JP2021082479A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】低密度の負極合材層が形成された非水電解液二次電池において、低SOC出力特性とハイレート性能とを高いレベルで両立する技術を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解液二次電池は、正極と負極と非水電解液とを備えている。この非水電解液二次電池の負極は、箔状の負極集電体と、負極集電体の表面に形成され、粒状の負極活物質を含む負極合材層とを備えている。そして、負極合材層の密度は、1.45g/cm3以下であり、負極活物質は、レーザ回折・光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、(D50−D10)/(D90−D50)が0.41以上である。これにより、低密度の負極合材層を形成することによる低SOC出力特性の低下を抑制し、低SOC出力特性とハイレート性能とを高いレベルで両立できる。【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解液二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源などに広く用いられている。このリチウムイオン二次電池は、正極合材層を有する正極と、負極合材層を有する負極と、非水電解液とを備えている。正極合材層には、リチウム遷移金属複合酸化物などからなる正極活物質が含まれている。一方、負極合材層には、炭素系材料などからなる負極活物質が含まれている。かかる非水電解液二次電池に関する技術の一例が特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1には、負極合材層の密度が0.90g/cm3以上1.50g/cm3以下であり、負極合材層の表面の85度鏡面光沢度が3.0%以上13.4%以下であるリチウムイオン二次電池用負極が開示されている。かかる負極を使用することによって、ハイレート耐性の高い非水電解液二次電池を構築できる。
特許文献2には、リチウムイオン二次電池負極用バインダが開示されている。かかる特許文献2に記載のバインダを使用することによって、サイクル特性を改善して長寿命化を実現することができる。また、特許文献2には、このバインダの効果を向上させるという観点で、負極活物質のD10粒径とD50粒径とD90粒径を調節することが開示されている。
また、特許文献3には、負極用活物質として使用される球形化炭素材が開示されている。かかる特許文献3に記載の球形化炭素材を使用することによって、高容量且つ、優れた出力特性を備えた非水電解液二次電池を得ることができる。また、特許文献3には、サイクル特性や電池容量を改善するという観点で、負極活物質(炭素材)のD50粒径を調節することが開示されている。また、電極強度や初期充放電効率などを改善するという観点で、D10粒径やD90粒径を調節することが開示されている。
上記特許文献1のように低密度の負極合材層を形成すると、負極合材層に十分な非水電解液を保持できるため、非水電解液二次電池のハイレート耐性を向上させることができる。しかし、本発明者らは、このような低密度の負極合材層を使用すると、低SOC(States Of Charge)における出力特性が低下する傾向があることを見出した。本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低密度の負極合材層が形成された非水電解液二次電池において、低SOC出力特性とハイレート性能とを高いレベルで両立できる技術を提供することである。
上述の課題を解決するために、下記の構成の非水電解液二次電池(以下、単に「二次電池」ともいう)が提供される。
ここに開示される非水電解液二次電池は、正極と負極と非水電解液とを備えている。この二次電池の負極は、箔状の負極集電体と、負極集電体の表面に形成され、粒状の負極活物質を含む負極合材層とを備えている。そして、ここに開示される非水電解液二次電池において、負極合材層の密度は、1.45g/cm3以下であり、負極活物質は、レーザ回折・光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、D10粒径とD50粒径とD90粒径とが下記の式(1)を満たす。
(D50−D10)/(D90−D50)≧0.41 (1)
(D50−D10)/(D90−D50)≧0.41 (1)
本発明者らは、上述の課題を解決するための検討を行った。その結果、負極活物質が収縮した際に当該活物質同士の接点が少なくなることが、低密度の負極合材層を形成した際の低SOC出力特性低下の原因であることを見出した。具体的には、高SOC状態ではLiイオンの挿入によって負極活物質が膨張しているため、負極合材層の密度が低くても、負極活物質同士の接点を十分に確保できる。しかし、低SOC状態ではLiイオンの脱離によって負極活物質が収縮しているため、負極合材層の密度が低いと活物質同士の接点が少なくなって出力特性が低下する可能性がある。
