特許文献1記載の発明では、各モードに合わせた記憶手段を読み出すため1つの作像モードで動作している画像形成動作が終了しないと次のモードへの変更をすることが出来ない。仮に10ページの連続ジョブ動作にて400dpi解像度の画像形成を1〜3ページ、次に600dpi解像度を4〜8ページ、更に400dpi解像度を9〜10ページ出力した場合、3ページ目と4ページ目の間に400dpiから600dpiへの設定メモリを切り替える。その際、単純にメモリを切り替えるため、3ページ目の画像形成終了後、書き込み光学系にとっては露光工程終了後にメモリを切り替える必要がある。単一モードの連続ジョブ動作では既にそのタイミングで次ページの画像信号を書き込み制御部へ転送している時期である。しかし、これ以前にメモリを切り替えた場合、3ページ目の後半(副走査方向後半)部に600dpi解像度の設定が反映され異常画像として出力されてしまう。従って、従来では3ページと4ページの紙間距離を広げて対応する必要がある。同様のことが8ページと9ページ間でもあり紙間距離を広げる必要が有る。従って従来技術では連続ジョブ動作中に作像モードを変更する場合、変更回数が多いと紙間距離を広げる回数が増え生産性を低下させることになる。
また、特許文献2記載の発明では、原稿読み取り装置を有した複写機でのみ原稿条件を検出可能であり、プリンタ等の各端末起動のアプリでは使用できない。また、プリントホストからの画質モードや画像フォーマット等の変更による作像モード変更への対応も不可能である。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の異なる印刷モードが連続する複雑な連続印刷動作に対応した画像形成動作を容易に実現することができるようにすることにある。
前記目的を解決するために、本発明の第1の手段は、光源から出射された光で感光体を露光して当該感光体上に静電潜像を形成し、当該静電潜像をトナーで現像した顕像を画像情報として記録媒体に転写することで書き込みを行う画像形成装置の書き込み制御装置において、前記書き込みの制御に必要な各種設定値を記憶する記憶手段と、前記記憶手段における前記各種設定値のうちの印刷モード又は前記記録媒体に応じて切り替える必要がある設定値を当該印刷モード又は当該記録媒体毎にそれぞれ記憶する複数の記憶部と、前記複数の記憶部を前記印刷モード又は前記記録媒体毎に切り替えて使用するための切り替え設定制御を行う書き込み制御部と、を有することを特徴とする。
第2の手段は、第1の手段において、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御は、前記複数の記憶部を前記記録媒体の最小単位毎に切り替えるものであることを特徴とする。
第3の手段は、第2の手段において、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御は、前記複数の記憶部に対する切り替えタイミングを複数設定することを特徴とする。
第4の手段は、第1の手段〜第3の手段の何れか1つの手段において、前記複数の記憶部は、複数種類に分けられる集団群として同一な構成を持つことを特徴とする。
第5の手段は、第1の手段〜第4の手段の何れか1つの手段において、前記複数の記憶部は、前記記録媒体に対して書き込む色毎に設けられていることを特徴とする。
第6の手段は、第1の手段〜第5の手段の何れか1つの手段において、前記複数の記憶部は、前記記録媒体に対して書き込む色毎に同一な構成を持たせるための設定値を記憶していることを特徴とする。
第7の手段は、第6の手段において、前記同一な構成は、前記光源を駆動するための設定値であって、前記印刷モードに関係なく当該設定値を変更しない各色共通のものであることを特徴とする。
第8の手段は、第4の手段において、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御は、前記複数の記憶部における前記複数種類の集団群を前記記録媒体の最小転写紙単位毎に切り替えるものであることを特徴とする。
第9の手段は、第4の手段において、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御は、前記複数の記憶部における前記複数種類の集団群を切り替える際、当該複数種類の集団群についての切り替えタイミングが複数設定されていることを特徴とする。
第10の手段は、第9の手段において、前記複数のタイミングは、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御に応じて異なることを特徴とする。
第11の手段は、第9の手段において、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御は、作像スタート信号が入力されたタイミングと前記複数の記憶部における前記複数種類の集団群についての前記切り替えタイミングとが同期していることを特徴とする。
第12の手段は、第9の手段〜第11の手段の何れか1つの手段において、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御は、前段に入力される前記画像情報を含む画像信号の信号処理を行う画像信号処理部へ当該画像信号を転送要求するタイミングと前記複数の記憶部における前記複数種類の集団群についての前記切り替えタイミングとが同期していることを特徴とする。
第13の手段は、第9の手段において、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御は、前記静電潜像を画像形成中であることを示すゲート信号がネゲートするタイミングと前記複数の記憶部における前記複数種類の集団群についての前記切り替えタイミングとが同期していることを特徴とする。
第14の手段は、前記光源からの光としてレーザビームにより光書き込みを行う光書き込み手段と、第1の手段〜第13の手段の何れか1つの手段の書き込み制御装置と、を光書き込み装置が備えていることを特徴とする。
第15の手段は、第14の手段の光書き込み装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
第16の手段は、第1の手段〜第13の手段の何れか1つの手段の書き込み制御装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
第17の手段は、光源から出射された光で感光体を露光して当該感光体上に静電潜像を形成し、当該静電潜像をトナーで現像した顕像を画像情報として記録媒体に転写することで書き込みを行う画像形成装置における書き込み制御方法において、前記書き込みの制御に必要な各種設定値を記憶手段で記憶しておき、複数の記憶部により前記記憶手段における前記各種設定値のうちの印刷モード又は前記記録媒体に応じて切り替える必要がある設定値を当該印刷モード又は当該記録媒体毎にそれぞれ記憶すると共に、書き込み制御部により当該複数の記憶部を当該印刷モード又は当該記録媒体毎に切り替えて使用するための切り替え設定制御を行うことを特徴とする。
第18の手段は、第17の手段において、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御は、前記複数の記憶部を前記記録媒体の最小単位毎に切り替えるものであることを特徴とする。
第19の手段は、第18の手段において、前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御は、前記複数の記憶部に対する切り替えタイミングを複数設定することを特徴とする。
第20の手段は、第19の手段において、前記複数のタイミングを前記書き込み制御部による前記切り替え設定制御に応じて異ならせることを特徴とする。
このような構成の詳細は以下の通りである。
すなわち、本発明では画像形成制御部には画像形成に必要な各種設定値を設定する記憶手段を設ける。この記憶手段は具体的にはレジスタやRAM等のデータ保持機能を有するものである。この記憶手段の中で作像モード毎に変更する必要がある機能のレジスタを複数有し、複数の記憶部を第1群、第2群・・・と集合群毎に分類し、記憶部集合群の切り替えを作像モード毎に切り替える。複数の異なる作像モードが連続する複雑な連続印刷の場合に、作像モードが変わる毎に記憶部集合群を切り替え使用することにより予め記憶部群に設定されている作像モードに対応した画像形成動作を実現することができる。
連続印刷動作の作像モードは少なくとも同一転写紙上では同一作像モードで画像形成される。コピー動作時にはサイズ混載の原稿等で複数種類のサイズのジョブが連続する場合がある。例えば、転写紙の搬送方向に対する転写紙形状を縦、横と記述した場合、A4横搬送後にA3縦搬送の連続ジョブでは、主走査方向の紙サイズは変更しないが、副走査方向(転写紙搬送方向)の紙サイズを変更する必要がある。複写機のスキャナ部は高速化に伴い、自動原稿読み取り装置(オートドキュメントフィーダー)を搭載し、複数種類のサイズを連続で読み取りが可能である。その際、A4横、A3縦を連続で混載した場合、各々のサイズに合った画像形成領域で静電潜像を形成し、一致したサイズの転写紙を搬送する必要がある。その際、解像度や紙質モード(普通紙・厚紙)だけでなくサイズ設定も含めた切り替えが必要になる。
