JP2006215965A - 運転意図推定装置、車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents
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Abstract
自車両の走行状況に応じてドライバの運転意図を精度よく推定する運転意図推定装置を提供する。
【解決手段】
運転意図推定装置は、それぞれが運転意図を有する複数の仮想ドライバを設定し、車両状態および自車両周囲の状態に基づいて仮想ドライバの運転操作量を算出する。そして、算出した仮想ドライバの運転操作量と、実際のドライバの運転操作量とを比較して近似度合を判断することにより、実際のドライバの運転意図を推定する。ここで、自車両と先行車との車間距離が所定値よりも大きい場合は、自車両とレーンマーカとの相対関係から算出される自車両の車線内横位置に基づいて仮想ドライバの運転操作量を算出し、車間距離が所定値以下の場合は、自車両と先行車との相対関係に基づいて仮想ドライバの運転操作量を算出する。
【選択図】 図1
Description
本発明による運転意図推定装置は、自車両の車両周囲状態を検出する車両周囲状態検出手段と、実際のドライバによる運転操作量を検出する運転操作量検出手段と、運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、第1の手法により、車両周囲状態検出手段によって検出される車両周囲状態に基づいて、各仮想ドライバが運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段と、第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段で用いられる車両周囲状態とは異なる情報に基づいて、第1の手法とは異なる第2の手法により、運転意図を与えられた複数の仮想ドライバがそれぞれ運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段と、第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段によって算出される複数の仮想ドライバの運転操作量と、運転操作量検出手段によって検出された実際のドライバの運転操作量との近似度合(以降、第1の運転操作量近似度合とする)をそれぞれ計算する第1の運転操作量近似度合計算手段と第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段で算出される複数の仮想ドライバの運転操作量と、実際のドライバの運転操作量との近似度合(以降、第2の運転操作量近似度合とする)をそれぞれ計算する第2の運転操作量近似度合計算手段と、第1の運転操作量近似度合計算手段によって計算された複数の第1の運転操作量近似度合、および第2の運転操作量近似度合計算手段によって計算された複数の第2の運転操作量近似度合の両方を用いて、実際のドライバの運転意図を推定する運転意図推定手段とを備える。
本発明による車両用運転操作補助装置は、運転意図推定装置と、自車両周囲の障害物状況を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段による検出結果に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を算出する操作反力算出手段と、アクセルペダルに操作反力を発生させる操作反力発生手段と、運転意図推定装置による運転意図の推定結果に基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を補正する補正手段とを備える。
本発明の第1の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による運転意図推定装置1の構成を示すシステム図である。まず、第1の実施の形態による運転意図推定装置1の構成を説明する。
第1の仮想ドライバの操舵角θid_1を算出するために、まず仮想ドライバの運転意図が車線維持である場合の前方参照点LK(i)を設定し、前方参照点LK(i)の横位置p_lkを算出する。前方参照点LK(i)の個数は任意であるが、ここでは自車両の前後方向中心線上に2つの前方参照点LK1,LK2を設定した場合を例として説明する。図4に示すように、自車両中心点Oから前方参照点LK1,LK2までの距離px(i)は、例えばpx(1)=10m、px(2)=30mに設定する(px={10m、30m})。距離px(i)は、例えば自車速に応じて設定することもできる。
p_lk(px(i))=lat_pos(px(i)) i={1,...,n}・・・(式1)
ここで、n=2である。
θid_1_lk=Σ{a(i)×p_lk(px(i))} ・・・(式2)
