JP4735650B2 - 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents

車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 Download PDF

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Description

本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
従来の車両用運転操作補助装置として、自車両が前方車両に接近する頻度を低下させるように情報伝達および制駆動力制御を行うものが知られている(特許文献1参照)。この装置は、自車両と前方車両との接近状態に基づいて自車両に発生する制駆動力およびアクセルペダルに発生する操作反力を制御することにより、運転者の運転操作を適切な方向に促して接近頻度を低下させるようにしている。
特開2003−267201号公報
上述した装置は、制駆動力およびアクセルペダル反力を介して運転者に接近状態を知覚させることが可能である。しかし、接近状態に応じて制駆動力制御を行う場合には、運転者が加速しようとアクセルペダルを踏み込んだ場合でも、意図に応じた加速度が得られない等、違和感を生じる可能性がある。
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両前方に存在する障害物を検出し、自車両と障害物との相対距離を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段の検出結果に基づいて、障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、アクセルペダルの操作パターンに基づいて運転者の加速意図を検出する運転意図検出手段と、アクセルペダル操作量に応じた要求駆動力に基づいて目標制駆動力を算出する制駆動力算出手段と、制駆動力算出手段で算出された目標制駆動力に基づいて自車両に発生する制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え、制駆動力算出手段は、運転者が加速しようとする意図が小さいほど小さくなる所定値を設定し、要求駆動力が所定値以上の場合は、所定値を下限値として、要求駆動力からリスクポテンシャルに応じた補正量を減算することによって目標制駆動力を算出する。
本発明による車両用運転操作補助方法は、自車両前方に存在する障害物を検出し、自車両と障害物との相対距離を検出し、障害物の検出結果に基づいて、障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出し、アクセルペダルの操作パターンに基づいて運転者の加速意図を検出し、アクセルペダル操作量に応じた要求駆動力に基づいて目標制駆動力を算出し、算出された目標制駆動力に基づいて自車両に発生する制駆動力を制御し、運転者が加速しようとする意図が小さいほど小さくなる所定値を設定し、要求駆動力が所定値以上の場合は、所定値を下限値として、要求駆動力からリスクポテンシャルに応じた補正量を減算することによって目標制駆動力を算出する。
本発明による車両は、自車両前方に存在する障害物を検出し、自車両と障害物との相対距離を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段の検出結果に基づいて、障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、アクセルペダルの操作パターンに基づいて運転者の加速意図を検出する運転意図検出手段と、アクセルペダル操作量に応じた要求駆動力に基づいて目標制駆動力を算出する制駆動力算出手段と、制駆動力算出手段で算出された目標制駆動力に基づいて自車両に発生する制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え、制駆動力算出手段は、運転者が加速しようとする意図が小さいほど小さくなる所定値を設定し、要求駆動力が所定値以上の場合は、所定値を下限値として、要求駆動力からリスクポテンシャルに応じた補正量を減算することによって目標制駆動力を算出する車両用運転操作補助装置を備える。
リスクポテンシャルを運転操作機器から発生する操作反力として運転者に伝達するとともに、運転者の運転意図を妨げないようにしながら自車両と障害物との相対位置関係に応じた制駆動力制御を行うことができる。
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図である。
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。車両用運転操作補助装置1は、レーダ装置10,車速センサ20,舵角センサ30,障害物検知装置40,コントローラ50,駆動力制御装置60,アクセルペダル反力発生装置70,および制動力制御装置90等を備えている。
レーダ装置10は、例えば車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられたレーザレーダであり、水平方向に赤外線レーザ光を照射して車両前方領域を走査し、自車両前方の障害物を検出する。図2に、レーダ装置10による障害物検出の原理を説明する図を示す。図2に示すように、レーダ装置10はレーザ光を出力する発光部10aと、自車両の前方にある反射物(通常、前方車の後端)で反射された反射光を検出する受光部10bとを備えている。発光部10aはスキャニング機構が組み合わされており、図2に矢印で示すように左右方向に振れるように構成されている。発光部10aは角度を変化させながら所定角度範囲内で順次発光する。レーダ装置10は、発光部10aによるレーザ光の出射から受光部10bにおける反射波の受光までの時間差に基づいて自車両から障害物までの距離を計測する。
レーダ装置10は、スキャニング機構により自車両の前方領域をスキャニングしながら、各スキャニング位置またはスキャニング角度について反射光を受光した場合に障害物までの距離を算出する。さらに、レーダ装置10は、障害物を検出したときのスキャニング角とその障害物までの距離とに基づいて、自車両に対する障害物の左右方向の位置も算出する。すなわち、レーダ装置10は、障害物の有無とともに自車両に対する障害物の相対的な位置を検出する。
図3に、レーダ装置10による障害物の検出結果の一例を示す。各スキャニング角で自車両に対して障害物の相対的な位置を特定することにより、図3に示すようにスキャニング範囲内で検出できる複数の物体についての平面的な存在状態図を得ることができる。
車速センサ20は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出する。
障害物検知装置40は、レーダ装置10および車速センサ20の検出結果に基づいて前方障害物に関する情報を取得する。具体的には、障害物検知装置40は、レーダ装置10からスキャニング周期毎またはスキャニング角ごとに出力される検出結果に基づいて、検出した物体の動きを判別するとともに、物体間の近接状態や動きの類似性等に基づいて、検出した物体が同一物体であるか異なる物体であるかを判別する。
そして、障害物検知装置40は、レーダ装置10と車速センサ20からの信号に基づいて、自車両周囲の障害物情報、すなわち自車両と前方障害物との車間距離と相対速度、自車両に対する前方障害物の左右方向距離、および前方障害物の幅等を認識する。なお、障害物検知装置40は、複数の前方障害物を検知した場合は各障害物についての情報を取得する。障害物検知装置40は、取得した障害物情報をコントローラ50へ出力する。
