JP3815575B2 - 内燃機関によって駆動される車両の制御装置 - Google Patents

内燃機関によって駆動される車両の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関によって駆動される車両の制御装置に関し、特に機関のスロットル弁開度及び/又は車両のオートマチックトランスミッションを制御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の潤滑油の圧力を検出し、メータに表示するとともに、圧力が所定値より低下したときは運転者に警告することは従来より行われている。そして、潤滑油圧が低下したときは、運転者は機関の出力を低減したり、機関を停止し潤滑油の補充を行い、機関の故障を回避するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メータ表示や警告では運転者が見落とすおそれがあり、そのような場合には機関の耐久性を劣化させる可能性があった。
【0004】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、内燃機関の潤滑油圧の低下時に適切な措置をとり、機関の耐久性を向上させることができる車両の制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、内燃機関によって駆動され、オートマチックトランスミッションを有する車両の制御装置において、前記機関の潤滑油の圧力を検出する油圧検出手段と、前記検出した潤滑油の圧力が低下したときに、該潤滑油の圧力に基づいて車速を補正し、該補正した車速に応じて、前記オートマチックトランスミッションのロックアップのオン/オフを、前記機関の回転数が低下する方向に制御する変速制御手段とを有し、前記変速制御手段は、前記ロックアップのオン/オフを前記機関の回転数が低下する方向に制御する際、前記ロックアップがオンされているときには、前記ロックアップのオン状態を継続させるように、前記補正した車速をより高い値にさらに補正するようにしたものである。
【0006】
また、アクセルペダルの操作量に応じて前記機関のスロットル弁を電気的に開閉駆動するスロットル弁制御手段と、前記機関の機関温度パラメータを検出する検出手段と、前記検出した機関温度パラメータが高いほど前記アクセルペダルの操作量に応じたスロットル弁の開度を減少するように補正する補正手段と、を備え、前記スロットル弁制御手段は、前記補正手段の出力に応じて前記スロットル弁を開閉駆動することが望ましい。
【0007】
また、当該車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を設け、前記補正手段は、前記スロットル弁開度補正の実行を所定時間遅延させるとともに、前記走行状態検出手段により当該車両の旋回状態を検出したときは、前記所定時間を前記旋回状態でないときより長く設定することが望ましい。
【0008】
また、当該車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を設け、前記変速制御手段は、前記オートマチックトランスミッションのロックアップのオン/オフを機関回転数が低下する方向に制御する制御の実行を所定時間遅延させるとともに、前記走行状態検出手段により当該車両の旋回状態を検出したときは、前記所定時間を前記旋回状態でないときよりも長く設定することが望ましい。
【0009】
また、前記機関のアイドル回転数を目標回転数に制御するアイドル回転数制御手段と、前記検出した潤滑油の圧力が低下したときに、前記目標回転数を増加方向に補正する目標回転数補正手段と、をさらに設けることが望ましい。
【0010】
また、前記油圧検出手段の出力に応じて運転者に警告する警告手段と、前記機関の回転数を検出する回転数検出手段と、前記警告手段による警告を所定時間遅延させる遅延手段と、検出した機関回転数に応じて前記所定時間を設定する設定手段とをさらに設けることが望ましい。
【0011】
【作用】
請求項1の車両の制御装置によれば、機関の潤滑油の圧力が検出され、該検出した潤滑油の圧力が低下したときに、潤滑油の圧力に基づいて車速が補正され、該補正した車速に応じて、オートマチックトランスミッションのロックアップのオン/オフが、機関の回転数が低下する方向に制御される。また、ロックアップのオン/オフを機関の回転数が低下する方向に制御する際、ロックアップがオンされているときには、ロックアップのオン状態を継続させるように、前記補正した車速がより高い値にさらに補正される
【0012】
請求項2の車両の制御装置によれば、検出した機関温度パラメータが高いほど、スロットル弁の開度が減少するように補正手段によって補正され、スロットル弁は、補正手段の出力に応じて開閉駆動される
【0013】
請求項の車両の制御装置によれば、前記スロットル弁開度補正の実行が所定時間遅延され、当該車両の旋回状態を検出したときは、前記所定時間が前記旋回状態でないときより長く設定される。
【0014】
請求項の車両の制御装置によれば、前記オートマチックトランスミッションのロックアップのオン/オフを機関回転数が低下する方向に制御する制御の実行が所定時間遅延され、当該車両の旋回状態を検出したときは、前記所定時間が前記旋回状態でないときより長く設定される。
【0015】
請求項の車両の制御装置によれば、機関のアイドル回転数が目標回転数に制御され、検出した潤滑油が低下したときに、前記目標回転数が増加方向に補正される。
【0017】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施例に係る車両に搭載された内燃機関(以下「エンジン」という)及びその制御装置の全体の構成図であり、エンジン1は図示しない変速機を介して当該車両の駆動輪を駆動するように構成されている。
【0019】
エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。スロットル弁3は、例えばモータからなる電動アクチュエータ(以下「スロットルアクチュエータ」という)20に機械的に接続され、スロットルアクチュエータ20により駆動可能に構成されている。アクチュエータ20は、電子コントロールユニット(以下「ECU」という)5に電気的に接続されており、ECU5はアクチュエータ20を介してスロットル弁3の開度を制御する。スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力してECU5に供給する。
【0020】
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間且つ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
【0021】
一方、スロットル弁3の直ぐ下流には管7を介して吸気管内絶対圧(PBA)センサ8が設けられており、この絶対圧センサ8により電気信号に変換された絶対圧信号は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気温(TA)センサ9が取付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力してECU5に供給する。
【0022】
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ10はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供給する。
【0023】
エンジン1の図示しないカム軸周囲又はクランク軸周囲には、エンジン回転数(NE)センサ12及び気筒判別(CYL)センサ13が取り付けられている。エンジン回転数センサ12は、エンジン1の各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180゜毎に)TDC信号パルスを出力し、気筒判別センサ13は、特定の気筒の所定クランク角度位置で気筒判別信号パルスを出力するものであり、これらの各信号パルスはECU5に供給される。
【0024】
エンジン1の各気筒には点火プラグ19が設けられ、ディストリビュータ18を介してECU5に接続されている。また、本実施例では、変速機は自動変速機(オートマチックトランスミッション)であり、そのシフト位置(ギヤ比)及びロックアップ機構のオン/オフ(係合/非係合)を変更するための変速アクチュエータ21がECU5に接続されている。
【0025】
三元触媒15はエンジン1の排気管14に配置されており、排気ガス中のHC,CO,NOx等の成分の浄化を行う。排気管14の三元触媒15の上流側には、空燃比センサとしての酸素濃度センサ16(以下「O2センサ16」という)が装着されており、このO2センサ16は排気ガス中の酸素濃度を検出し、その検出値に応じた電気信号を出力しECU5に供給する。
【0026】
ECU5には、さらにエンジン1の潤滑油の圧力POILを検出する油圧センサ11、当該車両のアクセルペダルの踏み込み量ACC(以下「アクセル開度」という)を検出するアクセル開度センサ22、ブレーキペダル(図示せず)が操作されたときオンするブレーキスイッチ23、車速Vを検出する車速センサ24及び当該車両のステアリングの回転方向(転舵方向)を検出する転舵センサ25が接続されており、これらのセンサの検出信号がECU5に供給される。
【0027】
ECU5は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」という)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射弁6、点火プラグ19、スロットルアクチュエータ20及び変速アクチュエータ21に駆動信号を供給する出力回路5d等から構成される。
【0028】
CPU5bは上述の各種エンジンパラメータ信号に基づいて、燃料噴射弁6の開弁時間(燃料噴射時間)TOUT、点火時期、スロットル弁開度指令値θTHCMD、シフト位置、ロックアップ機構のオン/オフを決定し、その演算結果に応じた駆動信号を出力する。以下に述べる各処理はいずれもCPU5bで実行される。
【0029】
図2は、優先度の高い処理が実行されていないバックグラウンドで実行される処理の全体構成を示すフローチャートである。
【0030】
このバックグランド処理では、ステアリングの舵角θSTRを算出する処理(ステップS1)、舵角算出値に基づいて当該車両が旋回しているか否かを判断する処理(ステップS2)、当該車両の加速又は減速状態を判断する処理(ステップS3)及びエンジン1がストールしたときの初期化処理(ステップS4)を行う。以下、図3〜9を参照してこれらの処理を詳細に説明する。
【0031】
図3及び4は、舵角θSTR算出処理のフローチャートであり、図3のステップS11では、バッテリキャンセルがなされたか否か、即ちECU5等に電力を供給するバッテリ(図示せず)が外されたり、バッテリの出力電圧が所定以下に低下し、バックアップRAMの記憶内容が失われたか否かを判別し、バッテリキャンセルがされていなければ直ちに、またバッテリキャンセルがされたときはなまし舵角θSTRI及び舵角θSTRをそれぞれ、中央値θSTRICNT(例えば8000H)及びθSTRCNT(例えば80H)に設定して(ステップS12)、ステップS13に進む。
【0032】
ステップS13では、転舵センサ25の出力に基づいて右回転中か否かを判別し、右回転中でなければ直ちに図4のステップS18に進む。右回転中のときは、舵角の前回値θSTR(n−1)に所定微小値DSTR(例えば01H)を加算して、舵角の今回値θSTR(n)を算出するとともに、右回転中であることを「1」で示す右回転フラグFSTRRを「1」に設定する(ステップS14)。続くステップS15では、左回転中であることを「1」で示す左回転フラグFSTRLが前回「1」であったか否かを判別し、FSTRL=0であったときは直ちにステップS17に進む。
【0033】
