JP4792862B2 - 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
従来の車両用運転操作補助装置は、自車両の車両状態および自車両周囲の走行環境に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出し、算出したリスクポテンシャルに応じた操作反力をアクセルペダルに発生させている(例えば特許文献1参照)。この装置は、相対速度と車間距離とを用いてリスクポテンシャルを算出し、先行車のブレーキランプの点灯状態等の自車両周囲の環境変化を検出して環境変化に応じてリスクポテンシャルを補正する。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開2005−063021号公報
上述した装置は、自車両周囲の環境変化に応じてリスクポテンシャルを補正することにより、操作反力を介して運転者の感じるリスクに合った情報伝達を行うことができる。しかしながら、自車両と障害物との相対速度を用いてリスクポテンシャルを算出する場合は、障害物が遠方に存在していたり、運転者が自車両前方の状況を把握していたとしても、自車両と障害物との速度差によっては過大な制御がかかることがあり、運転者に違和感を与えてしまうという問題があった。
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両前方に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、障害物と自車両との車間距離および相対速度を検出する障害物状況検出手段と、少なくとも、障害物状況検出手段で検出された車間距離と相対速度とに基づいて、障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生する操作反力、および自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する制御手段と、車間距離に基づいて、車間距離が大きくなるほどリスクポテンシャルに基づいて制御手段で制御される操作反力および制駆動力の少なくともいずれかの制御量の上限値を小さくするように制限する制限手段とを備える
本発明によれば、自車両と障害物との相対速度を用いて算出されるリスクポテンシャルを運転者に伝達する場合に、車間距離に応じて設定される制限量を用いて制御の制限を行うので、障害物が遠方にいるにもかかわらず自車両と障害物との速度差によって過剰な制御がかかってしまうことを防止できる。
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図である。
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。車両用運転操作補助装置1は、レーダ装置10,車速センサ20,舵角センサ30,障害物検知装置40,コントローラ50,駆動力制御装置60,アクセルペダル反力発生装置70,および制動力制御装置90等を備えている。
レーダ装置10は、例えば車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられたレーザレーダから構成される。レーダ装置10は、水平方向に赤外線レーザ光を照射して車両前方領域を走査し、自車両前方の障害物を検出する。図2に、レーダ装置10による障害物検出の原理を説明する図を示す。図2に示すように、レーダ装置10はレーザ光を出力する発光部10aと、自車両の前方にある反射物(通常、前方車の後端)で反射された反射光を検出する受光部10bとを備えている。発光部10aはスキャニング機構が組み合わされており、図2に矢印で示すように左右方向に振れるように構成されている。発光部10aは角度を変化させながら所定角度範囲内で順次発光する。レーダ装置10は、発光部10aによるレーザ光の出射から受光部10bにおける反射波の受光までの時間差に基づいて自車両から障害物までの距離を計測する。
レーダ装置10は、スキャニング機構により自車両の前方領域をスキャニングしながら、各スキャニング位置またはスキャニング角度について反射光を受光した場合に障害物までの距離を算出する。さらに、レーダ装置10は、障害物を検出したときのスキャニング角とその障害物までの距離とに基づいて、自車両に対する障害物の左右方向の位置も算出する。すなわち、レーダ装置10は、障害物の有無とともに自車両に対する障害物の相対的な位置を検出する。
図3に、レーダ装置10による障害物の検出結果の一例を示す。各スキャニング角で自車両に対して障害物の相対的な位置を特定することにより、図3に示すようにスキャニング範囲内で検出できる複数の物体についての平面的な存在状態図を得ることができる。
車速センサ20は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出する。
障害物検知装置40は、レーダ装置10および車速センサ20の検出結果に基づいて前方障害物に関する情報を取得する。具体的には、障害物検知装置40は、レーダ装置10からスキャニング周期毎またはスキャニング角ごとに出力される検出結果に基づいて、検出した物体の動きを判別するとともに、物体間の近接状態や動きの類似性等に基づいて、検出した物体が同一物体であるか異なる物体であるかを判別する。
そして、障害物検知装置40は、レーダ装置10と車速センサ20からの信号に基づいて、自車両周囲の障害物情報、すなわち自車両と前方障害物との車間距離と相対速度、および自車両に対する前方障害物の左右方向距離を認識する。なお、障害物検知装置40は、複数の前方障害物を検知した場合は各障害物についての情報を取得する。障害物検知装置40は、取得した障害物情報をコントローラ50へ出力する。
舵角センサ30は、ステアリングコラムもしくはステアリングホイール(不図示)付近に取り付けられた角度センサ等であり、ステアリングシャフトの回転を操舵角として検出し、コントローラ50へ出力する。
アクセルペダル61には、アクセルペダル61の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルストロークセンサ62が設けられている。アクセルペダルストロークセンサ62によって検出されたアクセルペダル操作量はコントローラ50および駆動力制御装置60に出力される。ブレーキペダル91には、その踏み込み量(操作量)を検出するブレーキペダルストロークセンサ92が設けられている。ブレーキペダルストロークセンサによって検出されたブレーキペダル操作量は、制動力制御装置90に出力される。
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成され、車両用運転操作補助装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、車速センサ20から入力される自車速、および障害物検知装置40から入力される障害物情報から、自車両の走行状況を認識する。コントローラ50は、走行状況に基づいて前方障害物に対する自車両の接近度合を表す物理量であるリスクポテンシャルを算出する。
そして、コントローラ50は、障害物に対するリスクポテンシャルに基づいて、自車両に発生する制駆動力を制御するとともに、運転者が運転操作のために操作する運転操作機器に発生する操作反力を制御する。ここでは、運転操作機器としてアクセルペダル61を用い、アクセルペダル61を操作する際に発生する操作反力を制御する。
駆動力制御装置60は、アクセルペダル61の操作状態に応じた駆動力を発生するようにエンジン(不図示)を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発生させる駆動力を変化させる。図4に、駆動力制御装置60における駆動力制御のブロック図を示す。図5に、アクセルペダル操作量SAとドライバ要求駆動力Fdaとの関係を定めた特性マップを示す。駆動力制御装置60は、図5に示すようなマップを用いて、アクセルペダル操作量SAに応じてドライバ要求駆動力Fdaを算出する。そして、駆動力制御装置60は、ドライバ要求駆動力Fdaに、後述する駆動力補正量ΔDaを加えて目標駆動力を算出する。駆動力制御装置60のエンジンコントローラは、目標駆動力に従ってエンジンへの制御指令を算出する。
制動力制御装置90は、ブレーキペダル91の操作状態に応じた制動力を発生するようにブレーキ液圧を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発生させるブレーキ液圧を変化させる。図6に、制動力制御装置90における制動力制御のブロック図を示す。図7に、ブレーキペダル操作量SBとドライバ要求制動力Fdbとの関係を定めた特性マップを示す。制動力制御装置90は、図7に示すようなマップを用いて、ブレーキペダル操作量SBに応じてドライバ要求制動力Fdbを算出する。そして、制動力制御装置90は、ドライバ要求制動力Fdbに、後述する制動力補正値ΔDbを加えて目標制動力を算出する。制動力制御装置90のブレーキ液圧コントローラは、目標制動力に従ってブレーキ液圧指令を出力する。ブレーキ液圧コントローラからの指令に応じて各車輪に設けられたブレーキ装置95が作動する。
