JP3325436B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP3325436B2
JP3325436B2 JP24701395A JP24701395A JP3325436B2 JP 3325436 B2 JP3325436 B2 JP 3325436B2 JP 24701395 A JP24701395 A JP 24701395A JP 24701395 A JP24701395 A JP 24701395A JP 3325436 B2 JP3325436 B2 JP 3325436B2
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の空燃比
制御装置に関し、特に機関の排気系に設けた空燃比セン
サの出力に応じて空燃比のフィードバック制御を行い、
該フィードバック制御中に算出した学習値を用いてリー
ンバーン制御を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関の燃費向上を図るため
に、機関に供給する混合気の空燃比を理論空燃比よりリ
ーン側の空燃比に制御するリーンバーン制御が広く採用
されている。このリーンバーン制御の手法としては、例
えば以下のものが知られている。
【0003】1)リーン側空燃比も検出可能なリニア型
の空燃比センサを用いてフィードバック制御する手法
(特開昭58−59330号公報)。
【0004】2)機関の回転変動や燃焼圧等に基づいて
燃焼状態を検出し、該検出した燃焼状態に応じて、空燃
比をリーン限界にフィードバック制御する手法(特公昭
59−9742号公報)。
【0005】3)機関負荷及び機関回転数に応じて決定
される基本燃料量に一定のリーン化係数を乗算してオー
プンループ制御する手法(特開昭58−72631号公
報)。
【0006】このうち、リニア型の空燃比センサを用い
ない2)、3)の手法では、理論空燃比近傍で出力レベ
ルが急変する二値型の空燃比センサを用いて、暖機終了
後の所定運転状態において空燃比のフィードバック制御
を行い、該フィードバック制御中に空燃比補正係数の学
習値を算出し、その学習値を用いてリーンバーン制御時
の燃料供給量を決定することが行われている。これによ
り基本燃料量のずれが補正され、量産ばらつきがあって
も最適なリーンバーン制御が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手法では、空燃比補正係数の学習値は、機関の暖機
終了後の所定運転状態において算出され、その後は機関
が停止されない限り、同一の学習値を用いていたため以
下のような問題があった。
【0008】すなわち、例えば蒸発燃料を吸着して適宜
吸気系に供給する蒸発燃料処理装置を備えた機関の場合
には、パージの影響度合が変化すると空燃比補正係数の
中心値が変化して、そのパージの影響度合の変化に応じ
た燃料供給量の補正がなされるため、前記学習値が最適
値からずれたものとなり、燃費や運転性を悪化させるお
それがあった。
【0009】また、前記学習値を算出した場所と標高の
異なる場所に移動した場合には、大気圧が変化するた
め、この場合も空燃比補正係数の中心値が変化して大気
圧の変化に応じた燃料供給量の補正がなされる。したが
って、この場合にも前記学習値が最適値からずれたもの
となり、上記と同様の問題を生じさせるおそれがあっ
た。
【0010】本発明は上述した点に鑑みなされたもので
あり、パージの影響度合や標高の変化に拘わらず最適な
学習値を用いてリーンバーン制御を行うことができる内
燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、内燃機関の運転状態を検出し、該運転状態に
応じて前記機関に供給する混合気の空燃比を所定の空燃
比に制御する内燃機関の空燃比制御装置において、前記
機関の排気系に設けられた空燃比センサの出力に基づい
て、前記機関へ供給する混合気の空燃比が目標空燃比に
一致するように空燃比補正係数を決定し、該空燃比補正
係数を用いて燃料供給量をフィードバック制御するフィ
ードバック制御手段と、暖機終了後の機関運転状態にお
ける所定条件の成立後の所定期間において前記フィード
バック制御手段によって決定された空燃比補正係数を学
習して第1学習値(KREFAF)を算出する第1学習
値算出手段と、イドル以外の運転状態で、且つ空燃比
フィードバック制御中において、前記フィードバック制
御手段によって決定された空燃比補正係数を学習して第
2学習値(KREF1)を算出する第2学習値算出手段
と、前記第1学習値(KREFAF)を用いて前記混合
気を理論空燃比よりリーン側の空燃比に制御するリーン
制御手段と、前記第2学習値(KREF1)前記第1
学習値(KREFAF)との偏差が所定再学習判定閾値
(DKREFH)以上である場合に前記第1学習値を再
学習する再学習手段とを備えるようにしたものである。
【0012】
【0013】また、前記第2学習値算出手段は、前記第
1学習値(KRERAF)の算出完了前に前記第2学習
値(KREF1)の算出を行うことが望ましい。
【0014】
【0015】本発明によれば、暖機終了後の機関運転状
態における所定条件の成立後の所定期間において空燃比
補正係数を学習することによって第1学習値が算出さ
れ、一方、イドル以外の運転状態で、且つ空燃比フィ
ードバック制御中において、空燃比補正係数を学習する
ことによって第2学習値が算出され、第1学習値を用い
てリーンバーン制御が行われる。そして、第学習値と
学習値との偏差が所定再学習判定閾値以上である
合には、第1学習値の再算出が行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0017】図1は本発明の実施の一形態に係る内燃機
関(以下「エンジン」という)及びその制御装置の全体
の構成図であり、エンジン1の吸気管2の途中にはスロ
ットル弁3が配されている。スロットル弁3にはスロッ
トル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該
スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子
コントロールユニット(以下「ECU」という)5に供