ステップS15で前回FSTRL=1であったとき、即ち今回ステアリングの回転方向が反転したときは、下記式(1)、(2)により、なまし舵角θSTRI(n)及び仮右回転角ΔθSTRXRを算出し、さらに式(3)によりなまし舵角θSTRI(n)と仮右回転角ΔθSTRXRとの和として、舵角θSTR(n)を算出する(ステップS16)。
【0034】
Figure 0003815575
ここで、Aは例えば100Hに設定される所定値、KθSTRAVは図5(a)に示すように車速Vが高くなるほど、KθSTRAV値が増加するように設定されるなまし係数である。同図において、所定値KθSTRAV1,KθSTRAV2は、例えばそれぞれ10H、50Hとする。このようにKθSTRAV値を設定するのは、高車速時にステアリングの回転方向が反転したときは、舵角が中央値θSTRCNT近傍である可能性が高いからである。
【0035】
なお、本実施例では右回転中は舵角θSTRは中心値θSTRCNTより大となり、左回転中は逆に小となる。
【0036】
続くステップS17では、左回転フラグFSTRLを「0」に設定するとともにダウンカウントタイマTPULSに所定時間tPULSを設定する。ここで、所定時間tPULSは、図5(b)に示すように車速Vが高くなるほど、tPULS値が減少するように設定される。
【0037】
次に図4のステップS18に進み、転舵センサ25の出力に基づいて左回転中か否かを判別し、左回転中でなければ直ちにステップS23に進む。左回転中のときは、舵角の前回値θSTR(n−1)から所定微小値DSTRを減算して、舵角の今回値θSTR(n)を算出するとともに、左回転フラグFSTRLを「1」に設定する(ステップS19)。続くステップS20では、右回転フラグFSTRRが前回「1」であったか否かを判別し、FSTRR=0であったときは直ちにステップS22に進む。
【0038】
ステップS20で前回FSTRR=1であったとき、即ち今回ステアリングの回転方向が反転したときは、前記式(1)により、なまし舵角θSTRI(n)を算出し、下記式(4)により仮左回転角ΔθSTRXLを算出し、さらに下記式(5)によりなまし舵角θSTRI(n)と仮左回転角ΔθSTRLRとの和として、舵角θSTR(n)を算出する(ステップS21)。
【0039】
ΔθSTRXR=θSTRCNT−θSTR(n) …(4)
θSTR(n)=θSTRI(n)+ΔθSTRXL …(5)
続くステップS22では、右回転フラグFSTRRを「0」に設定するとともにダウンカウントタイマTPULSに前記所定時間tPULSを設定する。
【0040】
ステップS23では、車速Vが0か否かを判別し、V>0であるときは直ちに、またV=0であるときはタイマTPULSに最大時間FFHを設定して、スタートさせ(ステップS24)、ステップS25に進む。ステップS25では、タイマTPULSの値が0であるか否かを判別し、TPULS>0であるときは直ちに本処理を終了する。そして、TPULS=0となると、下記式(6)により舵角θSTR(n)のなまし演算を行って(ステップS26)、本処理を終了する。
【0041】
Figure 0003815575
ここで、KθSTRは、1からAの間の値に設定されるなまし係数である。
【0042】
ステップS25、S26により当該車両の走行中にステアリングの回転方向が長時間反転しないときは、直進走行である可能性が高く、θSTR値は中央値θSTRCNTに近づくようになまし係数が演算が実行される。
【0043】
図6は当該車両が旋回中か否かを判断する処理のフローチャートであり、先ずステップS31では、車速Vに応じて図7に示すテーブルを検索し、右方向基準値θSTRR及び左方向基準値θSTRLを決定する。ついで、図3、4の処理で算出した舵角θSTRが右方向基準値θSTRRより大きいか否かを判別し(ステップS32)、θSTR≦θSTRRであるときはさらに左方向基準値θSTRLより小さいか否かを判別する(ステップS33)。その結果、θSTR>θSTRR又はθSTR<θSTRLであるときは、旋回中であると判断して旋回中であることを「1」で示す旋回フラグFSIDEGを「1」に設定し(ステップS35)、θSTRL≦θSTR≦θSTRRであるときは、旋回中でないと判断して旋回フラグFSIDEG=0として(ステップS34)、本処理を終了する。
【0044】
図8は、当該車両の加減速判断を行う処理のフローチャートであり、先ずステップS41では、0.5秒毎か否かを判別し、前回ステップS42以下を実行した時から0.5秒経過していないときは、直ちに本処理を終了する。
【0045】
0.5秒経過したときは、下記式(7)により、変化量(加速度)ΔV05を算出する(ステップS42)。
【0046】
ΔV05=V−V05+ΔVCNT …(7)
ここで、V05は0.5秒前の車速であり、ΔVCNTは変化量の中央値である。中央値ΔVCNTを加算することにより、本実施例では加速時はΔV05>ΔVCNTとなり、減速時はΔV05<ΔVCNTとなる。
【0047】
次に、現在の車速Vを0.5秒前の車速V05として記憶し(ステップS42)、変化量ΔV05が所定上限値ΔVACDCHより大きいか否かを判別する(ステップS43)。そしてΔV05≦ΔVACDCHであるときは、さらにΔV05値が所定下限値ΔVACDCLより大きいか否かを判別し、ΔV05>ΔVACDCHであるときは加速状態、またΔV05≦ΔVACDCLであるときは、減速状態と判定し、加減速状態であることを「1」で示す加減速フラグFVACDCを「1」に設定して(ステップS46)、ステップS47に進む。一方、ΔVACDCL<ΔV05≦ΔVACDCHであるときは、加減速フラグFVACDCを「0」に設定して(ステップS45)、ステップS47に進む。
【0048】
ステップS47では、車速Vが0か否かを判別し、V>0であるときは、ブレーキスイッチがオンされているか否かを判別する(ステップS49)。そして、V=0であるとき又はブレーキスイッチがオンのときは、直ちに本処理を終了し、V>0且つブレーキスイッチオフのときは、下記式(8)、(9)により、平均車速VAVE及び平均加速度ΔVAVを算出して(ステップS49)、本処理を終了する。