舵角センサ30は、ステアリングコラムもしくはステアリングホイール(不図示)付近に取り付けられた角度センサ等であり、ステアリングシャフトの回転を操舵角として検出し、コントローラ50へ出力する。
アクセルペダル61には、アクセルペダル61の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルストロークセンサ62が設けられている。アクセルペダルストロークセンサ62によって検出されたアクセルペダル操作量はコントローラ50に出力される。ブレーキペダル91には、その踏み込み量(操作量)を検出するブレーキペダルストロークセンサ92が設けられている。ブレーキペダルストロークセンサ92によって検出されたブレーキペダル操作量もコントローラ50に出力される。
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成され、車両用運転操作補助装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、車速センサ20から入力される自車速、および障害物検知装置40から入力される障害物情報から、自車両の走行状況を認識する。コントローラ50は、走行状況に基づいて前方障害物に対する自車両の接近度合を表す物理量であるリスクポテンシャルを算出する。
コントローラ50は、障害物に対するリスクポテンシャルに基づいて、自車両に発生する制駆動力を制御するとともに、運転者が運転操作のために操作する運転操作機器に発生する操作反力を制御する。ここで、運転操作機器は、例えば運転者が自車両を加速したり減速したりするときに操作するアクセルペダル61である。
駆動力制御装置60は、エンジンコントローラを有し、コントローラ50からの指令に応じてエンジントルクを制御する。制動力制御装置90は、ブレーキ液圧コントローラを有し、コントローラ50からの指令に応じてブレーキ液圧を制御する。
ここで、駆動力制御および制動力制御の概要を説明する。図4に、駆動力制御の概要を示すブロック図を示し、図5に、アクセルペダル操作量SAとドライバ要求駆動力Fdaとの関係を定めた特性マップを示す。コントローラ50はドライバ要求駆動力算出部50aにおいて、図5に示すようなマップを用いて、アクセルペダル61が踏み込まれたときの操作量(アクセルペダル操作量)SAに応じてドライバが要求する駆動力(ドライバ要求駆動力)Fdaを算出する。そして、算出されたドライバ要求駆動力Fdaに、後述する補正量を加えて目標駆動力を算出する。
コントローラ50は、算出した目標駆動力を駆動力制御装置60に出力する。駆動力制御装置60のエンジンコントローラ60aは、コントローラ50から入力される目標駆動力に従ってエンジンへの制御指令値を算出し、エンジントルクを制御する。
図6に、制動力制御の概要を示すブロック図を示し、図7に、ブレーキペダル操作量SBとドライバ要求制動力Fdbとの関係を定めた特性マップを示す。コントローラ50のドライバ要求制動力算出部50bは、図7に示すようなマップを用いて、ブレーキペダル91の踏み込み量(ブレーキペダル操作量)SBに応じてドライバが要求する制動力(ドライバ要求制動力)Fdbを算出する。そして、算出されたドライバ要求制動力Fdbに、後述する補正量を加えて目標制動力を算出する。
コントローラ50は、算出した目標制動力を制動力制御装置90に出力する。制動力制御装置90のブレーキ液圧コントローラ90aは、目標制動力に従ってブレーキ液圧指令値を算出する。ブレーキ液圧コントローラ90aからの指令に応じて各車輪に設けられたブレーキ装置95が作動する。
アクセルペダル反力発生装置70は、コントローラ50から出力される指令に応じて、アクセルペダル61のリンク機構に組み込まれたサーボモータ(不図示)で発生させるトルクを制御する。サーボモータは、アクセルペダル反力発生装置70からの指令値に応じて発生させる反力を制御するアクチュエータであり、運転者がアクセルペダル61を操作する際に発生する操作反力(踏力)を任意に制御することができる。アクセルペダル反力発生装置70による反力制御を行わない場合は、例えばアクセルペダル操作量SAに応じた引っ張りバネ(不図示)のバネ力が反力として作用する。
以下に、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を説明する。まず、動作の概要を説明する。
車両用運転操作補助装置1のコントローラ50は、障害物検知装置40で検出した障害物情報に基づいて各障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを算出する。リスクポテンシャル(Risk Potential)は、「潜在的なリスク/危急」を意味し、ここでは特に、自車両と自車両周囲に存在する障害物とが接近していくことにより増大するリスクの大きさを表す。したがって、リスクポテンシャルは、自車両と障害物とがどれほど近づいているか、すなわち自車両と障害物とが近づいている程度(接近度合)を表す物理量であるといえる。
コントローラ50は、算出したリスクポテンシャルを、自車両に発生する制駆動力、および運転者が自車両を運転する際に操作する運転操作機器、具体的にはアクセルペダル61から発生する操作反力として運転者に伝達する。
リスクポテンシャルに応じた制駆動力制御を行う場合、運転者が加速しようと思ってアクセルペダル61を踏み込んでいるのに、システムによる減速度により意図する加速度が得られない、もしくは減速してしまう可能性がある。また、運転者がアクセルペダル61を戻し方向に操作したときに、予測以上の減速度が発生する可能性がある。このように、運転者の意図に反する加速や減速が行われると、運転者に違和感を与えてしまう。
そこで、第1の実施の形態では、システムが運転者の意図に反した挙動を示すことのないように、運転者の運転意図を検出し、検出した運転意図に基づいて目標制駆動力を算出する際の演算式を変更する。具体的には、運転意図に応じて、演算式中の補正係数を変化させる。ここで、運転意図は、運転者が運転操作を行う場合に自車両をどのように走行させようかという意図であり、具体的には加速意図、先行車への追従走行意図、および減速意図を含む。追従走行意図は、先行車との車間距離や相対速度をほぼ一定に保って先行車に追従していこうとする意図を表す。
第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を、図8を用いて詳細に説明する。図8は、第1の実施の形態のコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
まず、ステップS110で、車速センサ20によって検出される自車速Vhと、舵角センサ30によって検出される自車両の操舵角δのデータを読み込む。ステップS120では、アクセルペダルストロークセンサ62によって検出されるアクセルペダル操作量SAを読み込む。ステップS130では、運転者によるアクセルペダル61の操作パターンを判定する。アクセルペダル操作パターンを判定することにより、運転者の運転意図を検出することができる。ここでの処理を、図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1301で、アクセルペダル61が踏み込まれているか否かを判定する。具体的には、ステップS120で読み込んだアクセルペダル操作量SAが所定値TH_0よりも大きい場合に、アクセルペダル61の踏み込み操作ありと判定する。所定値TH_0は、0%に誤差相当の値を加えた値として予め適切に設定しておく。踏み込み操作なしと判定されるとステップS1302へ進み、操作パターンフラグSTをアクセルペダル61が解放されていることを表すST4に設定する。さらに、後述する処理で目標制駆動力を算出する演算式に用いる補正係数αをα4に設定する。