給する。
【0018】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3との間且つ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側
に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃
料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接
続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の
開弁時間が制御される。
【0019】一方、スロットル弁3の直ぐ下流には管7
を介して吸気管内絶対圧(PBA)センサ8が設けられ
ており、この絶対圧センサ8により電気信号に変換され
た絶対圧信号は前記ECU5に供給される。また、その
下流には吸気温(TA)センサ9が取付けられており、
吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力してEC
U5に供給する。
【0020】エンジン1の本体に装着されたエンジン水
温(TW)センサ10はサーミスタ等から成り、エンジ
ン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を
出力してECU5に供給する。
【0021】エンジン1の図示しないカム軸周囲又はク
ランク軸周囲には、エンジン1の特定の気筒の所定クラ
ンク角度位置で信号パルス(以下「CYL信号パルス」
という)を出力する気筒判別センサ(以下「CYLセン
サ」という)13、各気筒の吸入行程開始時の上死点
(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位
置で(4気筒エンジンではクランク角180゜毎に)T
DC信号パルスを発生するTDCセンサ12、及び前記
TDC信号パルスの周期より短い一定クランク角(例え
ば30゜)周期で1パルス(以下「CRK信号パルス」
という)を発生するクランク角センサ(以下「CRKセ
ンサ」と云う)11が取り付けられており、CYL信号
パルスTDC信号パルス及びCRK信号(クランク角信
号)パルスはECU5に供給される。
【0022】三元触媒15はエンジン1の排気管14に
配置されており、排気ガス中のHC,CO,NOx等の
成分の浄化を行う。排気管14の三元触媒15の上流側
には、空燃比センサとしての酸素濃度センサ16(以下
「O2センサ16」という)が装着されており、このO2
センサ16は排気ガス中の酸素濃度を検出し、その検出
値に応じた電気信号を出力しECU5に供給する。
【0023】ECU5には、さらにエンジン1が搭載さ
れた車両の走行速度Vを検出する車速センサ20、当該
車両のトランスミッションのギヤ比(ギヤ位置)を検出
するギヤ比センサ21等の各種センサが接続されてお
り、これらのセンサの検出信号がECU5に供給され
る。また、ギヤ比は車速Vとエンジン回転数NEとから
求めてもよい。
【0024】吸気管2には、通路31を介して燃料タン
クで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ(図示せ
ず)が接続されており、通路31の途中にはパージ制御
弁32が配設されている。パージ制御弁32は、ECU
5に接続されており、ECU5によりその開閉が制御さ
れる。パージ制御弁32は、エンジン1の所定運転状態
において開弁され、キャニスタに貯蔵された蒸発燃料を
吸気管2に供給する。
【0025】エンジン1は、吸気弁のバルブタイミング
及び弁リフト量を、エンジンの高速回転領域に適した高
速バルブタイミングと、中速回転領域に適した中速バル
ブタイミングと、低速回転領域に適した低速バルブタイ
ミングとの3段階に切換可能なバルブタイミング切換機
構40を有する。すなわち、吸気弁側は、高速バルブタ
イミング選択時は、比較的高いエンジン回転数に適した
開弁期間及びリフト量で2つの吸気弁を作動させ、中速
バルブタイミング選択時は、比較的低いエンジン回転数
に適した開弁期間及びリフト量で2つの吸気弁を共に作
動させ、低速バルブタイミング選択時は2つに吸気弁の
うちの一方を中速バルブタイミングと同じ開弁期間及び
リフト量で作動させ、他方をより短い開弁期間及び小さ
いリフト量で作動させるようにしている。これにより、
低速バルブタイミング選択時は、空燃比を理論空燃比よ
りリーン化する場合においてもより安定した燃焼を確保
するようにしている。
【0026】バルブタイミング切換機構40は、バルブ
タイミングの切換を油圧を介して行うものであり、この
油圧切換を行う電磁弁及び油圧センサがECU5接続さ
れている。油圧センサの検出信号はECU5に供給さ
れ、ECU5は電磁弁を制御してバルブタイミングの切
換制御を行う。
【0027】ECU5は各種センサからの入力信号波形
を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ
信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入
力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」とい
う)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム
及び演算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射
弁6やバルブタイミング切換機構40の電磁弁に駆動信
号を供給する出力回路5d等から構成される。
【0028】CPU5bは上述の各種エンジンパラメー
タ信号に基づいて、排気ガス中の酸素濃度に応じたフィ
ードバック制御運転領域やオープンループ制御運転領域
等の種々のエンジン運転状態を判別するとともに、エン
ジン運転状態に応じ、次式(1)に基づき、前記TDC
信号パルスに同期する燃料噴射弁6の燃料噴射時間TO
UTを演算する。
【0029】 TOUT=TI×KLSAFM×KO2×KEVAPO×K1+K2…(1) ここに、TIは基本燃料量、具体的にはエンジン回転数
NEと吸気管内絶対圧PBAとに応じて決定される基本