アクセルペダル反力発生装置70は、アクセルペダル61のリンク機構に組み込まれたサーボモータ(不図示)を備えている。アクセルペダル反力発生装置70は、コントローラ50からの指令に応じてサーボモータで発生させるトルクを制御し、運転者がアクセルペダル61を操作する際に発生する操作反力を任意に制御することができる。なお、反力制御を行わない場合のアクセルペダル反力は、例えばアクセルペダル操作量SAに対して比例するように設定されている。
以下に、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を説明する。まず、動作の概要を説明する。
車両用運転操作補助装置1のコントローラ50は、障害物検知装置40で検出した障害物情報に基づいて各障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを算出する。リスクポテンシャル(Risk Potential)は、「潜在的なリスク/危急」を意味し、ここでは特に、自車両と自車両前方に存在する障害物とが接近していくことにより増大するリスクの大きさを表す。したがって、リスクポテンシャルは、自車両と障害物とがどれほど近づいているか、すなわち自車両と障害物とが近づいている程度(接近度合)を表す物理量であるといえる。第1の実施の形態では、後述するように自車両と障害物との相対速度を用いてリスクポテンシャルを算出する。
コントローラ50は、算出したリスクポテンシャルに応じて、自車両に発生する制駆動力およびアクセルペダル61から発生する操作反力を制御する。これにより、自車両が前方障害物、例えば先行車に近づいていくと、アクセルペダル61からの操作反力が大きくなるとともに、自車両の駆動力が低下、あるいは制動力が増大し、運転者にリスクポテンシャルの大きさを伝達することができる。
運転者が運転操作を行う際に接触する頻度の高いアクセルペダル61や自車両に発生する制駆動力を用いることにより、自車両周囲のリスクポテンシャルを運転者に直感的に認識させることが可能となる。しかし、運転者が自車両前方の状況を認識しながら運転操作を行っている場合には、リスクポテンシャルの変化に応じてアクセルペダル操作反力や制駆動力が変動することによって運転者にわずらわしさを与えてしまう可能性がある。とくに、上述したように自車両と障害物との相対速度を用いてリスクポテンシャルを算出する場合、自車両と障害物との速度差が大きく、自車両が障害物に近づきつつあるような状況においてリスクポテンシャルが大きな値として算出され、過大なアクセルペダル操作反力制御や制駆動力制御が行われることになる。これは、過剰な情報提供となって運転者に違和感やわずらわしさを与えてしまう。
そこで、第1の実施の形態においては、わずらわしさを低減するために、相対速度に基づいて算出されるアクセルペダル操作反力制御および制駆動力制御の制御量に、車間距離に応じた制限を設ける。
第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を、図8を用いて詳細に説明する。図8は、第1の実施の形態のコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
まず、ステップS110で、車速センサ20によって検出される自車速Vhと、舵角センサ30によって検出される自車両の操舵角δのデータを読み込む。ステップS120では、アクセルペダルストロークセンサ62によって検出されるアクセルペダル操作量SAを読み込む。つづくステップS130で、レーザレーダ10および車速センサ20の検出結果に従って障害物検知装置40で算出した複数の前方障害物に関する情報を読み込む。前方障害物に関する情報は、例えば各障害物までの前後方向の距離(車間距離)Dおよび相対速度Vrと、自車両に対する障害物の左右方向位置xおよび前後方向位置yである。
ステップS140では、ステップS110で読み込んだ自車速Vhおよび操舵角δに基づいて、自車両の進路を推定する。以下に、予測進路の推定方法を図9および図10を用いて説明する。予測進路を推定するために、図9に示すように自車両が矢印方向に進行している場合の旋回半径Rを算出する。まず、自車両の旋回曲率ρ(1/m)を算出する。旋回曲率ρは、自車速Vhおよび操舵角δに基づいて、以下の(式1)で算出できる。
ρ=1/{L(1+A・Vh)}×δ/N ・・・(式1)
ここで、L:自車両のホイールベース、A:車両に応じて定められたスタビリティファクタ(正の定数)、N:ステアリングギア比である。
旋回半径Rは、旋回曲率ρを用いて以下の(式2)で表される。
R=1/ρ ・・・(式2)
(式2)を用いて算出した旋回半径Rを用いることで、図9に示すように自車両の走行軌道を半径Rの円弧として予測することができる。そして、図10に示すように、旋回半径Rの円弧を中心線とした幅Twの領域を、自車両が走行するであろう予測進路として設定する。幅Twは、自車両の幅に基づいて予め適切に設定しておく。
ステップS150では、障害物検知装置40によって検出され、ステップS140で設定した自車両の予測進路内にあると判定した障害物のうち、自車両に最も近い物体を、前方障害物として選択する。この前方障害物は、以降の処理で自車両のリスクポテンシャルRPを算出する対象となる障害物である。
ステップS160では、ステップS150で前方障害物として選択した障害物について、自車両のリスクポテンシャルRPを算出する。ここでは、リスクポテンシャルRPとして、自車両と前方障害物、例えば先行車との車間時間THWおよび余裕時間TTCを算出する。車間時間THWは、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す物理量であり、以下の(式3)から算出される。
THW=D/Vh ・・・(式3)
先行車に対する余裕時間TTCは、先行車に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量であり、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速Vhおよび相対車速Vrが一定の場合に、何秒後に車間距離Dがゼロとなり自車両と先行車両とが接触するかを示す値である。なお、相対速度Vrは、(自車速−先行車速)として算出され、自車速よりも先行車速が速い場合は、相対速度Vr=0として扱う。障害物に対する余裕時間TTCは、以下の(式4)で求められる。
TTC=D/Vr ・・・(式4)
余裕時間TTCの値が小さいほど、先行車への接触が緊迫し、先行車への接近度合が大きいことを意味している。例えば先行車への接近時には、余裕時間TTCが4秒以下となる前に、ほとんどのドライバが減速行動を開始することが知られている。このように、車間時間THWおよび余裕時間TTCが小さいほど自車両と先行車とが近づいていることを表すので、車間時間THWおよび余裕時間TTCはそれぞれ自車両と先行車との接近度合を表すリスクポテンシャルRPといえる。
ステップS170では、アクセルペダル操作反力および制駆動力補正量を算出する際の基準となる制御反発力Fcを算出する。制御反発力Fcは以下のようにして算出する。
制御反発力Fcの算出のために、図11(a)に示すように、自車両前方に長さlの仮想的な弾性体100を設けたと仮定し、この仮想的な弾性体100が前方車両に当たって圧縮され、自車両に対する擬似的な走行抵抗を発生するというモデルを考える。制御反発力Fcは、図11(b)に示すように仮想弾性体100が前方車両に当たって圧縮された場合の反発力と定義する。
ここでは、車間時間THWに関連づけた仮想弾性体、および余裕時間TTCに関連づけた仮想弾性体とを自車両と前方障害物との間に設定したモデルを想定し、それぞれの仮想弾性体による反発力を、車間時間THWに基づく反発力F_THWおよび余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCとして算出する。そして、これらの反発力F_THW、F_TTCから制御反発力Fcを算出する。制御反発力Fcの算出処理を、図12のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1701では、車間時間THWをしきい値TH_THWと比較する。車間時間THWが制御開始を判断するために適切に設定されたしきい値TH_THW(例えば2sec)より小さい場合(THW<TH_THW)は、ステップS1702へ進む。ステップS1702では、自車速Vhと車間時間THWを用いて、以下の(式5)から車間時間THWに基づく反発力F_THWを算出する。
F_THW=K_THW×(TH_THW−THW)×Vh ・・・(式5)
(式5)においてK_THWは車間時間THWに関連付けた仮想弾性体のばね定数であり、TH_THW・Vhは仮想弾性体の長さに相当する。
ステップS1701でTHW≧TH_THWと判定された場合は、ステップS1703へ進んで反発力F_THW=0にする。
ステップS1704では、余裕時間TTCをしきい値TH_TTCと比較する。余裕時間TTCが制御開始を判断するために適切に設定されたしきい値TH_TTC(例えば8sec)より小さい場合(TTC<TH_TTC)は、ステップS1705へ進む。ステップS1705では、相対速度Vrと余裕時間TTCを用いて、以下の(式6)から余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCを算出する。
