JP6864851B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、捲回電極体と非水電解液とを備えた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等の非水電解液二次電池は、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として好ましく用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両に搭載して用いられる高出力電源(例えば、車両の駆動輪に連結されたモータを駆動させる電源)として重要性が高まっている。
かかる非水電解液二次電池の分野では、非水電解液にリチウムビス(オキサレート)ボレート(Lithium bis(oxalate)borate:LiBOB)を添加する技術が提案されている。かかるLiBOBが添加された非水電解液二次電池では、初期の充放電においてLiBOB由来の被膜が負極表面に形成され、非水電解液の分解が抑制されるため、充放電サイクルに伴う内部抵抗の増加を防止することができる。
一方で、上記のように、非水電解液にLiBOBを添加すると、負極の表面にリチウムが析出してしまうことがある。特許文献1には、かかるリチウムの析出を抑制する技術の一例として、高さに対する幅の割合が2以上の捲回電極体を有した非水電解液二次電池において、LiBOBとフルオロスルホン酸リチウム(FSOLi)を含有した非水電解質を用いる技術が開示されている。
特開2016−143454号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、リチウムの析出を十分に抑制できているとは言えず、依然として負極の表面にリチウムが析出することがあった。
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたものであり、その主な目的は、非水電解液にLiBOBが添加された非水電解液二次電池において、負極の表面にリチウムが析出することを確実に防止することができる技術を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明によって以下の構成の非水電解液二次電池が提供される。
ここで開示される非水電解液二次電池は、正極と負極とがセパレータを介して捲回された捲回電極体と、リチウムビス(オキサレート)ボレートを含有する非水電解液とを備えている。
かかる非水電解液二次電池の正極は箔状の正極集電体の表面に正極合材層が付与されることによって形成され、かつ、負極は箔状の負極集電体の表面に負極合材層が付与ることによって形成されている。
また、捲回電極体は、捲回軸を挟んで両側に形成された表面が平面である2つの平坦部と、該2つの平坦部間に形成された表面が曲面である2つのR部とを有する扁平形状の捲回電極体であって、捲回軸に垂直な断面における平坦部の長さをAとし、R部の表面の半径をDとした場合にA>2Dの関係を満たしている。
そして、ここで開示される非水電解液二次電池では、非水電解液にフルオロスルホン酸リチウムが添加されており、負極合材層の固形分全体を100wt%としたときのバインダ含有量が1.07wt%以上1.30wt%以下であり、かつ、箔状の負極集電体の厚みが9μm以下である。
本発明者は、種々の実験と検討を行った結果、LiBOBを添加した非水電解液二次電池では、捲回電極体のR部にリチウムの析出が発生し易いことを発見し、特許文献1のように非水電解液にフルオロスルホン酸リチウム(FSOLi)を添加しただけでは、かかるR部におけるリチウムの析出を抑制することが難しいことを見出した。
そして、R部においてリチウムが析出し易い原因について本発明者が検討した結果、R部を有する扁平形状の捲回電極体では、当該R部の形状を維持することができずに正極と負極との極間が広くなることがあり、このような場合に正極から溶出した金属が負極の表面に堆積してリチウム析出耐性が低下することを見出した。
ここで開示される非水電解液二次電池は、上記知見に基づいて種々の実験を行うことによってなされたものである。
この非水電解液二次電池では、先ず、非水電解液にFSOLiが添加されているため、従来の非水電解液二次電池と同様に、リチウムの析出を抑制できる。
さらに、ここで開示される非水電解液二次電池では、上記のA>2Dの関係を満たす扁平形状の捲回電極体において、負極合材層の固形分全体を100wt%としたときのバインダ含有量を1.07wt%以上にすると共に、負極集電体の厚みを9μm以下にしている。これによって、扁平形状の捲回電極体のR部の形状を好適に維持することができるため、正負極の極間が広くなることによるリチウム析出耐性の低下を好適に防止できる。