【0049】
Figure 0003815575
ここで、KVAV及びKΔVAVは、いずれも1からAの間の値に設定されるなまし係数である。
【0050】
図9はエンジンストール検出時の初期化処理のフローチャートであり、エンジンストールを検出していないときは、直ちに本処理を終了し、検出したときは、潤滑油圧の平均値POILAV(n)を現在の潤滑油圧POILに設定するとともに、後述する処理で使用する油圧補正係数KOILPR(n)を所定値KOILPRM(例えば0.7)に設定して(ステップS52)、本処理を終了する。
【0051】
図10はTDC信号パルスの発生毎にこれと同期して実行されるTDC処理の全体構成を示すフローチャートであり、当該車両が登坂又は降坂しているか否かを判断する処理(ステップS61)、潤滑油圧の平均値POILAVの算出処理(ステップS62)及び潤滑油圧POILの低下を判断する処理(ステップS63)を行う。以下、図11〜15を参照して、これらの処理を詳細に説明する。
【0052】
図11は図10のステップS61の登降坂判断処理のフローチャートであり、先ずステップS71では、次式(10)により燃料噴射量(燃料噴射時間)TOUTの平均値TIAV(n)を算出する。
【0053】
Figure 0003815575
ここで、KTIAVは1からAの間の値に設定されるなまし係数である。
【0054】
続くステップS72では、図8のステップS49で算出した平均車速VAVE応じて、図12(a)に示すΔVテーブルを検索し、平坦路における最大加速度ΔVH及び最小加速度(最大減速度)ΔVLを算出する。最大加速度ΔVHは、平坦路におけるスロットル弁全開時の加速度に相当し、最小加速度ΔVLは、平坦路におけるスロットル弁全閉時の加速度に相当する。ΔVテーブルは、平均車速VAVEが高くなるほど、加速度が小さくなる一方、減速度は大きくなることを考慮して設定されている。
【0055】
次いで、図12(b)に示すように、上記最大加速度ΔVHと最小加速度ΔVLとの間で燃料噴射量の平均値TIAV応じた補間演算を行うことにより、平坦路における加速度の基準値ΔVBASEを算出する(ステップS73)。そして、この基準値ΔVBASE及び図8のステップS49で算出した平均加速度ΔVAVを次式(11)に適用して、路面勾配推定値θSLOPEを算出する(ステップS74)。
【0056】
θSLOPE=ΔVAV(n)×ΔVCNT/ΔVBASE …(11)
続くステップS75では、路面勾配推定値θSLOPEが所定下限値θSLPLより小さいか否かを判別し、θSLOPE≧θSLPLであるときは、さらに上限値θSLPHより大きいか否かを判別する(ステップS76)。その結果、θSLOPE<θSLPLであるときは、登坂中と判断し、θSLOPE>θSLPHであるときは、降坂中と判断して、登降坂中であることを「1」で示す登降坂判断フラグFSLOPEを「1」に設定して(ステップS78)、本処理を終了する。
【0057】
また、θSLPL≦θSLOPE≦θSLPHであるときは、登降坂中でないと判断してフラグFSLOPEを「0」に設定して(ステップS77)、本処理を終了する。
【0058】
図13は、潤滑油圧POILの平均値(以下「平均油圧」という)POILAVを算出する処理のフローチャートであり、先ずステップS81では、エンジン回転数NEが所定回転数NECR(例えば450rpm)より高いか否かを判別し、NE≦NECRであるときは、ステップS84の演算で使用するなまし係数KOILAVを第1の所定値KOILAV1(例えば80H)に設定する一方(ステップS82)、NE>NECRであるときは、なまし係数KOILAVを第2の所定値KOILAV2(例えば20H)に設定して(ステップS83)、ステップS84に進む。
【0059】
ステップS84では、次式(12)により平均油圧POILAVを算出し、油圧の脈動を平均化して本処理を終了する。
【0060】
Figure 0003815575
図14は、油圧POILの低下を判断する処理のフローチャートであり、先ずステップS91では、エンジン回転数NEに応じて図15(a)に示すPOILLテーブルを検索し、下限油圧POILLを算出する。POILLテーブルは、エンジン回転数NEが上昇するほどPOILL値が増加する傾向に設定されており、図15(a)において、NE1は例えば1000rpm、NE2は例えば6000rpm、POILL1は例えば0.5kg/cm2、POILL2は例えば3.5kg/cm2とする。
【0061】
続くステップS92では、平均油圧POILAVが下限油圧POILLより高いか否かを判別し、POILAV>POILLであるときは、エンジン回転数NEに応じて図15(b)に示すtOILNGテーブルを検索し、第1の所定時間tOILNGH及び第2の所定時間tOILNGLを算出する。tOILNGテーブルは、エンジン回転数NEが上昇するほどtOILNGH値及びtOILNGL値が減少する傾向に設定されており、またtOILNGH>tOILNGLなる関係を有する。なお、図15(b)のtOILNGH1及びtOILNGH2は、例えばそれぞれ2秒、4秒とする。
【0062】
続くステップS94では、ステップS93で算出した第1及び第2の所定時間tOILNGH,tOILNGLを、第1及び第2のダウンカウントタイマTOILNGH,TOILNGLにセットして、これらのタイマをスタートさせる。
【0063】
そしてステップS102に進み、潤滑油圧POILが警告レベルまで低下したことを「1」で示す油圧低下フラグFOILPRを「0」に設定し、警告灯を消灯状態とする。ついで、油圧補正係数の前回値KOILPR(n−1)に所定値DKOILPR(例えば0.02)を加算することにより、油圧補正係数の今回値KOILPR(n)(=KOILPR(n−1)+DKOILPR)を算出し(ステップS103)、このようにして算出したKOILPR(n)値の上限リミットチェックを行って(ステップS104)、本処理を終了する。
【0064】
ステップS104では、具体的にはKOILPR値が上限値KOILPRH(例えば1.0)より大きいときには、KOILPR=KOILPRHとする。
