JP4731622B2 - 洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平坦な表面を有する洗浄対象物の当該表面を洗浄するための洗浄技術に関するものである。より具体的には、各種電子デバイスの製造工程で行われる半導体装置等の薄板状基板の表面の洗浄に用いられる洗浄装置と洗浄方法とに関するものである。
近年、半導体素子の製造では、ウエハサイズの大口径化が進んでいる。これに伴い、ウエハの洗浄工程においても、大型の洗浄槽を用いて行うディップ式洗浄と比べて、ウエハ面内で均一な洗浄処理が行いやすい、ウエハ表面から除去した微粒子等の汚染物質がウエハ表面に再付着しにくい、洗浄液やリンス用純水の使用量を抑制できる、洗浄装置の立ち上げが短時間で行える、等の有利な点が多いため、枚葉式洗浄が主流になりつつある。枚葉式洗浄は、液晶パネル等の表示デバイスの製造工程におけるガラス基板等のその他の電子材料にも使用されている。
なお、本明細書では、微粒子等の汚染物質を単に微粒子とも言う。たとえば、「汚染物質の除去」を単に「微粒子除去」ともいう。
半導体素子の製造工程におけるウエハや、液晶パネル等の表示デバイスの製造工程におけるガラス基板等の電子材料には、高度に清浄な表面が要求されるが、その洗浄方法として、従来の高濃度の薬品を高温で用いる洗浄技術に代わって、特定の気体を溶解させた超純水(ガス溶解水ともいう)を用いる超音波洗浄技術が開発され、近年、各種デバイスの製造工程において急速に採用されるようになってきた(たとえば特許文献1参照。)。
その中でも特に、超純水に高濃度の水素ガスを溶解させた水素溶解水(水素水ともいう)は、超音波の照射との併用によって、極めて優れた微粒子除去効果を発揮することが知られている。
水素水と超音波の照射を併用することで優れた微粒子除去の効果が得られる理由としては、従来の超音波洗浄と同様の超音波による物理的な洗浄効果に加えて、超音波の作用によって水素水中に非常に活性な水素ラジカルが、水素を含まない水に比べて過剰に存在するようになり、その水素ラジカルが被洗浄物や付着している異物の表面と化学反応を起こすためであるとの説明が与えられている。
ガス溶解水を用いた超音波洗浄技術の公知例として、特許文献1が挙げられる。また、水素水と超音波の照射の併用により微粒子が除去される効果についての研究報告の例としては、非特許文献1を挙げることができる。
超音波洗浄によりウエハを洗浄する枚葉式のスピン洗浄装置においては、ウエハの表面に超音波ノズルから洗浄液を噴射し、同時に、超音波ノズル内部の振動子を発振させて超音波を発生させ、超音波ノズルから噴射される洗浄液を媒体として超音波をウエハ表面に伝播させ、超音波のエネルギーを利用してウエハ表面の洗浄を行う。図1に、超音波ノズルを用いて行うスピン洗浄の概略を示す。超音波ノズル2からウエハ1に向けて洗浄液3を噴射する。超音波ノズル2に内蔵された超音波振動子を動作させると、発生した超音波が洗浄液3を媒体としてウエハ表面に伝播する。ウエハ1を回転させた状態で、超音波ノズル2から噴射された洗浄液3がウエハ表面に当たる点である照射点4が、ウエハの回転の中心と外周の間を往復運動するように超音波ノズル2に往復運動をさせれば、照射点4がウエハの全面を通過し、ウエハの全面が洗浄される。
洗浄液3として水素水を用いれば、ウエハ1の表面から、極めて効率よく付着微粒子が洗浄、除去される。
これまで説明した水素水洗浄においては、超音波の作用によって水素水中に活性な水素ラジカルが存在する状態を作り出し、その化学的な作用によって、微粒子を除去する効果が得られていた。その一方、超音波の照射と同様の効果が、紫外線の照射によっても得られることが知られている。水素水に紫外線を照射すると、紫外線のエネルギーによって水分子が励起されて分解し、その結果、超音波を照射した場合と同様に、水素水中に活性な水素ラジカルが存在する状態が作り出されると考えられる。
従って、水素水洗浄において、超音波と紫外線を同時に水素水に照射すれば、超音波のみを照射した場合に比べて、より効率よく水素水中に水素ラジカルが生成し、その結果、超音波を単独で照射する場合よりも優れた微粒子除去の効果が得られる可能性がある。
特許公報第2821887号(特許請求の範囲) 公開特許第2003−181394号(特許請求の範囲) 公開公報第2003−31540号(特許請求の範囲) モリタ等、「水素化された超純水とメガソニック照射による粒子の除去機構(Particle Removal Mechanism of Hydrogenated Ultrapure Water with Megasonic Irradiation)」,シリコン表面の超清浄化プロセスについてのの第5回国際シンポジウム(Fifth International Symposium on Ultra Clean Processing of Silicon Surfaces),UCPSS2000,Solid State Phenomena Vols.76−77(2001)pp.245−250,Ostende,Belgium,September 2000