そこで、本発明では複数の記憶部を集団群単位で形成し、集団群を印刷モードに応じて切り替え可能にし、更に最小切り替え単位を転写紙単位とすることにより、1ページ毎に異なるサイズの印刷、異なる紙質での印刷、異なる解像度での印刷等、様々な異なる印刷条件の連続印刷動作に対応することができる。
通常、同一作像モードの連続印刷動作では、画像形成速度を向上させるため転写紙間隔を極力短くしている。モノクロ画像形成装置においては転写紙と書き込み光学系のタイミングは1対1で対応しているが、中間転写装置を用いるタンデム方式のカラー画像形成装置では、1ページの画像形成を行う場合の書き込みタイミングは各色ごとに異なる。画像形成装置内部の制御部には書き込み制御部に対し画像信号を入力する画像信号処理部があり、印刷動作タイミングに合わせ画像信号を書き込み制御部に転送する必要がある。その転送タイミングは書き込み光学系が静電潜像を感光体上に形成するタイミングに合わせて転送する。
タンデム方式のカラー画像形成装置では各色の感光体に転写した画像を中間転写体に一旦転写する。転写された転写画像は同一ページの画像を中間転写体の同一位置に転写し、その後、搬送された転写紙に一括転写される。各色の感光体と中間転写体の位置関係により書き込み光学系が感光体上に静電潜像を形成するタイミングは各色異なっている。カラー画像形成装置にて各色の作像順番がK(ブラック)、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)の場合、先頭色のK色からY→C、Mの順序で画像データ転送され、書き込み制御部にて光学系を通し中間転写体に転写画像を形成する。連続印刷動作では、生産性を向上させるため極力紙間距離を短くし画像形成しない時間、つまり機械ダウンタイムを短くしている。そのため、最終作像色のM色の書き込み制御部が1ページ目を画像形成しているタイミングに、先頭作像色のK色は2ページ目の画像データを前段の画像信号処理部へ転送要求している場合がある。この場合、1ページ目と2ページ目が共通の印刷モードで画像形成する場合には問題ないが、異なる印刷モードの場合、前記記憶部の集団群を切り替えるタイミングが複雑になる。K色とM色の記憶部集団群を切り替えるタイミングは別タイミングで切り替える必要があり、各色で切り替えタイミングを制御する必要がある。
すなわち、書き込み制御部全体ではページ毎に印刷ジョブ開始信号が入力され、開始信号をトリガに各色の画像形成タイミングを制御する。画像処理部への画像データ要求タイミングと静電潜像形成タイミングが異なることにより、複数種類の印刷モードが混載した連続ジョブでは、各色の書き込み制御部がモード変更前ページの静電潜像形成動作が終了した後、ある所定のタイミングにて記憶部集団群を切り替え、変更後のモードに応じたタイミングで画像データ転送要求信号を前段へ出力する。これが各色の静電潜像形成タイミングに応じて異なるため、書き込み制御部全体では複数のタイミングで記憶部集団群を切り替える。このようにしてタンデム方式のカラー画像形成装置において複数の異なる印刷モードが混載した連続印刷動作にて、複数の記憶部集団群を複数のタイミングにて切り替えることにより、紙間距離を広げることなく複数の異なる印刷モードに適した画像形成動作を実現できる。
これまでの説明では、書き込み制御に必要な記憶手段の中で同一機能を実現する記憶部を複数有している。しかし、転写紙へ画像形成する箇所は1台の画像形成装置において1箇所である。タンデム方式でも各色の書き込み制御部が静電潜像を形成する箇所は1箇所である。従って、書き込み制御部が感光体上に静電潜像を形成するタイミングは各色1ページ毎に独立しており、最低限必要な記憶部群は各色1つである。しかし、実際に記憶部集団群を各色1つしか持たない装置では、異なる印刷モードの作像動作を要求された際に、要求された印刷モードに対応した設定に変更する必要がある。その設定変更に要する時間は機械ダウンタイムとなり作像動作が停止する。しかし、最低でも2つの記憶部集団群を構成することにより、ある作像モードでは集団A群を使用して作像し、その作像動作中に次の異なる印刷モード設定を集団B群に予め設定することにより設定時間を短縮することができる。
通常、記憶部への設定値変更はソフト制御上で行い、紙搬送や中間転写体搬送に伴う転写画像形成時間に数多くの記憶部設定変更を行うことができる。前述の特許文献1記載の発明では、印刷モード毎に記憶手段を有する方式である。この方式では印刷モード数が増加するにつれて記憶手段として搭載する不揮発性メモリ容量の大容量化を招く。しかし、本発明では、憶部集団群を2種類有し、適切なタイミングで切り替え使用することにより、複数の印刷モードを混載する印刷動作を実現する上で、紙間距離を短くし機械ダウンタイムを低減し、更には、記憶手段の最適化を実現することができる。
また、画像形成装置内部の書き込み制御部では様々な機能を有している。印刷ジョブ要求を受け動作開始信号が入力されると、書き込み制御部が作像タイミングを制御し、ある一定タイミングで前段の画像信号処理部へ画像データの転送を要求する画像信号転送要求信号を生成する。その後、画像信号処理部から画像データが転送され、書き込み制御部では設定された印刷モードに応じて入力された画像データを作像する。作像動作が完了すると次の印刷ジョブ要求に備えた待機状態に移行する。連続印刷動作では印刷動作の生産性を向上させるため極力転写紙間隔を短くし、作像動作を停止させないように画像形成装置全体を制御する。
しかし、書き込み制御部には前記に示したように、メイン制御である作像動作の前後に、作像動作に必要な前段制御部とのタイミング制御や書き込み光学系とのタイミング調整のため、各機能毎に制御タイミングが異なる。そこで、複数の印刷モードが混載された連続印刷動作時に制御変更用の記憶部群を切り替える際、機能毎に独立したタイミングで切り替える必要がある。全機能を一度に切り替えた場合には、制御タイミングを跨いで切り替えることになるため、最終出力の画像が異常画像になってしまう。
そこで本発明では、複数の印刷モードに対応するため、切り替え可能な記憶部群を切り替える際に一度に全記憶部群を切り替えるのではなく複数のタイミングで切り替え可能にし、切り替えタイミングを各種機能に応じて異なるように制御することによって複数の印刷モードを混載した連続印刷動作の出力画像を正常に出力することが可能となる。
書き込み制御部の制御機能の内、作像動作制御より前段階で制御する機能がある。書き込み制御部では動作開始信号を受けた後、各ページの作像タイミングを制御するために所定タイミングで前段制御部の画像信号処理部へ画像信号転送要求信号を出力する。画像信号転送要求信号を生成している機能が書き込み制御部内の副走査遅延ライン制御部である。画像形成装置の紙搬送や制御系のレイアウトにより異なるが、1ページ目と2ページ目が異なる印刷モードにて連続印刷動作中に、2ページ目の画像信号転送のために副走査遅延ライン制御部が制御動作を開始する際に、1ページ目の作像動作を実行中である場合がある。そこで、1ページ目から2ページ目の印刷モード変更に伴う記憶部群を変更すると変更後の1ページ目の作像動作を2ページ目の印刷モードで動作させてしまう。そこで本発明では、副走査遅延ライン制御部に関わる記憶部群を切り替えるタイミングを動作開始信号が書き込み制御部に入力されたタイミングに同期させて切り替えることにより他機能部との切り分けを行い、複数の印刷モードを混載した連続印刷動作の出力画像を正常に出力する画像形成装置を提供することができる。
書き込み制御部の制御機能の内、メイン機能である作像動作制御がある。書き込み制御部では動作開始信号を受け副走査遅延ライン制御部から一定タイミングで画像転送要求信号を出力し、前段からの画像データに合わせて作像動作を行う。画像転送要求信号出力後は印刷モードにあわせた作像動作を備え、画像データ入力に応じて画像データを処理し書き込み光学系に合わせて2次元画像に展開し作像動作を行う。この機能を書き込み制御部内の書き込み画像展開部にて行っている。前述の問題と同様に複数の印刷モードを混載した連続印刷動作を記憶部群の切り替えにてモード変更を対応する場合、全機能を同一タイミングで切り替えた場合、制御系に異常が生じ出力画像に影響する。
そこで本発明では、書き込み画像展開部に関わる記憶部群を切り替えるタイミングを前段の画像信号処理部へ画像転送要求信号を出力するタイミングに同期させて切り替えることにより他機能部との切り分けを行い、複数の印刷モードを混載した連続印刷動作の出力画像を正常に出力することができるようにする。
書き込み制御部内の制御機能の中で作像動作制御が完了した後、次の作像要求に備えた切り替えが必要な箇所がある。例えば、書き込み光学ユニット内にはレーザビームを2次元へ展開するため、ポリゴンモータにて偏向させている。印刷モードに副走査の解像度変更や副走査の倍率調整等を必要とするモード変更の場合、ポリゴンモータの回転数を変更する必要がある。しかし、ポリゴンモータはメカ機構を有するためモータの回転数を変更しても即座にモータ回転が安定せず、安定するまでの間に長時間有する場合がある。モータ回転数不安定期間は作像動作を実行することができないため、機械動作停止のダウンタイムを招いてしまう。