なお、本発明者は、上記した技術に至る実験において、負極合材層のバインダ含有量を多くし過ぎると、負極活物質の反応面積が少なくなって抵抗が増加するため、却ってリチウムが析出し易くなることを発見した。ここで開示される非水電解液二次電池では、かかる点を考慮して、バインダ含有量の上限が1.30wt%に定められている。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体を模式的に示す斜視図である。 図2に示す捲回電極体の捲回軸に垂直な断面図である。 試験例におけるサンプル1〜6およびサンプル10〜13の容量維持率とバインダ含有率との関係を示すグラフであり、縦軸は容量維持率、横軸はバインダ含有量を示している。 試験例におけるサンプル7〜11の容量維持率と負極集電体の厚みとの関係を示すグラフであり、縦軸は容量維持率、横軸は負極集電体の厚みを示している。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本発明において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
1.リチウムイオン二次電池の構造
以下、ここで開示される非水電解液二次電池の一実施形態としてリチウムイオン二次電池を説明する。なお、ここで開示される非水電解液二次電池は、リチウムイオン二次電池に限定されない。
図1は本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を模式的に示す斜視図である。なお、図1〜図3の各図における符号Xはリチウムイオン二次電池の長さ方向を示し、符号Yは厚み方向を示し、符号Zは高さ方向を示している。
(1)電池ケース
図1に示すように、このリチウムイオン二次電池100は、扁平な角形の電池ケース50を備えている。この電池ケース50は、上面が開放された扁平なケース本体52と、当該上面の開口部を塞ぐ蓋体54とから構成されている。また、電池ケース50の蓋体54には、正極端子70と負極端子72とが設けられている。
(2)捲回電極体
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、図1に示す電池ケース50の内部に、図2および図3に示す捲回電極体80が収容されている。図2は本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体を模式的に示す斜視図であり、図3は図2に示す捲回電極体の捲回軸に垂直な断面図である。
図2に示すように、本実施形態における捲回電極体80は、セパレータ40を介して正極10と負極20とを積層させ、当該積層体を捲回することによって形成されている。また、この捲回電極体80は、捲回後に所定の圧力でプレスすることによって扁平形状に成形されている。図3に示すように、この扁平形状の捲回電極体80では、捲回軸WLを挟んだ両側に表面が平面である平坦部82が2つ形成されている。そして、この2つの平坦部82間には、表面が曲面であるR部84が2つ形成されている。
また、本明細書においては、図3のような捲回軸WLに垂直な断面図における平坦部82の長さ(高さ方向Zの平坦部82の長さ)をAとし、R部84の表面の半径をDとしている。そして、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、平坦部82の長さAとR部84の表面の半径Dとの関係がA>2Dを満たすように扁平形状の捲回電極体80が成形されている。
(a)正極
次に、捲回電極体80を構成する各部材について説明する。
図2に示すように、正極10は、正極集電体12の両面に正極合材層14を付与することによって形成される。なお、正極10の一方の側縁部には、正極合材層14が付与されておらず、集電体露出部16が形成されている。そして、この集電体露出部16が捲回された正極接続部80aには、上述した正極端子70(図1参照)が接続される。
正極集電体12は、長尺な箔状の導電性部材である。かかる正極集電体12には、例えば、アルミニウムなどを用いることができる。正極集電体12の厚みは、捲回電極体80のR部84の形状を好適に維持するという観点と、十分な強度を維持するという観点に基づいて設定されると好ましい。かかる正極集電体12の厚みとしては、例えば40μm〜60μmの範囲内に設定すると好ましい。
正極合材層14には、正極活物質が含まれている。この正極活物質には、リチウムイオンを吸蔵・放出し得るリチウム複合酸化物が用いられる。かかる正極活物質に使用されるリチウム複合酸化物の一例として、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/32)のような三元系リチウム含有複合酸化物が挙げられる。
また、正極合材層14には、上述の正極活物質以外に種々の添加物が含まれていてもよい。かかる添加物としては、導電材やバインダ等が挙げられる。導電材としては、例えば、アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやグラファイト等の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
(b)負極
負極20は、負極集電体22の両面に負極合材層24を付与することによって形成される。上述した正極10と同様に、負極20の一方の側縁部には、負極合材層24が付与されておらず、集電体露出部26が形成されている。そして、この集電体露出部26が捲回された負極接続部80bに、上述した負極端子72(図1参照)が接続される。
