JP4731105B2 - 液滴捕集装置、及び、それを用いた塗装ブース - Google Patents

液滴捕集装置、及び、それを用いた塗装ブース Download PDF

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Description

本発明は、塗装設備において塗装室からの排気に含まれる塗料ミストを洗浄水散水により捕捉したのちの浄化排気中に残存する水滴の捕集除去や、空調装置においてワッシャでの散水により加湿したのちの加湿空気中に残存する余剰水滴の捕集除去等に用いる液滴捕集装置であって、詳しくは、風路内の気流に含まれる液滴を衝突させて捕集する板状の捕集具を風路幅方向に並設して捕集具列を形成し、この捕集具列を間隔をとって気流通過方向の上流側と下流側とに配置するとともに、これら上流側捕集具列の捕集具と下流側捕集具列の捕集具とを、上流側捕集具列の捕集具どうしの間に形成される上流側気流路が気流通過方向視において下流側捕集具列の捕集具により閉塞される状態に相対配置してある液滴捕集装置に関する。
この種の形式の液滴捕集装置は、上流側捕集具列の捕集具と下流側捕集具列の捕集具とにより、装置を通過する気流を蛇行させ、この蛇行の際に気流中の液滴の惰性運動と液滴に対して作用する遠心力とにより液滴を捕集具に衝突させて捕集するものである。
ところで、この形式の従来の液滴捕集装置として、図6に示すように、上流側捕集具列L1の各捕集具101の両端部に気流通過方向の下流側に向かう側壁部101aを延設するとともに、下流側捕集具列L2の各捕集具102の両端部に気流通過方向の上流側に向かう側壁部102aを延設して、それら上流側捕集具101の側壁部101aと下流側捕集具102の側壁部102aとが捕集具列方向視で重合する構造にしたものがある。
また、この装置では、下流側捕集具102どうしの間に形成された下流側気流路の中間位置に向けて気流通過方向の下流側に延びる仕切部材103が上流側捕集具101の捕集具列方向中央部に設けられていた。
すなわち、この装置において、装置内に進入した気流Aは、上流側捕集具101どうしの側壁部101a間、下流側捕集具102の側壁部102aと上流側捕集具101の側壁部101aとの間、下流側捕集具102の側壁部102aと仕切部材103との間をその順に通過する構成になっている(特許文献1参照。)。
実開平5‐63609号公報
しかし、従来装置であると、上流側捕集具101の側壁部101aが液滴捕集装置C内に進入した気流Aの全てを下流側捕集具102に対して当てつけ、そして、上流側捕集具101の側壁部101a及び下流側捕集具102の側壁部102aが下流側捕集具102によって流れ方向を180度反転した気流Aを上流側捕集具101に対して当てつけた後、上流側捕集具101により流れ方向を再び180度反転させた気流Aを仕切部材103に沿って装置から放出する形態、略言すれば、気流A全体を二度にわたり180度反転させる形態となり、それら二度にわたる気流Aの変向角度が各々180度と大きいことで、気流中の液滴に作用する遠心力も大きくなる。従って、各反転の際に、気流A中の液滴を効率よく捕集具101,102により捕捉することができて、装置全体としての液滴捕集効率を高く確保できるが、その反面、装置通過過程において二度にわたり全気流Aを180度反転させるため、気流Aの装置通過時における圧力損失が非常に大きくなり、そのため送風動力が嵩む問題があった。
そして、この従来装置では、二度目の180度反転をした気流A中に未だ残る液滴の一部が仕切部材103により捕集されるが、二度にわたる180度反転で気流A中の液滴の多くが捕集されるため、また、二度目の180度反転後の気流Aは仕切部材103に沿って流れるため、仕切部材103により捕集される液滴の量はごく限られている。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、上流側捕集具の配置箇所から気流通過方向の下流側へ延設する上記仕切部材に着目した合理的な改良により、高い液滴捕集効率を確保しながら、気流の装置通過時における圧力損失の効果的な低減を可能にする点にある。
〔1〕本発明に係る液滴捕集装置の第1の特徴構成は、
風路内の気流に含まれる液滴を衝突させて捕集する板状の捕集具を風路幅方向に並設して捕集具列を形成し、この捕集具列を間隔をとって気流通過方向の上流側と下流側とに配置するとともに、
これら上流側捕集具列の捕集具と下流側捕集具列の捕集具とを、上流側捕集具列の捕集具どうしの間に形成される上流側気流路が気流通過方向視において下流側捕集具列の捕集
具により閉塞される状態に相対配置してある液滴捕集装置であって、
前記下流側捕集具列の捕集具どうしの間に形成される下流側気流路の捕集具列方向における中間位置に向かって、前記上流側捕集具列における捕集具配置箇所から気流通過方向の下流側へ延びる仕切部材を設け、
前記上流側捕集具列の捕集具における捕集具列方向の両端部から捕集具列方向に対して直交する姿勢で気流通過方向の上流側へのみ延びる上流側の気流案内壁部を設けるとともに、
前記下流側捕集具列の捕集具における捕集具列方向の両端部から気流通過方向の上流側へ延びる下流側の気流案内壁部を設け、
前記上流側の気流案内壁部の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される前記上流側気流路の出口が、前記下流側の気流案内壁部夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態に、前記上流側及び下流側の気流案内壁部を配置してある点にある。
