JP4623136B2 - 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents
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Description
本発明による車両用運転操作補助方法は、少なくとも、自車両前方に存在する障害物と自車両との距離、および自車速を検出し、少なくとも距離および自車速に基づいて、自車両と障害物との相対位置関係を算出し、少なくとも距離および自車速に基づいて、自車両と障害物との接近度合を示すリスクポテンシャルを算出し、リスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力および自車両に発生する制駆動力を制御し、運転者によるアクセルペダルの操作状態を検出し、運転者のアクセルペダル操作状態に基づいて、運転者の運転意図として、加速意図、減速意図および定常意図を推定し、推定された運転意図、および自車両と障害物との相対位置関係に基づいて、複数の異なる制御作動領域の中から操作反力および制駆動力を制御するための制御作動領域を決定し、操作反力を制御するための制御作動領域を固定とし、制駆動力を制御するための制御作動領域を、運転意図および相対位置関係に基づいて選択し、決定された操作反力を制御するための制御作動領域および制駆動力を制御するための制御作動領域に従って、操作反力算出用のリスクポテンシャルおよび制駆動力算出用のリスクポテンシャルをそれぞれ算出する。
本発明による車両は、上記車両用運転操作補助装置を備える。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載した車両の構成図である。
ステップS400では、アクセルペダル反力制御を行うための制御パターンを決定する。制御パターンは、アクセルペダル反力制御をどのような形態で行うかを表しており、ここでは、制御パターンとしてアクセルペダル反力制御を実行する制御作動領域を決定する。制御パターンは、制御作動領域の長いパターン0(Flg=0)、制御作動領域の中程度のパターン1(Flg=1)、および制御作動領域の短いパターン2(Flg=2)のいずれかを選択する。
まず、ステップS401で、ステップS200で認識された自車両前方の障害物、例えば先行車と自車両との余裕時間TTC(Time To Contact)を算出する。余裕時間TTCは、先行車に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量であり、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速Vhおよび相対車速Vr(=自車速−先行車速)が一定の場合に、何秒後に車間距離Xがゼロとなり自車両と先行車とが接触するかを示す値である。先行車に対する余裕時間TTCは、以下の(式1)で求められる。
TTC=X/Vr ・・・(式1)
ステップS500では、自車両前方の障害物、例えば先行車に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルRPを算出する。リスクポテンシャル(Risk Potential)は、「潜在的なリスク/危急」を意味し、ここでは特に、自車両と自車両周囲に存在する障害物とが接近していくことにより増大するリスクの大きさを表す。したがって、リスクポテンシャルは、自車両と障害物とがどれほど近づいているか、すなわち自車両と障害物とが近づいている程度(接近度合)を表す物理量であるといえる。以下に、リスクポテンシャルRPの算出方法を説明する。
L=Th×Vr ・・・(式2)
RP=K・(L−X) ・・・(式3)
ここで、Kは仮想弾性体30のバネ定数である。これにより、自車両と先行車との車間距離Xが短くなり仮想弾性体300が圧縮されるほど、リスクポテンシャルRPが大きくなる。
(1)車両用運転操作補助装置1のコントローラ50は、少なくとも、自車両前方に存在する障害物と自車両との距離X、および自車速Vhを検出し、その検出結果に基づいて、自車両と障害物との相対位置関係を算出する。さらに、運転操作機器であるアクセルペダル72の運転者による操作状態を検出し、複数の制御パターンの中から、運転者のアクセルペダル操作状態および自車両と障害物との相対位置関係に基づいて、制御パターンを決定する。コントローラ50は、決定された制御パターンに従い、車間距離Xおよび自車速Vh等に基づいて自車両と障害物との接近度合を示すリスクポテンシャルRPを算出し、算出したリスクポテンシャルRPに基づいて、アクセルペダル72に発生する操作反力および自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する。第1の実施の形態ではアクセルペダル操作反力を制御した。これにより、自車両周囲の交通環境によって変化するアクセルペダル72の操作状態および自車両と障害物との相対位置関係を考慮して、適切な制御パターンを選択することができ、操作反力を用いた情報の伝達と、運転者の意図に反する操作反力の発生によって運転者に与えるわずらわしさの低減を両立した操作反力制御を行うことが可能となる。