【0065】
前記ステップS92で、POILAV≦POILLであるときはステップS95に進み、前記旋回フラグFSIDEGが「1」か否かを判別し、FSIDEG=0であるときは、前記加減速フラグFVACDCが「1」であるか否かを判別し(ステップS96)、FVACDC=0であるときは、前記登降坂フラグFSLOPEが「1」か否かを判別する(ステップS97)。
【0066】
その結果、ステップS95、S96、S97のいずれかの答が肯定(YES)のとき、即ち当該車両が旋回中又は加減速運転中又は登降坂走行中であるときは、第3のダウンカウントタイマTOILNGDYに第3の所定時間tOILNGDY(例えば3秒)を設定してスタートさせ(ステップS98)、前記第1のタイマTOILNGHの値が0か否かを判別する(ステップS101)。
【0067】
平均油圧POILAVが低下してステップS92の答が肯定(YES)から否定(NO)に変わった当初は、TOILNGH>0であるので、前記ステップS102に進み、第1の所定時間tOILNGHが経過してTOILNGH=0となると、油圧低下フラグFOILPRを「1」に設定するとともに警告灯を点灯する(ステップS105)。次いで、油圧補正係数の前回値KOILPR(n−1)から所定値DKOILPRを減算して油圧補正係数の今回値KOIOPR(n)(=KOILPR(n−1)−DKOILPR)を算出し(ステップS106)、KOILPR(n)値の下限リミットチェックを行って(ステップS107)、本処理を終了する。
【0068】
ステップS107では、具体的にはKOILPR値が下限値KOILPRL(例えば0.5)より小さいときには、KOILPR=KOILPRLとする。
【0069】
前記ステップS95、S96及びS97の答がすべて否定(NO)のときは、第3のタイマTOILNGDYの値が0か否かを判別し(ステップS99)、TOILNGDY>0であるとき、即ち当該車両の旋回又は加減速運転又は登降坂走行から復帰後第3の所定時間tOILNGDY経過前は、前記ステップS101に進み、経過後は第2のタイマTOILNGLの値が0か否かを判別する(ステップS100)。そして、TOILNGL>0であって、平均油圧POILAVが低下して下限油圧POILL以下となってから、第2の所定時間tOILNGL経過前は前記ステップS102に進み、TOILNGL=0となると、前記ステップS105に進む。
【0070】
以上のように図14の処理によれば、平均油圧POILAVが下限油圧POILL以下となり、その状態が所定時間tOILNGH又はtOILNGL以上継続すると、警告灯の点灯及び油圧補正係数KOILPRの減少方向への修正(ステップS105、S106)が行われ、しかも当該車両の旋回中や加減速運転中は、第2の所定時間tOILNGLより長い第1の所定時間tOILNGH継続したとき、ステップS105、S106を実行するようにしたので、旋回や加減速による潤滑油面の変動の影響を排除して、正確な油圧低下判断を行うとともに、後述する油圧低下に対する適切な措置をとることができる。
【0071】
図16は、スロットル弁の制御を行う処理のフローチャートであり、先ずステップS111では、アクセル開度ACCが所定微小開度より小さい低開度か否かを判別し、低開度でないときは、後述する図17の通常制御を実行して、スロットル弁開度指令値θTHCMDを算出する一方(ステップS112)、低開度のときは、後述する図19の低開度時の制御を実行して、スロットル弁開度指令値θTHCMDを算出する(ステップS113)。そして、ステップS112又はS113で算出したスロットル弁開度指令値θTHCMDに応じてスロットル弁を駆動する(ステップS114)。
【0072】
図17は、アクセル開度ACCが低開度でないときの通常制御のフローチャートである。
【0073】
先ずステップS121では、アクセル開度ACC及びエンジン回転数NEに応じてスロットル弁開度指令値θTHCMDの基本値θTHBASEを算出する。具体的には、先ずアクセル開度ACCに応じて図18に示すθTHBASEテーブルを検索して、上限値θTHBASEH及び下限値θTHBASELを算出し、次いでエンジン回転数NEに応じてNE値が高いほどθTHBASE値が大きくなるように補間演算を行うことにより、基本値θTHBASEを算出する。ただし、エンジン回転数NEが例えば6000rpm以上では、θTHBASE=θTHBASEHとし、例えば1000rpm以下ではθTHBASE=θTHBASELとする。
【0074】
続くステップS122では、図14の処理で算出される油圧補正係数KOILPR(n)を次式(13)に適用して、目標スロットル弁開度θTHOBJを算出し、次いで目標スロットル弁開度θTHOBJと検出したスロットル弁開度θTHとの偏差ΔθTHOBJ(=θTHOBJ−θTH)を算出する(ステップS123)。
【0075】
θTHOBJ=θTHBASE×KOILPR(n) …(13)
続くステップS124では、偏差ΔθTHOBJが所定偏差DTH0(例えば10度)より大きいか否かを判別し、ΔθTHOBJ≦DTH0であるときは、ステップS127の演算で使用する比例ゲインKθTHP、積分ゲインKθTHI、微分ゲインKθTHDを、それぞれ第1の所定値KθTHP1、KθTHI1及びKθTHD1に設定して(ステップS125)、ステップS127に進む。
【0076】
一方、ステップS124でΔθTHOBJ>DTH0であるときは、各ゲインKθTHP,KθTHI,KθTHDを、それぞれ第2の所定値KθTHP2,KθTHI2,KθTHD2に設定して(ステップS126)、ステップS127に進む。ここで、各所定値は、KθTHP1<KθTHP2,KθTHI1<KθTHI2,KθTHD1<KθTHD2なる関係を有する。
【0077】
ステップS127では、スロットル弁開度θTHが目標スロットル弁開度θTHOBJとなるようにスロットル弁開度指令値θTHCMDを決定する処理を行う。即ち、先ず検出したスロットル弁開度θTHの変化量ΔθTHD(=θTH(n−1)−θTH(n))を算出し、この算出値及び前記偏差ΔθTHOBJを下記式(14)〜(17)に適用して、比例項FBP(n)、積分項FBI(n)及び微分項FBD(n)を算出し、これらの和としてフィードバック補正項θTHFB算出する。
