JP4723803B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
正極と負極がセパレータを介して扁平形状に捲回された電極群を備える非水電解質二次電池が例えば特開2000−348776号公開公報(特許文献1)に開示されている。この特許文献1には、電極群の最外周の構成を規定した発明が記載されており、より詳しく述べると、電極群の最外周を正極集電体もしくはセパレータとすることにより二次電池の安全性や外部衝撃に対する強度を高めることが開示されている。
このような扁平形状の電極群では、従来から、最内周をセパレータとし、その外側に負極を配置する捲回構造を有している。負極は正極に比較して薄く、また活物質の種類が異なる等にも起因して正極よりも剛性が低い。このため、扁平形状に捲回後に巻芯を引き抜くと、最も内側の負極周が巻芯による支えを失うために巻芯空間部側に倒れ込む。特に、正極と負極とセパレータがほぼフラットな状態で積層されている平坦部よりも、正極と負極とセパレータの積層物がU字状もしくは円弧状に湾曲している湾曲部で倒れ込みが起きやすい。巻芯除去後、電極群の厚さ方向に沿ってプレスを施すと、巻芯空間部側に倒れ込んでいる負極周がさらにへたり、へたりを生じた箇所において電極群が厚さ方向に凹む。この凹みは、電極群表面上のしわとして観測される。
凹み箇所では、正極と負極の極間距離が著しく狭くなっているため、充放電に伴って電極が膨張・収縮を繰り返した際に内部短絡を生じ易い。内部短絡は、セパレータの厚さを厚くすることである程度は解消可能であるものの、エネルギー密度の低下という新たな問題点を招く。
特開2000−348776号公報
本発明は、充放電サイクル中の内部短絡が低減された非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明に係る非水電解質二次電池は、正極と負極がセパレータを介して扁平形状に捲回された構造を有する電極群を具備した非水電解質二次電池であって、
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体に担持される正極活物質含有層と、前記正極活物質含有層が無担持の前記正極集電体からなる正極捲き始め部とを含み、前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体に担持される負極活物質含有層とを含み、
前記正極は撓み試験において3cmから撓み始めると共に、前記正極の剛性が前記負極の剛性よりも高く、
前記電極群の最内周が前記正極であるか、もしくは前記最内周がセパレータであると共に、前記最内周のセパレータの外周側に前記正極の前記正極捲き始め部及び前記正極活物質含有層が配置されており、
前記正極活物質含有層の外周側に前記セパレータを介して前記負極活物質含有層が配置されていることを特徴とするものである。
ここで、捲回中心から1周目の電極周とは、電極が捲回されている周のうちで捲回中心から見て1周目を言う。特に、電極群の最内周が一方極であるか、もしくは最内周がセパレータで、このセパレータの次の周が一方極であるものが好ましい。
本発明によれば、充放電サイクル中の内部短絡が低減された非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
本発明に係る非水電解質二次電池は、薄型、角形等の様々な形態の非水電解質二次電池に適用することができる。このうちの薄型及び角形非水電解質二次電池の一例を図1〜図4に示す。
まず、薄型非水電解質二次電池について説明する。
図1に示すように、矩形のカップ状をなす容器本体1内には、電極群2が収納されている。電極群2は、正極3と、負極4と、正極3と負極4の間に配置されるセパレータ5を含む積層物が偏平形状に捲回された構造を有する。非水電解質は、電極群2に保持されている。容器本体1の縁の一部は幅広になっており、蓋板6として機能する。容器本体1と蓋板6は、それぞれ、ラミネートフィルムから構成される。このラミネートフィルムは、外部保護層7と、熱可塑性樹脂を含有する内部保護層8と、外部保護層7と内部保護層8の間に配置される金属層9とを含む。容器本体1には蓋体6が内部保護層8の熱可塑性樹脂を用いてヒートシールによって固定され、それにより容器内に電極群2が密封される。正極3には正極タブ10が電気的に接続され、負極4には負極タブ11が電気的に接続され、それぞれ容器の外部に引き出されて、正極端子及び負極端子の役割を果たす。
なお、図1,図2に例示される薄型非水電解質二次電池では、カップ状の容器を用いる例を説明したが、容器の形状は特に限定されず、例えば袋状等にすることができる。
次いで、角形非水電解質二次電池について説明する。
図3に示すように、例えばアルミニウムのような金属製の有底矩形筒状容器12内には、電極群2が収納されている。電極群2は、正極3、セパレータ5及び負極4を含む積層物がこの順序で積層され、扁平状に捲回されたものである。中央付近に開口部を有するスペーサ13は、電極群2の上方に配置されている。
非水電解質は、電極群2に保持されている。防爆機構14を備え、かつ中央付近に円形孔が開口されている封口板15は、容器12の開口部にレーザ溶接されている。負極端子16は、封口板15の円形孔にハーメチックシールを介して配置されている。負極4から引き出された負極タブ11は、負極端子16の下端に溶接されている。一方、正極タブ(図示しない)は、正極端子を兼ねる容器12に接続されている。