ここで、a(i)は前方参照点LK(i)における横位置p_lk(px(i))に重み付けをする重み付け係数であり、予め適切な値を設定しておく。
第1の仮想ドライバの操舵角θid_1を算出するために、仮想ドライバの運転意図が右車線変更である場合の前方参照点LCR(i)を設定する。図4には、自車両の前方に2つの前方参照点LCR1,LCR2を設定した場合を例として示している。
p_lcr(px(i))=lat_pos(px(i))+lc_offset_lcr i={1,...,n}・・・(式3)
ここで、n=2である。オフセット量lc_offset_lcrは、右車線変更の場合の前方参照点LCR(i)の横位置p_lcr(px(i))を設定するために予め適切な値、例えばlc_offset_lcr=−1.75に設定する。
θid_1_lcr=Σ{a(i)×p_lcr(px(i))} ・・・(式4)
ここで、a(i)は前方参照点LCR(i)における車線内横位置p_lcr(px(i))に重み付けをする重み付け係数であり、予め適切な値を設定しておく。
第1の仮想ドライバの操舵角θid_1を算出するために、仮想ドライバの運転意図が左車線変更である場合の前方参照点LCL(i)を設定する。図4には、自車両の前方に2つの前方参照点LCL1,LCL2を設定した場合を例として示している。
p_lcl(px(i))=lat_pos(px(i))+lc_offset_lcl i={1,...,n}・・・(式5)
ここで、n=2である。オフセット量lc_offset_lclは、左車線変更の場合の前方参照点LCL(i)の横位置p_lcl(px(i))を設定するために予め適切な値、例えばlc_offset_lcl=1.75に設定する。
θid_1_lcl=Σ{a(i)×p_lcl(px(i))} ・・・(式6)
ここで、a(i)は前方参照点LCL(i)における車線内横位置p_lcl(px(i))に重み付けをする重み付け係数であり、予め適切な値を設定しておく。
Pid_1=log{Probn((θid_1−θrd)/ρrd)} ・・・(式7)
ここで、Probnは、与えられた標本が、正規分布で表される母集団から観測される確率を計算するための確率密度変換関数である。
自車両と先行車との相対関係に基づいて車線維持を行おうとする場合は、自車両は車幅方向において先行車からはみ出さないように運転操作を行うと仮定する。そこでまず、自車両と先行車との車幅方向の重複率(ラップ率)を算出する。図5を用いてラップ率Sの算出方法を説明する。
sx=sl/Wl ・・・(式8)
S=sgn(dx)×(sx) ・・・(式9)
(式9)において、dxは自車両の車幅方向中心位置と先行車の車幅方向中心位置のオフセット方向を示す値である。図5に示すように先行車後端面の車幅方向中心位置Plに対して自車両前端の車幅方向中心位置Poが右方向にオフセットしている場合はdx=+1とし、左方向にオフセットしている場合はdx=-1とする。sgn(dx)は、dx=+1の場合に+1を示し、dx=-1のときに-1を示す。
elk(t)=Sd−|S| ・・・(式10)
Δelk(t)=elk(t)−elk(t-1)・・・(式11)
θid_2_lk(t)=Kslk/(1+Tslk)×{Kplk×Δelk(t)+Kdlk(Δelk(t)−Δelk(t-1))} ・・・(式12)
(式12)において、Kslkは操舵ゲイン、Tslkは無駄時間時定数、Kplkは比例項係数、Kdlkは微分項係数であり、それぞれ任意に定められるパラメータである。
車線変更の場合は、先行車の車線内横位置Pxから車幅方向に1車線分、例えば3.5m分オフセットさせた位置を自車両の目標横位置Poとして設定し、第2の仮想ドライバ運転操作量Oid_2を算出する。自車両の車線内横位置xと目標横位置Poとの偏差e(t)を以下の(式13)から算出する。車線変更の場合の偏差e(t)を、elc(t)と表す。
elc(t)=|Po|−|x| ・・・(式13)
Δelc(t)=elc(t)−elc(t-1)・・・(式14)
θid_2_lc(t)=Kslc/(1+Tslc)×{Kplc×Δelc(t)+Kdlc(Δelc(t)−Δelc(t-1))} ・・・(式15)
(式15)において、Kslcは操舵ゲイン、Tslcは無駄時間時定数、Kplcは比例項係数、Kdlcは微分項係数であり、それぞれ任意に定められるパラメータである。
Pids_lc=max{Pids_lcr, Pids_lcl} ・・・(式17)
