JP4734287B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、前面枠と、該前面枠に対して開閉可能な開閉体と、該開閉体に設けられた開閉側球流下路と、前面枠側に設けられた枠側球流下路とを備え、開閉体を閉じると開閉側球流下路と枠側球流下路とが連通して、遊技球を枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下可能となるパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来の遊技機、例えば、パチンコ遊技機においては、前面枠の前側に一側が軸着された開閉体としての貯留皿ユニット(球受皿)を備え、該貯留皿ユニットに遊技球を貯留可能な球貯留部(開閉側球流下路)を設けている。また、前面枠には、遊技球を流下可能な枠側球流下路を備え、貯留皿ユニットを前面枠に対して閉じた状態で枠側球流下路の下流開口(払出し口)と球貯留部とを連通して、遊技球を枠側球流下路から球貯留部へ供給できるように構成されている。さらに、下流開口を開閉して遊技球の流下を規制可能な流下規制部材(遮蔽部材)を備え、貯留皿ユニットを開くと流下規制部材により下流開口を閉じて、枠側球流下路から遊技球が落下する不具合を防ぐように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−205155号公報
ところで、上記特許文献に記載のパチンコ遊技機において、貯留皿ユニットを開くには、まず、貯留皿ユニットの上方に配置された窓枠を開放して貯留皿ユニットのロック機構を露出させる。そして、ロック機構を露出したならば、このロック機構を操作して貯留皿ユニットのロックを解除するとともに下流開口を流下規制部材で閉じる必要がある。このため、貯留皿ユニットを開くまでの手順が面倒であり、貯留皿ユニットの開閉操作が必要なメンテナンス作業を効率よく行うことができない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、開閉体の開閉操作とは別個の操作を行わずに開閉側球流下路への遊技球の流下を規制したり許容したりすることができ、開閉体の開閉操作が必要なメンテナンス作業を効率よく行うことができる遊技機を提供しようとするものである。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、前面枠と、該前面枠に対して開閉可能な開閉体と、該開閉体に設けられた開閉側球流下路と、前面枠側に設けられた枠側球流下路と、を備え、開閉体を閉じると開閉側球流下路と枠側球流下路とが連通して、遊技球を枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下可能となる遊技機において、
前記枠側球流下路の下流開口に球流下規制機構を臨ませて設け、
該球流下規制機構は、枠側球流下路の下流開口に出没可能な流下規制部材と、該流下規制部材の出没動作を行う出没変換部と、を備え、
該出没変換部は、流下規制部材を接続した状態で移動可能な移動アームと、移動アームを流下規制部材が下流開口へ突出する方向へ付勢する付勢部材と、開閉体側へ引き出し可能であるとともに先端部を開閉体へ当接可能な当接ロッドと、該当接ロッドに連動して移動アームを操作する規制操作部と、を備え、該規制操作部により移動アームの移動を規制可能とし、
前記当接ロッドの先端部には、開閉体へ吸着可能な吸着部を設け、
前記開閉体を開くと、当接ロッドが吸着部を開閉体へ吸着した状態で引き出され、この引き出し動作に連動して規制操作部が移動アームの移動を許容し、付勢部材の付勢力により流下規制部材を下流開口へ突出して遊技球が枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下することを規制し、
前記開閉体を閉じると、当接ロッドが前面枠側へ押圧され、この押圧動作に連動して規制操作部が移動アームを操作して流下規制部材を下流開口から引き抜き、この引き抜き状態で移動アームの移動を規制して遊技球が枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下することを許容するように構成されたことを特徴とする遊技機である。