これに対して、本発明者らは、小粒径側の粒子が多く存在する負極活物質を使用すれば、大粒径側の粒子の間に生じた隙間を小粒径側の粒子で埋めることができるため、低SOC時に負極活物質が収縮したとしても、活物質同士の接点を十分に確保できると考えた。そして、かかる観点で負極活物質の粒度分布を検討した結果、上記式(1)を満たす負極活物質を用いれば、ハイレート耐性向上のために低密度(1.45g/cm3以下)の負極合材層を形成しても、低SOC出力特性を高い状態に維持できることを見出した。ここに開示される非水電解液二次電池は、かかる知見に基づいてなされたものであり、低SOC出力特性とハイレート性能とを高いレベルで両立することができる。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、本実施形態に係る非水電解液二次電池100の内部構造を模式的に示す縦断面図である。この非水電解液二次電池100は、電極体40と非水電解液(図示省略)とが電池ケース50に収容されることによって構成される。
(1)電池ケース
電池ケース50は、上面が開口した扁平な直方体形状(角形)のケース本体52と、その開口を塞ぐ蓋板54と、を備えている。蓋体54には、図示しない注液口が設けられている。また、蓋板54からは、外部接続用の正極端子70と負極端子72とが突出している。電池ケース50(ケース本体52および蓋体54)の材質は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム等の軽量な金属が用いられ得る。なお、電池ケースの形状は、図1に示すような角型に限定されない。すなわち、電池ケースは、円筒形状やコイン型等であってもよいし、ラミネートフィルム製の袋体形状であってもよい。
電池ケース50は、上面が開口した扁平な直方体形状(角形)のケース本体52と、その開口を塞ぐ蓋板54と、を備えている。蓋体54には、図示しない注液口が設けられている。また、蓋板54からは、外部接続用の正極端子70と負極端子72とが突出している。電池ケース50(ケース本体52および蓋体54)の材質は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム等の軽量な金属が用いられ得る。なお、電池ケースの形状は、図1に示すような角型に限定されない。すなわち、電池ケースは、円筒形状やコイン型等であってもよいし、ラミネートフィルム製の袋体形状であってもよい。
(2)電極体
電極体40は、長尺なシート状部材である正極10と負極20とセパレータ30とを有している。電極体40は、正極10と負極20とがセパレータ30を介在させた状態で重ねられ、長手方向に捲回されて構成された、所謂、捲回電極体である。この電極体40の外観は、扁平形状であり、捲回軸に直交する断面において略角丸長方形状を有している。なお、電極体の構造は、特に制限されない。例えば、電極体は、正極とセパレータと負極とを、この順に複数枚積層させた積層型電極体であってもよい。
電極体40は、長尺なシート状部材である正極10と負極20とセパレータ30とを有している。電極体40は、正極10と負極20とがセパレータ30を介在させた状態で重ねられ、長手方向に捲回されて構成された、所謂、捲回電極体である。この電極体40の外観は、扁平形状であり、捲回軸に直交する断面において略角丸長方形状を有している。なお、電極体の構造は、特に制限されない。例えば、電極体は、正極とセパレータと負極とを、この順に複数枚積層させた積層型電極体であってもよい。
(a)正極
正極10は、箔状の正極集電体と、その表面(両面)に形成された正極合材層とを備えている。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム)からなる導電性部材が好適である。正極合材層は、正極集電体の表面に、正極集電体の長手方向に沿って形成されている。正極集電体の幅方向の一方(図1の左側)の側縁部には、正極合材層が形成されていない正極合材層非形成部分12nが設けられている。この正極合材層非形成部分12nには、正極集電板12cが接続される。これによって、正極集電板12cを介して正極10と正極端子70とが電気的に接続される。
正極10は、箔状の正極集電体と、その表面(両面)に形成された正極合材層とを備えている。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム)からなる導電性部材が好適である。正極合材層は、正極集電体の表面に、正極集電体の長手方向に沿って形成されている。正極集電体の幅方向の一方(図1の左側)の側縁部には、正極合材層が形成されていない正極合材層非形成部分12nが設けられている。この正極合材層非形成部分12nには、正極集電板12cが接続される。これによって、正極集電板12cを介して正極10と正極端子70とが電気的に接続される。
正極合材層は、粒状の正極活物質を含んでいる。正極活物質としては、非水電解液二次電池に使用し得る各種の材料を特に限定なく1種または2種以上用いることができる。一好適例として、正極活物質には、リチウムニッケルマンガン複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミナ複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる。また、正極合材層は、正極活物質以外の成分として、導電材やバインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えば、アセチレンブラック(AB)やケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等の炭素材料が挙げられる。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂や、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイドが挙げられる。