【0078】
FBP(n)=ΔθTHOBJ×KθTHP …(14)
FBI(n)=ΔθTHOBJ×KθTHI+FBI(n−1)…(15)
FBD(n)=ΔθTHD×KθTHD …(16)
θTHFB=FBP(n)+FBI(n)+FBD(n) …(17)
そして、次式(18)により目標スロットル弁開度θTHOBJを補正してスロットル弁開度指令値θTHCMDを算出して、本処理を終了する。
【0079】
θTHCMD=θTHOBJ+θTHFB …(18)
図17の処理によれば、ステップS122で油圧補正係数KOILPRにより基本値θTHBASEを補正するようにしたので、油圧低下と判断されたときは(図14、ステップS105、S106)、スロットル弁開度指令値θTHCMDが減少方向に補正されてエンジン出力が抑制され、エンジンの耐久性を向上させることができる。
【0080】
図19は、アクセル開度が低開度時のスロットル弁開度指令値θTHCMD算出処理のフローチャートであり、先ずステップS131では、エンジン水温TWに応じて図20(a)に示すθTHBASEテーブルを検索し、スロットル弁開度指令値の基本値θTHBASEを算出する。θTHBASEテーブルは、エンジン水温TWが上昇するほどθTHBASE値が減少するように設定されており、図20(a)のθTHBASE1,θTHBASE2は、例えばそれぞれ2.5度、8度とする。
【0081】
次にステップS132でエンジン水温TWに応じて図20(b)に示すNEOBJテーブルを検索し、目標エンジン回転数NEOBJを算出する。NEOBJテーブルは、エンジン水温TWが上昇するほどNEOBJ値が減少するように設定されている。
【0082】
続くステップS133では、油圧低下フラグFOILPRが「1」か否かを判別し、FOILPR=0であって油圧低下と判断されていないときは直ちに、またFOILPRE=1であって油圧低下と判断されているときは、ステップS132で算出した目標エンジン回転数NEOBJに所定値DNOILPR(例えば200rpm)を加算して、増加方向に補正して(ステップS134)、ステップS135に進む。これにより、油圧低下と判断された場合には無負荷時においてはエンジン回転数NEを上昇させ、油圧の上昇を促進することができる。
【0083】
続くステップS135では、エンジン回転数NEが目標回転数NEOBJとなるようにスロットル弁開度指令値θTHCMDを決定する処理を行う。即ち、先ず目標回転数NEOBJと検出したエンジン回転数NEとの偏差ΔNE(=NEOBJ−NE)及び検出したエンジン回転数NEの変化量ΔDNE(=NE(n−1)−NE(n))を算出し、これらの算出値を下記式(19)〜(22)に適用して、比例項FBPL(n)、積分項FBIL(n)及び微分項FBDL(n)を算出し、これらの和としてフィードバック補正項NFB算出する。
【0084】
FBPL(n)=ΔNE×KNEP …(19)
FBIL(n)=ΔNE×KNEI+FBI(n−1) …(20)
FBDL(n)=ΔDNE×KNED …(21)
NFB=FBPL(n)+FBIL(n)+FBDL(n) …(22)
そして、次式(23)により基本値θTHBASEを補正してスロットル弁開度指令値θTHCMDを算出する。
【0085】
θTHCMD=θTHBASE+NFB …(23)
続くステップS136では、車速Vが低車速か(比較的小さい所定車速より低いか)否かを判別し、低車速のときは直ちに本処理を終了する。低車速でないときは、エンジン回転数NEが所定回転数NDEC(例えば1200rpm)より高いか否かを判別し(ステップS137)、NE≦NDECであるときは、直ちに本処理を終了する。
【0086】
ステップS137でNE>NDECであるときは、エンジン回転数NEに応じて図20(c)に示すθTHLテーブルを検索し、所定下限開度θTHLを算出する(ステップS138)。そして、ステップS135で算出したスロットル弁開度指令値θTHCMDが所定下限開度θTHLより大きいか否かを判別し(ステップS139)、θTHCMD>θTHLであるときは直ちに、またθTHCMD≦θTHLであるときは、θTHCMD=θTHLとして(ステップS140)、本処理を終了する。
【0087】
図21〜23は、オートマチックトランスミッションの制御、即ちシフト位置(ギヤ比)の選択及びロックアップ機構のオン/オフ制御処理のフローチャートである。
【0088】
図21のステップS151では、図14の処理で算出した油圧補正係数KOILPRに応じて図24(a)に示すKATVテーブルを検索し、車速補正係数KATVを算出する。KATVテーブルは、KOILPR値が減少するほど、KATV値が増加する傾向に設定されている。
【0089】
続くステップS152では、下記式(24)により、検出した車速Vに車速補正係数KATVを乗算して第1補正車速VCR1を算出する。
【0090】
VCR1=V×KATV …(24)
これにより、第1補正車速VCR1は、油圧補正係数KOILPRが小さいほど、より高い値となる。
【0091】
そして、検出したスロットル弁開度θTH及び第1補正車速VCR1に応じて、図24(b)に示すシフト位置/ロックアップマップを検索し、オートマチックトランスミッションのシフト位置及びロックアップ機構のオン/オフを決定する(ステップS153)。
【0092】
シフト位置は、θTH値とVCR1値とによって決まるマップ上の座標が、図24(b)の実線Aの左側にあるとき1速とされ、実線A,Bの間にあるとき2速とされ、実線B,Cの間にあるとき3速とされ、実線Cの右側にあるとき4速とされる。また、ロックアップ機構は、破線Dの左側にあるときオフ、右側にあるときオンとされる。
【0093】
なお、シフト位置/ロックアップマップは、スロットル弁開度θTHと補正車速VCR1に代えて、アクセル開度ACCと補正車速VCR1に応じて設定してもよい。
