JP4728164B2 - 多彩模様塗膜形成方法、多彩模様塗装物品及び多彩模様塗装物品の補修塗装方法 - Google Patents

多彩模様塗膜形成方法、多彩模様塗装物品及び多彩模様塗装物品の補修塗装方法 Download PDF

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Description

本発明は、多彩模様塗料を用いた多彩模様塗膜形成方法、多彩模様塗装物品及び多彩模様塗装物品の補修塗装方法に関する。
分散媒体中に粒状ゲルを安定に分散させた塗料として例えば多彩模様塗料が良く知られている。多彩模様塗料とは1回の塗装で、2色以上の多彩な模様が得られる塗料であり、主として建築物等の内外装面に使用されている。
多彩模様塗料として特許文献1には、アクリル系モノマーを少なくとも20重量%以上含有するモノマー混合物を共重合してなる、重量平均分子量20,000〜200,000で酸価2以下の共重合体、着色剤及び有機溶剤を主成分とする組成物を混合分散してエナメルとし、これを水系分散媒に分散してなるエナメル分散粒子を1種以上含有する多彩模様塗料組成物が開示されている。この多彩模様塗料組成物は、エナメル分散粒子の安定性が良好で、それから形成される多彩模様塗膜は、多彩な意匠感を有し、耐候性や耐水性に優れているが、該塗料はエナメル分散粒子の融着により膜の成膜が行われるので、塗膜の透水量が比較的多い傾向にあって防水性が不十分であるという問題点がある。
多彩模様塗料を用いた防水性が良好な塗装仕様として例えば特許文献2には、着色艶消し下塗り塗料によって下塗り層を形成させた後、反応性官能基を有する水性樹脂、着色顔料、水、及び水存在下で反応可能な反応性化合物に由来するゲル化物である着色ゲル粒子を、透明艶消し塗料中に分散してなる上塗り塗料を塗装する塗装方法が開示されている。この塗装方法を用いれば、多彩で平滑な塗膜面が得られるが、該上塗り塗料は、水溶性成分が多いことに起因し耐水性や耐候性が不十分であるため、外装用途に適用したり、金属面に対して塗装するには不向きな場合がある。
特開平09−100426号公報 特開2005−13888号公報
本発明の目的は、金属面に対して、防食性に優れ且つ多彩な意匠性に優れた保護塗膜を形成するのに適する多彩模様塗膜形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、金属面に対して、特定の下塗塗料を塗装した後、着色塗料粒子と塗膜形成成分を特定割合で含有する特定の水性多彩模様塗料を塗装することで、防食性、意匠性に優れた保護塗膜を形成することができることを見出し、本発明に到達した。即ち本発明は、
1. 金属基材表面又は金属基材上の旧塗装面に、防錆顔料を含有する下塗り塗料(I)を塗装し、該塗面上に、水性多彩模様塗料(II)を塗装する多彩模様塗膜形成方法であって、該水性多彩模様塗料(II)が、着色塗料粒子(A)及び塗膜形成成分(B)を、着色塗料粒子(A)/塗膜形成成分(B)の固形分質量比で、1/99〜60/40の範囲内で含み、反応性官能基(x)を含有する水性樹脂(a)及び着色剤(b)を含んでなる着色塗料粒子(A)並びに反応性官能基(x)と反応し得る反応性官能基(y)を含有する塗膜形成成分(B)を含んでなるものであることを特徴とする多彩模様塗膜形成方法、
2. 金属基材表面又は金属基材上の旧塗装面に、防錆顔料を含有する下塗り塗料(I)を塗装し、該下塗り塗面上に中塗り塗料を塗装し、該中塗り塗面上に、水性多彩模様塗料(II)を塗装する多彩模様塗膜形成方法であって、該水性多彩模様塗料(II)が、着色塗料粒子(A)及び塗膜形成成分(B)を、着色塗料粒子(A)/塗膜形成成分(B)の固形分質量比で、1/99〜60/40の範囲内で含み、反応性官能基(x)を含有する水性樹脂(a)及び着色剤(b)を含んでなる着色塗料粒子(A)並びに反応性官能基(x)と反応し得る反応性官能基(y)を含有する塗膜形成成分(B)を含んでなるものであることを特徴とする多彩模様塗膜形成方法、
3. 下塗り塗料(I)により形成される下塗塗膜と水性多彩模様塗料(II)により形成される多彩模様塗膜との明度差ΔLが、−20〜+20の範囲内であることを特徴とする1項に記載の多彩模様塗膜形成方法、
4. 中塗り塗料により形成される中塗り塗膜と、水性多彩模様模様塗料(II)により形成される多彩模様塗膜との明度差ΔLが、−20〜+20の範囲内であることを特徴とする2項に記載の多彩模様塗膜形成方法、
5. 着色塗料粒子(A)が、水性樹脂(a)、着色剤(b)及び水溶性多糖類を含む水性塗料組成物を、水溶性多糖類と水不溶性もしくは難溶性の塩を形成し得る一価又は多価の金属イオンを含有する水性媒体と接触させることにより得られるものである1項ないし4項のいずれか1項に記載の多彩模様塗膜形成方法、
6. 金属イオンの供給源となる金属化合物が、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である5項に記載の多彩模様塗膜形成方法、
7. 1項ないし6項のいずれか1項に記載の方法により得られる多彩模様塗装物品、
8. 7項に記載の多彩模様塗装物品に、下塗り塗膜又は中塗り塗膜との明度差ΔLが−20〜+20の範囲内である多彩模様塗膜を形成する多彩模様塗料を塗装することを特徴とする多彩模様塗装物品の補修塗装方法、
に関する。
本発明方法に用いられる水性多彩模様塗料は、着色塗料粒子に塗膜形成成分を特定量併用しているので防水性が良好な多彩模様塗膜を形成でき、防錆顔料を含有する水性下塗塗料により形成される下塗塗膜とを組み合わせることで、多彩な意匠性を付与させるとともに防食性に優れた保護塗膜を形成することができるので、金属面の美観を長期に渡って維持することができる。
本発明の方法を適用することができる基材表面としては、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属基材表面、該金属基材上に設けられたアクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコンアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、生分解性樹脂などの塗料による旧塗装面が挙げられる(以下、これらを総称して「金属基材表面」という)。
本発明の方法において、水性下塗り塗料(I)は、金属基材表面と後述の水性多彩模様塗料(II)による多彩模様塗膜の間に膜を設けることによって隠蔽性を与え、また、金属基材表面に水等が接触することを抑制し、金属基材表面の腐食及び錆のブリードを抑制するなどの目的で塗装されるものであり、防錆顔料を含有することを特徴とする。
かかる防錆顔料としては、それ自体既知のものを制限なく使用することができ、その具体例としては、例えば、リン酸亜鉛、リン・ケイ酸亜鉛、リン酸アルミニウム亜鉛、リン酸カルシウム亜鉛、リン酸カルシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸カルシウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸カルシウム、酸化亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
該防錆顔料の使用量は、下塗り塗料(I)における顔料体積濃度(以下、「PVC」という。)が1〜30%、好ましくは5〜25%の範囲内であることが好適である。
本明細書において顔料体積濃度は、塗料中の全樹脂分と全顔料との合計固形分に占めるその顔料分の体積割合である。本明細書において、顔料の体積を算出する際のもとになる顔料の比重は「塗料原料便覧第6版」(社団法人日本塗料工業会)によるものであり、また、樹脂固形分の比重は1と近似するものとする。
上記水性下塗り塗料(I)における基体樹脂成分としては、塗料用としてそれ自体既知の各種樹脂を使用でき、水系、溶剤系を問わず、金属基材表面の種類や状態などに応じて適宜選択することができる。
その具体例としては、例えば、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、脂肪酸変性アクリル樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、生分解性樹脂等を挙げることができ、耐水性や耐薬品性等を向上させる目的で、架橋剤を併用してもよい。本発明においては、環境への配慮の点から、特に水系の樹脂を使用することが好適である。