この第1の特徴構成によれば、詳しくは後述するように、上記仕切部材を液滴捕集に積極的に活用した状態で、高い液滴捕集効率を確保しながら気流の装置通過時における圧力損失を効果的に低減することができる。
〔2〕第2の特徴構成は、第1の特徴構成の実施において、
前記上流側捕集具列の捕集具どうしの間に形成される前記上流側気流路を、前記下流側捕集具の捕集具どうしの間に形成される前記下流側気流路よりも捕集具列方向における流路幅が狭い流路にして、前記上流側気流路における気流の風速が、前記下流側気流路における気流の風速よりも速くなる構成にしてある点にある。
〔3〕第3の特徴構成は、第1又は第2の特徴構成の実施において、
前記仕切部材の気流通過方向における下流側端部に、捕集具列方向に突出する返し部が形成されてある点にある。
〔4〕第4の特徴構成は、第1〜第3の特徴構成のいずれか1つの特徴構成を実施する液滴捕集装置を用いた塗装ブースに係り、その特徴構成は、
吹付塗装作業を行う塗装作業域の下方に、洗浄液槽、及び、前記塗装作業域内の塗料ミスト含有空気を前記洗浄液槽からの供給洗浄液と共に高速通過させる洗浄用の絞り風路を設け、
前記絞り風路を通過した空気を導く横向きの風路に、前記上流側捕集具列及び前記下流側捕集具列を、それら捕集具列の捕集具が捕集具列方向視において縦姿勢で風路横幅方向に並ぶ状態に配置した構成において、
前記仕切部材、前記上流側の気流案内壁部、及び、前記下流側の気流案内壁部の夫々を設けるとともに、
前記上流側の気流案内壁部の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される前記上流側気流路の出口が、前記下流側の気流案内壁部夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態に、前記上流側及び下流側の気流案内壁部を配置してある点にある。
〔5〕第5の特徴構成は、第1〜第3の特徴構成のいずれか1つの特徴構成を実施する液滴捕集装置を用いた塗装ブースに係り、その特徴構成は、
吹付塗装作業を行う塗装作業域の下方に洗浄液槽を設け、
前記塗装作業域を区画する仕切壁の作業域側の壁面に伝わらせて洗浄液を膜状に流下させる液壁形成手段を設け、
前記仕切壁の下端部でかつ前記洗浄液槽における貯留洗浄液の液面近傍箇所に、前記塗装作業域における塗料ミスト含有空気を、前記仕切壁からの流下洗浄液及び前記洗浄液槽における表層洗浄液と共にそれら洗浄液の飛沫化を伴う状態で吸入して、その吸入空気に含まれる塗料ミストを吸入洗浄液に捕捉させる吸引排気口を設けるとともに、
前記吸引排気口を通過した空気を導く縦向きの風路に、前記上流側捕集具列及び下流側捕集具列を、それら捕集具列の捕集具が捕集具列方向視において横姿勢又は傾斜姿勢で風路幅方向に並ぶ状態に配置した構成において、
前記仕切部材、前記上流側の気流案内壁部、及び、前記下流側の気流案内壁部の夫々を設けるとともに、
前記上流側の気流案内壁部の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される前記上流側気流路の出口が、前記下流側の気流案内壁部夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態に、前記上流側及び下流側の気流案内壁部を配置してある点にある。
本発明の第1の特徴構成によれば、上流側気流路の出口が下流側の気流案内壁部夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態(即ち、図2に示す如く上流側の気流案内壁部17bの気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される上流側気流路R1の出口について、その出口の捕集具列方向における両側方には遮断物となる下流側の気流案内壁部18bがなく仕切部材19に向かう短絡路が形成される状態)にしてあるから、上流側気流路を通過して下流側捕集具列の捕集具(下流側捕集具)に向かう気流に、捕集具列方向へ曲折して短絡的に仕切部材の側へ向かう流動成分が生じ、これにより、気流中の液滴の一部は惰性運動と遠心力の作用とにより下流側捕集具に衝突して捕集され、また、下流側捕集具で捕集されなかった気流中の液滴は同じく惰性運動と遠心力の作用とにより仕切部材に衝突して捕集される形態となる。
すなわち、このように仕切部材を液滴捕集に積極的に活用することで、装置全体として先述の従来装置と同等の高い液滴捕集効率を得ることができる。
そしてまた、上記の如く捕集具列方向へ曲折して短絡的に仕切部材の側へ向かう流動成分が生じて気流が短絡的に装置内を通過することにより、通過気流の全体を強制的に二度にわたり180度反転させる従来装置に比べ、気流の装置通過過程における圧力損失を効果的に低減することができ、よって、必要送風動力も効果的に削減することができる。
更に、この構成であれば、上記のように高い液滴捕集効率を発揮させることができるので、例えば、従前において4列の捕集具列を必要としていたものを3列ないし2列の捕集具列ですませる、或いは、3列の捕集具列を必要としていたものを2列の捕集具列ですませるといったことも可能となり、よって、装置全体をコンパクトなものにすることができる。
なお、この第1の特徴構成の実施において。捕集具列の列数は2列に限られるものではなく、下流側捕集具列を上流側捕集具列とする3列目の下流側捕集具列を設ける形態で、3列以上の捕集具列を設けるようにしてもよい。
