JP4263466B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を駆動する内燃機関の制御装置に関し、特に車両の急加速時にスロットル弁開度の増加速度の制限及び/または点火時期の遅角制御を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の加速時に車体振動を抑制するための技術が、特許文献1〜3に示されている。特許文献1には、車両を駆動する機関のスロットル弁開度が、所定開度に達するまでは、スロットル弁の開弁速度に制限をかけずに開弁作動させ、スロットル弁開度が所定開度に達した後は、開弁速度をそれまでの速度に比べて緩やかなものに変更する技術が示されている。
【0003】
特許文献2には、機関回転速度に応じて点火時期の遅角制御を行い、加速時における機関トルクの急激な増加を抑制し、車体振動を防止する技術が示されている。
特許文献3には、加速時の振動抑制のために、内燃機関の点火時期制御を行うとともに、スロットル弁開弁速度制御を行い、点火時期制御のみによる場合よりさらに振動抑制効果を得る技術が示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−310637号公報
【特許文献2】
特開平5−321803号公報
【特許文献3】
特開2000−356153号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
スロットル弁開度及び点火時期を同時に制御することにより、加速時の車体振動を効果的に抑制することは可能である。しかしながら、運転状況によっては急激な加速が要求される場合があり、その際にスロットル開度が規制されることは好ましくない。
また点火時期の遅角が行われると、機関排気温度が上昇するため、排気系に設けられた排気浄化用の触媒の劣化を促進するという問題がある。
【0006】
本発明は上述した点に着目してなされたものであり、車両加速時のスロットル弁開弁速度制御及び/または点火時期の遅角制御をより適切に行い、車両の運転状況に適した振動抑制制御を実現することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、車両を駆動する内燃機関の制御装置において、前記機関の運転状態を検出する機関運転状態検出手段(4,8,11)、前記車両のアクセルペダル操作量(AP)を検出するアクセルペダル操作量検出手段(31)、及び前記車両の変速機のギヤ位置(NGR)を検出するギヤ位置検出手段(41)を含み、前記車両の運転状態を検出する車両運転状態検出手段(4,8,11,31,15,32,41)と、前記アクセルペダル操作量(AP)に応じて前記機関のスロットル弁の目標開度(THCMD)を設定する目標開度設定手段と、検出された機関運転状態に基づいて前記機関の点火時期(IGMAP)を算出する点火時期算出手段と、前記スロットル弁を開閉させるスロットル弁開閉手段(7)と、前記スロットル弁の開度(TH)が前記目標開度(THCMD)となるように前記スロットル弁開閉手段(7)を制御する開閉制御手段と、前記アクセルペダル操作量(AP)に応じて前記車両の加速状態を判定する加速状態判定手段と、前記車両が加速状態にあると判定されたときに、前記スロットル弁の目標開度(THCMD)の増加速度を規制する開度増加規制手段と、前記車両が加速状態にあると判定されたときに、前記点火時期(IGMAP)を遅角方向に補正する点火時期補正手段と、前記アクセルペダル操作量(AP)が所定操作量(APX0)より小さく、かつ前記ギヤ位置(NGR)が所定位置(3)にあるとき若しくは前記所定位置(3)より低速側であるとき、前記開度増加規制手段及び前記点火時期補正手段の作動を許可し、前記アクセルペダル操作量(AP)が前記所定操作量(APX0)より小さく、かつ前記ギヤ位置(NGR)が前記所定位置(3)より高速側であるとき、前記点火時期補正手段のみの作動を許可し、前記アクセルペダル操作量(AP)が前記所定操作量(APX0)以上であるときは、前記点火時期補正手段のみの作動を許可する加速制御実行手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、車両が加速状態にあると判定された場合において、アクセルペダル操作量が所定操作量より小さく、かつギヤ位置が所定位置にあるとき若しくは所定位置より低速側であるときに、スロットル弁の目標開度の増加を規制する開度増加規制手段及び点火時期を遅角方向に補正する点火時期補正手段の作動が許可され、アクセルペダル操作量が所定操作量より小さく、かつギヤ位置が所定位置より高速側であるとき、点火時期補正手段のみの作動が許可される。したがって、アクセルペダル操作量が所定操作量より小さい場合でも、ギヤ位置が所定位置より高速側であるときは、開度増加規制手段の作動を禁止してより速い加速を実現し、またギヤ位置が所定位置または所定位置より低速側にあるときは、開度増加規制手段及び点火時期補正手段の作動がともに許可され、加速時の振動を抑制することが可能となる。またアクセルペダル操作量が所定操作量以上であるときは、点火時期補正手段のみの作動が許可されるので、急激な加速が必要な場合に速い加速を実現することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記車両運転状態検出手段は、前記機関の排気系に設けられた触媒の温度(TCAT)を検出する触媒温度検出手段(15)を備え、前記加速制御実行手段は、前記触媒の温度(TCAT)が所定温度(TCATX)以上であるときは、前記開度増加規制手段のみの作動を許可することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、触媒温度が所定温度以上であるときは、開度増加規制手段のみの作動が許可されるので、点火時期補正手段の作動に起因する排気温度の上昇がなく、触媒の早期劣化を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関とその制御装置の構成を示す図である。図1において、例えば4気筒を有する内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、マニュアルモード付きの自動変速機(図示せず)を備えた車両に搭載され、当該車両を駆動する。
【0014】
エンジン1は、吸気管2を備え、吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。また、スロットル弁3にはスロットル弁開度(TH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下「ECU」という)5に供給する。スロットル弁3には、スロットル弁3を駆動するアクチュエータ7が接続されており、アクチュエータ7は、ECU5によりその作動が制御される。
【0015】
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
【0016】
一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管内絶対圧(PBA)センサ8が設けられており、この絶対圧センサ8により電気信号に変換された絶対圧信号は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気温(TA)センサ9が取付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力してECU5に供給する。
【0017】
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ10はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供給する。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ11が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ11は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば30度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU5に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