最近の半導体素子では、その配線幅および間隔の微細化が進んでいるため、製造工程の途中において、表面に非常に壊れやすい微細な構造物(パターン)が形成された洗浄対象物を洗浄しなければならない場合が増えてきている。例えば、比誘電率の値を下げる目的でポアと呼ばれる微細な空孔を内部に一様に分布させた、多孔質シリカ(ポーラスシリカともいう)からなる絶縁材料からなる層間絶縁膜を有する半導体装置に対して、反応性のドライエッチング等によって溝と溝との間の凸部の幅が100nm以下のような微細なパターンが形成されている場合がこの場合に該当する。
このような洗浄対象物に対して超音波ノズルを用いて超音波洗浄を行うと、超音波が与えるエネルギーによって、洗浄対象物表面のパターンが破壊される、いわゆるパターン倒れと呼ばれる現象が起きることがある。この現象は、水素水洗浄と超音波照射とを組み合わせた場合にも発生する。このような問題を回避するためには、洗浄対象物表面に形成されたパターンの構造的な強度に応じて、洗浄対象物表面の単位面積当たりに照射される超音波のエネルギーを小さくすることが必要となる。
図1に示したような超音波ノズルを利用した洗浄装置においては、超音波がウエハ表面の構造物に与えるダメージを低減させられるように、超音波ノズルに内蔵されている超音波振動子を駆動させるための超音波発振器に、駆動出力を調整できる機構が備えられていることが多く、ある範囲内であれば、駆動出力を小さく設定することができる。それでも駆動出力が大き過ぎるような場合には、更に小さい出力での駆動が可能となるように、超音波発振器の電子回路を改造することが考えられる。
しかしながら、超音波発振器の電子回路の改造によって駆動出力を小さくできたとしても、超音波ノズルに内蔵されている超音波振動子には形状や構造によって決まる固有の振動条件があり、駆動出力がある下限を下回ると、安定した振動が成立しないという問題がある。また、高い周波数の場合、超音波振動子の駆動出力が一定の大きさを下回ると、超音波ノズルから噴射された洗浄液中での超音波の減衰が急激に激しくなるため、超音波がウエハ表面に到達しない場合が出てくる。このように、超音波ノズルを使用する場合には、非常に小さな駆動出力で振動子を動作させて、ウエハ表面に超音波を照射することは一般的に困難である。
一方、最近になって、このような問題に対して、ウエハに与える超音波のダメージをできるだけ低減させる目的で、振動体を利用した超音波の照射方法が提案された。
図2に、振動体を利用した超音波洗浄の例を示す。図2の上側は模式的斜視図、下側は模式的横断面図である。図2に示した例では、三角柱の形状をした部材である振動体5の平坦な面の一つに超音波振動子6が設置されている。振動体5の別の平坦な面が、ウエハ1の被洗浄面と平行にかつわずかな距離を隔てて向かい合うように、振動体5を保持する。ノズル7から洗浄液3を供給し、振動体5とウエハ1の間に生じたすき間が洗浄液3によって完全に満たされるようにする。この状態で超音波振動子6を駆動させると、発生した超音波は、振動体5の内部を伝播し、ウエハ1に向かい合う振動体5の面の全体から洗浄液3へと伝えられ、洗浄液3中を伝播して、被洗浄面であるウエハ1の表面へと届く。ウエハ1と向かい合う面の振動の仕方は、超音波振動子6の振動の仕方や振動体5の形状や材質で決まるので、これらは事前にシミュレーションによって予測され、目的に応じて振動体5の設計に反映される。図2には、三角柱の形状をしたセラミックスの振動体を採用した例を示したが、振動体の材質、形状(構造)は、様々である。
このような振動体を利用する方法では、超音波振動子で発生した超音波振動によって振動体の広い面の全体が振動するため、振動のエネルギーが分散し、被洗浄面の単位面積当たりに照射される超音波のエネルギーが、超音波ノズルの場合に比べて大幅に小さくなり、洗浄対象物表面に与える超音波のダメージを低減させる効果が得られる。
このような振動体を使用する洗浄方法においても、洗浄液3として水素水を用いれば、水素ガスを溶解させていない超純水を用いる場合に比べて、非常に優れた微粒子除去の効果を得ることができる(特許文献2,3参照。)。
このように、超音波ノズルを使用して水素水洗浄を行った場合には、パターン倒れが発生してしまうような、構造的な強度が非常に小さいパターンが形成されている洗浄対象物であっても、振動体を使用して単位面積当たりに照射される超音波のエネルギーを小さくして、穏やかに水素水洗浄を行えば、パターン倒れを発生させることなく洗浄が行えることが判明した。しかしながら、パターンに与えるダメージと微粒子除去の効果は、互いにトレードオフの関係にあり、単位面積当たりに照射される超音波のエネルギーを小さくすれば、パターン倒れは発生しなくなるものの、微粒子除去の効果は不充分な水準にまで小さくなってしまうことも明らかになった。
このため、パターン倒れが発生しない範囲でできるだけ強い超音波を洗浄対象物に照射するための、超音波のエネルギーの強さの繊細な調節が必要となる。しかしながら、振動体にも材質や構造から決まる固有の振動条件があるため、超音波振動子の駆動出力を調節するだけでは、振動体から照射される超音波のエネルギーの強さを連続的に変化させて微調整を行うことは非常に難しいことが判明した。振動体を利用して、パターン倒れを発生させることなく最も高い微粒子除去効果を得ようとするならば、その洗浄対象物に最適な強さのエネルギーで超音波を照射できるように最適化された材質や構造を備えた振動体を新たに設計し、用意することが必要となるが、そのような対応は現実的には不可能である。
