JP4124030B2 - 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents

車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用運転操作補助装置は、先行車と自車両との車間距離に基づき、アクセルペダルの操作反力を変更している(例えば特許文献1)。この装置は、車間距離の減少に伴いアクセルペダルの反力を増加させることによって、運転者の注意を喚起する。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】
特開平10−166889号公報
【特許文献2】
特開平10−166890号公報
【特許文献3】
特開2000−54860号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような車両用運転操作補助装置にあっては、自車両周囲の走行状況の変化に伴うアクセルペダル反力の変化を運転者にわかりやすく伝達することが望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両周囲の走行環境として、少なくとも自車両と障害物との相対距離および相対速度を検出する走行環境検出手段と、走行環境検出手段による検出結果に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段で算出されるリスクポテンシャルに基づいて、リスクポテンシャルが大きくなるほどアクセルペダルに発生する操作反力が大きくなるように、操作反力を制御する操作反力制御手段と、アクセルペダルの操作量を検出する操作量検出手段と、操作反力制御手段によって操作反力が制御されているとき、操作量検出手段によって検出されるアクセルペダルの操作量が変化する場合は、アクセルペダルに周期的に付加力を発生させる付加力発生手段とを有し、付加力発生手段は、アクセルペダルの操作量の変化方向に応じて付加力の形態を変更し、リスクポテンシャルに応じた操作反力と付加力とから実際にアクセルペダルに発生させる操作反力を決定する
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両周囲の走行環境として、少なくとも自車両と障害物との相対距離および相対速度を検出する走行環境検出手段と、走行環境検出手段による検出結果に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段で算出されるリスクポテンシャルに基づいて、リスクポテンシャルが大きくなるほどアクセルペダルに発生する操作反力が大きくなるように、操作反力を制御する操作反力制御手段と、アクセルペダルの操作量を検出する操作量検出手段と、操作反力制御手段によって操作反力が制御されているとき、操作量検出手段によって検出されるアクセルペダルの操作量が変化する場合は、アクセルペダルに周期的に付加力を発生させる付加力発生手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルの変化速度を算出する変化速度算出手段とを備え、付加力発生手段は、アクセルペダルの操作量の変化に応じて一定の周期で付加力を発生するとともに、変化速度算出手段によって算出されるリスクポテンシャルの変化速度に応じて、付加力の形態を変更し、付加力発生手段は、リスクポテンシャルの変化速度が速くなるほど、付加力を大きくする。
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両周囲の走行環境として、少なくとも自車両と障害物との相対距離および相対速度を検出する走行環境検出手段と、走行環境検出手段による検出結果に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段で算出されるリスクポテンシャルに基づいて、リスクポテンシャルが大きくなるほどアクセルペダルに発生する操作反力が大きくなるように、操作反力を制御する操作反力制御手段と、アクセルペダルの操作量を検出する操作量検出手段と、操作反力制御手段によって操作反力が制御されているとき、操作量検出手段によって検出されるアクセルペダルの操作量が変化する場合は、アクセルペダルに周期的に付加力を発生させる付加力発生手段と、自車両の車両状態として、自車速を検出する車両状態検出手段とを備え、付加力発生手段は、アクセルペダルの操作量の変化に応じて一定の周期で付加力を発生するとともに、車両状態検出手段によって検出される自車速に基づいて、付加力の形態を変更し、付加力発生手段は、車両状態検出手段によって検出される自車速が高速である場合は、自車速が低速である場合に比べて付加力の発生周期を短くする
【0005】
【発明の効果】
アクセルペダル操作量が変化する場合はアクセルペダルに周期的に付加力を発生させるので、発生する操作反力によってアクセルペダルが操作されていることを運転者に知らせることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載した車両の構成図である。
【0007】
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。レーザレーダ10は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを照射して車両前方領域を走査する。レーザレーダ10は、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、複数の前方車までの車間距離とその存在方向を検出する。検出した車間距離及び存在方向はコントローラ50へ出力される。なお、本実施の形態において、前方物体の存在方向は、自車両に対する相対角度として表すことができる。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
【0008】
前方カメラ20は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、またはCMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出し、コントローラ50へと出力する。前方カメラ20による検知領域は水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が画像として取り込まれる。
【0009】
車速センサ30は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出し、検出した自車速をコントローラ50に出力する。