【0018】
エンジン1の各気筒毎に設けられた点火プラグ1は、ECU5に接続されており、点火プラグ1の駆動信号、すなわち点火信号がECU5から供給される。
エンジン1の排気管13には、排気浄化用の三元触媒14が設けられている。三元触媒14には、触媒温度TCATを検出する触媒温度センサ15が取り付けられており、触媒温度センサ15の検出信号は、ECU5に供給される。
【0019】
ECU5には、エンジン1により駆動される車両のアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ31、当該車両の車速VPを検出する車速センサ32が接続されており、これらのセンサの検出信号がECU5に供給される。
【0020】
さらにECU5には、自動変速機の制御を行う変速制御ECU41が接続されており、自動変速機の作動モード(運転者が変速段を指定可能なマニュアルモードか、自動的に変速段が選択されるオートモードか)を示す情報、自動変速機のシフトレバー位置(ドライブ(D)、リバース(R)、ニュートラル(N)、またはパーキング(P)のいずれが選択されているか)を示す情報、及び選択変速段(1速〜6速)を示すギヤ位置番号NGRが供給される。
【0021】
ECU5は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路のほか、アクチュエータ7、点火プラグ12、及び燃料噴射弁6に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
【0022】
ECU5のCPUは、アクセルセンサ31により検出されるアクセルペダル操作量APに応じてスロットル弁3の目標開度THCMDを算出し、スロットル弁開度THが目標開度THCMDに一致するようにアクチュエータ7の駆動制御を行う。
【0023】
さらにECU5のCPUは、点火時期IGLOGを算出し、点火時期IGLOGに対応する点火信号を生成する。点火時期IGLOGは、上死点からの進角量で示される。
【0024】
図2は、目標開度THCMDを算出する処理のメインルーチンのフローチャートである。この処理は、ECU7のCPUで所定時間(例えば10ミリ秒)毎に実行される。
ステップS11では、アクセルペダル操作量APに応じて目標開度THCMDを算出する。ここでは、目標開度THCMDは、アクセルペダル操作量APにほぼ比例するように設定される。ステップS12では、変速機のギヤ位置がニュートラルであるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、車速VPが所定車速VPX(例えば5km/h)以下であるか否かを判別する(ステップS13)。ギヤ位置がニュートラルであって、かつ車速VPが所定車速VPX以下であるときは、直ちに本処理を終了する。したがって、この場合はステップS11で算出された目標開度THCMDがそのまま適用される。
【0025】
ギヤ位置がニュートラルでないとき、またはニュートラルであっても車速VPが所定車速VPXより高いときは、ステップS14に進み、リバースギヤが選択されているか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、直ちに本処理を終了する。
【0026】
ステップS14の答が否定(NO)であるとき、すなわち変速段が1速から6速のいずれかであるときは、図3に示す車両運転状態判定処理を実行する。
【0027】
図3のステップS20では、リタード禁止フラグFRIBTが「1」であるか否かを判別する。リタード禁止フラグFRIBTは、ノッキング発生時に実行される点火時期のノックリタード制御中に「1」に設定され、このとき点火時期の加速リタード制御は禁止される。したがって、FRIBT=1であって点火時期のリタードが禁止されているときは、切り替えフラグFSWを「1」に設定し(ステップS23)、ステップS29に進む。切り替えフラグFSWが「1」に設定されたときは、点火時期の加速リタード制御が禁止され、スロットル弁開度の増加規制制御(急加速時にスロットル弁開度の増加速度を抑制する制御)が許可される。
【0028】
FRIBT=1であるときは、触媒温度TCATが所定温度TCATX(例えば900℃)以上か否かを判別する(ステップS21)。その答が否定(NO)であるときは、エンジン回転数NEが所定回転数NEX(例えば1000rpm)以下であるか否かを判別する(ステップS22)。そして、ステップS21またはS22の答が肯定(YES)であるときは、すなわち触媒温度TCATが高いとき、またはエンジン1がアイドル状態にあるときは、点火時期の加速リタード制御を禁止すべく、前記ステップS23に進む。
【0029】
一方、ステップS21及びS22の答がともに否定(NO)であるときは、変速機の作動モードがマニュアルモードに設定されているか否かを判別する(ステップS24)。その答が肯定(YES)であるときは、アクセルペダル操作量APが所定操作量APX0(例えば、アクセルペダルの操作範囲が0度から20度の範囲である場合、17.5度に相当する値とする)以上であるか否かを判別を判別する(ステップS25)。この答が否定(NO)であるときは、さらにギヤ位置番号NGRが「3」より大きいか否か、すなわち4速、5速または6速の何れかが選択されているか否かを判別する(ステップS26)。その結果、マニュアルモードが選択され、アクセルペダル操作量APが所定操作量APX0より小さく、かつギヤ位置番号NGRが「3」以下であるときは、切り替えフラグFSWを「3」に設定する。切り替えフラグFSWが「3」に設定されると、点火時期の加速リタード制御及びスロットル弁開度の増加規制制御がともに許可される。
【0030】
またマニュアルモードが選択されていないとき、アクセルペダル操作量APが所定操作量APX0以上であるとき、またはギヤ位置番号NGRが「3」より大きいときは、切り替えフラグFSWを「2」に設定する(ステップS27)。切り替えフラグFSWが「2」に設定されると、点火時期の加速リタード制御が許可され、スロットル弁開度の増加規制制御が禁止される。
【0031】
ステップS29では、トラクション制御の実行中であるか否かを判別する。トラクション制御は、車両の駆動輪速度及び従動輪速度に基づいて、駆動輪の過剰スリップ状態を判定し、過剰スリップ状態が検出されたときは、点火時期のリタードや一部気筒への燃料供給停止により、エンジン1の出力を低減させる制御である。
【0032】
トラクション制御が実行されていないときは、直ちに本処理を終了し、実行されているときは、切り替えフラグFSWを「0」に設定して(ステップS30)、本処理を終了する。切り替えフラグFSWが「0」に設定されると、点火時期の加速リタード制御及びスロットル弁開度の増加規制制御がともに禁止される。
【0033】
図2に戻り、ステップS16では、切り替えフラグFSWが「1」または「3」であるか否かを判別する。その答が否定(NO)、すなわち切り替えフラグFSWが「0」または「2」であるときは、直ちに本処理を終了する。したがって、スロットル弁開度の増加規制制御は実行されず、ステップS11で算出される目標開度THCMDがそのまま適用される。
一方切り替えフラグFSWが「1」または「3」であるときは、図4に示す急加速制御処理を実行する(ステップS17)。急加速制御処理では、車両の急加速時か否かを判別し、急加速時であると判別したときに急加速フラグFRACCが「1」に設定されるとともに、上限目標開度THACCGが算出される。
【0034】
ステップS18では、ステップS11で算出した目標開度THCMDが上限目標開度THACCG以上か否かを判別する。THCMD≧THACCGであるときは、目標開度THCMDを上限目標開度THACCGに変更する(ステップS19)。一方、THCMD<THACCGであるときは直ちに本処理を終了する。