そこで注目されたのが、水素水に対し、振動体を用いて超音波を照射し、更に同時に紫外線を照射する方法である。このようにすると、同時に照射される紫外線の作用で、より多くの水素ラジカルが水素水中に発生し、それによって、超音波のみを照射する場合と比べて、より高い微粒子除去の効果が得られることが期待されるため、振動体から照射される超音波の単位面積当たりのエネルギーの大きさは、パターン倒れを発生させない程度にとどめておくことがより容易になることが期待される。パターン倒れの発生の有無は、あくまでも照射する超音波のエネルギーの強さによって決まるので、紫外線の照射を追加することによってパターン倒れが発生することはないと考えられる。
しかしながら、実験の結果、図2において、ノズル7から供給されてウエハ1の表面に広がった水素水(すなわち、洗浄液3)のうち、超音波を照射している振動体5によって隠されていない部分の水素水に対しては、様々な波長、強度の紫外線を照射しても、振動体5によって超音波のみを照射した場合と比較して、微粒子除去の効果を高めることは不可能であることが判明した。すなわち、振動体5から離れた位置の水素水に紫外線を照射した場合はもちろん、振動体5の外縁部分で振動体5に接している水素水に紫外線を照射しても微粒子除去の効果は変化しなかった。紫外線を通過しない(すなわち伝播しない)振動体5によって隠されている部分についても紫外線の効果はなかった。
この結果より、紫外線を照射して水分子を励起することにより、水素水中に水素ラジカルを生成させることは可能であるが、水素ラジカルの作用だけでは、洗浄対象物表面に付着している微粒子を引き離すことはできないものと推定される。また、紫外線の照射により得られた水素ラジカルは、紫外線が直接照射されない部分(すなわち紫外線を通過させない振動体5によって隠されている部分)について影響を及ぼすほどの力または寿命がないものと推定される。
本発明は、このような状況に鑑み、表面に壊れやすい微細な構造物(パターンともいう)が形成された場合であっても、洗浄対象物を効果的に洗浄できる技術を提供することを目的としている。本発明の更に他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の一態様によれば、平坦な表面を有する洗浄対象物の当該表面を洗浄するための洗浄装置において、超音波と紫外線とを伝播し得る構造体であって、前記表面に対向する平坦な表面を有する構造体と、前記洗浄対象物の前記表面を照射するための超音波振動子および紫外線照射装置と、前記構造体の前記表面を前記洗浄対象物の前記表面に対して一定の間隔を設けて平行に保持するための機構と、前記二つの表面間の空間に洗浄液を供給するための洗浄液供給機構とを含んでなる洗浄装置が提供される。
本発明態様により、平坦な表面を有する洗浄対象物の当該表面を洗浄するための新規な洗浄装置が提供される。
前記洗浄液供給機構が、前記構造体の内部を通り、前記構造体の前記表面に開口する導通管部を有すること、前記間隔が1mm以下であること、前記洗浄液が、水素、酸素、希ガス物質およびこれらの混合物からなる群から選ばれた物質を水に溶解させたガス溶解水であること、前記構造体が石英ガラスであること、前記紫外線照射装置から照射される紫外線の波長が170〜250nmの範囲にあること、前記超音波振動子から照射される超音波の振動周波数が1MHz以上であること、洗浄装置が、前記間隔を保持したまま、前記洗浄対象物を回転させる機構を有すること、洗浄装置が、前記間隔を保持したまま、前記構造体を運動させる機構を有すること、前記洗浄対象物が半導体装置であること、および、前記洗浄対象物の表面が、溝と溝との間の凸部の幅が100nm以下である凹凸を有すること、が好ましい。
本発明の更に他の一態様によれば、請求項に記載の洗浄装置を用いて、平坦な表面を有する洗浄対象物の当該表面を洗浄する方法であって、前記空間に前記洗浄液を供給しつつ、前記超音波振動子からの超音波と前記紫外線照射装置からの紫外線とを、前記構造体の前記表面を通して、前記洗浄対象物の前記表面に照射する、洗浄方法が提供される。前記空間が前記洗浄液で満たされた状態において前記洗浄を行うことが好ましい。
本発明態様により、平坦な表面を有する洗浄対象物の当該表面を洗浄するための新規な洗浄方法が提供される。
本発明により、平坦な表面を有する洗浄対象物の当該表面を洗浄するための新規な洗浄技術が提供される。本発明は、表面に壊れやすい微細な構造物が形成された、半導体装置等の洗浄対象物の洗浄に特に適する。
超音波ノズルを用いて行うスピン洗浄の様子を示す模式図である。 振動体を利用した超音波洗浄の様子を示す模式図である。 本発明の一実施例である洗浄装置の基本的な構成を説明する模式図である。 本発明の一実施例である洗浄装置による洗浄の様子を説明する模式図である。
符号の説明
1 ウエハ
2 超音波ノズル
3 洗浄液
4 照射点
5 振動体
6 超音波振動子
7 ノズル
11 構造体
12 照射面
13 ケーブル
14 紫外線照射装置
15 紫外線ランプ
16 ランプハウス
17 窒素ガス
18 貫通孔
19 開口部