そこで本発明では、メカ機構に関わる制御安定までに時間を要する制御機能に関わる記憶部群を切り替えるタイミングを前ページの画像形成終了を示すゲート信号がネゲートするタイミングに同期させて切り替えることにより他機能部との切り分けを行い、複数の印刷モードを混載した連続印刷動作にて作像動作を行わない不要なダウンタイムを極力発生させずに、出力画像を正常に出力することができるようにする。
また、画像形成装置全体として高速化を実現するためには連続印刷動作時の転写紙間隔を極力短くし、画像形成動作を行わないダウンタイムを低減させる必要がある。そこで、本発明では書き込み制御部の各種機能に応じて最適なタイミングで前記記憶部群を切り替えることにより、様々な印刷モードを混載した連続印刷動作を実現し、印刷モードを切り替える際のダウンタイムを極力低減させることができる。
本発明によれば、複数の記憶部により印刷モード又は記録媒体に応じて切り替える必要がある設定値を印刷モード又は記録媒体毎にそれぞれ記憶し、書き込み制御部によって印刷モードや記録媒体が変わっても使用する記憶部を切り替える切り替え設定制御を行うため、ジョブが終了してから次のジョブを実行させるためのパラメータを設定する間のダウンタイムを生じることがなく、結果として、複数の異なる印刷モードが連続する複雑な連続印刷動作に対応した画像形成動作を容易に実現することができるようになる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の実施形態に係るカラー画像形成装置の制御構成を示すブロック図、図2は本実施形態に係るカラー画像形成装置の書き込み光学ユニットの概略構成を示す図、図3は図2における書き込みの構成を示す図、図4は同期検知の構成を示す図である。
図2において本実施形態に係るカラー画像形成装置の書き込み光学ユニット1は、ポリゴンモータ20−1によって回転駆動される回転多面鏡であるポリゴンミラー20、fθレンズ21、第1ミラー22、WTLレンズ23、第2ミラー24、及び第3ミラー25である。カラー画像形成装置の書き込み光学ユニットはブラック:K、イエロー:Y、シアン:C、マゼンタ:Mの4色の画像情報を書き込む。本実施形態に係る画像形成装置では1つの書き込み光学ユニットで4色の画像の書き込みを行う。すなわち、各色のレーザユニット(不図示)に実装したレーザダイオードから出射したレーザビームがシリンドリカルレンズ(不図示)に入射する。シリンドリカルレンズは副走査方向に定まった屈折率を有しており、レーザユニットから出射されたビームを副走査方向に集光し回転多面鏡であるポリゴンモータ20のミラー面に入射させる。ポリゴンミラー20はモータにより高速回転し入射されたレーザビームを主走査方向に偏向させる。
書き込み光学ユニット1は、ポリゴンモータ20−1を光学ユニットの中央に配置し、2段に形成された1つのポリゴンモータ20−1によって4色の画像を書き込むレーザビームを主走査方向に偏向させる構成になっている。ポリゴンミラー20を中心に左右対称にレーザユニット26Mと26BK、26Cと26Y、ミラー28−1と28−2、22Cと22Y、22Mと22K、24Cと24Y、24Mと24K、25Cと25Y、25Mと25K、シリンドリカルレンズ27Mと27K、27Cと27Y、fθレンズ21−1と21−2、WTL(面倒れ補正)23Cと23Y、23Mと23K、同期検知反射ミラー29Cと29Y、29Mと29K、同期検知レンズ30−1と30−2、同期検知センサ31−1,31−2等の構成部品を配置する。このように左右に各2色のレーザビームの光路をレイアウトすることにより1つのポリゴンミラー20で4色のレーザビームを偏向させることができるようにしている。図中ではポリゴンミラー20の左側にブラックKとイエローY、右側にシアンCとマゼンタMの光路をレイアウトしている。そこで、図2ないし図4では、各部の参照符号に各色の色を表すKYCMを添え字として付けている。
ポリゴンミラー20で偏向されたレーザビームは第1ミラー22K〜Mにて反射される。第1ミラー22K〜Mで反射されたレーザビームはWTL23K〜Mに入射した後、第2ミラー24K〜Mへ入射する。WTL23K〜Mはポリゴンミラー20の面倒れ特性を補正するレンズである。第2ミラー24K〜Mで反射されたレーザビームはさらに第3ミラー25K〜Mで反射され、書き込み光学ユニットから出射して各色毎に設けられた感光体ドラム上に結像させる。
前記の通り書き込み光学ユニットはポリゴンミラー20(ポリゴンモータ20−1)を中心に左右対称に光学部品を配置し、左右に各2色ずつ光路をレイアウトしている。主走査方向の書き出し基準位置を検出するライン同期検知信号検出部は図中の同期検知センサ31−1,2である。第2ミラー24K〜Mで主走査の特定位置にて反射したレーザビームは同期検知反射ミラー29K〜Mにて同期検知レンズ30−1〜2へ反射し、同期検知センサ31−1,31−2へ入射する。同期検知レンズ30−1,2は入射したレーザビームを同期検知センサに集光させるために配置させている。同期検知センサ31−1,31−2は左右に各1つずつ配置し1つのセンサで2色のレーザビームタイミングを検出する。すなわち、シアンCとマゼンタMの主走査基準位置を1つの同期検知センサ31−1にて、ブラックKとイエローYのビームを別の同期検知センサ31−2にて検出する。
図5は本発明で用いられるカラー画像形成装置の作像ユニットと書き込み光学ユニット1を示す図である。書き込み光学ユニット1の下方に作像ユニットが配置されている。作像ユニットはK,Y,C,Mの各色毎に設けられた感光体ドラム2M,2C,2Y,2K、中間転写ベルト3、中間転写ローラ4、現像装置5M,5C,5Y,5K、中間転写ベルトクリーニング装置6、転写装置7、給紙レジストローラ8、定着装置9、及び排紙装置10を備えている。
ここで、ブラックKの書き込み光路について説明すると、ブラックのレーザユニット26BKから出射されたレーザ光は、シリンドリカルレンズ27kで副走査方向に圧縮され、ミラー28−2で反射され、ポリゴンミラー20に入射する。入射したレーザ光はポリゴンミラー20で主走査方向に走査され、fθレンズ21−2で等角速度偏向から等速度偏向に変換され、ミラー22Kに入射し、反射光が面倒れ補正レンズ(WTL)でポリゴンミラー20での面倒れが補正され、ミラー24Kに入射し、さらにその反射光がミラー25Kを経て感光体ドラム2Kに入射する。他の色についても同様である。
このように概略構成された画像形成装置では、不図示のスタートスイッチを押す、またはプリンタホストからの印刷ジョブスタート信号を有効にするとレーザ書き込み光学ユニット1からタイミング制御されたレーザビームが出射され、感光体ドラム2K,2Y,2C,2M面上に露光する(以下、総括的に述べる場合には、KYCMの各色を表す符号は省略する。)露光されたレーザビーム位置により各色の現像装置にて対応した各々の感光体ドラム2を回転させながら各感光体ドラム2上にブラックK、イエローY、シアンC、マゼンタMの単色画像を形成する。
前記動作と平行して中間転写ベルト3を回転駆動させる。図示した3つの中間転写ローラ4の1つを駆動ローラとして回転駆動し、他の2つを従動ローラとして中間転写ベルト3を矢印B方向へ搬送する。前記感光体ドラム2上における現像動作と中間転写ベルト3の搬送動作により感光体ドラム2上に形成された単色画像を順次中間転写ベルト3上に転写し、中間転写ベルト上に各色画像が重畳された合成カラー画像を形成する。
一方、ジョブスタート信号を有効にすると図示しない給紙装置から転写紙を1枚ずつ分離して給紙搬送させ、レジストローラ8のニップに突き当て一旦停止させる。この位置にはレジストセンサが配置されており、転写紙がレジスト位置に達すると、その旨検知する。そして中間転写ベルト3上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ8を回転させ中間転写ベルト3と転写装置7の間に転写紙を送り込み、転写装置7によって転写紙に合成カラー画像を転写する。転写後の転写紙はそのまま定着装置9に搬送され、熱と圧力とを加えて転写画像を転写紙に定着し、排紙装置10に取り付けられた排紙ローラにより排出され、排紙トレイ上にスタックされる。
これまでに述べた画像形成装置は図1に示した制御回路によって制御される。
制御回路は、エンジン制御部(CPU)100と画像信号処理部200と書き込み制御部300とから主に構成されている。エンジン制御部100は画像形成装置全体の制御を司り、各制御部の動作モードを設定する。画像形成部である書き込み制御部300に対して各種設定を行い、KYCMの4色のうち、基準となる色を設定する。本実施形態では、図5のように作像ユニットが配置されていることから、最初に作像を開始するK色を基準色とする。
書き込み制御部300はブラックのK書き込み制御部300K、イエローのY書き込み制御部300Y、シアンのC書き込み制御部300C、マゼンタのM書き込み制御部300Mの4つの制御部から構成されている。K書き込み制御部300Kは、記憶部(0)310K、3つの記憶部群(1,2,3)311K,312K,313Kと、遅延ライン制御部320K、書き込み画像展開部330K、同期信号制御部340K及びLDドライバ350Kから構成されている。各色の書き込み制御部300Y,300C,300Mも同一構成なので、ここでの説明は省略する。また、以下の各実施形態において、YCM各色の書き込み制御部300Y,300C,300Mの構成要素については、図面が煩雑になるので、Kの書き込み制御部300Kに付した参照番号に準じて説明し、図中の記載は省略する。