【0035】
図4は、図2のステップS17で実行される急加速制御処理のフローチャートである。
ステップS31では、変速機のロックアップクラッチが係合状態にあるか否かを判別し、ロックアップクラッチが係合状態にないときは、ダウンカウントタイマTMDLYに所定遅延時間TDLY(例えば1秒)をセットしてスタートさせる(ステップS32)。次いで上限目標開度THACCG及び後述する加算項DTHACCGを初期化する(ステップS46)。具体的には、両者を所定値(例えば「0」)に設定する。次いで、急加速フラグFRACCを「0」に設定し(ステップS47)、目標開度THCMDの制限処理は実行しない。続くステップS48では、アップカウントタイマTMGOPNの値を「0」にリセットする。アップカウントタイマTMGOPNは、急加速フラグFRACCが「1」に設定された時点からの経過時間を計測するタイマである。
【0036】
ステップS31でロックアップクラッチが係合状態にあると判定されたときは、ステップS32でスタートしたタイマTMDLYの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS33)。TMDLY>0である間は、前記ステップS46に進み、TMDLY=0となると、ステップS34に進んで、急加速フラグFRACCが「1」であるか否かを判別する。最初は、FRACC=0であるので、ステップS35に進み、エンジン回転数NEに応じて図5に示すAPXテーブルを検索し、所定アクセルペダル操作量APXを算出する。
【0037】
次いで、アクセルペダル操作量APが所定アクセルペダル操作量APX以下か否かを判別し(ステップS36)、AP>APXであるときは、前記ステップS46に進む。したがって、急加速フラグFRACCは「0」に維持される。
ステップS36で、AP≦APXであるときは、アップカウントタイマTMGOPNを「0」にリセットし(ステップS37)、アクセルペダル操作量APの今回値AP(n)と前回値AP(n-1)との差、すなわちアクセルペダル操作量APの変化量DAP(=AP(n)−AP(n-1))が、所定変化量DAPX(例えば、アクセルペダルの操作範囲が0度から20度の範囲である場合、0.0025度に相当する値とする)より大きいか否かを判別する(ステップS40)。ここで、本処理は例えば10ミリ秒毎に実行されるので、所定変化量DAPXは10ミリ秒当たりのアクセルペダル操作量APの変化量に相当し、アクセルペダル操作量APの所定増加速度に対応する閾値である。
【0038】
ステップS40の答が否定(NO)であって、アクセルペダル操作量APの増加速度が小さいときは、前記ステップS46に進み、目標開度THCMDの制限処理は実行しない。ステップS40で(AP(n)−AP(n-1))>DAPXであるときは、急加速フラグFRACCを「1」に設定し(ステップS41)、ステップS42に進む。急加速フラグFRACCが「1」に設定されると、以後の処理ではステップS34から直ちにステップS42に進む。
ステップS42では、図6に示す加算項DTHACCGを算出する処理を実行する。
【0039】
図6のステップS51では、アップカウントタイマTMGOPNの値に応じて図7に示すDTHACCGBテーブルを検索し、加算項の基本値DTHACCGBを算出する。DTHACCGBテーブルは、タイマTMGOPNの値が増加するほど、加算項の基本値DTHACCGBが増加するように設定されている。
【0040】
ステップS52では、エンジン回転数NEに応じて図8に示すKNテーブルを検索し、回転数補正係数KNを算出する。KNテーブルは、高回転領域で、エンジン回転数NEが増加するほど、回転数補正係数KNが増加するように設定されている。このように設定されるのは、スロットル弁開度THを一定とした場合、高回転領域では、エンジン回転数NEが増加するほどエンジン出力トルクが減少する傾向があるため、その減少分を補正するためである。
【0041】
ステップS53では、目標開度THCMDが所定開度THLH(例えば70度)より大きいか否かを判別し、THCMD≦THLHであるときは、下記式(1)に基本値DTHACCGB及び回転数補正係数KNを適用して、加算項DTHACCGを算出する(ステップS54)。
DTHACCG=DTHACCGB×KN×KGR (1)
【0042】
ここで、KGRは選択中の変速比(変速段)、すなわちギヤ位置番号NGRに応じた変速補正係数であり、ギヤ位置番号NGRが増加するほど(変速段が高速段であるほど)増加するように、例えば1.0から1.7の範囲で設定される。変速段が高速段(例えば5速)にあるときは、低速段(例えば1速、2速)にあるときに比べて、スロットル弁開度THの増加量に対する出力トルクの増加量の比が小さくなることを考慮し、高速段においては低速段より目標開度THCMDの増加量を増やすようにしたものである。
【0043】
一方ステップS53でTHCMD>THLHであって運転者の要求出力が大きいときは、下記式(2)に基本値DTHACCGB、回転数補正係数KN及び変速補正係数KGRを適用して、加算項DTHACCGを算出する(ステップS55)。
DTHACCG=DTHACCGB×KN×KGR×KWOT (2)
ここで、KWOTは、例えば1.6程度に設定される高負荷補正係数である。
【0044】
続くステップS56では、ステップS54またはS55で算出された加算項DTHACCGが上限値DTHACCGH(例えば3度)より大きいか否かを判別し、DTHACCG≦DTHACCGHであるときは直ちに本処理を終了し、DTHACCG>DTHACCGHであるときは、加算項DTHACCGを上限値DTHACCGHに設定する(ステップS57)。
【0045】
図4に戻り、ステップS43では、ステップS42で算出した加算項DTHACCGを下記式(3)に適用し、上限目標開度THACCGを算出する。
THACCG=THCMD(n-1)+DTHACCG (3)
ここで、THCMD(n-1)は、目標開度の前回値である。
【0046】
ステップS44では、アップカウントタイマTMGOPNの値が所定時間TGOPN(例えば0.5秒)以上か否かを判別し、TMGOPN<TGOPNである間は、目標開度THCMDが上限目標開度THACCG以上か否かを判別する(ステップS45)。THCMD≧THACCGであるときは直ちに本処理を終了する。したがって、図2の処理において、ステップS18からステップS19に進み、目標開度THCMDは上限目標開度THACCGに変更される。
【0047】
一方ステップS45でTHCMD<THACCGであるときは、目標開度THCMDを変更する(制限する)必要がないので、前記ステップS46に進み、急加速時の目標開度の制限処理が終了する。
また急加速フラグFRACCが「1」に設定された時点から所定時間TGOPNが経過すると、ステップS44の答が肯定(YES)となり、前記ステップS46に進む。これにより急加速時の目標開度の制限処理が終了する。
【0048】
図4の処理によれば、ステップS40の答が否定(NO)であってアクセルペダル操作量APの増加速度が小さい間は、ステップS41以下の処理が実行されず、ステップS40の答が肯定(YES)となりアクセルペダル操作量APの増加速度が大きいときのみ、目標開度THCMDの増加速度制限処理が実行されるため、CPUの演算負荷を従来に比べて軽減することができる。
【0049】
図9は、急加速時の目標開度THCMDの推移を説明するためのタイムチャートである。同図に示すラインL1は、アクセルペダル操作量APに比例して設定された目標開度THCMDを示し、ラインL2は、加算項DTHACCGを基本値DTHACCGBに設定した場合の目標開度THCMDの推移を示す。またラインL3は、上記式(2)により算出された加算項DTHACCGを適用した場合の目標開度THCMDの推移を示す。この図から明らかなように、アクセルペダル操作量APの増加速度が大きい場合には、実際の目標開度THCMDは、ラインL3で示すように設定され(したがってスロットル弁開度THもほぼ同様に推移し)、加速時の運転性をできる限り損ねないようにして加速ショックが抑制される。