(b)負極
負極20は、箔状の負極集電体と、その表面(両面)に形成された負極合材層とを備えている。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料が好適である。負極合材層は、負極集電体の表面に、負極集電体の長手方向に沿って形成されている。負極集電体の幅方向の一方(図1の右側)の側縁部には、負極合材層が形成されていない負極合材層非形成部分22nが設けられている。この負極合材層非形成部分22nには負極集電板22cが接合されており、当該負極集電板22cを介して負極20と負極端子72とが電気的に接続される。
負極20は、箔状の負極集電体と、その表面(両面)に形成された負極合材層とを備えている。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料が好適である。負極合材層は、負極集電体の表面に、負極集電体の長手方向に沿って形成されている。負極集電体の幅方向の一方(図1の右側)の側縁部には、負極合材層が形成されていない負極合材層非形成部分22nが設けられている。この負極合材層非形成部分22nには負極集電板22cが接合されており、当該負極集電板22cを介して負極20と負極端子72とが電気的に接続される。
負極合材層は、粒状の負極活物質を含んでいる。負極合材層においても、一般的なリチウムイオン二次電池で使用され得る炭素系材料を特に制限なく1種または2種以上用いることができる。一例として、負極活物質には、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料や、黒鉛の表面を非晶質カーボンで被覆した非晶質コート黒鉛などの炭素系複合材料などを使用できる。また、負極活物質は、球形化処理が施されていると好ましい。一好適例として、鱗片黒鉛を球形化した球形化黒鉛が挙げられる。このような球形化炭素系材料は、レーザ散乱・回折法によって測定したアスペクト比(長軸方向の長さ/短軸方向の長さ)が1以上2以下(好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.1以下)である。また、負極合材層は、負極活物質以外の添加物として、バインダ、増粘剤等を含んでいてもよい。バインダとしては、スチレンブタジエンラバー(SBR)などを使用できる。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)などを使用できる
また、本実施形態に係る非水電解液二次電池100では、低密度の負極合材層が形成されている。典型的には、本実施形態における負極合材層の密度は、1.45g/cm3以下である。このような低密度の負極合材層を形成することによって、負極合材層に十分な非水電解液を保持させ、ハイレート耐性を向上させることができる。また、より好適なハイレート耐性を得るという観点から、負極合材層の密度は、1.3g/cm3以下が好ましく、1.25g/cm3以下がより好ましく、1.1g/cm3以下がさらに好ましく、1.0g/cm3以下が特に好ましい。かかる負極合材層24の密度は、例えば、負極合材層24を形成した後のプレス工程の圧力を調節することで制御できる。なお、負極合材層24の密度の下限値は、特に限定されず、0.8g/cm3以上であってもよく、0.85g/cm3以上であってもよく、0.9g/cm3以上であってもよい。
本実施形態に係る非水電解液二次電池100では、下記式(1)を満たす粒度分布を有する負極活物質を用いている。なお、式(1)中の「D10」は、レーザ回折・光散乱法に基づく負極活物質の粒度分布(体積基準)において、3μm以下の粒子を除外した状態で、粒径の小さい方から累積10%に相当する粒径(D10粒径)を示す。また、「D50」は、同じ粒度分布において粒径の小さい方から累積50%に相当する粒径(D50粒径)を示す。同様に、「D90」は、粒径の小さい方から累積90%に相当する粒径(D90粒径)を示す。
(D50−D10)/(D90−D50)≧0.41 (1)
(D50−D10)/(D90−D50)≧0.41 (1)
本実施形態に係る非水電解液二次電池100では、上記式(1)を満たす負極活物質を使用しているため、1.45g/cm3以下という低密度の負極合材層を形成しているにもかかわらず、低SOC出力特性を高い状態に維持することができる。具体的には、上記(D50−D10)/(D90−D50)は、D90粒径のD50粒径との差(D90−D50)が小さくなり、かつ、D50粒径とD10粒径との差(D50−D10)が大きくなるにつれて増加する。すなわち、上記(D50−D10)/(D90−D50)が大きな負極活物質は、図2に示すように、D50粒径が大粒径側に偏った粒度分布を示す。このような粒度分布を示す負極活物質は、累積50%に達していない小粒径側の粒子の存在比率が大きくなる。これによって、図3に示すように、大粒径の負極活物質26aの隙間に、小粒径の負極活物質26bが入り込むような状態の負極合材層24が形成される。この結果、低SOC状態で負極活物質が収縮したとしても、活物質同士の接点を十分に確保し、低SOC出力特性を高い状態に維持できる。