(2)コントローラ50の意図検出部53は、運転者のアクセルペダル操作状態に基づいて、加速意図、減速意図、および定常意図から運転者の運転意図を推定する。複数の制御パターンは、それぞれ異なる制御作動領域を有し、コントローラ50の制御パターン決定部54は、アクセルペダル操作状態に基づいて推定された運転意図を用いて制御パターンを決定する。これにより、運転者の運転意図を考慮した制御パターンを選択して適切な操作反力制御を行うことができる。
(3)制御パターン決定部50は、加速意図が推定されると、現在の制御作動領域よりも短い制御作動領域を有する制御パターンを選択する。運転者が加速意図を示し、障害物に接近していこうとしている場合は、制御作動領域が短い制御パターンを選択することにより、自車両と障害物との接触の可能性が高くなるまでは操作反力制御が作動しない。これにより、運転者の運転操作、具体的にはアクセルペダル操作を妨げることがない。一方、接触の可能性が高くなるとアクセルペダル72から大きな操作反力が発生されるので、運転者の注意を喚起して接触の可能性を低減することが可能となる。
(4)制御パターン決定部50は、減速意図が推定され、自車両と障害物とが離れる方向に相対位置関係が変化している場合は、現在の制御作動領域よりも長い制御作動領域を有する制御パターンを選択する。これにより、運転者が減速しようとしている場合は制御作動領域が段々長くなるので、運転者の感覚にあった操作反力制御を実行することが可能となる。
(5)制御パターン決定部50は、走行状態検出手段であるレーザレーダ10で今まで検出されていた障害物が検出されなくなると、最も長い制御作動領域を有する制御パターンを選択する。これにより、次に障害物が検出され始めたときに、早い段階から操作反力制御を開始することができる。
(6)コントローラ50は、自車両と障害物との相対位置関係として、車間距離Xおよび相対速度Vrに基づいて自車両と障害物との余裕時間TTCを算出し、制御作動領域を余裕時間TTCの長さとして定義する。これにより、混雑した交通流、合流地点、追越時等、さまざまな交通環境における運転者の運転特性を考慮して制御パターンを適切に設定することができる。
以下に、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。図12に、第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置2のシステム図を示し、図13に、図12に示す車両用運転操作補助装置2を搭載した車両を示す。なお、図12、図13において、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、上述した第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
車両用運転操作補助装置2のコントローラ50Aは、少なくとも、自車両前方に存在する障害物と自車両との距離X、および自車速Vhを検出し、その検出結果に基づいて、自車両と障害物との相対位置関係を算出する。さらに、運転操作機器であるアクセルペダル72の運転者による操作状態を検出し、複数の制御パターンの中から、運転者のアクセルペダル操作状態および自車両と障害物との相対位置関係に基づいて、制御パターンを決定する。コントローラ50Aは、決定された制御パターンに従い、車間距離Xおよび自車速Vh等に基づいて自車両と障害物との接近度合を示すリスクポテンシャルRPを算出し、算出したリスクポテンシャルRPに基づいて、アクセルペダル72に発生する操作反力および自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する。第2の実施の形態ではアクセルペダル操作反力および自車両に発生させる制駆動力を両方制御した。これにより、自車両周囲の交通環境によって変化するアクセルペダル72の操作状態および自車両と障害物との相対位置関係を考慮して、適切な制御パターンを選択して操作反力制御および制駆動力制御を行うことができる。
以下に、本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図12および図13に示した第2の実施の形態と同様である。ここでは、上述した第2の実施の形態との相違点を主に説明する。
L0=Th0×Vr ・・・(式4)
RPfa=K×(L0−X) ・・・(式5)
ステップS530が否定判定されると、ステップS533へ進んで反力算出用のリスクポテンシャルRPfa=0に設定する。
ステップS650以降の処理は、第2の実施の形態と同様である。
コントローラ50Aの制御パターン決定部54は、操作反力を制御するための制御パターンを固定とし、制駆動力を制御するための制御パターンを、運転者の運転意図および自車両と障害物との相対位置関係に基づいて選択する。具体的には、アクセルペダル反力制御指令値FAを算出するための反力算出用リスクポテンシャルRPfaを、最も制御作動領域の長い制御パターン0に対応する値として算出し、制駆動力補正量ΔDa,ΔDbを算出するための反発力算出用リスクポテンシャルRPfcを、選択された制御パターンに応じて切り替える。これにより、例えば、運転者が意図的に障害物に接近している場合には、アクセルペダル72からの操作反力としてリスクポテンシャルRPの大きさを運転者に知らせながら、駆動力の低下量が大きくなりすぎないように調整することができるので、運転者のへの情報の伝達と、わずらわしさの低減とを効果的に両立させることができる。