(1)第1の仮想ドライバ運転操作量計算部40は、運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、第1の手法により、車両周囲状態に基づいて各仮想ドライバがそれぞれの運転意図を遂行するために必要な運転操作量Oid_1を算出する。第2の仮想ドライバ運転操作量計算部60は、第1の仮想ドライバ運転操作量計算部40で用いる車両周囲状態とは異なる情報に基づいて、第1の手法とは異なる第2の手法により、運転意図を与えられた複数の仮想ドライバがそれぞれの運転意図を遂行するために必要な運転操作量Oid_2を算出する。仮想ドライバモデル選択部80は、自車両の走行状況に基づいて、仮想ドライバの運転操作量Oid_1,Oid_2のうちいずれか一方を選択する。運転意図推定部90は、選択された仮想ドライバの運転操作量Oidと実際のドライバの運転操作量Ordとの系列的な近似度合Pidsに基づいて実際のドライバの運転意図を推定する。これにより、自車両の走行状況に応じて、実際のドライバが運転操作量を決定する際の手法に基づいて仮想ドライバの運転操作量を決定することが可能となり、精度よく運転意図を推定することができる。
(2)第1の仮想ドライバ運転操作量計算部40は、第1の手法として、運転意図に応じて自車両前方に設定される目標位置を基準として仮想ドライバの運転操作量Oid_1を算出する。一方、第2の仮想ドライバ運転操作量計算部60は、第2の手法として、自車両前方に存在する障害物と自車両との相対位置関係に基づいて仮想ドライバの運転操作量Oid_2を算出する。このように異なる手法を用いて仮想ドライバの運転操作量Oid_1,Oid_2を算出することにより、走行状況に応じて一層精度よく運転意図を推定することができる。
(3)第2の仮想ドライバ運転操作量計算部60は、自車両と前方障害物との相対位置関係として、自車両の車幅Woと先行車両の車幅Wlとの重なり度合を表す重複率Sに基づいて仮想ドライバの運転操作量Oid_2を算出する。これにより、前方に先行車が存在する場合は先行車との車幅方向の重なり度合を基準にして運転操作量を決定するという実際のドライバの運転特性を考慮して、仮想ドライバの運転操作量Oid_2を算出することができる。
(4)仮想ドライバモデル選択部80は、自車両の走行状況として、先行車に対する接近度合に基づいて第1および第2の仮想ドライバの運転操作量Oid_1,Oid_2のいずれか一方を選択する。具体的には、自車両と先行車との車間距離Lが大きい場合は第1の仮想ドライバの運転操作量Oid_1を選択し、車間距離Lが小さい場合は第2の仮想ドライバの運転操作量Oid_2を選択する。これにより実際のドライバの運転特性を考慮して、一層精度よく運転意図を推定することができる。
(5)仮想ドライバモデル選択部80は、さらに、自車速Vに基づいて第1および第2の仮想ドライバの運転操作量Oid_1,Oid_2のいずれか一方を選択する。具体的には、図6に示すように、仮想ドライバモデルを選択する際の車間距離Lのしきい値Loを自車速Vに応じて設定する。これにより、車速Vが遅いほど車間距離Lが大きくても第2の仮想ドライバの運転操作量Oid_2が選択されるので、実際のドライバの運転特性を考慮して一層精度よく運転意図を推定することができる。
本発明の第2の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。第2の実施の形態による運転意図推定装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
(1)仮想ドライバモデル選択部80は、自車両の走行状況として、自車両が走行する道路のカーブ曲率ρに基づいて第1および第2の仮想ドライバの運転操作量Oid_1,Oid_2のいずれか一方を選択する。具体的には、カーブ曲率ρが大きく緩やかなカーブあるいは直線路である場合は第1の仮想ドライバの運転操作量Oid_1を選択し、カーブ曲率ρが小さく急なカーブである場合は第2の仮想ドライバの運転操作量Oid_2を選択する。これにより前方参照型モデル(第1の手法)では運転意図の推定精度が低下するような状況において異なる手法により第2の仮想ドライバの運転操作量Oid_2を算出することにより、精度よく運転意図を推定することができる。仮想ドライバモデル選択部80は、さらに、図9に示すように、仮想ドライバモデルを選択する際のカーブ曲率ρのしきい値ρoを自車速Vに応じて設定する。これにより、車速Vが速いほど、緩やかなカーブであっても第2の仮想ドライバの運転操作量Oid_2が選択されるので、実際のドライバの運転特性を考慮して一層精度よく運転意図を推定することができる。
(2)運転意図推定の際に用いる車線変更意図推定しきい値T(運転意図推定基準)は、道路のカーブ曲率ρに応じて変更される。これにより、カーブ走行中に実際のドライバの運転意図を誤推定してしまうことを低減できる。
(3)車線変更意図推定しきい値Tは、カーブ曲率ρが大きいほど大きくなるように設定される。これにより、カーブを走行中に車線維持を車線変更であると誤推定してしまうことを低減することができる。