負極集電体22は、長尺な箔状の導電性部材である。かかる負極集電体22には、例えば、銅などを用いることができる。
また、本実施形態における負極合材層24には、少なくとも、負極活物質とバインダとが含まれている。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用することができる。また、バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)やカルボキシメチルセルロース(CMC)などを使用することができる。なお、捲回電極体80のR部84の形状を好適に維持するためには、負極合材層24にはSBRとCMCの2種類のバインダが含まれていると好ましい。
また、負極合材層24には、上述した負極活物質とバインダ以外に、増粘剤等が含まれていてもよい。
(c)セパレータ
セパレータ40には、例えば、リチウムイオンを通過させる微細な孔を有した多孔質の絶縁シートが用いられる。かかるセパレータ40には、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド等の絶縁性樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を二層以上積層させた積層シートであってもよい。セパレータ40の厚みは、例えば5μm〜40μm、典型的には10μm〜30μm、好ましくは15μm〜25μmである。
(3)非水電解液
図示は省略するが、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、電池ケース50の内部に非水電解液が収容されている。この非水電解液には、有機溶媒(非水溶媒)に支持塩を含有させたものが用いられる。
非水溶媒としては、例えば、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種の有機溶媒(例えば、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類)を特に限定なく用いることができる。かかる非水電解液の非水溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。
また、支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を好適に用いることができる。なお、非水電解液に含まれる支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
そして、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、非水電解液にリチウムビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C];LiBOB)が添加されている。かかるLiBOBは、中心元素であるホウ素(B)に、少なくとも一つのシュウ酸イオン(C 2−)が配位結合することで形成される錯体化合物である。このLiBOBを非水電解液に添加することによって、充放電の初期に負極20の表面にLiBOB由来のSEI被膜を形成することができるため、充放電サイクルに伴う内部抵抗の増加を防止することができる。なお、LiBOBの添加量は、負極合材層24に対して0.025M〜0.045M(好ましくは0.025M〜0.04M)の割合で含まれるように調整されていると好ましい。
2.リチウム析出の防止
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、上記したように、非水電解液にLiBOBが添加されているが、これによって負極20の表面にリチウムが析出することがないように、以下の要件を備えている。
(1)フルオロスルホン酸リチウムの添加
先ず、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、非水電解液にフルオロスルホン酸リチウム(FSOLi)が添加されている。このFSOLiを非水電解液に添加することによって、SEI被膜の形成にむらが生じることを抑制し、LiBOB由来の被膜を略均一に形成できるため、リチウムの析出を抑制することができる。なお、FSOLiの添加量は、非水電解液の総量に対して0.1〜4.0wt%とすることが好ましく、0.3〜1.5wt%とすることがより好ましい。
(2)バインダ含有量
さらに、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、捲回電極体80のR部84の形状を好適に維持してリチウムの析出を適切に防止するために、負極合材層24におけるバインダ含有量が調整されている。具体的には、本実施形態では、固形分全体を100wt%としたときのバインダ含有量が1.07wt%以上に設定されている。このように負極合材層24に十分な量のバインダを添加することによって、捲回電極体80のR部84の形状を適切に維持し、正極10と負極20との極間が広くなることによるリチウムの析出を好適に防止することができる。
