1,Pd2の比に基づいて切替弁29の異常の有無を診断するようにしてもよい。
・上記第3実施形態では、切替弁29の異常診断に際して、切替弁29に対する開度指令信号を全開に対応するものから全閉に対応するものへと変更するようにしているが、これに代えて、全閉に対応するものから全開に対応するものとへと変更するようにしてもよい。また、切替弁29に対する開度指令信号を全閉と全開との間の所定開度に対応するものから、これとは異なるものであって全閉と全開との間の所定開度に対応するものとへ変更するようにしてもよい。
・上記第1実施形態及び第2実施形態では、機関回転速度NEに応じて想定油圧Pdopn,Pdclsを可変設定するようにしているが、例えば切替弁29と可変部材24とを接続する油路に導入される油圧がオイルポンプ14とは別の生成源にて生成される構成や、オイルポンプが機関駆動式のものではない構成のように、上記油路における油圧Pdの大きさが機関回転速度NEに依存しないものである場合には、こうした構成を採用しなくともよい。
・上記第2実施形態では、切替弁29を全開或いは全閉とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後における検出油圧Pdと全開想定油圧Pdopn或いは全閉想定油圧Pdclsとの偏差の絶対値に基づいて切替弁29の異常の有無を診断するようにしている。しかしながら、本発明に係る診断手段の診断態様はこれに限られるものではなく、該出力後における検出油圧Pdと全開想定油圧Pdopn或いは全閉想定油圧Pdclsとの比に基づいて切替弁29の異常の有無を診断するようにしてもよい。
・上記第1実施形態及び第2実施形態では、切替弁29の異常診断に際して、切替弁29に対する開度指令信号として全開或いは全閉に対応するものを出力しているが、これに代えて、全閉と全開との間の所定開度に対応するものを出力するようにしてもよい。この場合には、上記所定開度とされている場合に想定される油圧を用いるようにすればよい。
・上記第1実施形態では、第1の所定値Pdth1を、全開想定油圧Pdopnと全閉想定油圧Pdclsとの中間の値(=(Pdopn+Pdcls)/2)よりも大きい値として設定するとともに、第2の所定値Pdth2を、全開想定油圧Pdopnと全閉想定油圧Pdclsとの中間の値よりも小さい値として設定しているが、本発明に係る診断手段による診断態様はこれに限られるものではない。他に例えば、これら所定値Pdth1,Pdth2を共に、全開想定油圧Pdopnと全閉想定油圧Pdclsとの中間の値(=(Pdopn+Pdcls)/2)とするようにしてもよい。
結局、本発明に係る油圧制御装置は、切替弁と可変部材とを接続する油路に設けられて油圧を検出する油圧検出手段と、切替弁に対して開度指令信号が出力されたときに油圧検出手段により検出される油圧に基づいて切替弁の異常の有無を診断する診断手段と、を備えるものであればよい。
11…主供給通路、12…オイルパン、13…オイルストレーナ、14…オイルポンプ、15…オイルフィルタ、16…リリーフ通路、21…リリーフ弁、22…ハウジング、22A…底部、22B…端部、22C…入口側貫通孔、22D…出口側貫通孔、22E…導入用貫通孔、23…収容室、23C…入口部、23D…出口部、23E…導入部、24…可変部材、24A…底部、24B…端部、24C…入口側連通孔、24D…出口側連通孔、25…弁体、26…固定部材、26A…拡径部、26B…縮径部、27…ばね、28…導入通路、29…切替弁、30…電子制御装置(診断手段)、41…機関回転速度センサ(回転速度検出手段)、42…吸入空気量センサ、43…冷却水温センサ、44…油圧センサ(油圧検出手段)。
Claims (9)
- オイルポンプから吐出されるオイルの圧力が所定の開弁圧以上となると開弁して前記オイルの一部を逃がす弁であって前記開弁圧を可変とする可変部材を有するリリーフ弁と、前記開弁圧を所定の開弁圧とするために前記可変部材に対して印加される油圧の印加態様を切り替える切替弁とを備え、前記切替弁の開度制御を通じて前記リリーフ弁の開弁圧を切り替えることにより、供給対象へ供給されるオイルの圧力段を制御する油圧制御装置において、
前記切替弁と前記可変部材とを接続する油路に設けられて前記油圧を検出する油圧検出手段と、
前記切替弁に対して開度指令信号が出力されたときに前記油圧検出手段により検出される油圧に基づいて前記切替弁の異常の有無を診断する診断手段と、を備える
ことを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項1に記載の油圧制御装置において、
前記切替弁は同弁の開度が第1の所定開度と同第1の所定開度よりも閉じ側の第2の所定開度とに切り替えられるものであり、
前記診断手段は、前記切替弁を前記第1の所定開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に前記油圧検出手段により検出される油圧が、前記切替弁が前記第1の所定開度とされている場合に想定される値と、前記切替弁が前記第2の所定開度とされている場合に想定される値との間の値として設定される所定値を下回ることを条件に、前記切替弁に異常が生じている旨診断する
ことを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の油圧制御装置において、
前記切替弁は同弁の開度が第1の所定開度と同第1の所定開度よりも閉じ側の第2の所定開度とに切り替えられるものであり、
前記診断手段は、前記切替弁を前記第2の所定開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に前記油圧検出手段により検出される油圧が、前記切替弁が前記第2の所定開度とされている場合に想定される値と、前記切替弁が前記第1の所定開度とされている場合に想定される値との間の値として設定される所定値を上回ることを条件に、前記切替弁に異常が生じている旨診断する
ことを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の油圧制御装置において、
前記第1の所定開度は全開開度であり、前記第2の所定開度は全閉開度である
ことを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の油圧制御装置において、
前記オイルポンプは内燃機関の機関出力軸により駆動されるものであり、
前記油路は、前記オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を前記可変部材に対して印加するものであり、
機関回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
前記診断手段は、前記回転速度検出手段により検出される機関回転速度に応じて前記所定値を可変設定する
ことを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項1に記載の油圧制御装置において、
前記診断手段は、前記切替弁を所定開度とする開度指令信号を出力するとともに、該出力後に前記油圧検出手段により検出される油圧と前記切替弁が前記所定開度とされている
場合に想定される値との乖離度合が所定度合を上回ることを条件に、前記切替弁に異常が生じている旨診断する
ことを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項6に記載の油圧制御装置において、
前記オイルポンプは内燃機関の機関出力軸により駆動されるものであり、
前記油路は、前記オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を前記可変部材に対して印加するものであり、
機関回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
前記診断手段は、前記回転速度検出手段により検出される機関回転速度に応じて、前記切替弁が前記所定開度とされる場合における前記油圧を想定する
ことを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項1に記載の油圧制御装置において、
前記診断手段は、前記切替弁に対する開度指令信号を変更するとともに、該変更にともなう前記油圧検出手段により検出される油圧の変化度合が所定度合を下回ることを条件に、前記切替弁に異常が生じている旨診断する
ことを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項8に記載の油圧制御装置において、
前記オイルポンプは内燃機関の機関出力軸により駆動されるものであり、
前記油路は、前記オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を前記可変部材に対して印加するものであり、
機関回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
前記診断手段は、前記回転速度検出手段により検出される機関回転速度に応じて前記所定度合を可変設定する
ことを特徴とする油圧制御装置。
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