また、下塗り塗料(I)を金属基材表面に塗装した場合に、金属基材表面の錆が塗膜表面にブリードして点錆などを発生(フラッシュラスト)させるのを防止するために、本発明ではフラッシュラスト抑止剤を必要に応じて配合することができる。該フラッシュラスト抑止剤としては、水性系における腐食を抑制するものであれば特に制限なく使用でき、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸アンモニウムなどの亜硝酸塩;フィチン酸ナトリウム、フィチン酸カリウムなどのフィチン酸塩;アルキルリン酸、ポリリン酸などのリン酸誘導体;タンニン酸塩;N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、及びこれらのアルカリ金属塩などのポリアミン系キレート剤;4−メチル−γ−オキソ−ベンゼンブタン酸とN−エチルモルフォリンの付加反応物;モノアルキルアミンやポリアミン、第四級アンモニウムイオンなどをトリポリリン酸二水素アルミニウムなどの層状リン酸塩にインターカレートしてなる層間化合物;ヒドラジド化合物、セミカルバジド化合物、ヒドラゾン化合物などのヒドラジン誘導体などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上併用して使用できる。
上記フラッシュラスト抑止剤の添加量は、下塗り塗料(I)の固形分中に0.01〜10質量%、好ましくは0.02〜5質量%の範囲内が適当である。
本発明方法において、下塗り塗料(I)により形成される下塗塗膜と後述の水性多彩模様塗料(II)により形成される多彩模様塗膜との明度差ΔLが、−20〜+20、好ましくは−15〜+15、さらに好ましくは−15〜+10の範囲であると、補修跡が目立ち難く、好適である。
ここで、明度差とは、JIS Z 8729で規定されたL、a、b表色系における塗膜表面の明度差を表し、ΔLは、[下塗り塗膜のL値−多彩模様塗膜のL値]で示される値である。
下塗り塗膜のL値は、ブリキ板に「ビニデラックス300白」(商品名、関西ペイント社製、水性アクリル樹脂つや消し塗料)をローラーで乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し、温度20℃、相対湿度60%の条件下、24時間乾燥させた板を被塗板とし、該被塗板上に、乾燥膜厚100μmとなるように下塗り塗料をスプレーで塗装した後、塗面が水平になるように静置し、温度20℃、相対湿度60%の条件下、48時間乾燥した後、「CR−300」(ミノルタ社製、色彩色差計)を使用し、塗面上を無作為に3箇所選び測定した値の平均値とする。
また、多彩模様塗膜のL値は、ブリキ板に「ビニデラックス300白」(水性アクリル樹脂つや消し塗料、関西ペイント社製)をローラーで乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し、温度20℃、相対湿度60%の条件下、24時間乾燥させた板を被塗板とし、該被塗板上に、乾燥膜厚500μmとなるように多彩模様塗料をスプレーで塗装した後、塗面が水平となるように静置し、温度20℃、相対湿度60%の条件下、48時間乾燥した後、「CR−300」(ミノルタ社製、色彩色差計)を使用し、塗面上を無作為に3箇所選び測定した値の平均値とする。
本発明においては、下塗り塗膜と多彩模様塗膜との明度差が上記範囲内になるように、下塗り塗料(I)に、適宜着色剤及び/又は体質顔料を含ませることができ、着色剤及び/又は体質顔料の種類及び組成等の選択によって、明度と共に艶有り塗膜から艶消し塗膜まで適宜調整することが可能である。
その使用量としては、目的とする明度並びに着色剤及び体質顔料の種類によって適宜調整できるが、一般に下塗り塗料(I)の樹脂固形分に対して1〜400質量%、特に5〜300質量%の範囲内とすることができる。
着色剤としては、顔料及び染料を使用することができる。着色顔料としては、例えば、ニ酸化チタン等の白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラックなどの黒色顔料;黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料;パーマネントオレンジ等の橙色顔料;赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネントレッド等の赤色顔料;コバルト紫、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料;コバルトブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルーなどの青色顔料;フタロシアニングリーンなどの緑色顔料などを挙げることができ、光輝性顔料としては、アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、リン化鉄、亜鉛粉等のメタリック顔料;金属酸化物コーティング雲母粉、マイカ状酸化鉄等の真珠光沢調顔料などを挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。上記白色顔料としての二酸化チタンには、平均粒子径が10〜80nmのマイクロチタンや光触媒活性を有するアナターゼ型二酸化チタン等の機能性二酸化チタンも包含される。
他方、染料としては、例えば、モノアゾ染料、ポリアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、スチルベンアゾ染料、チアゾールアゾ染料等のアゾ染料;アントラキノン誘導体、アントロン誘導体等のアントラキノ染料;インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体等のインジゴイド染料;フタロシアニン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料等のカルボニウム染料;アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料等のキノンイミン染料;ポリメチン(またはシアニン)染料、アジメチン染料等のメチン染料;キノリン染料;ニトロ染料;ニトロン染料;ベンゾキノン及びナフチキノン染料;ナフタルイミド染料;ペリノン染料等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
体質顔料としては例えば、バリタ粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、珪砂、石英粉等が挙げられる。
また、上記下塗り塗料(I)は、必要に応じて、金属ドライヤー、アルデヒド捕捉剤、顔料分散剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、触媒、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、難燃剤、pH調整剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、色別れ防止剤、消泡剤、吸着剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、など通常の塗料用添加剤の少なくとも1種を含有することができる。
上記下塗り塗料(I)の塗装は、それ自体既知の塗装手段を用いて行うことができ、例えば、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、コテなどの塗装器具を用いて行うことができる。
上記下塗り塗料(I)の塗布量は、適宜変えることができるが、通常1回あたり30〜1,000g/m2、好ましくは50〜500g/mの範囲内とすることができる。
形成塗膜の乾燥は、使用した塗料組成物の組成などに応じて、加熱乾燥、強制乾燥又は常温乾燥のいずれかの方法で行うことができる。
本発明方法においては、上記下塗り塗料(I)と着色塗料粒子(A)及び塗膜形成成分(B)を含む水性多彩模様塗料(II)との間に中塗り塗料が塗装されていてもよい。上記中塗り塗料としては、必要に応じて塗装されるものであり、下塗り塗料(I)及び水性多彩模様塗料(II)との付着性を向上させたり、水性多彩模様塗料(II)の色彩に応じて、塗装されるものである。上記中塗り塗料は、下塗り塗料(I)及び水性多彩模様塗料(II)以外の塗料であって、例えば、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、脂肪酸変性アクリル樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、生分解性樹脂等の樹脂種よりなる水系又は溶剤系の樹脂を樹脂バインダーとして含んでなる塗料を挙げることができ、水系の樹脂を含んでなる塗料を使用することが好ましい。
上記中塗り塗料としては、例えばJIS K 5663規格適合塗料などを例示することができる。