燃料噴射時間であり、このTI値を決定するためのTI
マップが記憶手段5cに記憶されている。
【0030】KLSAFMは、エンジン1及び当該車両
の所定運転状態において1.0より小さい値に設定され
るリーンバーン補正係数KLSAFに対して体積効率補
正をおこなった後の修正リーンバーン補正係数であり、
この修正リーンバーン補正係数KLSAFMの算出手法
は、図4を参照して後述する。
【0031】KO2は、O2センサ16の出力に基づい
て算出される空燃比補正係数であり、空燃比フィードバ
ック制御中はO2センサ16によって検出された空燃比
(酸素濃度)が理論空燃比に一致するように設定され、
オープンループ制御中及びリーン制御中はエンジン運転
状態に応じた所定値又は、学習値に設定される。
【0032】KEVAPOは、パージによる蒸発燃料の
影響を補償するためのエバポ補正係数であり、パージを
行わないときは1.0に設定され、パージ実行時は0〜
1.0の間の値に設定される。このエバポ補正係数KE
VAPOの値が小さいほど、パージの影響が大きいこと
を示す。
【0033】K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ
信号に応じて演算される他の補正係数及び補正変数であ
り、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速
特性等の諸特性の最適化が図られるような値に設定され
る。
【0034】以下CPU5bで実行される制御処理を説
明する。
【0035】図2は、空燃比補正係数KO2の学習値K
REFを算出する処理のフローチャートであり、TDC
信号パルスの発生に同期して実行される。
【0036】先ずステップS11では、エンジン回転数
NEが所定回転数NKREF(例えば4000rpm)
より低いか否かを判別し、NE<NKREFであるとき
は、吸気温TAが所定吸気温TAREF(例えば64
℃)より低いか否かを判別する(ステップS12)。そ
して、NE≧NKREF又はTA≧TAREFであると
きは、空燃比補正係数KO2の学習領域であることを
「1」で示すKO2学習領域フラグFKREFZNを
「0」に設定して(ステップS13)、本処理を終了す
る。
【0037】一方NE<NKREF且つTA<TARE
Fであるときは、KO2学習領域フラグFKREFZN
を「1」に設定し(ステップS14)、リーンバーン制
御実行時に使用するリーン制御学習値KREFAFの算
出領域(以下「KREFAF学習領域」という)である
ことを「1」で示すKREFAF学習領域フラグFSL
BREFが「1」か否かを判別する(ステップS1
5)。なお、このフラグFSLBREFは、後述する図
7、8の処理で設定される。
【0038】ステップS15の答が肯定(YES)、す
なわちKREFAF学習領域であるときは、下記式
(2)により空燃比補正係数KO2の学習値KREFA
Fを算出して(ステップS16)、本処理を終了する。
【0039】 KREFAF(N)=CREFAF×KO2/A +(A−CREFAF)×KREFAF(N−1)/A …(2) ここで、(N),(N−1)はそれぞれ今回値及び前回
値であることを示すために付している。また、Aは例え
ば10000(16進)に設定される定数、CREFA
Fは、1からAの間の値に設定されるリーン制御学習値
KREFAF算出用のなまし係数であり、KO2は比例
制御実行直後(すなわちO2センサ16の出力の反転直
後において比例項を加算又は減算したとき)の空燃比補
正係数値を用いる。
【0040】ステップS15でFSLBREF=0であ
ってKREFAF学習領域でないときは、エンジンがア
イドル状態にあることを「1」で示すアイドルフラグF
IDLEが「1」か否かを判別し(ステップS17)、
アイドル状態であるときは、下記式(3)によりアイド
ル学習値KREF0を算出して(ステップS18)、本
処理を終了する。
【0041】 KREF0(N)=CREF0×KO2/A +(A−CREF0)×KREF0(N−1)/A …(3) ここで、CREF0は、1からAの間の値に設定される
アイドル学習値KREF0算出用のなまし係数である。
【0042】ステップS17でFIDLE=0であっ
て、エンジンがアイドル状態でないとき(以下「オフア
イドル状態」という)は、下記式(4)によりオフアイ
ドル学習値KRER1を算出する(ステップS19)。
【0043】 KREF1(N)=CREF1×KO2/A +(A−CREF1)×KREF1(N−1)/A …(4) ここで、CREF1は、1からAの間の値に設定される
アイドル学習値KREF1算出用のなまし係数である。
なお、なまし係数CREFAF,CREF0及びCRE
F1は、図3に示すように、エンジン水温TW及びエバ
ポ補正係数KEVAPOに応じて、異なる値に設定され
る。同図において各設定値は、下欄(TW>TWREF
かつKEVAPO>KEVAPLである場合)の値の方
が上欄の値より大きくなるように設定されている。
【0044】続くステップS20では、オフアイドル学
習値KREF1の値が不適切(誤学習)と判定したこと
を「1」で示す誤学習フラグFDKREFが「1」か否
かを判別し、FDKREF=1であって誤学習と判定さ
れたときは、ステップS21を実行することなく直ちに
本処理を終了する。
【0045】ステップS20の答が否定(NO)のとき
は、オフアイドル学習値KREF1とリーン制御学習値
KREFAFとの偏差(KREF1−KREFAF)が
第1所定偏差DKREFH(例えば0.04)より小さ
いか否かを判別し(ステップS21)、(KREF1−
KREFAF)<DKREFHであるときは、直ちに本
処理を終了する一方、(KREF1−KREFAF)≧
DKREFHであるときは、リーン制御学習値KREF
AFの算出(学習)が終了したことを「1」で示す学習
終了フラグFSLBREFOKを「0」に設定するとと
もに(ステップS22)、ダウンカウントタイマtmS
LBREFに所定学習時間TSLBREFをセットして
スタートさせ(ステップS23)、本処理を終了する。
なお、タイマtmSLBREFは、リーン制御学習値K
REFAFの学習時間を計測するものであり、図8の処
理で参照される。
【0046】ステップS21〜S23により、KREF
