JP4724292B2 - ユニット階段の部材別加工システム及び方法 - Google Patents

ユニット階段の部材別加工システム及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニット階段を構成するユニット部材を製作する際に用いられるユニット階段の部材別加工システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅においては、品質の向上、設計施工の合理化等の観点で、キッチン、風呂、洗面、トイレ等をユニット化することが多いが、階段についても同様であり、階段の幅、階高等に応じて予め規格化されたユニット階段を用いることが多い。
【0003】
かかるユニット階段は、通常、直階段側板、内廻り側板、外廻り側板、廻り踏板といったユニット部材に分割された状態で工場で加工製作され、しかる後、現場に搬入され組立作業が行われる。
【0004】
ここで、従来の加工システムでは、受注のたびに加工指示データに基づいて原材料を加工機に投入するとともに該原材料をユニット部材に加工し、しかる後、加工されたユニット部材を出荷日を待って出荷するという手順で行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような加工システムでは、加工機を取り扱う作業員があらゆる種類のユニット部材に関して十分な知識を持たなければならないとともに、それに必要な原材料についても当然のことながら熟知しておく必要があり、加工作業を行う作業員にとって大きな負担となるとともに、その結果、経験の浅い作業員では、加工効率が大きく低下するというという問題を生じていた。
【0006】
また、一台の加工機で一邸分のユニット部材を製作していたため、加工機の周辺はさまざまな寸法の原材料が雑然と積まれた状態となるのを余儀なくされ、その結果、必要な原材料を探し出してこれを加工機に投入する作業効率ひいては原材料からユニット部材の加工効率が低下しがちになるという問題も生じていた。
【0007】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ユニット階段を構成するユニット部材を製作するにあたり、原材料からユニット部材の加工効率を高めることが可能なユニット階段の部材別加工システム及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るユニット階段の部材別加工システムは請求項1に記載したように、ユニット階段を構成するさまざまな種類のユニット部材に関する部材情報データを建物物件ごとに記憶する記憶手段と、原材料を複数の加工機で加工して前記ユニット部材を製作するための加工指示データ及びNC加工データを前記記憶手段から読み出された前記部材情報データを用いて作成する演算手段と、加工されたユニット部材に貼付され前記部材情報データの少なくとも一部が記載されたラベルを作成する印刷手段とを備えたユニット階段の部材別加工システムであって、
前記演算手段は、前記さまざまな種類のユニット部材が、同一の日に出荷され同一の加工機で製作される複数の加工グループに分類されるように、かつ該各加工グループに属するユニット部材と前記各加工機とを関連付けることで、該各加工機がそれぞれ前記各加工グループに属するユニット部材を専用に製作する専用加工機となるように、前記各加工機ごとに前記加工指示データ及び前記NC加工データを作成するようになっているとともに、前記複数の加工機のうち、前記ユニット部材を製作するための原材料を同時加工可能な加工機のテーブル上に複数の原材料を載せる際のそれぞれの位置を特定するための位置指定情報が含まれるように、前記加工指示データを作成するようになっており、
前記印刷手段は、前記ラベルに前記位置指定情報を記載するするようになっているものである。
【0009】
また、本発明に係るユニット階段の部材別加工システムは、前記演算手段を、前記記憶手段に記憶された前記ユニット部材に関する部材情報データを読み出して該ユニット部材が組み上げられたユニット階段として所定の出力手段に表示するように構成したものである。
【0012】
また、本発明に係るユニット階段の部材別加工方法は請求項に記載したように、ユニット階段を構成するさまざまな種類のユニット部材に関する部材情報データを建物物件ごとに登録し、原材料を複数の加工機で加工して前記ユニット部材を製作するための加工指示データ及びNC加工データを前記部材情報データを用いて作成し、加工されたユニット部材に貼付され前記部材情報データの少なくとも一部が記載されたラベルを作成する工程からなるユニット階段の部材別加工方法であって、
