JP4724293B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法などにおいて用いられるトナーと、その結着樹脂及び製造方法に関し、特に、形成された顕画像を記録材に加熱定着させる定着方式に供されるトナー、トナー用樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真法を用いた機器は、従来の複写機以外にも、コンピューターの出力用のプリンター、ファクシミリなどにも使われ始めた。例えば、プリンター装置はLBPプリンターまたはLEDプリンターが最近の市場の主流になっており、技術の方向として、従来240、300dpiであったものが400、600、800、さらには1200、2400dpiと、より高解像度になってきている。従って、現像方式もこれに伴って、より高精細が要求されてきている。
【0003】
コンピューターの高性能化に伴い、出力される画像はますます高精細で高画質なものが要求されており、また、パーソナルコンピューターの普及により、より簡単にメンテナンスを行うことができると同時に、より高い信頼性が厳しく追及されてきており、それにともないプリンターに要求される性能はより高度になり、トナーの性能向上が達成できなければ、より優れた機械が成り立たなくなってきている。例えば、デジタルプリンター及び高細密画像のコピーにおいてトナーに要求される性能のうち最も重要なものに、定着性能がある。
【0004】
定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。この加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に、被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。この方法は、熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。
【0005】
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的で、例えばローラー表面をトナーに対して離型性の優れた材料、シリコーンゴムやフッ素系樹脂などで形成し、さらにその表面にオフセット防止剤及びローラー表面の疲労を防止するためにシリコーンオイルの如き離型性の良い液体の薄膜でローラー表面を被覆することが行われている。しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止する点では有効であるが、オフセット防止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑になる等の問題点を有している。
【0006】
そこでシリコーンオイル供給装置などを用いないで、替わりにトナー中から加熱時にオフセット防止用液体を供給しようという考えから、トナー中に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の離型剤を添加する方法が提案されている。ただし、充分な効果を出すために多量にこのような添加剤を加えると、感光体へのフィルミングやキャリアやスリーブなどのトナー担持体表面を汚染し、画像が劣化し実用上問題となる。そこで画像を劣化させない程度に少量の離型剤をトナー中に添加し、若干の離型性オイルの供給もしくはオフセットしたトナーを、巻き取り式の例えばウェッブの如き部材を用いた装置でクリーニングする装置を併用することが行われている。
【0007】
しかし最近の小型化、軽量化、高信頼性の要求を考慮するとこれらの補助的な装置すら除去することが好ましい。
【0008】
トナー中に離型剤としてワックスを含有させることは知られている。例えば、特開昭52−3304号公報、特開昭52−3305号公報、特開昭57−52574号公報等の技術が開示されている。
【0009】
これらのワックス類は、トナーの低温時や高温時の耐オフセット性の向上のために用いられている。しかしながら、これらの性能を向上させる反面、耐ブロッキング性を悪化させたり、現像性が悪化したりしていた。
【0010】
また、低温領域から高温領域にかけて、よりワックス添加の効果を発揮させるために2種類以上のワックスを含有するトナーとして、例えば特公昭52−3305号公報、特開昭58−215659号公報、特開昭62−100775号公報、特開平4−124676号公報、特開平4−299357号公報、特開平4−362953号公報、特開平5−197192号公報等の技術が開示されている。
【0011】
しかし、これらのトナーにおいても、すべての性能を満足しうるものはなく、何らかの問題点を生じていた。例えば、耐高温オフセット性や現像性は優れているが低温定着性が今一歩であったり、耐低温オフセット性や低温定着性には優れているが、耐ブロッキング性にやや劣り、現像性が低下するなどの弊害があったり、低温時と高温時の耐オフセット性が両立できなかったり、遊離ワックス成分によるトナーコート不均一の為にブロッチが発生し、画像欠陥を生じたり、画像上にカブリが生したりしていた。また、遊離ワックスが現像剤担持部材を汚染し、現像に弊害をもたらすことがあった。
【0012】
また、特開平8−278657号公報、特開平8−334919号公報、特開平8−334920号公報などには、低温定着性及び耐オフセット性に優れるトナーを得るために、2種類のワックス成分をトナーに含むことが提案されている。
【0013】
しかしながら、これらの離型剤を使ったトナーでは確かに低温定着性と耐高温オフセット性の幅は拡大するものの、各々のワックス成分をトナー中に均一に分散させることが困難であり、分散不良に伴うカブリの増大や現像性の悪化、現像剤担持部材の汚染による画像弊害などを起こす場合があった。
【0014】
離型剤の分散を向上させる手段として、特開昭62−195683号公報、特開平3−185458号公報、特開平6−67454号公報等においては、重合体の溶液中にワックス成分を混合・溶解・分散させる方法が提案されている。
【0015】
しかしながら、これらの方法ではまだ不十分であり、分散不良に伴うカブリの増大や現像性の悪化を起こす場合があった。
【0016】
さらに、離型剤の分散を向上させる手段として、特開昭56−87051号公報、特開昭57−211157号公報、特開昭62−143060号公報、特開平9−281748号公報、特開平10−123753号公報、特開平11−158336号公報、特開平11−160911号公報等においては、樹脂組成物の重合を離型剤存在下で行うことが提案されている。また、特開平4−358159号公報には、第1のワックスを合成樹脂重合時に添加し、第2のワックスをトナー化溶融混練時に添加する方法が提案されている。