請求項2に記載のものは、前記開閉体のうち当接ロッドの吸着部に対向する箇所に被吸着部材を配置し、
該被吸着部材を開閉側付勢部材により吸着部側へ付勢することを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
請求項3に記載のものは、前記吸着部を開閉体側へ向けて揺動可能とするとともに、吸着側付勢部材により開閉体側へ付勢することを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、枠側球流下路の下流開口に球流下規制機構を臨ませて設け、該球流下規制機構は、枠側球流下路の下流開口に出没可能な流下規制部材と、該流下規制部材の出没動作を行う出没変換部とを備え、該出没変換部は、流下規制部材を接続した状態で移動可能な移動アームと、移動アームを流下規制部材が下流開口へ突出する方向へ付勢する付勢部材と、開閉体側へ引き出し可能であるとともに先端部を開閉体へ当接可能な当接ロッドと、該当接ロッドに連動して移動アームを操作する規制操作部とを備え、該規制操作部により移動アームの移動を規制可能とし、当接ロッドの先端部には、開閉体へ吸着可能な吸着部を設け、開閉体を開くと、当接ロッドが吸着部を開閉体へ吸着した状態で引き出され、この引き出し動作に連動して規制操作部が移動アームの移動を許容し、付勢部材の付勢力により流下規制部材を下流開口へ突出して遊技球が枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下することを規制し、開閉体を閉じると、当接ロッドが前面枠側へ押圧され、この押圧動作に連動して規制操作部が移動アームを操作して流下規制部材を下流開口から引き抜き、この引き抜き状態で移動アームの移動を規制して遊技球が枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下することを許容するように構成したので、開閉体の開閉操作とは別個の操作を行わずに開閉側球流下路への遊技球の流下を規制したり許容したりすることができる。したがって、開閉体の開閉操作が必要な遊技機のメンテナンス作業を効率よく行うことができる。また、開閉体が前面枠に対して予め設定された取付位置から上下方向あるいは左右方向にずれて取り付けられていたとしても、開閉体を開閉したにも拘らず当接ロッドが移動しないという不具合を阻止することができる。これにより、流下規制部材の出没動作、ひいては枠側球流下路からの遊技球の流下の規制動作あるいは許容動作を支障なく行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、開閉体のうち当接ロッドの吸着部に対向する箇所に被吸着部材を配置し、該被吸着部材を開閉側付勢部材により吸着部側へ付勢するので、開閉体が前面枠に対して予め設定された取付位置から前後方向にずれて取り付けられていたとしても、被吸着部材が予め設定された位置よりも前方に配置されて開閉体が当接ロッドを押圧しないという不具合、さらには、被吸着部材が予め設定された位置よりも後方に配置されて当接ロッドに突っ掛かって開閉体が十分に閉じられないという不具合を阻止することができる。したがって、開閉体を閉じたにも拘らず流下規制部材が枠側球流下路の下流開口から引き抜かれないという不具合を抑えることができ、開閉体の閉状態時に遊技球を枠側球流下路から開閉側球流下路へ支障なく流下させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、吸着部を開閉体側へ向けて揺動可能とするとともに、吸着側付勢部材により開閉体側へ付勢するので、開閉体が前面枠に対して予め設定された取付位置から前後方向にずれて取り付けられていたとしても、吸着部が開閉体に吸着しないという不具合を阻止することができる。したがって、開閉体を閉じたにも拘らず流下規制部材が枠側球流下路の下流開口から引き抜かれないという不具合を抑えることができ、開閉体の閉状態時に遊技球を枠側球流下路から開閉側球流下路へ支障なく流下させることができる。