【0050】
図10は、点火時期IGLOGを算出するメインルーチンのフローチャートである。この処理は、TDCパルスの発生に同期してECU5のCPUで実行される。
ステップS121では、前述した各種センサにより検出される運転パラメータを読み込み、次いでエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて、IGMAPマップ(図示せず)を検索し、基本点火時期IGMAPを算出する(ステップS122)。
【0051】
ステップS123では、切り替えフラグFSWが「2」または「3」であるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、図11及び図12に示す処理を実行し、加速リタード補正量IGACCRを算出する(ステップS124)。加速リタード補正量IGACCRは、車両加速時に車両の振動を防止するために点火時期を遅角補正するために導入されている。
【0052】
一方切り替えフラグFSWが「0」または「1」であるときは、加速リタード制御は禁止されるので、加速リタード補正量IGACCRを「0」に設定して(ステップS125)、ステップS126に進む。
ステップS126では、下記式(4)に基本点火時期IGMAP及び加速リタード補正量IGACCRを適用し、点火時期IGLOGを算出する。
IGLOG=IGMAP−IGACCR+IGCRO (4)
【0053】
ここで、IGCROは、加速リタード補正量IGACCR以外の補正量であり、例えばエンジン水温TWに応じて設定される水温補正量、吸気温TAに応じて設定される吸気温補正量、及び冷間始動時にエンジン1の暖機を促進するための暖機補正量が含まれる。
【0054】
ステップS127では、算出された点火時期IGLOGに基づく点火信号を出力する。これにより、各気筒の点火プラグ12の点火時期が制御される。
【0055】
図11及び図12は、図10のステップS124で実行される加速リタード補正量IGACCRの算出処理のフローチャートである。
ステップS131では、エンジン回転数NEの今回値NE(n)から前回値NE(n−1)を減算することにより、回転変化量DNEを算出するとともに、回転変化量DNEの今回値DNE(n)から前回値DNE(n−1)を減算することにより、回転変化量微分値DDNEを算出する。
【0056】
ステップS132では、図16に示す加速リタード制御実行領域判定処理を実行する。図16の処理では、エンジン1が加速リタード制御の実行に適した運転領域で運転されているか否かが判定される。
【0057】
図16のステップS171では、エンジン回転数NEに応じて図17に示すTHACCRテーブルを検索し、スロットル弁開度判定値THACCRを算出する。THACCRテーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど、スロットル弁開度判定値THACCRが増加するように設定されている。
【0058】
THACCRテーブルが図17に示すように設定されるのは、以下の理由による。本実施形態では、スロットル弁3の開度が低開度状態から増加することが加速リタード制御の開始条件の1つとなっており、スロットル弁開度THがスロットル弁開度判定値THACCRより小さいとき、低開度状態と判定される。一方、エンジン回転数NEが高いほどエンジン出力トルクが大きくなるため、加速度変動による車両前後振動は、エンジン回転数NEが高いほど発生しやすい。そこで、エンジン回転数NEが高くなるほどスロットル弁開度判定値THACCRを大きな値に設定することにより、低開度状態と判定されるスロットル弁開度領域を拡大し、加速リタード制御の実行頻度を高めるようにしている。
【0059】
ステップS172では、スロットル弁開度THの今回値TH(n)から前回値TH(n−1)を減算することにより、スロットル弁開度変化量DTHACRを算出する。
ステップS173では、エンジン水温TWが所定水温TWIGACCRより高いか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、車速VPが下限車速VIGACCRL(例えば5km/h)より高く、上限車速VIGACCRH(例えば180km/h)より低いか否かを判別し(ステップS174)、その答が肯定(YES)であるときは、エンジン回転数NEが下限回転数NIGACCRL(例えば1000rpm)より高く、上限回転数NIGACCRH(例えば7000rpm)より低いか否かを判別する(ステップS175)。そして、ステップS173〜S175の答がすべて肯定(YES)であるときは、エンジン1が加速リタード制御の実行に適した運転領域で運転されていると判定し、加速リタード制御の実行を許可すべく、加速リタード許可フラグFIGACCRを「1」に設定する(ステップS177)。
【0060】
一方、ステップS173〜S175の何れかの答が否定(NO)であるときは、エンジン1が加速リタード制御の実行に適した運転領域で運転されていないと判定し、加速リタード制御の実行を禁止すべく、加速リタード許可フラグFIGACCRを「0」に設定する(ステップS176)。
【0061】
図11に戻り、ステップS132に続くステップS133〜S146では、加速リタード制御の開始条件が成立しているか否かを判別する。先ずステップS133では、図16の処理で設定される加速リタード許可フラグFIGACCRが「1」であるか否かを判別し、FIGACCR=0であって、加速リタード制御が禁止されているときは、回転数低下フラグFACCR、エアコン停止フラグFIGACCN、及びエアコン作動フラグFIGACCANをそれぞれ「0」に設定する(ステップS134,S135,S136)。回転数低下フラグFACCRは、エンジン回転数NEの低下量が大きいとき「1」に設定される(ステップS145)。エアコン停止フラグFIGACCNは、当該車両の空調装置(図示せず)が停止しているとき「1」に設定され(ステップS152)、エアコン作動フラグFIGACCANは、前記空調装置が作動しているとき「1」に設定される(ステップS153)。
【0062】
次いで、加速リタード量算出値IGACCRAM及び加速リタード補正量IGACCRをそれぞれ「0」に設定し(ステップS147,S148)、本処理を終了する。
ステップS133でFIGACCR=1であって、加速リタード制御が許可されているときは、回転数低下フラグFACCRが「1」であるか否かを判別する(ステップS137)。加速リタード制御が許可された直後は、FACCR=0であるので、ステップS138に進み、加速リタード量算出値IGACCRAMが「0」であるか否かを判別する。加速リタード制御が許可された直後は、IGACCRAM=0であるので、ステップS139に進む。
【0063】
ステップS139では、スロットル弁開度の前回値TH(n−1)が、図16のステップS171で設定されるスロットル弁開度判定値の今回値THACCR(n)より小さいか否かを判別し、この答が肯定(YES)であるときは、スロットル弁開度変化量DTHACRが所定変化量DTHACCR(例えば10度)より大きいか否かを判別する(ステップS140)。ステップS139またはS140の答が否定(NO)であるとき、すなわちスロットル弁が前回、低開度状態になかったとき、または低開度状態から急激に開弁されていないときは、加速リタード制御の開始条件が不成立と判定し、加速リタード量算出値IGACCRAMが「0」であるか否かを判別する(ステップS141)。その答が肯定(YES)であるときは、前記ステップS135に進む。一方、IGACCRAM>0であって加速リタード制御が実行されているときは、ステップS160に進む。
【0064】
ステップS139及びS140の答がともに肯定(YES)であるときは、ステップS131で算出される回転変化量DNEが「0」より大きいか否かを判別する(ステップS142)。この答が肯定(YES)であるとき、すなわちスロットル弁が低開度から急激に開弁され、かつエンジン回転数NEが増加しているときは、加速リタード制御の開始条件が成立していると判定して、回転数低下フラグFACCRを「0」に設定し(ステップS143)、ステップS149に進む。