F_TTC=K_TTC×(TH_TTC−TTC)×Vr ・・・(式6)
(式6)においてK_TTCは余裕時間TTCに関連付けた仮想弾性体のばね定数であり、TH_TTC・Vrは仮想弾性体の長さに相当する。
ステップS1706では、ステップS1705で算出した余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCの制限処理を行う。ここでの処理を図13を用いて説明する。
まず、ステップS1761では、ステップS130で読み込んだ自車両と障害物との現在の車間距離Dがしきい値D1以上であるか否かを判定する。しきい値D1は、例えば通常の状態で障害物、例えば先行車に追従して走行する場合に、これ以上は接近しない領域、すなわち安定した最小の車間距離を定義する値であり、たとえば車間時間THW=1.0秒に相当する値として設定する。D≧D1(領域A)の場合は、ステップS1762に進み、反発力F_TTCを制限するための制限量L_FttcとしてL_Fttc1を設定する。
ステップS1761が否定判定されると、ステップS1763へ進み、車間距離Dがしきい値D2以上であるか否かを判定する。しきい値D2は、例えば先行車に対してこれ以上接近すると不慮の事態を招きかねないと運転者が感じる領域を定義する値であり、例えば車間時間THW=0.5秒に相当する値として設定する。D≧D2(領域B)の場合は、ステップS1764へ進み、制限量L_FttcとしてL_Fttc2を設定する。
ステップS1763が否定判定されるとステップS1765へ進み(領域C)、制限量L_FttcとしてL_Fttc3を設定する。図14に、車間距離Dと制限量L_Fttcとの関係を示す。図14に示すように車間距離Dが大きくなり、自車両と障害物とが離れるほど、制限量L_Fttcが小さくなる。すなわち、制限量L_Fttc1、L_Fttc2、L_Fttc3は、領域A,B,CにおけるリスクポテンシャルRPの大きさを考慮して、反発力F_TTCの最適な上限値としてL_Fttc1<L_Fttc2<L_Fttc3となるように予め適切な値を設定する。
そこで、領域Aの制限量L_Fttc1は、例えば1m/sの減速度を得るために必要な反発力として設定し、例えば車重が1500kgの場合に1500Nとする。領域Bの制限量L_Fttc2は、例えば2m/sの減速度を得るために必要な反発力として設定し、例えば車重が1500kgの場合に3000Nとする。領域Cの制限量L_Fttc3は、例えば4m/sの減速度を得るために必要な反発力として設定し、例えば車重が1500kgの場合に6000Nとする。
ステップS1766では、ステップS1762,S1764,またはS1765で設定した制限量L_Fttcを用いて、ステップS1705で算出した反発力F_TTCを制限する。これにより、F_TTC≧L_Fttcの場合は、反発力F_TTC=L_Fttcに制限され、F_TTC<L_Fttcの場合は、算出された反発力F_TTCがそのまま使用される。このようにステップS1706で制限処理を行った後、図12の処理に戻る。
ステップS1704でTTC≧TH_TTCと判定された場合は、ステップS1707へ進んで反発力F_TTC=0にする。
つづくステップS1708では、ステップS1702またはS1703で算出した車間時間THWに基づく反発力F_THWと、ステップS1706またはS1707で算出した余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCのうち、大きい方の値を最終的な制御反発力Fcとして選択する。
このようにステップS170で制御反発力Fcを算出した後、ステップS180へ進む。
ステップS180では、ステップS170で算出した制御反発力Fcを用いて、制駆動力制御を行う際の駆動力補正量ΔDaおよび制動力補正量ΔDbを算出する。ここでの制駆動力補正量の算出処理を、図15を用いて説明する。
まずステップS1801で、ステップS120で読み込んだアクセルペダル操作量SAに基づいて、アクセルペダル61が踏みこまれているか否かを判定する。アクセルペダル61が踏み込まれていない場合には、ステップS1802へ進み、アクセルペダル61が急に解放されたか否かを判定する。例えば、アクセルペダル操作量SAから算出するアクセルペダル61の操作速度が所定値未満であった場合は、アクセルペダル61がゆっくりと戻されたと判断し、ステップS1803へ進む。ステップS1803では、駆動力補正量ΔDaとして0をセットし、つづくステップS1804で制動力補正量ΔDbとして、ステップS170で算出した制御反発力Fcをセットする。
一方、ステップS1802でアクセルペダル61が急に戻されたと判定されると、ステップS1805へ進む。ステップS1805では駆動力補正量ΔDaを漸減させ、ステップS1806で制動力補正量ΔDbを制御反発力Fcまで漸増させる。具体的には、アクセルペダル61が急に戻された場合は、アクセルペダル操作中には駆動力を制御反発力Fc分だけ減少させるように設定していた駆動力補正量ΔDa(=−Fc)を、0まで徐々に変化させる。また、アクセルペダル61が急に戻されてから制動力補正量ΔDbを制御反発力Fcまで徐々に増加させる。このように、アクセルペダル61が急に戻された場合は、最終的に駆動力補正量ΔDaが0に、制動力補正量ΔDbがFcになるように変化させる。
一方、ステップS1801が肯定判定され、アクセルペダル61が踏み込まれている場合は、ステップS1807へ進んでドライバ要求駆動力Fdaを推定する。コントローラ50内には、駆動力制御装置60内に記憶されたドライバ要求駆動力算出マップ(図5)と同一のものが用意されており、アクセルペダル操作量SAに従って、ドライバ要求駆動力Fdaを推定する。
つづくステップS1808で、ステップS1807で推定したドライバ要求駆動力Fdaと制御反発力Fcとの大小関係を比較する。ドライバ要求駆動力Fdaが制御反発力Fc以上(Fda≧Fc)の場合は、ステップS1809へ進む。ステップS1809では、駆動力補正量ΔDaとして−Fcをセットし、ステップS1810で制動力補正量ΔDbに0をセットする。すなわち、Fda−Fc≧0であることから、駆動力Fdaを制御反発力Fcにより補正した後も正の駆動力が残る。従って、補正量の出力は駆動力制御装置60のみで行うことができる。この場合、車両の状態としては、ドライバがアクセルペダル61を踏んでいるにも関わらず期待した程の駆動力が得られない状態となる。補正後の駆動力が走行抵抗より大きい場合には、加速が鈍くなる挙動としてドライバに感じられ、補正後の駆動力が走行抵抗より小さい場合には、減速する挙動としてドライバに感じられる。
一方、ステップS1808が否定判定され、ドライバ要求駆動力Fdaが制御反発力Fcより小さい場合(Fda<Fc)は、駆動力制御装置60のみでは目標とする補正量を出力できない。そこで、ステップS1811において駆動力補正量ΔDaに−Fdaをセットし、ステップS1812で制動力補正量ΔDbとして、補正量の不足分(Fc−Fda)をセットする。この場合、車両の減速挙動としてドライバには察知される。
図16に、駆動力および制動力の補正方法を説明する図を示す。図16の横軸はアクセルペダル操作量SAおよびブレーキペダル操作量SBを示しており、原点0から右へ進むほどアクセルペダル操作量SAが大きく、左へ進むほどブレーキペダル操作量SBが大きいことを示している。図16の縦軸は駆動力および制動力を示し、原点0から上へ進むほど駆動力が大きく、下へ進むほど制動力が大きいことを示している。
図16において、アクセルペダル操作量SAに応じた要求駆動力Fda、およびブレーキペダル操作量SBに応じた要求制動力Fdbをそれぞれ一点鎖線で示す。また、前方障害物との接触リスクポテンシャルに応じて補正した駆動力および制動力を実線で示す。
アクセルペダル操作量SAが大きく、アクセルペダル操作量SAに応じた要求駆動力Fdaが制御反発力Fc以上の場合は、駆動力を補正量ΔDaに応じて減少方向に補正する。一方、アクセルペダル操作量SAが小さく、アクセルペダル操作量SAに応じた要求駆動力Fdaが制御反発力Fcよりも小さい場合は、駆動力を発生しないような補正量ΔDaを設定して駆動力を補正する。さらに、制御反発力Fcと要求駆動力Fdaとの差を補正量ΔDbとして設定する。これにより、アクセルペダル操作量SAに応じた緩制動を行う。
ブレーキペダル91が踏み込まれると、補正量ΔDbに基づいて制動力を増大方向に補正する。これにより、全体として車両の走行抵抗を補正量、すなわち仮想弾性体の制御反発力Fcに相当して増大させるように制駆動力の特性を補正している。
このようにステップS180で制駆動力補正量を算出した後、ステップS190へ進む。ステップS190では、ステップS170で算出した制御反発力Fcに基づいて、アクセルペダル61に発生させる操作反力の制御量、すなわちアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。図17に、制御反発力Fcとアクセルペダル反力制御指令値FAとの関係を示す。図17に示すように、制御反発力Fcが大きくなるほどアクセルペダル反力制御指令値FAが大きくなる。