前記さまざまな種類のユニット部材が、同一の日に出荷され同一の加工機で製作される複数の加工グループに分類されるように、かつ該各加工グループに属するユニット部材と前記各加工機とを関連付けることで、該各加工機がそれぞれ前記各加工グループに属するユニット部材を専用に製作する専用加工機となるように、前記各加工機ごとに前記加工指示データ及び前記NC加工データを作成するとともに、前記複数の加工機のうち、前記ユニット部材を製作するための原材料を同時加工可能な加工機のテーブル上に複数の原材料を載せる際のそれぞれの位置を特定するための位置指定情報が含まれるように、前記加工指示データを作成し、
該位置指定情報が前記ラベルに記載されるように該ラベルを作成するものである。
【0013】
本発明に係るユニット階段の部材別加工システム及び方法においては、まず、受注した建物物件ごとに、ユニット階段を構成するさまざまな種類のユニット部材に関する部材情報データを記憶手段に書き込むことで登録し、該記憶手段に保存する。
【0014】
部材情報データとしては、邸名、建築場所、階高といった建物物件に関する情報のほか、各ユニット部材の製作加工に必要となる加工寸法情報や出荷日に関する情報が含まれる。
【0015】
なお、部材情報データを登録する際、建物物件に関する情報や出荷日に関する情報については、別途作成されている顧客データベースから該当する物件データを読み込むことで入力作業を省略化するようにしてよい。また、加工寸法情報については、別途作成済みの図面を見ながら新規に入力作業を行って登録するようにしてもよいが、場合によっては、建物設計の際に作成されたCADデータを読み込むことで入力作業を省力化するようにしてもよい。
【0016】
かかる登録作業を建物物件ごとに繰り返し行った後、上述した部材情報データを記憶手段から読み出し、各ユニット部材を製作するための加工指示データ及びNC加工データを出荷日及び加工機ごとに演算手段にて作成する。
【0017】
すなわち、登録されたユニット部材の中には、原材料が異なるものや出荷日が異なるものが混在しているが、これらのユニット部材を、同一の日に出荷されかつ同一の加工機で製作される予定のユニット部材ごとに複数の加工グループとして分類するとともに、各加工グループに属するユニット部材をどの加工機で製作するかという、いわば加工機との関連付けを行い、かかる関連付けに沿って、加工指示データ及びNC加工データを加工機ごとに作成する。
【0018】
したがって、加工指示データには、各ユニット部材を製作するための元になる原材料を寸法等で特定するための情報や、第何号機を使用するかといった加工機を特定するための情報が含まれる。また、NC加工データには、各ユニット部材の製作に必要な寸法情報が含まれる。
ここで、加工指示データを演算手段で作成するにあたっては、各加工機がそれぞれユニット部材の種類に応じて該ユニット部材を専用に製作する専用加工機となるように、該加工機ごとに加工指示データを作成する。
このようにすると、各加工機を担当する作業員は、自分自身が取り扱うべきユニット部材及びその原材料が例えば作業日ごとに限定されることとなり、従来のようにあらゆる種類のユニット部材及びその原材料を終日取り扱わねばならないといった事態から開放されるとともに、その結果として、あらゆる種類のユニット部材やその原材料に関する知識を修得しておく必要もなくなり、かくして、作業員の経験に関わりなく、加工作業を効率よく行うことが可能となる。
また、加工指示データを演算手段で作成するにあたっては、複数の加工機のうち、ユニット部材を製作するための原材料を同時加工可能な加工機のテーブル上に複数の原材料を載せる際のそれぞれの位置を特定するための位置指定情報が含まれるようにする。
このようにすると、どの原材料を加工機のテーブルのどの位置に載せればよいかが加工指示データを見れば一目でわかるとともに、加工されたユニット部材にラベルを貼付する際にも、同時加工された複数のユニット部材のうちのどれに貼付すればよいかが、ラベルを見れば一目でわかる。
【0019】
次に、各加工機を担当する作業員は、加工指示データを見ながら必要な原材料を調達し、それらを加工機のテーブルに載せるとともに、NC加工データを加工機にロードしてユニット部材を製作する。
【0020】
一方、部材情報データの少なくとも一部が記載されたラベルを印刷手段で予め印刷しておき、該ラベルを加工済みのユニット部材に貼付する。ラベルに記載すべき内容としては、加工済みのユニット部材との対応付けができる情報、すなわち、加工機を特定する情報、ユニット部材の名称に関する情報や、出荷の際に必要となる情報、すなわち、邸名、出荷日、施主名などの情報を記載しておくことが考えられる。また、ユニット部材の部品明細書、各ユニット部材をユニット階段に組み上げるための組立図等についても、必要に応じて印刷手段で印刷しておく。
【0021】
なお、ラベルを印刷するにあたっては、建物物件ごとの登録作業を行う際、それぞれの建物物件の登録を終えるごとに該建物物件に関するラベルをそのつど印刷するようにしてもよいし、すべての建物物件の登録が終了してから印刷するようにしてもよい。ユニット部材の部品明細書等を印刷する場合も同様である。