【0017】
しかしながら、これらの方法では、樹脂中に離型剤成分が完全相溶するか、もしくは非常に細かく微分散してしまう為に、本来必要としている離型性を損なってしまい、ブロッブスと呼ばれる定着器部材(例えば分離爪・サーミスタ部材など)にオフセットしたトナーが蓄積されて画像を汚す弊害などが見られるようになり、満足な性能を得ることが困難であった。また、2種類のワックスを用いた場合には、両者を共に適度に分散することが難しく、分散不良に伴うカブリの増大や現像性の悪化を起こす場合があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、定着性及び非オフセット性のバランスに優れたトナーであり、かつ、いかなる環境下においてもカブリの少ない高品質の画像を長期間に渡って提供することを可能とし、トナー接触部材を汚染することなく、高度に耐久可能なトナー、及び、トナーの製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、第1のワックス及び第2のワックスを含有するトナーにおいて、
該トナーは、該結着樹脂としての重合体とワックスとを含有する樹脂組成物を含有し、該樹脂組成物は、有機媒体に溶解した重合性単量体を、該有機媒体中で重合して重合体を生成する際において、該重合性単量体の重合転化率が40mol%未満の低重合転化率時に、トナー中に含まれる全ワックス量に対して1乃至25質量%の量の該第1のワックスを該有機媒体中に添加し、さらに該重合性単量体の重合転化率が80mol%以上の高重合転化率時に、トナー中に含まれる全ワックス量に対して20乃至99質量%の量の該第1のワックス及び該第2のワックスを該有機媒体中に添加して製造された樹脂組成物であって、
低重合転化率時に添加されるワックス量と高重合転化率時に添加されるワックス量との合計が、トナー中に含まれる全ワックス量の50質量%以上であり、
低重合転化率時に添加されるワックス量と高重合転化率時に添加されるワックス量との質量比が、1:99乃至1.5:4.5の範囲であり、
低重合転化率時に添加する該第1のワックスの量が該結着樹脂100質量部に対して0.5〜1.5質量部であり、該重合体、該第1のワックス及び該第2のワックスが該有機媒体に可溶であり、
該第1のワックスが、ポリプロピレンワックスであり、
該第2のワックスが、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス及びモンタン酸エステルワックスから選ばれるワックスであることを特徴とするトナーに関する。
【0021】
また、本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、第1のワックス及び第2のワックスを含有するトナーの製造方法において、
該トナーは、該結着樹脂としての重合体とワックスとを含有する樹脂組成物を含有し、該樹脂組成物は、有機媒体に溶解した重合性単量体を、該有機媒体中で重合して重合体を生成する際において、該重合性単量体の重合転化率が40mol%未満の低重合転化率時に、トナー中に含まれる全ワックス量に対して1乃至25質量%の量の該第1のワックスを該有機媒体中に添加し、さらに該重合性単量体の重合転化率が80mol%以上の高重合転化率時に、トナー中に含まれる全ワックス量に対して20乃至99質量%の量の該第1のワックス及び該第2のワックスを該有機媒体中に添加して製造された樹脂組成物であって、
低重合転化率時に添加されるワックス量と高重合転化率時に添加されるワックス量との合計が、トナー中に含まれる全ワックス量の50質量%以上であり、
低重合転化率時に添加されるワックス量と高重合転化率時に添加されるワックス量との質量比が、1:99乃至1.5:4.5の範囲であり、
低重合転化率時に添加する該第1のワックスの量が該結着樹脂100質量部に対して0.5〜1.5質量部であり、該重合体、該第1のワックス及び該第2のワックスが該有機媒体に可溶であり、
該第1のワックスが、ポリプロピレンワックスであり、
該第2のワックスが、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス及びモンタン酸エステルワックスから選ばれるワックスであることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、及び2種以上のワックスを含有するトナーにおいて、▲1▼該結着樹脂の重合転化率が40mol%未満の時に、トナー中に含まれる全ワックスの1乃至40質量%を添加し、▲2▼さらに該結着樹脂の重合転化率が60mol%以上の時に、全ワックスの20乃至99質量%を添加して製造された結着樹脂であることを特徴とする。
【0025】
この方法で合成された結着樹脂を用いることにより、安定した電子写真特性とトナーの低温溶融化に貢献できると共に、高温域での高度な耐オフセット性を達成でき、また、どのような環境下においても、カブリや現像性悪化に伴う印字濃度の低下を高度に防止することが可能となった。
【0026】
すなわち、2種以上のワックスを含有することにより、耐オフセット性と低温定着性を同時に満足し、かつ、広範囲な温度領域で離型性を有することができるために、トナーの低温溶融化と高温域での高度な耐オフセット性を達成することが可能になる。また、上記に示したワックスの添加方法を採ることによって、各ワックスを適度に分散制御することが可能となって、ワックス分散低下に伴うカブリや現像性悪化、ワックス遊離による耐オフセット性の低下等を防止したり、ワックスの樹脂への相溶化に伴う離型性の低下や樹脂弾性の低下を防止することが可能となった。
【0027】
トナー中に2種以上のワックスを含ませることは、上記に述べたような各種の利点があるものの、2種の異なるワックスを樹脂中に適度に分散させることには困難が伴う。ただ単純にトナー中に溶融混練しただけではどちらか一方のワックスが溶融する温度で混練物の粘度が著しく低下してしまう為に、混練シェアがかかりにくくなり、残りのワックス成分を分散することが困難となる。ワックス分散性の悪化によりトナーの帯電均一性が損なわれ、カブリや現像性の悪化を引き起こしたり、ワックス遊離により耐オフセット性が悪化し、ブロッブスと呼ばれる定着器部材(例えば分離爪・サーミスタ部材など)にオフセットしたトナーが蓄積されて画像を汚す弊害などが見られるようになる。また、分散性向上のために、結着樹脂の重合時にワックスを存在下重合する方法も考えられたが、全ワックスを存在下で重合することはワックスが樹脂へ相溶化してしまい、ワックスの本来の機能である離型性を損なってしまい、ブロッブスが見られるようになり、また、結着樹脂の重合に影響を与えやすくなり好ましくない。また、結着樹脂とワックスを溶液状態で混合する溶液ブレンド法も考えられたが、2種以上のワックスを一度に分散させるには不十分であり、更なる分散性の向上が必要とされた。ワックス成分の分散の観点からは適度な量を重合転化度合いに応じて添加することにより、トナー中の分散を制御することが高度に可能となるのである。