20 チューブ
以下に、本発明の実施の形態を図、表、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、表、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。図中、同一の符号は同一の要素を表す。
なお、本発明ではウエハについて主に説明するが、基板上に各種の構造を設けた半導体装置についても本発明を適用できることはいうを待たない。半導体装置においては、特にその多層構造中に、層間絶縁膜を設け、そこに設けられた溝に配線パターンを埋め込むことが多いが、そのような配線パターンは超音波洗浄によりダメージを受けやすいので、本発明の好適な洗浄対象物と言える。
検討の結果、上記のごとく、洗浄対象物上の離れた位置で別々に、それぞれ超音波と紫外線とを同時に水素水に照射しても、相乗効果は得られないことが明らかになった。このことは、洗浄対象物上の同じ位置で、同時に超音波と紫外線を水素水に照射することが必要であることを意味していると思われる。
すなわち、超音波と紫外線とを組み合わせて使用する技術による洗浄(たとえは水素水洗浄)において、微粒子を洗浄対象物表面から離脱させるためには、微粒子に対して、たとえ微弱なものであってもよいので超音波等の物理的な力が作用して、微粒子を揺り動かし、洗浄対象物表面から浮かせることが前提となると考えられる。そのうえで、超音波や紫外線によって生成された活性な水素ラジカルが、洗浄対象物と微粒子の両者の表面に化学的に作用して不活性化し、両者の間の相互作用を小さくすることによって、微粒子が洗浄対象物表面から離脱しやすくなるものと推定される。
本発明は、このような検討結果を踏まえて完成されたものである。ただし、上記はあくまで推論であり、その正否は本発明の内容とは無関係である。
本発明に係る洗浄装置は、平坦な表面を有する洗浄対象物の当該表面(この表面を本明細書では、「洗浄面」ともいう)を洗浄するために使用される。この洗浄装置は、超音波と紫外線とを伝播し得る構造体であって、前記洗浄面に対向する平坦な表面(この表面を本明細書では、「照射面」ともいう)を有する構造体と、前記洗浄面を照射するための超音波振動子および紫外線照射装置と、前記照射面を前記洗浄面に対して一定の間隔を設けて平行に保持するための機構と、前記二つの表面間の空間(この空間を本明細書では、「洗浄空間」ともいう)に洗浄液を供給するための洗浄液供給機構とを含んでなる。なお、本発明において、「紫外線を伝播し得る」とは「紫外線を通過し得る」と同義である。
本発明により、超音波振動子を動作させることで発生した超音波は、構造体の内部を伝播し、照射面から洗浄液に向かって照射され、その下にある洗浄面に伝わる。このとき、照射面の全体が振動するため、振動のエネルギーが分散し、洗浄対象物の単位面積当たりに照射される超音波のエネルギーを小さくすることができ、これによって、洗浄対象物表面に形成された壊れやすい微細なパターンを超音波のダメージによって損傷させることを防止することができる。
また、構造体に接続してあるいは近接して設置された紫外線照射装置を動作させて発生させた紫外線は、構造体の内部を透過して、照射面から洗浄液に向かって、超音波と同時に同じ位置に照射される。この洗浄液にガス溶解水、特に水素水を使用すれば、超音波のみを照射した場合に比べて微粒子除去の効果を高めることが可能となる。また、紫外線の照射を追加することによって、パターン倒れを防止または抑制することができる。
本発明において、「洗浄装置」は、上記要件が満たされる限りどのようなものであってもよい。公知の洗浄装置を改造して使用することができる。
本発明に係る洗浄対象物は平坦な表面を有するが、それ以外に特に制限はなく、半導体産業において、清浄な表面が要求され、洗浄を要する場合に、一般的に採用し得る。しかしながら、特に清浄な表面が要求される半導体装置に本発明の適用に特に適している。なお、本発明では、本発明の趣旨に反せず、あるいは特に注記しない限り、半導体装置にはウエハも含まれる。
本発明に係る洗浄対象物の「平坦な表面」とはその表面における微細な凹凸を排除するものではない。この「平坦」の度合いは、上記構成における洗浄に際して、照射面から超音波を伝播し、本発明に係る洗浄の効果を発揮できる限度内において非平坦であってもよい。具体的には、例えば、ウエハの表面は平坦であると言われるが、パターンと呼ばれる微細な凹凸を持つのが一般的であり、そのような凹凸のある場合の洗浄に本発明は特に優れた効果を発揮する。すなわち、このような凹凸は、上記「平坦」を否定するものではない。なお、上記構造体も「平坦な表面」を有するが、洗浄対象物の「平坦な表面」と同様に考えることができる。
本発明に係る構造体は、超音波と紫外線とを伝播し得る限りどのような材料から構成してもよい。実際には、超音波を伝播し得る材料は多くあるので、紫外線を伝播し得る(すなわち、通過し得る)材料であることが重要である。超音波と紫外線とを伝播し得る程度は、実情に応じて適宜決めることができる。更に、本発明に係る構造体は洗浄液とも接触するので、洗浄液により溶解する等の影響を受けるものであってはならない。