【0065】
ステップS142でDNE≦0であってエンジン回転数NEが増加していないときは、回転変化量の絶対値|DNE|が所定判定値DNACCR0(例えば10rpm)より大きいか否かを判別する(ステップS144)。この答が否定(NO)のとき、すなわちエンジン回転数NEが低下していても、低下量が小さいときは、加速リタード制御の開始条件が成立していると判定し、前記ステップS143に進む。
【0066】
ステップS144で|DNE|>DNACCR0であって、エンジン回転数NEが低下しており、且つその低下量が大きいときは、加速リタード制御の開始条件不成立と判定し、回転数低下フラグFACCRを「1」に設定して(ステップS145)、前記ステップS147に進む。
【0067】
このように回転数低下フラグFACCRが「1」に設定されると、ステップS137の答が肯定(YES)となり、ステップS142に進む。すなわち、スロットル弁3が急激に開弁された場合において、エンジン回転数NEが低下していて、その低下量が大きいときには、加速リタード制御の開始を保留し、その後エンジン回転数NEが上昇するのを待って加速リタード制御が開始される。
【0068】
また、ステップS138の答が否定(NO)であって加速リタード制御実行中のときは、リタード終了タイマTACCREの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS146)。その答が肯定(YES)のときは、前記ステップS139に進み、否定(NO)のときはステップS160に進む。
【0069】
ステップS142またはS144により、加速リタード制御の開始条件が成立していると判定されたときは、ステップS143に続く図12のステップS149〜S159において、加速リタード量算出値IGACCRAMの設定を行う。
【0070】
ステップS149では、エアコン作動フラグFIGACCANが「1」であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、さらにエアコン停止フラグFIGACCNが「1」であるか否かを判別する(ステップS150)。ステップS149及びS150の答がともに否定(NO)であるときは、当該車両の空調装置(図示せず)のエアコンクラッチが接続(ON)状態にあるか否かを判別する(ステップS151)。その答が肯定(YES)であるときは、エアコン作動フラグFIGACCANを「1」に設定し(ステップS153)、否定(NO)であるときは、エアコン停止フラグFIGACCNを「1」に設定する(ステップS152)。また、ステップS149の答が肯定(YES)であって、エアコン作動フラグFIGACCANがすでに「1」に設定されているときは、直ちにステップS153に進む。また、ステップS150の答が肯定(YES)であって、エアコン停止フラグFIGACCNがすでに「1」に設定されているときは、直ちにステップS152に進む。このように、エアコン停止フラグFIGACCN及びエアコン作動フラグFIGACCANは、エアコンクラッチの作動続状態に応じて一旦設定されると、以降はその設定値が保持される。
【0071】
エアコン停止フラグFIGACCNが「1」であるときは、エンジン回転数NEに応じて図13(a)に示すIGACCRNテーブルを検索し、エアコン停止用テーブル値IGACCRNを算出し、そのエアコン停止用テーブル値IGACCRNを加速リタード量基本値IGACCRXとして設定する(ステップS154)。IGACCRNテーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど、テーブル値IGACCRNが増加するように設定されている。前述したように、エンジン回転数NEが高いほど、エンジン1の出力トルクが大きく、車両前後振動が生じやすいので、加速リタード量基本値IGACCRXをより大きな値に設定することにより、遅角補正によるエンジン1のトルク低下量をより大きくするためである。
【0072】
またエアコン作動フラグFIGACCANが「1」であるときは、エンジン回転数NEに応じて図13(b)に示すIGACCRANテーブルを検索し、エアコン作動用テーブル値IGACCRANを算出し、そのエアコン作動用テーブル値IGACCRANを加速リタード量基本値IGACCRXとして設定する(ステップS155)。IGACCRANテーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど、テーブル値IGACCRANが増加するように設定されている。またエアコン作動用テーブル値IGACCRANは、同一のエンジン回転数NEに対して、エアコン停止用テーブル値IGACCRNより小さな値に設定されている。これは、空調装置の作動に伴うエンジン負荷の増大に対応して、エンジン1の出力トルクを確保するためである。
【0073】
ステップS156では、スロットル弁開度THに応じて図14に示すKTHACRテーブルを検索し、スロットル弁開度補正係数KTHACRを算出する。KTHACRテーブルは、スロットル弁開度THが増加するほど補正係数KTHACRが増加するように設定されている。これは、スロットル弁開度THが大きいほど、エンジン1の出力トルクが大きく、車両前後振動が生じ易いので、スロットル弁開度補正係数KTHACRをより大きな値に設定することによって、エンジン1のトルクダウン量をより大きくするためである。
【0074】
ステップS157では、ギヤ位置番号NGRに応じて図15に示すKNGRテーブルを検索し、ギヤ位置補正係数KNGRを算出する。KNGRテーブルは、ギヤ位置番号NGRが小さくなるほど(変速段が低速側であるほど)、ギヤ位置補正係数KNGRが大きくなるように設定されている。これはギヤ位置番号NGRが小さいほど、加速時における駆動輪側からの反動が大きく、車両前後振動が生じ易いので、ギヤ位置補正係数KNGRを増加させることにより、エンジン1のトルクダウン量をより大きくするためである。
【0075】
ステップS158では、ステップS154またはS155で算出される加速リタード量基本値IGACCRX、ステップS156で算出されるスロットル弁開度補正係数KTHACR、及びステップS157で算出されるギヤ位置補正係数KNGRを下記式(5)に適用し、加速リタード量算出値IGACCRAMを算出する。
IGACCRAM=KTHACR×KNGR×IGACCRX (5)
【0076】
ステップS159では、ダウンカウントタイマTACCRDE及び前記加速リタード終了タイマTACCREを、それぞれ所定時間TMACCRDE(例えば、200ミリ秒)及びTMACCRE(例えば1.5秒)にセットしてスタートさせるとともに、初回加速リタード指示フラグFIGACCR1を「1」に設定し、初回加速リタード中フラグFIGACCR1Aをともに「0」に設定する。ダウンカウントタイマTACCRDEは、後述する加速リタード実行フラグFIGACCRDの反転(「0」から「1」への変化、またはその逆の変化)の有無を判定するために使用される。
次いで、ステップ160に進み、図18及び図19に示す、IGACCR算出サブルーチンを実行し、加速リタード補正量IGACCRを算出する。
【0077】
図18のステップS181では、回転変化量DNEが「0」よりも大きいか否かを判別する。この答が肯定(YES)であって、DNE>0であるとき、すなわちエンジン回転数NEが上昇しているときには、回転変化量の絶対値|DNE|が上昇側の判定値DNEACCRP(例えば10rpm)以上であるか否かを判別する(ステップS182)。この答が否定(NO)であって、|DNE|<DNEACCRPであるときには、ステップS195(図19)に進む。この判別は、エンジン1の燃焼変動により回転変化量DNE中に含まれるノイズ成分を排除し、ノイズ成分に起因する加速リタードの誤作動を防止するためである。
【0078】