また、この第1の特徴構成によれば、図2に示す如く上流捕集具列L1の捕集具17における捕集具列方向の両端部から捕集具列方向に対して直交する姿勢で気流通過方向の上流側へのみ延ばした上流側の気流案内壁部17bによる案内により、気流の横流れ状態での流入を防止して、気流を整流状態で装置内に流入させることができ、これにより、装置内での気流の流れを安定化して、前述のように下流側捕集具への衝突による液滴捕集、及び、仕切部材への衝突による液滴捕集の機能を所期通り安定的に発揮させることができ、この点で液滴捕集効率を一層効果的に高めることができる。
第2の特徴構成によれば、上流側気流路における気流の風速が速いことで、上流側気流路から下流側捕集具列の捕集具へ向かって装置内に進入する気流に含まれている液滴を下流側捕集具や仕切部材に衝突させるのに充分な惰性運動力と遠心力を得ることができる。
そして一方、下流側気流路における気流の風速が遅いことで、液滴を飛ばした気流の不要な圧力損失を極力抑えることができるとともに、仕切部材に付着捕集された液滴の二次飛散も効果的に抑制することができ、これらのことから、液滴捕集効率の向上と圧力損失の低減とを一層効果的に達成することができる。
第3の特徴構成によれば、仕切部材に付着捕集された液滴が、仕切部材の液滴付着面に沿って下流側気流路を通過する気流により気流通過方向の下流側へ押し流されても、返し部により、仕切部材の気流通過方向の下流側端部から液滴が二次飛散することを抑止することができ、これによって、装置全体としての液滴捕集効率を更に高めることができる。
第4の特徴構成によれば、塗装作業域の塗料ミスト含有空気を洗浄液槽からの供給洗浄液と共に絞り風路を高速通過させることで、その通過過程において空気中の塗料ミストを洗浄液に捕捉させ、これにより、空気を浄化する。
また、上流側捕集具列及び下流側捕集具列からなる前記の液滴捕集装置を横向きの風路に配置しておくことにより、塗料ミスト捕捉後の洗浄液の飛沫液滴が浄化後の空気と共に送出されるのを防止する。
そして、この液滴捕集装置による液滴捕集において、前記仕切部材、前記上流側の気流案内壁部、及び、前記下流側の気流案内壁部の夫々を設けるとともに、前記上流側の気流案内壁部の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される前記上流側気流路の出口が、前記下流側の気流案内壁部夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態に、前記上流側及び下流側の気流案内壁部を配置することで、前述のように、圧力損失を効果的に低減しながら、高い液滴捕集効率を得ることができ、また、捕集具列数の低減による装置全体としてのコンパクト化も可能となり、更に、各捕集具を捕集具列方向視において縦姿勢に配置することで、捕集具により捕捉された洗浄液を捕集具に沿ってスムーズに流下排出させることができ、これらのことから、コスト面で優れ、また、塗料ミスト捕捉後の汚濁液滴の漏出を防止する面でも優れ、更に、省スペースの面でも優れた塗装ブースにすることができる。
第5の特徴構成によれば、塗装作業域の塗料ミスト含有空気を、仕切壁に沿って流下する流下洗浄液及び洗浄液槽における表層洗浄液と共にそれら洗浄液の飛沫化を伴う状態で、吸引排気口から吸入することで、その吸入空気中の塗料ミストを吸入洗浄液に捕捉させ、これにより、空気を浄化する。
また、上流側捕集具列及び下流側捕集具列からなる前記の液滴捕集装置を縦向きの風路に配置しておくことにより、塗料ミスト捕捉後の洗浄液の飛沫液滴が浄化後の空気と共に送出されるのを防止する。
そして、この液滴捕集装置による液滴捕集において、前記仕切部材、前記上流側の気流案内壁部、及び、前記下流側の気流案内壁部の夫々を設けるとともに、前記上流側の気流案内壁部の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される前記上流側気流路の出口が、前記下流側の気流案内壁部夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態に、前記上流側及び下流側の気流案内壁部を配置することで、前述のように、圧力損失を効果的に低減しながら、高い液滴捕集効率を得ることができ、また、捕集具列数の低減による装置全体としてのコンパクト化も可能となり、これらのことから、コスト面で優れ、また、塗料ミスト捕捉後の汚濁液滴の漏出を防止する面でも優れていて、更に、省スペースの面でも優れた塗装ブースにすることができる。
特に、上流側捕集具列及び下流具側捕集具列を各捕集具が捕集具列方向視において横姿勢又は傾斜姿勢で風路幅方向に並ぶ状態に配置することで上記の捕集具列数の低減によるコンパクト化とも相俟って、液滴捕集装置の設置に要するスペースの高さ寸法を効果的に小さくすることができる。
これにより、例えば、上流側捕集具列及び下流側捕集具列を配設する縦向風路を塗装作業域の横側に隣接させる構成との併用等をもって、塗装ブース全体の高さ寸法を効果的に小さくすることができて、一般工場での室内設置等も容易な塗装ブースにすることができる。
〔第1実施形態〕
図1及び図2は第1実施形態の塗装ブースを示し、この塗装ブースは、塗装作業域としてトンネル状の塗装室1を形成するもので、塗装室1の天井部は空調機2から供給される換気用空気を下向きに吹き出す吹き出し口3、塗装室1の床部は排気ファン4の吸引作用による室内空気Aの下方への排出を許す格子床5になっており、この換気構成により、塗装室1内での吹き付け塗装により塗装室1内を浮遊する余剰の塗料ミストを室内空気Aと共に塗装室1から排出するようにしてある。