ステップS1301でアクセルペダル61の踏み込み操作ありと判定されると、ステップS1303へ進み、アクセルペダル61が踏増し操作されているか否かを判定する。具体的には、アクセルペダル61の操作速度が所定値dTH_1よりも大きい場合に、アクセルペダル61が踏増しされていると判定する。アクセルペダル操作速度は、例えばアクセルペダル操作量SAを時間微分することにより算出でき、踏み込み方向に操作されている場合に正の値で表される。所定値dTH_1は、誤差分を考慮してアクセルペダル61が踏増しされていると判断できる正の値として予め適切に設定しておく。
アクセルペダル61が踏増しされていると判定されると、ステップS1304へ進み、操作パターンフラグSTをアクセルペダル61が踏増しされていることを表すST1に設定する。さらに、補正係数αをα1に設定する。
ステップS1303でアクセルペダル61が踏み増しされていないと判定されると、ステップS1305へ進み、アクセルペダル61が戻し方向に操作されているか否かを判定する。具体的には、アクセルペダル操作速度が所定値−dTH_1よりも小さい場合、すなわち所定値−dTH_1よりも速い速度で戻し操作されている場合に、アクセルペダル61が戻し方向に操作されていると判定する。アクセルペダル61が戻し方向に操作されていると判定されると、ステップS1306へ進み、操作パターンフラグSTをアクセルペダル61が戻し操作されていることを表すST3に設定する。さらに、補正係数αをα3に設定する。
ステップS1305でアクセルペダル61の戻し操作なしと判定されると、ステップS1307へ進む。ステップS1307では、アクセルペダル61を保持しようとしていると判断し、操作パターンフラグSTをアクセルペダル61がほぼ一定に保持されていることを表すST2に設定する。さらに、補正係数αをα2に設定する。
補正係数αは、1≧α4≧α3≧α2≧α1≧0の関係を満たすように、予め適切に設定しておく。例えば、α1=0.2、α2=0.6、α3=0.8、α4=1に設定する。
このようにステップS130でアクセルペダル操作パターンを判定した後、ステップS140へ進む。ステップS140では、レーダ装置10および車速センサ20の検出結果に従って障害物検知装置40で算出した複数の前方障害物に関する情報を読み込む。前方障害物に関する情報は、例えば各障害物までの前後方向の距離(車間距離)Dと、自車両に対する障害物の左右方向位置xおよび前後方向位置yである。
ステップS150では、ステップS110で読み込んだ自車速Vhおよび操舵角δに基づいて、自車両の進路を推定する。以下に、予測進路の推定方法を図10および図11を用いて説明する。予測進路を推定するために、図10に示すように自車両が矢印方向に進行している場合の旋回半径Rを算出する。まず、自車両の旋回曲率ρ(1/m)を算出する。旋回曲率ρは、自車速Vhおよび操舵角δに基づいて、以下の(式1)で算出できる。
ρ=1/{L(1+A・Vh)}×δ/N ・・・(式1)
ここで、L:自車両のホイールベース、A:車両に応じて定められたスタビリティファクタ(正の定数)、N:ステアリングギア比である。
旋回半径Rは、旋回曲率ρを用いて以下の(式2)で表される。
R=1/ρ ・・・(式2)
(式2)を用いて算出した旋回半径Rを用いることで、図10に示すように自車両の走行軌道を半径Rの円弧として予測することができる。そして、図11に示すように、旋回半径Rの円弧を中心線とした幅Twの領域を、自車両が走行するであろう予測進路として設定する。幅Twは、自車両の幅に基づいて予め適切に設定しておく。
ステップS160では、障害物検知装置40によって検出され、ステップS150で設定した自車両の予測進路内にあると判定した障害物のうち、自車両に最も近い物体を、前方障害物として選択する。この前方障害物は、以降の処理で自車両のリスクポテンシャルRPを算出する対象となる障害物である。
ステップS170では、ステップS160で前方障害物として選択した障害物について、自車両のリスクポテンシャルRPを算出する。ここでは、自車両と前方障害物との車間時間THWおよび余裕時間TTCをリスクポテンシャルRPとして算出する。以降では、自車両前方を走行する先行車を前方障害物として説明する。車間時間THWは、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す物理量であり、以下の(式3)から算出される。
THW=D/Vh ・・・(式3)
先行車に対する余裕時間TTCは、先行車に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量であり、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速Vhおよび相対車速Vrが一定の場合に、何秒後に車間距離Dがゼロとなり自車両と先行車両とが接触するかを示す値である。なお、相対速度VrはVr=(自車速−先行車速)であり、自車速が先行車速よりも低い場合はVr=0とする。障害物に対する余裕時間TTCは、以下の(式4)で求められる。
TTC=D/Vr ・・・(式4)
余裕時間TTCの値が小さいほど、先行車への接触が緊迫し、先行車への接近度合が大きいことを意味している。例えば先行車への接近時には、余裕時間TTCが4秒以下となる前に、ほとんどのドライバが減速行動を開始することが知られている。車間時間THWおよび余裕時間TTCが小さいほど自車両と先行車とが近づいていることを表す。
このように、車間時間THWおよび余裕時間TTCは、自車両と前方障害物とがどれほど接近しているかを示す接近度合を表しており、前方障害物に対する自車両のリスクポテンシャルRPであるといえる。
ステップS180では、ステップS170で算出した前方障害物に対する自車両のリスクポテンシャルRPに基づいて、目標制駆動力およびアクセルペダル反力制御指令値を算出する際に用いる制御反発力Fcを算出する。そこで、図12(a)に示すように、自車両の前方に仮想的な弾性体200を設けたと仮定し、この仮想的な弾性体が前方障害物に当たって圧縮され、自車両に対する擬似的な走行抵抗を発生するというモデルを考える。ここで、制御反発力Fcは、図12(b)に示すように仮想弾性体200が先行車に当たって圧縮された場合の反発力と定義する。
ここでは、車間時間THWに関連づけた仮想弾性体、および余裕時間TTCに関連づけた仮想弾性体を自車両と前方障害物との間に設定したモデルを想定し、それぞれの仮想弾性体による反発力を、車間時間THWに基づく反発力F_THWおよび余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCとして算出する。制御反発力Fcの算出処理を、図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1801で、車間時間THWをしきい値TH_THWと比較する。車間時間THWが制御開始を判断するためのしきい値TH_THWより小さい場合(THW<TH_THW)は、ステップS1802へ進む。ステップS1802では、自車速Vhと車間時間THWを用いて、以下の(式5)から車間時間THWに基づく反発力F_THWを算出する。
F_THW=K_THW×(TH_THW−THW)×Vh ・・・(式5)