【0010】
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されており、CPUのソフトウェア形態により車両用運転操作補助装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、車速センサ30から入力される自車速と、レーザレーダ10から入力される距離情報と、前方カメラ20から入力される車両周辺の画像情報とから、自車両周囲の走行環境すなわち障害物状況を検出する。なお、コントローラ50は、前方カメラ20からの画像情報を画像処理し、自車両周囲の障害物状況を検出する。ここで、自車両周囲の障害物状況としては、自車両前方を走行する先行車両までの車間距離、隣接車線を走行する他車両の有無と接近度合、および車線識別線(レーンマーカ)およびガードレールに対する自車両の左右位置(相対位置と角度)、さらにレーンマーカおよびガードレールの形状などである。
【0011】
コントローラ50は、検出した障害物状況に基づいて各障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを算出し、後述するようにリスクポテンシャルに応じたアクセルペダル反力制御を行う。
【0012】
図3に示すように、アクセルペダル82のリンク機構にはサーボモータ81およびアクセルペダルストロークセンサ83が組み込まれている。アクセルペダル反力制御装置80は、コントローラ50からの指令に応じてサーボモータ81で発生させるトルクを制御する。サーボモータ81は、アクセルペダル反力制御装置80からの指令値に応じて発生させる反力を制御し、運転者がアクセルペダル82を操作する際に発生する踏力を任意に制御することができる。アクセルペダルストロークセンサ83は、リンク機構を介してサーボモータ81の回転角に変換されたアクセルペダル82の操作量すなわちアクセルペダルストローク量を検出する。
【0013】
なお、アクセルペダル反力制御を行わない場合の通常のアクセルペダル反力特性は、例えば、アクセルペダルストローク量が大きくなるほどアクセルペダル反力がリニアに大きくなるよう設定されている。通常のアクセルペダル反力特性は、例えばアクセルペダル82の回転中心に設けられたねじりバネ84のバネ力によって実現することができる。
【0014】
次に、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を説明する。その動作の概略を以下に述べる。
コントローラ50は、自車両の走行車速、および自車両と自車前方や隣接車線に存在する他車両との相対位置やその移動方向と、レーンマーカやガードレールに対する自車両の相対位置等の自車両周囲の障害物状況を認識する。コントローラ50は、認識した障害物状況に基づいて、各障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを求める。さらに、算出したリスクポテンシャルに基づいてアクセルペダル82の反力制御量を算出する。コントローラ50は、リスクポテンシャルに応じた反力制御量を発生するような指令をアクセルペダル反力制御装置80に出力し、アクセルペダル反力制御を行う。
【0015】
このように、自車両周囲のリスクポテンシャルに応じたアクセルペダル反力を発生させることにより、自車両周囲の走行状況の変化を運転者に認識させることができる。ただし、運転者が一定の力でアクセルペダル82を保持している場合は、運転者はアクセルペダル反力の変化に気付かずに、アクセルペダル反力の変化によって無意識のうちにアクセルペダル82が操作されてしまうことがある。例えば、自車両周囲のリスクポテンシャルが増加してアクセルペダル反力が増加する場合に、運転者が無意識のうちにアクセルペダル82が徐々に押し戻される。一方、リスクポテンシャルが減少してアクセルペダル反力が低下した場合には、運転者はアクセルペダル反力の変化に気付かずにアクセルペダル82を徐々に踏み込んでしまう。
【0016】
そこで、本発明の第1の実施の形態においては、運転者がアクセルペダル82に足をのせてアクセルペダル82を保持しているような状態でも、アクセルペダル反力の変化を運転者に確実に伝達できるようにする。具体的には、リスクポテンシャルに応じたアクセルペダル反力が発生している状態で、アクセルペダルストローク量が変化する場合に、アクセルペダルストローク量に応じた付加力をアクセルペダル反力に付加する。
【0017】
以下に、第1の実施の形態におけるアクセルペダル反力制御について、図4を用いて詳細に説明する。図4は、第1の実施の形態のコントローラ50による運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
【0018】
ステップS101で、レーザレーダ10,前方カメラ20および車速センサ30によって検出される自車両周囲の走行環境を読み込む。ここで検出される走行環境は、自車両周囲に存在する障害物までの相対距離D、相対速度Vrおよび自車速Vf等である。
【0019】
ステップS102で、ステップS101で検出した走行環境に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルRPを算出する。リスクポテンシャルRPを算出するために、まず、自車両と障害物、例えば先行車との余裕時間TTCおよび車間時間THWを算出する。
【0020】
余裕時間TTCは、先行車に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量である。余裕時間TTCは、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速Vfおよび相対車速Vrが一定の場合に、何秒後に車間距離Dがゼロとなり自車両と先行車両とが接触するかを示す値であり、以下の(式1)により求められる。
【数1】
余裕時間TTC=−D/Vr (式1)
【0021】
余裕時間TTCの値が小さいほど、先行車への接触が緊迫し、先行車への接近度合が大きいことを意味している。例えば先行車への接近時には、余裕時間TTCが4秒以下となる前に、ほとんどのドライバが減速行動を開始することが知られている。
【0022】
車間時間THWは、自車両が先行車に追従走行している場合に、想定される将来の先行車の車速変化による余裕時間TTCへの影響度合、つまり相対車速Vrが変化すると仮定したときの影響度合を示す物理量である。車間時間THWは、以下の(式2)で表される。
【数2】