本発明の第3の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。図10に、第3の実施の形態による運転意図推定装置2の構成を示す。図10において、図1に示した第1の実施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第1の仮想ドライバ運転操作量計算部40は、運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、第1の手法により、車両周囲状態に基づいて各仮想ドライバがそれぞれの運転意図を遂行するために必要な第1の運転操作量Oid_1を算出する。第2の仮想ドライバ運転操作量計算部60は、第1の仮想ドライバ運転操作量計算部40で用いる車両周囲状態とは異なる情報に基づいて、第1の手法とは異なる第2の手法により、運転意図を与えられた複数の仮想ドライバがそれぞれの運転意図を遂行するために必要な第2の運転操作量Oid_2を算出する。第1の仮想ドライバ運転操作量近似度合計算部50は、第1の運転操作量Oid_1と実際のドライバの運転操作量Ordとの近似度合を算出し、第2の仮想ドライバ運転操作量近似度合計算部70は、第2の運転操作量Oid_2と実際のドライバの運転操作量Ordとの近似度合を算出する。そして、運転意図推定部90は、第1及び第2の運転操作量Oid_1、Oid_2の両方を用いて実際のドライバの運転意図を推定する。これにより、複数の手法により生成された複数の仮想ドライバの中から実際のドライバの運転操作に最も近似した仮想ドライバの運転意図を、実際のドライバの運転意図として推定することができる。
つぎに、本発明の第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図12は、本発明の第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置100の構成を示すシステム図であり、図13は、車両用運転操作補助装置100を搭載した車両の構成図である。車両用運転操作補助装置100は、第1から第3の実施の形態で説明した運転意図推定装置1、2の運転意図推定結果に基づいて、実際のドライバの運転操作を補助するものである。
レーザレーダ110は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを照射して自車両の前方領域を走査する。レーザレーダ110は、前方にある複数の反射物(通常、先行車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、先行車までの車間距離と相対速度を検出する。検出した車間距離及び相対速度はコントローラ150へ出力される。レーザレーダ110によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg 程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
コントローラ150は、自車両周囲のリスクポテンシャルRP、具体的には先行車に対するリスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダル160に発生するアクセルペダル反力を制御する。ここで、ドライバが車線変更する意図を持って先行車に接近する場合、リスクポテンシャルRPの増加に応じてアクセルペダル反力を増加すると、ドライバの運転操作を妨げたりドライバに違和感を与える可能性がある。そこで、運転意図推定装置1によってドライバの車線変更意図が推定される場合は、車線変更意図が推定されない場合に比べてアクセルペダル反力を小さくする。さらに、先行車参照型モデルの第2の仮想ドライバを用いて車線変更意図が推定された場合は、アクセルペダル反力をさらに調整する。
TTC=−D/Vr ・・・(式19)
THW=D/V1 ・・・(式20)
RP=a/THW+b/TTC ・・・(式21)
ΔF=k・RPn ・・・(式22)
ここで、定数k、nはそれぞれ車種等によって異なり、ドライブシミュレータや実地試験によって取得される結果に基づいて、リスクポテンシャルRPを効果的に反力増加量ΔFに変換できるように予め適切に設定しておく。
FAc=gf(FA)
=k・{1/(1+a・Tsf)}・FA ・・・(式23)
ここで、k,aは適切に設定された定数、Tsfは反力指令値FAを減衰させる際の時定数である。
FAcc=gf2(FA、S)
=k・{1/(1+Kfdx・a・Tsf)}・FA ・・・(式24)
時定数Tsfにかかる係数Kfdxは、図17に示すように車線変更意図が推定されたときの先行車とのラップ率Sに応じて設定される。