【0094】
以上のようにシフト位置及びロックアップ機構のオン/オフの決定に第1補正車速VCR1を用いることにより、油圧低下と判断されたときは、実車速Vを用いるより高速ギヤが選択され、エンジン回転数NEが低めに設定されるので、エンジンの耐久性を向上させることができる。
【0095】
図21に戻りステップS154では、ステップS153で決定した結果がロックアップオフか否かを判別し、オフでないときは、暫定ロックアップオンと仮決定してして図22のステップS161に進む。ステップS154でロックアップオフのときは、現在の状態がロックアップオンか否かを判別し(ステップS155)、現状ロックアップオフのときは、直ちにステップS159に進んでロックアップオフを確定し、ステップS161(図22)に進む。
【0096】
ステップS155で、現状ロックアップオンのときは、次式(25)により第2補正車速VCR2を算出する(ステップS156)。
【0097】
VCR2=VCR1×KV+DV …(25)
ここで、KVは例えば1.1に設定される所定係数、DVは例えば4km/hに設定される所定車速である。式(24)により、第2補正車速VCR2は、第1補正車速VCR1より高い値に補正される。
【0098】
ついで、検出したスロットル弁開度θTH及び第2補正車速VCR2に応じてステップS153と同様にロックアップのオン/オフの決定を行う。このように、現状ロックアップオンのときは、第2補正車速VCR2を用いてロックアップオン/オフの再決定を行うことにより、実車速Vを用いる場合に比べて更にロックアップオフへ移行し難くなり、エンジン回転数NEが低めに制御されヒステリシスの役目をする。
【0099】
続くステップS158では、ステップS157で決定した結果がロックアップオフか否かを判別し、オフのときはロックアップオフ確定とし(ステップS159)、オンのときは暫定ロックアップオンと仮決定して(ステップS160)、図22のステップS161に進む。
【0100】
ステップS161では、前回のシフト位置(図23、ステップS182参照)と前記ステップS153で決定したシフト位置(今回のシフト位置)とが等しいか否かを判別し、等しいときは前回のシフト位置保持として図23のステップS171に進む。
【0101】
一方今回のシフト位置が前回と異なるときは、シフトダウンの方向か否かを判別し(ステップS162)、シフトアップ方向のときは暫定シフトアップと仮決定し(ステップS168)、ダウンカウントタイマTSHFに所定時間tSHF(例えば1秒)を設定してスタートさせて(ステップS169)、図23のステップS171に進む。
【0102】
ステップS162でシフトダウン方向のときは、前記ステップS156と同様に第2補正車速VCR2を算出し(ステップS163)、検出したスロットル弁開度θTH及び第2補正車速VCR2に応じて前記ステップS153と同様にして、シフト位置を決定する(ステップS164)。このように、ステップS153で決定したシフト位置がシフトダウン方向のときは、第2補正車速VCR2を用いてシフト位置の再決定を行うことにより、実車速Vを用いる場合に比べて更にシフトダウンし難くなり、エンジン回転数NEが低めに制御されヒステリシスの役目をする。
【0103】
続くステップS165では、ステップS164で決定したシフト位置と前回のシフト位置が等しいか否かを判別し、等しいときは前記ステップS167に進む一方、異なるときは暫定シフトダウンと仮決定して(ステップS166)、前記ステップS169に進む。
【0104】
図23のステップS171では、現在のシフト位置出力を認識し、次いでロックアップオフが確定しているか否かを判別する(ステップS172)。その結果、ロックアップオフ確定のときは、ロックアップオフとすべくソレノイドをオフ制御して(ステップS176)、ステップS177に進む。
【0105】
ステップS172でロックアップオフ確定でないとき、即ち暫定ロックアップオンときは、スロットル弁開度θTHが所定開度θTHM(例えば全開の50%に相当する開度)より大きいか否かを判別し(ステップS173)、θTH≦θTHMのときは、ロックアップオン確定として直ちにステップS175に進み、ロックアップオンとすべくソレノイドをオン制御してステップS177に進む。
【0106】
ステップS173でθTH>θTHMであるときは、前記図22のステップS169でスタートしたタイマTSHFの値が0か否かを判別し(ステップS174)、TSHF>0であって所定時間tSHF経過前であるときは、ロックアップオフを継続又はロックアップオン状態でもシフトショック低減のため強制的にtSHF時間オフする(ステップS176)。そして、TSHF=0となると前記ステップS175に進んで、ロックアップオンとする。
【0107】
ステップS177では、タイマTSHFの値が所定時間TSD(例えば0.7秒)より小さいか否かを判別し、TSHF≧TSDであるときは直ちに本処理を終了する。その後TSHF<TSDとなるとステップS178に進み、暫定シフトダウンの仮決定がされているか否かを判別し、暫定シフトダウンでないときは直ちに、また暫定シフトダウンであるときは現状よりシフトダウンして(ステップS179)、ステップS180に進む。
【0108】
ステップS180では、暫定シフトアップの仮決定がされているか否かを判別し、暫定シフトアップでないときは直ちに、また暫定シフトアップであるときは現状よりシフトアップして(ステップS181)、ステップS182に進み、最終的に決定した今回のシフト位置を前回シフト位置として記憶して本処理を終了する。
【0109】
また、潤滑油圧低下と判断したの措置として、スロットル弁開度θTHの補正、シフト位置の補正及びロックアップオン/オフ制御の補正のうちのいずれか1つ又はいずれか2つの組合せを行うようにしてもよい。
【0111】