1値とKREFAF値の偏差が所定値DKREFH以上
のときは、リーン制御学習値KREFAFの再学習が行
われるので、パージの影響度合や標高の変化に起因する
最適値の変化に対応してリーン制御学習値KREFAF
がより適切な値に変更され、リーンバーン制御時の燃費
や運転性の悪化を防止することができる。
【0047】図4は、修正リーンバーン補正係数KLS
AFMを算出する処理のフローチャートであり、TDC
信号パルスの発生に同期して実行される。
【0048】先ずステップS31では、エンジンの始動
(クランキング)中であることを「1」で示す始動フラ
グFSTMODが「1」か否かを判別し、始動中のとき
は、以下の1)〜5)の処理を実行してステップS63
に進む。
【0049】1)ダウンカウントタイマtmLEANに
始動直後リーンバーン禁止時間TLEANをセットして
スタートさせる(ステップS32)。
【0050】2)リーン制御学習値KREFAFの学習
時間を計測するダウンカウントタイマtmSLBREF
に所定学習時間TSLBREFをセットしてスタートさ
せる(ステップS33)。
【0051】3)リーンバーン制御の実行可能な運転領
域(以下「SLB領域」という)であることを「1」で
示すSLB領域内フラグFSLBZN、SLB領域内の
高負荷領域であることを「1」で示すSLB高負荷領域
フラグFSLBPZN及び登坂走行中と判断したことを
「1」で示す登坂フラグFTOHANを、それぞれ
「0」に設定する(ステップS39、S40、S4
1)。
【0052】4)エンジンの燃焼状態が不安定であるこ
とを「1」で示す燃焼状態フラグFAVEHLD、リー
ンバーンフィードバック制御実行中であることを「1」
でしめすSLBF/B中フラグFSLBFB及びリーン
バーン制御実行中であることを「1」で示すSLB実行
中フラグFSLBを、それぞれ「0」に設定する(ステ
ップS42、S44、S45)。
【0053】5)リーンバーン補正係数KLSAFを
1.0に設定する(ステップS43)。
【0054】一方エンジンの始動中でないときは、ステ
ップS34に進み、図示しないSLB領域判別処理を実
行する。この処理では、車速V及びその加速度に応じ
て、リーンバーン制御を行うか否かを判断するための閾
値が設定された領域テーブルの選択を行う。領域テーブ
ルには、エンジン回転数NEに対応して閾値となる所定
吸気管内絶対圧PBATHが設定されている。
【0055】続くステップS35では、後述する図7、
8のKREFAF学習領域判断処理を実行し、次いでS
LBシフトチェンジ判断処理を実行する(ステップS3
6)。SLBシフトチェンジ判断処理では、シフトチェ
ンジ(ギヤ比の変更)を検出して、シフトダウン時はシ
フトダウン後のディレー時間を計測するダウンカウント
タイマtmSFTDLYに所定時間TSFTDLYをセ
ットしてスタートさせ、シフトアップ時は該タイマtm
SFTDLYの値を「0」に設定する処理等を行う。
【0056】続くステップS37では、アイドルフラグ
FIDLEが「1」か否かを判別し、FIDLE=0で
あってアイドル状態でないときは、エンジン回転数NE
が所定上下限値NSLBZNH,NSLBZNL(例え
ば、4000rpm,900rpm)の範囲内にあるか
否かを判別する(ステップS38)。そして、FIDL
E=1であってアイドル状態であるとき又はNE≦NS
LBZNL若しくはNE≧NSLBZNHであるとき
は、前記ステップS39に進み、NSLBZNL<NE
<NSLBZNHであるときは、ステップS46に進ん
でSLB領域持ち替え処理を実行する。この処理では、
ギヤ比、吸気管内絶対圧PBA及び車速の変化量(加速
度)等に応じて前記SLB高負荷領域フラグFSLBP
ZN及び登坂フラグFTOHANの設定を行う。その
際、ステップS34のSLB領域処理で選択された領域
テーブルを使用する。
【0057】続くステップS47では、フュエルカット
中であることを「1」で示すフュエルカットフラグFF
Cが「1」か否かを判別し、FFC=0であってフュエ
ルカット中でないときは、ダウンカウントタイマtmA
FCにフュエルカット移行後の所定ディレー時間TAF
CDLYをセットしてスタートさせ(ステップS4
8)、前記燃焼状態フラグFAVEHLDが「1」か否
かを判別する(ステップS49)。FAVEHLD=0
であって燃焼状態が安定しているときは、ステップS5
2のDMSBAVE算出処理で使用するなまし係数DM
SSCRFを第1の値DMSSCRF0に設定し(ステ
ップS51)、FAVEHLD=1であって燃焼状態が
不安定のときは、第1の値DMSSCRF0より小さい
第2の値DMSSCRF1に設定して(ステップS5
0)、ステップS52に進む。これにより、燃焼状態が
不安定のときは回転変動量DMSSLBの今回値の寄与
度を低下させるようにしている。なお、燃焼状態は、回
転変動量DMSSLBが所定値以下のとき、安定してい
ると判定する。
【0058】ステップS52では、下記式(5)に上記
なまし係数DMSSRFを適用してエンジンの回転変動
量DMSSLBの平均値DMSBAVEを算出する。
【0059】 DMSBAVE(N)=DMSSCRF×DMSSLB/A +(A−DMSSCRF)×DMSBAVE(N−1)/A…(5) ここで、回転変動量DMSSLBは、クランク角(CR
K)信号パルスの発生間隔CRMEに基づいて算出さ
れ、この値が小さいほどエンジンの燃焼状態が安定して
いることを示す。
【0060】続くステップS53では、目標空燃比KO
BJの算出処理を実行する。この処理は、図9〜11を
参照して後述する。なお、KOBJ値は、空燃比A/F
の逆数に比例し、理論空燃比のとき1.0とする当量比
として定義されている。したがって、リーン制御実行中
はKOBJ値は1.0より小さい値に設定される。
【0061】次いでリーンバーン補正係数KLSAFを
ステップS53(又は後述するステップS56)で算出
したKOBJ値を設定し(ステップS58)、続くステ
ップS59では、KLSAFリミット処理を実行し、ス
テップS60に進む。KLSAFリミット処理では、エ
ンジンが高負荷運転領域にあるときやエンジン負荷の増
加量が大きいときは、リーンバーン補正係数KLSAF
を漸増させる一方、高負荷運転領域でなく、負荷の増加