これら二次電池の電極群2を図4を参照して説明する。電極群2の最内周は、二枚重ねのセパレータ5を折り返して四枚重ね合わされたものからなる。最内周のセパレータは正極と負極の間に介在されていない。最内周セパレータを含め、正極と負極により挟まれておらず電極群2の内周部に位置するセパレータ5の長さは、全セパレータ長の10%以上であることが好ましい。これにより充放電中の内部短絡発生率をさらに低くすることができる。活物質含有層が無担持の正極集電体3aからなる正極捲き始め部は、最内周セパレータ5(4枚重ねのセパレータ5)の外側に配置されている。よって、この電極群2では、正極の周と負極の周のうちで捲回中心から1周目が正極周になっている。正極3の捲き始め部以降1周分には正極集電体3aの片面に活物質含有層3bが担持され(以下、片面領域と称す)、それ以降は正極集電体3aの両面に活物質含有層3bが担持され(以下、両面領域と称す)、捲き終わり部は正極集電体3aのみから形成されている。
最内周よりも外側のセパレータ5は、四枚重なった状態から二枚重ねの状態に戻り、この2枚のセパレータ5の間に、活物質含有層無担持の負極集電体4aからなる負極捲き始め部が配置されている。負極捲き始め部を挟んだ2枚のセパレータのうち外側に位置する方に、正極3の片面領域が活物質含有層無担持の面が負極捲き始め部と対向するように配置されている。片面領域の長さは、図4では1周分であるが、正極全体長さの10〜30%の範囲にすることが好ましい。片面領域が短いと、捲回中心から1周目の正極周に集電体と片面領域と両面領域とが共存するため、プレス時、両面領域より剛性の低い集電体や片面領域に負荷が偏り、電極群の歪が大きくなる可能性がある。一方、片面領域が長すぎると、高容量を得られない恐れがある。正極3の片面領域の外側にセパレータ5が配置され、このセパレータ5の外側に、活物質含有層4bが集電体4aの両面に担持された負極4が配置されている。さらに、この負極4の外側にセパレータ5を介して正極3の両面領域が配置されている。
電極群2の最外周は、正極3の正極集電体3aから構成されている。このため、この正極集電体3aとセパレータ5を介して対向している負極4では、集電体4aの片面のみに活物質含有層4aが形成されている。
正極タブ10は、正極3の捲き始め部(正極集電体3a)の最内周セパレータ5と対向する表面に溶接されている。一方、負極タブ11は、二枚のセパレータ5に挟まれた負極4の捲き始め部(負極集電体4a)の内側セパレータ5と対向する表面に溶接されている。正極タブ10がセパレータ5を貫通して負極集電体4aと接するのを防止するための補強テープ17は、正極タブ10の背面側の負極集電体4aに貼り付けられている。負極タブ11がセパレータ5を貫通して正極3と接するのを防止するための補強テープ18は、負極タブ11の背面側の正極活物質含有層3bに貼り付けられている。また、巻き止めテープ19は、正極集電体3aの巻き終わり端部を電極群2の最外周表面に固定することにより巻きずれを防止している。
この電極群2は、正極3と負極4をセパレータ5を介在させて扁平形状に捲回することにより作製されるものであるが、捲回後、正極3、負極4及びセパレータ5の一体化強度を高めるためにプレスを施すことが可能である。なお、プレス時に加熱を施すことも可能である。
また、電極群2には、正極3、負極4及びセパレータ5の一体化強度を高めるために、接着性高分子を含有させることができる。この接着性高分子としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリエチレンオキサイド(PEO)等を挙げることができる。
以下、正極3、負極4、セパレータ5および非水電解質について説明する。
1)正極3
この正極は、正極集電体3aと、集電体3aの片面もしくは両面に担持される活物質含有層3bとを含む。
前記正極活物質としては、種々の金属酸化物、例えば二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウム含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物などを挙げることができる。中でも、リチウム含有コバルト酸化物(例えば、LiCoO2 )、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8 Co0.2 2 )、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn2 4 、LiMnO2 )を用いると、高電圧が得られるために好ましい。なお、正極活物質としては、1種類の酸化物を単独で使用しても、あるいは2種類以上の酸化物を混合して使用しても良い。
活物質含有層には結着剤を含有させることができる。前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエーテルサルフォン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。