車間時間THW=D/Vf (式2)
【0023】
車間時間THWは、車間距離Dを自車速Vfで除したものであり、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す。この車間時間THWが大きいほど、周囲環境変化に対する予測影響度合が小さくなる。つまり、車間時間THWが大きい場合には、もしも将来に先行車の車速が変化しても、先行車までの接近度合には大きな影響を与えず、余裕時間TTCはあまり大きく変化しないことを示す。なお、自車両が先行車に追従している場合は、(式2)において自車速Vfの代わりに先行車速を用いて車間時間THWを算出することもできる。
【0024】
つぎに、上述したように算出した余裕時間TTCおよび車間時間THWを用いて、先行車に対するリスクポテンシャルRPを算出する。リスクポテンシャルRPは以下の(式3)により算出できる。
【数3】
RP=a/THW+b/TTC (式3)
ここで、定数a、bは、車間時間THWおよび余裕時間TTCにそれぞれ適切な重み付けをするパラメータである。定数a、bは、a<bとなるように予め適切に設定しておく(例えばa=1,b=8)。
【0025】
ステップS103で、ステップS102で算出したリスクポテンシャルRPに応じたアクセルペダル反力制御量、すなわち反力制御指令値f1を算出する。図5に、リスクポテンシャルRPと反力制御指令値f1との関係を示す。図5に示すように、反力制御指令値f1は、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど増加する。
【0026】
ステップS104では、アクセルペダルストロークセンサ83によって検出されるアクセルペダルストローク量θを読み込む。つづくステップS105で、ステップS104で読み込んだアクセルペダルストローク量θに応じた付加力f2を算出する。図6にアクセルペダルストローク量θと付加力f2との関係を示す。図6に示すように、アクセルペダルストローク量θの変化に対して一定周期でパルス状の付加力f2が発生するように設定されている。すなわち、アクセルペダルストローク量θが変化した場合に、アクセルペダル82にパルス状の付加力(クリック力)f2が発生する。この付加力f2は、アクセルペダルストローク量θの変化速度が大きい場合には短い周期で発生し、アクセルペダルストローク量θの変化速度が緩やかである場合にはその発生周期が長くなる。付加力f2の大きさおよびアクセルペダルストローク量θに対する発生周期、すなわち発生間隔は予め適切に設定され、付加力f2の大きさは例えば0.3kgfとする。
【0027】
ステップS106では、ステップS103で算出したリスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1と、ステップS105で算出した付加力f2とから、実際にアクセルペダル82に付加する反力の指令値FAを算出する。反力指令値FAは、FA=f1+f2である。ステップS107では、ステップS106で算出した反力指令値FAをアクセルペダル反力制御装置80に出力する。アクセルペダル反力制御装置80は、入力された反力指令値FAに応じてサーボモータ81を制御し、アクセルペダル82に発生する反力を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
【0028】
図7(a)〜(e)に、第1の実施の形態による作用を説明するための図を示す。図7(a)は時間tに対するリスクポテンシャルRPの変化、図7(b)は時間tに対する反力制御指令値f1の変化、図7(c)は時間tに対するアクセルペダルストローク量θの変化、図7(d)は時間tに対する付加力f2の変化、および図7(e)は時間tに対するアクセルペダル反力指令値FAの変化を示す。
【0029】
図7(a)(b)に示すように、自車両周囲の走行環境の変化によってリスクポテンシャルRPが増加すると、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1も増加する。運転者がアクセルペダル82を一定の力で保持しているだけのときは、図7(c)に示すように反力制御指令値f1の増加によってアクセルペダル82が押し戻され、アクセルペダルストローク量θが低下する。このとき、図7(d)に示すようにアクセルペダルストローク量θの変化に応じた付加力f2が発生し、アクセルペダル82には図7(e)に示すように反力制御指令値f1と付加力f2とを加算したアクセルペダル反力FAが発生する。
【0030】
これにより、運転者はアクセルペダル反力FAの周期的な変動を知覚し、リスクポテンシャルRPおよび反力制御指令値f1の変化によってアクセルペダルストローク量θが変化していることを認識することができる。さらに、図7(e)に示すように反力制御指令値f1に加えて付加力f2をアクセルペダル82に発生することにより、とくにリスクポテンシャルRPが増加している場合には、アクセルペダル82を戻すように運転者のペダル操作を促すことができる。
【0031】
図7(a)〜(e)においては、リスクポテンシャルRPが増加する場合を例として説明したが、リスクポテンシャルRPが減少する場合も同様にしてアクセルペダルストローク量θの変化に応じた付加力f2が発生する。
【0032】
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
(1)コントローラ50は、自車両周囲のリスクポテンシャルRPに応じてアクセルペダル反力制御を行う際に、アクセルペダルストローク量θが変化する場合はアクセルペダル82に周期的に付加力f2を発生させる。これにより、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1によって運転者が無意識のうちにアクセルペダル82が操作されてしまうような場合に、アクセルペダルストローク量θが変化していることを運転者に理解させることができる。
(2)図6に示すように、付加力f2はアクセルペダルストローク量θの変化に応じて一定の周期で発生するように設定されている。これにより、アクセルペダルストローク量θが大きく変化する場合には短い時間間隔で付加力f2が発生し、運転者の注意を喚起することができる。一方、アクセルペダルストローク量θが緩やかに変化する場合は付加力f2が発生する間隔が長くなるので、運転者に煩わしさを与えることがない。
【0033】
《第2の実施の形態》
つぎに、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0034】