本発明においては上記中塗り塗料により形成される中塗り塗膜と、多彩模様塗料(II)により形成される多彩模様塗膜との明度差ΔLが、−20〜+20、好ましくは−15〜+15、さらに好ましくは−15〜+10の範囲であることが好適である。
ここで、明度差とは、JIS Z 8729で規定されたL、a、b表色系における塗膜表面の明度差を表し、ΔLは、[中塗り塗膜のL値−多彩模様塗膜のL値]で示される値である。
中塗り塗膜のL値は、ブリキ板に「ビニデラックス300白」(商品名、関西ペイント社製、水性アクリル樹脂つや消し塗料)をローラーで乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し、温度20℃、相対湿度60%の条件下、24時間乾燥させた板を被塗板とし、該被塗板上に、乾燥膜厚100μmとなるように中塗り塗料をスプレーで塗装した後、塗面が水平になるように静置し、温度20℃、相対湿度60%の条件下、48時間乾燥した後、「CR−300」(ミノルタ社製、色彩色差計)を使用し、塗面上を無作為に3箇所選び測定した値の平均値とする。
本発明においては、中塗り塗膜と多彩模様塗膜との明度差が上記範囲内になるように、中塗り塗料に、適宜着色剤及び/又は体質顔料を含ませることができる。
その使用量としては、目的とする明度並びに着色剤及び体質顔料の種類によって適宜調整できるが、一般に中塗り塗料の樹脂固形分に対して1〜500質量%、特に5〜350質量%の範囲内とすることができる。
また、この範囲内に調整することによって、中塗り塗膜の耐久性や、下塗り塗膜又は多彩模様塗膜との付着性が向上する効果もある。
中塗り塗料を塗装する場合、必要に応じて、2種以上の中塗り塗装を重ねて行うこともできる。
上記中塗り塗料の塗装は、それ自体既知の塗装手段を用いて行なうことができ、例えば、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、コテなどの塗装器具を用いて行うことができる。
上記中塗り塗料の塗布量は、適宜変えることができるが、通常1回あたり30〜2,000g/m2、好ましくは70〜1,000g/mの範囲内とすることができる。
形成塗膜の乾燥は、使用した塗料組成物の組成などに応じて、加熱乾燥、強制乾燥又は常温乾燥のいずれかの方法で行うことができる。
水性多彩模様塗料(II)
上記水性下塗り塗料(I)又は必要に応じて設けられる中塗り塗料の塗面上に塗装される水性多彩模様塗料(II)は、着色塗料粒子(A)及び塗膜形成成分(B)を含む塗料である。かかる構成により水性多彩模様塗料(II)により形成される多彩模様塗膜の透水量を低減させ、防水性を向上させることができ、上記下塗塗料(I)により形成される塗膜及び必要に応じて設けられる中塗り塗膜と共に、金属基材表面の防食性を向上させる効果がある。
また、着色塗料粒子(A)と塗膜形成成分(B)の配合割合は、着色塗料粒子(A)/塗膜形成成分(B)の固形分質量比で、1/99〜60/40であり、好ましくは10/90〜50/50、さらに好ましくは20/80〜45/55の範囲内にすることができる。
着色塗料粒子(A)が1部未満では意匠性が十分ではなく、60部を超えると多彩模様塗膜の透水量が多くなり、防水性が不十分となり、下塗り塗膜に水などが多く侵入し、好ましくない。
上記着色塗料粒子(A)としては、材料、製造方法など特に制限されるものではなく従来公知のものを使用できるが、例えば、水性樹脂(a)並びに着色剤(b)を含んでなる水性塗料組成物を多糖類金属塩ゲル中に内包してなるものであると、好適である。
上記水性塗料組成物に含まれる水性樹脂(a)は、着色塗料粒子(I)の耐久性に貢献するものであり、水に溶解又は分散可能な樹脂が使用される。その樹脂種には特に限定はなく、具体的には、例えば、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、これらの樹脂は、例えばウレタン変性アクリル樹脂のように変性されていてもよく、或いはグラフト重合されたものであってもよい。
上記水性樹脂(a)は、分散粒子の形態である場合には、単層状又はコア・シェル型等の多層状であることができる。また、水性樹脂(a)は、着色塗料粒子の製造安定性等の観点から、親水性基としてアニオン性基、例えばカルボキシル基を有する樹脂であることができ、この場合、該樹脂は中和されていてもよく、その際に使用し得る中和剤としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール等のアミン類及びアンモニア等を例示することができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
水性樹脂(a)は、着色塗料粒子(A)の耐久性、耐候性等の観点から、アクリル系樹脂であること好ましい。
かかるアクリル系樹脂としては、重合性不飽和モノマーを共重合する樹脂が挙げられ、かかる重合性不飽和モノマーとしては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐状アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する多ビニル化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性体、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖含有(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクロレイン、ホルミルスチロール、炭素数4〜7のビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトンなど)、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシアリルエステル、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナート基含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマー;エポキシ基含有重合性不飽和モノマー又は水酸基含有重合性不飽和モノマーと不飽和脂肪酸との反応生成物、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の酸化硬化性基含有重合性不飽和モノマーなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記モノマーの重合方法は、特に制限されるものではなく、例えば、一般的な乳化重合法に従い、乳化剤の存在下に、上記モノマーを(共)重合することによりアクリル系樹脂を容易に製造することができる。
上記アクリル系樹脂の製造において使用される乳化剤としては、それ自体既知の乳化剤を使用することができ、適用可能な乳化剤としては、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、両イオン性乳化剤を挙げることができる。
アニオン性乳化剤としては、例えば、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジアンモニウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;脂肪酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪族カルボン酸塩;ポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩など);ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩等;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、モノアルキルサクシネートスルホン酸ジナトリウム等のアルキルサクシネートスルホン酸塩などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン単位含有エーテル化合物(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル化合物;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル等のポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル化合物など);ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレンアルキルエステル化合物;ポリオキシエチレンアルキルアミン等のポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のソルビタン化合物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