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の最良の形態を図面に基づき説明する。図1はパチンコ遊技機の正面図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、外枠(機枠あるいは本体枠)2に前面枠(内枠)3を開閉可能に軸着し、この前面枠3のベースとなる前面枠本体4の上部には、前面に遊技領域を区画形成した遊技盤(図示せず)を収納可能とし、遊技盤の下方には変動表示ユニット7を着脱可能な状態で配置している(図2参照)。また、前面枠本体4の前面側には、一側(図1中、左側)が軸着された透明部材保持枠11(本発明における開閉体に相当)を前後方向へ開閉(回動)可能に設け、該透明部材保持枠11に透視可能な透明部材12を保持し、透明部材保持枠11の下部には、遊技球を貯留可能な球貯留ユニット13を備えている。そして、透明部材保持枠11を閉じると、遊技盤が透明部材保持枠11に覆われるとともに、透明部材12が遊技領域の前方に配置され、透明部材12を通して遊技領域と変動表示ユニット7とを上下に並んだ状態で前方から視認できるように構成されている。さらに、前面枠本体4のうち閉状態の透明部材保持枠11の下部に隣接する箇所には棚部15を前面枠本体4の下部から前方へ突出して前後方向に厚肉な状態で配置している。そして、棚部15の前面の一側(図1中、左側)には、遊技者が遊技中に操作可能な遊技演出用ボタン16を備え、他側(図1中、右側)には、遊技者が遊技球を発射するために操作する発射操作ユニット(発射操作ハンドル)17を備えている。
前面枠本体4は、大きな矩形状の開口を上寄りに開設した合成樹脂製枠体であり、開口に遊技盤と変動表示ユニット7とを上下に並べて収納している。また、図2に示すように、変動表示ユニット7と棚部15との間には表示ユニット載置部19を棚部15よりも後方の位置に配置し、該表示ユニット載置部19を上段とし、棚部15を下段とした所謂ひな壇形状を形成している。そして、前面枠本体4のうち変動表示ユニット7の後方に位置する箇所には、球排出装置(図示せず)から排出された遊技球を流下可能な球排出流路21を備えている。さらに、該球排出流路21の下流端を変動表示ユニット7と表示ユニット載置部19との間から前方へ臨ませ、透明部材保持枠11を閉じると球排出流路21の下流端と球貯留ユニット13とが前後に並んで連通し、遊技球を球排出流路21から球貯留ユニット13へ供給できるように構成されている。なお、球排出流路21については、後で詳細に説明する。
また、表示ユニット載置部19と棚部15との間の起立壁部22には、遊技球が1個ずつ通過可能な球送り開口23を開設し、該球送り開口23の後方には、球貯留ユニット13に貯留された遊技球を遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(図示せず)を配置している。そして、発射装置と球送り開口23との間には球送り流路(図示せず)を配置し、球貯留ユニット13から球送り開口23に流下してきた遊技球が球送り流路を通過して発射装置へ到達するように構成されている。
球貯留ユニット13は、前方へ膨出した球貯留皿31を備え、該球貯留皿31の内部を下方へ凹ませて球貯留空間部33(本発明における開閉側球流下路に相当)を形成し、該球貯留空間部33の後部には、球排出流路21に連通可能な排出連通口35を開設している(図4参照)。さらに、球貯留皿31の後側には、球貯留空間部33から下り傾斜した球整列路(図示せず)を設け、該球整列路の下流端には、後方へ下り傾斜する球導出路(図示せず)を連通している。そして、透明部材保持枠11を閉じると、球導出路の後端部と球送り開口23とを前後に重ねる状態で連通し、球導出路、球送り開口23および球送り流路を介して、球貯留皿31内の遊技球を発射装置へ供給することができるように構成されている。
次に、球排出流路21について説明する。