つづくステップS200では、ステップS180で算出した駆動力補正量ΔDa、及び制動力補正量ΔDbをそれぞれ駆動力制御装置60、及び制動力制御装置90に出力する。駆動力制御装置60は、駆動力補正量ΔDaと要求駆動力Fdaとから目標駆動力を算出し、算出した目標駆動力を発生するようにエンジンコントローラに指令を出力する。また、制動力制御装置90は、制動力補正量ΔDbと要求制動力Fdbとから目標制動力を算出し、目標制動力を発生するようにブレーキ液圧コントローラに指令を出力する。
ステップS210では、ステップS190で算出したアクセルペダル反力制御指令値FAをアクセルペダル反力発生装置70に出力する。アクセルペダル反力発生装置70は、アクセルペダル操作量SAに応じた通常の反力特性に、コントローラ50から入力される指令値に応じた反力を付加するようにアクセルペダル反力を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
このように以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置1は、自車両前方に存在する障害物を検出し、自車両と障害物との車間距離Dおよび相対速度Vrを検出する。そして、少なくとも車間距離Dと相対速度Vrとに基づいて、障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルRPを算出し、リスクポテンシャルRPに基づいて運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生する操作反力および自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する。そして、車間距離Dに応じて設定される制限量を用いて、リスクポテンシャルRPに応じて行われる制御を制限する。第1の実施の形態では、制御手段であるコントローラ50において操作反力および制駆動力の両方を制御し、操作反力および制駆動力の両方の制御を制限する。ここで、操作反力および制駆動力の制御を制限するとは、最終的に運転者に与えられる操作反力および制駆動力の大きさを制限することを意味し、リスクポテンシャルRPに応じて算出される操作反力および制駆動力を直接制限すること、操作反力および制駆動力を算出するためのリスクポテンシャルRPを制限すること、およびリスクポテンシャルRPを算出するための相対速度Vrを制限すること等を含む。自車両と障害物との相対速度Vrを用いて算出されたリスクポテンシャルRPを運転者に伝達するように制御を行う場合、自車両と障害物とが近接していなくても自車両と障害物との速度差により、過大な制御が行われる可能性がある。そこで、車間距離Dに応じて設定される制限量を用いて制御を制限することにより、過剰な制御がかかって運転者にわずらわしさを与えてしまうことを防止できる。
(2)コントローラ50は、車間距離Dに基づいて複数の領域を設定し、複数の領域ごとに制限量を設定する。具体的には、図14に示すように車間距離Dを3つの領域A、B,Cに分割し、領域内では一定の制限量を領域ごとに設定する。このように複数の領域A、B,Cごとに制限量を設定することにより、操作反力および制駆動力に対する制御を容易に行うことができる。また、制御量の変化によって領域が変化したことを運転者に認識させたり、領域内では制限量が一定であるので安定した制御を行うことが期待できる。
(3)コントローラ50は、制限量として制御の上限値を設定し、車間距離Dが大きくなるほど上限値を小さくする。具体的には、反力制御指令値FAおよび制駆動力補正量ΔDa,ΔDbを算出するための余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCの上限値を制限量として設定し、図14に示すように車間距離Dが大きくなるほど制限量L_Fttcが小さくなるように設定する。これにより、障害物が遠方にいるにもかかわらず過剰な制御がかかって運転者にわずらわしさを与えてしまうことを防止できる。
(4)コントローラ50は、制御する力の制御量、すなわちリスクポテンシャルRPに応じて制御する操作反力および制駆動力を制限する。具体的には、反力制御指令値FAおよび制駆動力補正量ΔDa,ΔDbを算出するための、余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCを制限する。これにより、自車両と障害物との速度差によって障害物が遠方にいるにも関わらず過剰な制御が行われて運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、余裕時間TTCに基づいて算出する反発力F_TTCを制限し、車間時間THWに基づいて算出する反発力F_THWは制限しないので、車間時間THWが低下したことによってリスクポテンシャルRPが増大した場合は、その情報を運転者に確実に伝達することが可能となる。
《第2の実施の形態》
以下に、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第2の実施の形態では、自車両と障害物との相対速度Vrに制限を設け、制限された相対速度Vrを用いて制御反発力Fcの算出を行うようにする。具体的には、レーダ装置10によって検出された車間距離Dを障害物検知装置40で演算処理することによって相対速度Vrを算出し、この相対速度Vrに対してリミッタをかける。
第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の動作を、図18を用いて詳細に説明する。図18は、第2の実施の形態のコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。ステップS310〜S350での処理は、図8のフローチャートに示したステップS110〜S150での処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS360では、ステップS330で読み込んだ自車両と障害物との現在の相対速度Vrに対する制限処理を行う。ここでの処理を、図19のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS3601では、ステップS130で読み込んだ自車両と障害物との現在の車間距離Dがしきい値D1以上であるか否かを判定する。D≧D1(領域A)の場合は、ステップS3602に進み、相対速度Vrを制限するための制限量L_VrとしてL_Vr1を設定する。ステップS3601が否定判定されると、ステップS3603へ進み、車間距離Dがしきい値D2以上であるか否かを判定する。D≧D2(領域B)の場合は、ステップS3604へ進み、制限量L_VrとしてL_Vr2を設定する。
ステップS3603が否定判定されるとステップS3605へ進み(領域C)、制限量L_VrとしてL_Vr3を設定する。図20に、車間距離Dと制限量L_Vrとの関係を示す。図20に示すように車間距離Dが大きくなり、自車両と障害物とが離れるほど、制限量L_Vrが小さくなる。すなわち、制限量L_Vr1、L_Vr2、L_Vr3は、領域A,B,Cにおける相対速度Vrの最適な上限値としてL_Vr1<L_Vr2<L_Vr3となるように予め適切な値を設定する。
そこで、領域Aの制限量L_Vr1は、通常の先行車に対する追従走行で生じる範囲の相対速度Vrを定義するように、例えばL_Vr1=5m/sに設定する。領域Bの制限量L_Vr2は、通常の先行車に対する追従走行ではあまり生じない範囲の相対速度Vrを定義するように、例えばL_Vr2=10m/sに設定する。これは、自車両が先行車に対して接近しつつあることを示す。領域Cの制限量L_Vr3は、通常の先行車に対する追従走行では滅多に生じない範囲の相対速度Vrを定義するように、例えばL_Vr3=20m/sに設定する。これは、自車両が先行車に対してかなり速いスピードで接近していることを示す。
ステップS3606では、ステップS3602,S3604,またはS3605で設定した制限量L_Vrを用いて、ステップS330で読み込んだ相対速度Vrを制限する。これにより、Vr≧L_Vrの場合は、相対速度Vr=L_Vrに制限され、Vr<L_Vrの場合は、読み込まれた相対速度Vrがそのまま使用される。
このようにステップS360で相対速度Vrの制限処理を行った後、ステップS370へ進む。ステップS370では、ステップS360で制限処理を行った相対速度Vrを用いて、余裕時間TTCおよび車間時間THWを算出する。制限処理を行った相対速度Vrを用いて余裕時間TTCを算出することにより、余裕時間TTC、さらには余裕時間TTCを用いて算出される反発力F_TTCも制限されることになる。
ステップS380では、制御反発力Fcを算出する。ここでの処理を図21のフローチャートを用いて説明する。ステップS3801〜S3806では、図12に示したフローチャートのステップS1701〜S1705およびS1707での処理と同様に車間時間THWに基づく反発力F_THWと余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCを算出する。ただし、ステップS360の処理で制限した相対速度Vrから算出した余裕時間TTCを用いているので、余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCのさらなる制限は行わない。