なお、低SOC出力特性をより向上させるという観点から、(D50−D10)/(D90−D50)の下限値は、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.7以上がさらに好ましい。一方、(D50−D10)/(D90−D50)の上限値は、低SOC出力特性とハイレート性能との両立に影響しないため、2以下であってもよく、1.5以下であってもよく、1.25以下であってもよく、1.2以下であってもよく、1.15以下であってもよく、1.1以下であってもよい。但し、(D50−D10)/(D90−D50)が大きくなりすぎる(小粒径側の粒子の存在比率が大きくなりすぎる)と、負極合材層24全体における反応面積が大きくなりすぎて、高温保持特性(容量維持率)が低下する可能性がある。かかる観点を考慮すると、(D50−D10)/(D90−D50)の上限値は、1.05以下が好ましく、1.0以下がより好ましい。
(c)セパレータ
セパレータ30は、絶縁樹脂によって構成された長尺なシート状部材である。このセパレータ30は、正極10と負極20との間に介在し、電極同士が直接接触することを防止している。また、セパレータ30には、電荷担体であるリチウムイオンを通過させる微細な孔が複数形成されている。このセパレータ30には、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド等の絶縁性樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を二層以上積層させた積層シートであってもよい。かかる積層シートの一例として、PP、PE、PPをこの順に積層させた3層シートが挙げられる。
セパレータ30は、絶縁樹脂によって構成された長尺なシート状部材である。このセパレータ30は、正極10と負極20との間に介在し、電極同士が直接接触することを防止している。また、セパレータ30には、電荷担体であるリチウムイオンを通過させる微細な孔が複数形成されている。このセパレータ30には、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド等の絶縁性樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を二層以上積層させた積層シートであってもよい。かかる積層シートの一例として、PP、PE、PPをこの順に積層させた3層シートが挙げられる。
(3)非水電解液
上記したように、電池ケース50の内部には、電極体40の他に、非水電解液が収容されている。この非水電解液には、有機溶媒(非水溶媒)に支持塩を含有させたものが用いられる。非水溶媒としては、例えば、一般的な非水電解液に用いられる各種の有機溶媒(例えば、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類)を特に限定なく用いることができる。かかる非水溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。また、支持塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4等のリチウム塩を好適に用いることができる。なお、支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
上記したように、電池ケース50の内部には、電極体40の他に、非水電解液が収容されている。この非水電解液には、有機溶媒(非水溶媒)に支持塩を含有させたものが用いられる。非水溶媒としては、例えば、一般的な非水電解液に用いられる各種の有機溶媒(例えば、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類)を特に限定なく用いることができる。かかる非水溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。また、支持塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4等のリチウム塩を好適に用いることができる。なお、支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
以上、本実施形態に係る非水電解液二次電池100について説明した。この非水電解液二次電池100は、低密度の負極合材層を形成し、当該負極合材層に非水電解液が保持されやすくすることによって、ハイレート耐性を向上させている。加えて、負極合材層の低密度化による弊害を防止するために、小粒径側の粒子の存在比率が大きい負極活物質を使用している。これによって、低SOC状態における負極活物質同士の接点を十分に確保し、低SOC出力特性を高い状態に維持している。すなわち、実施形態に係る非水電解液二次電池100によると、低SOC出力特性とハイレート性能とを高いレベルで両立することができる。