【0028】
ワックスの添加方法についてさらに詳細に説明をする。
【0029】
先ず、トナーに用いられる結着樹脂の重合時に、該結着樹脂の重合転化率が40mol%未満、好ましくは20mol%未満、さらに好ましくは10mol%未満の時にトナー中に含まれる全ワックスの1乃至40質量%、好ましくは1乃至30質量%、更に好ましくは1乃至20質量%を添加する。
【0030】
重合初期にワックスを添加することでポリマー鎖がワックス鎖と絡み合った状態が形成されるため、ワックスの結着樹脂への相溶性が増加し、ワックスが結着樹脂に相溶化していくと共に、この成分がワックスの相溶化剤としての機能としても働くようになる。
【0031】
重合転化率が40mol%以上では重合が進行してしまい、ワックスを予め添加することによる樹脂中への分散効果が損なわれ、カブリ・濃度低下等の画像弊害が生じてしまう。また、この時の添加量がトナー中に含まれる全ワックス量の1質量%未満では、効果が無く、また、40質量%を超えると、樹脂中に相溶するワックス量が増えすぎて離型性が損なわれ、高温オフセットが生じてしまったり、また、重合への影響が生じてしまう為に所望の分子量の樹脂が得られにくくなったりする。
【0032】
さらに結着樹脂の重合転化率が60mol%以上、好ましくは80mol%以上、さらに好ましくは90mol%以上の時に、トナー中に含まれる全ワックス量の20乃至99質量%、好ましくは30乃至99質量%、さらに好ましくは40乃至99質量%を添加する。
【0033】
この時期に添加されるワックスは結着樹脂と相溶化することなくトナー中に微分散し、結着成分の重合に与える影響も少ない。そして、重合初期に添加されたワックスにより結着樹脂中に均一に分散される。
【0034】
重合添加率が60mol%未満では重合へ与える影響や樹脂との相溶化の点で好ましくない。全ワックス量の20質量%未満では微分散するワックス量が少なく、ワックスの偏在が起こり易くなり、トナーの帯電性や製造性に悪影響を与え、カブリ・濃度低下を生じやすい。
【0035】
上記の2つの時期に樹脂中に添加される合計ワックス量は、トナー中に含まれる全ワックス量の50質量%以上であることが好ましい。50質量%未満では、上記の効果が十分に得られず、好ましくない。
【0036】
さらには、低重合転化率時に添加されるワックス量と高重合転化率時に添加されるワックス量の質量比が1:99乃至49:51の範囲であることが好ましい。好ましくは1:99乃至40:60、更に好ましくは2:98乃至10:90の範囲である。低重合転化率時に加えられるワックス量の比率が49より多い場合は、相溶化する効果のほうが大きくなり、離型性に影響が出てくることがあるので好ましくない。また、低重合転化率時に加えられるワックス量の比率が1より少ない場合では低重合転化率時にワックスを添加する効果が得られにくい。
【0037】
本発明に用いられるワックスとしては、次のようなものがある。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合体、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;または、それらのブロック共重合体;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステル、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪族と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0038】
本発明に好適に用いられるワックスは、トナー中の分散性や、トナーの帯電性に与える影響から、炭化水素ワックスが好ましく用いられる。例えば、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、オレフィンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒等で重合した低分子のポリオレフィン、高分子量のポリオレフィンを熱減成して得られるポリオレフィン、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留成分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素などのフィッシャートロプシュワックスが挙げられる。酸化防止剤が添加されていても良い。さらに、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行った物が好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した、一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの(原料は石炭であっても、天然ガスであってもかまわない)、例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素や、エチレンなどのオレフィンをチーグラー触媒、メタロセン触媒により重合した炭化水素は分岐が少なく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。
【0039】
少なくとも1種は、ポリオレフィンワックスがトナー中の分散性や離型性の観点から好ましく用いられる。更には、融点や溶融粘度から、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、その中でもポリプロピレン系ワックスが好適な離型性能と定着性を満足するという点や入手のし易さという点で、好ましい。
【0040】
更には、高分子ポリオレフィンを熱減成して得られえたポリオレフィンワックスであることが、適度な分子量分散と溶融粘度を持つことができる点で好ましい。
【0041】
具体的には、160℃における溶融粘度は50乃至5000mPa・sの範囲であることが好ましい。
【0042】
160℃における溶融粘度は50mPa・s未満では、十分な離型性を得られず、また、粘度が低すぎてトナー中にうまく分散することが困難となり易い。また、160℃における溶融粘度5000mPa・sを超えると、樹脂成分との粘度差が大きくなってしまい、トナー中に分散することが難しくなってくる。
【0043】
本発明における粘度の測定は、以下の方法により行った。
【0044】
測定装置はブルックフィールド型回転粘度計(以下、B型粘度計)を用いて、試料を入れたビーカーを160℃に保持した恒温槽に浸漬し、粘度の測定を行った。