ステップS3807では、ステップS3802またはS3803で算出した車間時間THWに基づく反発力F_THWと、ステップS3805またはS3806で算出した余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCのうち、大きい方の値を最終的な制御反発力Fcとして選択する。
ステップS390以降の処理は、図8のステップS180以降の処理と同様であるので説明を省略する。
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態による効果に加えて、以下のような作用効果を奏することができる。
コントローラ50は、自車両と障害物との相対速度Vrを制御する。具体的には、図20に示すように、車間距離Dに基づいて設定される領域A、B,Cごとに、相対速度Vrの上限値(リミッタ)である制限量L_Vrを設定する。ここでは、相対速度Vrは自車速Vhから障害物の速度を減算した値として算出され、車間距離Dが大きくなるほど制限量L_Vrが小さくなるように設定する。これにより、自車両と障害物との速度差によって障害物が遠方にいるにも関わらず過剰な制御が行われて運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、相対速度Vrに対する制限は、余裕時間TTCにのみ反映され、車間時間THWには影響を与えないので、車間時間THWが低下したことによってリスクポテンシャルRPが増大した場合は、その情報を運転者に確実に伝達することが可能となる。
《第3の実施の形態》
以下に、本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第3の実施の形態では、前方障害物として選択された障害物が停止物体である場合にのみ、制御反発力Fcに制限を設ける。障害物が停止車両や壁またはガードレール等の停止している物体である場合、障害物が先行車等の移動している物体である場合に比べて運転者がリスクを低く感じる傾向にある。すなわち、停止している物体は現在位置から移動することがないので、運転者にとっては自車両前方の状況を容易に把握することができる。そこで、停止物体が前方障害物として検出されている場合に、車間距離Dに応じて制御反発力Fcを制限することにより、運転者にわずらわしさを与えないようにする。
第3の実施の形態における制御反発力Fcの算出処理を、図22のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図8のフローチャートのステップS170で実行される。
ステップS1711〜S1716での処理は、図12のフローチャートのステップS1701〜S1705及びS1707での処理と同様であるので説明を省略する。ステップS1717では、ステップS1712またはS1713で算出した車間時間THWに基づく反発力F_THWと、ステップS1715またはS1716で算出した余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCのうち、大きい方の値を制御反発力Fcとして選択する。
つづくステップS1718では、ステップS150で選択された前方障害物が停止物体であるか否かを判定する。前方障害物の速度が停止または停止直前と判断できる速度、例えば10km/h以下の場合、あるいは、自車速Vhに対して極端に低速、たとえば自車速Vhの10%以下の速度の場合、前方障害物が停止物体であると判断する。前方障害物の速度は、例えば自車速Vhと相対速度Vrとから算出する。前方障害物が停止物体ではないと判断されると、ステップS1717で算出した制御反発力Fcをそのまま用いる。前方障害物が停止物体である場合は、ステップS1719へ進む。
ステップS1719では、ステップ1717で算出した制御反発力Fcにリミッタをかける。ここでの処理を、図23のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1791では、ステップS130で読み込んだ自車両と障害物との現在の車間距離Dがしきい値D1以上であるか否かを判定する。D≧D1(領域A)の場合は、ステップS1792に進み、制御反発力Fcを制限するための制限量L_FcとしてL_Fc1を設定する。ステップS1791が否定判定されると、ステップS1793へ進み、車間距離Dがしきい値D2以上であるか否かを判定する。D≧D2(領域B)の場合は、ステップS1794へ進み、制限量L_FcとしてL_Fc2を設定する。
ステップS1793が否定判定されるとステップS1795へ進み(領域C)、制限量L_FcとしてL_Fc3を設定する。図24に、車間距離Dと制限量L_Fcとの関係を示す。図24に示すように車間距離Dが大きくなり、自車両と障害物とが離れるほど、制限量L_Fcが小さくなる。すなわち、制限量L_Fc1、L_Fc2、L_Fc3は、領域A,B,CにおけるリスクポテンシャルRPの大きさを考慮して、制御反発力Fcの最適な上限値としてL_Fc1<L_Fc2<L_Fc3となるように予め適切な値を設定する。
そこで、領域Aの制限量L_Fc1は、例えば0.5m/sの減速度を得るために必要な制御反発力として設定し、例えば車重が1500kgの場合に750Nとする。領域Bの制限量L_Fc2は、例えば1m/sの減速度を得るために必要な制御反発力として設定し、例えば車重が1500kgの場合に1500Nとする。領域Cの制限量L_Fc3は、例えば2m/sの減速度を得るために必要な制御反発力として設定し、例えば車重が1500kgの場合に3000Nとする。
ステップS1796では、ステップS1792,S1794,またはS1795で設定した制限量L_Fcを用いて、ステップS1717で算出した制御反発力Fcを制限する。これにより、Fc≧L_Fcの場合は、制御反発力Fc=L_Fcに制限され、Fc<L_Fcの場合は、算出された制御反発力Fcがそのまま使用される。
このように、以上説明した第3の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態による効果に加えて以下のような作用効果を奏することができる。
第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置1は、障害物が停止しているか否かを判定し、障害物が停止していると判定されると制御を制限し、障害物が停止していないと判定されると制御に対する制限を行わない。障害物が停止した停止物体である場合は、レーダ装置10によってガードレールや壁等の路側構造物が障害物として検出されている可能性がある。このような場合は操作反力および制駆動力の制御が強く作動しすぎると運転者にわずらわしさを与えてしまうので、制御に対して制限をかけることにより、運転者にわずらわしさを与えることのない制御を実現することが可能となる。
−第3の実施の形態の変形例−
ここでは、前方障害物が停止物体である場合に、余裕時間TTCに基づいて算出される反発力F_TTCに制限を設ける。ここでの処理を図25のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1715で余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCを算出した後、ステップS1720へ進み、前方障害物が停止物体であるか否かを判定する。前方障害物が停止物体である場合はステップS1721へ進み、余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCの制限処理を行う。ここでの処理を、図26のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1731では、ステップS130で読み込んだ自車両と障害物との現在の車間距離Dがしきい値D1以上であるか否かを判定する。D≧D1(領域A)の場合は、ステップS1732に進み、反発力F_TTCを制限するための制限量L_FttcとしてL_Fttc1を設定する。ステップS1731が否定判定されると、ステップS1733へ進み、車間距離Dがしきい値D2以上であるか否かを判定する。D≧D2(領域B)の場合は、ステップS1734へ進み、制限量L_FttcとしてL_Fttc2を設定する。ステップS1733が否定判定されるとステップS1735へ進み(領域C)、制限量L_FttcとしてL_Fttc3を設定する。なお、L_Fttc1<L_Fttc2<L_Fttc3である。
ステップS1736では、ステップS1732,S1734,またはS1735で設定した制限量L_Fttcを用いて、ステップS1715で算出した余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCを制限する。これにより、F_TTC≧L_Fttcの場合は、反発力F_TTC=L_Fttcに制限され、F_TTC<L_Fttcの場合は、算出された反発力Fcがそのまま使用される。このように余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCを制限した後、図25の処理に戻る。
