以下、本発明の実施形態に係る湿分分離ユニットおよび当該湿分分離ユニットを備えた湿分分離装置について、添付の図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明の実施形態に係る湿分分離ユニット10(後に詳述する湿分分離ユニット10A〜10G)を備えた湿分分離装置70の構成例を概略的に示した構成図であり、図1は蒸気乾燥器70Aの構成を概略的に示した構成図、図2は湿分分離加熱器70Bの概略構成を示した縦断面図である。
図1に示されるように、湿分分離装置70の一例である蒸気乾燥器70Aは、曲折した複数の流路を備える湿分分離ユニット10を備え、例えば、原子力発電システムにおいて、発生させた水と蒸気の二相流の大部分の水を除去する気水分離器を通過した後の蒸気S0を湿分分離ユニット10に導いて流入させてさらに水分を分離する。湿分分離ユニット10を通過した蒸気S1は、湿り度0.1%以下となって高圧タービンに供給される。湿分分離ユニット10で分離され捕集された水はドレン樋71に集約されドレン管72から蒸気乾燥器70Aの外部へ排出される。蒸気乾燥器70Aは、通常、沸騰水型原子炉(BWR)であれば原子炉圧力容器の上部に、加圧水型原子炉(PWR)であれば蒸気発生器(SG)の上部に設けられる。
なお、符号73は蒸気乾燥器70Aのケーシングであり、符号11は流路を形成する板状の構造体(以下、単に「ベーン」と称する。)12を両側から挟んで保持する(挟持)する板状の構造体(以下、「挟持板」と称する。)である。挟持板11にはベーン12を嵌め込む溝が形成されており当該溝に嵌め込むことでベーン12を両側(図1では上下方向)から挟持する。
一方、図2に示されるように、湿分分離装置70の一例である湿分分離加熱器(MSH)70Bは、高圧タービンからの蒸気を低圧タービンへ導く蒸気系統の経路上に設けられ、横向き円筒形状の本体容器81と、本体容器81に収容された湿分分離ユニット10および加熱器82とを備える。
本体容器81の底部には、例えば、二台の湿分分離ユニット10が互いに傾斜対向させて配置され、その上方に第一段加熱器82aが配置され、さらにその上方に第二段加熱器82bが配置される。また、二台の湿分分離ユニット10の間には、底板83と、天井板84とから区画されたドレン流路85が形成される。
本体容器81の内部には、その下部の被加熱蒸気入口87から上部の被加熱蒸気出口88にかけて流路仕切板91,92a,92bが順次に配置され、湿分分離ユニット10、第一段加熱器82aおよび第二段加熱器82bに被加熱蒸気S0,S1を順次に導く流路が形成される。ドレン流路85は、被加熱蒸気S0の流路から隔離される。流路仕切板91と流路仕切板92aとで囲まれた空間は、湿分分離ユニット10の下流側に連通される。流路仕切板92aと流路仕切板92bとで囲まれた空間は、第一段加熱器82aの下流側に連通される。
このように構成された湿分分離加熱器70Bは、被加熱蒸気入口87から流入する被加熱蒸気S0を湿分分離ユニット10に導き、湿分分離ユニット10で湿分分離された被加熱蒸気S1を生成し、続いて、被加熱蒸気S1を加熱器82へ導き、加熱器82による加熱によって加熱蒸気S2を生成する。生成された加熱蒸気S2は被加熱蒸気出口88から低圧タービンへ供給される。なお、図2に示される符号95a、95bは、U字状に配設された伝熱管である。
湿分分離装置70は、上述した蒸気乾燥器70Aや湿分分離加熱器70Bの他、湿分分離ユニット10(後に詳述する湿分分離ユニット10A〜10G)を備え、当該湿分分離ユニット10(10A〜10G)によって蒸気の湿分を分離するあらゆる装置が含まれる。以下、本発明の各実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である湿分分離ユニット10A〜10Gについて説明する。
[第1の実施形態]
図3は本発明の第1の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である湿分分離ユニット(以下、「第1の湿分分離ユニット」と称する。)10Aの構成を概略的に示した構成図である。
第1の湿分分離ユニット10Aは、例えば、図3に示されるように、ベーン12を嵌め込む溝が形成された挟持板11によってベーン12の両端を嵌め込んで保持することによって、二枚の挟持板11の間にベーン12を立設させて、蒸気S0を導入口13から導入し、蛇行させて湿分を分離した後の蒸気S1を導出口14から導出する流路15を有する流路群16が形成される。なお、図3は第1の湿分分離ユニット10Aを図示したものであるが、後述する他の湿分分離ユニット10B〜10Gについても同様に構成される。
図4は、図3に示される湿分分離ユニット10A(10B〜10G)のI−I線に沿う方向における断面図(以下、I−I線に沿う方向における断面図を単に「横断面図」と称する。)である。