活物質含有層には導電剤を含有させても良い。前記導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
前記集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。これら導電性基板は、例えば、アルミニウム、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。
前記正極は、撓み試験において3cm(より好ましくは5cm)から撓み始めることが望ましい。これは、3cm未満から撓み始める正極は、剛性が低いため、捲回中心から1周目を正極にしても充放電サイクル中の内部短絡が低減されない可能性があるからである。
前記正極は、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤を適当な溶媒に懸濁させ、この懸濁物を集電体に塗布し、乾燥してプレスすることにより作製される。
懸濁物の集電体片面当りの塗工量は、170〜240g/m2の範囲にすることが好ましい。塗工量を170g/m2以上にすることによって、正極に張りが出で弾力性が増すため、外側から応力が加わった際の復元力を十分に確保することができる。但し、塗工量を240g/m2より多くすると、正極の柔軟性が損なわれて正極をセパレータ及び負極と共に円滑に捲回することが困難になる恐れがある。
2)負極4
前記負極4は、負極集電体4aと、集電体4aの片面もしくは両面に担持される活物質含有層4bとを含む。
負極活物質には、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料が使用される。この負極活物質としては、例えば、黒鉛、コークス、炭素繊維、球状炭素、熱分解気相炭素質物、樹脂焼成体などの黒鉛質材料もしくは炭素質材料; 熱硬化性樹脂、等方性ピッチ、メソフェーズピッチ系炭素、メソフェーズピッチ系炭素繊維、メソフェーズ小球体など(特に、メソフェーズピッチ系炭素繊維が容量や充放電サイクル特性が高くなり好ましい)に500〜3000℃で熱処理を施すことにより得られる黒鉛質材料または炭素質材料; 二硫化チタン、二硫化モリブデン、セレン化ニオブ等のカルコゲン化合物; アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム、リチウム合金等の軽金属; 等を挙げることができる。中でも、(002)面の面間隔d002が0.34nm以下である黒鉛結晶を有する黒鉛質材料を用いるのが好ましい。このような黒鉛質材料を負極活物質として含む負極を備えた非水電解質二次電池は、電池容量および大電流放電特性を大幅に向上することができる。前記面間隔d002 は、0.337nm以下であることが更に好ましい。
活物質含有層には結着剤を含有させることができる。前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
前記集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。これら導電性基板は、例えば、銅、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。
前記負極は、例えば、負極活物質と結着剤とを溶媒の存在下で混練し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、所望の圧力で1回プレスもしくは2〜5回多段階プレスすることにより作製される。
懸濁物の集電体片面当りの塗工量は、70〜110g/m2の範囲にすることが好ましい。塗工量を70g/m2以上にすることによって、負極の弾力性を高くして外側から応力が加わった際の復元力を大きくすることができる。但し、塗工量を110g/m2より多くすると、塗工部自体の耐折性が弱くなるため、曲げた時に塗工部のひび割れが発生する恐れがある。
正極3の剛性が負極4よりも高い正負極の組み合わせとしては、以下に説明するものが好ましい。
正極については、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(例えば、LiCoO2)と結着剤としてPVdFを含む懸濁液を調製し、集電体として厚さが5〜25μm(より好ましくは10〜20μm)のAl箔に前記懸濁液を集電体片面での塗工量が170〜240g/m2の範囲になるように塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製されることが望ましい。特に、活物質含有層中の正極活物質の割合を85重量%〜95重量%の範囲にし、かつ活物質含有層中の結着剤の割合を1.5重量%〜3.5重量%の範囲にすることが望ましい。
一方、負極については、負極活物質としてメソフェーズピッチ系炭素繊維および結着剤としてCMC及びSBRの少なくとも一方を含む懸濁液を調製し、集電体として厚さが 5〜20μm(より好ましくは8〜12μm)のCu箔に前記懸濁液を集電体片面での塗工量が70〜110g/m2の範囲になるように塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製されることが望ましい。特に、活物質含有層中の負極活物質の割合を85重量%〜95重量%の範囲にし、かつ活物質含有層中の結着剤の割合を1.5重量%〜3.5 重量%の範囲にすることが望ましい。