ステップS182の答が肯定(YES)であって、|DNE|≧DNEACCRPであるときには、回転変化量微分値DDNEが「0」以上であるか否かを判別する(ステップS183)。この答が肯定(YES)であって、DDNE≧0であるとき、すなわち回転変化量DNEが減少していないときには、加速リタードの実行条件が成立していない判定として、ステップS195に進む。一方、ステップS183の答が否定(NO)であって、DDNE<0であるとき、すなわちエンジン回転数NEが上昇し、かつ回転変化量DNEが減少しているときには、車両駆動力が増加しており、加速リタードの実行条件が成立していると判定して、加速リタード実行フラグFIGACCRDが「1」であるか否かを判別する(ステップS184)。そして、この答が否定(NO)であるときには、加速リタード実行フラグFIGACCRDを「1」に設定する(ステップS185)一方、この答が肯定(YES)であって、すでに加速リタードを実行しているときには、ステップS195に進む。
【0079】
ステップS186では、初回加速リタード指示フラグFIGACCR1が「1」であるか否かを判別する。図12のステップ159の実行により、加速リタード制御が開始された直後にはこの答が肯定(YES)となるので、ステップS187に進み、初回加速リタード中フラグFIGACCR1Aを「1」に設定した後、FIGACCRD反転タイマTACCRDEを所定時間TMACCRDEにセットしてスタートさせる(ステップS188)。一方、ステップS186の答が否定(NO)で、FIGACCR1=0であるとき、すなわち加速リタード制御の開始直後でないときには、ステップS187をスキップして、ステップS188に進む。
【0080】
また、ステップS181の答が否定(NO)で、回転変化量DNE≦0であるとき、すなわちエンジン回転数NEが低下しているかまたは変化していないときには、回転変化量の絶対値|DNE|が低下側の判定値DNEACCRM(例えば5rpm)以上であるか否かを判別する(ステップS189)。この答が否定(NO)であって、|DNE|<DNEACCRMであるときには、ステップS195に進む。ステップS189の答が肯定(YES)であって、|DNE|≧DNEACCRMであるときには、回転変化量微分値DDNEが「0」以上であるか否かを判別する(ステップS190)。この答が否定(NO)であって、DDNE<0であるとき、すなわち回転変化量DNEが減少しているときには、ステップS195に進む。
【0081】
一方、ステップS190の答が肯定(YES)であって、DDNE≧0であるとき、すなわちエンジン回転数NEが低下しており、かつ回転変化量DNEが減少していないときには、車両駆動力が増加しておらず、加速リタードの停止条件が成立している判定として、加速リタード実行フラグFIGACCRDが「1」であるか否かを判別する(ステップS191)。そして、この答が肯定(YES)であって、加速リタードの実行中であるときには、加速リタード実行フラグFIGACCRDを「0」にセットする(ステップS192)一方、この答が否定(NO)であって、すでに加速リタードの停止中であるときにはステップS195に進む。
【0082】
次いで、初回加速リタード中フラグFIGACCR1Aが「1」であるか否かを判別する(ステップS193)。この答が肯定(YES)、すなわち初回加速リタードの実行中であるときには、初回加速リタード指示フラグFIGACCR1及び初回加速リタード中フラグFIGACCR1Aをいずれも「0」に設定した(ステップS194)後、前記ステップS188に進む。また、ステップS193の答が否定(NO)で初回以外の加速リタードの実行中であるときには、ステップS194をスキップして、前記ステップS188に進む。
【0083】
以上のように、エンジン回転数NEが上昇しており(DNE>0、|DNE|≧DNEACCRP)、かつ回転変化量DNEが減少している(DDNE<0)ときには、車両駆動力が増加しており、加速リタードの実行条件が成立していると判定して、加速リタードが実行される。一方、エンジン回転数NEが低下しており(DNE<0、|DNE|≧DNEACCRM)、かつ回転変化量DNEが減少していない(DDNE≧0)ときには、車両駆動力が増加しておらず、加速リタードの停止条件が成立していると判定して、加速リタードが停止される。また、上記の2つの条件がいずれも成立していないときには、前回時の制御状態が保持される。
【0084】
図19のステップS195では、スロットル弁開度THが、図16のステップ171で設定したスロットル弁開度判定値THACCRよりも小さいか否かを判定する。この答が否定(NO)であって、スロットル弁開度THが低開度状態でないときには、FIGACCRD反転タイマTACCRDEの値が「0」であるか否かをを判別する(ステップS196)。この答が否定(NO)であるときは、さらに加速リタード終了タイマTACCREの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS197)。ステップS196及びS197の答がいずれも否定(NO)であるときは、加速リタード実行フラグFIGACCRDが「1」であるか否かを判別する(ステップS198)。
【0085】
このステップS198の答が肯定(YES)であって、加速リタードの実行条件が成立しているときには、初回加速リタード中フラグFIGACCR1Aが「1」であるか否かを判別する(ステップS199)。この答が肯定(YES)、すなわち今回が加速リタード制御開始後の初回の加速リタードであるときには、図12のステップ158で設定した加速リタード量算出値IGACCRAMに、「1.0」よりも大きな初回時補正係数KIGACCR1(例えば1.5)を乗算することにより、加速リタード補正量IGACCRを算出する(ステップS200)。また、ステップS199の答が否定(NO)、すなわち今回の加速リタードが2回目以降であるときには、加速リタード補正量IGACCRは、加速リタード量算出値IGACCRAMに設定される(ステップS201)。一方、ステップS198の答が否定(NO)であって、FIGACCRD=0であるとき、すなわち加速リタードの停止条件が成立しているときには、加速リタード補正量IGACCRを「0」に設定し(ステップS202)、本サブルーチンを終了する。
【0086】
以上のように、この加速リタード制御では、加速リタード実行フラグFIGACCRD=1のとき、すなわちエンジン回転数NEが上昇し且つ回転変化量DNEが減少しているときの加速リタードの実行と、FIGACCRD=0のとき、すなわちエンジン回転数NEが低下し且つ回転変化量DNEが減少していないときの加速リタードの停止とが、切り換えながら交互に行われる。また、初回の加速リタード時にのみ、初回時補正係数KIGACCR1が適用されることで、加速リタード補正量IGACCRがより大きな値に設定される。
【0087】
一方、ステップS197の答が肯定(YES)で、加速リタード終了タイマTACCREの値が「0」であるとき、すなわち加速リタード制御の開始後、所定時間TMACCREが経過したときには、加速リタード制御の終了モードに移行し、加速リタード量算出値IGACCRAMからリタード戻し量DIGACCR(例えば0.2度)を差し引いた値を、新たなIGACCRAM値として設定する(ステップS203)。このように加速リタード終了タイマTACCREが「0」になった後には、図11のステップ146の答が肯定(YES)になることで、ステップ139に進むので、スロットル弁3が急激に開弁操作されない限り、ステップ141の答が肯定(YES)になるまで、すなわち加速リタード量算出値IGACCRAMが「0」になるまで、ステップS203が繰り返し実行される。これにより、加速リタード補正量IGACCRが漸減されるとともに、その値が0になったときに加速リタード制御が終了する。
【0088】
また、ステップS196の答が肯定(YES)で、FIGACCRD反転タイマTACCRDEの値が「0」であるとき、すなわち加速リタード実行フラグFIGACCRDが、所定時間TMACCRDEの間、反転しなっかたときには、車両前後振動が収束したと判定し、加速リタード制御を終了する。すなわち、加速リタード終了タイマTACCREの値を「0」にリセットし(ステップS204)、次いで前記ステップS203に進む。これにより、加速リタード制御が強制的に終了モードに移行し、加速リタード補正量IGACCRが漸減される。