6は吹付塗装機、7は塗装対象の被塗物であり、8は塗装工程経路に沿って被塗物7を搬送するコンベア装置である。
格子床5の下方には、溢水樋9から洗浄液である水Wを溢水させることで水張り状態を維持する一対の洗浄水槽10を設け、また、それら洗浄水槽10の下方には排気室11が設けられ、そして、洗浄水槽10の上方域から排気室11への排気風路構成として、両洗浄水槽10間でブース長手方向に延びるスリット状の開口12aを風路入口とする絞り風路12をブース長手方向に連続する形態で設けている。
この絞り風路12は、塗装室1からの排出空気A中に含まれる塗料ミストを洗浄水Wにより捕捉する塗料ミスト除去装置を構成するものであり、塗装室1からの排出空気Aを洗浄水槽10からの溢水洗浄水Wとともに絞り風路12中を高速通過させて排気室11へ放出する過程で、通過洗浄水Wを細粒化を伴う状態で高速気流中において飛散させ、これによって、排出空気A中の塗料ミストを洗浄水Wの水滴に捕捉させて捕集するようにしている。
塗料ミスト除去を施され排気室11に進入した排出空気Aは、排気ファン4により排気室11から排気ダクト13を介して系外に排出され、また、塗料ミスト除去において、排出空気A中の塗料ミストを捕捉した洗浄水Wは排出室11の底部に設けられた還水槽15に受け入れられたのち、適当な分離装置16で含有塗料分を分離除去して浄化したうえで溢水樋9に循環供給して再使用する。
そして、排気室11の上流側部分11Aから排出空気Aを排気室出口11Bへ導く横向きの風路14には、通過気流A中に残る洗浄水Wの水滴(すなわち、塗料ミストを含む水滴)を捕集する液滴捕集装置Cが設けられていて、排気室11から排出する空気A中に残存する水滴により排気室11の下流側の排気ダクト13、及び、排気ファン4が濡れて、それらに腐食が発生すること、また、塗料分を含む汚濁水滴が系外に漏出することを、この液滴捕集装置Cによる水滴捕集をもって防止するようにしてある。
液滴捕集装置Cの具体的構造については、図2が示すように、液滴捕集装置Cを構成する縦長の捕集具17,18は、横向風路14における気流Aの気流通過方向に対して直交する姿勢にある板面状の本体部17a,18aと、平面視断面形状において本体部17a,18aの両端部からその本体部17a,18aに対して直交する姿勢(換言すれば、後述の捕集具列方向に対して直交する姿勢)で気流通過方向の上流側へのみ延びる気流案内壁部である側壁部17b,18bと、その側壁部17b,18bの気流通過方向の上流側端部を風路横幅方向において捕集具17,18の中央側に折り返した折り曲げ部17c、18cとから形成されているとともに、この捕集具17,18を風路横幅方向であるブース長手方向に並設して捕集具列L1,L2を形成し、この液滴捕集装置Cは、横向風路14において気流通過方向に間隔をとった状態で設けられた上流側捕集具列L1と下流側捕集具列L2との2列構造になっている。
また、各捕集具17,18において、隣り合う捕集具17,18どうしの間に気流路R1,R2を形成するとともに、捕集具列L1,L2を2列設けるにあたっては、上流側捕集具列L1の捕集具(上流側捕集具)17どうしの間に形成される上流側気流路R1が気流通過方向視において下流側捕集具列L2の捕集具(下流側捕集具)18により閉塞される状態に上流側捕集具列L1と下流側捕集具列L2とを相対配置するとともに、各上流側捕集具17の気流通過方向の下流側面には、下流側捕集具18どうしの間に形成される下流側気流路R2の風路横幅方向(換言すれば、捕集具列方向)における中間位置に向かって、気流通過方向の下流側へ延びる仕切部材19が上流側捕集具17と一体的に設けられている。
すなわち、下流側気流路R2は仕切部材19によって仕切られた2つの分割気流路rから形成されていて、上流側気流路R1が液滴捕集装置Cにおける気流Aの入口、下流側気流路R2(分割気流路r)が気流Aの出口となっている。
そして、仕切部材19の気流通過方向の下流側端部には、捕集具列方向に突出した返し部19aが形成されていて、仕切部材19に捕捉された水滴が気流Aにより仕切部材19の気流通過方向の下流側端部から二次飛散することを防止している。
各捕集具列L1,L2を形成する場合の具体的数値例として、上流側捕集具列L1では、各上流側捕集具17の捕集具列方向の長さは600mm、気流通過方向の長さ(すなわち、側壁部17bの長さ)が100mm、折り曲げ部17cの折り返し幅が50mm、上流側捕集具17どうしの間隔(すなわち、上流側気流路R1の幅)が150mm、上流側捕集具17の気流通過方向の下流側に設けられている仕切部材19の長さが225mmに設定されている。
これに対し、下流側捕集具列L2では、各下流側捕集具18の捕集具列方向の長さが420mm、気流通過方向の長さ(すなわち、側壁部18bの長さ)が100mm、折り曲げ部18cの折り返し幅が12mm、下流側捕集具18どうしの間隔(すなわち、下流側気流路R2の幅)が330mmで、分割気流路rの幅が165mmに設定されている。
そして、上流側捕集具列L1と下流側捕集具列L2との気流通過方向における間隔は125mmに設定されている。