量が小さく且つKLSAF>KOBJであるときは、回
転変動量DMSSLBに応じてKLSAF値を増減する
フィードバック制御を行う。
【0062】前記ステップS47にもどり、FFC=1
であってフュエルカット中のときは、前記ステップS4
8でセットしたタイマtmAFCの値が「0」か否かを
判別し、tmAFC>0である間はリーンバーン補正係
数KLSAFを前回値保持として(ステップS57)、
ステップS60に進む。その後tmAFC=0となる
と、後述する図11の処理で参照するダウンカウントタ
イマtmAFCLNにフュエルカット終了後の所定時間
TAFCLNをセットしてスタートさせ(ステップS5
5)、目標空燃比KOBJをフュエルカット時用の所定
値KOBJFCに設定して(ステップS56)、前記ス
テップS58に進む。
【0063】ステップS60では、算出したKLSAF
値が1.0より小さいか否かを判別し、KLSAF<
1.0であるときは、SLB実行中フラグFSLBを
「1」に設定する(ステップS62)一方、KLSAF
=1.0であるときは、FSLB=0として(ステップ
S61)、ステップS63に進む。
【0064】ステップS63、S64では、体積効率補
正を行うべく、KLSAF値に応じて図6に示すKLS
AFMテーブルを検索し、修正リーンバーン補正係数K
LSAFMを算出し、次いでギヤ位置をあらわすパラメ
ータNGR,NGRATを更新して(ステップS6
5)、本処理を終了する。
【0065】ここで、体積効率補正は、リーンバーン制
御時は燃料冷却効果が小さくなり充填効率が下がるの
で、リーンバーン補正係数KLSAFをそのまま基本燃
料量TIに乗算したのでは、空燃比が所望の値からずれ
ることを考慮して行うものである。すなわち、基本燃料
量TIのマップは理論空燃比が得られるように設定され
ているので、リーンバーン制御時は補正係数値がより小
さくなるようにKLSAF値が補正され、修正リーンバ
ーン補正係数KLSAFMが算出される。
【0066】また、ステップS65のNGRはマニュア
ルトランスミッションのギヤ位置パラメータ(NGR=
1〜5)であり、NGRATはオートマチックトランス
ミッションのギヤ位置パラメータ(NGRAT=1〜
4)である。
【0067】図7及び8は図4のステップS35におけ
るKREFAF学習領域判断処理のフローチャートであ
る。
【0068】先ずステップS71では、エンジン水温T
Wが所定水温TWLEAN(例えば75℃)以上であっ
て暖機が完了しているか否かを判別し、TW≧TWLE
ANであるときは、空燃比補正係数KO2が上限値又は
下限値に所定時間以上貼り付いていることを「1」で示
すKO2貼り付きフラグFJKO2LMTが「0」か否
かを判別し(ステップS72)、FJKO2LMT=0
であるときは、オフアイドル学習値KREF1が上限値
又は下限値に所定時間以上貼り付いていることを「1」
で示すKREF1貼り付きフラグFKRF1LMTが
「0」か否かを判別する(ステップS73)。
【0069】そして、ステップS71〜S73の何れか
の答が否定(NO)のときは、学習領域でないと判定し
て以下の処理を実行する。すなわち、リーン制御学習値
KREFAFの学習が終了したことを「1」で示す(ス
テップS99参照)学習終了フラグFSLBREFOK
を「0」に設定し(ステップS74)、ダウンカウント
タイマtmSLBREFに所定学習時間TSLBRER
を設定してスタートさせ(ステップS75)、パージカ
ット(パージ制御弁32の閉弁)の要求を「1」で示す
パージカット要求フラグFSLBPGを「0」に設定し
(図8、ステップS81)、ステップS75でセットし
たタイマtmSLBREFのダウンカウントを停止させ
(ステップS87)、ダウンカウントタイマtmREF
MINに最小学習時間TREFMINをセットしてスタ
ートさせ(ステップS88)、最小学習時間TREFM
INに亘ってKRERAF値の学習を実行したことを
「1」で示す最小学習時間フラグFREFMINを
「0」に設定して(ステップS89)、ステップS10
1に進む。
【0070】ステップS101では、オフアイドル学習
値KREF1の値が適切でないことを「1」で示す誤学
習フラグFDKREFを「0」に設定し、次いで学習領
域フラグFSLBREFを「0」に設定して(ステップ
S102)、本処理を終了する。
【0071】一方、ステップS71〜S73の答がすべ
て肯定(YES)のときは、エンジン回転数NEが所定
上下限値NKSLBRH,NKSLBRL(例えば34
00rpm,1000rpm)の範囲内にあるか否かを
判別し(ステップS76)、NKSLBRL<NE<N
KSLBRHであるときは、吸気管内絶対圧PBAが所
定上下限値PBSLBRH,PBSLBRL(例えば6
60mmHg,260mmHg)の範囲内にあるか否か
を判別し(ステップS77)、PBSLBRL<PBA
<PBSLBRHであるときは、車速Vが所定車速VS
LBREFL(例えば30km/h)より高いか否かを
判別する(ステップS78)。その結果、ステップS7
6〜S78の何れかの答が否定(NO)であってエンジ
ン回転数NE、吸気管内絶対圧PBA又は車速Vの何れ
かが所定の条件を満たしていないときは、学習領域でな
いと判定して前記ステップS81に進む。
【0072】ステップS78でV>VSLBREFLで
あるときは、学習終了フラグFSLBREFOKが
「0」か否かを判別し(ステップS79)、FSLBR
EFOK=0であるときは、KO2学習領域フラグFK
REFZN(図2ステップS13、S14参照)が
「1」か否かを判別する(ステップS80)。そして、
FSLBREFOK=1又はFKREFZN=0である
ときは、前記ステップS81に進み、FSLBREFO
K=0で且つFKREFZN=1であるときは、リーン
制御学習値KREFAFが上限値又は下限値に所定時間
以上貼り付いていることを「1」で示すKREFAF貼
り付きフラグFKRFAFLMTが「0」か否かを判別
する(図8、ステップS82)。
【0073】当初はFKRFAFLMT=0であるの
で、ステップS85に進み、パージカット要求フラグF
SLBPGを「1」に設定してパージカットを行い、エ
バポ補正係数KEVAPOが1.0であるか否かを判別
する(ステップS86)。そして、KEVAPO<1.