両イオン性乳化剤としては、例えば、ジメチルアルキルベタイン類、ジメチルアルキルラウリルベタイン類、アルキルグリシン類などを挙げることができる。
上記乳化剤として、また、重合性不飽和基とアニオン性基又はノニオン性基の両者を分子中に含有する反応性乳化剤などを使用することもできる。
上記乳化剤の使用量は、重合性不飽和モノマーの合計質量を基準にして通常0.5〜6質量%、好ましくは1〜4質量%の範囲内であることができる。
上記着色塗料粒子(A)に含まれ得る着色剤(b)としては上記下塗り塗料(I)の着色剤の説明で列記したものと同様のものを挙げることができ、目的とする色彩に応じて単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記着色塗料粒子(A)においては、着色剤(b)と共に体質顔料を使用することもできる。その具体例としては、下塗り塗料(I)の説明で列記したものと同様のものを使用でき、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記着色剤(b)の配合量は、着色塗料粒子(A)による着色性、比重、耐久性、耐水性などの観点から、水性樹脂(a)の質量を基準にして、通常0.01〜500質量%、好ましくは0.05〜400質量%の範囲内であることが好適である。
上記着色塗料粒子(A)は、例えば、水性樹脂(a)、着色剤(b)及び水溶性多糖類を含む水性塗料組成物を、水溶性多糖類と水不溶性もしくは難溶性の塩を形成し得る一価又は多価の金属イオンを含有する水性媒体と接触させることにより得ることができ、それによって、該水性塗料組成物を多糖類金属塩ゲル中に含有してなる着色塗料粒子を形成せしめることができる。
上記水溶性多糖類は、水性媒体中で、一価又は多価の金属イオンと接触したときに水不溶性もしくは難溶性のゲルに変化する能力のある多糖類であり、一般に約3,000〜約2,000,000の範囲内の数平均分子量を有し且つ約10g/L(25℃)以上の水溶解度を示すものが好適であり、具体的には、例えば、アルギン酸またはそのアルカリ金属塩、ジェランガム、カラギーナン等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
水溶性多糖類は、着色塗料粒子(A)の水中での安定性、着色塗料粒子(A)を作製する際の取扱性、着色塗料粒子(A)を含む塗料から形成される塗膜の透水量を少なくさせる点から、水性樹脂(a)及び水溶性多糖類の合計質量を基準として、通常0.1〜7質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲内で使用することが好ましい。
上記水性塗料組成物は、さらに、必要に応じて、バルーン粒子等の比重調整材、消泡剤、硬化触媒、顔料分散剤、芳香剤、脱臭剤、抗菌剤、中和剤、界面活性剤、水性撥水剤、分散剤、防腐剤、防カビ剤、凍結防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、造膜助剤、亜鉛ウィスカ、ホルムアルデヒド吸着剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の難燃化剤などを含有することができる。
本発明において、着色塗料粒子(A)を製造するための水性塗料組成物は、例えば、水性樹脂(a)のエマルションと着色剤(b)のペーストと水溶性多糖類の水溶液を、適宜、上記したその他の成分と共に混合することにより調製することができる。
水性塗料組成物を粒状ゲル化せしめる際に用いられる金属イオンの供給源となる金属化合物としては、25℃の水100gに0.005mg以上、特に0.08mg以上溶解するものであることが望ましく、例えば、カリウム、ナトリウム等の一価金属や、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、セリウム等の多価金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、塩化物、硫化物等を挙げることができ、多彩模様塗膜の防食性の点から、水酸化物、酸化物、炭酸塩であることが望ましく、さらにカルシウム塩であるとさらに望ましい。
本発明において、金属化合物として、水酸化カルシウムを使用すると多彩模様塗膜の防食性が良好となり、特に好適である。
上記金属化合物を水性媒体中にその少なくとも一部を溶解させることにより一価又は多価の金属イオンを含有する水性媒体を調製することができる。その際、金属化合物は水性媒体中に全部溶解している必要はなく、一部溶解した状態であってもよい。金属化合物を含有する水性媒体における金属化合物の含有量は、通常0.05〜15質量%、好ましくは0.1〜10質量%の範囲内であることが望ましい。
上記水性塗料組成物は、上記金属化合物由来の金属イオンを含有する水性媒体と接触させることにより着色塗料粒子(I)を形成せしめることができるものであり、この接触は、例えば、注射器の先端から水性塗料組成物を水性媒体中に滴下する方法;水性塗料組成物を遠心力を利用して飛散させ、水性媒体中に滴下する方法;スプレーノズルの先端から水性塗料組成物を霧化させ、水性媒体中に滴下する方法;水性塗料組成物を水性媒体中に加え、分散機で攪拌混合する方法などの方法により行なうことができる。
上記の如くして形成される着色塗料粒子(A)の大きさ(長径)は、特に限定されるものではなく、水性多彩模様塗料(II)に求められる意匠性に応じて適宜変えることができ、例えば、水性塗料組成物の組成、水性媒体中の金属イオンの濃度、水性塗料組成物の水性媒体への滴下の仕方等により調整することができる。
得られる着色塗料粒子(A)は、例えば、適当な大きさの網目をもつ金網などを用いて金属イオンを含有する水性媒体から濾別することができる。
本発明において水性多彩模様塗料は、多彩模様塗膜の透水量を低減せしめ、防水性を向上させる点から着色塗料粒子(A)に加えて塗膜形成成分(B)を含有する。塗膜形成成分(B)は、それ自体成膜性を有するものであり、非架橋型及び架橋型のいずれであってもよい。
本発明において、塗膜形成成分(B)は、着色塗料粒子(A)との親和性や水性多彩模様塗料としての貯蔵安定性などの観点から、水性樹脂(c)を含んでなる水性組成物であることが望ましい。
上記水性樹脂(c)としては、水性塗料分野において樹脂バインダーとして一般に使用されるものを使用することができ、例えば、着色塗料粒子(A)における水性樹脂(a)として前述したものの中から適宜選んで使用することができる。
本発明方法において、着色塗料粒子(A)内部に含まれる水性塗料組成物と塗膜形成成分(B)が、それぞれ、互いに反応し得る官能基(x)及び(y)を含有することが多彩模様塗膜の防水性、さらにはガスバリヤー性を向上させ、下塗り塗料(I)により形成される塗膜と共に、金属基材表面の防食性をより一層向上させることができるので好適であり、水性多彩模様塗料(II)が、水性樹脂(a)及び着色剤(b)を含んでなる反応性官能基(x)を含有する水性塗料組成物を含有してなる着色塗料粒子(A)並びに反応性官能基(x)と反応し得る反応性官能基(y)を有する塗膜形成成分(B)を含んでなることが望ましい。
上記着色塗料粒子(A)内部に含まれる水性塗料組成物中に含まれる反応性官能基(x)と塗膜形成成分(B)中に含まれる反応性官能基(y)の組み合わせとしては、塗膜の乾燥条件下に相互に反応し得る組み合わせであれば特に制限されるものではなく、具体的には、例えば、水酸基とイソシアネート基、水酸基とアルキルエーテル基、水酸基とイミノ基、カルボキシル基とエポキシ基、アミノ基とエポキシ基、アミド基とエポキシ基、カルボニル基とヒドラジン基、カルボニル基とヒドラジド基、カルボニル基とセミカルバジド基、及びカルボニル基とビスアセチルジヒドラゾン基等の組み合わせが挙げられ、特に、カルボニル基とヒドラジド基等の組み合わせが常温一液架橋することができ、好適である。
本発明において着色塗料粒子(A)と塗膜形成成分(B)が互いに反応する反応性官能基を含有する場合において、着色塗料粒子(A)に含まれる水性樹脂(a)は、塗膜形成成分(B)中に含まれる反応性官能基(y)と反応する反応性官能基(x)を含有することができる。
水性樹脂(a)に含有せしめ得る反応性官能基(x)としては、例えば、カルボニル基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基等を挙げることができ、特に、カルボニル基が好適である。水性樹脂(a)におけるこれら反応性官能基(x)の含有量は、通常0.05〜2ミリモル/g樹脂、好ましくは0.1〜1ミリモル/g樹脂、さらに好ましくは0.1〜0.5ミリモル/g樹脂の範囲内であることができる。