3)セパレータ5
このセパレータ5としては、微多孔性の膜、織布、不織布、これらのうち同一材または異種材の積層物等を用いることができる。中でも、微多孔性の膜は、過充電等による発熱で電極群の温度が異常に上昇すると、セパレータを構成する樹脂が塑性変形し微細な孔が塞がる、いわゆるシャットダウン現象を生じ、リチウムイオンの流れが遮断され、それ以上の発熱を防止し、過充電状態を安全に終了させることができるので好ましい。セパレータを形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー等を挙げることができる。セパレータの形成材料としては、前述した種類の中から選ばれる1種類または2種類以上を用いることができる。
前記セパレータは、透気度が200〜600秒/100cm3 であることが好ましい。なお、透気度は、100cm3の空気がセパレータを透過するのに要した時間(秒)を意味し、JIS(日本工業規格)P8117に規定する方法により測定することができる。これは、透気度が200秒/100cm未満の場合はセパレータの孔が大きく且つ粗い状態であるので、上記のようなシャットダウン現象が速やかに起こらずに熱暴走に至る恐れがあるからである。また透気度が600秒/100cmを超えると、セパレータの孔が極めて小さいために非水電解質がセパレータの孔に完全に保持されない部分が生じ、従ってハロゲン化炭化水素の酸化発熱によるシャットダウン現象が部分的にしか生じない可能性がある。また透気度が600秒/100cmを超える場合、通常の充放電を行う際のイオンの移動抵抗が大きくなって電池の内部抵抗が大きくなる恐れがある。透気度の値は250〜500秒/100cm3 にすることがより好ましく、さらに好ましい値は300〜450秒/100cm3 である。
前記セパレータは、MD方向の引張強度が1500kgf/cm2以下であることが望ましい。1500kgf/cm2を超えると、シャットダウン現象を生じる温度に達した際に強度が強すぎて逆に破膜が起こる確率が高くなるため、電流収束が安定化しない可能性がある。引張強度の値は1000kgf/cm2以下がより好ましく、さらに好ましい値は700kgf/cm2以下である。
前記セパレータは、樹脂量が6〜12g/m2の範囲であることが望ましい。
前記セパレータがシャットダウン現象を生じる温度、いわゆるシャットダウン温度は、100〜160℃の範囲にあることが好ましい。このシャットダウン温度は、セパレータを一定温度に加熱した後の透気度を測定し、その透気度の値が10万秒/100cm3以上になる温度として測定できる。シャットダウン温度が160℃を超える場合は、過充電状態においてセパレータのシャットダウンが速やかに起こらずに熱暴走に至る可能性がある。また、シャットダウン温度が100℃未満の場合は、非水電解質二次電池の通常の使用状態において、例えば炎天下の自動車内などの高温状態に置かれたときにセパレータの透気度が上昇し、電池の大電流放電特性が低下するなどの問題を生じる可能性がある。セパレータのシャットダウン温度は110〜150℃にすることがより好ましい。
前記セパレータが溶融して破膜を生じる温度、いわゆる溶融温度は、160℃以上でかつ前記シャットダウン温度よりも15℃以上高いことが望ましい。溶融温度が160℃未満であったり、或いはシャットダウン温度との差が15℃未満である場合は、電池温度の上昇により一旦シャットダウン現象を生じても、その後にセパレータが溶融して破膜し、正極と負極とが直接接触する、いわゆる短絡状態に至る危険性がある。短絡状態に至った場合、短絡した箇所の電気抵抗が極めて小さいために短絡した箇所で大電流が流れ続け、ジュール熱を生じることにより短絡した箇所の温度が局所的に上がり、更に周囲のセパレータが溶融したり、或いは熱暴走を生じる可能性がある。
前記セパレータは、多孔度が30〜60%の範囲であることが好ましい。多孔度のより好ましい範囲は、35〜50%である。
前記セパレータの厚さは、30μm以下にすることが好ましく、さらに好ましい範囲は25μm以下である。また、厚さの下限値は5μmにすることが好ましく、さらに好ましい下限値は8μmである。
セパレータの幅は、正極と負極の幅に比べて広くすることが望ましい。このような構成にすることにより、正極と負極がセパレータを介さずに直接接触するのを防ぐことができる。
4)非水電解質
非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質(例えば、リチウム塩)とを含むものである。この非水電解質の形態は、液体状(非水電解液)やゲル状あるいは固体形状にすることができる。
非水溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、ハロゲン化芳香族炭化水素等を用いることができ、2種類以上混合して使用してもよい。
中でも、非水溶媒としてハロゲン化芳香族炭化水素を含むものを用いるのが好ましい。
ハロゲン化芳香族炭化水素としては、例えば、金属リチウムに対する電位で4.7V以上、5.0V以下の電位で酸化反応を生じる化合物を挙げることができる。非水溶媒中に添加するハロゲン化芳香族炭化水素の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