(式5)においてK_THWは車間時間THWに関連付けた仮想弾性体のばね定数であり、TH_THW・Vhは仮想弾性体の長さに相当する。
ステップS1801でTHW≧TH_THWと判定された場合は、ステップS1803へ進んで反発力F_THW=0にする。
ステップS1804では、余裕時間TTCをしきい値TH_TTCと比較する。余裕時間TTCが制御開始を判断するためのしきい値TH_TTCより小さい場合(TTC<TH_TTC)は、ステップS1805へ進む。ステップS1805では、相対速度Vrと余裕時間TTCを用いて、以下の(式6)から余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCを算出する。
F_TTC=K_TTC×(TH_TTC−TTC)×Vr ・・・(式6)
(式6)においてK_TTCは余裕時間TTCに関連付けた仮想弾性体のばね定数であり、TH_TTC・Vrは仮想弾性体の長さに相当する。
ステップS1804でTTC≧TH_TTCと判定された場合は、ステップS1806へ進んで反発力F_TTC=0にする。
つづくステップS1807では、ステップS1802またはS1803で算出した車間時間THWに基づく反発力F_THWと、ステップS1805またはS1806で算出した余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCのうち、大きい方の値を制御反発力Fcとして選択する。
このようにステップS180で制御反発力Fcを算出した後、ステップS190へ進む。ステップS190では、ステップS180で算出した制御反発力Fcを用いて、制駆動力制御を行う際に出力する制御用駆動力Fa_outおよび制御用制動力Fb_outを算出する。ここでの処理を、図14を用いて説明する。
まず、ステップS1901でドライバ要求駆動力Fdaを推定する。ここでは、図5にに従い、アクセルペダル操作量SAに基づいてドライバ要求駆動力Fdaを推定する。ステップS1902では、ドライバ要求駆動力Fda、ステップS130で設定した補正係数α、およびステップS180で算出した制御反発力Fcを用いて、以下の(式7)から制駆動力制御において目標とする目標制駆動力F_FINALを算出する。
F_FINAL=Fda−α・Fc ・・・(式7)
(式7)において、ドライバ要求駆動力Fdaはアクセルペダル操作量SAに応じた制駆動力の出力を決定する出力項であり、(α・Fc)は、自車両周囲の障害物との相対位置関係、具体的にはリスクポテンシャルRPに応じた補正量を決定する補正項である。運転者のアクセルペダル操作パターン、すなわち運転者の運転意図に応じて変化する補正係数αを用いて、出力項と補正項の比率を変更する。
例えば、アクセルペダル61が戻し方向に操作されている場合(α=α3)は、アクセルペダル61が略一定に保持されている場合(α=α2)、およびアクセルペダル61が踏増しされている場合(α=α1)に比べて補正項の比率が大きくなり、ドライバ要求駆動力Fdaが小さくなるように調節される。結果として、自車両に発生する駆動力が小さく、もしくは制動力が大きくなる。
ステップS1903では、ステップS1902で算出した目標制駆動力F_FINALが0以上であるか否かを判定する。F_FINAL≧0の場合は、ステップS1904へ進み、駆動力制御装置60へ出力する制御用駆動力Fa_outとしてF_FINALを設定する。ステップS1905では、制動力制御装置90へ出力する制御用制動力Fb_outに0を設定する。すなわち、F_FINAL≧0であることから、出力項から補正項を減じた後も正の駆動力が残る。従って、制駆動力の補正を駆動力制御装置60のみで行うことができる。この場合、車両の状態としては、運転者がアクセルペダル61を踏んでいるにも関わらず期待した程の駆動力が得られない状態となる。補正後の駆動力が走行抵抗より大きい場合には、加速が鈍くなる挙動として運転者に感じられ、補正後の駆動力が走行抵抗より小さい場合には、減速する挙動として運転者に感じられる。
一方、ステップS1903が否定判定され、目標制駆動力F_FINAL<0の場合は、駆動力制御装置60のみでは目標とする制駆動力の補正を行えない。そこで、ステップS1906において制御用駆動力Fa_outに0を設定し、ステップS1907で制御用制動力Fb_outとして補正量の不足分(−F_FINAL)を設定する。この場合、車両の減速挙動として運転者には察知される。
図15に、駆動力および制動力の補正方法を説明する図を示す。図15の横軸はアクセルペダル操作量SAおよびブレーキペダル操作量SBを示しており、原点0から右へ進むほどアクセルペダル操作量SAが大きく、左へ進むほどブレーキペダル操作量SBが大きいことを示している。図15の縦軸は駆動力および制動力を示し、原点0から上へ進むほど駆動力が大きく、下へ進むほど制動力が大きいことを示している。アクセルペダル操作量SAに応じた要求駆動力Fda、およびブレーキペダル操作量SBに応じた要求制動力Fdbをそれぞれ一点鎖線で示す。また、制御用駆動力Fa_outおよび制御用制動力Fb_outを実線で示す。
目標制駆動力F_FINAL≧0の場合、すなわち出力項が補正項以上の場合は、駆動力を補正項(α・Fc)だけ減少方向に補正する。一方、目標制駆動力F_FINAL<0の場合、すなわち出力項よりも補正項が大きい場合は、その差分だけ制動力を増大方向に補正する。これにより、全体として車両の走行抵抗を補正項分増大させるように制駆動力の特性を補正する。出力項Fdaに対する補正項(α・Fc)の比率は、アクセルペダル操作パターン、すなわち運転者の運転意図に応じて変化する。運転者が加速しようとする意図が小さいほど、すなわち、加速意図、追従走行意図、および減速意図の順で、補正項の比率が大きくなるように出力項と補正項との比率を設定する。
このようにステップS190で制御用駆動力Fa_outおよび制御用制動力Fb_outを算出した後、ステップS200へ進む。ステップS200では、ステップS180で算出した制御反発力Fcに基づいて、アクセルペダル61に発生する操作反力の制御量、すなわちアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。図16に、制御反発力Fcとアクセルペダル反力制御指令値FAとの関係を示す。図16に示すように、制御反発力Fcが大きくなるほどアクセルペダル反力制御指令値FAが大きくなる。
つづくステップS210では、ステップS190で算出した制御用駆動力Fa_out、及び制御用制動力Fb_outをそれぞれ駆動力制御装置60、及び制動力制御装置90に出力する。駆動力制御装置60のエンジンコントローラ60aは、コントローラ50からの指令に応じてエンジントルクを制御する。制動力制御装置90のブレーキ液圧コントローラ90aは、コントローラ50からの指令に応じてブレーキ液圧を制御する。
ステップS220では、ステップS200で算出したアクセルペダル反力制御指令値FAをアクセルペダル反力発生装置70に出力する。アクセルペダル反力発生装置70は、アクセルペダル操作量SAに応じた通常の反力特性に、コントローラ50から入力される指令値に応じた反力を付加するようにアクセルペダル反力を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