球排出流路21は、図3(a)に示すように、当該球排出流路21の上流側に配置され、球排出装置の下端に接続流路(図示せず)を介して連通する逆L字状の連通路41と、該連通路41の下方に横方向へ下り傾斜した状態で配置され、球排出流路21内に遊技球を貯留可能とする横長な排出貯留部42と、該排出貯留部42の傾斜下端に連通し、前方の球貯留ユニット13側へ向けて下り傾斜した状態で配置された球流下路43(本発明における枠側球流下路に相当)とを備えて構成されている。そして、球流下路43の底部には、球流下路43の幅方向に並んだ複数(本実施形態では4本)の球支持突条部45を前後方向、言い換えると球流下路43の延設方向に沿って延設し、隣り合う球支持突条部45の間隔を遊技球の直径よりも狭い寸法に設定している。また、球支持突条部45の細長い短冊状の上面を前方、言い換えると球流下路43の下流開口43a側へ向けて下り傾斜させて遊技球が転動可能な球転動部46とし、透明部材保持枠11を閉じた状態で球転動部46の傾斜下端と球貯留ユニット13の排出連通口35とが近接し、球貯留空間部33の底部が球転動部46よりも僅かに低い位置で球転動部46の前方に配置されるように構成されている(図4(a)参照)。さらに、隣り合う球転動部46の傾斜下端の間を上下方向へ貫通させて出没空間部48を形成し、該出没空間部48に後述する球流下規制機構50の一部を挿通できるように構成されている。
また、球流下路43の下方には球流下規制機構50を下流開口43aに臨ませて設けている。球流下規制機構50は、図3(a)および(b)に示すように、櫛歯状に形成され、下流開口43aに出没可能な複数(本実施形態では3本)の流下規制部材52と、該流下規制部材52の出没動作を行う出没変換部53とを備え、流下規制部材52を出没変換部53の前方に配置している。そして、流下規制部材52を下流開口43aへ突出して遊技球が球流下路43から球貯留空間部33へ流下することを規制する流下規制状態(図4(b)参照)と、流下規制部材52を下流開口43aから引き抜いて遊技球が球流下路43から球貯留空間部33へ流下することを許容する流下許容状態(図4(a)参照)とに変換できるように構成されている。
流下規制部材52は、下流開口43aの幅方向に沿って並べられた縦長な櫛歯状の部材であり、横向き平板状の規制ベース56の前後方向の一端(前端)から上方へ向けて延設されている。また、当該流下規制部材52の幅(左右幅)を出没空間部48よりも狭く設定するとともに、隣り合う流下規制部材52の間隔を遊技球よりも狭く、且つ球支持突条部45の幅よりも広く設定し、流下規制状態では出没空間部48を通って下流開口43aへ突出し、流下許容状態では下流開口43aおよび出没空間部48から引き抜かれて球転動部46よりも下方へ配置するように構成されている。さらに、流下規制部材52の上端部を尖らせて球列間挿入部58を形成し、該球列間挿入部58から流下規制部材52を下流開口43aへ挿入できるように構成されている。そして、規制ベース56の前後方向の他端(後端)には、出没変換部53へ接続するための規制接続部59を下方へ向けて延設し、該規制接続部59を出没変換部53の内部に配置している。なお、規制接続部59と流下規制部材52とを接続する規制ベース56は、出没変換部53の内部から外部へ延設する状態で配置されている。
出没変換部53は、図3(b)および図5に示すように、前側が蓋61aで閉成された収容ケース61を備え、該収容ケース61の内部に、流下規制部材52を接続した状態で移動(回動)可能な2本の移動アーム63(上側の第1アーム63aおよび下側の第2アーム63b)と、該移動アーム63の移動(回動)を規制したり許容したりする移動規制機構64とを収容して構成されている。第1アーム63aおよび第2アーム63bは、互いに平行な横向き状態で配置されており、一端(図5(a)中、右端)を収容ケース61内に軸着して上下方向へ回動可能とし、他端を規制接続部59へ軸着している。また、上側の第1アーム63aの中間部にはコイルばね等の付勢部材66の一端を係止し、該付勢部材66の他端を収容ケース61のうち第1アーム63aよりも上方の位置に係止して、付勢部材66の付勢力により第1アーム63aとともに規制接続部59、規制ベース56、流下規制部材52を引き上げる方向、すなわち流下規制部材52が下流開口43aへ突出する方向へ常時付勢している。そして、第1アーム63aのうち収容ケース61に軸着した軸着部を挟んで流下規制部材52とは反対側には係合受部68を設け、該係合受部68の上下両縁部を移動規制機構64側へ突出し、この上下両縁部の間を流下規制部材52側へ凹ませて移動規制機構64の一部を係合可能としている。