【0045】
本発明のトナーに用いられるワックスのうち、結着樹脂の重合転化率が40mol%未満の時に主に添加されるワックス(以下、第1のワックス、但し、他のワックスが第1のワックスより少ない量で添加されていても構わない)と、結着樹脂の重合転化率が60mol%以上の時点で主に添加されるワックス(以下、第2のワックス、但し第1のワックスもこの時点で追加添加しても構わない)は、以下のような特徴をもつことが好ましい。
【0046】
第1のワックスは、トナー中の分散性やトナーの帯電性に与える影響を考慮して、炭化水素ワックスであることが好ましい。中でも、ポリオレフィンワックス、特にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、または、フィッシャートロプシュワックスが好ましい。
【0047】
第1のワックスは、GPCにより測定される数平均分子量(Mn)がポリエチレン換算で100〜3000であることが好ましく、300〜2000であることが更に好ましい。Mnが100未満では、離型効果を十分に得ることが困難となり、また、トナー中に分散させることも困難となる。また、Mnが3000を超える場合には、定着性に悪影響を与えるため、好ましくない。
【0048】
第2のワックスは、直鎖型炭化水素ワックスであることが好ましい。直鎖型炭化水素ワックスは第1のワックスの影響が少なく、トナー中に良好に分散することができるからである。具体的には、炭素数10から100更には10から50のパラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンが好ましい。
【0049】
第2のワックスは、GPCにより測定される数平均分子量(Mn)がポリエチレン換算で100〜1000であることが好ましい。Mnが100未満では、トナー中に分散させることが困難となる。また、Mnが1000を超える場合には、定着性を向上させる効果が少なく、好ましくない。
【0050】
本発明における分子量の測定は、以下の方法により行った。
【0051】
<ワックスのGPC測定条件>
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−HT(東ソー社製)の2連
温度 :135℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速 :1.0ml/min.
試料 :濃度0.15質量%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。更に、ワックスの分子量は、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式で換算することによって算出される。
【0052】
さらに、第1のワックスは、示差走査型熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の最大吸熱ピーク温度が、好ましくは95乃至150℃の範囲内、好ましくは100乃至150℃、更に好ましくは120乃至150℃範囲であることである。
【0053】
第1のワックスの最大ピーク温度が95℃未満ならば、高温時の離型性が得られにくく、好ましくなく、また、150℃を超えるならば、定着性を阻害することがあり、好ましくない。
【0054】
また、第2のワックスは、示差走査型熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の最大吸熱ピーク温度が、60乃至95℃の範囲内、好ましくは60乃至90℃であることが好ましい。
【0055】
第2のワックスの最大ピーク温度が60℃未満ならば、保存性に悪影響を与える恐れがあり好ましくなく、また、95℃を超えるならば、定着性を向上させる効果が少なく、好ましくない。
【0056】
トナーの吸熱ピーク温度の測定は示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い、下記の条件にて測定した。
【0057】
さらに、第1のワックスの最大吸熱ピーク温度と第2のワックスの最大吸熱ピーク温度との差は、20乃至80℃の範囲であることが好ましい。20℃未満では、2種類のワックスを添加した効果が得られず、定着−耐オフセット性の十分な領域が得られにくくなり、好ましくない。80℃を超える時には、2種類のワックスが溶融する温度が大きく異なるため、溶融混練時に2種類を同時に分散することが難しく、不均一なトナーが得られやすく、帯電性が安定しにくく、カブリなどの弊害が出やすくなる。
【0058】
本発明に使用される結着樹脂の種類としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0059】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは組み合わせて用いられる。
【0060】
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物、;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用できる。
【0061】
本発明に使用される重合体成分は、THF可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラム)において、分子量5×103〜3×104の領域にメインピークを有し、且つ分子量1×105〜3×106の領域にサブピークまたはショルダーを有することが好ましい。
【0062】
該重合体成分のGPCのメインピークが5×103未満ならば、樹脂の溶融粘度が低すぎて本発明の2種類のワックス成分を有効に分散することができず好ましい離型性を得ることが困難となり、また、3×104を超える時には、定着性に悪影響を与えるばかりか、トナー製造時の混練における負荷が増し、生産性が下がると同時に、トナー原料各成分の分散も不均一となって安定した帯電性能が得られ難くなる。
【0063】
また、分子量1×105〜3×106の領域にサブピークまたはショルダーを有することにより、適度な耐高温オフセット性の調整が可能となり、さらにはトナー全体の溶融粘度、粘弾性の調整も可能となることによって、他原材料のトナー中の分散を適度に調整することが可能となるのである。
【0064】
本発明において、トナー組成物の分子量分布(GPC)は、次の条件によって測定される。
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:KF801〜7(ショウデックス社製)の7連
温度 :40℃
溶媒 :THF(テトラヒドロフラン)
流速 :1.0ml/min.