LDドライバ350K〜350Mは、LDユニット26K〜26Mをそれぞれ制御し、同期検知板31−2の検知出力は同期信号制御部340K,340Yに、同期検知板31−1の検知出力は同期信号制御部340C,340Mにそれぞれ入力される。
エンジン制御部100からはレジストセンサ8aで転写紙位置を検出したタイミングで動作開始信号:STTRIG_Nを各色の書き込み制御部300K〜300Mに出力する。各色の書き込み制御部300K〜300Mでは自らが基準色か従属色か判断し、基準色の場合にはSTTRIG_Nをラッチし、ライン管理された特定タイミングで書き込み制御部動作開始信号:STOUT_Nを出力する。本実施形態ではK色を基準色としてSTTRIG_Nをラッチし、Kの遅延ライン制御部320Kから他の3色に対しSTOUT_Nを出力する。各色の書き込み制御部300Y,300C,300MではSTOUT_Nを基準に副走査遅延ライン制御部320Y,320C,320Mで遅延ライン数を制御する。予め、中間転写ベルト3上に各色が静電潜像する副走査方向位置を検出し、基準色:K色からY、C、M色の作像する遅延タイミングを算出する。算出された結果に基準色:K色とレジストセンサ8aとの位置関係から算出される搬送遅延時間を加え、各色の遅延時間を副走査ライン数に置き換える。
副走査遅延ライン制御部320K,320Y,320C,320Mにて前記書き込み制御部動作開始信号:STOUT_Nから遅延時間を副走査ライン数分遅延したタイミングにて前段の画像信号処理部200へ画像転送要求するための要求信号:MFSYNC_Nを出力する。画像信号処理部200では前段のスキャナ部やプリンタドライバ部210から展開された入力画像データに基づき各種の画像処理を施した画像データを蓄積している。各色の書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mから画像信号処理部300に入力された要求信号:MFSYNC_Nを基準に蓄積された画像データを画像信号:IPDATA_Nとして書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mに出力する。各色の書き込み制御部300K,300Y,300C,300M内の書き込み画像展開部330K,330Y,330C,330Mで画像信号:IPDATA_Nを主走査と副走査の2次元画像に展開し、LDドライバ部350K,350Y,350C,350Mへ供給する。LDドライバ部350K,350Y,350C,350Mでは入力された2次元画像信号に基づいてLDユニット26K,26Y,26C,26Mに実装したレーザダイオードを駆動する。
各色の書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mにはレーザダイオードを駆動制御するために必要な各種設定値を記憶する記憶部(0)310K,310Y,310C,310M、記憶部群(1)、(2)、(3)311K,311Y,311C,311M、312K,312Y,312C,312M、313K,313Y,313C,313Mを有する。各色の記憶部(0)には印刷モードに関係なく値を変更しない各色一様(共通)の記憶部を配置してある。一方、記憶部群1〜3には印刷(作像)モードに応じて変更する必要がある記憶部を配置し、記憶部群(1)、(2)、(3)311,312,313には同一機能の記憶部を各群に配置している。ここでは各色の記憶部群(1)311K,311Y,311C,311M、記憶部群(2)312K,312Y,312C,312M、記憶部群(3)313K,313Y,313C,313Mがそれぞれ同一の機能を実現する同一機能を実現する集団群を構成している。なお、各記憶部群(1)、(2)、(3)はモード毎、あるいは作像のモードによって書き替えられ、あるいは作像モードの実行に際して制御時にフィードバックした値が格納される。
図6は本実施形態における画像形成装置の連続印刷動作のタイミングを示すタイミングチャートである。転写紙毎に動作開始信号:STTRIG_Nがエンジン制御部100から書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mへ出力される。各色の書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mのうち、作像基準色になっている書き込み制御部が、全色の書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mの同期検知信号を生成しないタイミングで書き込み制御部動作開始信号:STOUT_Nを生成する。STOUT_Nを基準に副走査方向への画像形成タイミングを制御し、前段の画像信号処理部200へ画像転送要求信号:MFSYNC_Nを出力する。画像信号処理部200ではMFSYNC_Nタイミングにあわせ、各ページに対応した画像データ信号:IPDATA_Nを書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mに転送し、書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mではポリゴンミラー20を介してレーザビームを偏向させ、感光体ドラム2上に2次元画像を形成する。(例1)には5ページ分の連続印刷動作タイミングのタイミングチャートの一例を示した。1、2ページはサイズ1(例:A4横サイズ)の画像を、3,4,5ページはサイズ2(例:A3縦サイズ)の画像のページを画像形成するサイズ混載の連続印刷動作である。この場合、1、2ページと3〜5ページで画像形成サイズが異なるため、書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mの書き込み画像領域を設定する値を変更する必要がある。
記憶部を1つしか持たない、すなわち図1の記憶部(0)310K,310Y,310C,310Mのみ有し記憶部群(1〜3)311,312,313を持たない画像形成装置では(例2)のように2ページ作像終了後、3ページのジョブ動作開始開始までの間に書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mの領域設定用の全記憶部値を変更する必要がある。関連する記憶部は数多くあり一回での変更は難しい。その際、全記憶部値変更に伴い作像動作が停止する期間が存在し、図中のTd時間は機械動作停止のダウンタイムとなり生産性を低下させてしまう。
これに対し本実施形態では書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mの記憶部を1つではなく複数持ち、印刷モードにより変更する記憶部を記憶部群として複数の集団群を形成している。そのため、(例1)のような転写紙サイズ変更を伴う連続印刷動作においては、予め記憶部群(1)311K,311Y,311C,311Mにサイズ1の画像領域データを記憶し、記憶部群(2)312K,312Y,312C,312Mにサイズ2の画像領域データを記憶しておくことにより、2ページの作像終了後に書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mが選択する記憶部群を記憶部群(1)311K,311Y,311C,311Mから(2)312K,312Y,312C,312Mへ変更することのみで転写紙サイズ変更による印刷モード変更に関連する全制御値を一度に変更することができる。これにより(例2)のような機械動作停止によるダウンタイムを低減することが可能となる。
また、連続印刷動作の印刷モードは各転写紙に対して固定されている。すなわち、1枚の転写紙中に複数の印刷モードに跨る画像形成は実施しない。これは、1枚の転写紙途中で印刷モードを変更することにより変更した箇所にて画質が変化し異常画像になる虞があるためである。そこで、現実の画像形成装置では転写紙毎に印刷モードを変更している。コピー機能、プリンタ機能、FAX機能を搭載する複合機では、あるユーザが複数原稿の連続コピー機能を使用している最中に、FAXを受信することがある。受信したFAXを自動で出力する場合、コピー動作と並行してFAX出力を実現する必要がある。また、同時に別ユーザが個人端末から1枚のプリント出力を要求することを考える。この場合、サイズ1の複数ページのコピー動作中にサイズ2のFAX原稿を受信し、サイズ3の1枚のプリンタ出力要求を受けると複数のアプリケーションの並行動作を実現できない場合には、複数ページのコピー動作が終了するまで、FAXユーザ、プリンタユーザは自分の出力動作を待つ必要がある。
これに対し本実施形態では、記憶部群を複数有するので、記憶部群(1)311K,311Y,311C,311Mにコピー動作設定、記憶部群(2)312K,312Y,312C,312MにFAX動作設定、更には記憶部群(3)313K,313Y,313C,313Mにプリンタ動作設定を記憶しておくことにより、複数のアプリケーションからの印刷要求が重なった場合に、並行して処理することが可能となる。また、書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mが各記憶部群を選択する切り替えを転写紙単位毎に可能とすることによって1枚のプリンタ要求にも応じることが可能となり、コピー動作中にプリンタ出力を挟んで並行処理することができる。これにより(例3)に記載したように印刷モード変更に伴うダウンタイムが発生することはなく、あたかも連続印刷動作を行っているように画像形成装置を動作させ、複数のアプリケーションケーションからの連続動作を可能にすることができる。