第1の湿分分離ユニット10Aでは、複数のベーン12(12A,12B)を行列状に配置して屈曲した流路15を複数有する流路群16が形成される。なお、以下の説明では、ベーン12の行列を説明するにあたり、最上行から第m行目(縦方向)に配置されたベーン12を単に「第m行のベーン12」と称し、導入口13の側から第n列目(横方向)に配置されたベーン12を単に「第n列のベーン12」と称する。また、ベーン12の行列によって形成される流路15を説明するにあたり、第m行と第m+1行のベーン12によって形成される導入口13から導出口14までの流路15を単に「第m行の流路15」と称し、第n列のベーン12によって形成される流路15の一部区間を単に「第n列の区間」と称する。
ベーン12Aは、導入口13および導出口14に最も近接する一列を除いた列に配置されるベーン(以下、「ノーマルベーン」と称する。)であり、ベーン12Bは、導入口13および導出口14に最も近接する一列に配置されるベーン(以下、「ガイド付ベーン」と称する。)である。
例えば、図4に示される湿分分離ユニット10Aでは、3行(縦方向)×4列(横方向)=12枚のベーン12がマトリクス状に配置され、端部に配置される(左右両端の2列に対して3行ずつ配置される)6枚はガイド付ベーン12B、残り(左から第2,3列に対して3行ずつ配置される)6枚はノーマルベーン12Aである。
ノーマルベーン12Aは、図3に示されるI−I線に沿う方向(ノーマルベーン12Aの軸に対して垂直方向)における断面の形状(以下、単に「横断面形状」と称する。)が略V字型に形成されたベーン本体21Aと、蒸気(水と蒸気の二相流)から水を慣性分離して捕集するポケット22を形成するポケット部材23とを備える。また、ガイド付ベーン12Bは、ノーマルベーン12Aに対して、ベーン本体21Aの代わりに、蒸気を導入口13および導出口14へ案内するガイド24がベーン本体21Aの端部に設けられたベーン本体21Bを備える。
ポケット部材23は、ベーン本体21と同様に横断面形状(図3に示されるI−I線に沿う方向における断面の形状)が、例えば、略V字型等の直線を少なくとも1回以上曲折させて具現される形状に形成され、ポケット部材23とベーン本体21A,21Bとによって形成されるポケット22の入口が蒸気の流れ方向に対して上流側を向くように、ベーン本体21A,21Bに取り付けられる。すなわち、ポケット部材23は、ベーン本体21A,21Bと相俟ってポケット22を有するノーマルベーン12Aおよびガイド付ベーン12Bを構成する。
第1の湿分分離ユニット10Aでは、蒸気を導入口13から導出口14へ導く流路幅2dの流路15を複数有する流路群16が形成され、隣接する列のベーン12が、蒸気の流動方向(導入口13と導出口14とを結ぶ方向)に対して垂直方向にずらして配置される。例えば、図4に示される第1の湿分分離ユニット10Aでは、第1列のガイド付ベーン12Bと、第3列のノーマルベーン12Aに対して、第2列のノーマルベーン12Aおよび第4列のガイド付ベーン12Bは上方向に流路幅2dの半分に相当する距離(半ピッチ)dずらして配置される。
このように構成された第1の湿分分離ユニット10Aでは、流入した蒸気と水の二相流が、導入口13から第1列の区間に導かれた後、第1列の区間と第2列の区間との間で二つの隣接する流路15に分配される一方、第2列の区間では、第1列の区間に形成される二つの隣接する流路15からの二相流が合流する。以降の列においても、第1−2列間と同様に、分配と合流を繰り返し、導入口13から流入した蒸気と水の二相流は、最終的に最終列の区間から導出口14へと導かれる。
例えば、図4に示される第1の湿分分離ユニット10Aの場合、第2行の流路15に流入した蒸気と水の二相流は、導入口13から第1列の区間に導かれた後、第1列の区間と第2列の区間との間で第2行の流路15および第3行の流路15の二つに分配される一方、第2列の区間では、第1列の区間に形成される第2行の流路15および第3行の流路15の二つから二相流が合流する。以降の列においても、第1−2列間と同様に、分配と合流を繰り返し、導入口13から流入した蒸気と水の二相流は、最終的に最終列の区間から導出口14へと導かれる。また、各列のベーン12が有するポケット22は、その入口が蒸気の流れ方向に対して上流側を向いており、導入口13から導入された蒸気が蛇行する流路15を流動することによって蒸気に含まれる水が慣性分離されて捕集される。
本実施の形態によれば、第1の湿分分離ユニット10Aへの流れが偏流しているために局所的にブレイクスルー流速より大きい流速で導入口13から各流路15へ流入した場合であっても、第2列目以降の各区間で隣接する流路15に流れが分配されるため、下流に向かって流速が平均化される。すなわち、第1の湿分分離ユニット10Aは、導入口13から流路15に導入された蒸気が同じ流路15の導出口14からそのまま導出されるのではなく、連続する区間の間において、少なくともその一部が他の流路15へ移動可能に構成されるため、蒸気の流れに偏りがあってもその偏りを是正することができる。