試料 :濃度0.05〜0.6質量%の試料を0.1ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料(東ソー製A−500,A−1000,A−2500,A−5000,F−1,F−2,F−4,F−10,F−20,F−40,F−80,F−128,F−288,F−450,F−850など、10点以上を併用する)により作成した分子量校正曲線を使用する。
【0065】
該結着樹脂は、低分子量体(L成分)と高分子量体(H成分)を溶剤溶融混合して得られた樹脂であることが好ましい。L成分とH成分を各々単独で重合することにより、それぞれの領域における分子量を高度に調節することが可能となり、また、それらを溶剤溶融混合することで、分子量の異なる成分を均一に混合することが可能となり、定着−耐オフセット性において幅広い領域を確保することができると共に、帯電性においても均一性を得られやすくなり、カブリなどの不良画像が生じにくくなり好ましい。
【0066】
さらに前述のワックス添加方法において、L成分の重合添加率に応じてワックスを添加することが好ましい。すなわち、L成分の重合添加率が40mol%未満の時にトナー中に含まれる全ワックス量の1乃至40質量%を添加し、さらにL成分の重合添加率が60mol%以上の時にトナー中に含まれる全ワックス量の20乃至99質量%を添加することが好ましい。
【0067】
L成分はトナーにおいては、定着性能を大きく左右する成分であり、また、メインピークとなるL成分部分はトナーマトリックスの多くを占めるため、また、耐オフセット性に与える影響も大きい。よって、その中でのワックスの分散状態が定着性に与える影響が大きいため、L成分でのワックス分散状態を制御することがより重要となっているのである。
【0068】
本発明のトナーは、荷電制御剤として、有機金属化合物を用いることが好ましく、特に有機化合物を配位子や対イオンとして含有するものが有用である。このような金属錯体としては、帯電性の観点から、金属錯体型モノアゾ化合物が好ましく用いられる。金属錯体型モノアゾ化合物としては、特公昭41−20153号、同42−27596号、同44−6397号、同45−26478号公報などに記載されているモノアゾ染料の金属錯体などがある。特に分散性・帯電性の面などから、下記一般式(I)で表わされる金属錯体型モノアゾ化合物であることが好ましく、中でも、中心金属が鉄である金属錯体型モノアゾ鉄錯体を用いることが好ましい。さらに好ましくは、下記一般式(II)で表わされるモノアゾ鉄錯体を用いることである。
【0069】
【化1】
【0070】
【化2】
[式中、X1,X2;水素原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,ニトロ基,ハロゲン原子
m,m’;1〜3の整数
Y1,Y3;水素原子,C1〜C18のアルキル,アルケニル,スルホンアミド,メシル,スルホン酸,カルボキシエステル,ヒドロキシ,C1〜C18のアルコキシ,アセチルアミノ,ベンゾイル,アミノ基,ハロゲン原子
n,n’;1〜3の整数
Y2,Y4;水素原子,ニトロ基
(上記のX1とX2,mとm’,Y1とY3,nとn’,Y2とY4は同一でも異なっていても良い。)
A+;アンモニウムイオン,アルカリ金属イオン、水素イオンの混合よりなる。]
【0071】
上記金属錯体型モノアゾ化合物の含有量は、トナー結着樹脂100質量部に対し、0.05〜5質量部が好ましく、特に0.2〜3質量部が好ましい。該金属錯体型モノアゾ化合物の含有量が多過ぎると、トナーの流動性が悪化し、カブリが生じやすく、一方、少な過ぎると充分な帯電量が得られにくい。
【0072】
本発明において着色剤としては、任意の適当な顔料または染料が使用される.トナー着色剤は周知であって、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の添加量が良い。また同様の目的で、さらに染料が用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料等があり樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
【0073】
本発明のトナーは、磁性材料を含有した磁性トナーとして用いられることが好ましい。使用できる磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素などの元素を含む金属酸化物などがある。これら磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは1〜20m2/g、特に2.5〜12m2/g、更にモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。磁性体の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが好ましい。等方性の形状を有するものは、本発明の如き、結着樹脂・ワックスに対しても、良好な分散を達成することができるからである。磁性体の平均粒径としては0.05〜1.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.6μm、さらには、0.1〜0.4μmが好ましい。
【0074】
上記磁性材料は、トナー結着樹脂100質量部に対し40〜200質量部添加するのが好ましく、特に好ましくは50〜150質量部である。40質量部未満ではトナーの搬送性が不十分で現像剤担持体上の現像剤層にムラが生じ、画像ムラとなる傾向であり、さらに現像剤の帯電の過剰な上昇に起因する画像濃度の低下が生じ易い傾向であった。また、200質量部を超える場合には現像剤の帯電が充分には得られなくなるために、画像濃度低下が生じやすくなる。
【0075】
また、本発明のトナーには、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上のため、無機微粉体または疎水性無機微粉体が混合されていることが好ましい。例えば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末又はそれらの疎水化物が挙げられる。それらは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