[試験例]
以下、本発明に関する具体例に示す試験例について説明する。なお、以下の試験例は、本発明を限定することを意図したものではない。
以下、本発明に関する具体例に示す試験例について説明する。なお、以下の試験例は、本発明を限定することを意図したものではない。
1.サンプルの準備
(1)サンプル1
先ず、正極活物質(LiNi0.33Co0.33Mn0.33O4)の粉末と、導電材(AB)と、バインダ(PVdF)とを90:8:2の割合で混合したものを分散媒(NMP:N−メチル−2−ピロリドン)に分散させて正極合材を調製した。そして、長尺の正極集電体(アルミニウム箔)の両面に正極合材を塗布し、乾燥処理を行うことによって正極を作製した。
(1)サンプル1
先ず、正極活物質(LiNi0.33Co0.33Mn0.33O4)の粉末と、導電材(AB)と、バインダ(PVdF)とを90:8:2の割合で混合したものを分散媒(NMP:N−メチル−2−ピロリドン)に分散させて正極合材を調製した。そして、長尺の正極集電体(アルミニウム箔)の両面に正極合材を塗布し、乾燥処理を行うことによって正極を作製した。
次に、負極活物質と、バインダ(SBR)と、増粘剤(CMC)とを98:1:1の割合で混合したものを分散媒(水)に分散させて負極合材を調製した。サンプル1では、D10粒径が7.2μmを示し、D50粒径が11.2μmを示し、D90粒径が17.1μmを示すグラファイト粉末を負極活物質として使用した。なお、上記D10粒径、D50粒径、D90粒径は、レーザ回折装置を用いて負極活物質の粒度分布を測定した後、3μm以下の粒子を除外した体積頻度に基づいて算出した。そして、上述の負極活物質を含む負極合材を負極集電体(銅箔)の両面に塗布し、乾燥処理を行うことによって負極を作製した。このとき、密度が0.9g/cm3の負極合材層が形成されるように、乾燥後のプレス工程における圧力を調節した。
次に、正極と負極との間にセパレータが介在するように各シート状部材を積層させた積層体を形成した。その後、積層体を捲回して捲回体を作製し、当該捲回体を押し潰して扁平状の捲回電極体を得た。そして、電極体と外部端子(正極端子、負極端子)とを電気的に接続した後、非水電解液とともに電池ケース内に収容した。そして、電池ケースを密閉することによって、試験用のリチウムイオン二次電池(サンプル1)を構築した。なお、非水電解液は、有機混合溶媒(EC:EMC:DMC=3:3:4)に支持塩(LiPF6)を約1mol/Lの濃度で溶解させたものを使用した。
(2)サンプル2〜14
サンプル2〜11では、粒度分布が異なるグラファイト粉末を負極活物質として使用したことを除いて、サンプル1と同じ条件で試験用リチウムイオン二次電池を作製した。なお、サンプル12〜14では、グラファイト粉末の粒度分布の他に、負極合材層の密度の狙い値をサンプル1〜11から異ならせた。各サンプルのD10粒径、D50粒径、D90粒径および負極合材層の密度を表1に示す。
サンプル2〜11では、粒度分布が異なるグラファイト粉末を負極活物質として使用したことを除いて、サンプル1と同じ条件で試験用リチウムイオン二次電池を作製した。なお、サンプル12〜14では、グラファイト粉末の粒度分布の他に、負極合材層の密度の狙い値をサンプル1〜11から異ならせた。各サンプルのD10粒径、D50粒径、D90粒径および負極合材層の密度を表1に示す。
2.評価試験
(1)低SOC出力特性
サンプル1〜12に対して−35℃、SOC27%の環境における出力特性を測定し、「低SOC出力特性」として評価した。具体的には、常温(25℃)の温度環境において定電流充電でSOCを27%に調整した。次に、−35℃の恒温槽に電池を保持した状態で定電力放電を行い、電圧が2.0Vになるまでの秒数を測定した。そして、この充電・冷却・放電のサイクルを、放電時の電力を10Wずつ上昇させながら7回繰り返した。そして、各サイクルで測定した「電圧が2.0Vになるまでの秒数」を横軸にし、縦軸を電力(W)にしたプロットを作成した。そして、そのプロットに基づいた近似曲線を用い、電圧が2.0Vになるまで2秒掛かった際の電力(W)を「低SOC出力特性」として算出した。結果を表1に示す。なお、表1中の低SOC出力特性の値は、サンプル9を100とした場合の相対値である。
(1)低SOC出力特性
サンプル1〜12に対して−35℃、SOC27%の環境における出力特性を測定し、「低SOC出力特性」として評価した。具体的には、常温(25℃)の温度環境において定電流充電でSOCを27%に調整した。次に、−35℃の恒温槽に電池を保持した状態で定電力放電を行い、電圧が2.0Vになるまでの秒数を測定した。そして、この充電・冷却・放電のサイクルを、放電時の電力を10Wずつ上昇させながら7回繰り返した。そして、各サイクルで測定した「電圧が2.0Vになるまでの秒数」を横軸にし、縦軸を電力(W)にしたプロットを作成した。そして、そのプロットに基づいた近似曲線を用い、電圧が2.0Vになるまで2秒掛かった際の電力(W)を「低SOC出力特性」として算出した。結果を表1に示す。なお、表1中の低SOC出力特性の値は、サンプル9を100とした場合の相対値である。
(2)ハイレート抵抗増加率