故に、第1の湿分分離ユニット10Aおよび第1の湿分分離ユニット10Aを備える湿分分離装置70では流入分布に対して湿分除去のロバスト性を向上させることができる。
なお、図4に示される第1の湿分分離ユニット10Aでは、重力方向が図4の紙面における表から裏方向の場合を説明しているが、裏から表方向であっても良い。この点は後述する図5〜図8に示される湿分分離ユニット10B,10C,10D,10Eについても同様である。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る湿分分離ユニットは、本発明の第1の実施形態に係る湿分分離ユニットに対して、流路15の構成、すなわち、ベーン12の形状および配置の観点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
本発明の第2の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第2の湿分分離ユニット10Bは、例えば、図3に示される第1の湿分分離ユニット10Aと同様に構成される。すなわち、図3に示される符号10Aを10Bと読み替えれば、読み替え後の図3は第2の湿分分離ユニット10Bの構成を概略的に示した構成図となる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第2の湿分分離ユニット10Bの横断面図である。
第2の湿分分離ユニット10Bは、第1の湿分分離ユニット10Aに対して、第2列のノーマルベーン12Aと第4列のガイド付ベーン12Bの代わりに、第2列にノーマルベーン12Cと、第4列にガイド付ベーン12Dとを備える点で相違する。すなわち、本発明の第2の実施形態に係る湿分分離ユニットは、第1列にガイド付ベーン12Bを、偶数列にガイド付ベーン12Cを、第1列を除く奇数列にノーマルベーン12Aを、最終列にガイド付ベーン12B(最終列が奇数列の場合)またはガイド付ベーン12D(最終列が偶数列の場合)を行列状に配置して構成される。
ノーマルベーン12Cは、ベーン本体21Aと、ポケット部材23とを備える点ではノーマルベーン12Aと同様であるが、ノーマルベーン12Aとはベーン本体21Aの方向が異なる。ノーマルベーン12Aでは、導入口13を左に、導出口14を右に見る方向に対して、ベーン本体21Aの曲折点が上側になるのに対して、ノーマルベーン12Cでは、ベーン本体21Aの曲折点が下側になる。すなわち、ノーマルベーン12Aとノーマルベーン12Cとでは曲折方向(突出方向)が逆方向になる。
また、ノーマルベーン12Aおよびノーマルベーン12Cの両方とも、ポケット22の入口が蒸気の流れ方向に対して上流側を向くようにポケット部材23がベーン本体21Aに取り付けられるため、ノーマルベーン12Aではベーン本体21AのV字の外面にポケット部材23が取り付けられるのに対して(例えば、図5に示される第3列のノーマルベーン12A等参照)、ノーマルベーン12Cではベーン本体21AのV字の内面にポケット部材23が取り付けられる(例えば、図5に示される第2列のノーマルベーン12C等参照)。
ガイド付ベーン12Dは、ノーマルベーン12Cの終端にガイド24が設置されたものであり、ガイド付ベーン12Bのノーマルベーン12Aに相当する構成要素をノーマルベーン12Cに相当する構成要素に置き換えたものである。すなわち、ベーン本体21Aの曲折点が下側になる。
このように構成された第2の湿分分離ユニット10Bでは、流入した蒸気と水の二相流が、導入口13から第1列の区間に導かれた後、第1列の区間と第2列の区間との間で二つの隣接する流路15に分配される一方、第2列の区間では、第1列の区間に形成される二つの隣接する流路15からの二相流が合流する。以降の列においても、第1−2列間と同様に、分配と合流を繰り返し、導入口13から流入した蒸気と水の二相流は、最終的に最終列の区間から導出口14へと導かれる。
例えば、図5に示される第2の湿分分離ユニット10Bの場合、第2行の流路15に流入した蒸気と水の二相流は、導入口13から第1列の区間に導かれた後、第1列の区間と第2列の区間との間で第2行の流路15および第3行の流路15の二つに分配される一方、第2列の区間では、第1列の区間に形成される第2行の流路15および第3行の流路15の二つから二相流が合流する。以降の列においても、第1−2列間と同様に、分配と合流を繰り返し、導入口13から流入した蒸気と水の二相流は、最終的に最終列の区間から導出口14へと導かれる。また、各列のベーン12が有するポケット22は、その入口が蒸気の流れ方向に対して上流側を向いており、導入口13から導入された蒸気が蛇行する流路15を流動することによって蒸気に含まれる水が慣性分離されて捕集される。