【0076】
シリカ微粉体は、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-等の製造残渣の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等、他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0077】
さらにシリカ微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシラン化合物で処理した後、あるいはシラン化合物で処理すると同時にシリコーンオイルのごとき有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
【0078】
疎水化処理に使用されるシラン化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のケイ素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0079】
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30〜1000mm2/sのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
【0080】
シリコーンオイル処理の方法としては、例えばシラン化合物で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。
【0081】
本発明のトナーには、必要に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0082】
例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子などである。
【0083】
例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンのごとき滑剤、中でもポリフッ化ビニリデンが好ましい。あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。あるいは例えば酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤、また、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0084】
トナーと混合される樹脂微粒子または無機微粉体または疎水性無機微粉体などは、トナー100質量部に対して0.1〜5質量部(好ましくは、0.1〜3質量部)使用するのがよい。
【0085】
本発明のトナーは、トナー構成材料をボールミルのごとき混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのごとき熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し、冷却固化後粉砕及び厳密な分級を行うことにより生成することができる。
【0086】
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)が挙げられ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
【0087】
【実施例】
以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
【0088】
[実施例1]
4ツ口フラスコに脱気水180質量部とポリビニルアルコールの2質量%水溶液20質量部を投入した後、スチレン70質量部、アクリル酸−n−ブチル25質量部、マレイン酸モノブチル5質量部、ジビニルベンゼン0.003質量部、及び、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(半減期10時間温度92℃)0.1質量部の溶液の混合液を加え、攪拌し懸濁液とした。
【0089】
フラスコ内を充分に窒素で置換した後、85℃まで昇温して、重合を開始した。同温度に24時間保持した。これを瀘別し、水洗、乾燥し、高分子量重合体(H)を得た。これを分析したところ、Mw=90万、PMw=85万、Mw/Mn=2.5、Tg=62℃であった。
【0090】
一方、4ツ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、攪拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
【0091】
この還流下で、スチレン66質量部、アクリル酸−n−ブチル25質量部、マレイン酸モノブチル9質量部、高分子量のポリプロピレンを熱減成することにより得られた熱減成型低分子量ポリプロピレン(W1;溶融粘度(160℃)200mPa・s、DSC最大吸熱ピーク温度135℃)を最終的に得られるトナー用結着樹脂(ワックス成分量を除く)100質量部に対して0.5質量部相当になるよう加え(この場合は0.71質量部)、さらに、ジ−tert−ブチルパーオキサイド2質量部の混合液を4時間かけて滴下後、2時間保持した。この時点での重合転化率は98mol%であった。
【0092】
重合転化率は、ガスクロマトグラフィーにより測定された残存モノマー濃度より残存モノマー量を求め、下記式から算出した。
【0093】
【数1】
【0094】
なお、ガスクロマトグラフィーにおける条件は特に限定されないが、下記の方法で行うことが可能である。
装置:島津GC−15A(島津製作所製)
キャリアガス:N2(196kPa、流速8.3×10-7m3/s、split比1:60)
カラム:ULBON HR−1 50mm×0.25mm
昇温:50℃で5分間保持後、5℃/分で100℃まで昇温し、更に10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で保持した。