このように以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置1は、自車両前方に存在する障害物を検出し、障害物の検出結果に基づいて、障害物に対する自車両のリスクポテンシャルRPを算出する。そして、リスクポテンシャルRPに応じて運転操作機器に発生する操作反力を制御する。車両用運転操作補助装置1はさらに、運転者の運転意図を検出するとともに、自車両に発生する制駆動力を制御する。ここで、車両用運転操作補助装置1のコントローラ50は、運転操作機器の操作量に応じて制駆動力を決定する出力項と、自車両と障害物との相対位置関係に応じて決定される補正項とを備える演算式を用いて、目標とする制駆動力を算出し、出力項と補正項との比率を運転意図に応じて変化させる。これにより、障害物に対するリスクポテンシャルRPを運転操作機器から発生する操作反力として運転者に伝えるとともに、自車両と障害物との相対位置関係および運転意図に基づいて制駆動力を制御することができる。制駆動力制御により、運転意図を妨げないようにしながら、運転者の運転操作を適切な方向に促すことが可能となる。
(2)コントローラ50は、演算式の補正項を、リスクポテンシャルRPに基づいて決定する。具体的には、リスクポテンシャルRPの代表値として制御反発力Fcを用いる。これにより、リスクポテンシャルRPに応じた制駆動力制御を行うことができる。
(3)コントローラ50は運転意図として運転者の加速意図を検出し、運転者が加速しようとする意図が小さいほど、出力項に対する補正項の比率を大きくする。これにより、例えば減速意図や追従走行意図を持って走行している場合、とくにリスクポテンシャルRPが高い状況において自車両の加速を効果的に抑制することができる。
(4)コントローラ50は、運転者によるアクセルペダル61の操作パターンに基づいて加速意図を検出する。アクセルペダル61は、運転者が自車両を加速させたり減速させたりする場合に操作する運転操作機器であるので、この操作パターンから加速意図を検出することにより、運転者の運転操作から直接的に意図検出を行うことができる。
(5)コントローラ50は、アクセルペダル61の操作パターンを、踏増し、保持、戻し、および操作なしの4段階に分類し、踏増し、保持、戻し、および操作なしの順で出力項に対する補正項の比率を大きくする。これにより、アクセルペダル61を戻したり解放している場合に、とくにリスクポテンシャルRPが高い状況において良好な減速効果を得ることができる。
《第2の実施の形態》
以下に、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、上述した第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第2の実施の形態では、目標制駆動力F_FINALの出力項と補正項の比率を、リスクポテンシャルRPに応じて変化させる。具体的には、目標制駆動力F_FINALを算出する上記(式7)に用いる補正係数αを、リスクポテンシャルRPに応じて変化させる。ここでは、リスクポテンシャルRPを代表する値として、リスクポテンシャルRPに基づいて算出された制御反発力Fcを用いる。
図17に、制御反発力Fcと補正係数αとの関係を示す。図17において、アクセルペダル61が踏増し操作されている場合の補正係数α1を点線で、アクセルペダル61が略一定に保持されている場合の補正係数α2を細い実線で、アクセルペダル61が戻し操作されている場合の補正係数α3を破線で、アクセルペダル61が解放されている場合の補正係数α4を太い実線で、それぞれ示す。
補正係数α1、α2、α4は、制御反発力Fcの増大、すなわちリスクポテンシャルRPの増加に対して漸増する。なお、これらを制御反発力Fcによらず一定とすることもできる。補正係数α3は、制御反発力Fcの増大に対して大きく増加する。すなわち、補正係数α1、α2、α4の変化率よりも補正係数α3の変化率の方が大きくなるように設定されている。
このように以上説明した第2の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態による効果に加えて以下のような作用効果を奏することができる。
(1)コントローラ50は、運転意図に加えて、リスクポテンシャルRPに基づいて出力項と補正項との比率を変化させる。具体的には、図17に示すように補正項の補正係数αをリスクポテンシャルRPを代表する制御反発力Fcに応じて変化させる。これにより、 リスクポテンシャルRPが高く、自車両と前方障害物との接近度合が高い状況において効果的に加速を抑制することができる。
(2)コントローラ50は、アクセルペダル61が戻し方向に操作されている場合に、リスクポテンシャルRPが大きくなるに従って出力項に対する補正項の比率を大きくする。これにより、運転者が減速しようとしてアクセルペダル61を戻し方向に操作するときに大きな減速効果を得ることができる。また、図17に示すように補正係数α4を1以上の値に設定することにより、さらに大きな減速効果を得ることができる。
−第2の実施の形態の変形例−
ここでは、リスクポテンシャルRPを表す代表値として、車間時間THWもしくは余裕時間TTCを用いて補正係数αを設定する。
図18(a)(b)に、車間時間THWと補正係数αとの関係、および余裕時間TTCおよび補正係数αとの関係をそれぞれ示す。車間時間THWおよび余裕時間TTCに基づいてそれぞれ算出される補正係数αから、大きい方の値を選択する。
図18(a)に示すように、車間時間THWの減少、すなわちリスクポテンシャルRPの増加に対して、補正係数α1、α2、α4は略一定とする。補正係数α3は、車間時間THWの減少に対して漸増する。なお、補正係数α3を略一定とすることもできる。図18(b)に示すように、余裕時間TTCの減少、すなわちリスクポテンシャルRPの増加に対して、補正係数α1、α2、α4は漸増する。補正係数α3は、余裕時間TTCの減少に対して大きく増加する。すなわち、補正係数α1、α2、α4の変化率よりも補正係数α3の変化率の方が大きくなるように設定されている。
これにより、余裕時間TTCが小さく、特に自車両と前方障害物との相対速度Vr(=自車速−前方障害物速度)が大きい状況で、運転者が減速しようとしてアクセルペダル61を戻し方向に操作するときに大きな減速効果を得ることができる。
なお、リスクポテンシャルRPを表す代表値として、余裕時間TTCのみを用いることも可能である。
《第3の実施の形態》
以下に、第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ただし、アクセルペダル操作パターンに応じた補正係数αの設定は行わない。ここでは、上述した第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第3の実施の形態では、制駆動力制御において目標制駆動力F_FINALを算出するための演算式を複数備え、運転者の運転意図、具体的にはアクセルペダル操作パターンに応じて複数の演算式を切り替える。ここでの制御用制駆動力算出処理を、図19のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図8に示したフローチャートのステップS190で実行される。
ステップS1911でドライバ要求駆動力Fdaを推定する。ステップS1912では、走行抵抗F_RESを算出する。走行抵抗F_RESは、駆動力推定値から(加速度×車重)を減算することにより算出することができる。加速度は、自車速Vhを時間微分することによって得られる。また、加速度センサを設けて検出することも可能である。
ステップS1913では、ステップS1912で算出した走行抵抗F_RESを用いて目標制駆動力F_FINALを算出する。ここでは、アクセルペダル操作パターンごとに異なる演算式を用いて目標制駆動力F_FINALを算出する。
・アクセルペダル踏増し操作の場合(加速意図)