【0089】
さらに、ステップS195の答が肯定(YES)で、TH<THACCRであるときには、スロットル弁開度変化量DTHACRが「0」よりも小さく、かつその絶対値|DTHACR|が所定変化量DTHACCRよりも大きいか否かを判別する(ステップS205)。この答が否定(NO)であるときには、前記ステップS196に進む一方、肯定(YES)であるとき、すなわちスロットル弁3が急激に閉弁されたときには、前記ステップS204に進み、加速リタード終了タイマTACCREの値を「0」にリセットする。これにより、加速リタード制御が強制的に終了モードに移行する。
【0090】
以上のように、加速リタード制御は、その開始から所定時間TMACCREが経過したとき、加速リタード実行フラグFIGACCRDが所定時間TMACCRDEの間、反転しなかったとき、あるいはスロットル弁3が急激に閉弁されたときに、加速リタード補正量IGACCRを漸減する終了モードを経て、終了する。また、この終了モードの実行中および実行終了後には、図11のステップ146及びS138の答がそれぞれ肯定(YES)になることで、ステップ139に進むので、この状態でスロットル弁3が再度、急激に開弁され、実行条件が成立した場合には、加速リタード制御が再開される。
【0091】
図20は、これまでに述べた加速リタード制御による動作を示している。すなわち、時刻t1でスロットル弁3が急激に開弁され、エンジン回転数NEが上昇したとすると(図11のステップS142:YES)、加速リタード制御が開始され、図12のステップS149〜S159の実行によって、加速リタード量算出値IGACCRAMが算出されるとともに、FIGACCRD反転タイマTACCRDE及び加速リタード終了タイマTACCREがスタートし、初回加速リタード指示フラグFIGACCR1が「1」に設定される。
【0092】
その後、回転変化量DNE≧DNEACCRPで、かつ回転変化量微分値DDNE<0が成立したとき、すなわちエンジン回転数NEが上昇していて、回転変化量DNEが減少し始めたとき(時刻t2)に、加速リタード実行フラグFIGACCRDが「1」に設定され(図18のステップS184)、それに応じて加速リタードが実行される。すなわち、加速リタード補正量IGACCRが、加速リタード量算出値IGACCRAMに設定される(図19のステップS201)とともに、式(4)に従って、基本点火時期IGMAPと補正量IGCROの和から加速リタード補正量IGACCRを減算した値が、点火時期IGLOGとして設定される。なお、初回の加速リタード時のみは、初回加速リタード中フラグFIGACCR1Aが「1」に設定されるので、加速リタード補正量IGACCRが、加速リタード量算出値IGACCRAMに初回時補正係数KIGACCR1を乗算した割増された値に設定される(ステップS200)。
【0093】
その後、DNE<0、|DNE|≧DNEACCRMで、かつDDNE≧0が成立したとき、すなわちエンジン回転数NEが低下していて、かつ回転変化量DNEが増加し始めたとき(時刻t3)に、加速リタード実行フラグFIGACCRDが「0」に設定され(図18のステップS192)、それに応じて加速リタード補正量IGACCRが「0」に設定される(図19のステップS202)ことで、加速リタードが停止される。
【0094】
その後は、回転変化量DNEおよび回転変化量微分値DDNEの変化に応じて、加速リタード実行フラグFIGACCRDが「1」「0」間で切り換えられるごとに(時刻t4〜t7)、加速リタードの実行と停止が交互に行われる。
そして、上記のような加速リタード制御によって加速変動Gが次第に小さくなり、車両前後振動が収束することで、加速リタード実行フラグFIGACCRDが、所定時間TMACCRDEの間、反転しない状態になると、FIGACCRD反転タイマTACCRDEのタイマ値が「0」になり(時刻t8)、加速リタード終了タイマTACCREが強制的に「0」にリセットされ(ステップS204)、終了モードに移行する。この終了モードでは、スロットル弁3の急激な開弁操作がなされない限り、加速リタード量算出値IGACCRAMからのリタード戻し量DIGACCRの減算(ステップS203)が繰り返し実行され、加速リタード補正量IGACCRが「0」になるまで漸減される。なお、加速リタード制御の途中で、エンジン1の運転領域が実行領域から外れたときには、加速リタード補正量IGACCRが「0」に設定される(図12のステップ148)ことで、加速リタード制御が直ちに終了される。図20は、そのようなエンジン1の運転領域の逸脱が、終了モードの途中(時刻t9)で生じた例を示している。
【0095】
以上のように本実施形態では、車両運転状態に応じて切り替えフラグFSWを設定し、切り替えフラグFSWの値に応じて、スロットル弁の開弁速度を規制するスロットル弁の開度増加規制制御及び/または点火時期の加速リタード制御を実行するようにした。より具体的には、例えばアクセルペダル操作量APが大きいとき、あるいは変速段が高速側にあって、急激な加速が必要な場合には、切り替えフラグFSWが「2」に設定されて(図3,ステップS25,S26,S27参照)、スロットル弁の開度増加規制制御を禁止される。これにより、速い加速を実現することができる。また、触媒温度TCATが高い場合には、切り替えフラグFSWが{1」に設定され、点火時期の加速リタード制御が禁止される。これにより、排気温度を上昇を防止しながら、加速時の振動を抑制することが可能となる。
【0096】
本実施形態では、アクチュエータ7がスロットル弁開閉手段に相当し、スロットル弁開度センサ4、クランク角度位置センサ11及び吸気管内絶対圧センサ8が機関運転状態検出手段に相当し、アクセルセンサ31がアクセルペダル操作量検出手段に相当し、触媒温度センサ15が触媒温度検出手段に相当する。また、クランク角度位置センサ11、吸気管内絶対圧センサ8、アクセルセンサ31、車速センサ32、変速制御ECU41、及び触媒温度センサ15が、車両運転状態検出手段に相当する。さらにECU5が、目標開度設定手段、点火時期算出手段、開閉制御手段、加速状態判定手段、開度増加規制手段、点火時期補正手段、及び加速制御実行手段を構成する。より具体的には、図2のステップS11が目標開度設定手段に相当し、図4のステップS35〜S41、図11のステップS133〜S146、図18の処理、及び図19のステップS195〜S197及びS203〜S205が加速状態判定手段に相当し、スロットル弁開度THが目標開度THCMDに一致させるフィードバック制御(図示せず)が、開閉制御手段に相当し、図10のステップS122が点火時期算出手段に相当し、図19のステップS198〜S202及び図10のステップS126が点火時期補正手段に相当し、図3の処理、並びに図2のステップS16及び図10のステップS123が加速制御実行手段に相当する。
【0097】
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した図4の処理によれば、所定時間TGOPNに亘って目標開度THCMDの制限処理が行われ、選択中の変速段によって図21(a)に示すように、目標開度THCMDの増加速度が変化する。図21(a)において、ラインL11はアクセルペダル操作量APに比例する目標開度THCMDを示し、ラインL12は、変速段が5速の場合の制限された目標開度THCMDを示し、ライン13は、変速段が1速の場合の制限された目標開度THCMDを示す。このように目標開度THCMDが制限されるのは、所定時間TGOPNを一定とし、変速補正係数KGRを変速段に応じて設定するようにしたからである。これに代えて、変速補正係数KGRは常に「1.0」とし、所定時間TGOPNを変速段に応じて変更するようにしてもよい。図21(b)及び(c)は、そのような変形例を説明するためのタイムチャートであり、ラインL21はアクセルペダル操作量APに比例する目標開度THCMDを示し、ライン22は変速段が1速の場合の制限された目標開度THCMDを示し、ライン23は変速段が6速の場合の制限された目標開度THCMDを示す。すなわち、この変形例では、変速比が減少するほど(変速段が高速段となるほど)、所定時間TGOPNが減少するように設定する。