また、第2の湿分分離ユニット10Bでは、前列の二つの区間からその次列の一つの区間に蒸気が合流する際、前列の一の区間から蒸気が流入する方向と前列の他の区間から蒸気が流入する方向とが同じ方向となることから衝突することなく同じ方向に流れる。この結果、第2の湿分分離ユニット10Bは、第1の湿分分離ユニット10Aと同様の効果に加えて、圧損増加を抑制する効果も奏する。
本実施の形態によれば、第2の湿分分離ユニット10Bへの流れが偏流しているために局所的にブレイクスルー流速より大きい流速で導入口13から各流路15へ流入した場合であっても、2列目以降の各区間で隣接する流路15に流れが分配されるため、下流に向かって流速が平均化される。また、一の箇所で分配された蒸気が他の箇所で分配された蒸気と合流する際においても、蒸気の流れが同じ方向になるので、衝突することなく後列の区間へ流入させて合流させることができる。
第2の湿分分離ユニット10Bおよび第2の湿分分離ユニット10Bを備える湿分分離装置70では、第1の湿分分離ユニット10Aと同様に、流入分布に対して湿分除去のロバスト性を向上させることができることに加え、さらに、分配された蒸気同士による合流時の衝突を抑制できるので、第2の湿分分離ユニット10B内での圧損増加を抑制することができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る湿分分離ユニットは、本発明の第1,2の実施形態に係る湿分分離ユニットに対して、流路15の構成、すなわち、ベーン12の形状および配置の観点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
本発明の第3の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第3の湿分分離ユニット10Cは、例えば、図3に示される第1の湿分分離ユニット10Aと同様に構成される。すなわち、図3に示される符号10Aを10Cと読み替えれば、読み替え後の図3は第3の湿分分離ユニット10Cの構成を概略的に示した構成図となる。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第3の湿分分離ユニット10Cの横断面図である。
第3の湿分分離ユニット10Cは、第2の湿分分離ユニット10Bと比較すると、第2列以降のベーン12を設置する位置関係が相違する。より詳細に説明すれば、ベーン12の始端位置が、前列のベーン12の終端位置よりも蒸気の流れ方向(図6に示される左から右の方向)に対して上流側となるように配置されており、流路15の各区間において終端位置よりも手前(上流側)の位置で蒸気を分流させる。換言すれば、各流路15は、隣り合う前後の列において一部区間が重複する。
各列のベーン12の始端位置を結ぶ直線が、前列のベーン12の終端位置を結ぶ直線よりも蒸気の流れ方向(図6に示される左から右の方向)に対して上流側に配置される第3の湿分分離ユニット10Cでは、各ベーン12の始端位置が前列のベーン12の終端位置を結ぶ直線が、前列のベーン12の終端位置を結ぶ直線と一致する第2の湿分分離ユニット10Bに対して、同じ列数の場合、流路15の流れ方向の長さ(以下、「全長」と称する。)が短くなり、全体としてコンパクトな構成となる。
本実施の形態によれば、第3の湿分分離ユニット10Cへの流れが偏流しているために局所的にブレイクスルー流速より大きい流速で導入口13から各流路15へ流入した場合であっても、2列目以降の各区間で隣接する流路15に流れが分配されるため、下流に向かって流速が平均化される。また、一の箇所で分配された蒸気が他の箇所で分配された蒸気と合流する際においても、蒸気の流れが同じ方向になるので、衝突することなく後列の区間へ流入させて合流させることができる。さらに、同じ列数の場合、全長が短くなり、第1,2の湿分分離ユニット10A,10Bと比較してコンパクトな構成となる。
第3の湿分分離ユニット10Cおよび第3の湿分分離ユニット10Cを備える湿分分離装置70では、第2の湿分分離ユニット10Bと同様に、流入分布に対して湿分除去のロバスト性を向上させることができることに加え、さらに、分配された蒸気同士による合流時の衝突を抑制できる。また、第1,2の湿分分離ユニット10A,10Bと比較して、湿分除去能力を維持しつつコンパクトな構成とすることができる。さらに、第1,2の湿分分離ユニット10A,10Bの全長と同じ全長で第3の湿分分離ユニット10Cを構成すれば、ベーン12の列数を増やすことができるため、サイズを大型化させることなく、湿分除去率を向上させることができる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る湿分分離ユニットは、本発明の第1の実施形態に係る湿分分離ユニットに対して、流路15の構成、すなわち、ベーン12の形状および配置の観点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