【0023】
記憶手段、演算手段及び印刷手段は、それぞれ集中管理用のパソコンのハードディスク、演算処理装置及びプリンタで構成することができる。
【0024】
加工指示データは、FD(フロッピィディスク)に保存した上、これを作業員に手渡し、それを各加工機のそばに設置された加工機ごとのパソコンで画面表示したり印刷したりすることでその内容を確認することができる。また、上述した集中管理用のパソコンをサーバー、各加工機ごとのパソコンをクライアントパソコンとしてLANで接続し、該LANを介してクライアントパソコンで画面表示したり印刷したりすることで同様に内容確認を行うようにしてもよい。また、集中管理用のパソコンで各加工機用の加工指示データを一括印刷し、これらを各作業員に手渡すようにしてもよい。
【0025】
ここで、上述したように、登録作業を建物物件ごとに繰り返し行った後、直ちに、部材情報データを記憶手段から読み出して出荷日及び加工機ごとにユニット部材の加工指示データ及びNC加工データを演算手段にて作成するようにしてもよいが、前記記憶手段に記憶された前記ユニット部材に関する部材情報データを読み出して該ユニット部材が組み上げられたユニット階段として所定の出力手段に表示するように構成した場合においては、ユニット部材同士がきちんと収まるかどうか、互いに干渉しないかどうかといった組上がり状態や不要なユニット部材が含まれていないかどうかといったことを事前にチェックすることが可能となる。この場合の出力手段としては、集中管理用のパソコンのディスプレイやプリンタで構成し、それぞれ画像表示、印刷という形で出力することが考えられる。また、表示の仕方としては、平面図、断面図、斜視図等、さまざまな図面表示が考えられる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るユニット階段の部材別加工システム及び方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0029】
図1は、本実施形態に係るユニット階段の部材別加工システムを示した全体図である。同図(a)でわかるように、本実施形態に係るユニット階段の部材別加工システム1は、集中管理用のパソコンであるサーバー2と、該サーバーとLANを介して接続された7台のクライアントパソコン3a、3b、・・・3gとから概ね構成してあり、7台のクライアントパソコン3a、3b、・・・3gは、同図(b)に示す平面図でよくわかるように、7台の加工機4a、4b、・・・4gの近傍にそれぞれ設置してある。
【0030】
サーバー2は、記憶手段であるハードディスク5、演算手段である演算処理装置6、印刷手段であるプリンタ7及び出力手段であるディスプレイ8とからなり、ハードディスク5は、ユニット階段を構成するさまざまな種類のユニット部材に関する部材情報データを建物物件ごとに記憶するようになっている。
【0031】
演算処理装置6は、ハードディスク5に記憶されたユニット部材に関する部材情報データを読み出し、これを該ユニット部材が組み上げられたユニット階段として出力手段であるディスプレイ8に画像表示するとともに、原材料からユニット部材を製作するための加工指示データ及びNC加工データを、出荷日及び加工に使用される加工機4a、4b、・・・4gごとに上述した部材情報データを用いて作成するようになっている。
【0032】
一方、プリンタ7は、加工されたユニット部材に貼付されるラベルを印刷するようになっており、該ラベルには、上述した部材情報データの少なくとも一部が記載してある。
【0033】
ここで、加工機4a、4b、・・・4gは、所定種類のユニット部材を専用に製作するための専用加工機として構成してある。すなわち、ユニット階段を構成するユニット部材のうち、直側板については、加工機4d及び加工機4fで、外廻り側板については、加工機4a、加工機4d、加工機4e、加工機4f及び加工機4gで、内廻り側板については、加工機4b及び加工機4cで、廻り踏板については、全ての加工機4a、4b、・・・4gで、特注部品については、予め定められた所定の加工機、例えば加工機4aだけで、それぞれ原材料を加工して製作されるようにしてある。
【0034】
図2及び図3は、本実施形態に係るユニット階段の部材別加工方法の処理手順を示したフローチャートである。同図でわかるように、本実施形態に係るユニット階段の部材別加工方法においては、まず、受注した建物物件ごとに、ユニット階段を構成するさまざまな種類のユニット部材に関する部材情報データを登録し、これをハードディスク5に記憶させる(ステップ101)。
【0035】
部材情報データとしては、邸名、建築場所、階高といった建物物件に関する情報のほか、各ユニット部材の製作加工に必要となる加工寸法情報や出荷日に関する情報が含まれる。