また、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、バインダ含有量の上限が1.30wt%以下に設定されている。これは、バインダ含有量を多くし過ぎると、負極活物質の反応面積が少なくなって抵抗が増加し、逆にリチウムの析出が生じ易くなるためである。
(3)負極集電体の厚み
加えて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、捲回電極体80のR部84の形状を好適に維持するために、負極集電体22の厚みを9μm以下に設定している。すなわち、負極集電体22の厚みが厚すぎると、R部84において負極20を好適に湾曲させることができずに、正極10と負極20との極間が大きくなる恐れがある。本実施形態では、上記のように、厚さ9μm以下という薄い負極集電体22を用いることによって、R部84において正極10と負極20との極間が大きくなることを防止している。なお、負極集電体22の強度を十分に確保するという観点から、負極集電体22の厚みは6μm以上であると好ましい。
以上のように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、非水電解液にFSOLiを添加した上で、負極合材層24におけるバインダ含有量と、負極集電体22の厚みとが適切に調整されている。これによって、捲回電極体80のR部84の形状を好適に維持し、負極20の表面にリチウムが析出することを確実に防止することができる。
[試験例]
以下、本発明に関する試験例を説明するが、かかる試験例の説明は本発明を限定することを意図したものではない。
1.各試験例
本試験例では、下記の13種類のリチウムイオン二次電池(サンプル1〜13)を作製した。
(1)サンプル1
サンプル1では、負極合材層におけるバインダ含有量を1.07wt%とし、負極集電体の厚みを8μmとし、かつ、非水電解液にフルオロスルホン酸リチウムを添加したリチウムイオン二次電池を作製した。
具体的には、先ず、正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/32)の粉末と、分散媒(NMP:Nメチルピロリドン)と、バインダ(PVDF:ポリフッ化ビニリデン)とを混合して正極合材を調製した。そして、シート状の正極集電体(アルミニウム箔)の一方の側縁部に露出部が形成されるように、正極合材を正極集電体の両面に塗布し、当該正極合材を乾燥させて長尺シート状の正極を作製した。
次に、天然黒鉛(グラファイト)を核とした負極活物質の粉末と、水と、バインダとを混合して負極合材ペーストを調製した。このとき、サンプル1では、バインダとして、スチレンブタジエンラバー(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)を使用し、固形分全体に対するSBRとCMCの総量(バインダ含有量)を1.07wt%に設定した。
そして、負極集電体として厚みが8μmの長尺シート状の銅箔を使用し、当該銅箔の一方の側縁部に露出部が形成されるように、負極合材ペーストを両面に塗布した後、塗布されたペーストを乾燥させることによって長尺シート状の負極を作製した。
次に、シート状のセパレータを介して上述の正極と負極を積層させた後、積層体を捲回させて扁平状の捲回電極体を作製した。このとき、平坦部の長さAが38.0mm、R部の表面の半径Dが5.7mmとなるように正極と負極とを捲回し、A>2Dの関係を満たす捲回電極体を作製した。
そして、作製した捲回電極体をケースの外部端子と接続した後、非水電解液とともにケース内に収容して密閉することによりサンプル1のリチウムイオン二次電池を構築した。
なお、サンプル1では、電解液として、ECとDMCとEMCとを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に支持塩としてのLiPF6を約1mol/リットルの濃度で含有させた非水電解液を使用しており、当該非水電解液に0.40%のLiBOBと、1.0%のフルオロスルホン酸リチウムとを添加した。
(2)サンプル2〜6
サンプル2〜6では、負極合材中のバインダ含有量をそれぞれ異ならせたことを除いて、サンプル1と同じ条件で試験用のリチウムイオン二次電池を作製した。具体的には、後述の表1に示すように、サンプル2ではバインダ含有量を1.10wt%に設定し、サンプル3では1.20wt%に設定し、サンプル4では1.30wt%に設定した。また、サンプル5では1.40に設定し、サンプル6では1.00wt%に設定した。
(3)サンプル7〜11
サンプル7〜10では、負極集電体の厚みをそれぞれ異ならせたことを除いて、サンプル2と同じ条件で試験用のリチウムイオン二次電池を作製した。具体的には、後述の表1に示すように、サンプル7では負極集電体の厚みを6μmに設定し、サンプル8では7μmに設定し、サンプル9では8μmに設定した。また、サンプル10では9μmに設定した。また、サンプル11では、負極集電体の厚みを10μmに設定したことを除いて、サンプル1と同じ条件で試験用のリチウムイオン二次電池を作製した。なお、サンプル11は、負極の極板の面積がサンプル7〜10と同じになるように作製した。