本発明の第4の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第4の湿分分離ユニット10Dは、例えば、図3に示される第1の湿分分離ユニット10Aと同様に構成される。すなわち、図3に示される符号10Aを10Dと読み替えれば、読み替え後の図3は第4の湿分分離ユニット10Dの構成を概略的に示した構成図となる。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第4の湿分分離ユニット10Dの横断面図である。
第4の湿分分離ユニット10Dは、第1の湿分分離ユニット10Aに対して、第2列のノーマルベーン12Aの代わりにノーマルベーン12Cを備える点と、第2列のノーマルベーン12Aとノーマルベーン12Cの数とが異なる点と、第3列のノーマルベーン12Aと第4列のガイド付ベーン12Dの代わりに第3列にガイド付ベーン12Fを備える点とで相違する。
ガイド付ベーン12Fは、横断面形状が略V字型に形成されたベーン本体21Aを備えるガイド付ベーン12B,12Dに対して、ベーン本体21Aの代わりに、ベーン本体21Aを二つの横方向に組み合わせて横断面形状を略W字(またはM字)型に形成したベーン本体31を備える点で相違する。
すなわち、ガイド付ベーン12Fは、略V字型に形成されるノーマルベーン12Aと、略V字型に形成されたノーマルベーン12Cの端部にガイド24を設けたガイド付ベーン12Dの曲折点)を同方向にそろえて一体化した略M字型(W字型)に形成され、ガイド付ベーン12Fによって形成される流路15の区間長さとしては、ノーマルベーン12A等の約二倍(二列分)の長さを有する。
このようなノーマルベーン12Cおよびガイド付ベーン12Fも組み合わせて構成される第4の湿分分離ユニット10Dでは、流路群16の幅を変更することなく流路15の一部区間で流路幅を変更することができるため、流路幅が変わる列と列との間の領域で流れを分配または合流させることができる。
例えば、図7に示される第4の湿分分離ユニット10Dでは、流路15の一部区間である第2列の区間において、配置するベーン12Cの数を他の区間のベーン12B,12Fよりも1個増やした4個(4行)とすることによって、他の区間である第1,3,4列の区間の流路幅d2よりも狭い流路幅d1としている。この結果、第4の湿分分離ユニット10Dの流路15では、第1列の区間と第2列の区間との間で流れが分配され、湿分除去のロバスト性を向上させることができる。
本実施の形態によれば、湿分分離ユニットへの流れが局所的にブレイクスルー流速より大きい流速で導入口13から各流路15へ流入した場合であっても、2列目以降の各区間で隣接する流路15に流れが分配されるため、下流に向かって流速が平均化される。従って、第4の湿分分離ユニット10Dおよび第4の湿分分離ユニット10Dを備える湿分分離装置70では、第1の湿分分離ユニット10Aと同様に、流入分布に対して湿分除去のロバスト性を向上させることができる。
なお、図7に示される第4の湿分分離ユニット10Dでは、第1,3,4列の区間の流路幅d2、第2列の区間の流路幅d1とすることによって、第1列の区間と第2列の区間との間で流れを分配させているが、第2列以外のベーン12の個数を変更することによって第1列の区間と第2列の区間との間以外の領域においても流れを分配させることもできる。この場合、第1列の区間と第2列の区間との間のみで流れを分配させる場合よりも、更なる湿分除去のロバスト性向上が期待できる。
また、図7に示される第4の湿分分離ユニット10Dでは、流路15の終端側にガイド付ベーン12Fを適用した例を示したが、個別にノーマルベーン12Aと、ガイド付ベーン12Dとを用いてガイド付ベーン12Fと同様の構成を実現しても良い。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態に係る湿分分離ユニットは、本発明の第1の実施形態に係る湿分分離ユニットに対して、流路15の構成、すなわち、ベーン12の形状および配置の観点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
本発明の第5の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第5の湿分分離ユニット10Eは、例えば、図3に示される第1の湿分分離ユニット10Aと同様に構成される。すなわち、図3に示される符号10Aを10Eと読み替えれば、読み替え後の図3は第5の湿分分離ユニット10Eの構成を概略的に示した構成図となる。