試料量:2μl
標準試料:トルエン
この重合体溶液の一部をサンプリングし、減圧下で乾燥させ、得られた低分子量重合体(L−1)の分析を行ったところ、Mw=15000、PMw=15500、Mw/Mn=2.3、Tg=60℃であった。
【0095】
この重合体溶液(L−1)と高分子量重合体(H)をワックスを含まない比率でL成分とH成分の比率が70:30となるように混合してワックスを含まない重合体として100質量部となるようにし、さらに、熱減成型ポリプロピレン(W1)2.5質量部、及び、パラフィンワックス(W2;DSC最大吸熱ピーク温度75℃)3質量部を溶解させ、還流下、重合を完了させた後、有機溶剤を留去し、得られた樹脂を冷却固化した後、粉砕し、トナー用結着樹脂を得た。
【0096】
上記トナー用結着樹脂を106質量部(ワックス成分量を除き100質量部となるように)、球形磁性酸化鉄100質量部、下記式に示される金属モノアゾ型化合物2質量部を予め均一に混合し、これを90℃に加熱された二軸エクストルーダーで溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、更にジェットミルで微粉砕した後、得られた粉砕物を風力分級し、重量平均径D4が6.9μmの分級粉を得た。
【0097】
【化3】
【0098】
この分級粉100質量部に対し、疎水化処理シリカ微粉体1.2質量部を乾式混合外添し、トナーを得た。
【0099】
[実施例2、参考例1]
ワックスの添加時期を変えた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0100】
[実施例3]
低分子量重合体(L−1)をいったん、溶剤留去し乾燥させた後に、再び、該乾燥低分子量重合体(L−1)70.5質量部、高分子量重合体(H)30質量部、低分子量ポリプロピレン(W1)2.5質量部、及び、パラフィンワックス(W2;DSC最大吸熱ピーク温度75℃)3質量部を還流キシレン100質量部中で溶融混合して均一混合することによって得られた結着樹脂を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0101】
[実施例4〜13、参考例1〜9]
以下、表1及び2に示す手順に従い、トナーをそれぞれ得た。なお、各実施例に用いたワックスの性状については表3にまとめた。
【0102】
[比較例1]
結着樹脂重合時にワックス成分を添加せずに、原材料混練時に熱減成型ポリプロピレンワックス(W1)3質量部及びパラフィンワックス(W2)3重量部を混合して用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
【0103】
[比較例2]
結着樹脂重合時にワックス成分を添加せずに重合し、また、結着樹脂の重合が完全に終了した後(重合添加率100mol%)に溶剤留去し、低分子成分(L−2)を一度乾燥させてから、改めてキシレン溶剤中に、該低分子量成分(L−2)70質量部、高分子量成分(H)30質量部、熱減成型ポリプロピレンワックス(W1)3質量部及びパラフィンワックス(W2)3質量部を溶融混合して製造された結着樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
【0104】
[比較例3]
結着樹脂の重合を開始する前に熱減成型ポリプロピレンワックス(W1)3質量部及びパラフィンワックス(W2)3質量部を添加した。その結果、重合阻害が起こり、結着樹脂のピーク分子量は7000となった。それ以外はワックス成分を用いずに、他は実施例1と同様にして、トナーを得た。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】
(評価)
このようにして得られたトナーを用いて、評価を行った。また、プリントアウト試験・定着性・耐オフセット性試験は下記の要領で行った。
【0109】
<プリントアウト試験>
高温高湿(32.5℃・80%RH)、低温低湿(15℃・10%RH)の各々の環境下で、市販のレーザービームプリンターLBP−950(キヤノン製)を以下の構成に改造し、下記条件でプリントアウト試験を行った。トナー切れに際しては、カートリッジ上部のトナー容器部分に切り込みを設け、そこからトナーを補給することによってプリントアウト試験を続けた。
【0110】
一次帯電を−670Vとして静電潜像を形成し、感光ドラムと現像剤担持体(磁石内包)上の現像剤層を非接触に間隙(290μm)を設定し、交流バイアス(f=2000Hz;Vpp=1600V)及び直流バイアス(Vdc=−500V)として現像ドラムに印加した。また、トナー担持体であるスリーブの周速はより高画質な画像を得る為に、ドラム周速と等速となるようにギア比を変更した。さらにスリーブは、薄層のトナーコートとなるよう表面粗さを平均表面粗さ(Ra)で1.35μmとなるように変更した。プリントアウトの速度は、50枚(A4ヨコ)/1分となるように改造した。得られた画像を下記の項目について評価した。
【0111】
▲1▼画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に20000枚プリントアウト終了時の画像濃度維持により評価した。なお、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0112】
▲2▼カブリ
リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定した転写紙の白色度と、低温低湿(15℃・10%RH)環境下において、10000枚耐久画出しした後のベタ白をプリント後の転写紙の白色度との比較からカブリを算出した。
【0113】
▲3▼定着性
定着性は、90g/m2の坪量の複写機用普通紙を用いて、低温低湿(15℃・10%RH)環境下でLBPを立ち上げ直後に得られた画像(コールドスタート)を4.9kPaの圧力をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)で評価した。なお、摺擦前の画像は定着性の厳しいハーフトーン画像とし、トナーの載り量を5g/m2とした。