(1)コントローラ150は、自車両周囲の障害物状況に基づいてリスクポテンシャルRPを算出し、リスクポテンシャルRPに基づいてアクセルペダル操作反力制御を行う。このとき、運転意図推定装置1による推定結果に基づいてアクセルペダル160に発生する操作反力を補正する。これにより、自車両周囲のリスクポテンシャルRPを車両操作機器であるアクセルペダル160の操作反力としてドライバに伝えながら、ドライバの運転意図に合った操作反力制御を行うことができる。
(2)コントローラ150は、運転意図推定結果に基づいて、アクセルペダル160に発生する操作反力、すなわちアクセルペダル反力指令値FAを補正するとともに、運転意図推定装置1の推定結果が第2の仮想ドライバ運転操作量Oid_2に基づくものである場合には、自車両と先行車との重複率Sに基づいてアクセルペダル反力指令値FAをさらに補正する。これにより、実際のドライバの運転意図を妨げることなく操作反力を制御してリスクポテンシャルRPを伝えることができる。
(3)コントローラ150は、運転意図推定結果が車線変更意図である場合に、車線変更意図でない場合に比べてアクセルペダル反力指令値FAが小さくなるように補正するとともに、重複率Sが小さいほどアクセルペダル反力指令値FAが小さくなるようにさらに補正する。このように車線変更意図であると推定された場合にアクセルペダル反力指令値FAを低下し、重複率Sが小さく自車両が速やかに車線変更を実行すると予測される状況ではさらにアクセルペダル反力指令値FAを低下することにより、車線変更を行おうとするドライバの運転操作を妨げることがない。
本発明の第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図18は、本発明の第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置200の構成を示すシステム図である。図18において、図12に示す第4の実施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第4の実施の形態との相違点を主に説明する。
RPc=gr(RP)
=k・{1/(1+a・Tsr)}・RP ・・・(式25)
ここで、k,aは適切に設定された定数、TsrはリスクポテンシャルRPを減衰させる際の時定数である。
再補正後のリスクポテンシャルRPccは、以下の(式26)を用いて表すことができる。
RPcc=gr2(RP、S)
=k・{1/(1+Krdx・a・Tsr)}・RP ・・・(式26)
時定数Tsrにかかる係数Krdxは、図20に示すように車線変更意図が推定されたときの先行車とのラップ率Sに応じて設定される。
(1)コントローラ150Aは運転意図推定結果に基づいて、リスクポテンシャルRPを補正するとともに、運転意図推定装置1の推定結果が第2の仮想ドライバ運転操作量Oid_2に基づくものである場合には、自車両と先行車との重複率Sに基づいてリスクポテンシャルRPをさらに補正する。これにより、リスクポテンシャルRPに応じて算出される操作反力が低下し、実際のドライバの運転意図を妨げることなく操作反力を制御してリスクポテンシャルRPを伝えることができる。
(2)コントローラ150Aは、運転意図推定結果が車線変更意図である場合に、車線変更意図でない場合に比べてリスクポテンシャルRPが小さくなるように補正するとともに、重複率Sが小さいほどリスクポテンシャルRPが小さくなるようにさらに補正する。このように車線変更意図であると推定された場合にリスクポテンシャルRPを低下し、重複率Sが小さく自車両が速やかに車線変更を実行すると予測される状況ではさらにリスクポテンシャルRPを低下することにより、車線変更を行おうとするドライバの運転操作を妨げることがない。
10:運転操作量検出部
20:車両周囲状態検出部
30:車両状態検出部
40:第1の仮想ドライバ運転操作量計算部
50:第1の仮想ドライバ運転操作量近似度合計算部
60:第2の仮想ドライバ運転操作量計算部
70:第2の仮想ドライバ運転操作量近似度合計算部
80:仮想ドライバモデル選択部
90:運転意図推定部
100,200:車両用運転操作補助装置
150,150A:コントローラ
170:アクセルペダル反力制御装置
Claims (16)
- 自車両の車両周囲状態を検出する車両周囲状態検出手段と、
前記自車両の走行状況を検出する走行状況検出手段と、
実際のドライバによる運転操作量を検出する運転操作量検出手段と、
運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、第1の手法により、前記車両周囲状態検出手段によって検出される前記車両周囲状態に基づいて、各仮想ドライバが前記運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段と、