このような材料としては、いわゆる透明なガラス様の無機物を考えることができる。この中でも、超音波と紫外線とを伝播し得る程度が高く、同時に、耐薬品性にも優れているため、特に石英ガラスが好ましい。
石英ガラスは石英(SiO)から作製されるガラスで、SiO純度が高いものをいう。合成石英ガラス、溶融石英、溶融シリカ、シリカガラスなどとも呼ばれる。古典的な製造法では水晶の粉末を2000℃以上で溶融、冷却しガラス化する方法で得られるが、現在では、一般に、四塩化珪素の気体から化学的気相蒸着法(CVD)等によって製造されている。
これらの石英ガラスは不純物含有量がppbレベルと極めて高純度であるため、紫外線(特に波長170nm程度までの紫外線)であれば、大きな吸収を生じることがない。これより更に短い波長の紫外線に対しては、石英ガラスは著しい吸収を示すようになる。そのような場合には、フッ化カルシウムやフッ化マグネシウム等のフッ化物結晶の使用が適するが、これらの材料は機械加工が困難であるうえに、石英ガラスに比べて耐薬品性が劣っており、本発明のごとき洗浄液と接触させるような使用法には向いていない。なお、ホウ素などの不純物を加えたものも本発明に係る石英ガラスの範疇に属する。
本発明に係る構造体の形状は任意に選択することができる。超音波振動子、紫外線照射装置および洗浄面の配置との関係から最適なものを選べばよい。たとえば図2に示すような三角柱の形状や後述する図3に示すような円柱の形状を例示することができる。照射面の面積も任意に定めることができる。たとえばウエハの場合には、一般的に400〜2500mm程度の範囲である。
本発明に係る超音波振動子の構造、形状、エネルギーの強さ等についても、本発明に適用できる限り、特に制限はない。本超音波振動子から照射される超音波の振動周波数は、壊れやすい微細なパターンを形成した洗浄対象物(たとえばウエハ)を洗浄する場合は、パターンに与えるダメージの観点から、できるだけ高い周波数とすることが好ましい。周波数は、具体的には少なくとも1MHz以上であることが好ましく、更には、3MHz以上とすることがより好ましい。1MHz以上の領域であれば、例えばウエハ表面に形成された壊れやすい微細なパターンに与えるダメージを低減させて洗浄することが容易になる。本発明に係る超音波振動子は上記構造体に直接取り付けられるのが一般的であるが、上記構造体内に部分的に埋め込まれていてもよい。
本発明に係る紫外線照射装置の構造、形状、エネルギーの強さ等についても、本発明に適用できる限り、特に制限はない。本紫外線照射装置から照射される紫外線の波長は170〜250nmの範囲にあることが好ましい。この範囲であれば、石英ガラス等からなる構造体への透過率が高く、また、水分子の分解に必要なエネルギーを十分供給することが可能となる。波長が250nmよりも長くなると、光子のエネルギーが水分子を分解するために不充分となり、水素ラジカルの生成に寄与できなくなると考えられる。
本発明に係る、「照射面を洗浄面に対して一定の間隔を設けて平行に保持するための機構」についても特に制限はなく、公知の機構を採用できる。「一定の間隔」は実情に応じて決定されるが、超音波のエネルギー減衰を抑え、効率よく洗浄面に伝えるため、一般的にmmオーダーと微小である。たとえば、この「一定の間隔」を1mm以下にすることが好ましい。下限については、洗浄液が洗浄空間内に流れ込み流れ出ることが阻害されず、照射面と洗浄面とが接触しない限り特に制限はない。
本発明に係る、「洗浄空間に洗浄液を供給するための洗浄液供給機構」についても特に制限はなく、公知の機構を採用できる。一般的には、本発明に係る構造体の近くに洗浄液を供給し、洗浄対象物の移動により、洗浄液が洗浄空間内に移動する方式が採用できる。
そのような方式より優れた方式として、洗浄液供給機構が、上記構造体の内部を通り、照射面に開口する導通管部を有するようにする方式を挙げることができる。
一般的に、洗浄面と照射面との間の間隔は非常に小さく設定されるので、両者に挟まれた洗浄空間の内部にまで、構造体の外側から効率よく洗浄液を流し込むことは難しく、周辺部から気泡が巻き込むことも多い。しかしながら、このような構造にすれば、洗浄液を確実に洗浄空間に送り込むことができると共に、その供給量の調整も容易になる。このため、洗浄対象物の移動により、洗浄液を洗浄空間内に移動する方式に比べ、上記「一定の間隔」をより狭くでき、従って、超音波や紫外線の効果をより大きくすることができる。具体的には、0.1mm程度まで狭くすることが容易である。
導通管部の形状はどのようなものでもよく、円形の断面を有する筒状体であることが実際的である。導通管部の断面面積は適宜定めればよいが、一般的には、照射面の面積が、ウエハの場合のように、400〜2500mm程度である場合には、4〜25mm程度であることが好ましい。
本発明に係る洗浄液についても特に制限はなく、公知の洗浄液を適用することができるが、水素、酸素、希ガス物質およびこれらの混合物からなる群から選ばれた物質を水に溶解させたガス溶解水であることが、洗浄効果を向上させる上で好ましい。特に水素水が好ましい。これらのガス溶解水を作製する方法、ガス溶解水中におけるガス濃度等の各種条件は、実状に合わせて適宜選択することができるが、一般的には、できるだけ高いほうが、良好な微粒子除去の効果が得られ易い。例えば、水素水の場合は、20℃において水への水素ガスの飽和溶解度は1.6mg/Lであるが、1.2mg/L以上の濃度があれば、非常に良好な微粒子除去の効果を得ることができる。なお、本発明における「水」については、できるだけ不純物を含まないものが好ましい。このようなものは、純水や超純水と呼ばれるものから選択することができる。