γ−ブチロラクトン(GBL)と環状カーボネートとを含む非水溶媒においては、過充電により正極電位が金属リチウムに対する電位で4.7V以上に達すると、正極においてGBLの分解反応とこの分解反応に伴う発熱反応が徐々に生じ始め、過充電が更に進行して正極電位が金属リチウムに対する電位で5.0Vを超えるとこれらの反応が急激に進行する。このとき、電池温度の上昇によって、セパレータがシャットダウン現象を生じれば、リチウムイオンの流れが遮断され、過充電状態を安全に終息させることができる。ただし、このシャットダウン現象が完全に生じるためには、セパレータの正極及び負極と接している全ての面積において一様に、かつ短時間のうちに、セパレータを構成する樹脂が塑性変形を起こす温度(シャットダウン温度)まで上昇しなければならない。セパレータの温度がシャットダウン温度に達するまでの時間は、流れる電流が大きいほど短く、流れる電流が小さいほど時間は長くなる。また、このシャットダウン温度に達するまでの時間は、二次電池から熱が外部に逃げる、いわゆる放熱の効率が大きいほど長く、放熱の効率が小さいほど短くなる。この放熱の効率は、二次電池を構成する部材の材質や形状によって異なる。
金属リチウムに対する電位で4.7V以上、5.0V以下の電位で酸化反応を生じるハロゲン化芳香族炭化水素を非水溶媒に添加することによって、正極とGBLの反応による発熱に加えて、この物質の酸化反応に伴う発熱が生じるために、短時間のうちにセパレータの温度がシャットダウン温度に達し、確実にシャットダウン現象を生じることができる。
なお、4.7V未満の電位(対金属リチウム)で酸化反応を生じる物質を非水溶媒に添加した場合、GBLの反応による発熱が生じる前に、添加した物質の反応が終了してしまい、従って短時間のうちにセパレータの温度をシャットダウン温度に達することができない恐れがある。一方、5.0Vを超える電位(対金属リチウム)で酸化反応を生じる物質を非水溶媒に添加した場合、添加した物質が酸化反応を生じる前に正極とGBLの反応による発熱が生じている。従って添加した物質が酸化反応を生じるときは二次電池の温度が既に上昇しており、その状態で酸化反応による発熱が生じるとかえって熱暴走を促進する危険性がある。
金属リチウムに対する電位で4.7V以上、5.0V以下の電位で酸化反応を生じるハロゲン化芳香族炭化水素としては、酸化電位が5.0Vの塩化ベンゼン(CB)、酸化電位が5.0Vのフッ化ベンゼン(FB)、塩化トルエン(CT)、フッ化トルエン(FT)が好ましい。中でも、酸化電位が4.9Vのオルトフッ化トルエン(o−FT)、酸化電位が4.8Vのオルト塩化トルエン(o−CT)、酸化電位が4.8Vのパラ塩化トルエン(p−CT)が良い。なお、酸化電位は、金属リチウムに対する電位である。
オルトフッ化トルエン、オルト塩化トルエン及びパラ塩化トルエンよりなる群から選択される少なくとも1種類のハロゲン化トルエンは、酸化反応に伴う発熱反応が、正極とγ−ブチロラクトン(GBL)の反応による発熱反応と同時期に生じ、かつその酸化反応による発熱量が大きい。よって、ハロゲン化トルエンとGBLとを含む非水溶媒を用いると、短時間のうちに大きな発熱量を得てセパレータの温度をシャットダウン温度に到達させることができ、過充電の際に確実にシャットダウン現象を生じさせることが可能である。また、これらハロゲン化トルエンは、正極電位が4.7V未満の際には、正極、負極、および非水電解質(特にGBL)のいずれとも反応することがないため、二次電池の充放電特性が損なわれることがない。さらに、これらハロゲン化トルエンは、酸化反応によりハロゲン化トルエンの重合体が生成し、生成した重合体がセパレータに固着して孔を塞ぎ、セパレータの電流遮蔽効果をより高めることができる。
ハロゲン化芳香族炭化水素の重量比率(非水溶媒の総重量に対する比率)は、0.1〜15重量%の範囲内にすることが望ましい。これは次のような理由によるものである。ハロゲン化芳香族炭化水素の比率を0.1重量%未満にすると、ハロゲン化芳香族炭化水素の酸化反応による発熱量が少なくなり、セパレータをシャットダウンさせる効果が小さくなる恐れがある。逆に、ハロゲン化芳香族炭化水素の比率が15重量%を超えると、ハロゲン化芳香族炭化水素の酸化反応による発熱量が大きくなりすぎ、二次電池の温度が急激に上昇して熱暴走に至る危険性がある。
ハロゲン化芳香族炭化水素のより好ましい比率は、0.5〜10重量%の範囲で、さらに好ましい比率は、1〜8重量%の範囲である。
また、非水溶媒中のGBLの含有量は40重量%以上にすることが好ましく、さらに好ましい範囲は50重量%以上で、最も好ましい範囲は55重量%以上である。
ハロゲン化芳香族炭化水素とGBLとを含む非水溶媒には、高温貯蔵時の負極とGBLとの反応を抑制するために、環状カーボネートを含有させることが望ましい。このような非水溶媒は、二次電池の高温貯蔵特性及び充放電サイクル寿命を向上することができる。環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等を挙げることができる。特にECは、リチウムイオンとGBLとの反応を抑える効果が大きいので好ましい。なお、環状カーボネートの種類は、1種類でも良いし、2種類以上にすることも可能である。非水溶媒中の環状カーボネートの含有量は、20〜50重量%の範囲にすることが好ましく、さらに好ましい比率は25〜45重量%である。