50,50A:コントローラ 70:アクセルペダル反力制御装置
73:駆動力制御装置 74:アクセルペダルストロークセンサ
93:制動力制御装置 94:ブレーキペダルストロークセンサ
Claims (7)
- 少なくとも、自車両前方に存在する障害物と自車両との距離、および自車速を検出する走行状態検出手段と、
前記走行状態検出手段の検出結果に基づいて、前記自車両と前記障害物との相対位置関係を算出する相対位置算出手段と、
前記走行状態検出手段の検出結果に基づいて、前記自車両と前記障害物との接近度合を示すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、前記アクセルペダルに発生する操作反力および前記自車両に発生する制駆動力を制御する制御手段と、
運転者によるアクセルペダルの操作状態を検出する操作状態検出手段と、
前記操作状態検出手段によって検出される前記運転者のアクセルペダル操作状態に基づいて、前記運転者の運転意図として、加速意図、減速意図および定常意図を推定する運転意図推定手段と、
前記運転意図推定手段によって推定された前記運転意図、および前記自車両と前記障害物との前記相対位置関係に基づいて、複数の異なる制御作動領域の中から前記制御手段において前記操作反力および前記制駆動力を制御するための制御作動領域を決定する制御作動領域決定手段とを備え、
前記制御作動領域決定手段は、前記操作反力を制御するための制御作動領域を固定とし、前記制駆動力を制御するための制御作動領域を、前記運転意図および前記相対位置関係に基づいて選択し、
前記リスクポテンシャル算出手段は、前記制御作動領域決定手段によって決定された前記操作反力を制御するための制御作動領域および前記制駆動力を制御するための制御作動領域に従って、前記操作反力算出用のリスクポテンシャルおよび前記制駆動力算出用のリスクポテンシャルをそれぞれ算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記制御作動領域決定手段は、前記運転意図推定手段によって前記加速意図が推定されると、前記制駆動力を制御するための制御作動領域として、現在の制御作動領域よりも短い制御作動領域を選択することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記制御作動領域決定手段は、前記運転意図推定手段によって前記減速意図が推定され、前記自車両と前記障害物とが離れる方向に前記相対位置関係が変化している場合は、前記制駆動力を制御するための制御作動領域として、現在の制御作動領域よりも長い制御作動領域を選択することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記制御作動領域決定手段は、前記走行状態検出手段によって前記障害物が検出されなくなると、前記制駆動力を制御するための制御作動領域として、最も長い制御作動領域を選択することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記相対位置算出手段は、前記相対位置関係として、前記自車両と前記障害物との距離および相対速度に基づいて前記自車両と前記障害物との余裕時間を算出し、
前記制御作動領域は、前記余裕時間の長さとして定義されることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 少なくとも、自車両前方に存在する障害物と自車両との距離、および自車速を検出し、
少なくとも前記距離および前記自車速に基づいて、前記自車両と前記障害物との相対位置関係を算出し、
少なくとも前記距離および前記自車速に基づいて、前記自車両と前記障害物との接近度合を示すリスクポテンシャルを算出し、
前記リスクポテンシャルに基づいて、前記アクセルペダルに発生する操作反力および前記自車両に発生する制駆動力を制御し、
運転者によるアクセルペダルの操作状態を検出し、
前記運転者のアクセルペダル操作状態に基づいて、前記運転者の運転意図として、加速意図、減速意図および定常意図を推定し、
推定された前記運転意図、および前記自車両と前記障害物との前記相対位置関係に基づいて、複数の異なる制御作動領域の中から前記操作反力および前記制駆動力を制御するための制御作動領域を決定し、
前記操作反力を制御するための制御作動領域を固定とし、前記制駆動力を制御するための制御作動領域を、前記運転意図および前記相対位置関係に基づいて選択し、
決定された前記操作反力を制御するための制御作動領域および前記制駆動力を制御するための制御作動領域に従って、前記操作反力算出用のリスクポテンシャルおよび前記制駆動力算出用のリスクポテンシャルをそれぞれ算出することを特徴とする車両用運転操作補助方法。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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