水性樹脂(a)への反応性官能基(x)の導入は、例えば、反応性官能基(x)を含有する重合性不飽和モノマーを適宜その他の重合性不飽和モノマーとともに(共)重合することにより、或いは基体となる樹脂に反応性官能基(x)を含有する化合物を反応せしめることにより行うことができる。
また、着色塗料粒子(A)内部に含まれる水性塗料組成物は、塗膜形成成分(B)と反応し、着色塗料粒子(A)と塗膜形成成分(B)が界面を介して架橋塗膜を形成できるように反応性官能基(y)と反応し得る架橋剤(d)を含有することができる。
上記着色塗料粒子(A)に含まれる架橋剤(d)としては、貯蔵安定性が良好である、本発明の水性多彩模様塗料を1液化することができるなどの観点から、ヒドラジン誘導体、メラミン樹脂などが好適であり、特にヒドラジン誘導体がよい。
かかるヒドラジン誘導体としては、例えば、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどの炭素数2〜18の飽和脂肪族カルボン酸のジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒドラジド;フタル酸、テレフタル酸又はイソフタル酸のジヒドラジド;ピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジド又はテトラヒドラジド;ニトリロトリ酢酸トリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド;エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド;カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジン又はヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラード)と反応させてなるポリヒドラジド等;炭酸ジヒドラジド、ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート及びそれから誘導されるポリイソシアネート化合物にN,N−ジメチルヒドラジン等のN,N−置換ヒドラジンや上記例示のヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド;該ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール類やポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド;該多官能セミカルバジドと水系多官能セミカルバジドとの混合物;ビスアセチルジヒドラゾンなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
着色塗料粒子(A)内部に含まれる水性塗料組成物が架橋剤(d)を含む場合、その使用量は、反応相手である反応性官能基(y)1モルに対して、架橋剤中の反応性官能基の量が通常0.05〜2モル、好ましくは0.1〜1モルの範囲内となるように調整されることが望ましい。
一方、塗膜形成成分(B)は、該着色塗料粒子(A)中に含まれる反応性官能基(x)と反応し得る反応性官能基(y)を含有することが望ましい。
塗膜形成成分(II)は、水性樹脂(c)及び必要に応じて架橋剤(e)を含んでなることができ、水性樹脂(c)として、例えば、反応性官能基(x)と反応し得る反応性官能基(y)を含有するものであることが望ましい。
上記反応性官能基(y)を含有する水性樹脂は、反応性官能基(y)を通常0.05〜0.5ミリモル/g樹脂、好ましくは0.1〜0.4ミリモル/g樹脂の範囲内で含有することができる。該水性樹脂における反応性官能基(y)としては、例えば、カルボニル基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基等を挙げることができ、特に、カルボニル基が好適である。かかる反応性官能基(y)含有水性樹脂としては、例えば、着色塗料粒子における反応性官能基(x)含有する水性樹脂について前述したものの中から適宜選択して使用することができる。
上記塗膜形成成分(B)は、適宜、反応性官能基(y)を有していてもよい水性樹脂(c)に加えて架橋剤(e)を含有することができ、特に、水性樹脂(c)が反応性官能基(y)を有しない場合には、架橋剤(e)を併用することが望ましい。
架橋剤(e)としては、着色塗料粒子中に含まれる反応性官能基(x)と反応可能な官能基(y)を有する化合物であって、具体的には、例えば、ヒドラジン誘導体、メラミン樹脂、ポリイソシアネート架橋剤等を挙げることができ、特にヒドラジン誘導体がよい。
架橋剤(e)として使用しうるヒドラジン誘導体としては、着色塗料粒子(A)における架橋剤(d)として前述したものの中から適宜選択して使用することができる。
塗膜形成成分(B)中における架橋剤(e)の含有量は、反応相手の反応性官能基(x)1モルに対して、架橋剤中の反応性官能基(y)の量が通常0.05〜2モル、好ましくは0.1〜1モルの範囲内となるように調整されることが望ましい。
本発明において、得られる多彩模様塗膜の耐水性、耐候性の点から、着色塗料粒子(A)に含まれる水性樹脂(a)及び塗膜形成成分(B)に含まれる水性樹脂(c)が共に反応性官能基(x)を有する場合、塗膜形成成分(B)が、該反応性官能基(x)と反応し得る反応性官能基(y)を有する架橋剤(e)をさらに含有することが望ましい。
本発明において塗膜形成成分(B)は、着色塗膜を形成するものであっても或いはクリヤー塗膜を形成するものであってもよく、着色塗膜を形成する場合には必要に応じて着色剤を含むことができる。
塗膜形成成分(B)に含ませることができる着色剤としては、下塗り塗料(I)における着色剤として前記で例示したものの中から適宜選択して使用することができる。また、多彩模様塗膜の乾燥性向上、適度な艶、触感向上などの観点から、該塗膜形成成分(B)に前述の如き体質顔料を配合することが望ましい。
塗膜形成成分(B)に着色剤及び/又は体質顔料を配合する場合、その合計配合量は、塗膜形成成分(B)中に含まれる樹脂固形分に対して、通常5〜300質量%、好ましくは10〜200質量%、さらに好ましくは15〜150質量%の範囲内であることができる。
本発明において、水性多彩模様塗料(II)から形成される多彩模様塗膜の防水性を向上させるとともに、後述の粘性調整剤と共に水性多彩模様塗料(II)の粘弾性を調整させ、塗装作業性を向上させる点から、水性多彩模様塗料(II)はシリカ微粒子を含有することが望ましい。
該シリカ微粒子は、結晶性であってもアモルファスであってもよく、その種類、製造方法に制限はなく従来公知のものを使用することができる。
上記シリカ微粒子の平均粒子径の一例としては、例えば0.1〜30μm、好ましくは0.1〜15μmを挙げることができる。該0.1〜30μmの平均粒子径を有するシリカ微粒子は、一次粒子の凝集体を包含したものである。
本明細書において、シリカ微粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定される体積基準粒度分布のメジアン径(d50)である。
本発明において、水性多彩模様塗料(II)の塗装作業性および形成塗膜の防水性の点から、上記シリカ微粒子の比表面積としては、30〜400m/g、好ましくは50〜250m/gの範囲内であることが望ましい。
本明細書において比表面積は、シリカ微粒子1g当たりの全表面積(m2/g)を意味するものであり、BET法により窒素ガスの吸着等温線を測定することにより、算出されるものである。
また、上記シリカ微粒子は、有機変性されたものであると、耐タレ性及び多彩模様塗膜の防水性等の点から好適である。
上記有機変性されたシリカ微粒子としては、鉱物由来あるいは合成系のシリカ微粒子の表面等にあるシラノール基にオルガノハロシラン、ジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、トリメトキシオクチルシラン、トリメチルシラン等を反応結合させて得られた化合物;シリカ微粒子と末端にヒドロキシル基を有するジメチルポリシロキサン又はジメチルハイドロジエンポリシロキサン等を混合して200〜300℃で加熱処理してシリカ微粒子表面にアルキルポリシロキサンを結合させて得られた化合物;シリカ微粒子表面にシリコーンオイルを気相吸着することにより得られる化合物等が挙げられ、これらは1種あるいは2種以上併用して用いることができる。