前記第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段で用いられる前記車両周囲状態とは異なる情報に基づいて、前記第1の手法とは異なる第2の手法により、運転意図を与えられた複数の仮想ドライバがそれぞれ前記運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段と、
前記走行状況検出手段によって検出される前記走行状況に基づいて、前記第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段によって算出される前記複数の仮想ドライバの運転操作量と、前記第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段で算出される前記複数の仮想ドライバの運転操作量のいずれか一方を選択する仮想ドライバ運転操作量選択手段と、
前記仮想ドライバ運転操作量選択手段によって選択された前記複数の仮想ドライバの前記運転操作量と、前記運転操作量検出手段によって検出された前記実際のドライバの前記運転操作量との近似度合(以降、運転操作量近似度合とする)をそれぞれ計算する運転操作量近似度合計算手段と、
前記運転操作量近似度合計算手段によって計算された複数の前記運転操作量近似度合に基づいて、前記実際のドライバの運転意図を推定する運転意図推定手段とを備えることを特徴とする運転意図推定装置。 - 自車両の車両周囲状態を検出する車両周囲状態検出手段と、
実際のドライバによる運転操作量を検出する運転操作量検出手段と、
運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、第1の手法により、前記車両周囲状態検出手段によって検出される前記車両周囲状態に基づいて、各仮想ドライバが前記運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段と、
前記第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段で用いられる前記車両周囲状態とは異なる情報に基づいて、前記第1の手法とは異なる第2の手法により、運転意図を与えられた複数の仮想ドライバがそれぞれ前記運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段と、
前記第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段によって算出される前記複数の仮想ドライバの運転操作量と、前記運転操作量検出手段によって検出された前記実際のドライバの前記運転操作量との近似度合(以降、第1の運転操作量近似度合とする)をそれぞれ計算する第1の運転操作量近似度合計算手段と、
前記第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段で算出される前記複数の仮想ドライバの運転操作量と、前記実際のドライバの前記運転操作量との近似度合(以降、第2の運転操作量近似度合とする)をそれぞれ計算する第2の運転操作量近似度合計算手段と、
前記第1の運転操作量近似度合計算手段によって計算された複数の前記第1の運転操作量近似度合、および前記第2の運転操作量近似度合計算手段によって計算された複数の前記第2の運転操作量近似度合の両方を用いて、前記実際のドライバの運転意図を推定する運転意図推定手段とを備えることを特徴とする運転意図推定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の運転意図推定装置において、
前記第1の仮想ドライバ運転操作量計算手段は、前記運転意図に応じて前記自車両の前方に設定される目標位置を基準として、前記運転操作量を計算し、
前記第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段は、前記自車両の前方に存在する障害物と前記自車両との相対位置関係に基づいて前記運転操作量を計算することを特徴とする運転意図推定装置。 - 請求項3に記載の運転意図推定装置において、
前記第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段は、前記障害物と前記自車両と前記相対位置関係として、前記自車両の車幅と先行車両の車幅との重なり度合を表す重複率に基づいて前記運転操作量を計算することを特徴とすることを特徴とする運転意図推定装置。 - 請求項1に記載の運転意図推定装置において、
前記仮想ドライバ運転操作量選択手段は、前記走行状況検出手段によって検出される先行車両に対する接近度合に基づいて前記複数の仮想ドライバの運転操作量を選択することを特徴とする運転意図推定装置。 - 請求項1に記載の運転意図推定装置において、
前記仮想ドライバ運転操作量選択手段は、前記走行状況検出手段によって検出される道路のカーブ曲率に基づいて前記複数の仮想ドライバの運転操作量を選択することを特徴とする運転意図推定装置。 - 請求項1に記載の運転意図推定装置において、