要するに、上流側捕集具17として捕集具列方向の長さが長い捕集具を使用し、下流側捕集具18として捕集具列方向の長さが短い捕集具を使用することで、上流側捕集具17どうしの間に形成される上流側気流路R1が、下流側捕集具18どうしの間に形成される下流側気流路R2に比べてその捕集具列方向において狭くなるようにして、排気ファン4による一定の排気量条件下において、上流側気流路R1を通過する時の気流Aの風速が、下流側気流路R2を形成する分割気流路rを通過する時の気流Aの風速よりも速くなる構成にしてあり、そして、上流側気流路R1を通過する気流Aの風速を例えば6〜7m/sに設定するのに対し、分割気流路rを通過する気流Aの風速を4m/s以下(上記の設定であると、約2.7〜3.2m/s)になるようにすることで、仕切部材19の気流通過方向の下流側端部に形成された返し部19aと共に分割気流路rを通過する気流Aによる仕切部材19に捕捉された水滴の二次飛散を抑制している。
更に、各捕集具17,18の側壁部17b,18bの気流通過方向の上流側端部に折り曲げ形成された折り曲げ部17c,18cは、気流A中の水滴を捕捉除去し、かつ、側壁部17b,18bの内側面で捕捉された水滴の二次飛散を防止する。
つまり、排気室11における上流側部分11Aから横向風路14を介して排気室出口11Bに向かう排出空気Aを横向風路14に設けた2列の捕集具列L1,L2において蛇行状に通過させる過程で、気流A中の水滴の惰性運動と、気流A中の水滴に対して作用する遠心力とにより気流A中の水滴を捕集具17,18の本体部17a,18a、側壁部17b,18b、折り曲げ部17c,18c及び上流側捕集具17に設けられた仕切部材19に衝突させ、そして、その衝突水滴の集合水Wを捕集具17,18の本体部17a,18a、側壁部17b,18b、折り曲げ部17c,18c及び仕切部材19に沿わせて流下させる形態で、気流A中の残存水滴を捕集するようにしている。
そして、図2に示すように、上流側捕集具17における側壁部17b(上流側の気流案内壁部)の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される上流側気流路R1の出口が、下流側捕集具18における側壁部18b(気流通過方向の上流側へ延びる下流側の気流案内壁部)夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態(即ち、上流側気流路R1の出口の捕集具列方向における両側方には遮断物となる下流側捕集具18の側壁部18bがなく仕切部材19に向かう短絡路が形成される状態)に、上流側捕集具17の側壁部17bと下流側捕集具18の側壁部18bとが配置されていることで、液滴捕集装置C内を同図2に示す矢印のように、下流側捕集具18に向かって上流側気流路R1を整流状態で通過する気流Aに対して、その気流Aが下流側捕集具18を回避するように捕集具列方向に曲折して流れようとする流動成分(即ち、捕集具列方向へ曲折して短絡的に仕切部材19の側へ向かう流動成分)が生じ、この気流Aの流れ方向の変向によって作用する遠心力と気流A中の水滴の惰性運動とにより気流A中の水滴を下流側捕集具18に対して効率的に衝突させて捕捉するとともに、気流Aが仕切部材19によりその流れ方向を再び装置出口(すなわち、分割気流路rの出口)に向かって流れるように案内されて曲折することで、それによって作用する遠心力と水滴の惰性運動とにより気流A中の残存水滴を仕切部材19に対し効率的に衝突させて捕捉するようになっている。
そして、気流Aが下流側捕集具18を回避するような流動成分をもって蛇行状に、かつ、短絡的に装置C内を通過することで、上記のように液滴捕集効率を確保しながらも気流Aの装置通過過程における圧力損失を効果的に低減することができ、よって、排気ファン4における動力も効果的に削減することができる。
なお、捕集具17,18に沿わせて流下させた集合水Wは、その後、傾斜底板20上を流下させて還水槽15に流入させるようになっている。
〔第2実施形態〕
図3及び図4は第2実施形態の低床型の塗装ブースを示し、この塗装ブースは、塗装作業域である簡易塗装室21を形成する。
22は作業者Hが保持して塗装作業を行う吹付塗装機、23は被塗物であり、被塗物23を吹き付け塗装する簡易塗装室21の下方に洗浄水槽24を設け、簡易塗装室21に対する仕切壁21aの裏面側には、上端部において排気ファン25への接続口25aに連通する縦向きの風路26が形成されている。
27は仕切壁21aの上方に設けられた液壁形成手段である溢水槽であり、溢水槽27は洗浄液である水Wを溢水させることで、洗浄水Wを仕切壁21aの室内側の壁面に伝わらせて流下させることでウォーターウォールW1を形成し、簡易塗装室21内に浮遊する余剰の吹付塗料ミストが仕切壁21aに付着するのを防止している。
仕切壁21aの下部には、流水堰28aが設けられていて、溢水槽27から溢水しウォーターウォールW1を形成した流下洗浄水Wを受け止めて、洗浄水Wを貯留する貯水槽28を形成している。
要するに、溢水槽27からの流下洗浄水Wは一旦貯水槽28で貯留されたのち、流水堰28aを溢水する構成になっている。
仕切壁21aの下端部(すなわち、貯水槽28の下方)と洗浄水槽24の水面との間には、排気ファン25の吸引作用によって簡易塗装室21内の塗料ミスト含有空気Aを縦向風路26内に高速で吸い込むための吸引排気口である隙間Gが形成されてあって、貯水槽28から溢水することで隙間GにウォーターカーテンW2を形成する流下洗浄水Wと、洗浄水槽24における隙間G近くの表層洗浄水Wとを塗料ミスト捕捉用水として、排気ファン25の吸引作用により隙間Gにおいて飛沫化させて吸入空気Aと合流状態で縦向風路26に吸入することで、吸入空気A中の塗料ミストを洗浄水Wに捕捉させて、空気Aを浄化するようにしている。