非水溶媒中には、GBL、環状カーボネートおよびハロゲン化芳香族炭化水素以外の他の溶媒を、副成分として含有させることができる。
副成分としては、例えば、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−バレロラクトン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、2―メチルフラン、フラン、チオフェン、カテコールカーボネート、エチレンサルファイト、12−クラウン−4、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。
中でも、ビニレンカーボネート(VC)を含む副成分は、負極表面に緻密な保護皮膜を生成するため、負極活物質中に吸蔵されたリチウムイオンとGBLとの反応性をさらに低くすることが可能になり、放置放電特性を改善することができる。非水溶媒中の副成分の重量比率は、10重量%以下の範囲内にすることが望ましい。これは、副成分の重量比率を10重量%よりも多くすると、負極表面の保護皮膜のリチウムイオン透過性が低下して低温放電特性が損なわれる可能性があるからである。副成分の重量比率のより好ましい範囲は0.01〜5重量%であり、更に好ましい範囲は0.1〜3重量%である。
前記非水溶媒には、セパレータとの濡れ性を良くするために、トリオクチルフォスフェート(TOP)のような界面活性剤を含有させることが望ましい。界面活性剤の添加量は、3%以下が好ましく、さらには0.1〜1%の範囲内にすることが好ましい。
前記非水溶媒に溶解される電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 )、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミドリチウム(LiN(C25SO22)などのリチウム塩を挙げることができる。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
中でも、LiBF4は、二次電池の温度が上昇したときの正極との反応性が低いことから、過充電時の安全性をさらに向上することができるため、好ましい。また、(LiN(CF3SO22およびLiN(C25SO22のうち少なくとも一方からなるリチウム塩と、LiBF4からなるリチウム塩とを含有する混合塩か、あるいはLiBF4及びLiPF6を含有する混合塩を用いると、高温でのサイクル寿命をより向上することができる。
前記電解質の総重量に対するLiBF4の重量比率(z)は、50重量%以上にすることが望ましい。これは、LiBF4の重量比率(z)を50重量%未満にすると、即ち、LiBF4よりも反応性の高い電解質(例えばLiPF6)の比率が大きくなり、過充電状態における発熱反応が生じ易く、熱暴走状態に陥る危険性があるためである。
LiBF4のより好ましい比率(z)は、70重量%以上で、さらに好ましい比率(z)は、80重量%以上である。
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.5モル/Lとすることが望ましい。さらに好ましい範囲は、1〜2.5モル/Lである。
前記非水電解質の量は、電池単位容量100mAh当たり0.2〜0.6gにすることが好ましい。非水電解質量のより好ましい範囲は、0.25〜0.55g/100mAhである。
以上説明した本発明に係る非水電解質二次電池では、正極の方が負極よりも剛性が高く、電極群の最内周が正極であるか、あるいは最内周のセパレータと対向する電極が正極であるため、正極と負極をセパレータを介して捲回し、巻き芯を引き抜いた際、正極及び負極が巻き芯空間部側に倒れ込むのを防止することができる。従って、巻芯引き抜き後、プレスを施した際に電極群が部分的に中心側に凹む現象を回避することができるため、充放電サイクル中の微小短絡の発生を低減することができる。
また、前述した撓み試験での撓み強度が3cm以上である正極を用いることによって、正極の剛性と弾力性を高くすることができるため、巻き芯を引き抜く際およびプレス時の正極の変形量をさらに少なくすることができ、充放電サイクル中の微小短絡の発生をより低減することができる。
本発明は、下記(1)式を満足する電極群に適用すると良い。
0.7≦(L2/L1)≦0.9 (1)
但し、L2は前記電極群の渦巻面の平坦部の長さで、L1は前記L2と平行な方向の前記渦巻面の長さである。ここで、渦巻面の平坦部とは、円弧にもU字状にも湾曲していない正極と負極とセパレータが積層されている箇所を意味する。よって、平坦部の長さは、円弧あるいはU字状に湾曲している両端部を除いた最内周(セパレータもしくは正極)の長さと等しい。
(L2/L1)が0.9を超えるものは、正極及び負極をセパレータを介して捲回後、巻芯を引き抜いた際の巻芯空間側への変形量がもともと少ない。一方、(L2/L1)が0.7未満のものは、捲回後、巻芯を引き抜いた際に正極及び負極が巻芯空間側へ倒れ込んで歪が生じるものの、その後のプレスで歪を十分に拡散させることが可能である。従って、(L2/L1)が前記範囲を外れる場合に本発明の電極群構成にしても、十分な内部短絡抑制効果を得られない恐れがあり、(L2/L1)を前記範囲にすることによって十分な内部短絡抑制効果を得ることができる。