移動規制機構64は、上下方向へ移動可能な係合ロッド70(本発明における規制操作部に相当)と、先端部を透明部材保持枠11に当接可能であり、前後方向へ移動可能、言い換えると透明部材保持枠11側へ引き出し可能な当接ロッド71と、L字状に屈曲し、係合ロッド70と当接ロッド71とを連結する連結部材72とを備えて構成されている。また、係合ロッド70には係合突起73を第1アーム63a側(図5(a)中、左側)へ向けて突設し、該係合突起73を第1アーム63aの係合受部68へ係合し、係合ロッド70を移動すると、係合突起73および係合受部68を介して第1アーム63aを操作できるように構成されている。そして、当接ロッド71の先端部(前端部)に当接ヘッド71a(本発明における吸着部に相当)を備え、当接ロッド71を前後方向へ移動して当接ヘッド71aを蓋61aに開設された出没開口61bから出没可能としている。さらに、連結部材72の屈曲部を収容ケース61の側部に軸着して連結部材72を上下方向へ回動自在とし、屈曲部から上方へ伸びた腕の先端部を当接ロッド71の後端部へ軸着するとともに、屈曲部から前方へ伸びた腕の先端部を係合ロッド70の上端部に軸着している(図5(b),(d),(f)参照)。したがって、係合ロッド70は、当接ロッド71に連動して係合突起73および係合受部68を上下動させて第1アーム63aを操作するように構成されている。なお、当接ヘッド71aの内部には磁石等の吸着部材71bを収納し、透明部材保持枠11の裏面のうち当接ヘッド71aに対向する箇所に鉄製プレート等を配置して被吸着領域(図示せず)を設定し、該被吸着領域に当接ヘッド71aを吸着できるように構成されている。
このような構成の球流下規制機構50を備えて、透明部材保持枠11を前面枠3に対して閉じると、図4(a)に示すように、球転動部46と球貯留ユニット13の排出連通口35とが近接または当接して球貯留空間部33の底部が球転動部46よりも僅かに低い位置で球転動部46の前方に配置され、透明部材保持枠11が移動規制機構64の出没変換部53の当接ヘッド71a(当接ロッド71)を後方の前面枠3側へ押圧し、透明部材保持枠11の被吸着領域に当接ヘッド71aを吸着した状態となる。すると、出没変換部53は、図5(c)および(d)に示すように、当接ヘッド71aを後方(図5(d)中、矢印Aで示す方向)へ移動するとともに連結部材72を上方(図5(d)中、矢印Bで示す方向)へ回動して、係合ロッド70を上方(図5(c),(d)中、矢印Cで示す方向)へ移動する。さらに、上昇した係合ロッド70の係合突起73により係合受部68(詳しくは係合受部68の上縁部)を押し上げて、第1アーム63aを付勢部材66の付勢力に抗して下方(図5(c)中、矢印Dで示す方向)へ回動する。すると、第1アーム63aの先端に接続された流下規制部材52を下方へ移動し、この流下規制部材52を下流開口43aから出没空間部48を通って下方へ引き抜く(図4(a)参照)。すなわち、当接ロッド71を押圧する動作に連動して係合ロッド70が係合突起73を介して移動アーム63を操作して流下規制部材52を下流開口43aから引き抜く。この結果、球流下規制機構50は、流下許容状態へ変換し、遊技球が球流下路43から球貯留空間部33へ流下することを許容する。
また、透明部材保持枠11を十分に閉じることで第1アーム63aをさらに下方へ回動すると、この回動により流下規制部材52が下死点に到達するとともに、係合突起73が係合受部68の上縁部を押し退けて上縁部の側部に当接する(図5(e),(f)参照)。すると、移動規制機構64(具体的には係合ロッド70の係合突起73)が第1アーム63aを下がった状態でロックして流下規制部材52の引き抜き状態を維持し、付勢部材66の付勢力により第1アーム63aが上方へ移動すること、ひいては流下規制部材52が上昇することを規制する。したがって、球流下規制機構50は、流下許容状態に維持される。