なお、ここでは画像形成サイズに着目し連続印刷動作の転写紙毎に異なる例としたが、画像形成サイズだけではなく画質モード、紙質モード、解像度、倍密処理、アプリ選択モード等の各種画像形成モードが異なる転写紙の連続印刷動作でも同様の対応で画像形成することができる。
以上のように本実施形態によれば、印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を記憶部群(1〜3)のように複数有し、記憶部を集団群(各色毎の同一の記憶部群320、330,340−図1において同一の記憶部群(1)、(2)、(3)それぞれの集合)ごとに分類し、各記憶部群(1ないし3)を印刷モード毎に切り替えて使用することにより、複数の異なる印刷モードが連続する複雑な連続印刷動作であっても、印刷モードに合わせて記憶部群を切り替え、印刷モードに対応した画像形成動作を容易に実現することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について説明する。なお、前記第1の実施形態において図1ないし図5を参照して説明した構成は、本実施形態でも同一なので、重複する説明は省略する。
本実施形態は、第1の実施形態が印刷モード毎に記憶部群(1ないし3)を切り替えていたのに対し、最小転写紙単位(例えば1枚)毎に記憶部群を切り替えて書き込み制御を行うものである。
図7は本実施形態におけるカラー画像形成装置の連続印刷動作のタイミングを示すタイミングチャートである。図5に示したようなタンデム方式のカラー画像形成装置においては、中間転写体に各色転写画像を作像していくので、同一ページの作像タイミングが各色毎に異なる。本実施形態ではK色を先頭にY→C→M色の順で作像していく。第1の実施形態における図6(例3)に示したような転写紙毎に異なる印刷モードで作像した際、ページ毎に印刷モードを切り替えるため、前述した記憶部群(1〜3)をページ毎に切り替える必要がある。しかし、カラー画像形成装置ではK、Y、C、M色で作像タイミングが異なるため、同一タイミングで記憶部群を切り替えることはできない。同一タイミングで切り替えた場合、他色の作像へ影響してしまう。
例えば、K色の2ページ目の作像が完了し、3ページ目へ印刷モードを変更するため、記憶部群(2)から(1)へ切り替える際に全色の記憶部群を一斉に切り替えた場合を考える。そのタイミングではY、C、M色共に2ページ目の作像動作中であり、一斉に3ページの印刷モード、ここでは画像領域サイズに変更されると2ページ目の3色(Y、C、M色)の出力画像が3ページ目の画像サイズに強制変更され、出力画像として異常画像になってしまう。それを防止するためには、各色独立なタイミングで記憶部群を切り替えるタイミングを制御する必要がある。そうすることにより複数の異なる印刷モードを含んだ連続印刷動作にて、最終出力画像に異常画像を出力することなく、更に印刷モード変更に伴う画像形成停止のダウンタイムを発生させることなく画像形成が可能になる。
図8は図7のタイミングチャートに対応した記憶部(0)と記憶部群(1)〜(3)の各記憶部群のテープルの内容を示す説明図である。図8から分かるように1ページ目は記憶部群(1)、2ページ目は記憶部群(2)、3ページ目は記憶部群(2)、4ページ目は記憶部群(3)となっている。
図9は各記憶部群(1)ないし(3)の設定値を記憶したテーブルの内容を示す説明図である。このテーブルでは、書き込み解像度(主走査方向、副走査方向)、転写紙サイズ(主走査方向、副走査方向)、画像領域仕様(主走査開始位置、主走査画像長さ、主走査トリム幅、副走査画像長さ、副走査トリム幅)が格納され、さらに画像領域設定位置を示す値も格納されている。画像領域設定位置は図10に示すようなもので、画像設定領域(rgate,lgate,pgate)、主走査トリム領域(trmlon,trmloff)、副走査トリム領域(trmfon,trmfoff)である。なお、図10は、画像領域設定位置に該当するレジスタに関して、転写紙サイズを変更した際の例(図7に対応)を示している。なお、この例では、解像度は1200dpiである。
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同一である。
以上のように本実施形態によれば、印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を記憶部群(1ないし3)のように複数有し、記憶部を集団群(記憶部群(1〜3))ごとに分類し、各記憶部群(1ないし3)の最小単位を転写紙単位で切り替えるようにしたので、1ページ毎に異なる印刷モードが連続する連続印刷動作においても画像形成動作停止による機械ダウンタイムを発生させることなく連続印刷動作を行うことができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について説明する。
本実施形態は、第1の実施形態における記憶部群(1ないし3)に代えて記憶部群AとBとしたものである。図11は本実施形態に係る制御回路を示すブロック図である。
図11には本発明で用いられるカラー画像形成装置の制御ブロック構成を示した。図1と異なる点は書き込み制御部の記憶部が記憶部0と記憶部群AとBから構成されている点である。その他の制御部、入出力信号は図1と同一である。したがって、前記記憶部群(1ないし3)と記憶部群A、Bに基づく動作以外は第1の実施形態と同等なので、重複する説明は省略し、以下、異なる点について説明する。
各色の書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mにはレーザダイオードを駆動制御するために必要な各種設定値を記憶する記憶部(0)310K,310Y,310C,310M、記憶部群(A)360K,360Y,360C,360Mと(B)370K,370Y,370C,370Mを有する。各色の記憶部(0)310K,310Y,310C,310Mには印刷モードにかかわらず制御値を変更しない各色一様(共通)の記憶部を配置してある。一方、記憶部群(A)360K,360Y,360C,360M(集団群)と(B)370K,370Y,370C,370M(集団群)には印刷モードに応じて変更する必要がある記憶部を配置し、記憶部群(A)、(B)には同一機能の記憶部を各群に配置している。
図12は第3の実施形態に係る画像形成装置の連続印刷動作のタイミングを示すタイミングチャートである。転写紙毎に動作開始信号:STTRIG_Nがエンジン制御部100から書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mへ出力される。各色の書き込み制御部300のうち作像基準色になっている書き込み制御部300Kが、全色の書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mの同期検知信号を生成しないタイミングで書き込み制御部動作開始信号:STOUT_Nを生成する。STOUT_Nを基準に副走査方向への画像形成タイミングを制御し、前段の画像信号処理部200へ画像転送要求信号:MFSYNC_Nを出力する。画像信号処理部200ではMFSYNC_Nタイミングにあわせ各ページに対応した画像データ信号:IPDATA_Nを書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mに転送し、書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mではポリゴンミラー20を介してレーザビームを偏向させ感光体ドラム2上に2次元画像を形成する。
(例1)には5ページ分の連続印刷動作タイミングチャートの一例を示した。1、2ページはサイズ1(例:A4横サイズ)の画像を、3,4,5ページはサイズ2(例:A3縦サイズ)の画像のページを画像形成するサイズ混載の連続印刷動作である。この場合、1,2ページと3,4,5ページで画像形成サイズが異なるため、書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mの書き込み画像領域を設定する値を変更する必要がある。記憶部を1つしか持たない、すなわち図1の記憶部(0)310K,310Y,310C,310M部のみ有し記憶部群(A)360K,360Y,360C,360Mと(B)370K,370Y,370C,370Mを持たない画像形成装置では(例2)のように2ページ作像終了後、3ページのジョブ動作開始開始までの間に書き込み制御部の領域設定用の全記憶部値を変更する必要がある。関連する記憶部は数多くあり一回での変更は難しい。その際、全記憶部値変更に伴い作像動作が停止する期間が存在し、図中のTd時間は機械動作停止のダウンタイムとなり生産性を低下させてしまう。それに対し本発明では書き込み制御部の記憶部を1つではなく複数持ち、印刷モードにより変更する記憶部を記憶部群として複数の集団群を形成している。そのため、(例1)のような転写紙サイズ変更を伴う連続印刷動作においては、予め記憶部群(A)360K,360Y,360C,360Mにサイズ1の画像領域データを記憶し、記憶部群(B)370K,370Y,370C,370Mにサイズ2の画像領域データを記憶しておくと、2ページの作像終了後に書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mが選択する記憶部群を記憶部群AからBへ変更するだけで転写紙サイズ変更による印刷モード変更に関連する全制御値を一度に変更することができる。これにより(例2)のような機械動作停止によるダウンタイムを低減することが可能である。