本発明に係る洗浄液の供給は、洗浄面に常に新鮮な洗浄液が接触しているように、滞ることなく絶えず流れていればよく、その供給速度は、照射面と洗浄面との間の間隔等の実状に合わせて適宜定めることができる。ウエハの場合には一般的に、100〜1000mL/分程度である場合が多い。
本発明に係る洗浄装置では、洗浄対象物と構造体との少なくともいずれか一方を移動させることにより、洗浄対象物の所望の表面領域を洗浄する。一般的には、上記間隔を保ったまま、洗浄対象物を回転させる機構と、更に構造体を運動させる機構とが採用される。機構の簡略化のため、洗浄対象物の回転を一定の回転速度で行い、構造体の運動を一定速度で行うことが多いが、回転の周辺部位では、その移動速度が回転の中心近傍に比べ大きくなるので、それに合わせ、回転の周辺部位では構造体の運動を小さくするようにしてもよい。構造体の運動は、回転の中心を通る運動である場合が一般的である。このような構成により、例えばウエハの全面を均質に洗浄することができる。なお、これらの場合における、「間隔の保持」の程度は、洗浄対象物に応じて適宜定めることができる。
本発明に係る洗浄装置は、洗浄面が、溝と溝との間の凸部の幅が100nm以下である凹凸を有する場合に特に好ましく使用することができる。このような場合に、従来の洗浄装置では、洗浄面がダメージを受けやすいが、本発明に係る洗浄装置では、超音波と紫外線との組合せにより、洗浄面にダメージを与えることなく、良好に洗浄面を洗浄することができる。なお、溝と溝との間の凸部の高さと幅とのアスペクト比が大きければ大きいほど、一般的には洗浄面がダメージを受けやすくなるので、本発明の効果が発揮されやすい。その意味からこのアスペクト比は2以上であることが好ましい。上限は、実際に必要とされる洗浄効果によって制限されるものと考えられる。なお、上記の「凸部の高さ」は凹凸が繰り返される場合には、凸部の頂部から凹部の底までの長さである。
本発明に係る洗浄装置を用いて、上記洗浄面を洗浄する場合には、洗浄空間に洗浄液を供給しつつ、超音波振動子からの超音波と紫外線照射装置からの紫外線とを、上記照射面を通して、上記洗浄面に照射する。この方法により、洗浄面が、上記のように細い凸部を含む凹凸を持つ洗浄対象物であっても好適に洗浄を行うことができる。
なお、均質な洗浄効果を発揮させるためには、洗浄空間が洗浄液で満たされた状態において洗浄を行うことが好ましい。ここで「洗浄空間が洗浄液で満たされている」とは、洗浄空間に気泡が巻き込まれていないことを意味する。この状態は目視で確認する程度で十分であるが、より確実には、洗浄液量の供給速度等の条件を変え、斑のない(すなわち均質な)洗浄が可能となる供給速度を選択することで達成することができる。
次に本発明の実施例を詳述する。
[実施例1]
図3は、本発明の一実施例である洗浄装置の基本的な構成を説明する図である。図3の上側は装置を水平方向に切断した模式的断面図、下側は装置を垂直方向に切断した模式的断面図である。本実施例においては、構造体11は円柱状の形状をしており、直径は約50mm、高さは約30mmである。構造体11の材質には、透明な合成石英ガラスを選び、合成石英ガラスによる著しい吸収が生じない波長170nm以上の紫外線を利用することとした。
本実施例で使用した高さ約30mmの円柱状の構造体11においては、波長170nm以上の紫外線であれば、光源の強度に対して約60%の透過率が得られることが測定で確認された。
本実施例では、円柱状の構造体11の片方の面(照射面12の反対側の面)に、紫外線照射装置14が接続されていた。また、構造体11のもう片方の面が照射面12であり、紫外線照射装置14で発生した紫外線は、構造体11の内部を透過して、照射面12から洗浄面に向けて照射された。
紫外線照射装置14のランプハウス16の内部には、紫外線ランプ15が収められていた。また、ランプハウス16の底部は大きく開口していて、構造体11の面(照射面12の反対側の面)が紫外線ランプ15と直接向き合うようになっていた。
短い波長の紫外線が大気中を通過すると、大気中の酸素によって激しく吸収され、減衰してしまうため、ランプハウス16の内部の空間は、乾燥した窒素ガス17によって置換され、酸素濃度をできるだけ低くした。ランプハウス16の内部の酸素濃度は、0.01体積%以下にまで下げることが好ましい。
紫外線ランプ15から照射される紫外線の波長については、先に説明したように、合成石英ガラスの吸収特性から、波長170〜250nmの範囲の波長を利用することが好ましい。本実施例においては、波長172nmや波長222nmのエキシマランプや、波長185nmの線スペクトルを含む低圧水銀ランプを用いて実験を行った。紫外線の照射強度は、いずれの波長で実験をする場合にも、照射面12の位置においておよそ100mW/cmとなるようにした。