【0036】
なお、部材情報データを登録する際、建物物件に関する情報や出荷日に関する情報については、別途作成されている顧客データベース9(図1参照)から該当する物件データを読み込むことで入力作業を省略化するとともに、加工寸法情報については、建物設計の際に作成されたCADデータを読み込むことで入力作業を省力化するようするのが望ましい。
【0037】
次に、ハードディスク5に記憶されたユニット部材に関する部材情報データを読み出し、該ユニット部材が組み上げられたユニット階段としてディスプレイ8に画像表示する(ステップ102)。表示の仕方としては、平面図、断面図、斜視図等、さまざまな図面表示方法が考えられる。
【0038】
ここで、ユニット部材同士がきちんと収まるかどうか、互いに干渉しないかどうかといった組上がり状態や不要なユニット部材がないかどうかといったことをチェックし、問題があれば、ハードディスク5内への部材情報データの再登録を行い(ステップ103、NO)、再度、ディスプレイ8に表示して上述した点を確認する(ステップ102)。
【0039】
登録された部材情報データの内容に問題がなければ(ステップ103、YES)、次の建物物件について同様の手順(ステップ101〜103)を繰り返す(ステップ104)。
【0040】
このようにすべての建物物件について登録作業を繰り返し行ったならば(ステップ104、YES)、次に、上述した部材情報データをハードディスク5から読み出し、各ユニット部材の加工指示データ及びNC加工データを出荷日及び加工機ごとにサーバー2の演算処理装置6で作成する(ステップ105)。
【0041】
すなわち、登録されたユニット部材の中には、原材料が異なるものや出荷日が異なるものが混在しているが、これらのユニット部材を、同一の日に出荷されかつ同一の加工機で製作される予定のユニット部材ごとに複数の加工グループとして分類するとともに、各加工グループに属するユニット部材をどの加工機4a、4b、・・・4gで製作するかという、いわば加工機との関連付けを行い、かかる関連付けに沿って、加工指示データ及びNC加工データを加工機ごとに作成する。
【0042】
したがって、加工指示データには、各ユニット部材を製作するための元になる原材料を素材寸法として特定するための情報や、第何号機を使用するかといった加工機を特定するための情報が含まれる。また、NC加工データには、各ユニット部材の製作に必要な寸法情報が含まれる。
【0043】
図4は、表形式で作成された加工指示データ21を一例として示したものである。同図でわかるように、加工指示データ21には、加工機No.(加工機4a、4b、・・・4gに対応した番号で、同図ではNo.4、すなわち加工機4dを使用すべき旨、表記されている)及び出荷予定日が記載されているとともに、その加工機で製作すべきユニット部材の通しの部品No.、そのユニット部材がどの建物物件に該当するかを示す物件No.、邸名(施主名)、住宅の商品名、ユニット部材の名称、原材料の素材寸法、プログラムNo.、各加工機のテーブルのどこに原材料を載せるかを指定する位置指定情報としてのセット位置及びR加工の有無を示してある。
【0044】
ちなみに、本実施形態では、直側板及び外廻り側板を製作する加工機として加工機4d(加工機No.4)を割り振ってあるため、直側板が通し番号1、2、5〜8に、外廻り側板が通し番号3〜4、9〜11に挙がっている。
【0045】
なお、かかる加工指示データやNC加工データについては、後日再製作する必要が生じることも考慮し、ハードディスク5その他の記憶媒体に保存しておくのが望ましい。
【0046】
一方、加工されたユニット部材に貼付されるべきラベルをプリンタ7で予め印刷しておく(ステップ106)。
【0047】
印刷されたラベル31を図5に示す。ここで、ラベルは、加工済みのユニット部材を特定するために上述した部材情報データの一部を記載したものであり、まず、どのユニット部材に貼付すべきかを識別するために必要な情報として、加工機4a、4b、・・・4gを特定する情報(加工機No.)、ユニット部材を特定する情報(部品No.)及び加工機のどの位置で加工されたかを示す情報(セット位置)を記載しておくとともに、出荷先や出荷日を特定するために必要な情報として、邸名及び出荷予定日を記載しておく。ちなみに、図4に示したラベル31は、加工機4d(加工機No.4)のセット位置1で製作されたユニット部材に貼付されるラベルであって、貼付後は、8月15日に物件No.1の邸宅で使用するユニット階段のユニット部材として出荷すべきものであることがわかる。
【0048】
なお、ユニット部材の部品明細書、各ユニット部材をユニット階段に組み上げるための組立図等についても、必要に応じてプリンタ7で印刷しておく。
【0049】