Cは縦向風路26において洗浄水Wにより塗装ミストを捕捉除去した空気Aを水切りする液滴捕集装置であり、この液滴捕集装置Cにより水切りした浄化空気Aは排気ファン25、排気ダクト29を介して系外に排出される。
30は縦向風路26において塗料ミストを捕捉した洗浄水Wを、排気ファン25の吸引作用により上昇させ液滴捕集装置Cにより捕集された後の落下過程で受け止める排水槽であり、31は排水槽30から排出された塗料含有洗浄水Wから塗料をスラッジ化して洗浄水Wと分離する分離装置、32は分離装置31により浄化された洗浄水Wを溢水槽27に供給する供給路である。
液滴捕集装置Cの具体的構造については、図4が示すように、液滴捕集装置Cを構成する捕集具33,34は、縦向風路26内を上昇する気流Aの気流通過方向に対して直交する姿勢にある板面状の本体部33a,34aと、側面視断面形状において本体部33a,34aの両端部からその本体部33a,34aに対して直交する姿勢(換言すれば、後述の捕集具列方向に対して直交する姿勢)で気流通過方向の上流側(すなわち、下方側)へのみ延びる気流案内壁部である側壁部33b,34bと、その側壁部33b,34bの気流通過方向の上流側端部を風路幅方向において捕集具33,34の中央側に折り返した折り曲げ部33c,34cとから形成されているとともに、この捕集具33,34を風路幅方向に並設して捕集具列L1,L2を形成し、この液滴捕集装置Cは、縦向風路26において気流通過方向に間隔をとった状態で設けられた上流側捕集具列L1と下流側捕集具列L2との2列構造になっている。
また、各捕集具33,34において、隣り合う捕集具33,34どうしの間に気流路R1,R2を形成するとともに、捕集具列L1,L2を2列設けるにあたっては、上流側捕集具列L1の上流側捕集具33どうしの間に形成される上流側気流路R1が気流通過方向視において下流側捕集具列L2の下流側捕集具34により閉塞される状態に相対配置するとともに、各上流側捕集具33の気流通過方向の下流側面には、下流側捕集具34どうしの間に形成される下流側気流路R2の風路幅方向(すなわち、捕集具列方向)における中間位置に向かって、気流通過方向の下流側へ延びる仕切部材35が上流側捕集具と一体的に設けられていて、下流側気流路R2は仕切部材35によって2つの分割気流路rから形成されていて、上流側気流路R1が液滴捕集装置Cにおける気流Aの入口、下流側気流路R2(分割気流路r)が気流Aの出口となっている。
そして、仕切部材35の気流通過方向の下流側端部には、捕集具列方向に突出した返し部35aが形成されていて、仕切部材35に捕捉された水滴が気流Aにより仕切部材35の気流通過方向の下流側端部から二次飛散することを防止している。
各捕集具列L1,L2において、上流側捕集具列L1では、各上流側捕集具33の捕集具列方向の長さは395mm、気流通過方向の長さ(すなわち、側壁部33bの長さ)が100mm、折り曲げ部33cの折り返し幅が35mm、上流側捕集具33どうしの間隔(すなわち、上流側気流路R1の幅)が105mm、そして、上流側捕集具33の気流通過方向の下流側に設けられている仕切部材35の長さが180mmに設定されている。
これに対し、下流側捕集具列L2では、各下流側捕集具34の捕集具列方向の長さが290mm、気流通過方向の長さ(すなわち、側壁部34bの長さ)が75mm、折り曲げ部34cの折り返し幅が20mm、下流側捕集具34どうしの間隔(すなわち、下流側気流路R2の幅)が210mmで、分割気流路rの幅が105mmに設定されている。
そして、上流側捕集具列L1と下流側捕集具列L2との気流通過方向における間隔は105mmに設定されている。
要するに、上流側捕集具33として捕集具列方向の長さが長い捕集具を使用し、下流側捕集具34として捕集具列方向の長さが短い捕集具を使用することで、上流側捕集具33どうしの間に形成される上流側気流路R1が、下流側捕集具34どうしの間に形成される下流側気流路R2に比べてその捕集具列方向において狭くなるようにして、排気ファン25による一定の排気量条件下において、上流側気流路R1を通過する時の気流Aの風速が、下流側気流路R2を形成する分割気流路rを通過する時の気流Aの風速よりも速くなる構成にしてあり、そして、上流側気流路R1を通過する気流Aの風速を6〜7m/sに設定することで、分割気流路rを通過する気流Aの風速を4m/s以下(上記の設定であると、約3.0〜3.5m/s)になるようにすることで、仕切部材35の気流通過方向の下流側端部に形成された返し部35aと共に上流側気流路R1から液滴捕集装置C内に進入する気流Aに仕切部材35に捕捉された水滴の二次飛散を抑制している。
更に、各捕集具33,34の側壁部33b,34bの気流通過方向の上流側端部に折り曲げ形成された折り曲げ部33c,34cは、気流A中の水滴を捕捉除去し、かつ、側壁部33b,34bの内側面で捕捉された水滴の二次飛散を防止するとともに、各捕集具33,34によりその流れ方向を変向した気流Aを捕集具33,34内において更に回転するように案内促進していて、気流A中の水滴の除去をより一層効率よくすることができる。