上記有機変性されたシリカ微粒子において、該シリカ微粒子の炭素含有量としては0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%の範囲内にあることが多彩模様塗膜の耐水性、塗料製造時の安定性の点から望ましい。
本明細書において炭素含有量は、JISZ2615金属材料の炭素定量方法に準じて、試料を酸素気流中で加熱し、炭素を二酸化炭素とし、これを水酸化ナトリウムに吸収させてその質量の増加を測定することにより算出されるものである。
上記シリカ微粒子の含有量としては、水性多彩模様塗料(II)中の樹脂固形分100質量部に対して0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜15質量部の範囲内であることが多彩模様塗膜の防水性と意匠性の両立の点から望ましい。
本発明において、上記シリカ微粒子は着色塗料粒子(A)、塗膜形成成分(B)のいずれに配合してもよいが、多彩模様塗膜の防水性をより向上させるためには、塗膜形成成分(B)に配合されることが望ましい。
本発明において、上記水性多彩模様塗料(II)は、塗装作業性、貯蔵安定性などの点から粘性調整剤を含むことが好適であり、中でも繊維素誘導体系化合物、ポリエーテル系化合物及びポリアクリル酸系化合物よりなる群から選ばれる少なくとも2種の粘性調整剤を含むことが好適である。
これにより、水性多彩模様塗料(II)を適正な粘度及びチクソトロピックインデックスに調整することができ、スプレー塗装又はローラー塗装したとき、塗料をタレにくくさせ、しかも、ローラーによる塗り広げやすさ(ローラー配り性ということがある)を向上させることができる効果がある。
繊維素誘導体系化合物としてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
ポリエーテル系化合物としては、プルロニックポリエーテル、ポリエーテルジアルキルエステル、ポリエーテルジアルキルエーテル、ポリエーテルウレタン変性物、ポリエーテルエポキシ変性物等が挙げられる。
ポリアクリル酸系化合物としては、例えばカルボキシル基含有ビニル系単量体を含む単量体成分の共重合体などが挙げられ、これを塩基性物質で中和したものであってもよい。該ポリアクリル酸系化合物の酸価としては、30〜300mgKOH/g、好ましくは80〜280mgKOH/gの範囲内であることができる。
上記粘性調整剤の合計の使用量としては、一般に水性多彩模様塗料(II)に含まれる全樹脂固形分に対して有効成分が、0.01〜6質量%、特に0.05〜3質量%の範囲内であることが望ましい。
本発明において、上記粘性調整剤は、会合型の粘性調整剤を含むことが、耐タレ性と平滑性を両立させる点から望ましい。
会合型の粘性調整剤としては、水溶液中で自発的に分子が会合し、集合体を形成することができる化合物を挙げることができ、例えば、分子中に疎水基及び/又は親水基を含有する化合物を挙げることができる。このような分子の会合を促進するような疎水基としては例えば長鎖アルキル基が挙げられ、親水基としてはウレタン結合、ポリエーテル基等を挙げることができる。
本発明において特に好適な粘性調整剤の組み合わせの具体例としては、繊維素誘導体系化合物とポリエーテル系化合物との組み合わせ、ポリアクリル酸系化合物とポリエーテル系化合物との組み合わせを挙げることができる。
繊維素誘導体系化合物とポリエーテル系化合物との組み合わせの場合、両者の使用割合は、繊維素誘導体系化合物/ポリエーテル系化合物質量比で、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10の範囲内であることが好適である。
ポリアクリル酸系化合物及びポリエーテル系化合物の組み合わせの場合、両者の使用割合は、ポリアクリル酸系化合物/ポリエーテル系化合物質量比で、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10の範囲内であることが好適である。
また、ケイ酸塩、金属ケイ酸塩、モンロリロナイト、有機モンモリロナイト、コロイド状アルミナ、ヘクトライト及びベントナイトなどの粘土鉱物等の無機系化合物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルベンジルアルコール共重合物等のポリビニル系化合物;カゼイン酸ソーダ、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質誘導体;ビニルメチルエーテルー無水マレイン酸共重合物の部分エステル、乾性油脂肪酸アリルアルコールエステル−無水マレイン酸の反応物のハーフエステル等の無水マレイン酸共重合体などの上記以外の公知の粘性調整剤も使用することができる。
上記粘性調整剤は着色塗料粒子(A)、塗膜形成成分(B)のいずれに配合するかは適宜選択することができる。塗装作業性をより向上させるためには、特に塗膜形成成分(B)に配合されることが望ましい。
上記水性多彩模様塗料(II)は、以上に述べた着色塗料粒子(A)及び塗膜形成成分(B)以外に必要に応じて塗料用添加剤を含ませることができる。
該塗料用添加剤としては、着色塗料粒子(A)について前記で説明した如き中和剤、バルーン粒子、沈降防止剤、帯電防止剤、軟化剤、抗菌剤、香料、硬化触媒、pH調整剤、調湿剤、粉状もしくは微粒子状の活性炭、光触媒酸化チタン、水性撥水剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、凍結防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、造膜助剤、亜鉛ウィスカ、硬化促進剤、アルデヒド吸着剤、ワックス、アルキルシリケート縮合物又は該アルキルシリケート縮合物をポリアルキレングリコール等で変性してなる変性アルキルシリケート等の低汚染化剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の難燃化剤などが挙げられる。
上記水性多彩模様塗料(II)は、塗料固形分が15〜45質量%、特に20〜40質量%の範囲内であることが、耐タレ性及び塗面平滑性、さらには多彩模様塗膜の防水性の点から好適である。
上記水性多彩模様塗料(II)は、B型粘度計を用いて測定した粘度が回転数が6回転/分の条件では2500〜125000mPa・sec特に6000〜45000mPa・secの範囲内であり、回転数が60回転/分の条件では1000〜50000mPa・sec、特に1200〜10000mPa・secの範囲内であり、且つチクソトロピックインデックスが、2.0〜5.0、特に2.9〜4.5の範囲内とすることができる。
本明細書において、粘度(mPa・sec)は、塗装直前の塗料を20℃に調整したものを試料とし、B型粘度計で、No.4ロータを用い、6回転/分、60回転/分の条件で夫々測定した値とする。
また、チクソトロピックインデックス(Ti値)は、下記式にて算出される値とする。
Ti=Va/Vb
ここでVaは、回転数が6回転/分にて測定した塗料粘度(mPa・sec)であり、Vbは、同じく回転数が60回転/分にて測定した塗料粘度(mPa・sec)である。
ここで、回転速度が6回転/分の塗料粘度が上記範囲であると、水性多彩模様塗料(II)塗装後の耐タレ性、塗装後の塗膜のレベリング性を有することができ、好ましい。
また、回転速度が60回転/分の塗料粘度が上記範囲であると、ローラー配り性が良好であり、又は仕上がり外観においてムラ発生を抑制でき、ローラー塗装した場合にローラーを動かしやすく作業性が良好であり、好ましい。
また、チクソトロピックインデックス(Ti値)が上記範囲内であると耐タレ性、ローラー塗装した場合に塗膜にローラー目が残ることなく、平坦な仕上がりが得られるので好ましい。
上記水性多彩模様塗料(II)の塗布量は、適宜変えることができるが、1回あたり通常100〜1,000g/m、好ましくは150〜700g/mの範囲内とすることができる。また、塗膜外観を損なわない範囲で複数回塗り重ねてもよい。
上記水性多彩模様塗料(II)の塗装はそれ自体既知の塗装手段を用いて行うことができ、例えば、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、コテなどの塗装器具を用いて行うことができる。また、ローラーを使用する場合は、ウールローラー、砂骨ローラー等を使用することができる。
形成塗膜の乾燥は、使用した塗料組成物の組成などに応じて、加熱乾燥、強制乾燥又は常温乾燥のいずれかの方法で行うことができる。
本発明は、上記で得られた多彩模様塗装物品に、下塗り塗膜又は中塗り塗膜との明度差ΔLが−20〜+20の範囲内である多彩模様塗膜を形成する多彩模様塗料を塗装することを特徴とする多彩模様塗装物品の補修塗装方法を提供する。