0であってパージの影響が残っている間は、前記ステッ
プS87に進み、KEVAPO=1.0となるとステッ
プS90に進む。また、学習値KRERAFを算出中に
FKRFAFLMT=1となったときは、パージカット
要求フラグFSLBPGを「0」に設定し(ステップS
83)、ダウンカウントタイマtmSLBREFに所定
学習時間TSLBREFを再設定して(ステップS8
4)、ステップS90に進む。
【0074】ステップS90では、最小学習時間フラグ
FREFMINが「1」か否かを判別する。最初はFR
EFMIN=0であるのでステップS91に進み、ステ
ップS88でセットしたタイマtmREFMINの値が
「0」か否かを判別する。そしてtmREFMIN>0
である間は、ステップS75(又はS84)でセットし
たタイマtmSLBREFのダウンカウントを停止し
(ステップS92)、KREFAF学習領域フラグFS
LBREFを「1」に設定し、学習値KREFAFの算
出を許可して(ステップS96)、本処理を終了する。
【0075】学習開始後最小学習時間TREFMINが
経過するとtmREFMIN=0となるので、ステップ
S91からステップS93に進み、最小学習時間フラグ
FREFMINを「1」に設定するとともに、タイマt
mSLBREFのカウント値を最小学習時間TRERM
INだけ減算して(ステップS94)、前記ステップS
96に進む。
【0076】ステップS93でFREFMIN=1とさ
れると、ステップS90の答が肯定(YES)となるの
で、ステップS95に進み、タイマtmSLBREFの
値が「0」であるか否かを判別する。そしてtmSLB
REF>0である間は前記ステップS96に進んで学習
値KREFAFの算出を継続し、tmSLBREF=0
となるとオフアイドル学習値KREF1とKRERA値
との偏差(KREF1−KREFAF)が、第1所定偏
差DKREFH(図2、ステップS21参照)より小さ
い第2所定偏差DKREFL(例えば0.008)より
小さいか否かを判別する(ステップS97)。その結
果、(KREF1−KREFAF)≧DKREFLであ
るときは、オフアイドル学習値KRER1の値が適切で
ない(誤学習)と判定し、誤学習フラグFDKREFを
「1」に設定し(ステップS98)、KREFAF学習
領域フラグFSLBREFを「0」に設定して(ステッ
プS102)、本処理を終了する。誤学習フラグFDK
REFは、前述した図2のステップS20で参照され
る。
【0077】ステップS97で(KREF1−KREF
AF)<DKREFLであるときは、学習終了フラグF
SLBREFOKを「1」に設定し(ステップS9
9)、パージカット要求フラグFSLBPGを「0」に
設定して(ステップS100)、前記ステップS101
に進む。
【0078】学習終了フラグFSLBREFOKが
「1」に設定されると、ステップS79により原則とし
てリーン制御学習値KREFAFの学習は行われない
が、図2のステップS20〜S23の処理により、オフ
アイドル学習値KREF1とリーン制御学習値KREF
AFとの偏差(KREF1−KREFAF)が第1所定
偏差DKREFH以上となると、学習終了フラグFSL
BREFOKが「0」に戻され、KREFAF値の再学
習が行われる。その結果、パージの影響度合や標高の変
化に起因する最適値の変化に対応してリーン制御学習値
KREFAFがより適切な値に変更され、燃費や運転性
の悪化を防止することができる。
【0079】また、ステップS97により、KREFA
F値算出直後の偏差(KREF1−KREFAF)が第
2所定偏差DKREFL以上であるときは、誤学習フラ
グFDKREFを「1」に設定して、KREF1値が更
新されて適切な値となるまで、図2のステップS20以
下を実行しないようにしたので、ステップS21でKR
EF1値がずれているのにKREFAF値の再学習を実
行することを防止することができる。
【0080】図9、10及び11は、図5のステップS
53におけるKOBJ算出処理のフローチャートであ
る。
【0081】先ずステップS111では、高速バルブタ
イミングで運転中であることを「1」で示す高速バルブ
タイミングフラグFVTEC2が「0」か否かを判別
し、FVTEC2=0であるときは、SLB領域内フラ
グFSLBZNが「1」か否かを判別し(ステップS1
12)、FSLBZN=1であってSLB領域内である
ときは、吸気温TAが所定吸気温TAIGM(例えば−
9℃)より高いか否かを判別し(ステップS113)、
TA>TAIGMであるときは、エンジン水温TWが所
定水温TWLEAN5(例えば70℃)以上か否かを判
別する(ステップS114)。そして、ステップS11
1〜S114の何れかの答が否定(NO)のときは、リ
ーンバーン制御を実行すべきでないと判定し、図11の
ステップS135で、ダウンカウントタイマtmSLB
DLYに所定時間TSLBDLYをセットしてスタート
させ、目標空燃比KOBJを1.0に設定して(ステッ
プS139)、本処理を終了する。
【0082】ステップS114でTW≧TWLEAN5
であるときは、さらにエンジン水温TWが所定水温TW
LEAN(>TWLEAN5)以上か否かを判別し(ス
テップS115)、TW≧TWLEAN5であるとき
は、直ちにステップS119に進み、TW<TWLEA
N5であるときは、当該車両がオートマチックトランス
ミッションを備えた車両(以下「AT車」という)であ
るか否かを判別する(ステップS116)。そして、A
T車でないとき、すなわちマニュアルトランスミッショ
ンを備えた車両(以下「MT車」という)であるとき
は、ギヤ位置が5速にあるか否かを判別し、5速のとき
はステップS119に進む一方、5速でないときは前記
ステップS135に進む。また、AT車であるときは、
ギヤ位置が4速か否かを判別し、4速のときはステップ
S119に進む一方、4速でないときは前記ステップS
135に進む。
【0083】ステップS119では、エンジン回転数セ
ンサ(CRKセンサ11)、吸気管内絶対圧センサ8等
の異常を検出しているか否かを判別し、検出していれば
前記ステップS135に進み、検出していなければ、図
4のステップS32でセットしたタイマtmLEANの
値が「0」か否かを判別する(ステップS120)。始