(4)サンプル12、13
サンプル12、13では、フルオロスルホン酸リチウムが添加されていない非水電解液を用いて試験用のリチウムイオン二次電池を作製した。具体的には、サンプル12では、フルオロスルホン酸リチウムが添加されていない点を除いて、サンプル11と同じ条件で試験用のリチウムイオン二次電池を作製した。また、サンプル13では、フルオロスルホン酸リチウムが添加されていない点を除いて、サンプル1と同じ条件で試験用のリチウムイオン二次電池を作製した。
2.評価試験
上記した各サンプルのリチウムイオン二次電池に対して充放電耐久試験を実施し、当該試験の結果に基づいて各サンプルのリチウム析出耐性を評価した。なお、本試験例では、リチウム析出耐性の指標として容量維持率を測定した。
具体的には、先ず、各サンプルのリチウムイオン二次電池をSOC80%まで充電した。このとき、電流値は200Aに設定し、温度環境は−10℃に設定し、充電時間は10分間に設定した。次に、上記した充電条件と同じ条件で、各サンプルのリチウムイオン二次電池をSOC0%まで放電した。そして、上記した充放電サイクルを500サイクル繰り返し実施した。そして、充放電耐久試験の前後の電池容量とIV抵抗を測定し、測定結果に基づいて容量維持率を算出した。
本試験の測定結果を表1、図4、図5に示す。図4は本試験例におけるサンプル1〜6およびサンプル10〜13の容量維持率とバインダ含有率との関係を示すグラフであり、図5はサンプル7〜11の容量維持率と負極集電体の厚みとの関係を示すグラフである。
なお、本試験では、容量維持率の算出結果が99%を下回った場合、負極表面にリチウムが析出し、捲回電極体が劣化していると評価した。
Figure 0006864851
3.評価結果
表1および図4に示すように、サンプル1〜13のうち、サンプル1〜4、サンプル7〜10では、99%を超える容量維持率が得られ、リチウムの析出が確実に抑制されていることが分かった。一方、バインダ含有量が1.30wt%を上回ったサンプル5や、1.07wtを下回ったサンプル6では、容量維持率の若干の低下が確認された。このことから、リチウムの析出を確実に抑制するためには、バインダ含有量を1.07wt以上1.30wt%以下の範囲に設定する必要があることが分かった。
また、図5に示すように、厚みが9μmを超えた負極集電体を使用したサンプル11では、R部にリチウムが析出して容量維持率が低下することが確認された。このことから、リチウムの析出を確実に抑制するためには、負極集電体の厚みを9μm以下に設定する必要があることが分かった。
さらに、サンプル12、13で容量維持率の大幅な低下が確認されたことから、リチウムの析出を確実に防止するためには、従来の技術と同様に、非水電解液にフルオロスルホン酸リチウムを添加する必要があることが確認できた。
以上の試験結果より、非水電解液にLiBOBが添加されたリチウムイオン二次電池において、リチウムの析出を確実に防止するためには、本試験例におけるサンプル1〜4およびサンプル7〜10のように、負極合材層のバインダ含有量を1.07wt以上1.30wt%以下にし、負極集電体の厚みを9μm以下にした上で、非水電解液にオロスルホン酸リチウムを添加する必要があることが分かった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 正極
12 正極集電体
14 正極合材層
20 負極
22 負極集電体
24 負極合材層
40 セパレータ
50 電池ケース
52 ケース本体
54 蓋体
70 正極端子
72 負極端子
80 捲回電極体
82 平坦部
84 R部
100 リチウムイオン二次電池
A 平坦部の長さ
D R部の表面の半径
WL 捲回軸
X 長さ方向
Y 幅方向
Z 高さ方向

Claims (1)

  1. 正極と負極とがセパレータを介して捲回された捲回電極体と、リチウムビス(オキサレート)ボレートを含有する非水電解液とを備えた非水電解液二次電池であって、
    前記正極は箔状の正極集電体の表面に正極合材層が付与されることによって形成され、かつ、前記負極は箔状の負極集電体の表面に負極合材層が付与されることによって形成されており、
    前記捲回電極体は、捲回軸を挟んで両側に形成された表面が平面である2つの平坦部と、該2つの平坦部間に形成された表面が曲面である2つのR部とを有する扁平形状の捲回電極体であって、前記捲回軸に垂直な断面における前記平坦部の長さをAとし、前記R部の表面の半径をDとした場合にA>2Dの関係を満たしており、
    ここで、前記非水電解液にフルオロスルホン酸リチウムが添加されており、
    前記負極合材層の固形分全体を100wt%としたときのバインダ含有量が1.07wt%以上1.30wt%以下であり、かつ、
    前記箔状の負極集電体の厚みが9μm以下である、非水電解液二次電池。
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