上記補修塗装方法において用いられる多彩模様塗料としては、形成される多彩模様塗膜が、下塗り塗膜又は中塗り塗膜との明度差ΔLが−20〜+20の範囲内であればよく、その材料、製法共に制限はないが、上記水性多彩模様塗料(II)と同様のものであると好適である。
また、補修塗装するにあたっては、被塗面である多彩模様塗装物品を予め研磨してもよく、補修塗装条件としては、上記水性多彩模様塗料(II)の塗装条件と同様であることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
下塗り塗料の製造
製造例1
1リットルのステンレス容器に下記成分を仕込み、ディスパーで30分間均一になるまで攪拌することにより、下塗り塗料用の顔料ペーストを得た。
上水 100部
モノエチレングリコール 5部
「スラオフ72N」(注1) 2部
「ノプコサントK」(注2) 6部
「SNデフォーマー380」(注3) 4部
「チタンJR−605」(注4) 192部
フタロシアニンブルー 3部
酸化鉄 3部
「K−WHITE 140W」(注5) 55部
次いで、該顔料ペースト360部に、「ウォーターゾルS118」(注6)500部、「SNデフォーマー380」5部および「アデカノールUH−438」(注7)4部、亜硝酸ナトリウムを3部配合し、攪拌混合して、赤灰色の下塗り塗料(I−1)を得た。下塗り塗料(I−1)の塗膜のL値を明細書記載の方法で測定したところ72であった。
(注1)「スラオフ72N」:商品名、武田薬品工業(株)製、防腐剤、
(注2)「ノプコサント K」 :商品名、サンノプコ社製、顔料分散剤、
(注3)「SNデフォーマー380」:商品名、サンノプコ社製、消泡剤、
(注4)「JR−605」:商品名、テイカ社製、チタン白、
(注5)「K−WHITE 140W」:商品名、テイカ社製、リン酸塩系防錆顔料、
(注6)「ウォーターゾルS118」:商品名、大日本インキ化学工業(株)製、不揮発分60%のエポキシエステルエマルション、
(注7)「アデカノールUH438」:商品名、旭電化社製、ポリエーテルウレタン変性物、粘性調整剤、
製造例2
顔料ペースト組成を下記とする以外は上記製造例1と同様にして赤灰色の下塗り塗料(I−2)を得た。下塗り塗料(I−2)の塗膜のL値を明細書記載の方法で測定したところ72であった。
顔料ペースト組成
上水 100部
モノエチレングリコール 5部
「スラオフ72N」(注1) 2部
「ノプコサントK」(注2) 6部
「SNデフォーマー380」(注3) 4部
「チタンJR−605」(注4) 192部
フタロシアニンブルー 3部
酸化鉄 3部。
中塗り塗料用エマルションの製造
製造例3
2リットルの4つ口フラスコに脱イオン水312部、「Newcol 707SF」(注8)2.3部を加え、窒素置換後、80℃に保ち、下記組成のプレエマルションを滴下する直前に0.7部の過硫酸アンモニウムを加え、該プレエマルションを3時間にわたって滴下した。
脱イオン水 338部
アクリル酸 6部
スチレン 97部
メチルメタクリレート 260部
2−エチルヘキシルアクリレート 100部
n−ブチルアクリレート 182部
「Newcol 707SF」(注8) 62部
過硫酸アンモニウム 1.2部
滴下終了後30分より、30分間0.7部の過硫酸アンモニウムを7部の脱イオン水に溶かした触媒水溶液を滴下し、さらに2時間80℃に保持し、その後40〜60℃に降温した後、アンモニア水でpHを調整し、エマルション(e1)を得た。エマルションは、固形分52%、平均粒子径180nm、pH8.2であった。
(注8) 「ニューコール707SF」:商品名、日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤、不揮発分30%。
中塗り塗料の製造
製造例4
1リットルのステンレス容器に下記の成分を仕込み、攪拌機にて30分間攪拌混合することにより、赤灰色の中塗り塗料を得た。かかる中塗り塗膜のL値は、明細書記載の方法で測定したところ70であった。
52%エマルション(e1) 200部
「TEXANOL」(注9) 20部
「SNデフォーマーA63」(注10) 2部
「ノプコサントK」(注2) 3部
「チタンJR−605」(注4) 90部
炭酸カルシウム(注11) 170部
フタロシアニンブルー 3部
酸化鉄 3部
2.5%ヒドロキシエチルセルロース 25部
(注9)「TEXANOL」:商品名、イーストマンケミカル社製、2,2,4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、
(注10)「SNデホーマーA63」:商品名、消泡剤、サンノプコ社製
(注11)炭酸カルシウム:比重2.7。
着色塗料粒子及び塗膜形成成分用のエマルションの製造
製造例5
容量2リットルの4つ口フラスコに、脱イオン水285部及び「ニューコール707SF」(注8)1部を加え、窒素置換後、85℃に保った。その中に、下記組成の成分をエマルション化してなるプレエマルションの3%分と、過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水120部に溶解させた開始剤水溶液123部のうちの41部とをそれぞれ添加し、添加20分後から、残りのプレエマルションと残りの開始剤水溶液とを4時間かけてフラスコに滴下した。
脱イオン水 368部
スチレン 150部
メチルメタクリレート 413部
n−ブチルアクリレート 240部
2−エチルヘキシルアクリレート 150部
ダイアセトンアクリルアミド 20部
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 5部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 20部
アクリル酸 2部
「ニューコール707SF」(注8) 66部
滴下終了後、これをさらに2時間85℃に保持した後、40〜60℃に降温した。次いで、アンモニア水でpHを調整し、固形分が55%のエマルション(e2)を得た。エマルション(e2)の平均粒子径は170nm、pHは8.3であった。
多彩模様塗料用水性クリヤー塗料の製造
製造例6
1リットルのステレンス容器に下記の成分を仕込み、攪拌機にて30分間攪拌混合することにより、固形分50%の水性クリヤー塗料(C1)を得た。
55%エマルション(e2) 750部
「TEXANOL」(注9) 50部
水 279部
「タルク SS」(注12) 250部
「SNデフォーマー380」(注3) 10部
「アデカノールUH−438」(注7) 6部。
(注12)「タルク SS」:商品名、日本タルク社製、タルク。
着色塗料粒子用の白顔料ペーストの製造
製造例7
1リットルのステンレス容器に下記の成分を仕込み、ディスパーで30分間均一になるまで攪拌することにより、白顔料ペーストを得た。
水 45部
「スラオフ72N」(注1) 3部
「DISPER BYK−190」(注13) 6部
「SNデフォーマー380」(注3) 3部
「チタンJR−605」(注4) 100部。
(注13)「DISPER BYK−190」:商品名、BYKケミー社製、分散剤。
着色塗料粒子用の青顔料ペーストの製造
製造例8
1リットルのステンレス容器に下記の成分を仕込み、ディスパーで30分間均一になるまで攪拌することにより、青顔料ペーストを得た。
水 65部
モノエチレングリコール 5部
「スラオフ72N」(注1) 1部
「DISPER BYK−190」(注13) 6部
「SNデフォーマー380」(注3) 2部
フタロシアニンブルー 25部。
着色塗料粒子用の赤錆顔料ペーストの製造
製造例9
1リットルのステンレス容器に下記の成分を仕込み、ディスパーで30分間均一になるまで攪拌することにより、赤錆顔料ペーストを得た。
水 65部
モノエチレングリコール 5部
「スラオフ72N」(注1) 1部
「DISPER BYK−190」(注13) 6部
「SNデフォーマー380」(注3) 2部
酸化鉄 30部。
着色塗料粒子用黒顔料ペーストの製造
製造例10
1リットルのステンレス容器に下記の成分を仕込み、ディスパーで30分間均一になるまで攪拌することにより、黒顔料ペーストを得た。
水 65部
モノエチレングリコール 5部
「スラオフ72N」(注1) 1部
「DISPER BYK−190」(注13) 6部
「SNデフォーマー380」(注3) 2部
カーボンブラック 25部。
着色塗料粒子用の水性塗料組成物の製造
製造例11
容器に下記の成分を順次配合し、均一となるように攪拌混合して、着色塗料粒子用の水性塗料組成物(a−1)を得た。
白顔料ペースト 154部
55%エマルション(e2) 250部
「TEXANOL」(注9) 20部