合成石英ガラスは、超音波の振動を良好に伝播させることができる。構造体11の側面の1か所には超音波振動子6が設置されており、ケーブル13によって図示しない超音波発振器と接続されていた。超音波発振器において生成された高周波電気信号は、ケーブル13によって超音波振動子6に伝えられ、超音波振動子6が動作して超音波を発生させた。発生した超音波は、構造体11の内部を伝播した。図4には、構造体11に一つの超音波振動子6が接続されている様子を示したが、超音波振動子6の数は一つには限定されず、必要に応じて、構造体11の周囲に複数設置してもよい。
超音波振動子6で発生させる超音波の振動周波数については、壊れやすい微細なパターンを形成した洗浄対象物を洗浄する場合は、パターンに与えるダメージの観点から、できるだけ高い周波数とすることが好ましい。本実施例では、超音波振動子6が、周波数3MHz、出力3Wで振動するようにした。
構造体11の内部には、L字形に曲がった貫通孔18が作られており、片方の出口は照射面12の中央の開口部19に達していた。また、貫通孔18の反対側の出口からはチューブ20が接続されていて、その先は、水素水供給装置に接続されていた。
本例では、洗浄対象物としてウエハを使用した。後に説明するように、本実施例では、照射面12とウエハ1の表面を非常に接近させた状態で、両者の間にできた洗浄空間に水素水を供給して洗浄を行わなければならない。しかしながら、照射面12がウエハ1と非常に接近しているので、構造体11の外側からこの洗浄空間に水素水を送り込むことは非常に難しい。そこで、本実施例では、構造体11の内部に設けた貫通孔18を通して照射面12の中央の開口部19へと水素水を送り込むことで、開口部19から供給された水素水が、照射面12とウエハ1の間の小さな洗浄空間の中で、照射面12の中央から外縁方向に向かって、気泡等を巻き込むことなく安定した一様な流れとなって広がり、照射面12とウエハ1の間の洗浄空間を安定して洗浄液で満たすことが可能となるようにした。
図4を用いて、本実施例による洗浄の様子を更に説明する。照射面12が被洗浄物であるウエハ1の表面と平行になるように、構造体11から上部を支持した。照射面12とウエハ1とは、水素水中での紫外線の吸収、減衰を考慮すると、より高い微粒子等の除去効果を得るためには、できうる限り接近させることが好ましい。本実施例では、およそ0.3mmに設定した。
照射面12をウエハ1に接近させた状態で、水素水供給装置を動作させ、水素水3を、チューブ20から貫通孔18へと導き、照射面12の中央の開口部19から、照射面12とウエハ1との間に挟まれた洗浄空間に供給した。水素水3は、このすき間の中で、照射面12の中央にある開口部19の位置から、照射面12の外縁部に向かって、安定した一様な流れとなって広がっていった。このようにすることで、照射面12とウエハ1の間に気泡等が巻き込まれることを防止できた。
開口部19から単位時間当たりに供給する水素水3の量は、照射面12に常に新鮮な水素水3が接触しているように滞ることなく絶えず流れていればよく、照射面12とウエハ1の間隔や、チューブ20や貫通孔18の直径等によって、適宜決めればよい。
照射面12とウエハ1の間の洗浄空間が完全に水素水3で満たされた状態で、紫外線照射装置14内の紫外線ランプ15を点灯し、同時に、超音波振動子6を動作させ、照射面12から紫外線と超音波が同時に水素水3中に向けて照射され、ウエハ1の表面で水素水の作用によって微粒子の除去が進行するようにした。
この状態のまま、ウエハ1の中心を通るウエハ1に垂直な直線を回転軸としてウエハ1を一定速度で回転させ、同時に、構造体11から上の部分を、照射面12とウエハ1の距離を一定に保ったままウエハ1の面に平行に一定の速度で移動させた。
紫外線は、照射面12の面内にほぼ均一に照射されればよく、照射強度の面内分布等を厳格に管理する必要はない。また、超音波に関しても、照射面12の面内でほぼ一様に振動が発生していればよく、振動強度の面内分布等を厳格に管理する必要はない。いずれにしても、照射面12の各点から水素水3に向けて、更にはウエハ1に向けて、ウエハ1の表面に形成された壊れやすい微細なパターンを壊さない程度の微弱な超音波と、水分子を分解するために充分な大きさのエネルギーの紫外線とが、同時に照射されるように構成できた。これにより、パターン倒れを発生させることなく、ウエハ1の表面から効率よく微粒子を除去することができた。
具体的には、次のような実験を行った。実験では、2種類の試料を用いて洗浄を行った。一つは、超音波が与えるダメージの大きさを評価する目的で、パターン倒れの発生の有無の確認に使用する試料であり、直径8インチ(約200mm)のSiウエハ上に、多孔質シリカからなる絶縁材料を一様な膜厚200nmで成膜し、この絶縁材料の膜に対して、ドライエッチングにより、L(ライン)/S(スペース)=65/65nmの縞状の一様なパターンを形成したものを用いた。このスペースの65nmが、本発明における凸部の幅に該当する。この場合の高さは凸部の頂部から凹部の底までの長さであり、195nmであった。すなわちアスペクト比は3であった。
洗浄後、偏光顕微鏡を用いてパターンの観察を行い、パターン倒れの有無を確認した。