請求項の車両の制御装置によれば、検出された機関の潤滑油の圧力が低下したときに、潤滑油の圧力に基づいて車速が補正され、該補正した車速に応じて、オートマチックトランスミッションのロックアップのオン/オフが、機関の回転数が低下する方向に制御されるので、機関の潤滑油圧低下時における機関の出力を抑制し、機関の耐久性を向上させることができる。また、この制御の際、ロックアップがすでにオンされているときには、このロックアップのオン状態を継続させるように、前記補正した車速がより高い値にさらに補正されるので、再補正したより高い車速を用いてロックアップオン/オフの再決定を行うことにより、さらにロックアップオフへ移行し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる内燃機関によって駆動される車両の制御装置の構成を示す図である。
【図2】バックグラウンド処理の全体構成を示す図である。
【図3】ステアリングの舵角算出処理のフローチャートである。
【図4】ステアリングの舵角算出処理のフローチャートである。
【図5】図3、4の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図6】車両の旋回走行の判断を行う処理のフローチャートである。
【図7】図6の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図8】車両の加減速走行の判断を行う処理のフローチャートである。
【図9】エンジンストール時の初期化処理のフローチャートである。
【図10】TDC処理の全体構成を示すフローチャートである。
【図11】車両の登降坂走行の判断を行う処理のフローチャートである。
【図12】図11の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図13】潤滑油圧の平均値を算出する処理のフローチャートである。
【図14】潤滑油圧の低下を判断する処理のフローチャートである。
【図15】図14の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図16】スロットル弁の開閉駆動制御を行う処理のフローチャートである。
【図17】スロットル弁の開閉駆動制御を行う処理のフローチャートである。
【図18】図17の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図19】スロットル弁の開閉駆動制御を行う処理のフローチャートである。
【図20】図19の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図21】オートマチックトランスミッションの制御処理のフローチャートである。
【図22】オートマチックトランスミッションの制御処理のフローチャートである。
【図23】オートマチックトランスミッションの制御処理のフローチャートである。
【図24】図21及び22の処理で使用するテーブル及びマップを示す図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
3 スロットル弁
4 スロットル弁開度センサ
5 電子コントロールユニット
11 潤滑油圧センサ
20 スロットルアクチュエータ
21 変速アクチュエータ
22 アクセル開度センサ
24 車速センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関によって駆動され、オートマチックトランスミッションを有する車両の制御装置において、
    前記機関の潤滑油の圧力を検出する油圧検出手段と、
    前記検出した潤滑油の圧力が低下したときに、該潤滑油の圧力に基づいて車速を補正し、該補正した車速に応じて、前記オートマチックトランスミッションのロックアップのオン/オフを、前記機関の回転数が低下する方向に制御する変速制御手段とを有し、
    前記変速制御手段は、前記ロックアップのオン/オフを前記機関の回転数が低下する方向に制御する際、前記ロックアップがオンされているときには、前記ロックアップのオン状態を継続させるように、前記補正した車速をより高い値にさらに補正することを特徴とする車両の制御装置。
  2. アクセルペダルの操作量に応じて前記機関のスロットル弁を電気的に開閉駆動するスロットル弁制御手段と、
    前記機関の機関温度パラメータを検出する検出手段と、
    前記検出した機関温度パラメータが高いほど前記アクセルペダルの操作量に応じたスロットル弁の開度を減少するように補正する補正手段と、を備え、
    前記スロットル弁制御手段は、前記補正手段の出力に応じて前記スロットル弁を開閉駆動することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 当該車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を設け、前記補正手段は、前記スロットル弁開度補正の実行を所定時間遅延させるとともに、前記走行状態検出手段により当該車両の旋回状態を検出したときは、前記所定時間を前記旋回状態でないときより長く設定することを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
  4. 当該車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を設け、前記変速制御手段は、前記オートマチックトランスミッションのロックアップのオン/オフを機関回転数が低下する方向に制御する制御の実行を所定時間遅延させるとともに、前記走行状態検出手段により当該車両の旋回状態を検出したときは、前記所定時間を前記旋回状態でないときよりも長く設定することを特徴とする請求項1又は2記載の車両の制御装置。
  5. 前記機関のアイドル回転数を目標回転数に制御するアイドル回転数制御手段と、前記検出した潤滑油の圧力が低下したときに、前記目標回転数を増加方向に補正する目標回転数補正手段と、をさらに設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両の制御装置。
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