つまり、縦向風路26における上流側部分26Aから下流側部分26Bに向かう排出空気Aを2列の捕集具列L1,L2に対し順次通過させる過程で、気流A中の水滴の惰性運動と気流A中の水滴に対して作用する遠心力とにより気流A中の水滴を捕集具33,34の本体部33a,34a、側壁部33b,34b、折り曲げ部33c,34c及び上流側捕集具33の仕切部材35に衝突させ、そして、その衝突水滴の集合水Wを捕集具33,34の本体部33a,34a、側壁部33b,34b、折り曲げ部33c,34c及び仕切部材35に沿わせて受止部である排水槽30へ落下させる形態で、気流A中の残存水滴を捕集するようにしている。
そして、図4に示すように、上流側捕集具33における側壁部33b(上流側の気流案内壁部)の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される上流側気流路R1の出口が、下流側捕集具34における側壁部34b(気流通過方向の上流側へ延びる下流側の気流案内壁部)夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態(即ち、上流側気流路R1の出口の捕集具列方向における両側方には遮断物となる下流側捕集具34の側壁部34bがなく仕切部材35に向かう短絡路が形成される状態)に、上流側捕集具33の側壁部33bと下流側捕集具34の側壁部34bとが配置されていることで、液滴捕集装置C内を同図4に示す矢印のように、下流側捕集具34に向かって上流側気流路R1を整流状態で通過する気流Aに対して、その気流Aが下流側捕集具34を回避するように捕集具列方向に曲折して流れようとする流動成分(即ち、捕集具列方向へ曲折して短絡的に仕切部材35の側へ向かう流動成分)が生じ、この気流Aの流れ方向の変向によって作用する遠心力と気流A中の水滴の惰性運動とにより気流A中の水滴を下流側捕集具34に対し効率的に衝突させて捕捉するとともに、気流Aが仕切部材35によりその流れ方向を再び出口に向かって流れるように案内されて曲折することで、それによって作用する遠心力と水滴の惰性運動とにより気流A中の残存水滴を仕切部材35に対し効率的に衝突させて捕捉するようになっている。
そして、気流Aが下流側捕集具34を回避するような流動成分をもって蛇行状に、かつ、短絡的に装置C内を通過することで、上記のように液滴捕集効率を確保しながらも気流Aの装置通過過程における圧力損失を効果的に低減することができ、よって、排気ファン25における動力も効果的に削減することができる。
なお、36は簡易塗装室21の天井部から吹き出し口37を介して換気用空気を下向きに吹き出す空調機、38は簡易塗装室21の床部から排気ファン25の吸引作用による室内空気Aの下方への排出を許す格子床である。
〔別の実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
上記の第1及び第2実施形態では、液滴捕集装置Cを塗装ブースにおける洗浄水Wの水切りに用いたが、この液滴捕集装置Cは空調設備等におけるエアワッシャの水切りやその他種々の設備における水切りに使用してもよい。
また、第1及び第2実施形態に記載した塗装ブースそれぞれの構成も記載された構成に限るものではなく、例えば図5に示すように、仕切壁41の下端部と塗装室42の下方に設けられた洗浄液槽43の液面との間に形成される隙間Gから塗料ミスト含有空気Aと表層洗浄液Wとを縦向きの風路44内に吸入し、縦向風路44内に設けられた彎曲板45により飛沫化した吸入洗浄液Wで塗料ミストを捕捉する構造の簡易ブースであってもよい。
上記の第1及び第2実施形態における捕集具17,18,33,34は、本体部17a,18a,33a,34a、側壁部17b,18b,33b,34b及び折り曲げ部17c,18c,33c,34cとから構成されていたが、参考例を示す図7の捕集具17,18,33,34は、本体部17a,18a,33a,34aのみから構成されるもの、折り曲げ部17c,18c,33c,34cが設けられていない構成のものである。
なお、上記第1及び第2実施形態では、図2、図4に示すように上流側捕集具17,33及び下流側捕集具18,34それぞれの本体部17a,18a,33a,34aの両端部に気流案内壁である側壁部17b,18b,33b,34bが捕集具列方向に対して直交する姿勢で気流通過方向の上流側にのみ向かうように延設されている。
そして、各捕集具17,18,33,34及び各捕集具列L1,L2における気流路R1,R2及び間隔の設定数値は、液滴捕集装置C全体としての液滴捕集効率や二次飛散防止等の効果を低下させるものでなければ、これに限るものではない。
上記の第1及び第2実施形態では、仕切部材19,35の気流通過方向の下流側端部に返し部19a,35aを設けたが、返し部19a,35aを設けていない仕切部材19,35であっても良い。
また、返し部19a,35aとは別に、仕切部材19,35に縦長の液滴捕捉用の溝を形成してあってもよい。
そして、第1及び第2実施形態では、仕切部材19,35が上流側捕集具17,33の気流通過方向の下流側面に一体的に設けられているが、仕切部材19,35は上流側捕集具17,33とは連設されていないものであっても構わない。
第2実施形態では、液滴捕集装置Cを縦向風路26内を上昇する気流の気流通過方向に対して直交する姿勢に配設してあったが、液滴捕集装置Cの配設姿勢はこれに限るものではなく、上昇気流Aの気流通過方向に対して捕集具列L1,L2の各捕集具33,34を、それらの長手方向における一端側が上下方向に傾斜する姿勢に配設してもよい。
本発明の液滴捕集装置を用いた第1実施形態の塗装ブースを示す横断面図 第1実施形態に用いた液滴捕集装置の平面視断面図 第2実施形態の塗装ブースを示す横断面図 第2実施形態に用いた液滴捕集装置の平面視断面図 別実施形態の塗装ブースを示す断面図 従来の液滴捕集装置を示す平面視断面図 参考例の液滴捕集装置を示す平面視断面図