【0098】
また上記式(1)及び(2)に適用される回転数補正係数KNに代えて、アクセルペダル操作量APの増加速度に応じ算出されるアクセルペダル操作速度補正係数KDAPを、式(1)及び(2)に適用するようにしてもよい。この場合には、アクセルペダル操作速度補正係数KDAPは、アクセルペダル操作量APの増加速度が高くなるほど、増加するように設定される。
【0099】
また触媒温度検出手段は、エンジン1の始動時点からの経過時間、あるいはエンジン1の始動時点から噴射された燃料量の積算値に応じて予め設定された触媒温度テーブルを用いて触媒温度を推定する演算処理によって構成してもよい。
また上述した実施形態では、マニュアルモードに設定可能な自動変速機を備えた車両を駆動する内燃機関の制御に、本発明を適用する例を示したが、本発明は、手動変速機を備えた車両を駆動する内燃機関の制御にも適用可能である。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの制御にも適用が可能である。
【0100】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、車両が加速状態にあると判定された場合において、アクセルペダル操作量が所定操作量より小さく、かつギヤ位置が所定位置にあるとき若しくは所定位置より低速側であるときに、スロットル弁の目標開度の増加を規制する開度増加規制手段及び点火時期を遅角方向に補正する点火時期補正手段の作動が許可され、アクセルペダル操作量が所定操作量より小さく、かつギヤ位置が所定位置より高速側であるとき、点火時期補正手段のみの作動が許可される。したがって、アクセルペダル操作量が所定操作量より小さい場合でも、ギヤ位置が所定位置より高速側であるときは、開度増加規制手段の作動を禁止してより速い加速を実現し、またギヤ位置が所定位置または所定位置より低速側にあるときは、開度増加規制手段及び点火時期補正手段の作動がともに許可され、加速時の振動を抑制することが可能となる。またアクセルペダル操作量が所定操作量以上であるときは、点火時期補正手段のみの作動が許可されるので、急激な加速が必要な場合に速い加速を実現することができる。
【0101】
請求項2に記載の発明によれば、触媒温度が所定温度以上であるときは、開度増加規制手段のみの作動が許可されるので、点火時期補正手段の作動に起因する排気温度の上昇がなく、触媒の早期劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。
【図2】スロットル弁の目標開度(THCMD)を設定する処理のフローチャートである。
【図3】車両運転状態を判定する処理のフローチャートである。
【図4】急加速時にスロットル弁の開弁速度を制限する処理のフローチャートである。
【図5】図4の処理で使用されるテーブルを示す図である。
【図6】スロットル弁の開弁速度を制限するためのパラメータ(DTHACCG)を算出する処理のフローチャートである。
【図7】図6の処理で使用されるDTHACCGBテーブルを示す図である。
【図8】図6の処理で使用されるKNテーブルを示す図である。
【図9】スロットル弁の開弁速度を制限する場合における目標開度(THCMD)の推移を説明するためのタイムチャートである。
【図10】点火時期制御のメインルーチンのフローチャートである。
【図11】点火時期の加速リタード補正量(IGACCR)を算出するメインルーチンのフローチャートである。
【図12】点火時期の加速リタード補正量(IGACCR)を算出する処理のフローチャートである。
【図13】図12の処理で使用されるIGACCRNテーブル及びIGACCRANテーブルを示す図である。
【図14】図12の処理で使用されるKTHACRNテーブルを示す図である。
【図15】図12の処理で使用されるKNGRテーブルを示す図である。
【図16】加速リタード補正を許可する車両運転領域を判定する処理のフローチャートである。
【図17】図16の処理で使用されるTHACCRテーブルを示す図である。
【図18】点火時期の加速リタード補正量(IGACCR)を算出するサブルーチンのフローチャートである。
【図19】点火時期の加速リタード補正量(IGACCR)を算出するサブルーチンのフローチャートである。
【図20】点火時期の加速リタード制御を説明するためのタイムチャートである。
【図21】スロットル弁の開弁速度を制限するための他の実施例を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気管
3 スロットル弁
4 スロットル弁開度センサ(機関運転状態検出手段、車両運転状態検出手段)
5 電子コントロールユニット(目標開度設定手段、点火時期算出手段、開閉制御手段、加速状態判定手段、開度増加規制手段、点火時期補正手段、加速制御実行手段)
7 アクチュエータ(スロットル弁開閉手段)
8 吸気管内絶対圧センサ(機関運転状態検出手段、車両運転状態検出手段)
11 クランク角度位置センサ(機関運転状態検出手段、車両運転状態検出手段)
12 点火プラグ
14 三元触媒
15 触媒温度センサ(触媒温度検出手段、車両運転状態検出手段)
31 アクセルセンサ(アクセルペダル操作量検出手段、車両運転状態検出手段)
32 車速センサ(車両運転状態検出手段)
41 変速制御電子コントロールユニット(車両運転状態検出手段)

Claims (2)

  1. 車両を駆動する内燃機関の制御装置において、
    前記機関の運転状態を検出する機関運転状態検出手段、前記車両のアクセルペダル操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段、及び前記車両の変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置検出手段を含み、前記車両の運転状態を検出する車両運転状態検出手段と、
    前記アクセルペダル操作量に応じて前記機関のスロットル弁の目標開度を設定する目標開度設定手段と、
    検出された機関運転状態に基づいて前記機関の点火時期を算出する点火時期算出手段と、
    前記スロットル弁を開閉させるスロットル弁開閉手段と、
    前記スロットル弁の開度が前記目標開度となるように前記スロットル弁開閉手段を制御する開閉制御手段と、
    前記アクセルペダル操作量に応じて前記車両の加速状態を判定する加速状態判定手段と、
    前記車両が加速状態にあると判定されたときに、前記スロットル弁の目標開度の増加速度を規制する開度増加規制手段と、
    前記車両が加速状態にあると判定されたときに、前記点火時期を遅角方向に補正する点火時期補正手段と、
    前記アクセルペダル操作量が所定操作量より小さく、かつ前記ギヤ位置が所定位置にあるとき若しくは前記所定位置より低速側であるとき、前記開度増加規制手段及び前記点火時期補正手段の作動を許可し、前記アクセルペダル操作量が前記所定操作量より小さく、かつ前記ギヤ位置が前記所定位置より高速側であるとき、前記点火時期補正手段のみの作動を許可し、前記アクセルペダル操作量が前記所定操作量以上であるときは、前記点火時期補正手段のみの作動を許可する加速制御実行手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記車両運転状態検出手段は、前記機関の排気系に設けられた触媒の温度を検出する触媒温度検出手段を備え、前記加速制御実行手段は、前記触媒の温度が所定温度以上であるときは、前記開度増加規制手段のみの作動を許可することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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