第2の実施の形態においては、リスクポテンシャルRPおよび反力制御指令値f1の変化によってアクセルペダルストローク量θが変化するときに、アクセルペダル82に発生させる付加力f2の形態を、アクセルペダルストローク量θが増加しているか減少しているかによって変更する。
【0035】
以下に、第2の実施の形態におけるアクセルペダル反力制御について、図8を用いて詳細に説明する。図8は、第2の実施の形態のコントローラ50による運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
【0036】
ステップS201〜S203における処理は、上述した第1の実施の形態で説明した図4のフローチャートのステップS101〜S103と同様である。ステップS204では、アクセルペダルストロークセンサ83によって検出されるアクセルペダルストローク量θを読み込む。なお、前回周期以前に読み込んだアクセルペダルストローク量は、コントローラ50のメモリに記憶されている。
【0037】
ステップS205では、ステップS204で検出したアクセルペダルストローク量θに基づいて、アクセルペダル82に発生させる付加力f2を算出する。ここでは、上述した第1の実施の形態と同様に、図6のマップを用いてアクセルペダルストローク量θに応じた付加力f2を算出する。ステップS206では、ステップS204で検出した現在のアクセルペダルストローク量θと、前回周期以前のアクセルペダルストローク量とから、アクセルペダルストローク量θが増加しているか否かを判定する。ステップS206が肯定判定され、アクセルペダルストローク量θが増加している場合は、ステップS207へ進む。ステップS207では、ステップS205で算出した付加反力f2の符号を反転させる。すなわち、付加反力f2=−f2として設定する。一方、ステップS206が否定判定され、アクセルペダルストローク量θが減少している場合は、ステップS205で算出した付加力f2をそのまま用いる。
【0038】
ステップS208では、ステップS203で算出したリスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1と、ステップS205またはステップS207で設定した付加力f2とから、実際にアクセルペダル82に発生させる反力の指令値FAを算出する。ここで、反力指令値FA=f1+f2である。ステップS209では、ステップS208で算出した反力指令値FAをアクセルペダル反力制御装置80に出力する。これにより、今回の処理を終了する。
【0039】
図9(a)〜(e)に、第2の実施の形態による作用を説明するための図を示す。図9(a)は時間tに対するリスクポテンシャルRPの変化、図9(b)は時間tに対する反力制御指令値f1の変化、図9(c)は時間tに対するアクセルペダルストローク量θの変化、図9(d)は時間tに対する付加力f2の変化、および図9(e)は時間tに対するアクセルペダル反力指令値FAの変化を示す。
【0040】
図9(a)(b)に示すように、自車両周囲の走行環境の変化によってリスクポテンシャルRPが増加すると、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1も増加する。運転者がアクセルペダル82を一定の力で保持しているだけのときは、図9(c)に示すように反力制御指令値f1の増加によってアクセルペダル82が押し戻され、アクセルペダルストローク量θが低下する。このとき、図9(d)に示すようにアクセルペダルストローク量θの変化に応じた付加力f2が発生し、アクセルペダル82には図9(e)に示すように反力制御指令値f1と付加力f2とを加算したアクセルペダル反力FAが発生する。
【0041】
その後、図9(a)(b)に示すように時間t=t1でリスクポテンシャルRPおよび反力制御指令値f1が低下し始めると、これに伴って図9(c)に示すようにアクセルペダルストローク量θが増加する。このとき、図9(d)に示すように付加力f2はアクセルペダルストローク量θの増加に応じてマイナスの値となる。その結果、図9(e)に示すように反力制御指令値f1から付加力f2をマイナスした値がアクセルペダル反力FAとしてアクセルペダル82に発生する。
【0042】
これにより、運転者はアクセルペダル反力FAの周期的な変動を知覚し、リスクポテンシャルRPおよび反力制御指令値f1の変化によってアクセルペダルストローク量θが変化していることを認識することができる。さらに、リスクポテンシャルRPが増加し、アクセルペダル82が戻されている場合には、反力制御指令値f1に加えて付加力f2をアクセルペダル82に発生することにより、アクセルペダル82を速やかに戻すように運転者のペダル操作を促すことができる。また、リスクポテンシャルRPが減少している場合は、マイナス側の付加力f2を付加して運転者によるアクセルペダル82の踏み込み操作を促すことができる。
【0043】
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
コントローラ50は、アクセルペダルストローク量θの変化方向に応じて付加力f2の形態を変更するので、アクセルペダル82の操作状態に応じて適切な付加力f2を発生させることができる。具体的には、アクセルペダルストローク量θが減少する場合に、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1に付加力f2を加算し、アクセルペダルストローク量θが増加する場合には反力制御指令値f1から付加力f2を減算する。これにより、図9(c)(e)に示すように、リスクポテンシャルRPが増加しアクセルペダル82が戻されている場合には、付加力f2が加算されたアクセルペダル反力FAが発生する。これにより、運転者により大きな刺激を与え、アクセルペダル82を戻すように促すことができる。一方、リスクポテンシャルRPが減少しアクセルペダル82を踏み込んでいるような場合には、付加力f2を減じたアクセルペダル反力FAが発生する。これにより、運転者がアクセルペダル82から感じる刺激は小さくなり、運転者の意図による運転操作を妨げないようにすることができる。
【0044】
《第3の実施の形態》
つぎに、本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0045】