動モード終了直後は、tmLEAN>0であるので前記
ステップS135に進み、tmLEAN=0であればス
テップS121に進み、無段変速機(CVT)を採用し
た車両であって、通常より低いギヤ比設定とするスポー
ツモード又はローギヤ固定が選択されているか否かを判
別する。その答が肯定(YES)のときは、前記ステッ
プS135に進み、否定(NO)のときは、当該車両が
AT車か否かを判別する(図10、ステップS12
2)。
【0084】AT車でない、すなわちMT車のときは、
ギヤ位置NGRが所定ギヤ位置NGRLより高速側か否
かを判別し、NGR≦NGRLであるときは前記ステッ
プS135に進み、NGR>NGRLであるときは、車
速Vが所定車速VNGRLより高いか否かを判別する
(ステップS126)。そして、V≦VNGRLである
ときは前記ステップS135に進み、V>VNGRLで
あればステップS127に進む。
【0085】一方AT車であるときは、ステップS12
2からS123に進みギヤ位置NGRATが所定ギヤ位
置NGRATLより高速側か否かを判別し、NGRAT
≦NGRATLであるときは、前記ステップS135に
進み、NGRAT>NGRATLであるときは、自動変
速機のロックアップクラッチの係合圧の制御パラメータ
DOUT(電磁弁の制御デューティであってこの値が大
きいほど係合圧が高くなる)が所定値DLCSLBHよ
り大きいか否かを判別する(ステップS125)。そし
て、DOUT≦DLCSLBHであるときは、前記ステ
ップS126に進み、DOUT>DLCSLBHである
ときは、直ちにステップ127に進む。
【0086】ステップS121〜S126により、ギヤ
位置又は車速(及びロックアップクラッチの係合状態)
によっては、リーンバーン制御を実行しないようにして
いる。
【0087】ステップS127では、エバポ補正係数K
EVAPOが所定値KEVASLBより大きいか否かを
判別し、KEVAPO>KEVASLBであるときは、
学習終了フラグFSLBREFOKが「1」か否かを判
別し(ステップS128)、FSLBREFOK=1で
あるときは、失火検知によるリーンバーン禁止中である
ことを「0」で示すリーンバーン禁止フラグFMFLB
OKが「1」か否かを判別し(ステップS129)、F
MFLBOK=1であるときは、スロットル弁をほぼ全
開とするスロットル弁全開運転領域であることを「1」
で示すWOTフラグFWOTが「1」か否かを判別する
(ステップS130)。
【0088】そして、KEVAPO≦KEVASLBで
あって蒸発燃料の影響が大きいとき、FSLBREFO
K=0であってリーン制御学習値KREFAFの学習が
終了していないとき、FMFLBOK=0であって失火
検知によりリーンバーン制御が禁止されているとき又は
FWOT=1であってスロットル弁全開運転領域にある
ときは、前記ステップS135に進み、リーンバーン制
御は行わない。
【0089】ステップS130の答が否定(NO)、す
なわちFWOT=0であるときは、エンジン回転数NE
の応じて図12に示すTHSLBテーブルを検索し、ス
ロットル弁開度θTHのリーンバーン制御上限値THS
LBを算出する(ステップS131)。次いで、検出し
たスロットル弁開度θTHが上限値THSLBより小さ
いか否かを判別し(ステップS132)、θTH<TH
SLBであるときは、スロットル弁開度θTHの変化量
DTH(=θTH(N)−θTH(N−1))が、所定
変化量DTHKCRより小さいか否かを判別し(ステッ
プS133)、DTH<DTHKCRであるときは、吸
気管内絶対圧PBAの変化量DPB(=PBA(N)−
PBA(N−1))が所定変化量DPBKCRより小さ
いか否かを判別する(ステップS134)。その結果、
ステップS132〜S134の何れかの答が否定(N
O)のときは、前記ステップS135に進み、リーンバ
ーン制御は行わない。
【0090】ステップS132〜S134の答がすべて
肯定(YES)のときは、ステップS135でセットし
たタイマtmSLBDLYの値が「0」か否かを判別す
る(図11、ステップS136)。tmSLBDLY>
0である間はステップS139に進んで、KOBJ=
1.0とし、tmSLBDLY=0となると、図5のス
テップS55でセットしたタイマtmAFCLNの値が
「0」か否かを判別する(ステップS137)。tmA
FCLN>0であってフュエルカット状態から復帰後所
定時間TAFCLN内は、前記ステップS139に進
み、tmAFCLN=0であるときは、図4のステップ
S36で実行されるSLBシフトチェンジ判断処理で、
シフトダウンが検出されたときセットされるタイマtm
SFTDLYの値が「0」か否かを判別する(ステップ
S138)。
【0091】tmSFTDLY>0であってシフトダウ
ン検出時から所定時間TSFTDLY内は前記ステップ
S139に進み、tmSFTDLY=0であるときは、
中速バルブタイミングを選択していることを「1」で示
す中速バルブタイミングフラグFVT1ZNが「1」否
かを判別し(ステップS140)、FVT1ZN=1で
あるときは、目標空燃比KOBJを下記式(6)により
算出して(ステップS141)、本処理を終了する。
【0092】 KOBJ=KLSAFREF×KAFM …(6) ここで、KLSAFREFは、後述するステップS14
6で算出される、リーンバーン補正係数KLSAFのフ
ィードバック制御中の学習値であり、KAFMは中速バ
ルブタイミング用補正係数であり、式(6)によって決
定されるKOBJ値が例えばA/F=18相当の値とな
るように設定される。
【0093】ステップS140でFVT1ZN=0であ
るとき、すなわち低速バルブタイミングを選択している
ときは、SLB高負荷領域フラグFSLBPZNが
「1」か否かを判別し(ステップS142)、FSLB
PZN=1であってSLB領域内の高負荷領域にあると
きは、下記式(7)により目標空燃比KOBJを算出し
て(ステップS143)、本処理を終了する。
【0094】 KOBJ=KLSAFREF×KAFL …(7) ここで、KAFLは、中速バルブタイミング用補正係数
KAFMより小さい高負荷用補正係数であり、式(7)
によって決定されるKOBJ値が例えばA/F=20.