一方、透明部材保持枠11を前面枠3に対して開くと、図4(b)に示すように、球転動部46と球貯留ユニット13の排出連通口35とが離れる。そして、球転動部46と排出連通口35とが離れた直後、言い換えると、この離間距離が遊技球の直径よりも広くなる前に、当接ロッド71が当接ヘッド71aを透明部材保持枠11の被吸着領域へ吸着した状態で収容ケース61から引き出されて透明部材保持枠11とともに前方へ移動する。すると、出没変換部53は、当接ロッド71の引き出し動作に連動して係合ロッド70を移動して、第1アーム63aの移動を許容する。具体的には、当接ヘッド71aを前方(図5(d)中、矢印Eで示す方向)へ移動するとともに連結部材72を下方(図5(d)中、矢印Fで示す方向)へ回動して係合ロッド70を下方(図5(c),(d)中、矢印Gで示す方向)へ移動する。そして、下降した係合ロッド70の係合突起73を係合受部68の上縁部から下方へ外して第1アーム63aの回動規制を解除する(図5(c),(d)参照)。第1アーム63aの回動規制が解除されると、第1アーム63aが付勢部材66の付勢力により上方(図5(c)中、矢印Hで示す方向)へ迅速に回動し、この回動に伴って流下規制部材52を上昇させ、出没空間部48を通してこの流下規制部材52を下流開口43aへ突出する(図4(b)および図5(a),(b)参照)。この結果、球流下規制機構50は、流下規制状態へ変換し、球転動部46と排出連通口35との間隔が遊技球の直径よりも広くなる前に(すなわち透明部材保持枠11と前面枠3との間から遊技球が落下可能となる前に)遊技球が球流下路43から球貯留空間部33へ向けて流下することを規制する。
このようにして、球流下規制機構50を備えたパチンコ遊技機1では、透明部材保持枠11の開閉操作とは別個の操作を行わずに球貯留空間部33への遊技球の流下を規制したり許容したりすることができる。したがって、透明部材保持枠11の開閉操作が必要なパチンコ遊技機1のメンテナンス作業を効率よく行うことができる。また、吸着部として機能する当接ヘッド71aを吸着して透明部材保持枠11と球流下規制機構50と係合するので、透明部材保持枠11が前面枠3に対して予め設定された取付位置から上下方向あるいは左右方向にずれて取り付けられていたとしても、透明部材保持枠11を開閉したにも拘らず当接ロッド71が移動しないという不具合を阻止することができる。これにより、流下規制部材52の出没動作、ひいては球流下路43からの遊技球の流下の規制動作あるいは許容動作を支障なく行うことができる。
さらに、透明部材保持枠11を開くと、透明部材保持枠11を前方へ引く力が当接ヘッド71aの吸着力よりも大きくなり、当接ヘッド71aが透明部材保持枠11から離れる。したがって、透明部材保持枠11を大きく開いて前面枠3の前面を開放することができる。
なお、透明部材保持枠11は、図6に示すように、当接ヘッド71aに対向する箇所に後面(前面枠本体4側の面)が被吸着領域となる被吸着部材76を配置し、該被吸着部材76と当該透明部材保持枠11との間にコイルばね等の保持枠側付勢部材77(本発明における開閉側付勢部材に相当)を備え、被吸着部材76を保持枠側付勢部材77により後方の当接ヘッド71a側へ付勢してもよい。このようにすれば、透明部材保持枠11が前面枠3に対して予め設定された取付位置から前後方向にずれて取り付けられていたり、あるいは球流下規制機構50と閉状態の透明部材保持枠11との距離が予め設定された距離よりも広く開いて配置されたりしたとしても、被吸着部材76が予め設定された位置よりも前方に配置されて透明部材保持枠11が当接ロッド71を押圧しないという不具合、さらには、被吸着部材76が予め設定された位置よりも後方に配置されて当接ロッド71に突っ掛かって、透明部材保持枠11が十分に閉じられないという不具合を阻止することができる。したがって、透明部材保持枠11を閉じたにも拘らず流下規制部材52が球流下路43の下流開口43aから引き抜かれないという不具合を抑えることができ、透明部材保持枠11の閉状態時に遊技球を球流下路43から球貯留空間部33へ支障なく流下させることができる。