Fda<F_RESのとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda
Fda−Fc<F_RESのとき、目標制駆動力F_FINAL=F_RES
Fda−Fc≧F_RESのとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル保持の場合(追従走行意図)
Fda−Fc<0のとき、目標制駆動力F_FINAL=0
Fda−Fc≧0のとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル戻し操作または解放している場合(減速意図)
目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
つづくステップS1914では、ステップS1913でアクセルペダル操作パターン毎に設定した演算式を用いて算出した目標制駆動力F_FINALが、0以上であるか否かを判定する。F_FINAL≧0の場合は、ステップS1915へ進み、制御用駆動力Fa_outとしてF_FINALを設定する。ステップS1916では、制御用制動力Fb_outに0を設定する。一方、ステップS1914が否定判定されると、ステップS1917へ進む。ステップS1917では、制御用駆動力Fa_outに0を設定し、ステップS1918で制御用制動力Fb_outとして補正量の不足分(−F_FINAL)を設定する。
図20に、アクセルペダル操作パターン毎に異なる演算式を用いて目標制駆動力F_FINALを算出した場合に表される複数の制駆動力特性を示す。図20において、アクセルペダル操作量SAに応じたドライバ要求駆動力Fdaを、通常特性として太い実線で示す。アクセルペダル踏増し時は、破線で示す制駆動力特性Aに示すように、走行抵抗F_RESで補正後の駆動力の下限値が制限される。この場合は、駆動力を減少方向に補正するのみで、制動力を増大する方向の補正は行わない。
アクセルペダル保持時は、点線で示す制駆動力特性Bに示すように、補正後の駆動力の下限値を0とする。この場合も、駆動力を減少方向に補正するのみで、制動力を増大する方向の補正は行わない。アクセルペダル戻し操作時もしくは解放時は、細い実線で示す制駆動力特性Dに示すように、補正後の駆動力に下限値を設けずに駆動力を減少方向に補正し、制動力を増加方向に補正する。
なお、図20に一点鎖線で示す制駆動力特性Cについては、後述する。
このように以上説明した第3の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置1は、自車両前方に存在する障害物を検出し、障害物の検出結果に基づいて、障害物に対する自車両のリスクポテンシャルRPを算出する。そして、リスクポテンシャルRPに応じて運転操作機器に発生する操作反力を制御する。車両用運転操作補助装置1はさらに、運転者の運転意図を検出するとともに、自車両に発生する制駆動力を制御する。ここで、車両用運転操作補助装置1のコントローラ50は、リスクポテンシャルRPおよびアクセルペダル操作量SAに従って制駆動力を算出するための複数の演算式を備える。複数の演算式はそれぞれ、アクセルペダル操作量SAに対する駆動力下限値または制動力上限値が異なるように設定されている。コントローラ50は、運転者が加速しようとする意図が小さいほど、駆動力下限値が小さいまたは制動力上限値が大きい演算式に切り替えて制駆動力を算出する。これにより、障害物に対するリスクポテンシャルRPを運転操作機器から発生する操作反力として運転者に伝えるとともに、運転者が加速しようとする意図が小さい場合に、リスクポテンシャルRPに応じた制駆動力制御を行う場合の駆動力下限値を小さく、もしくは駆動力上限値を大きくするができる。このような制駆動力制御を行うことにより、運転意図を妨げないようにしながら、運転者の運転操作を適切な方向に促すことが可能となる。
(2)コントローラ50は、アクセルペダル61の操作パターンに基づいて加速意図を検出するために、アクセルペダル61の操作パターンを、踏増し、保持、戻し、および操作なしの4段階に分類する。そして、踏増し、保持、戻し、および操作なしの順に、駆動力下限値が小さいまたは制動力上限値が大きい演算式に切り替える。これにより、アクセルペダル61を戻したり解放したりして、加速しようとする意図が小さい場合に、良好な減速効果を得ることができる。
(3)コントローラ50は、複数の演算式の駆動力下限値の一つとして、走行抵抗に相当する値F_RESを設定する。これにより、リスクポテンシャルRPに応じて駆動力を低下するように制御を行っている場合に、運転者によるアクセルペダル操作に対して自車両が減速し、運転者に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
−第3の実施の形態の変形例1−
アクセルペダル操作パターン毎に演算式を以下のように設定し、目標制駆動力F_FINALを算出することもできる。
・アクセルペダル踏増し操作の場合(加速意図)
Fda<F_RESのとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda
Fda−Fc<F_RESのとき、目標制駆動力F_FINAL=F_RES
Fda−Fc≧F_RESのとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル保持の場合(追従走行意図)
Fda−Fc<0のとき、目標制駆動力F_FINAL=0
Fda−Fc≧0のとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル戻し操作の場合(減速意図)
運転者が常用的に使用する減速度範囲に相当する制動力を、所定値FB_LIMとして設定する。例えば所定値FB_LIMは、減速度1m/sに相当するように設定する。
Fda−Fc<−FB_LIMのとき、目標制駆動力F_FINAL=−FB_LIM
Fda−Fc≧−FB_LIMのとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル解放している場合(減速意図)
目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
これにより、図20において、アクセルペダル踏増し時は制駆動力特性Aで表され、アクセルペダル保持時は制駆動力特性Bで表され、アクセルペダル解放時は制駆動力特性Dで表される。アクセルペダル戻し操作時は、一点鎖線で示す制駆動力特性Cで示すように、常用減速度範囲相当の所定の制動力FB_LIMで補正後の制動力の上限値が制限される。したがって、所定値FB_LIM以上の制動力は発生しないため、予測以上に減速して運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
−第3の実施の形態の変形例2−
アクセルペダル操作パターン毎に演算式を以下のように設定し、目標制駆動力F_FINALを算出することもできる。
・アクセルペダル踏増し操作(加速意図)および保持(追従走行意図)の場合
Fda−Fc<0のとき、目標制駆動力F_FINAL=0
Fda−Fc≧0のとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル戻し操作の場合(減速意図)
Fda−Fc<−FB_LIMのとき、目標制駆動力F_FINAL=−FB_LIM
Fda−Fc≧−FB_LIMのとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル解放している場合(減速意図)