上述した第1の実施の形態においては、リスクポテンシャルRPに応じて発生する反力制御量f1によってアクセルペダルストローク量θが変化する場合に、アクセルペダル82に付加力f2を付加した。第3の実施の形態においては、自車両周囲のリスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1の変化方向とアクセルペダルストローク量θの変化方向が一致しない場合のみ、アクセルペダル82に付加力f2を付加する。具体的には、リスクポテンシャルRPが増加し、反力制御指令値f1の増加によりアクセルペダルストローク量θが減少する場合、およびリスクポテンシャルRPが減少し、反力制御指令値f1の減少によりアクセルペダルストローク量θが増加する場合は、付加力f2を発生させる。一方リスクポテンシャルRPの増加により反力制御指令値f1は増加しているがアクセルペダルストローク量θも増加する場合、およびリスクポテンシャルRPの低下により反力制御指令値f1は減少しているがアクセルペダルストローク量θも低下する場合は、付加力f2を発生しないようにする。
【0046】
以下に、第3の実施の形態におけるアクセルペダル反力制御について、図10を用いて詳細に説明する。図10は、第3の実施の形態のコントローラ50による運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
【0047】
ステップS301〜S304における処理は、上述した第1の実施の形態で説明した図4のフローチャートのステップS101〜S104と同様である。なお、前回周期以前に算出した反力制御指令値および前回周期以前に読み込んだアクセルペダルストローク量は、コントローラ50のメモリに記憶されている。
【0048】
ステップS305では、反力制御指令値f1とアクセルペダルストローク量θの変化方向が一致するか否かを判定する。具体的には、ステップS303で算出した反力制御指令値f1および前回周期以前の反力制御指令値から、反力制御指令値f1の変化方向を算出する。また、ステップS304で読み込んだアクセルペダルストローク量θおよび前回周期以前のアクセルペダルストローク量から、アクセルペダルストローク量θの変化方向を算出する。そして、反力制御指令値f1およびアクセルペダルストローク量θの変化方向を比較し、それぞれの変化方向が一致する場合は、ステップS306へ進む。すなわち反力制御指令値f1およびアクセルペダルストローク量θがともに増加、またはともに減少する場合は、ステップS306へ進む。
【0049】
ステップS306では、アクセルペダル82にクリック力を発生させないように、付加力f2=0に設定する。すなわち、反力制御指令値f1とアクセルペダルストローク量θの変化方向が同じ場合は、運転者の意図によりアクセルペダル操作が行われていると判断し、アクセルペダル82に付加力f2を付加しないようにする。一方、ステップS305が否定判定され、反力制御指令値f1とアクセルペダルストローク量θの変化方向が一致しない場合は、ステップS307へ進む。ステップS307では、上述した第1の実施の形態と同様に、アクセルペダルストローク量θから図6のマップを用いて付加力f2を算出する。
【0050】
ステップS308では、ステップS303で算出したリスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1と、ステップS306またはステップS307で設定した付加力f2とから、実際にアクセルペダル82に発生させる反力の指令値FA(FA=f1+f2)を算出する。ステップS309では、ステップS308で算出した反力指令値FAをアクセルペダル反力制御装置80に出力する。これにより、今回の処理を終了する。
【0051】
図11(a)〜(e)に、第3の実施の形態による作用を説明するための図を示す。図11(a)は時間tに対するリスクポテンシャルRPの変化、図11(b)は時間tに対する反力制御指令値f1の変化、図11(c)は時間tに対するアクセルペダルストローク量θの変化、図11(d)は時間tに対する付加力f2の変化、および図11(e)は時間tに対するアクセルペダル反力指令値FAの変化を示す。
【0052】
図11(a)(b)に示すように、自車両周囲の走行環境の変化によってリスクポテンシャルRPが増加すると、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1も増加する。運転者がアクセルペダル82を一定の力で保持しているだけのときは、図11(c)に示すように反力制御指令値f1の増加によってアクセルペダル82が押し戻され、アクセルペダルストローク量θが低下する。このとき、図11(d)に示すようにアクセルペダルストローク量θの変化に応じた付加力f2が発生し、アクセルペダル82には図11(e)に示すように反力制御指令値f1と付加力f2とを加算したアクセルペダル反力FAが発生する。
【0053】
その後、図11(c)に示すように、リスクポテンシャルRPおよび反力制御指令値f1は増加しているときに、時間t=t2でアクセルペダルストローク量θが増加し始めると、付加力f2は発生しない。すなわち、リスクポテンシャルRPおよび反力制御指令値f1が増加しているにも関わらずアクセルペダルストローク量θが増加する場合は、運転者が自車両周囲のリスクポテンシャルRPを認識しながら運転者の意図によりアクセルペダル操作が行われていると判断する。したがって、アクセルペダル82に付加力f2を発生させず、運転者の運転操作を妨げないようにする。なお、このときもアクセルペダル82にはリスクポテンシャルRPに応じたアクセルペダル反力FA=f1が発生する。
【0054】
このように、反力制御指令値f1の変化によってアクセルペダル82が操作されてしまう場合は、アクセルペダル反力FAを周期的に変動し、アクセルペダルストローク量θが変化していることを運転者に認識させる。また、反力制御指令値f1の変化を認識して運転者が意図的にアクセルペダル操作を行う場合は、付加力f2を発生しないので、運転者の運転操作を妨げることがない。
【0055】
このように、以上説明した第3の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
コントローラ50は、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1とアクセルペダルストローク量θの変化方向が一致しない場合のみ、付加力f2を発生させる。具体的には、反力制御指令値f1が増加するときにアクセルペダルストローク量θが減少する場合、または反力制御指令値f1が減少するときにアクセルペダルストローク量θが増加する場合に、反力制御指令値f1に付加力f2を付加する。このように、アクセルペダル反力FAの変化に対して反対の方向にアクセルペダルストローク量θが変化する場合、すなわち運転者の意図によりアクセルペダル82が操作されている場合は、付加力f2を発生させないことにより、運転者による運転操作を妨げないようにすることができる。