1 塗装作業域
10 洗浄液槽
12 絞り風路
14 風路
17 捕集具
17b 気流案内壁部
18 捕集具
18b 気流案内壁部
19 仕切部材
19a 返し部
21 塗装作業域
21a 仕切壁
24 洗浄液槽
26 風路
27 液壁形成手段
33 捕集具
33b 気流案内壁部
34 捕集具
34b 気流案内壁部
35 仕切部材
35a 返し部
41 仕切壁
42 塗装室
43 洗浄液槽
44 風路
45 彎曲板
A 空気、気流
C 液滴捕集装置
G 吸引排気口
L1 上流側捕集具列
L2 下流側捕集具列
R1 上流側気流路
R2 下流側気流路
v1 上流側気流路における気流の風速
v2 下流側気流路における気流の風速
W 洗浄液

Claims (5)

  1. 風路内の気流に含まれる液滴を衝突させて捕集する板状の捕集具を風路幅方向に並設して捕集具列を形成し、この捕集具列を間隔をとって気流通過方向の上流側と下流側とに配置するとともに、
    これら上流側捕集具列の捕集具と下流側捕集具列の捕集具とを、上流側捕集具列の捕集具どうしの間に形成される上流側気流路が気流通過方向視において下流側捕集具列の捕集具により閉塞される状態に相対配置してある液滴捕集装置であって、
    前記下流側捕集具列の捕集具どうしの間に形成される下流側気流路の捕集具列方向における中間位置に向かって、前記上流側捕集具列における捕集具配置箇所から気流通過方向の下流側へ延びる仕切部材を設け、
    前記上流側捕集具列の捕集具における捕集具列方向の両端部から捕集具列方向に対して直交する姿勢で気流通過方向の上流側へのみ延びる上流側の気流案内壁部を設けるとともに、
    前記下流側捕集具列の捕集具における捕集具列方向の両端部から気流通過方向の上流側へ延びる下流側の気流案内壁部を設け、
    前記上流側の気流案内壁部の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される前記上流側気流路の出口が、前記下流側の気流案内壁部夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態に、前記上流側及び下流側の気流案内壁部を配置してある液滴捕集装置。
  2. 前記上流側捕集具列の捕集具どうしの間に形成される前記上流側気流路を、前記下流側捕集具の捕集具どうしの間に形成される前記下流側気流路よりも捕集具列方向における流路幅が狭い流路にして、前記上流側気流路における気流の風速が、前記下流側気流路における気流の風速よりも速くなる構成にしてある請求項1記載の液滴捕集装置。
  3. 前記仕切部材の気流通過方向における下流側端部に、捕集具列方向に突出する返し部が形成されてある請求項1又は2記載の液滴捕集装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液滴捕集装置を用いた塗装ブースであって、
    吹付塗装作業を行う塗装作業域の下方に、洗浄液槽、及び、前記塗装作業域内の塗料ミスト含有空気を前記洗浄液槽からの供給洗浄液と共に高速通過させる洗浄用の絞り風路を設け、
    前記絞り風路を通過した空気を導く横向きの風路に、前記上流側捕集具列及び前記下流側捕集具列を、それら捕集具列の捕集具が捕集具列方向視において縦姿勢で風路横幅方向に並ぶ状態に配置した構成において、
    前記仕切部材、前記上流側の気流案内壁部、及び、前記下流側の気流案内壁部の夫々を設けるとともに、
    前記上流側の気流案内壁部の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される前記上流側気流路の出口が、前記下流側の気流案内壁部夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態に、前記上流側及び下流側の気流案内壁部を配置してある塗装ブース。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液滴捕集装置を用いた塗装ブースであって、
    吹付塗装作業を行う塗装作業域の下方に洗浄液槽を設け、
    前記塗装作業域を区画する仕切壁の作業域側の壁面に伝わらせて洗浄液を膜状に流下させる液壁形成手段を設け、
    前記仕切壁の下端部でかつ前記洗浄液槽における貯留洗浄液の液面近傍箇所に、前記塗装作業域における塗料ミスト含有空気を、前記仕切壁からの流下洗浄液及び前記洗浄液槽における表層洗浄液と共にそれら洗浄液の飛沫化を伴う状態で吸入して、その吸入空気に含まれる塗料ミストを吸入洗浄液に捕捉させる吸引排気口を設けるとともに、
    前記吸引排気口を通過した空気を導く縦向きの風路に、前記上流側捕集具列及び下流側捕集具列を、それら捕集具列の捕集具が捕集具列方向視において横姿勢又は傾斜姿勢で風路幅方向に並ぶ状態に配置した構成において、
    前記仕切部材、前記上流側の気流案内壁部、及び、前記下流側の気流案内壁部の夫々を設けるとともに、
    前記上流側の気流案内壁部の気流通過方向における下流側端部どうしの間に形成される前記上流側気流路の出口が、前記下流側の気流案内壁部夫々の気流通過方向における上流側端部よりも気流通過方向の上流側に位置する状態に、前記上流側及び下流側の気流案内壁部を配置してある塗装ブース。
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