なお、前述した図1〜図4では、電極群の最内周をセパレータとし、このセパレータの外側に正極を配置する例を説明したが、電極群の最内周を正極にしても同様な効果を得ることができる。
また、前述した図1〜図4では、電極周の中の1周目(捲回中心から見て)を正極にする例を説明したが、負極の剛性が正極よりも高いのであれば1周目を負極にすることが可能である。
[実施例]
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
参考例1)
<正極の作製>
まず、リチウムコバルト酸化物(LixCoO2;但し、Xは0<X≦1である)粉末90重量%に、アセチレンブラック5重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%のジメチルフォルムアミド(DMF)溶液とを加えて混合し、スラリーを調製した。前記スラリーを厚さが15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に片面での塗工量が150g/m2になるように塗布した後、乾燥し、プレスすることにより、正極層が集電体の両面に担持された構造の正極を作製した。
<負極の作製>
炭素質材料として3000℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(粉末X線回折により求められる(002)面の面間隔(d002 )が0.336nm)の粉末を95重量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)を1.5重量%と、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)を1.5重量%とを水の存在下で混合し、スラリーを調製した。前記スラリーを厚さが12μmの銅箔からなる集電体の両面に片面での塗工量が90g/m2になるように塗布し、乾燥し、プレスすることにより、負極層が集電体に担持された構造の負極を作製した。
なお、炭素質物の(002)面の面間隔d002は、粉末X線回折スペクトルから半値幅中点法によりそれぞれ求めた。この際、ローレンツ散乱等の散乱補正は、行わなかった。
<セパレータ>
厚さが25μm、多孔度45%の微多孔性ポリエチレン膜からなるセパレータを用意した。このセパレータのシャットダウン温度は135℃、溶融温度は165℃であった。
<電極群の作製>
前記正極の集電体に帯状アルミニウム箔(厚さ100μm)からなる正極リードを超音波溶接し、前記負極の集電体に帯状ニッケル箔(厚さ100μm)からなる負極リードを超音波溶接した後、前記正極及び前記負極をその間に前記セパレータを介して渦巻き状に捲回した。この際、電極群内周部の正負極に挟まれていないセパレータ長をセパレータ全長に対して15%設けるように捲回した。この電極群を温度80℃、圧力1.4MPaの条件でプレス機で加圧することにより、偏平状に成形し、前述した図4に示す構造の電極群を得た。
アルミニウム箔の両面をポリエチレンで覆った厚さ100μmのラミネートフィルムを、プレス機により矩形のカップ状に成形し、得られた容器内に前記電極群を収納した。
次いで、容器内の電極群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより電極群及びラミネートフィルムに含まれる水分を除去した。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン(GBL)およびオルト塩化トルエン(o−CT;酸化電位4.8V)を重量比率(EC:GBL:o−CT)が35:60:5になるように混合して非水溶媒を調製した。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )をその濃度が1.5モル/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製した。
容器内の電極群に前記非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が4.8gとなるように注入し、ヒートシールにより封止した後、前述した図1、2に示す構造を有し、厚さが3.6mm、幅が35mm、高さが62mmで、公称容量が0.65Ahの非水電解質二次電池を組み立てた。
この非水電解質二次電池に対し、初充放電工程として以下の処置を施した。まず、室温で0.2Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を15時間行った。その後、室温で0.2Cで3.0Vまで放電し、非水電解質二次電池を製造した。
ここで、1Cとは公称容量(Ah)を1時間で放電するために必要な電流値である。よって、0.2Cは、公称容量(Ah)を5時間で放電するために必要な電流値である。
得られた二次電池について、以下に説明する方法で正極撓み強度と、電極群の渦巻面の平坦部の長さを測定し、その結果を下記表1に示す。
<正極撓み強度の測定>
正極をSUS製平板に置き、正極の上にもSUS製平板を載せ、正極をこれら平板で挟み込む。その後、正極だけを突き出して水平面に対し5mm電極が撓むところまでの突き出し量を撓み強度とした。