つづくステップS31723では、ステップS1712またはS1713で算出した車間時間THWに基づく反発力F_THWと、ステップS1715、S1716またはS1721で算出した余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCのうち、大きい方の値を最終的な制御反発力Fcとして選択する。
《第4の実施の形態》
以下に、本発明の第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。図27に、第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置2のシステム図を示す。図27において、図1に示した第1の実施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第4の実施の形態においては、自車両周囲のリスクポテンシャルRPに応じて、アクセルペダル操作反力制御のみを行い、制駆動力制御を行わない。そこで、図27に示すように車両用運転操作補助装置2は、駆動力制御装置60および制動力制御装置90を備えていない。
第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の動作を、図28を用いて詳細に説明する。図28は、第4の実施の形態のコントローラ50Aにおける運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。ステップS510〜S570での処理は、図8のフローチャートに示したステップS110〜S170おける処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS580では、ステップS570で算出した制御反発力Fcに基づいて、図17のマップからアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。ステップS590では、ステップS580で算出したアクセルペダル反力制御指令値FAをアクセルペダル反力発生装置70に出力する。これにより、今回の処理を終了する。
このように、自車両周囲のリスクポテンシャルRPに応じて運転操作機器であるアクセルペダル61に発生させる操作反力を制御するシステムにおいて、上述した第1の実施の形態と同様に制限をかけることによっても、自車両と障害物との速度差によってアクセルペダル61から必要以上の操作反力が発生することを防止して、運転者にわずらわしさを与えることの無い制御を実現することが可能となる。
《第5の実施の形態》
以下に、本発明の第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。図29に、第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置3のシステム図を示す。図29に示す車両用運転操作補助装置3において、図1に示した第1の実施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第5の実施の形態においては、自車両周囲のリスクポテンシャルRPに応じて制駆動力制御のみを行い、アクセルペダル操作反力制御を行わない。そこで、図29に示すように車両用運転操作補助装置2は、アクセルペダル反力発生装置70を備えていない。
第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置3の動作を、図30を用いて詳細に説明する。図30は、第5の実施の形態のコントローラ50Bにおける運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。ステップS610〜S680での処理は、図8のフローチャートに示したステップS110〜S180おける処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS690では、ステップS680で算出した駆動力補正量ΔDaと制動力補正量ΔDbを、それぞれ駆動力制御装置60および制動力制御装置90に出力する。これにより、今回の処理を終了する。
このように、自車両周囲のリスクポテンシャルRPに応じて自車両に発生する制駆動力を制御するシステムにおいて、上述した第1の実施の形態と同様に制限をかけることによっても、自車両と障害物との速度差によって自車両に必要以上の減速度を与えることを防止して、運転者にわずらわしさを与えることの無い制御を実現することが可能となる。
《第6の実施の形態》
以下に、本発明の第6の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第6の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第6の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態と同様に余裕時間TTCに基づいて算出される反発力F_TTCを車間距離Dに基づいて制限する。ただし、アクセルペダル操作反力制御と制駆動力制御に対して異なる制限量を設定する。そして、車間時間THWと、異なる制限量により制限した反発力F_TTCとから、アクセルペダル操作反力制御用と制駆動力制御用の2つの制御反発力Fc_P、Fc_Cを算出する。
第6の実施の形態における制御反発力Fc_P、Fc_Cの算出処理を、図31のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図8のフローチャートのステップS170で実行される。
ステップS1741〜S1745およびS1747での処理は、図12のフローチャートのステップS1701〜S1705及びS1707での処理と同様であるので説明を省略する。ただし、ステップS1747では、アクセルペダル操作反力制御用の反発力F_TTC_Pおよび制駆動力制御用の反発力F_TTC_Cをそれぞれ0とする。
ステップS1746では、ステップS1745で算出した反発力F_TTCを制限し、アクセルペダル操作反力制御用の反発力F_TTC_Pおよび制駆動力制御用の反発力F_TTC_Cを算出する。ここでの処理を図32を用いて説明する。
まず、ステップS1751では、ステップS130で読み込んだ自車両と障害物との現在の車間距離Dがしきい値D1以上であるか否かを判定する。D≧D1(領域A)の場合は、ステップS1752に進み、反力制御用の制限量L_Fttc_PとしてL_Fttc_P1を設定し、制駆動力制御用の制限量L_Fttc_CとしてL_Fttc_C1を設定しする。ステップS1751が否定判定されると、ステップS1753へ進み、車間距離Dがしきい値D2以上であるか否かを判定する。D≧D2(領域B)の場合は、ステップS1754へ進み、反力制御用の制限量L_Fttc_PとしてL_Fttc_P2を設定し、制駆動力制御用の制限量L_Fttc_CとしてL_Fttc_C2を設定する。
ステップS1753が否定判定されるとステップS1755へ進み(領域C)、反力制御用の制限量L_Fttc_PとしてL_Fttc_P3を設定し、制駆動力制御用の制限量L_Fttc_CとしてL_Fttc_C3を設定する。なお、領域A,B,CにおけるリスクポテンシャルRPの大きさを考慮した反発力F_TTC_P、F_TTC_Cの最適な上限値として、反力制御用の制限量L_Fttc_Pおよび制駆動力制御用の制限量L_Fttc_C を、L_Fttc_P1<L_Fttc_P2<L_Fttc_P3、L_Fttc_C1<L_Fttc_C2<L_Fttc_C3となるように予め適切な値を設定しておく。
ステップS1756では、ステップS1752,S1754,またはS1755で設定した制限量L_Fttcを用いて、ステップS1745で算出した反発力F_TTCを制限する。これにより、F_TTC≧L_Fttc_Cの場合は、制駆動力制御用の反発力F_TTC_C=L_Fttc_Cとして設定し、F_TTC<L_Fttc_Cの場合は、算出された反発力F_TTCをそのままF_TTC_Cとして使用する。また、F_TTC≧L_Fttc_Pの場合は、反力制御用の反発力F_TTC_P=L_Fttc_Pとして設定し、F_TTC<L_Fttc_Pの場合は、算出された反発力F_TTCをそのままF_TTC_Pとして使用する。このようにステップS1746で制限処理を行った後、図31の処理に戻る。
つづくステップS1748では、ステップS1742またはS1743で算出した車間時間THWに基づく反発力F_THWと、ステップS1746またはS1747で算出した余裕時間TTCに基づく制駆動力制御用の反発力F_TTC_Cおよび反力制御用の反発力F_TTC_Pとを比較する。そして、F_THWとF_TTC_Cのうち、大きい方の値を最終的な制駆動力制御用の制御反発力Fc_Cとして選択し、F_THWとF_TTC_Pのうち、大きい方の値を最終的な反力制御用の制御反発力Fc_Pとして選択する。
以降の処理では、制御反発力Fc_Cを用いて制駆動力補正量ΔDa,ΔDbを算出し、制御反発力Fc_Pを用いてアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。