もう一つは、微粒子除去の効果の大きさを評価する目的で使用する試料であり、同じく直径8インチ(約200mm)のSiウエハ上に、厚さ100nmの熱酸化膜を形成し、この熱酸化膜の表面に、平均粒径0.15μmのシリカ(SiO)粒子を、除去対象である微粒子のモデルとして、ほぼ均一に付着させたものであった。シリカ粒子の総数は、ウエハ1枚当たり3万個程度に調製した。
ウエハ表面検査装置を使用して、洗浄前後でウエハ表面に付着しているシリカ粒子の数を計測し、洗浄によってどれだけのシリカ粒子が除去されたか(除去率)を算出した。
紫外線の照射には、先に説明したランプのうち、波長172nmのエキシマランプを使用した。
洗浄液には、超純水中に水素ガスを1.5mg/Lの濃度で溶解させた水素水を使用した。その供給速度は600mL/分とした。
ウエハは200rpmで回転させ、また、照射面はウエハ上でウエハの中心とウエハの外縁との間を2cm/秒の速度で往復運動させた。ウエハ1枚当たりの洗浄時間は、すべて90秒に設定した。
これ以外の条件は、これまで説明してきた通りの条件に設定し、洗浄を行った。
表1に洗浄の結果を示す。
Figure 0004731622
水素ガス溶解の欄で、「あり」と書かれている場合には上記条件を採用した。「あり」と書かれていない条件においては、洗浄液として、水素ガスを溶解させていない超純水を使用した。
まず、シリカ粒子の除去率に注目すると、水素水に対して超音波も紫外線も照射しなければ、除去率は超純水とほとんど変わらないことが理解される(条件番号2)。
超純水に紫外線を照射しても除去率は変わらないが(条件番号3)、水素水に紫外線を照射しても、やはり除去率は変わらなかった(条件番号4)。すなわち、水素水に紫外線を照射しただけでは、微粒子除去の効果は得られないことが理解される。
超純水に超音波を照射すると、照射しない場合と比べて除去率は高くなるが(条件番号5)、同時に紫外線を照射しても、超音波のみの場合とほとんど除去率は変わらない(条件番号6)。水素水中に水素ラジカルが存在する状態を作り出すためには、超純水中に水素ガスを溶解させておくことが必要であることが理解される。
水素水に超音波を照射すると、水素水洗浄の効果が現れて、除去率は上昇するが(条件番号7)、そこに同時に紫外線を照射すると、更に飛躍的に除去率が高くなった(条件8)。
更に、何れの条件においてもパターン倒れは全く発生していなかった。
本発明は、半導体装置等の平坦な表面を有する洗浄対象物の表面の洗浄に利用できる。

Claims (9)

  1. 平坦な表面を有する洗浄対象物の当該表面を洗浄するための洗浄装置において、
    超音波と紫外線とを伝播し得る構造体であって、前記表面に対向する平坦な表面を有する構造体と、
    前記洗浄対象物の前記表面を照射するための超音波振動子および紫外線照射装置と、
    前記構造体の前記表面を前記洗浄対象物の前記表面に対して一定の間隔を設けて平行に保持するための機構と、
    前記二つの表面間の空間に洗浄液を供給するための洗浄液供給機構と
    を含んでなり、
    前記超音波振動子は、前記構造体を介して超音波を前記洗浄対象物の前記表面に照射するよう、前記構造体に直結され、
    前記紫外線照射装置は、前記超音波振動子に直結された前記構造体を介して紫外線を前記洗浄対象物の前記表面に照射するよう配置され、
    前記洗浄液が、水素、酸素、希ガス物質およびこれらの混合物からなる群から選ばれた物質を水に溶解させたガス溶解水である、
    洗浄装置。
  2. 前記洗浄液供給機構が、前記構造体の内部を通り、前記構造体の前記表面に開口する導通管部を有する、請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記間隔が1mm以下である、請求項1または2に記載の洗浄装置。
  4. 前記構造体が石英ガラスである、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄装置。
  5. 前記紫外線照射装置から照射される紫外線の波長が170〜250nmの範囲にある、請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄装置。
  6. 前記超音波振動子から照射される超音波の振動周波数が1MHz以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄装置。
  7. 前記洗浄対象物が半導体装置である、請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄装置。
  8. 前記洗浄対象物の表面が、溝と溝との間の凸部の幅が100nm以下である凹凸を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の洗浄装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の洗浄装置を用いて、平坦な表面を有する洗浄対象物の当該表面を洗浄する方法であって、前記空間に前記洗浄液を供給しつつ、前記超音波振動子からの超音波と前記紫外線照射装置からの紫外線とを、前記構造体の前記表面を通して、前記洗浄対象物の前記表面に照射する、洗浄方法。
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