目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
これにより、図20において、アクセルペダル踏増し時およびアクセルペダル保持時は制駆動力特性Bで表され、アクセルペダル戻し操作時は制駆動力特性Cで表され、アクセルペダル解放時は制駆動力特性Dで表される。
−第3の実施の形態の変形例3−
アクセルペダル操作パターン毎に演算式を以下のように設定し、目標制駆動力F_FINALを算出することもできる。
・アクセルペダル踏増し操作(加速意図)および保持(追従走行意図)の場合
Fda−Fc<0のとき、目標制駆動力F_FINAL=0
Fda−Fc≧0のとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル戻し操作および解放している場合(減速意図)
目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
これにより、図20において、アクセルペダル踏増し時およびアクセルペダル保持時は制駆動力特性Bで表され、アクセルペダル戻し操作時およびアクセルペダル解放時は制駆動力特性Dで表される。
《第4の実施の形態》
以下に、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、上述した第3の実施の形態との相違点を主に説明する。
第4の実施の形態では、制駆動力制御による補正後の駆動力の下限値および制動力の上限値を、リスクポテンシャルRPに応じて変化させる。具体的には、リスクポテンシャルRPに応じて補正値βを算出し、算出した補正値を用いて駆動力下限値および制動力上限値を補正する。ここでは、リスクポテンシャルRPを代表する値として、リスクポテンシャルRPに基づいて算出された制御反発力Fcを用いる。
補正値βは、アクセルペダル操作パターン毎に算出する。アクセルペダル踏増し時の補正値をβ1、アクセルペダル保持時の補正値をβ2、アクセルペダル戻し操作時の補正値をβ3とする。アクセルペダル解放時の補正値は設定しない。図21に、制御反発力Fcとアクセルペダル操作パターン毎の補正値βとの関係を示す。図21において、アクセルペダル61が踏増し操作されている場合の補正値β1を実線で、アクセルペダル61が略一定に保持されている場合の補正値β2を点線で、アクセルペダル61が戻し操作されている場合の補正値β3を破線で、それぞれ示す。
補正値β1、β2、β3は、制御反発力Fcの増大、すなわちリスクポテンシャルRPの増加に対して減少する。制御反発力Fcが所定値Fc1よりも大きく、リスクポテンシャルRPの高い状況では補正値β1、β2、β3=0とする。Fc<Fc1の場合は、β1<β2<β3の関係を満たすように各補正値を設定する。
そして、アクセルペダル操作パターン毎に演算式を以下のように設定し、目標制駆動力F_FINALを算出する。
・アクセルペダル踏増し操作の場合(加速意図)
Fda<F_RES+β1のとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda
Fda−Fc<F_RES+β1のとき、目標制駆動力F_FINAL=F_RES+β1
Fda−Fc≧F_RES+β1のとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル保持の場合(追従走行意図)
Fda−Fc<β2のとき、目標制駆動力F_FINAL=β2
Fda−Fc≧β2のとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル戻し操作の場合(減速意図)
Fda−Fc<−FB_LIM+β3のとき、目標制駆動力F_FINAL=−FB_LIM+β3
Fda−Fc≧−FB_LIM+β3のとき、目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
・アクセルペダル解放している場合(減速意図)
目標制駆動力F_FINAL=Fda−Fc
これにより、制御反発力Fcが小さくリスクポテンシャルRPが小さい状況では、駆動力下限値が大きくなるとともに制動力上限値が小さくなり、システムによって行われる制駆動力制御による介入を小さくすることができる。制御反発力Fcが大きく、リスクポテンシャルRPが大きい状況では、アクセルペダル操作パターンに応じた下限値もしくは上限値で制駆動力制御が行われるので、運転者の運転操作に逆らわない範囲で、最大限の効果を得ることができる。
このように以上説明した第4の実施の形態においては、上述した第3の実施の形態による効果に加えて以下のような作用効果を奏することができる。
(1)コントローラ50は、リスクポテンシャルRPに基づいて複数の演算式の駆動力下限値または制動力上限値を変化させる。具体的には、図21に示すように補正値βをリスクポテンシャルRPを代表する制御反発力Fcに応じて変化させる。これにより、リスクポテンシャルRPが高く自車両と前方障害物との接近度合が高い状況において良好な減速効果を得ることができるとともに、リスクポテンシャルRPが小さい状況では、運転者の操作を妨げないような制御を行うことが可能となる。
−第4の実施の形態の変形例−
ここでは、リスクポテンシャルRPを表す代表値として、車間時間THWもしくは余裕時間TTCを用いて補正値βを設定する。
図22(a)(b)に、車間時間THWと補正値βとの関係、および余裕時間TTCと補正値βとの関係をそれぞれ示す。車間時間THWおよび余裕時間TTCに基づいてそれぞれ算出される補正値βから、小さい方の値を選択する。
図22(a)に示すように、車間時間THWの減少、すなわちリスクポテンシャルRPの増加に対して、補正値β1、β2、β3を減少させる。また、図22(b)に示すように、余裕時間TTCの減少、すなわちリスクポテンシャルRPの増加に対して、補正値β1、β2、β3を減少させる。なお、余裕時間TTCに対する補正値β1、β2、β3の変化率が、車間時間THWに対する補正値β1、β2、β3の変化率よりも大きくなるように設定されている。
これにより、車間時間THWもしくは余裕時間TTCが大きく小さくリスクポテンシャルRPが小さい状況では、駆動力下限値が大きくなるとともに制動力上限値が小さくなり、システムによって行われる制駆動力制御による介入を小さくすることができる。車間時間THWもしくは余裕時間TTCが小さくリスクポテンシャルRPが大きい状況では、アクセルペダル操作パターンに応じた下限値もしくは上限値で制駆動力制御が行われるので、運転者の運転操作に逆らわない範囲で、最大限の効果を得ることができる。特に、余裕時間TTCが小さく自車両と前方障害物との相対速度Vr(=自車速−前方障害物速度)が大きい状況では、運転者が減速しようとしてアクセルペダル61を戻し方向に操作するときに大きな減速効果を得ることができる。
なお、リスクポテンシャルRPを表す代表値として、余裕時間TTCのみを用いることも可能である。
上述した第1から第4の実施の形態においては、運転操作機器としてアクセルペダル61を用い、リスクポテンシャルRPに応じてアクセルペダル反力制御を行った。ただし、これには限定されず、運転操作機器としてさらにブレーキペダルを用い、アクセルペダル反力制御に加えてブレーキペダル反力制御を行うこともできる。また、リスクポテンシャルRPに応じた制駆動力制御のみを行って、アクセルペダル反力制御を省略するように構成することもできる。また、自車両に発生する制駆動力のうち、リスクポテンシャルRPに応じて駆動力のみ制御することもできる。