また、連続印刷動作の印刷モードは各転写紙で固定されている。すなわち、1枚の転写紙中に複数の印刷モードに跨る画像形成は実施しない。これは、1枚の転写紙途中で印刷モードを変更することにより変更した箇所にて画質が変化し異常画像になる虞があるためである。現実の画像形成装置では転写紙毎に印刷モードを変更している。コピー機能、プリンタ機能、FAX機能を搭載する複合機では、あるユーザが複数原稿の連続コピー機能を使用している最中に、FAXを受信することがある。受信したFAXを自動で出力する場合、コピー動作と並行してFAX出力を実現する必要がある。また、同時に別ユーザが個人端末から1枚のプリント出力を要求することを考える。この場合、サイズ1の複数ページのコピー動作中にサイズ2のFAX原稿を受信し、サイズ3の1枚のプリンタ出力要求を受けると複数のアプリケーションの並行動作を実現できない場合には、複数ページのコピー動作が終了するまで、FAXユーザ、プリンタユーザは自分の出力動作を待つ必要がある。
それに対し本発明では、記憶部群を複数有することで記憶部群(A)360K,360Y,360C,360Mにコピー動作設定、記憶部群(B)370K,370Y,370C,370MにFAX動作設定を記憶しておき、更にプリンタ動作設定に変更する際には、記憶部群(B)370K,370Y,370C,370Mを使用してFAX印刷動作を実行中に記憶部群(A)360K,360Y,360C,360Mの値をプリンタ動作設定に変更する。これは、複数ページの印刷動作を同時に実施することができないので、必ず印刷動作中に使用する記憶部群は単一である。従って、記憶部群(B)370K,370Y,370C,370Mを使用して印刷動作実行中は記憶部群(A)360K,360Y,360C,360Mの値を参照することはないので書換え可能である。積極的に言えば、その間に書き換えればよいと言うことになる。これにより、複数のアプリケーションからの印刷要求が重なった場合に、並行に処理することが可能であり、記憶部群を印刷動作に使用する記憶部群と次の印刷モード切り替えに備えるための記憶部群の合計2つのみ有することにより記憶部群の最適化を実現することができる。
また、書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mが各記憶部群を選択する切り替えを転写紙単位毎にできるようにすることにより1枚のプリンタ要求にも応じてコピー動作中にプリンタ出力を挟んで並行処理することができる。これにより(例3)に記載したように印刷モード変更に伴うダウンタイムを発生せず、あたかも連続印刷動作を行っているように画像形成装置を動作させ、複数のアプリケーションからの連続動作が可能になる。
ここでは画像形成サイズに着目し連続印刷動作の転写紙毎に異なる例としたが、画像形成サイズだけではなく画質モードや紙質モード、解像度、倍密処理、アプリ選択モード等の各種画像形成モードが異なる転写紙の連続印刷動作でも同様の対応にて画像形成することができる。
図13は、本実施形態におけるカラー画像形成装置の連続印刷動作のタイミングを示すタイミングチャートである。タンデム方式のカラー画像形成装置においては、中間転写体に各色転写画像を作像していくので、同一ページの作像タイミングが各色毎に異なる。図ではK色を先頭にY→C→M色の順で作像していく。図12の(例3)に記載したような転写紙毎に異なる印刷モードで作像した際、ページ毎に印刷モードを切り替えるため、前述した記憶部群AとBをページ毎に切り替える必要がある。
しかし、カラー画像形成装置ではK、Y、C、M色で作像タイミングが異なるため、同一タイミングで記憶部群を切り替えることはできない。同一タイミングで切り替えた場合、他色の作像へ影響してしまう。例えば、K色の2ページ目の作像が完了し3ページ目へ印刷モードを変更するため、記憶部群BからAへ切り替える際に全色の記憶部群を一斉に切り替えた場合を考える。そのタイミングではY、C、M色共に2ページ目の作像動作中であり、一斉に3ページの印刷モード、ここでは画像領域サイズに変更されると2ページ目の3色(Y、C、M色)の出力画像が3ページ目の画像サイズに強制変更され、出力画像として異常画像になってしまう。それを防止するためには、各色独立なタイミングで記憶部群を切り替えるタイミングを制御する必要がある。そうすることにより複数の異なる印刷モードを含んだ連続印刷動作にて、最終出力画像に異常画像を出力することなく、更に印刷モード変更に伴う画像形成停止のダウンタイムを発生させること無く画像形成が可能になる。また、印刷モード毎に記憶部群を所有する構成では、印刷モードが増加するにつれて記憶部群を増やさなければならない。しかし、実際に画像形成装置において印刷動作を行うのは各色1ページずつ行っている。すなわち、書き込み制御部にて実際に使用する記憶部群は同一時間では1つである。そこで、記憶部群をAとBの2種類有することで、印刷動作に使用している記憶部群と次の印刷モード切り替えに備えて設定値を記憶する記憶部群の2種類をトグルして使用することでダウンタイムを発生させない連続印刷動作は可能である。この際、図に示した通り、多種多様な印刷モードを連続処理する場合、印刷動作に使用していない記憶部群の設定値を任意に変更することにより次の印刷モードに備える。
本実施形態によれば、印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ有し、記憶部を集団群ごとに分類し記憶部群の切り替えを印刷モード毎に切り替え使用することにより、複数の異なる印刷モードが連続する複雑な連続印刷動作に印刷モードに合わせて記憶部群を切り替えることにより印刷モードに対応した画像形成動作を容易に実現することができる。
また、本実施形態によれば、印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ有し、記憶部を集団群ごとに分類し、記憶部集団群の切り替えタイミングの最小単位を転写紙単位で切り替え可能にすることで、1ページ毎に異なる印刷モードが連続する連続印刷動作にて画像形成動作停止による機械ダウンタイムを発生させること無く連続印刷動作を可能にすることができる。また、印刷動作に使用する記憶部群の選択、及び待機状態の記憶部群の設定値を変更することにより、2つの記憶部をトグル切り替えすることで異なる印刷モードが連続する連続印刷動作に対応し、更には記憶部の構成を最適化することができる。
さらに、本実施形態によれば、各色の書き込み制御部が印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ有し、記憶部を集団群ごとに分類し、印刷モード毎に切り替える記憶部群の切り替えタイミングを単一ではなく複数のタイミングで切り替えることにより、複数の異なる印刷モードを混載した連続印刷動作にて、紙間距離を広げダウンタイムを発生させることなく各ページに適した記憶部を選択し適切な印刷モードに応じたカラー画像を形成することができる。また、記憶部の構成を最適化することができる。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について説明する。なお、前記第1の実施形態において図1ないし図5を参照して説明した構成は、本実施形態でも同一なので、重複する説明は省略する。
図14は本実施形態に係る画像形成装置の連続印刷動作のタイミングを示すタイミングチャートである。転写紙毎に動作開始信号:STTRIG_Nがエンジン制御部100から書き込み制御部300へ出力する。各色の書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mのうち、作像基準色になっている書き込み制御部300Kが、全色の書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mの同期検知信号を生成しないタイミングで書き込み制御部動作開始信号:STOUT_Nを生成する。STOUT_Nを基準に副走査方向への画像形成タイミングを制御し前段の画像信号処理部200へ画像転送要求信号:MFSYNC_Nを出力する。画像信号処理部200ではMFSYNC_Nタイミングにあわせ各ページに対応した画像データ信号:IPDATA_Nを書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mに転送し、書き込み制御部300ではポリゴンミラー20を介してレーザビームを偏向させ感光体ドラム2上に2次元画像を形成する。1ページ目から4ページ目までは画像サイズが異なる印刷モードである(1ページ:サイズ1、2ページ:サイズ2、3ページ:サイズ3、4ページ:サイズ4)。この場合、各ページで画像形成サイズが異なるため、書き込み制御部300の書き込み画像領域を設定する値をページ毎に変更する必要がある。