【0056】
《第4の実施の形態》
つぎに、本発明の第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0057】
第4の実施の形態においては、自車両周囲のリスクポテンシャルRPの変化速度に応じてアクセルペダル82に付加する付加力f2の形態を変更する。
【0058】
以下に、第4の実施の形態におけるアクセルペダル反力制御について、図12を用いて詳細に説明する。図12は、第4の実施の形態のコントローラ50による運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
【0059】
ステップS401〜S405における処理は、上述した第1の実施の形態で説明した図4のフローチャートのステップS101〜S105と同様である。なお、前回周期以前に算出したリスクポテンシャルRPはコントローラ50のメモリに記憶されている。
【0060】
ステップS406では、リスクポテンシャルRPの変化速度Vrpに応じて付加力f2を補正するための補正係数w2を算出する。リスクポテンシャルRPの変化速度Vrpは、例えばステップS402で算出した現在のリスクポテンシャルRPと前回周期以前のリスクポテンシャルとから算出することができる。ここでは、図13に示すマップを用いて、リスクポテンシャル変化速度Vrpに応じた補正係数w2を算出する。図13に示すように、リスクポテンシャル変化速度Vrpが速くなるほど補正係数w2が大きくなるように設定されている。図13に示すマップは、リスクポテンシャルRPの変化速度Vrpが速い場合、すなわち自車両周囲の走行環境が急激に変化している場合に、補正係数w2を大きくして走行環境の変化を確実に運転者に知らせることができるように、予め適切に設定しておく。
【0061】
ステップS407では、ステップS406で算出した補正係数w2を用いて、ステップS405で算出したアクセルペダルストローク量θに応じた付加力f2を補正する。補正後の付加力f2cは、以下の(式4)で表される。
【数4】
f2c=f2×w2 (式4)
【0062】
ステップS408では、ステップS403で算出したリスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1と、ステップS407で算出した補正付加力f2cとから、実際にアクセルペダル82に発生させる反力の指令値FAを算出する。ここで、反力指令値FA=f1+f2cである。ステップS409では、ステップS408で算出した反力指令値FAをアクセルペダル反力制御装置80に出力する。これにより、今回の処理を終了する。
【0063】
図14(a)〜(e)に、第4の実施の形態による作用を説明するための図を示す。図14(a)は時間tに対するリスクポテンシャルRPの変化、図14(b)は時間tに対する反力制御指令値f1の変化、図14(c)は時間tに対するアクセルペダルストローク量θの変化、図14(d)は時間tに対する付加力f2の変化、および図14(e)は時間tに対するアクセルペダル反力指令値FAの変化を示す。
【0064】
図14(a)(b)に示すように、自車両周囲の走行環境の変化によってリスクポテンシャルRPが増加すると、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1も増加する。運転者がアクセルペダル82を一定の力で保持しているだけのときは、図14(c)に示すように反力制御指令値f1の増加によってアクセルペダル82が押し戻され、アクセルペダルストローク量θが低下する。このとき、図14(d)に示すようにアクセルペダルストローク量θの変化およびリスクポテンシャルRPの変化速度Vrpに応じた補正付加力f2cが発生し、アクセルペダル82には図14(e)に示すように反力制御指令値f1と補正付加力f2cとを加算したアクセルペダル反力FAが発生する。
【0065】
このように、反力制御指令値f1の変化によってアクセルペダル82が操作されてしまう場合は、アクセルペダル反力FAを周期的に変動し、アクセルペダルストローク量θが変化していることを運転者に認識させる。このとき、リスクポテンシャルRPの変化速度Vrpが速い場合は、アクセルペダル82に大きな補正付加力f2を付加し、リスクポテンシャルRPの変化を運転者に確実に伝達する。
【0066】
このように、以上説明した第4の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
コントローラ50は、リスクポテンシャルRPの変化速度Vrpに応じて付加力f2の形態を変更するので、リスクポテンシャルRPに変化によって運転者が無意識のうちにアクセルペダル82が操作されている場合でも、自車両周囲のリスクポテンシャルRPの変化状況を運転者に認識させることができる。具体的には、図13に示すように、リスクポテンシャル変化速度Vrpが速くなるほど補正係数w2が大きくなるように設定し、自車両周囲のリスクポテンシャルRPが急速に変化するほど大きな付加力f2が発生するようにする。これにより、自車両周囲のリスクポテンシャルRPの変化をより確実に運転者に知覚させることができる。
【0067】
なお、以上説明した第4の実施の形態においては、図13に示すようにリスクポテンシャルRPが増加する場合および減少する場合に関わらず、その変化速度Vrpが速い場合に補正係数w2が大きくなるように設定したが、これには限定されない。例えば、リスクポテンシャルRPの増加速度が速くなるほど補正係数w2を大きくし、リスクポテンシャルRPが減少する場合は補正係数w2を一定とすることもできる。これにより、リスクポテンシャルRPが増加する場合には付加力f2を大きくしてリスクポテンシャルRPが増加することを速やかに運転者に伝達し、リスクポテンシャルRPが減少する場合は、付加力f2の大きさは変更せずに運転者の運転操作を妨げないようにすることができる。
【0068】
《第5の実施の形態》
つぎに、本発明の第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0069】
第5の実施の形態においては、アクセルペダルストローク量θに応じて発生する付加力f2の発生間隔を、自車速Vfに応じて変更する。具体的には、自車速Vfが速い場合には、アクセルペダルストローク量θに応じて発生する付加力f2の間隔δを小さくし、自車速Vfが遅い場合には、アクセルペダルストローク量θに応じて発生する付加力f2の間隔δを大きくする。