上述した第1から第4の実施の形態においては、リスクポテンシャルRPとして車間時間THWおよび余裕時間TTCを算出し、車間時間THWおよび余裕時間TTCに関連付けた2つの仮想弾性体の反発力から制御反発力Fcを算出した。ただしこれには限定されず、車間時間THWおよび余裕時間TTCのいずれか一方をリスクポテンシャルRPとして算出することも可能である。あるいは、車間時間THWの逆数の関数と余裕時間TTCの逆数の関数とを加算したり、これらからセレクトハイによりリスクポテンシャルRPを算出することもできる。
制御反発力Fcと反力制御指令値FAとの関係は図16に示すものには限定されず、リスクポテンシャルRPが増加するほど反力制御指令値FAが増加するように設定することができる。
以上説明した第1から第4の実施の形態においては、レーダ装置10が障害物検出手段として機能し、コントローラ50がリスクポテンシャル算出手段、操作反力制御手段、運転意図検出手段、および制駆動力制御手段として機能することができる。ただし、これらには限定されず、障害物検出手段としてのレーダ装置10を、レーザレーダとは別方式のミリ波レーダを用いたり、CCDやCMOS等の小型カメラを障害物検出手段として用いることも可能である。また、制駆動力制御手段として駆動力制御装置60のみを用いることもできる。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 レーダ装置の測距原理を説明する図。 レーダ装置による検出結果の一例を示す図。 駆動力制御の概要を説明するブロック図。 アクセルペダル操作量と要求駆動力との関係を示す図。 制動力制御の概要を説明するブロック図。 ブレーキペダル操作量と要求制動力との関係を示す図。 第1の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 アクセルペダル操作パターン判定処理の処理手順を示すフローチャート。 自車両の予測進路の算出方法を説明する図。 自車両の予測進路の算出方法を説明する図。 (a)(b)制駆動力制御の概念を説明する図。 制御反発力算出処理の処理手順を示すフローチャート。 制御用制駆動力算出処理の処理手順を示すフローチャート。 制駆動力の補正方法を説明する図。 制御反発力とアクセルペダル反力制御指令値との関係を示す図。 制御反発力と補正係数との関係を示す図。 (a)(b)車間時間と補正係数との関係、および余裕時間と補正係数との関係をそれぞれ示す図。 第3の実施の形態における制御用制駆動力算出処理の処理手順を示すフローチャート。 アクセルペダル操作パターン毎の制駆動力特性を示す図。 制御反発力と制駆動力上限値及び下限値の補正値との関係を示す図。 (a)(b)車間時間と制駆動力上限値及び下限値の補正値との関係、および余裕時間と制駆動力上限値及び下限値の補正値との関係をそれぞれ示す図。
符号の説明
10:レーダ装置、20:車速センサ、30:舵角センサ、40:障害物検知装置、50:コントローラ、60:駆動力制御装置、61:アクセルペダル、70:アクセルペダル反力発生装置、90:制動力制御装置、91:ブレーキペダル

Claims (6)

  1. 自車両前方に存在する障害物を検出し、自車両と前記障害物との相対距離を検出する障害物検出手段と、
    前記障害物検出手段の検出結果に基づいて、前記障害物に対する前記自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    アクセルペダルの操作パターンに基づいて運転者の加速意図を検出する運転意図検出手段と、
    前記アクセルペダル操作量に応じた要求駆動力に基づいて目標制駆動力を算出する制駆動力算出手段と、
    前記制駆動力算出手段で算出された前記目標制駆動力に基づいて前記自車両に発生する制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え、
    前記制駆動力算出手段は、前記運転者が加速しようとする意図が小さいほど小さくなる所定値を設定し、前記要求駆動力が前記所定値以上の場合は、前記所定値を下限値として、前記要求駆動力から前記リスクポテンシャルに応じた補正量を減算することによって前記目標制駆動力を算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記運転意図検出手段は、前記アクセルペダルの操作パターンに基づいて前記加速意図を検出するために、前記アクセルペダルの操作パターンを、踏増し、保持、戻し、および操作なしの4段階に分類し、
    前記制駆動力算出手段は、踏増し、および保持の順に前記所定値を小さくするとともに戻しおよび操作なしの場合は前記所定値を設けず、または、踏増し、保持、および戻しの順に前記所定値を小さくするとともに操作なしの場合は前記所定値を設けず、
    前記制駆動力算出手段は、踏増しの場合、前記要求駆動力が前記所定値よりも小さいときは前記要求駆動力を前記目標制駆動力として設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制駆動力算出手段は、踏増しの場合の前記所定値として、走行抵抗に相当する値を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制駆動力算出手段は、前記リスクポテンシャルの増加に対して減少する補正値を前記所定値に加算することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 自車両前方に存在する障害物を検出し、自車両と前記障害物との相対距離を検出し、
    前記障害物の検出結果に基づいて、前記障害物に対する前記自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出し、
    アクセルペダルの操作パターンに基づいて運転者の加速意図を検出し、
    前記アクセルペダル操作量に応じた要求駆動力に基づいて目標制駆動力を算出し、
    算出された前記目標制駆動力に基づいて前記自車両に発生する制駆動力を制御し、
    前記運転者が加速しようとする意図が小さいほど小さくなる所定値を設定し、前記要求駆動力が前記所定値以上の場合は、前記所定値を下限値として、前記要求駆動力から前記リスクポテンシャルに応じた補正量を減算することによって前記目標制駆動力を算出することを特徴とする車両用運転操作補助方法。
  6. 自車両前方に存在する障害物を検出し、自車両と前記障害物との相対距離を検出する障害物検出手段と、
    前記障害物検出手段の検出結果に基づいて、前記障害物に対する前記自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    アクセルペダルの操作パターンに基づいて運転者の加速意図を検出する運転意図検出手段と、
    前記アクセルペダル操作量に応じた要求駆動力に基づいて目標制駆動力を算出する制駆動力算出手段と、
    前記制駆動力算出手段で算出された前記目標制駆動力に基づいて前記自車両に発生する制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え、
    前記制駆動力算出手段は、前記運転者が加速しようとする意図が小さいほど小さくなる所定値を設定し、前記要求駆動力が前記所定値以上の場合は、前記所定値を下限値として、前記要求駆動力から前記リスクポテンシャルに応じた補正量を減算することによって前記目標制駆動力を算出する車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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