記憶部を1つしか持たない、すなわち図1の記憶部0部のみ有し記憶部群1〜3を持たない画像形成装置では図15のようなタイミングチャートになる。各ページの作像終了後、次ページの動作開始信号までの間に書き込み制御部の領域設定用の全記憶部値を変更する必要がある。該当記憶部は数多くあり一回での変更は難しい。その際、全記憶部変更に伴い作像動作が停止する期間が存在し、図中のTd時間は作像動作停止のダウンタイムになり生産性を低下させてしまう。
それに対し本実施形態では書き込み制御部の記憶部を1つではなく複数持ち、印刷モードにより変更する記憶部を記憶部群として複数の集団群を形成している。そのため、図14のような転写紙サイズ変更を伴う連続印刷動作においては、予め記憶部群(1)311K,311Y,311C,311Mにサイズ1の画像領域データを記憶し、記憶部群(2)312K,312Y,312C,312Mにサイズ2の画像領域データを、記憶部群(3)313K,313Y,313C,313Mにサイズ3の画像領域データを記憶しておくことにより、各ページの作像終了後に書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mが選択する記憶部群を次ページが該当する記憶部群へ変更する(図14「記憶部群値変更」に対応)ことのみで転写紙サイズ変更による印刷モード変更に関連する全制御値を一度に変更することができる。すなわち、例えば2ページ目では記憶部群2を実行しているが、その間に3ページ目に実行する記憶部群、ここでは記憶部群3に変更しておく。そのため、第3ページの画像形成に移ったときには、記憶部群3の内容で画像形成を実行する。その間、次の4ページ目に実行する記憶部群を変更する。というように、前のページの画像形成を行っているときに、次のページの処理内容を変更する。
これにより図15のような機械動作停止によるダウンタイムTdを低減することが可能である。また、使用が終了した記憶部群は新しい印刷モードを選択するまでの間に新たな印刷モードの設定値に変更するが、この変更動作を他の記憶部群を使用して作像動作を実施している際に変更することにより作像動作への影響なく変更することができる。
また、連続印刷動作の印刷モードは各転写紙にて固定である。すなわち、1枚の転写紙中に複数の印刷モードに跨る画像形成は実施しない。これは、1枚の転写紙途中で印刷モードを変更することにより変更した箇所にて画質が変化し異常画像になる虞があるためである。現実の画像形成装置では転写紙毎に印刷モードを変更している。コピー機能とプリンタ機能、FAX機能を搭載する複合機では、あるユーザが複数原稿の連続コピー機能を使用している最中に、FAXを受信することがある。受信したFAXを自動で出力する場合、コピー動作と並行してFAX出力を実現する必要がある。また、同時に別ユーザが個人端末から1枚のプリント出力を要求することを考える。この場合、サイズ1の複数ページのコピー動作中にサイズ2のFAX原稿を受信し、サイズ3の1枚のプリンタ出力要求を受けると複数のアプリケーションの並行動作を実現できない場合には、複数ページのコピー動作が終了するまで、FAXユーザ、プリンタユーザは自分の出力動作を待つ必要がある。それに対し本発明では、記憶部群を複数有することで記憶部群(1)311K,311Y,311C,311Mにコピー動作設定、記憶部群(2)312K,312Y,312C,312MにFAX動作設定、更には記憶部群(3)313K,313Y,313C,313Mにプリンタ動作設定を記憶させておくことにより、複数のアプリケーションからの印刷要求が重なった場合に、並行に処理することができる。
また、書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mが各記憶部群を選択する切り替えを転写紙単位毎に可能にすることで1枚のプリンタ要求にも応じてコピー動作中にプリンタ出力を挟んで並行処理することができる。これにより図14に示したように印刷モード変更に伴うダウンタイムが発生せず、あたかも連続印刷動作を行っているように画像形成装置を動作させ、複数のアプリケーションからの連続動作が可能になる。
なお、ここでは画像形成サイズに着目し、連続印刷動作の転写紙毎に異なる例としたが、画像形成サイズだけではなく画質モード、紙質モード、解像度、倍密処理、アプリ選択モード等の各種画像形成モードが異なる転写紙の連続印刷動作でも同様の対応にて画像形成することができる。
図16は本実施形態おけるカラー画像形成装置の連続印刷動作のタイミングを示すタイミングチャートである。書き込み制御部300K,300Y,300C,300Mの制御機能は前述した通りであり、動作開始信号を受け画像データ転送要求用の画像信号転送要求信号を生成するまでの副走査遅延ライン部320K,320Y,320C,320Mと、実際の画像データに基づき印刷モードに応じた作像動作を実行する画像展開部330K,330Y,330C,330Mと、作像動作完了後に次の印刷ジョブ要求に備えた待機状態へ移行し、その際にメカ機構部等の制御を行う。図14では各ページに対する書き込み制御部全体の記憶部群の対応を大まかに示してある。
図16のタイミングチャートから分かるように各機能部毎に制御タイミングが異なるため、記憶部群の切り替えタイミングを図14で説明したように該当機能が制御していないタイミングに合わせることにより、各機能部の機能が出力画像に影響しないように切り替えることができる。
図17は図16に示した副走査遅延ライン部320、画像展開部330及びメカ機構部のそれぞれの記憶される処理内容を示す図である。この実施形態では、副走査遅延ライン部320では作像副走査遅延数が、画像展開部330では、主走査画像領域設定値、副走査画像領域設定値、書き込み解像度、倍密処理設定値、入力画像フォーマット設定値、及び画質/紙質モード設定値が、メカ機構部380にはポリゴンモータ回転数設定値及びビームピッチ切り替えモータ設定値がそれぞれ格納される。なお、画像展開部330K,330Y,330C,330Mに格納される各データは、図10に示したものと同一であり、格納される内容も図9に示した値と同一である。
図18は各色KYCMの記憶部における記憶部群(1)ないし(3)の格納データを示す図で、記憶部(0)310K,310Y,310C,310Mには、各色共通のデータであり、レーザダイオードを駆動制御するために必要な各種設定値が記憶される。記憶部(1)、記憶部(2)、記憶部(3)にはそれぞれ副走査遅延ライン部320K,320Y,320C,320M、画像展開部330K,330Y,330C,330M、及びメカ機構部の前記図17に示したデータ格納されている。当然記憶部(1)、(2)、(3)に格納されたデータはそれぞれ異なっており、記憶部群を選択するとその記憶部群に格納されたデータに基づいた処理が実行される。ここでは、各記憶部群の同じ行(図18において横方向のデータ)が1つの集団群を構成し、各記憶部群は同一機能を有する記憶部群として構成されている。
図19には本実施形態における書き込み制御部300内の副走査遅延ライン部320の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
書き込み制御部300内の副走査遅延ライン部320は前述の機能部である。動作開始信号を受け画像データ転送要求用の画像信号転送要求信号を生成するまでの機能である。本機能は作像動作開始前で使用しており、各ページのSTOUT_N生成からMFSYNC_N出力までの期間である。印刷モードを変更する際に該当期間は記憶部群を変更せず固定の郡を選択するように制御する。また、記憶部群(1)、(2)、(3)を全て使用した後、新たな印刷モードで作像動作する場合には、副走査遅延ライン部320において選択されていない記憶部群の設定値を新たな印刷モードに合った設定に書き替えることにより、書き替え後に新たな印刷モードの書き込み制御部動作開始信号:STOUT_Nを生成するタイミングに同期して記憶部群を選択することにより、該当した印刷モードで副走査遅延ライン制御を行い、適切なタイミングにてMFSYNC_Nを出力することが可能になる。
図20には本実施形態における書き込み制御部300内の画像展開部330の動作タイミングを示すタイミングチャートである。書き込み制御部300における画像展開部330は前述の機能部である。前段の画像信号処理部200からの画像データを受け、書き込み光学ユニット1の同期検知板31−1,2、ポリゴンモータ20−1を制御し、感光体ドラム2上に2次元画像を形成する機能部である。本機能は作像動作実行中に使用しており、各ページのMFSYNC_N出力移行画像形成動作完了までの期間である。ここでは、MFSYNC_N出力から画像形成動作ゲート信号:PFGATE_Nがネゲートするまでの期間である。印刷モードを変更する際に該当期間は記憶部群を変更せず固定の記憶部群を選択するように制御する。また、記憶部群(1)、(2)、(3)を全て使用した後、新たな印刷モードで作像動作する場合には、画像展開部330にて選択されていない記憶部群の設定値を新たな印刷モードに合った設定に書き替える。これにより、書き替え後に新たな印刷モードの画像信号転送要求信号:MFSYNC_Nを生成するタイミングに同期して記憶部群を選択し、該当した印刷モードで画像展開制御を行い、適切なタイミング、適切な印刷モードにて画像形成を行うことが可能になる。