また、球流下規制機構50は、当接ロッド71に当接ヘッド71aを透明部材保持枠11側へ向けて揺動可能な状態で備えるとともに、吸着側付勢部材79により透明部材保持枠11側へ付勢してもよい。例えば、図7に示す移動規制機構64においては、当接ヘッド71aの内部にヘッド軸部80を当接ロッド71の延設方向とは直交する方向へ延設し、当接ロッド71の前端(透明部材保持枠11側の端部)には軸受部81を設け、該軸受部81にヘッド軸部80を遊嵌して当接ロッド71を前後方向へ揺動できるように構成されている。さらに、当接ロッド71のうち当接ヘッド71a寄り(前寄り)の箇所を連結部材72寄り(後寄り)の箇所よりも細く形成して段差部82を形成し、該段差部82に吸着側付勢部材79の一端を係止するとともに、当接ヘッド71aの後端に吸着側付勢部材79の他端を係止している。
このような構成を備えて、吸着側付勢部材79の付勢力により当接ヘッド71aを常時透明部材保持枠11側へ付勢すれば、透明部材保持枠11が前面枠3に対して予め設定された取付位置から前後方向にずれて取り付けられていたとしても、当接ヘッド71aが透明部材保持枠11に吸着しないという不具合を阻止することができる。したがって、透明部材保持枠11を閉じたにも拘らず流下規制部材52が球流下路43の下流開口43aから引き抜かれないという不具合を抑えることができ、透明部材保持枠11の閉状態時に遊技球を球流下路43から球貯留空間部33へ支障なく流下させることができる。また、当接ヘッド71aに透明部材保持枠11を衝突させたとしても、この衝突時の衝撃を吸着側付勢部材79により吸収することができる。これにより、透明部材保持枠11から受ける衝撃で移動規制機構64が損傷する不都合をなくすことができる。
ところで、上記実施形態では、移動アーム63を収容ケース61内に軸着して回動するように構成したが、本発明はこれに限定されない。要は、移動アーム63の移動により流下規制部材52を移動できればどのような構成であってもよく、例えば、移動アーム63をスライドして流下規制部材52を球流下路43の下流開口43aに出没できるようにしてもよい。また、係合ロッド(規制操作部)70は、上下動して移動アーム63を操作するように構成されたが、本発明はこれに限定されず、移動アーム63を操作して移動を規制可能であればどのような構成であってもよい。さらに、当接ヘッド71aを透明部材保持枠11へ吸着させるための構成はどのようなものでもよい。例えば、当接ヘッド71aの先端に吸盤あるいは粘着部材を設けて当接ヘッド71aを透明部材保持枠11へ吸着できるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、流下規制部材52を櫛歯状に設定したが、本発明はこれに限らず、球流下路43内の遊技球の流下を規制可能であれば、どのような構成であってもよい。そして、開閉側球流下路を備えた開閉体として球貯留空間部33を備えた透明部材保持枠11を例示し、開閉側球流下路に連通可能な枠側球流下路として球排出流路21の一部を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明における開閉体は、前面枠3に対して開閉可能であり、且つ遊技球を流下可能な構成要素を備えていればどのようなものでもよく、例えば、遊技球を貯留(流下)可能な球貯留皿を備え、透明部材保持枠11とは別個に前面枠3へ軸着された球貯留ユニットであってもよい。さらに、本発明における枠側球流下路は、前面枠3に配置され、遊技球を開閉側球流下路へ供給可能なものであればどのようなものでもよい。
そして、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、前面枠と、該前面枠に対して開閉可能な開閉体と、該開閉体に設けられた開閉側球流下路と、前面枠側に設けられた枠側球流下路とを備え、開閉体を閉じると開閉側球流下路と枠側球流下路とが連通して、遊技球を枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下可能となる遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