次に、各加工機4a、4b、・・・4gを担当する作業員は、サーバー2からLAN経由で送られてきた加工指示データをクライアントパソコン3a、3b、・・・3gのディスプレイに画像表示し、それを見ながら加工内容を確認して必要な原材料を調達し、それらをセット位置に注意しながら加工機4a、4b、・・・4gのテーブルに載せるとともに、加工寸法など加工に必要な情報が保存されたNC加工データを各加工機4a、4b、・・・4gにロードし、ユニット部材を製作する(ステップ107)。
【0050】
次に、予め印刷しておいたラベル31を加工が終了したユニット部材に貼付し、出荷に備える(ステップ108)。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係るユニット階段の部材別加工システム及び方法によれば、出荷日や種類が混在した多数のユニット部材を、同一の日に出荷されかつ同一の加工機で製作される予定のユニット部材ごとに複数の加工グループとして分類するとともに、各加工グループに属するユニット部材をどの加工機で製作するかという、いわば加工機との関連付けを行い、かかる関連付けに沿って、加工指示データ及びNC加工データを加工機ごとに作成するとともに、加工指示データを作成するにあたっては、加工機4a、4b、・・・4gがそれぞれユニット部材の種類に応じて該ユニット部材を専用に製作する専用加工機となるようにしたので、各加工機4a、4b、・・・4gを担当する作業員は、自分自身が取り扱うべきユニット部材及びその原材料が例えば作業日ごとに限定されるため、従来のようにあらゆる種類のユニット部材及びその原材料を終日取り扱わねばならないといった事態から開放される。
【0052】
そのため、加工機の作業員は、上述の例で言えば、その日に関しては、限定されたユニット部材及びその原材料だけを取り扱うだけでよくなり、原材料を調達してそれらを加工機に投入する際の作業性が改善され、ひいては加工効率が向上する。
【0053】
また、本実施形態に係るユニット階段の部材別加工システム及び方法によれば、各加工機4a、4b、・・・4gを、所定種類のユニット部材を専用に製作する専用加工機としたので、従来のようにあらゆる種類のユニット部材及びその原材料に関する知識を修得しておく必要がなくなり、作業員の負担が大幅に軽減されることとなり、かくして、たとえ作業員の経験が浅くとも、加工効率を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0054】
また、加工機の性能、例えばテーブルの大きさに適したユニット部材を該加工機に割り振ることができるため、それぞれの加工機の特性を活かした効率的な加工が可能となる。なお、加工機の性能に応じた加工作業を行う結果、従来のようにさまざまな種類のユニット部材を加工する場合に比べ、加工機の切削ツールの交換頻度を減らすことができることは言うまでもない。
【0055】
また、本実施形態に係るユニット階段の部材別加工システム及び方法によれば、加工機4a、4b、・・・4gのテーブル上にユニット部材を製作するための原材料を複数載せる際、該原材料のテーブル上での位置を特定するための位置指定情報をセット位置として加工指示データに含めるとともに、該セット位置をラベル31に記載するようにしたので、どの原材料を加工機のテーブルのどの位置に載せればよいかが一目でわかるとともに、加工されたユニット部材にラベルを貼付する際にも、同時製作された複数のユニット部材のうちのどれに貼付すればよいかが、ラベルを見れば一目でわかる。
【0056】
本実施形態では特に言及しなかったが、出荷時の梱包ミス、運搬途中での破損、流通経路での紛失等の事情で、いったん出荷したユニット部材の一部を、後から再度、製作し出荷する必要が生じることがある。
【0057】
かかる場合には、出荷時に作成保存しておいた加工指示データやNC加工データを、再製作が必要なユニット部材だけが含まれるように適宜編集し、これをあらたな加工指示データやNC加工データを作成し、以降、ステップ106〜ステップ108と同じ手順で所望のユニット部材を再製作すればよい。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るユニット階段の部材別加工システム及び方法によれば、出荷日や種類が混在した多数のユニット部材を、同一の日に出荷されかつ同一の加工機で製作される予定のユニット部材ごとに複数の加工グループとして分類するとともに、各加工グループに属するユニット部材をどの加工機で製作するかという、いわば加工機との関連付けを行い、かかる関連付けに沿って、加工指示データ及びNC加工データを加工機ごとに作成するとともに、加工指示データを作成するにあたっては、各加工機がそれぞれユニット部材の種類に応じて該ユニット部材を専用に製作する専用加工機となるように該加工機ごとに加工指示データを作成するようにしたので、各加工機を担当する作業員は、自分自身が取り扱うべきユニット部材及びその原材料が例えば作業日ごとに限定されるため、従来のようにあらゆる種類のユニット部材及びその原材料を終日取り扱わねばならないといった事態から開放される。