<平坦部の長さの測定>
電池を捲回軸と直交する方向に裁断し、電極群の渦巻面を撮影した。得られた渦巻面の像における平坦部の長さL2と、L2と平行な方向の渦巻面の長さL1を測定し、(L2/L1)を算出し、その結果を下記表1に示す。
(実施例2〜8)
正極と負極の塗工量、正極撓み強度、電極群の渦巻面における平坦部の比率(L2/L1)を下記表1に示すように設定すること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の非水電解質二次電池を製造した。
(比較例1)
図5に示す構造を有する電極群を用いること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の非水電解質二次電池を製造した。なお、図5では前述した図4で説明したのと同様な部材について同符号を付して説明を省略する。
電極群2の中心付近では、負極集電体4aからなる負極捲き始め部が二枚のセパレータ5の間に挟まれた状態で捲回されている。よって、電極群2の最内周がセパレータ5で、このセパレータ5の外側に負極4が配置されている。正極集電体3aからなる正極捲き始め部は、前記セパレータ5の外側に配置されている。この電極群2の最外周は、正極3の正極集電体3aから構成されている。
正極タブ10は、正極3の捲き始め部(正極集電体3a)の最内周セパレータ5と対向する表面に溶接されている。一方、負極タブ11は、負極4の捲き始め部(負極集電体4a)の最内周セパレータ5と対向する表面に溶接されている。正極タブ10がセパレータ5を貫通して負極集電体4aと接するのを防止するための補強テープ20の一方は、正極タブ10の表面を覆い、他方は正極タブ10の背面側の負極集電体4aに貼り付けられている。
(比較例2〜8)
正極と負極の塗工量、正極撓み強度、電極群の渦巻面における平坦部の比率(L2/L1)を下記表1に示すように設定すること以外は、前述した比較例1で説明したのと同様な構成の非水電解質二次電池を製造した。
得られた参考例1、実施例2〜8及び比較例1〜8の二次電池をそれぞれ20個ずつ用意し、以下に説明する方法で絶縁検査を行ない、以下に合格した電池個数を下記表1に示す。
耐電圧の測定は各電池に印加電圧1000Vを1sec.与え、その時に流れる電流が100μA以下ならば1000Vの耐電圧があるとして実施した。
Figure 0004723803
表1から明らかなように、電極群の最内周のセパレータの外側に正極が配置され、かつ正極の剛性が負極よりも高い実施例〜8の二次電池は、最内周セパレータの次の周が負極である比較例1〜8の二次電池に比較して1000Vの耐電圧特性が優れていることが理解できる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係わる非水電解質二次電池の一例である薄型非水電解質二次電池を示す斜視図。 図1の薄型非水電解質二次電池をII−II線に沿って切断した部分断面図。 本発明に係る非水電解質二次電池の一例である角形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図。 図1〜図3の非水電解質二次電池に組込まれる扁平状電極群の一例を示す模式図。 比較例1の非水電解質二次電池に組込まれる扁平状電極群を示す模式図。
符号の説明
1…容器、2…電極群、3…正極、3a…正極集電体、3b…活物質含有層、4…負極、4a…負極集電体、4b…活物質含有層、5…セパレータ、6…蓋体、7…樹脂層、8…熱可塑性樹脂層、9…金属層、10…正極タブ、11…負極タブ、17、18,20…補強テープ、19…巻き止めテープ、L2…電極群の平坦部の長さ、L1…電極群の渦巻面の長さ。

Claims (2)

  1. 正極と負極がセパレータを介して扁平形状に捲回された構造を有する電極群を具備した非水電解質二次電池であって、
    前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体に担持される正極活物質含有層と、前記正極活物質含有層が無担持の前記正極集電体からなる正極捲き始め部とを含み、前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体に担持される負極活物質含有層とを含み、
    前記正極は撓み試験において3cmから撓み始めると共に、前記正極の剛性が前記負極の剛性よりも高く、
    前記電極群の最内周が前記正極であるか、もしくは前記最内周がセパレータであると共に、前記最内周のセパレータの外周側に前記正極の前記正極捲き始め部及び前記正極活物質含有層が配置されており、
    前記正極活物質含有層の外周側に前記セパレータを介して前記負極活物質含有層が配置されていることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記電極群は、下記(1)式を満足することを特徴とする請求項記載の非水電解質二次電池。
    0.7≦(L2/L1)≦0.9 (1)
    但し、L2は前記電極群の渦巻面の平坦部の長さで、L1は前記L2と平行な方向の前記渦巻面の長さである。
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