このように、以上説明した第6の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)第6の実施の形態による車両用運転操作補助装置1は、自車両前方に存在する障害物を検出し、自車両と障害物との車間距離Dおよび相対速度Vrを検出する。そして、少なくとも車間距離Dと相対速度Vrとに基づいて、障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルRPを算出し、リスクポテンシャルRPに基づいてアクセルペダル61に発生させる操作反力および自車両に発生する制駆動力を制御する。そして、車間距離Dに応じて設定される制限量を用いて、操作反力および制駆動力を制限する。車間距離Dに応じて設定される制限量を用いて操作反力および制駆動力の制御を制限することにより、自車両と障害物との速度差により過剰な制御がかかって運転者にわずらわしさを与えてしまうことを防止できる。
(2)コントローラ50は、アクセルペダル61に発生させる操作反力と自車両に発生する制駆動力に対して、異なる制限量を設定する。具体的には、余裕時間TTCに基づいて算出される反発力F_TTCに対して、制駆動力制御用の制限量L_Fttc_Cと反力制御用の制限量L_Fttc_Pとをそれぞれ設定する。これにより、自車両と障害物との速度差によって障害物が遠方にいるにも関わらず過剰な制御が行われて運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、余裕時間TTCに基づいて算出する反発力F_TTCを制限し、車間時間THWに基づいて算出する反発力F_THWは制限しないので、車間時間THWが低下したことによってリスクポテンシャルRPが増大した場合は、その情報を運転者に確実に伝達することが可能となる。制駆動力制御と操作反力制御に対して別々の制限量を設定することにより、リスクポテンシャルRPの伝達と運転者に与えるわずらわしさの低減とを両立させることが可能となる。例えば、制駆動力制御用の制限量L_Fttc_Cは上述した第1の実施の形態と同様に設定し、反力制御用の制限量L_Fttc_Pは最大の反発力F_TTCを許容するような値として設定する。これにより、制駆動力制御には制限がかけられ、操作反力制御には制限が掛けられないことになり、アクセルペダル61の操作反力としてリスクポテンシャルRPを確実に運転者に伝達しながら、自車両と障害物との速度差が大きい場合には制駆動力制御を制限して運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
《第7の実施の形態》
以下に、本発明の第7の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第7の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第2の実施の形態との相違点を主に説明する。
第7の実施の形態においては、上述した第2の実施の形態と同様に自車両と障害物との相対速度Vrを車間距離Dに基づいて制限する。ただし、アクセルペダル操作反力制御と制駆動力制御に対して異なる制限量を設定する。そして、異なる制限量により制限した相対速度Vrを用いて算出した余裕時間TTC_P、TTC_Cから2つの反発力F_TTC_P、F_TTC_Cを算出し、アクセルペダル操作反力制御用と制駆動力制御用の2つの制御反発力Fc_P、Fc_Cを算出する。
第7の実施の形態における相対速度Vrの制限処理を、図33のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図18のフローチャートのステップS360で実行される。
まず、ステップS3611では、ステップS130で読み込んだ自車両と障害物との現在の車間距離Dがしきい値D1以上であるか否かを判定する。D≧D1(領域A)の場合は、ステップS3612に進み、反力制御用の相対速度の制限量L_Vr_PとしてL_Vr_P1を設定し、制駆動力制御用の相対速度の制限量L_Vr_CとしてL_Vr_C1を設定しする。ステップS3611が否定判定されると、ステップS3613へ進み、車間距離Dがしきい値D2以上であるか否かを判定する。D≧D2(領域B)の場合は、ステップS3614へ進み、反力制御用の制限量L_Vr_PとしてL_Vr_P2を設定し、制駆動力制御用の制限量L_Vr_CとしてL_Vr_C2を設定する。
ステップS3613が否定判定されるとステップS3615へ進み(領域C)、反力制御用の制限量L_Vr_PとしてL_Vr_P3を設定し、制駆動力制御用の制限量L_Vr_CとしてL_Vr_C3を設定する。なお、領域A,B,Cにおける相対速度Vrの最適な上限値として、反力制御用の相対速度の制限量L_Vr_Pおよび制駆動力制御用の相対速度の制限量L_Vr_C を、L_Vr_P1<L_Vr_P2<L_Vr_P3、L_Vr_C1<L_Vr_C2<L_Vr_C3となるように予め適切な値を設定しておく。
ステップS3616では、ステップS3612,S3614,またはS3615で設定した制限量L_Vrを用いて、ステップS330で読み込んだ相対速度Vrを制限する。これにより、Vr≧L_Vr_Cの場合は、制駆動力制御用の相対速度Vr_C=L_Vr_Cとして設定し、Vr<L_Vr_Cの場合は、読み込まれた相対速度VrをそのままVr_Cとして使用する。また、Vr≧L_Vr_Pの場合は、反力制御用の相対速度Vr_P=L_Vr_Pとして設定し、Vr<L_Vr_Pの場合は、読み込まれた相対速度VrをそのままVr_Pとして使用する。
このようにステップS360で相対速度Vrの制限処理を行った後、ステップS370でリスクポテンシャルRPを算出する。具体的には、上述した(式3)から車間時間THWを算出するとともに、上述した(式4)から、相対速度Vr_Cを用いて制駆動力制御用の余裕時間TTC_C(=D/Vr_C)と、相対速度Vr_Pを用いて反力制御用の余裕時間TTC_P(=D/Vr_P)を算出する。
つづくステップS380では、操作反力制御用の制御反発力Fc_Cと反力制御用の制御反発力Fc_Pを算出する。ここでの処理を、図34のフローチャートを用いて説明する。ステップS3811〜S3813での処理は、図21のフローチャートのステップS3801〜S3803での処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS3814では、制駆動力制御用の余裕時間TTC_Cをしきい値TH_TTCと比較する。余裕時間TTC_Cがしきい値TH_TTCより小さい場合(TTC_C<TH_TTC)は、ステップS3815へ進む。ステップS3815では、制駆動力制御用の相対速度Vr_Cと余裕時間TTC_Cを用いて、以下の(式7)から余裕時間TTC_Cに基づく制駆動力制御用の反発力F_TTC_Cを算出する。
F_TTC_C=K_TTC×(TH_TTC−TTC_C)×Vr_C ・・・(式7)
ステップS3814でTTC_C≧TH_TTCと判定された場合は、ステップS3816へ進んで反発力F_TTC_C=0にする。
ステップS3817では、反力制御用の余裕時間TTC_Pをしきい値TH_TTCと比較する。余裕時間TTC_Pがしきい値TH_TTCより小さい場合(TTC_P<TH_TTC)は、ステップS3818へ進む。ステップS3818では、反力制御用の相対速度Vr_Pと余裕時間TTC_Pを用いて、以下の(式8)から余裕時間TTC_Pに基づく反力制御用の反発力F_TTC_Pを算出する。
F_TTC_P=K_TTC×(TH_TTC−TTC_P)×Vr_P ・・・(式8)
ステップS3817でTTC_P≧TH_TTCと判定された場合は、ステップS3819へ進んで反発力F_TTC_P=0にする。
つづくステップS3820では、ステップS3812またはS3813で算出した車間時間THWに基づく反発力F_THWと、ステップS3815またはS3816で算出した余裕時間TTC_Cに基づく制駆動力制御用の反発力F_TTC_CおよびステップS3818またはS3819で算出した余裕時間TTC_Pに基づく反力制御用の反発力F_TTC_Pとを比較する。そして、F_THWとF_TTC_Cのうち、大きい方の値を最終的な制駆動力制御用の制御反発力Fc_Cとして選択し、F_THWとF_TTC_Pのうち、大きい方の値を最終的な反力制御用の制御反発力Fc_Pとして選択する。
以降の処理では、制御反発力Fc_Cを用いて制駆動力補正量ΔDa,ΔDbを算出し、制御反発力Fc_Pを用いてアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。
このように、以上説明した第7の実施の形態においては、上述した第6の実施の形態による効果に加えて以下のような作用効果を奏することができる。
第7の実施の形態によるコントローラ50は、自車両と障害物との相対速度Vrに対して、制駆動力制御用の制限量L_Vr_Cと反力制御用の制限量L_Vr_Pとをそれぞれ設定する。これにより、自車両と障害物との速度差によって障害物が遠方にいるにも関わらず過剰な制御が行われて運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、相対速度Vrに対する制限は余裕時間TTCに反映され、車間時間THWには影響を与えないので、車間時間THWが低下したことによってリスクポテンシャルRPが増大した場合は、その情報を運転者に確実に伝達することが可能となる。制駆動力制御と操作反力制御に対して別々の制限量を設定することにより、リスクポテンシャルRPの伝達と運転者に与えるわずらわしさの低減とを両立させることが可能となる。