【0059】
そのため、加工機の作業員は、上述の例で言えば、その日に関しては、限定されたユニット部材及びその原材料だけを取り扱うだけでよくなり、原材料を調達してそれらを加工機に投入する際の作業性が改善され、ひいては加工効率が向上する。
また、本発明に係るユニット階段の部材別加工システム及び方法によれば、加工指示データを作成する際、複数の加工機のうち、ユニット部材を製作するための原材料を同時加工可能な加工機のテーブル上に複数の原材料を載せる際のそれぞれの位置を特定するための位置指定情報が含まれるようにしたので、どの原材料を加工機のテーブルのどの位置に載せればよいかが加工指示データを見れば一目でわかるとともに、加工されたユニット部材にラベルを貼付する際にも、同時加工された複数のユニット部材のうちのどれに貼付すればよいかが、ラベルを見れば一目でわかるようになり、かくして加工機に投入する際の作業性をさらに改善することが可能となる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るユニット階段の部材別加工システムの全体図。
【図2】本実施形態に係るユニット階段の部材別加工方法の処理手順を示したフローチャート。
【図3】本実施形態に係るユニット階段の部材別加工方法の処理手順を引き続き示したフローチャート。
【図4】加工指示データを示した図。
【図5】ラベルを示した図。
【符号の説明】
4a、4b、・・・4g 加工機
5 ハードディスク(記憶手段)
6 演算処理装置(演算手段)
7 プリンタ(印刷手段)
8 ディスプレイ(出力手段)
21 加工指示データ
31 ラベル

Claims (3)

  1. ユニット階段を構成するさまざまな種類のユニット部材に関する部材情報データを建物物件ごとに記憶する記憶手段と、原材料を複数の加工機で加工して前記ユニット部材を製作するための加工指示データ及びNC加工データを前記記憶手段から読み出された前記部材情報データを用いて作成する演算手段と、加工されたユニット部材に貼付され前記部材情報データの少なくとも一部が記載されたラベルを作成する印刷手段とを備えたユニット階段の部材別加工システムであって、
    前記演算手段は、前記さまざまな種類のユニット部材が、同一の日に出荷され同一の加工機で製作される複数の加工グループに分類されるように、かつ該各加工グループに属するユニット部材と前記各加工機とを関連付けることで、該各加工機がそれぞれ前記各加工グループに属するユニット部材を専用に製作する専用加工機となるように、前記各加工機ごとに前記加工指示データ及び前記NC加工データを作成するようになっているとともに、前記複数の加工機のうち、前記ユニット部材を製作するための原材料を同時加工可能な加工機のテーブル上に複数の原材料を載せる際のそれぞれの位置を特定するための位置指定情報が含まれるように、前記加工指示データを作成するようになっており、
    前記印刷手段は、前記ラベルに前記位置指定情報を記載するするようになっていることを特徴とするユニット階段の部材別加工システム。
  2. 前記演算手段を、前記記憶手段に記憶された前記ユニット部材に関する部材情報データを読み出して該ユニット部材が組み上げられたユニット階段として所定の出力手段に表示するように構成した請求項1記載のユニット階段の部材別加工システム。
  3. ユニット階段を構成するさまざまな種類のユニット部材に関する部材情報データを建物物件ごとに登録し、原材料を複数の加工機で加工して前記ユニット部材を製作するための加工指示データ及びNC加工データを前記部材情報データを用いて作成し、加工されたユニット部材に貼付され前記部材情報データの少なくとも一部が記載されたラベルを作成する工程からなるユニット階段の部材別加工方法であって、
    前記さまざまな種類のユニット部材が、同一の日に出荷され同一の加工機で製作される複数の加工グループに分類されるように、かつ該各加工グループに属するユニット部材と前記各加工機とを関連付けることで、該各加工機がそれぞれ前記各加工グループに属するユニット部材を専用に製作する専用加工機となるように、前記各加工機ごとに前記加工指示データ及び前記NC加工データを作成するとともに、前記複数の加工機のうち、前記ユニット部材を製作するための原材料を同時加工可能な加工機のテーブル上に複数の原材料を載せる際のそれぞれの位置を特定するための位置指定情報が含まれるように、前記加工指示データを作成し、
    該位置指定情報が前記ラベルに記載されるように該ラベルを作成することを特徴とするユニット階段の部材別加工方法。
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