図21には本実施形態における書き込み制御部300内のメカ機構部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。書き込み制御部300内のメカ機構部はポリゴンモータ20−1等の書き込み光学ユニット1を構成するメカ機構部品の制御を担っている。本機能は作像動作実行中に使用しており、制御系の値を変更した際に、変更直後に安定して反映されない。そこで、実際に作像動作実行中に使用するよりも前に切り替え選択することにより、より早くメカ機構部品の動作を安定させダウンタイムを生じさせないようにする必要がある。そこで、作像動作を完了したタイミング、つまり画像形成動作ゲート信号:PFGATE_Nがネゲートしたタイミングで該当する記憶部群を切り替える。また、記憶部群(1)、(2)、(3)を全て使用した後、新たな印刷モードで作像動作する場合には、メカ機構部にて選択されていない記憶部群の設定値を新たな印刷モードに合った設定に書き替える。これにより、書き替え後に新たな印刷モードの画像形成動作ゲート信号:PFGATE_Nをネゲートするタイミングに同期して記憶部群を選択し、該当した印刷モードでメカ機構部を制御し、適切なタイミング、適切な印刷モードにて画像形成を行うことが可能になる。
図16には本発明で用いられる画像形成装置の連続印刷動作のタイミングチャートを示した。書き込み制御部の内部構成にもよるが、転写紙間隔を短くし、ダウンタイムを低減して連続印刷動作を実現するためには、図9〜11に示した各種機能部に応じた記憶部群の切り替え制御が必要である。しかし、変更する印刷モードがメカ機構部や副走査遅延ライン部には及ばない場合には、画像展開部のみの記憶部群のみ切り替えることで実現することができる。また、1つではなく2つ、もしくは3つの機能に跨って印刷モードを変更する際には、上記3つのうちの2つ、もしくは3つを組合わせて制御する必要がある。そうすることにより、印刷モードの変更要求仕様に応じた最適な画像形成装置を実現することができる。
以上のように前記実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1)印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ以上複数有し、記憶部を集団群ごとに分類し記憶部群の切り替えを印刷モード毎に切り替え使用することにより、複数の異なる印刷モードが連続する複雑な連続印刷動作に印刷モードに合わせて記憶部群を切り替えることにより印刷モードに対応した画像形成動作を容易に実現することができる。
2)印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ以上複数有し、記憶部を集団群ごとに分類し、記憶部集団群の切り替えタイミングの最小単位を転写紙単位で切り替え可能にすることで、1ページ毎に異なる印刷モードが連続する連続印刷動作にて画像形成動作停止による機械ダウンタイムを発生させること無く連続印刷動作を可能にすることができる。
3)カラー画像形成装置において、各色の書き込み制御部が印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ以上複数有し、記憶部を集団群ごとに分類し、印刷モード毎に切り替える記憶部群の切り替えタイミングを単一ではなく複数のタイミングで切り替えることにより、複数の異なる印刷モードを混載した連続印刷動作にて、紙間距離を広げダウンタイムを発生させることなく各ページに適した記憶部を選択し適切な印刷モードに応じたカラー画像を形成することができる。
4)印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ有し、記憶部を集団群ごとに分類し記憶部群の切り替えを印刷モード毎に切り替え使用することにより、複数の異なる印刷モードが連続する複雑な連続印刷動作に印刷モードに合わせて記憶部群を切り替えることにより印刷モードに対応した画像形成動作を容易に実現することができる。
5)印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ有し、記憶部を集団群ごとに分類し、記憶部集団群の切り替えタイミングの最小単位を転写紙単位で切り替え可能にすることで、1ページ毎に異なる印刷モードが連続する連続印刷動作にて画像形成動作停止による機械ダウンタイムを発生させること無く連続印刷動作を可能にすることができる。また、印刷動作に使用する記憶部群の選択、及び待機状態の記憶部群の設定値を変更することにより、2つの記憶部をトグル切り替えすることで異なる印刷モードが連続する連続印刷動作に対応し、更には記憶部の構成を最適化することができる。
6)カラー画像形成装置において、各色の書き込み制御部が印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ有し、記憶部を集団群ごとに分類し、印刷モード毎に切り替える記憶部群の切り替えタイミングを単一ではなく複数のタイミングで切り替えることにより、複数の異なる印刷モードを混載した連続印刷動作にて、紙間距離を広げダウンタイムを発生させることなく各ページに適した記憶部を選択し適切な印刷モードに応じたカラー画像を形成することができる。また、記憶部の構成を最適化することができる。
7)印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ以上複数有し、記憶部を集団群ごとに分類し記憶部群の切り替えを印刷モード毎に切り替え使用することにより、複数の異なる印刷モードが連続する複雑な連続印刷動作に印刷モードに合わせて記憶部群を切り替えることにより印刷モードに対応した画像形成動作を容易に実現する画像形成装置を提供することができる。
8)印刷モード毎に変更する必要がある機能の記憶部を2つ以上複数有し、記憶部を集団群ごとに分類し、記憶部集団群の切り替えタイミングの最小単位を転写紙単位で切り替え可能にすることで、1ページ毎に異なる印刷モードが連続する連続印刷動作にて画像形成動作停止による機械ダウンタイムを発生させること無く連続印刷動作を可能にする画像形成装置を提供することができる。
9)複数印刷モードが混載した連続印刷動作時に制御変更用の記憶部群を切り替える際、全機能を一度に切り替えた場合には、制御タイミングを跨いで切り替えることになるため、最終出力の画像が異常画像になってしまう。本発明では、複数のタイミングで切り替え可能にし、切り替えタイミングを各種機能に応じて異なるように制御することで複数の印刷モードを混載した連続印刷動作の出力画像を正常に出力する画像形成装置を提供することができる。
10)書き込み制御部の制御機能の内、作像動作制御より前段階で制御する機能がある。書き込み制御部では動作開始信号を受けた後、各ページの作像タイミングを制御するために所定タイミングで前段制御部の画像信号処理部へ画像信号転送要求信号を出力する。この副走査遅延ライン制御部に関わる記憶部群を切り替えるタイミングを動作開始信号が書き込み制御部に入力されたタイミングに同期させて切り替えることにより他機能部との切り分けを行い、複数の印刷モードを混載した連続印刷動作の出力画像を正常に出力する画像形成装置を提供することができる。
11)書き込み制御部の制御機能の内、メイン機能である作像動作制御がある。書き込み制御部では動作開始信号を受け副走査遅延ライン制御部から一定タイミングで画像転送要求信号を出力し、前段からの画像データに合わせて作像動作を行う。画像転送要求信号出力後は印刷モードにあわせた作像動作を備え、画像データ入力に応じて画像データを処理し書き込み光学系に合わせて2次元画像に展開し作像動作を行う。この書き込み画像展開部に関わる記憶部群を切り替えるタイミングを前段の画像信号処理部へ画像転送要求信号を出力するタイミングに同期させて切り替えることにより他機能部との切り分けを行い、複数の印刷モードを混載した連続印刷動作の出力画像を正常に出力する画像形成装置を提供することができる。
12)書き込み制御部内の制御機能の中で作像動作制御が完了した後、次の作像動作開始までにメカ機構部の制御を切り替える場合がある。メカ機構部は制御安定までに時間を要する。そこで、安定動作までに時間を要する制御機能に関わる記憶部群を切り替えるタイミングを前ページの画像形成終了を示すゲート信号がネゲートするタイミングに同期させて切り替えることにより他機能部との切り分けを行い、複数の印刷モードを混載した連続印刷動作にて作像動作を行わない不要なダウンタイムを極力発生させずに、出力画像を正常に出力する画像形成装置を提供することができる。
13) 画像形成装置全体として高速化を実現するためには連続印刷動作時の転写紙間隔を極力短くし、画像形成動作を行わないダウンタイムを低減させる必要がある。そこで、本発明では画像形成装置の印刷モード変更要求仕様に基づき、書き込み制御部の各種機能に応じて最適なタイミングで前記記憶部群を切り替えることにより、様々な印刷モードを混載した連続印刷動作を実現し、印刷モードを切り替える際のダウンタイムを極力低減させた画像形成装置を提供することができる。