(優):5%未満 ○(良):5〜10%
(可):10〜15% ×(不可):15%以上
【0114】
▲4▼耐オフセット性
耐オフセット性は、画像面積率約5%のサンプル画像をプリントアウトし、画像上の汚れの程度により評価した。試験紙として複写機用普通紙(64g/m2)を使用した。
◎:非常に良好(未発生) ○:良好(ほとんど発生せず)
△:実用可 ×:実用不可
【0115】
▲5▼スリーブ(トナー担持部材)の汚れ
高温高湿(32.5℃・80%RH)環境下で20000枚を2枚/10秒の割合で間欠的に画出しした後に、スリーブの表面を目視で観察し、スリーブのトナー汚染の程度により評価した。
◎:非常に良好(未発生) ○:良好(ほとんど発生せず)
△:実用可(端部のみにトナー付着) ×:実用不可(全面にトナー付着)
【0116】
▲6▼ブロッブス画像汚れ
低温低湿(15℃・10%RH)環境下で通常の複写機用普通紙(75g/m2)を20000枚プリントアウトを行い、定着器の分離爪に相当する画像部分のブロッブス汚れの程度により評価した。
◎:非常に良好(未発生) ○:良好(黒ポチ3個以下)
△:実用可(黒ポチ4〜9個) ×:実用不可(黒ポチ10個以上)
【0117】
以上の評価方法により、実施例1〜13、参考例1〜9、及び、比較例1〜3のトナーの評価を行った。結果を表4にまとめて記した。
【0118】
【表4】
【0119】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、定着性及び耐オフセット性のバランスに優れ、かつ、いかなる環境下においてもカブリの少ない高品質の画像を長期間に渡って提供でき、さらに、トナー接触部材を汚染することなく、高度に耐久可能なトナーを得ることを可能とした。
【0120】
また、本発明によれば、定着性及び耐オフセット性のバランスに優れ、かつ、いかなる環境下においてもカブリの少ない高品質の画像を長期間に渡って提供でき、さらに、トナー接触部材を汚染することなく、高度に耐久可能なトナーを得ることができるトナー用結着樹脂、及び、トナー用結着樹脂の製造方法を提案した。
Claims (5)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、第1のワックス及び第2のワックスを含有するトナーにおいて、
該トナーは、該結着樹脂としての重合体とワックスとを含有する樹脂組成物を含有し、該樹脂組成物は、有機媒体に溶解した重合性単量体を、該有機媒体中で重合して重合体を生成する際において、該重合性単量体の重合転化率が40mol%未満の低重合転化率時に、トナー中に含まれる全ワックス量に対して1乃至25質量%の量の該第1のワックスを該有機媒体中に添加し、さらに該重合性単量体の重合転化率が80mol%以上の高重合転化率時に、トナー中に含まれる全ワックス量に対して20乃至99質量%の量の該第1のワックス及び該第2のワックスを該有機媒体中に添加して製造された樹脂組成物であって、
低重合転化率時に添加されるワックス量と高重合転化率時に添加されるワックス量との合計が、トナー中に含まれる全ワックス量の50質量%以上であり、
低重合転化率時に添加されるワックス量と高重合転化率時に添加されるワックス量との質量比が、1:99乃至1.5:4.5の範囲であり、
低重合転化率時に添加する該第1のワックスの量が該結着樹脂100質量部に対して0.5〜1.5質量部であり、該重合体、該第1のワックス及び該第2のワックスが該有機媒体に可溶であり、
該第1のワックスが、ポリプロピレンワックスであり、
該第2のワックスが、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス及びモンタン酸エステルワックスから選ばれるワックスであることを特徴とするトナー。 - 該トナーは、低分子量体(L成分)と高分子量体(H成分)を溶剤中で溶融混合して得られた樹脂組成物を含有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 該重合性単量体の重合添加率が、該低分子量体の重合添加率であることを特徴とする請求項2に記載のトナー。
- 該低分子量体の重合転化率が60mol%以上の時に、高分子量体(H成分)を添加することを特徴とする請求項2に記載のトナー。
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、第1のワックス及び第2のワックスを含有するトナーの製造方法において、
該トナーは、該結着樹脂としての重合体とワックスとを含有する樹脂組成物を含有し、該樹脂組成物は、有機媒体に溶解した重合性単量体を、該有機媒体中で重合して重合体を生成する際において、該重合性単量体の重合転化率が40mol%未満の低重合転化率時に、トナー中に含まれる全ワックス量に対して1乃至25質量%の量の該第1のワックスを該有機媒体中に添加し、さらに該重合性単量体の重合転化率が80mol%以上の高重合転化率時に、トナー中に含まれる全ワックス量に対して20乃至99質量%の量の該第1のワックス及び該第2のワックスを該有機媒体中に添加して製造された樹脂組成物であって、
低重合転化率時に添加されるワックス量と高重合転化率時に添加されるワックス量との合計が、トナー中に含まれる全ワックス量の50質量%以上であり、
低重合転化率時に添加されるワックス量と高重合転化率時に添加されるワックス量との質量比が、1:99乃至1.5:4.5の範囲であり、
低重合転化率時に添加する該第1のワックスの量が該結着樹脂100質量部に対して0.5〜1.5質量部であり、該重合体、該第1のワックス及び該第2のワックスが該有機媒体に可溶であり、
該第1のワックスが、ポリプロピレンワックスであり、
該第2のワックスが、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス及びモンタン酸エステルワックスから選ばれるワックスであることを特徴とするトナーの製造方法。
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