5相当の値となるように設定される。
【0095】ステップS142でFSLBPZN=0で
あるときは、目標空燃比KOBJを所定下限値KOBJ
Lに設定し(ステップS144)、SLBF/B中フラ
グFSLBFBが「1」か否かを判別する(ステップS
145)。そして、FSLBFB=0であるときは直ち
に、またFSLBFB=1であってKLSAF値のフィ
ードバック制御中であるときは、下記式(8)によりリ
ーンバーン補正係数KLSAFの学習値KLSAFRE
Fを算出して(ステップS146)、本処理を終了す
る。
【0096】 KLSAFREF=KLSCRF×KLSAF(N)/A +(A−KLSCRF)×KLSAFREF(N−1)/A…(8) ここで、KLSCRFは1からAの間の値に設定される
なまし係数である。
【0097】図13及び14は上述した処理の概要を説
明するためのタイムチャートである。先ず図13におい
て時刻t1にエンジン運転状態がSLB領域に入ると、
SLB領域内フラグFSLBZNが「1」に設定される
とともにSLB実行ディレイタイマtmSLBDLYの
ダウンカウントが開始される(図4、ステップS46、
図9、ステップS112、図11、ステップS13
5))。時刻t2において、タイマtmSLBDLYの
値が「0」となると(図11、ステップS136)、S
LB実行中フラグFSLBが「1」に設定され(図5、
ステップS60、S62)、リーンバーン制御が実際に
開始される。このとき、目標空燃比KOBJがステップ
的に小さな値KOBJLに変更されるが(図11、ステ
ップS144)、リーンバーン補正係数KLSAFはリ
ミット処理(図5、ステップS59)により、徐々に減
少する。
【0098】そして、時刻t3になると回転変動量DM
SSLBに応じたフィードバック制御の実行条件が成立
し、SLBF/B中フラグFSLBFBが「1」に設定
される(図5、ステップS59)。時刻t4において、
エンジン運転状態がSLB領域内の高負荷領域に移行す
ると、目標空燃比KOBJはリッチ方向に更新され、K
LSAF値がその更新後のKOBJ値まで漸増する(図
11、ステップS142、S143、図5、ステップS
59)。このとき、回転変動量DMSSLBに応じたフ
ィードバック制御は一時中止される(図13(e)参
照)。
【0099】時刻t5においてエンジン運転状態がSL
B領域からSLB領域外へ移行すると、SLB領域内フ
ラグFSLBZN、SLBF/B中フラグFSLBFB
及びSLB高負荷領域フラグFSLBPZNは「0」に
戻され(図4、ステップS46、図5、ステップS5
9)、KOBJ値が1.0に戻される(図9、ステップ
S112、図11、ステップS139)。KLSAF値
は1.0まで漸増するように制御され(図5、ステップ
S59)、時刻t6に1.0に達するとSLB実行中フ
ラグFSLBが「0」に戻される(図5、ステップS6
0、S61)。
【0100】次に図14を参照して、SLB高負荷領域
におけるKOBJ値の設定について、より詳細に説明す
る。先ず時刻t11ではSLB高負荷領域フラグFSL
BPZNが「1」となり(FVT1ZN=0)、KOB
J値は前記式(7)によって算出されるリッチ側の値に
変更され(図11、ステップS142、S143)、次
いで中速バルブタイミングフラグFVT1ZNが「1」
となると、前記式(6)によって算出される、よりリッ
チ側の値に変更される(同図、ステップS140、S1
41)。このように、SLB領域内の高負荷領域におい
ては、KOBJ値は高負荷領域でない場合よりリッチ側
の値に設定され、更に中速バルブタイミング選択時は低
速バルブタイミング選択時よりリッチ側の値に設定され
る。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、暖
機終了後の機関運転状態における所定条件の成立後の
定期間において空燃比補正係数を学習することによって
第1学習値が算出され、一方、イドル以外の運転状態
で、且つ空燃比フィードバック制御中において、空燃比
補正係数を学習することによって第2学習値が算出さ
れ、第1学習値を用いてリーンバーン制御が行われ、第
学習値と第学習値との偏差が所定再学習判定閾値
上である場合には、第1学習値の再算出が行われるの
で、パージの影響度合や標高の変化に拘わらず最適な学
習値を用いてリーンバーン制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる内燃エンジン及
びその制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】空燃比補正係数の学習値を算出する処理のフロ
ーチャートである。
【図3】図2の処理で使用するパラメータの設定を説明
するための図である。
【図4】リーンバーン補正係数を算出する処理のフロー
チャートである。
【図5】リーンバーン補正係数を算出する処理のフロー
チャートである。
【図6】図5の処理で使用するテーブルを示す図であ
る。
【図7】リーンバーン制御用の学習値を算出する領域を
判断する処理のフローチャートである。
【図8】リーンバーン制御用の学習値を算出する領域を
判断する処理のフローチャートである。
【図9】リーンバーン制御時の目標空燃比を算出する処
理のフローチャートである。
【図10】リーンバーン制御時の目標空燃比を算出する
処理のフローチャートである。
【図11】リーンバーン制御時の目標空燃比を算出する
処理のフローチャートである。
【図12】図10の処理で使用するテーブルを示す図で
ある。
【図13】リーンバーン制御中の各種パラメータの推移
を説明するためのタイムチャートである。
【図14】リーンバーン制御中の各種パラメータの推移
を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃エンジン 5 電子コントロールユニット 6 燃料噴射弁 16 O2センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−280646(JP,A) 特開 平2−298640(JP,A) 特開 平8−319868(JP,A) 特開 平6−272589(JP,A) 特開 平6−229294(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 41/40 F02D 43/00 - 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態を検出し、該運転状
    態に応じて前記機関に供給する混合気の空燃比を所定の
    空燃比に制御する内燃機関の空燃比制御装置において、 前記機関の排気系に設けられた空燃比センサの出力に基
    づいて、前記機関へ供給する混合気の空燃比が目標空燃
    比に一致するように空燃比補正係数を決定し、該空燃比
    補正係数を用いて燃料供給量をフィードバック制御する
    フィードバック制御手段と、 暖機終了後の機関運転状態における所定条件の成立後の
    所定期間において前記フィードバック制御手段によって
    決定された空燃比補正係数を学習して第1学習値を算出
    する第1学習値算出手段と、 イドル以外の運転状態で、且つ空燃比フィードバック
    制御中において、前記フィードバック制御手段によって
    決定された空燃比補正係数を学習して第2学習値を算出
    する第2学習値算出手段と、 前記第1学習値を用いて前記混合気を理論空燃比よりリ
    ーン側の空燃比に制御するリーン制御手段と、 前記第学習値と第学習値との偏差が所定再学習判定
    閾値以上である場合に前記第1学習値を再学習する再学
    習手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記第2学習値算出手段は、前記第1学
    習値の算出完了前に前記第2学習値の算出を行うことを
    特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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