「SNデフォーマー380」(注3) 2部
「アデカノールUH−438」(注7) 2部
2%アルギン酸ナトリウム水溶液 280部。
製造例12〜16
上記製造例11において、配合組成を下記表1に示す配合組成に変える以外は製造例11と同様にして、水性塗料組成物(a−2)〜(a−6)を製造した。
Figure 0004728164
着色塗料粒子の製造
製造例17
4リットルステンレス容器に、0.15%水酸化カルシウム(注14)水溶液を1,300部仕込み、75mmの径を有する攪拌羽根を用いて回転速度2,500rpmで攪拌しながら、上記で得られた水性塗料組成物(a−1)650部を徐々に容器内に滴下し、着色塗料粒子を生成させた。次いで容器内液を同回転速度でさらに15分攪拌した後、200メッシュの金網を用いて濾別し、着色塗料粒子(A−1)を得た。得られた着色塗料粒子(A−1)は、目視による色が白色であり、固形分が20%であった。
(注14) 水酸化カルシウム:25℃の水100gに対して0.15g溶解。
製造例18
4リットルステンレス容器に、水酸化カルシウム24部と脱イオン水1,200部を仕込み、75mmの径を有する攪拌羽根を用いて回転速度1500rpmで攪拌しながら、上記水性塗料組成物(a−2)600部を徐々に容器内に滴下し、着色塗料粒子を生成させた。次いで容器内液を同回転速度でさらに15分攪拌した後、200メッシュの金網にて濾別し、着色塗料粒子(A−2)を得た。得られた着色塗料粒子(A−2)は、目視による色が白色であり、固形分が20%であった。
製造例19〜22
製造例17において、水性塗料組成物(a−1)の代わりに下記表2に示す水性塗料組成物を使用する以外は上記製造例17と同様にして、着色塗料粒子(A−3)〜(A−6)を得た。
Figure 0004728164
水性多彩模様塗料の製造
製造例23〜27
500ミリリットルのステレンス容器に、下記表3に示す成分を順次攪拌しながら仕込み、その後、均一になるまで攪拌することにより、多彩模様塗料(II‐1)〜(II−5)を得た。得られた塗料の性状値、形成塗膜のL値及び透水量を表3にあわせて示す。
Figure 0004728164
(注15) 「HDK−H20」:商品名、旭ワッカー社製、シリカ微粒子、比表面積170m/g、炭素含有量1.1質量%、平均粒子径1.0μm、
(注16) 2%ヒドロキシエチルセルロース水溶液:和光純薬社製、ヒドロキシエチルセルロースを濃度が2%となるように脱イオン水に溶解させ調製した水溶液、
(注17) 「プライマルASE−60」:商品名、ローム・アンド・ハース社製、ポリアクリル酸系粘性調整剤、酸価270mgKOH/g、有効成分28%、
(注18) 「プライマルTT−615」:商品名、ローム・アンド・ハース社製、長鎖アルキル基含有ポリアクリル酸系粘性調整剤、有効成分30%、
(*)塗膜L
ブリキ板に試料をスプレーで2回塗装し、塗面を水平に置いて、温度20℃、相対湿度60%の条件下、48時間乾燥した後、「CR‐300」(ミノルタ社製、色彩色差計)を使用し、塗面上を無作為に3箇所選び測定した値の平均値。
(**)塗膜透水量
JIS A 6909に規定されている透水試験B法により測定した値。
塗装
実施例1〜4及び比較例1〜2
素材としてJIS K 5410に規定する鋼板(150×70×0.8mm)をキシレンにて脱脂したものを使用した。該素材に表4に示す各水性下塗り塗料を、塗付量が100g/mとなるようにローラーで塗装し、気温20℃・相対湿度60%の条件下で1日乾燥させた後、その上に表4に示す各水性多彩模様塗料を、スプレーを用いて塗付量300g/mとなるように塗装した後、気温20℃・相対湿度60%の条件下で7日乾燥させて、各試験塗板を作成した。
実施例5
素材として上記実施例1と同様の鋼板を使用し、該素材に水性下塗り塗料(I−1)を、塗付量が100g/mとなるようにローラーで塗装し、気温20℃・相対湿度60%の条件下で1日乾燥させ、その上に製造例4で得られた中塗り塗料を、ローラーを用いて塗付量100g/mとなるように塗装し、気温20℃・相対湿度60%の条件下で7日乾燥させた後、さらに水性多彩模様塗料(II−1)を、スプレーを用いて塗付量300g/mとなるように塗装した後、試験塗板を作成した。
評価試験
得られた各試験塗板を下記試験に供した。結果を表4にあわせて示す。
Figure 0004728164
(*1)意匠性
各試験塗板の塗膜を目視で観察し、次の基準で評価した。
◎:多彩な意匠感、質感が十分あり、非常に良好、
〇:多彩な意匠感、質感があり、良好、
△:模様ムラが認められ、やや不良、
×:ワレやチヂミなどの塗膜欠陥あり。
(*2)補修性
各試験塗板の下部をマスキングテープで保護した後、上部を#240の研磨紙を用いて円状に研磨した。その後、表4に示す各水性多彩模様塗料を、スプレーを用いて塗付量300g/mとなるように塗装し、気温20℃・相対湿度60%の条件下で1日乾燥させた。下部と上部を目視にて観察し、下記基準で評価した。
○:下部と上部の境界がわからない、
△:下部と上部の境界がわずかにわかる、
×:下部と上部の境界がはっきりわかる。
(*3)防食性
各試験塗板を、JIS K 5621に規定されている耐複合サイクル防食性試験に36サイクル供して、その塗膜面を下記基準で評価した。
〇:塗膜にさびが認められない、
△:塗膜に一部さびが認められる、
×:塗膜の全面にさびが認められる。
(*4)耐水性
各試験塗板を23℃の上水に7日間浸漬し、引き上げた後、目視で観察し、次の基準で評価した。
○:良好、
△:艶引け、白化、フクレが認められる、
×:著しくフクレが認められる、又は塗膜が軟化する。

Claims (8)

  1. 金属基材表面又は金属基材上の旧塗装面に、防錆顔料を含有する下塗り塗料(I)を塗装し、該塗面上に、水性多彩模様塗料(II)を塗装する多彩模様塗膜形成方法であって、該水性多彩模様塗料(II)が、着色塗料粒子(A)及び塗膜形成成分(B)を、着色塗料粒子(A)/塗膜形成成分(B)の固形分質量比で、1/99〜60/40の範囲内で含み、反応性官能基(x)を含有する水性樹脂(a)及び着色剤(b)を含んでなる着色塗料粒子(A)並びに反応性官能基(x)と反応し得る反応性官能基(y)を含有する塗膜形成成分(B)を含んでなるものであることを特徴とする多彩模様塗膜形成方法。
  2. 金属基材表面又は金属基材上の旧塗装面に、防錆顔料を含有する下塗り塗料(I)を塗装し、該下塗り塗面上に中塗り塗料を塗装し、該中塗り塗面上に、水性多彩模様塗料(II)を塗装する多彩模様塗膜形成方法であって、該水性多彩模様塗料(II)が、着色塗料粒子(A)及び塗膜形成成分(B)を、着色塗料粒子(A)/塗膜形成成分(B)の固形分質量比で、1/99〜60/40の範囲内で含み、反応性官能基(x)を含有する水性樹脂(a)及び着色剤(b)を含んでなる着色塗料粒子(A)並びに反応性官能基(x)と反応し得る反応性官能基(y)を含有する塗膜形成成分(B)を含んでなるものであることを特徴とする多彩模様塗膜形成方法。
  3. 下塗り塗料(I)により形成される下塗塗膜と水性多彩模様塗料(II)により形成される多彩模様塗膜との明度差ΔLが、−20〜+20の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の多彩模様塗膜形成方法。
  4. 中塗り塗料により形成される中塗り塗膜と、水性多彩模様模様塗料(II)により形成される多彩模様塗膜との明度差ΔLが、−20〜+20の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の多彩模様塗膜形成方法。
  5. 着色塗料粒子(A)が、水性樹脂(a)、着色剤(b)及び水溶性多糖類を含む水性塗料組成物を、水溶性多糖類と水不溶性もしくは難溶性の塩を形成し得る一価又は多価の金属イオンを含有する水性媒体と接触させることにより得られるものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の多彩模様塗膜形成方法。
  6. 金属イオンの供給源となる金属化合物が、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の多彩模様塗膜形成方法。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法により得られる多彩模様塗装物品。
  8. 請求項に記載の多彩模様塗装物品に、下塗り塗膜又は中塗り塗膜との明度差ΔLが−20〜+20の範囲内である多彩模様塗膜を形成する多彩模様塗料を塗装することを特徴とする多彩模様塗装物品の補修塗装方法。
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