サンプル1〜14に対してハイレート充放電を繰り返すサイクル試験を実施し、サイクル試験後の電池抵抗の増加率を「ハイレート抵抗増加率」として評価した。ここでは、まず、25℃に設定された恒温槽内に電池を配置し、SOCを60%に調整した。次に、下記のパルス充電とパルス放電との組み合わせを1サイクルとした充放電サイクルを3000サイクル実行した。そして、初期(1サイクル目)のIV抵抗を100%としたときの3000サイクル後のIV抵抗を「ハイレート抵抗増加率」として算出した。
パルス充電:電流=10C、充電時間= 80秒
パルス放電:電流= 2C、放電時間=400秒
サンプル1〜14に対してハイレート充放電を繰り返すサイクル試験を実施し、サイクル試験後の電池抵抗の増加率を「ハイレート抵抗増加率」として評価した。ここでは、まず、25℃に設定された恒温槽内に電池を配置し、SOCを60%に調整した。次に、下記のパルス充電とパルス放電との組み合わせを1サイクルとした充放電サイクルを3000サイクル実行した。そして、初期(1サイクル目)のIV抵抗を100%としたときの3000サイクル後のIV抵抗を「ハイレート抵抗増加率」として算出した。
パルス充電:電流=10C、充電時間= 80秒
パルス放電:電流= 2C、放電時間=400秒
まず、サンプル1〜12を比較すると、サンプル1〜8において顕著に高い低SOC出力特性が確認された。このことから、(D50−D10)/(D90−D50)が0.41以上の負極活物質を用いることによって低SOC出力特性を向上できることが分かった。次に、サンプル1〜14のハイレート抵抗増加を比較すると、サンプル13、14において、ハイレートサイクル試験後の電池抵抗が顕著に増加していることが確認された。このことから、ハイレート抵抗増加の増加を適切に抑制するには、負極合材密度を1.49g/cm3未満(典型的には1.45g/cm3以下)にすべきであることが分かった。そして、以上の結果より、サンプル1〜8のように、(D50−D10)/(D90−D50)を0.41以上とし、かつ、負極合材密度を1.45g/cm3以下とすることによって、低SOC出力特性とハイレート性能とを高いレベルで両立できることが分かった。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 正極
20 負極
30 セパレータ
40 捲回電極体
50 電池ケース
100 非水電解液二次電池
20 負極
30 セパレータ
40 捲回電極体
50 電池ケース
100 非水電解液二次電池
Claims (1)
- 正極と負極と非水電解液とを備えた非水電解液二次電池であって、
前記負極は、
箔状の負極集電体と、
前記負極集電体の表面に形成され、粒状の負極活物質を含む負極合材層と
を備えており、
前記負極合材層の密度は、1.45g/cm3以下であり、
前記負極活物質は、レーザ回折・光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、D10粒径とD50粒径とD90粒径とが下記の式(1)を満たす、非水電解液二次電池。
(D50−D10)/(D90−D50)≧0.41 (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019208839A JP2021082479A (ja) | 2019-11-19 | 2019-11-19 | 非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019208839A JP2021082479A (ja) | 2019-11-19 | 2019-11-19 | 非水電解液二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021082479A true JP2021082479A (ja) | 2021-05-27 |
Family
ID=75965464
Family Applications (1)
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JP2019208839A Pending JP2021082479A (ja) | 2019-11-19 | 2019-11-19 | 非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021082479A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023058458A1 (ja) * | 2021-10-06 | 2023-04-13 | 株式会社村田製作所 | 二次電池およびその製造方法 |
-
2019
- 2019-11-19 JP JP2019208839A patent/JP2021082479A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023058458A1 (ja) * | 2021-10-06 | 2023-04-13 | 株式会社村田製作所 | 二次電池およびその製造方法 |
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