図8は、本発明の第5の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第5の湿分分離ユニット10Eの横断面図である。
第5の湿分分離ユニット10Eは、第1の湿分分離ユニット10Aに対して、第1列のガイド付ベーン12Bおよび第2列のノーマルベーン12Aと、第3列のノーマルベーン12Aおよび第4列のガイド付ベーン12Bとの代わりに、ガイド付ベーン12Gを備える点で相違する。
ガイド付ベーン12Gは、横断面形状を略W字(またはM字)状に形成したベーン本体31と、蒸気から水を慣性分離して捕集するポケット32aを形成するポケット部材33とを備える。
ポケット32aは、ベーン本体31とポケット部材33とを壁面とする水捕集領域であり、その横断面形状(図3に示されるI−I線に沿う方向における断面の形状)は、三角形の一辺を開口部とする略三角形状に構成される。ポケット32aは、蒸気の流れ方向に対して上流側を向くように設けられる。
ポケット部材33は、ポケット部材23と同様に一箇所曲折した板状の部材であり、入口(開口部)が蒸気の流れ方向に対して上流側を向くようにベーン本体31に取り付けられる。すなわち、ポケット部材33は、ベーン本体31と相俟って上流側に開口したポケット32aを有するガイド付ベーン12Gを構成する。
例えば、図8に示されるガイド付ベーン12Gでは、横断面形状が略W字型に形成されたベーン本体31のWの直線部分に、三つのポケット部材33を取り付けることによって、三つのポケット32aが設けられる。このポケット32aは、ガイド付ベーン12Gを同じ列に配置した際に隣接する二つのガイド付ベーン12Gによって形成される流路15の区間において、蒸気が蛇行する際の外側となる位置に蒸気の流れ方向に対して上流側を開口させて設けられる。
第5の湿分分離ユニット10Eでは、第1の湿分分離ユニット10Aと同様に、蒸気を導入口13から導出口14へ導く流路幅2dの流路15を複数有する流路群16が形成され、隣接する列のガイド付ベーン12Gが、蒸気の流動方向に対して垂直方向に流路幅2dの半分に相当する距離(半ピッチ)dずらして配置される。例えば、図8に示される第5の湿分分離ユニット10Eでは、第1列のガイド付ベーン12Gに対して、第2列のガイド付ベーン12Gは、下方向に半ピッチdずらして配置される。
このように構成された第5の湿分分離ユニット10Eでは、第1の湿分分離ユニット10Aと同様の現象が生じる。すなわち、第5の湿分分離ユニット10Eに流入した蒸気と水の二相流が、導入口13から第1列の区間に導かれた後、第1列の区間と第2列の区間との間で二つの隣接する流路15に分配される一方、第2列の区間では、第1列の区間に形成される二つの隣接する流路15からの二相流が合流する。
また、ポケット32aの横断面の形状が略三角形状としたことによって、横断面の形状が略三角形状でない従来または第1〜第4の湿分分離ユニット10A〜10Dと比較して、ポケット32aによる流路15の縮流が緩和される。
本実施の形態によれば、第5の湿分分離ユニット10Eへの流れが偏流しているために局所的にブレイクスルー流速より大きい流速で導入口13から各流路15へ流入した場合であっても、2列目以降の各区間で隣接する流路15に流れが分配されるため、下流に向かって流速が平均化される。従って、第5の湿分分離ユニット10Eおよび第5の湿分分離ユニット10Eを備える湿分分離装置70では流入分布に対して湿分除去のロバスト性を向上させることができる。
また、第5の湿分分離ユニット10Eおよび第5の湿分分離ユニット10Eを備える湿分分離装置70は、ポケット32aの横断面の形状が略三角形状であるため、横断面の形状が略三角形状でない従来または第1〜第4の湿分分離ユニット10A〜10Dと比較して、ポケット32aによる流路15の縮流を緩和することができる。
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態に係る湿分分離ユニットは、本発明の第5の実施形態に係る湿分分離ユニットに対して、流路15の構成、すなわち、ベーン12の形状および配置の観点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
本発明の第6の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第6の湿分分離ユニット10Fは、例えば、図3に示される第1の湿分分離ユニット10Aと同様に構成される。すなわち、図3に示される符号10Aを10Fと読み替えれば、読み替え後の図3は第6の湿分分離ユニット10Fの構成を概略的に示した構成図となる。