【0070】
図15および図16に、自車速Vfが高速の場合および低速の場合における、アクセルペダルストローク量θと付加力f2との関係をそれぞれ示す。ここで、自車速Vfが例えば80km/h以上の場合を高速とし、自車速Vfが例えば30km/h以下の場合を低速とする。図15および図16において、自車速Vfが高速の場合の付加力f2の発生間隔δHは、低速の場合の付加力f2の発生間隔δLよりも短くなるように設定されている(δH<δL)。なお、自車速Vfが中速の場合(30km/h<Vf<80km/h)は、上述した第1の実施の形態で用いた図6のマップを用いる。図6のマップにおける付加力f2の発生間隔δは、δH<δ<δLとする。
【0071】
コントローラ50は、アクセルペダルストローク量θに応じて付加力f2を算出する際に、自車速Vfに応じて付加力f2の発生間隔を補完する。そして、発生間隔を補完した付加力f2と、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1とからアクセルペダル反力指令値FAを算出する。
【0072】
このように、以上説明した第5の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
コントローラ50は、自車両の車両状態に応じて付加力f2の形態を変更するので、自車両の車両状態によらずほぼ一定の時間間隔で付加力f2を発生させることができる。具体的には、自車速Vfが高速である場合は低速である場合に比べて付加力f2の発生周期を短くする。一般的に、低速走行時はアクセルペダル82の操作範囲が大きく、高速走行時はアクセルペダル82の操作範囲が小さい。したがって、高速走行時の発生周期δHを低速走行時の発生周期δLよりも短くすることにより、車速によらずアクセルペダルストローク量θが変化していることを確実に運転者に知らせることができる。
【0073】
上述した第1から第5の実施の形態においては、自車両と障害物との余裕時間TTCおよび車間時間THWからリスクポテンシャルRPを算出したが、これには限定されず、例えば余裕時間TTCおよび車間時間THWのいずれかを用いてリスクポテンシャルRPを算出することもできる。また、リスクポテンシャルRPと反力制御指令値f1との関係は、図5に示すマップには限定されず、例えばリスクポテンシャルRPの増加に対して反力制御指令値f1がリニアに増加するように設定することもできる。
【0074】
上述した第1から第5の実施の形態においては、図6のマップに示すようにアクセルペダルストローク量θに応じて付加力f2を設定し、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1に付加力f2を加算した。しかし、これには限定されず、アクセルペダルストローク量θが減少する場合に、反力制御指令値f1から付加力f2を減じることもできる。アクセルペダルストローク量θが変化していることを運転者に知らせることができれば、付加力f2の形態は上述した第1から第5の実施の形態には限定されない。例えば、図17に示すように、リスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値f1を振幅の中心とした付加力f2を発生させることもできる。ただし、例えば第2の実施の形態で説明したように、アクセルペダルストローク量θの変化方向に応じた付加力f2を発生することにより、アクセルペダルストローク量θが変化していることを運転者に知らせるとともに、運転者のアクセルペダル操作をより適切な方向へと促すことができる。
【0075】
本発明による車両用運転操作補助制御装置1が適用される車は、図2に示す構成には限定されない。
【0076】
以上説明した第1から第5の実施の形態においては、走行環境検出手段として、レーザレーダ10,前方カメラ20および車速センサ30を用い、操作反力制御手段としてコントローラ50およびアクセルペダル反力制御装置80を用い、操作量検出手段としてアクセルペダルストロークセンサ83を用い、付加力発生手段として、コントローラ50およびアクセルペダル反力制御装置80を用いた。また、リスクポテンシャル算出手段および変化速度算出手段としてコントローラ50を用い、車両状態検出手段として車速センサ30を用いた。ただし、これらには限定されず、走行環境検出手段として、レーザレーダ10の代わりに例えば別方式のミリ波レーダを用いることもできる。また、前方カメラ20の画像信号に画像処理を施す装置をコントローラ50とは別に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。
【図2】 図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。
【図3】 アクセルペダル周辺の構成を示す図。
【図4】 第1の実施の形態の車両用運転操作補助装置における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図5】 リスクポテンシャルとアクセルペダル反力制御指令値との関係を示す図。
【図6】 アクセルペダルストローク量と付加力との関係を示す図。
【図7】(a)時間に対するリスクポテンシャルの変化を示す図、(b)時間に対する反力制御指令値の変化を示す図、(c)時間に対するアクセルペダルストローク量の変化を示す図、(d)付加力の変化を示す図、(e)アクセルペダル反力指令値の変化を示す図。
【図8】 第2の実施の形態の車両用運転操作補助装置における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図9】(a)時間に対するリスクポテンシャルの変化を示す図、(b)時間に対する反力制御指令値の変化を示す図、(c)時間に対するアクセルペダルストローク量の変化を示す図、(d)付加力の変化を示す図、(e)アクセルペダル反力指令値の変化を示す図。
【図10】 第3の実施の形態の車両用運転操作補助装置における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図11】(a)時間に対するリスクポテンシャルの変化を示す図、(b)時間に対する反力制御指令値の変化を示す図、(c)時間に対するアクセルペダルストローク量の変化を示す図、(d)付加力の変化を示す図、(e)アクセルペダル反力指令値の変化を示す図。
【図12】 第4の実施の形態の車両用運転操作補助装置における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図13】 リスクポテンシャル変化速度と補正係数との関係を示す図。