パチンコ遊技機の正面図である。 透明部材保持枠を開放したパチンコ遊技機の下部周辺の拡大斜視図である。 (a)は球排出流路の斜視図、(b)は球流下規制機構の分解斜視図である。 (a)は球流下規制機構を流下許容状態に変換した球排出流路の断面図、(b)は球流下規制機構を流下規制状態に変換した球排出流路の断面図である。 球流下規制機構の状態を示す概略図であり、(a)は流下規制状態の正面図、(b)は(a)の側面図、(c)は流下規制状態と流下許容状態との中間状態の正面図、(d)は(c)の側面図、(e)は流下許容状態の正面図、(f)は(e)の側面図である。 透明部材保持枠に設けられた被吸着部材および保持枠側付勢部材の説明図である。 当接ロッドに吸着側付勢部材を備えた球流下規制機構の説明図である。
符号の説明
1 パチンコ遊技機
3 前面枠
11 透明部材保持枠
13 球貯留ユニット
21 球排出流路
31 球貯留皿
33 球貯留空間部
35 排出連通口
41 連通路
42 排出貯留部
43 球流下路
43a 下流開口
45 球支持突条部
46 球転動部
48 出没空間部
50 球流下規制機構
52 流下規制部材
53 出没変換部
58 球列間挿入部
63 移動アーム
63a 第1アーム
63b 第2アーム
64 移動規制機構
66 付勢部材
68 係合受部
70 係合ロッド
71 当接ロッド
72 連結部材
73 係合突起
76 被吸着部材
77 保持枠側付勢部材
79 吸着側付勢部材

Claims (3)

  1. 前面枠と、該前面枠に対して開閉可能な開閉体と、該開閉体に設けられた開閉側球流下路と、前面枠側に設けられた枠側球流下路と、を備え、開閉体を閉じると開閉側球流下路と枠側球流下路とが連通して、遊技球を枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下可能となる遊技機において、
    前記枠側球流下路の下流開口に球流下規制機構を臨ませて設け、
    該球流下規制機構は、枠側球流下路の下流開口に出没可能な流下規制部材と、該流下規制部材の出没動作を行う出没変換部と、を備え、
    該出没変換部は、流下規制部材を接続した状態で移動可能な移動アームと、移動アームを流下規制部材が下流開口へ突出する方向へ付勢する付勢部材と、開閉体側へ引き出し可能であるとともに先端部を開閉体へ当接可能な当接ロッドと、該当接ロッドに連動して移動アームを操作する規制操作部と、を備え、該規制操作部により移動アームの移動を規制可能とし、
    前記当接ロッドの先端部には、開閉体へ吸着可能な吸着部を設け、
    前記開閉体を開くと、当接ロッドが吸着部を開閉体へ吸着した状態で引き出され、この引き出し動作に連動して規制操作部が移動アームの移動を許容し、付勢部材の付勢力により流下規制部材を下流開口へ突出して遊技球が枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下することを規制し、
    前記開閉体を閉じると、当接ロッドが前面枠側へ押圧され、この押圧動作に連動して規制操作部が移動アームを操作して流下規制部材を下流開口から引き抜き、この引き抜き状態で移動アームの移動を規制して遊技球が枠側球流下路から開閉側球流下路へ流下することを許容するように構成されたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記開閉体のうち当接ロッドの吸着部に対向する箇所に被吸着部材を配置し、
    該被吸着部材を開閉側付勢部材により吸着部側へ付勢することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記吸着部を開閉体側へ向けて揺動可能とするとともに、吸着側付勢部材により開閉体側へ付勢することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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