図9は、本発明の第6の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第6の湿分分離ユニット10Fの横断面図である。
第6の湿分分離ユニット10Fは、第5の湿分分離ユニット10Eに対して、流路15を構成する方向と、ガイド付ベーン12Gの代わりにガイド付ベーン12H,12Iを備える点で相違する。
ガイド付ベーン12H,12Iは、横断面形状を略W字(またはM字)状に形成したベーン本体31と、蒸気から水を慣性分離して捕集するポケット32bを形成するポケット部材33とを備える。
ポケット32bは、ポケット32aと同様にベーン本体31とポケット部材33とを壁面とする横断面形状が略三角形状に構成された水捕集領域であり、ガイド付ベーン12Hを同じ列に配置した際に隣接する二つのガイド付ベーン12Hによって形成される流路15の区間において、蒸気が蛇行する際の外側となる位置に設けられる点で共通するが、ポケット32bが開口する方向は、蒸気の流れ方向に対して下流側(天井側)であり、蒸気の流れ方向に対して上流側を向くポケット32aの開口方向と異なる。
このようなガイド付ベーン12H,12Iを立設して構成される第6の湿分分離ユニット10Fでは、蒸気を導入口13から導出口14へ導く流路幅2dの流路15を複数有する流路群16が形成され、隣接する列のガイド付ベーン12H,12Iが、蒸気の流動方向に対して垂直方向に流路幅2dの半分に相当する距離(半ピッチ)dずらして配置される。
また、第6の湿分分離ユニット10Fは、流路15を構成する方向、すなわち、重力方向が、第1〜第5の湿分分離ユニット10A〜10Eの重力方向とは相違する。具体的には、第6の湿分分離ユニット10Fの重力方向は、図9に示されるように、紙面における左右方向となるが、第1〜第5の湿分分離ユニット10A〜10Eの重力方向は、図4〜図8に示されるように、紙面の表裏方向である。
また、ガイド付ベーン12Hは、ガイド付ベーン12Iに対してベーン本体31の下流(終端)側に返し部34をさらに設けて構成される。返し部34を設けることによって、返し部34の壁面に付着した水滴が重力落下する際に地面側に設けられ天井側を向いて開口するポケット32bで捕集することができ、水滴捕集(湿分分離)効果を高めることができる。
例えば、図9に示される第6の湿分分離ユニット10Fでは、第1列にガイド付ベーン12Hが、第2列(最終列)にはガイド付ベーン12Iが設けられ、蒸気を地面側に設けられた導入口13から天井側に設けられた導出口14へ導くように構成される。また、ポケット32bは、蒸気の流れ方向に対して下流側(天井側)を開口させて設けられる。
このように構成された第6の湿分分離ユニット10Fでは、第5の湿分分離ユニット10Eと同様の現象が生じる。すなわち、第6の湿分分離ユニット10Fに流入した蒸気と水の二相流が、導入口13から第1列の区間に導かれた後、第1列の区間と第2列の区間との間で二つの隣接する流路15に分配される一方、第2列の区間では、第1列の区間に形成される二つの隣接する流路15からの二相流が合流する。また、従来または第1〜第4の湿分分離ユニット10A〜10Dと比較して、ポケット32bによる流路15の縮流が緩和される。
さらに、蒸気の流れ方向を重力が作用する方向と逆方向とし、ポケット32bを天井側に開口させて設けているため、下流側に向いて開口したポケット32bにはベーン本体31および返し部34の壁面に付着した水滴を重力落下により捕集することができる。
本実施の形態によれば、第5の湿分分離ユニット10Eおよび第5の湿分分離ユニット10Eを備える湿分分離装置70と同様の効果を奏することができる。すなわち、第6の湿分分離ユニット10Fおよび第6の湿分分離ユニット10Fを備える湿分分離装置70では流入分布に対して湿分除去のロバスト性を向上させることができ、かつ、従来または第1〜第4の湿分分離ユニット10A〜10Dと比較して、ポケット32bによる流路15の縮流を緩和することができる。
なお、本実施の形態で説明した第6の湿分分離ユニット10Fは、上述したとおり重力方向が第1〜第5の湿分分離ユニット10A〜10Eとは異なり、ベーン12を水平方向に挟持する構成となる。従って、蒸気乾燥器70Aに適用する場合は、図1に示した構成と異なり、第6の湿分分離ユニット10Fの下方から被加熱蒸気S0が流入し、被加熱蒸気S1が第6の湿分分離ユニット10Fの上方へ抜けて高圧タービンに導かれ、第6の湿分分離ユニット10Fで捕集された水は側面から蒸気乾燥器70Aの外部へ排出される構成となる。
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態に係る湿分分離ユニットは、本発明の第6の実施形態に係る湿分分離ユニットに対して、流路15の方向、すなわち、ベーン12の配置方向の観点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