【図14】(a)時間に対するリスクポテンシャルの変化を示す図、(b)時間に対する反力制御指令値の変化を示す図、(c)時間に対するアクセルペダルストローク量の変化を示す図、(d)付加力の変化を示す図、(e)アクセルペダル反力指令値の変化を示す図。
【図15】 自車速が高速のときのアクセルペダルストローク量と付加力との関係を示す図。
【図16】 自車速が低速のときのアクセルペダルストローク量と付加力との関係を示す図。
【図17】 付加力の別の形態を示す図。
【符号の説明】
10:レーザレーダ
20:前方カメラ
30:車速センサ
50:コントローラ
80:アクセルペダル反力制御装置
81:サーボモータ
83:アクセルペダルストロークセンサ

Claims (7)

  1. 自車両周囲の走行環境として、少なくとも自車両と障害物との相対距離および相対速度を検出する走行環境検出手段と、
    前記走行環境検出手段による検出結果に基づいて、前記自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段で算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、前記リスクポテンシャルが大きくなるほどアクセルペダルに発生する操作反力が大きくなるように、前記操作反力を制御する操作反力制御手段と、
    前記アクセルペダルの操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記操作反力制御手段によって前記操作反力が制御されているとき、前記操作量検出手段によって検出される前記アクセルペダルの操作量が変化する場合は、前記アクセルペダルに周期的に付加力を発生させる付加力発生手段とを有し、
    前記付加力発生手段は、前記アクセルペダルの操作量の変化方向に応じて前記付加力の形態を変更し、前記リスクポテンシャルに応じた前記操作反力と前記付加力とから実際に前記アクセルペダルに発生させる操作反力を決定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記付加力発生手段は、前記アクセルペダルの操作量が減少する場合に、前記リスクポテンシャルに応じた前記操作反力に前記付加力を加算し、前記アクセルペダルの操作量が増加する場合に、前記リスクポテンシャルに応じた前記操作反力から前記付加力を減じることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記付加力発生手段は、前記リスクポテンシャルに応じた前記操作反力の変化方向と前記アクセルペダルの操作量の変化方向が一致しない場合に、前記付加力を発生させることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 自車両周囲の走行環境として、少なくとも自車両と障害物との相対距離および相対速度を検出する走行環境検出手段と、
    前記走行環境検出手段による検出結果に基づいて、前記自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段で算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、前記リスクポテンシャルが大きくなるほどアクセルペダルに発生する操作反力が大きくなるように、前記操作反力を制御する操作反力制御手段と、
    前記アクセルペダルの操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記操作反力制御手段によって前記操作反力が制御されているとき、前記操作量検出手段によって検出される前記アクセルペダルの操作量が変化する場合は、前記アクセルペダルに周期的に付加力を発生させる付加力発生手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルの変化速度を算出する変化速度算出手段とを備え、
    前記付加力発生手段は、前記アクセルペダルの操作量の変化に応じて一定の周期で前記付加力を発生するとともに、前記変化速度算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルの変化速度に応じて、前記付加力の形態を変更し、
    前記付加力発生手段は、前記リスクポテンシャルの変化速度が速くなるほど、前記付加力を大きくすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 自車両周囲の走行環境として、少なくとも自車両と障害物との相対距離および相対速度を検出する走行環境検出手段と、
    前記走行環境検出手段による検出結果に基づいて、前記自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段で算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、前記リスクポテンシャルが大きくなるほどアクセルペダルに発生する操作反力が大きくなるように、前記操作反力を制御する操作反力制御手段と、
    前記アクセルペダルの操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記操作反力制御手段によって前記操作反力が制御されているとき、前記操作量検出手段によって検出される前記アクセルペダルの操作量が変化する場合は、前記アクセルペダルに周期的に付加力を発生させる付加力発生手段と、
    自車両の車両状態として、自車速を検出する車両状態検出手段とを備え、
    前記付加力発生手段は、前記アクセルペダルの操作量の変化に応じて一定の周期で前記付加力を発生するとともに、前記車両状態検出手段によって検出される前記自車速に基づいて、前記付加力の形態を変更し、
    前記付加力発生手段は、前記車両状態検出手段によって検出される前記自車速が高速である場合は、前記自車速が低速である場合に比べて前記付加力の発生周期を短くすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記付加力発生手段は、前記アクセルペダルの操作量の変化に応じて一定の周期で前記付加力を発生することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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