前記仮想ドライバ運転操作量選択手段は、前記走行状況検出手段によって検出される自車速に基づいて前記複数の仮想ドライバの運転操作量を選択することを特徴とする運転意図推定装置。 - 請求項1に記載の運転意図推定装置において、
前記運転意図推定手段において前記運転意図を推定する際に用いる運転意図推定基準を、前記走行状況検出手段によって検出される道路のカーブ曲率に基づいて変更する運転意図推定基準変更手段をさらに備えることを特徴とする運転意図推定装置。 - 請求項8に記載の運転意図推定装置において、
前記運転意図推定基準変更手段は、前記カーブ曲率が大きいほど前記運転意図推定基準を大きくすることを特徴とする運転意図推定装置。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の運転意図推定装置と、
自車両周囲の障害物状況を検出する障害物検出手段と、
前記障害物検出手段による検出結果に基づいて、前記自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を算出する操作反力算出手段と、
前記アクセルペダルに前記操作反力を発生させる操作反力発生手段と、
前記運転意図推定装置による前記運転意図の推定結果に基づいて、前記アクセルペダルに発生する前記操作反力を補正する補正手段とを備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項4に記載の運転意図推定装置と、
自車両周囲の障害物状況を検出する障害物検出手段と、
前記障害物検出手段による検出結果に基づいて、前記自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を算出する操作反力算出手段と、
前記アクセルペダルに前記操作反力を発生させる操作反力発生手段と、
前記運転意図推定装置による前記運転意図の推定結果に基づいて、前記アクセルペダルに発生する前記操作反力を補正する補正手段とを備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項11に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記補正手段は、前記運転意図の推定結果に基づいて前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルを補正するとともに、前記運転意図推定手段における前記運転意図の推定結果が前記第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段の計算結果に基づく場合に、前記先行車との前記重複率に基づいて前記リスクポテンシャルをさらに補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項12に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記補正手段は、前記運転意図推定手段の推定結果が車線変更意図である場合に、前記推定結果が車線変更意図でない場合に比べて前記リスクポテンシャルが小さくなるように補正するとともに、前記重複率が小さいほど前記リスクポテンシャルが小さくなるようにさらに補正を行うことを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項11に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記補正手段は、前記運転意図の推定結果に基づいて前記操作反力算出手段によって算出される前記操作反力を補正するとともに、前記運転意図推定手段における前記運転意図の推定結果が前記第2の仮想ドライバ運転操作量計算手段の計算結果に基づく場合に、前記先行車との前記重複率に基づいて前記操作反力をさらに補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項14に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記補正手段は、前記運転意図推定手段の推定結果が車線変更意図である場合に、前記推定結果が車線変更意図でない場合に比べて前記操作反力が小さくなるように補正するとともに、前記重複率が小さいほど前記操作反力が小さくなるようにさらに補正を行うことを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項10から請求項15のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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