本発明の第7の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第7の湿分分離ユニット10Gは、例えば、図3に示される第1の湿分分離ユニット10Aと同様に構成される。すなわち、図3に示される符号10Aを10Gと読み替えれば、読み替え後の図3は第7の湿分分離ユニット10Gの構成を概略的に示した構成図となる。
図10は、本発明の第7の実施形態に係る湿分分離ユニットの一例である第7の湿分分離ユニット10Gの横断面図である。
第7の湿分分離ユニット10Gは、第6の湿分分離ユニット10Fに対して、流路15を構成する方向と、ガイド付ベーン12H,12Iの代わりに、ガイド付ベーン12J,12Kを備える点で相違する。すなわち、第7の湿分分離ユニット10Gでは、蒸気を導入口13から導出口14へ導く流路幅2dの流路15を複数有する流路群16が形成され、隣接する列のガイド付ベーン12J,12Kが、蒸気の流動方向に対して垂直方向に流路幅2dの半分に相当する距離(半ピッチ)dずらして配置される。
また、第7の湿分分離ユニット10Gは、流路15を構成する方向、すなわち、重力方向が、第1〜第5の湿分分離ユニット10A〜10Eや第6の湿分分離ユニット10Fの重力方向とは相違する。具体的には、第7の湿分分離ユニット10Gの重力方向は、図10に示されるように、紙面における上下方向となる。
ガイド付ベーン12Jは、ベーン本体31のWの直線部分にポケット部材33を取り付けるとともに、ベーン本体31の下流(終端)側に返し部34をさらに設けて構成される点でガイド付ベーン12Hと共通するが、蒸気の流れ方向に対して上流側に開口させたポケット32aと、蒸気の流れ方向に対して下流側に開口させたポケット32bとを有するようにポケット部材33を取り付ける点で相違する。
また、ガイド付ベーン12Kは、ベーン本体31のWの直線部分に、蒸気の流れ方向に対して上流側に開口させたポケット32aと、蒸気の流れ方向に対して下流側に開口させたポケット32bとを有するようにポケット部材33を取り付けて構成される。
このようなガイド付ベーン12H,12Iを立設して構成される第7の湿分分離ユニット10Gでは、蒸気を導入口13から導出口14へ導く流路幅2dの流路15を複数有する流路群16が形成され、隣接する列のガイド付ベーン12J,12Kが、蒸気の流動方向に対して垂直方向に流路幅2dの半分に相当する距離(半ピッチ)dずらして配置される。
また、第7の湿分分離ユニット10Gは、流路15を構成する方向、すなわち、重力方向が、第1〜第5の湿分分離ユニット10A〜10Eや第6の湿分分離ユニット10Fの重力方向とは相違する。具体的には、第7の湿分分離ユニット10Gは、図10に示されるように、紙面における上下方向となる。
さらに、第7の湿分分離ユニット10Gでは、蒸気の流動方向に対して上流側に開口したポケット32aが天井側(図10に示される上側)を向くことになるので、壁面に付着した液膜をポケット32aで直接捕集することができるとともに、蒸気の流動方向に対して下流側に開口したポケット32bが地面側(図10に示される下側)になるので、壁面に付着し重力で溜まった液膜をポケット32bで捕集することができる。
本実施の形態によれば、第5の湿分分離ユニット10Eおよび第5の湿分分離ユニット10Eを備える湿分分離装置70と同様の効果を奏することができる。すなわち、第7の湿分分離ユニット10Gおよび第7の湿分分離ユニット10Gを備える湿分分離装置70では、流入分布に対して湿分除去のロバスト性を向上させることができ、かつ、従来または第1〜第4の湿分分離ユニット10A〜10Dと比較して、ポケット32a,32bによる流路15の縮流を緩和することができる。
以上、本発明の実施形態に係る湿分分離ユニットおよび湿分分離ユニットを備える湿分分離装置によれば、従来の湿分分離ユニットおよび当該湿分分離ユニットを備える湿分分離ユニットよりも流入分布に対して湿分除去のロバスト性を向上させることができる。
以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、図4に示される第1の湿分分離ユニット10Aでは、ガイド24をノーマルベーン12Aの一端に設けたガイド付ベーン12Bを備える場合を説明しているが、第1の湿分分離ユニット10Aでは必ずしもガイド24とノーマルベーン12Aとが一体的に構成されている必要はなく、ガイド24とノーマルベーン12Aとが一体的に構成されるガイド付ベーン12Bの代わりに、ガイド24とノーマルベーン12Aとを個別に配置した構成を採用することもできる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。