上述した第1から第7の実施の形態においては、車間距離Dを用いて領域A,B,Cを設定し、それぞれの領域に対応する制限量を設定した。しかし、これには限定されず、例えばリスクポテンシャルRP、具体的には余裕時間TTCまたは車間時間THWに応じて領域A,B,Cを設定することもできる。また、4つ以上あるいは2つ以下の複数の領域を設定することもできる。また、領域分けをして制限量を段階的に変化させずに、自車両と障害物とが離れるに従って制限量が小さくなるように連続的に変化するように設定することもできる。
上述した第1から第7の実施の形態においては、相対速度Vr、制御反発力Fcまたは余裕時間TTCに基づく反発力F_TTCに対して制限を設けるように構成した。ただし、これには限定されず、レーザレーダ10で検出された車間距離Dや、リスクポテンシャルRPとして算出される余裕時間TTCを制限することも可能である。すなわち、前方障害物が遠方に存在するにも関わらず、自車両と前方障害物との速度差が大きいために過剰の制御が行われてしまうことを緩和できれば、種々のパラメータに対して制限を行うことが可能である。
上述した第1から第4、第6および第7の実施の形態においては、自車両周囲のリスクポテンシャルRPに応じたアクセルペダル操作反力制御を行った。ただし、これには限定されず、運転操作機器としてブレーキペダル91を用い、ブレーキペダル91に発生する操作反力を制御することもできる。また、アクセルペダル操作反力制御とブレーキペダル操作反力制御とを行うこともできる。また、第1から第3、第5から第7の実施の形態においては自車両に発生する駆動力および制動力を制御する制駆動力制御を行ったが、駆動力制御および制動力制御のいずれか一方を行うことも可能である。
上述した第1から第7の実施の形態においては、障害物に対する接近度合いを表すリスクポテンシャルRPとして、自車両と障害物との車間時間THWおよび余裕時間TTCをを算出した。ただし、これには限定されず、リスクポテンシャルRPとして、少なくとも、自車両と障害物との相対速度Vrを用いる余裕時間TTCを算出することができる。また、車間時間THWと余裕時間TTCとを加算してリスクポテンシャルRPを算出することも可能である。
以上説明した第1から第7の実施の形態においては、レーダ装置10が障害物検出手段として機能し、障害物検知装置40が障害物状況検出手段として機能し、コントローラ50,50A,50Bがリスクポテンシャル算出手段、制限手段、および障害物停止判定手段として機能し、コントローラ50,50A,50B、駆動力制御装置60、アクセルペダル反力発生装置70および制動力制御装置90が制御手段として機能することができる。ただし、これらには限定されず、例えばミリ波レーダからなるレーダ装置10やCCDカメラ等のカメラ装置を障害物検出手段として用いることもできる。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 レーダ装置の測距原理を説明する図。 レーダ装置による検出結果の一例を示す図。 駆動力制御装置を説明する図。 アクセルペダル操作量と要求駆動力との関係を示す図。 制動力制御装置を説明する図。 ブレーキペダル操作量と要求制動力との関係を示す図。 第1の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 自車両の予測進路の算出方法を説明する図。 自車両の予測進路の算出方法を説明する図。 (a)(b)制御反発力の算出方法を説明する図。 制御反発力算出処理の処理手順を示すフローチャート。 反発力制限処理の処理手順を示すフローチャート。 車間距離と余裕時間に基づく反発力に対する制限量との関係を示す図。 制駆動力補正量算出処理の処理手順を示すフローチャート。 駆動力補正および制動力補正の特性を説明する図。 制御反発力とアクセルペダル反力制御指令値との関係を示す図。 第2の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 相対速度制限処理の処理手順を示すフローチャート。 車間距離と相対速度に対する制限量との関係を示す図。 制御反発力算出処理の処理手順を示すフローチャート。 第3の実施の形態における制御反発力算出処理の処理手順を示すフローチャート。 第3の実施の形態における制御反発力制限処理の処理手順を示すフローチャート。 車間距離と制御反発力に対する制限量との関係を示す図。 第3の実施の形態の変形例における制御反発力算出処理の処理手順を示すフローチャート。 第3の実施の形態の変形例における反発力制限処理の処理手順を示すフローチャート。 第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 第4の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 第5の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 第6の実施の形態における制御反発力算出処理の処理手順を示すフローチャート。 第6の実施の形態における反発力制限処理の処理手順を示すフローチャート。 第7の実施の形態における相対速度制限処理の処理手順を示すフローチャート。 第7の実施の形態における制御反発力算出処理の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
10:レーザレーダ 20:車速センサ
30:舵角センサ 40:障害物検知装置
50,50A,50B:コントローラ 60:駆動力制御装置
61:アクセルペダル 70:アクセルペダル反力発生装置
90:制動力制御装置 91:ブレーキペダル

Claims (7)

  1. 自車両前方に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、
    前記障害物と自車両との車間距離および相対速度を検出する障害物状況検出手段と、
    少なくとも、前記障害物状況検出手段で検出された前記車間距離と前記相対速度とに基づいて、前記障害物に対する前記自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、運転者が前記自車両を運転操作するための運転操作機器に発生する操作反力、および前記自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する制御手段と、
    前記車間距離に基づいて、前記車間距離が大きくなるほど前記リスクポテンシャルに基づいて前記制御手段で制御される前記操作反力および前記制駆動力の少なくともいずれかの制御量の上限値を小さくするように制限する制限手段とを備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制限手段は、前記車間距離に基づいて複数の領域を設定し、前記複数の領域ごとに前記上限値を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制限手段は、前記障害物状況検出手段によって検出される前記相対速度を制限することによって前記制御量を制限することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記障害物が停止しているかを判定する障害物停止判定手段をさらに備え、
    前記制限手段は、前記障害物停止判定手段によって前記障害物が停止していると判定されると、前記制御量を制限し、前記障害物が停止していないと判定されると、前記制御量を制限しないことを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制御手段は、
    前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダルに発生させる操作反力を制御する操作反力制御手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、前記自車両に発生する制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え、
    前記制限手段は、前記操作反力と前記制駆動力に対して、異なる上限値を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制御手段は、前記操作反力および前記制駆動力の少なくともいずれかについて、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど前記操作反力が大きくなるように、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど駆動力が小さく制動力が大きくなるように、前記制御量を制御することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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