JP6900928B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は、リチウムイオン二次電池に関する。
特開2017−098049号公報(特許文献1)には、リチウム含有正極活物質を含む正極合材層が正極集電箔上に形成されてなる正極板と、負極板と、非水電解液と、を備えるリチウムイオン二次電池が開示されている。
特開2017−098049号公報
特許文献1に開示されるような従来のリチウムイオン二次電池(図3および図4参照)では、電極(正極1および負極2)の一部分(下部)が電解液の余剰部4(電極群5に含浸されていない部分)に接触する場合、ハイレートでの充放電時に、電解液の塩濃度拡散が遅い領域qにおいて、電解液の塩濃度が低下する(図5(a)参照)。これにより、抵抗増加、Li析出などが生じる。このようなハイレートでの充放電時の電池の特性劣化(ハイレート特性劣化)を抑制することが望まれる。
なお、高容量の電池では、特に、電極合材層の密度が高められており、電解液の経路となる空隙が少ないため、電解液の塩濃度差が緩和され難く、ハイレート特性劣化が生じやすい。このため、特に高容量電池では、ハイレート特性劣化が抑制することが望まれる。
本開示の課題は、ハイレートでの充放電時の特性劣化が抑制されたリチウムイオン二次電池を提供することである。
〔1〕 本開示のリチウムイオン二次電池は、筐体と、筐体内に収納された電極群および電解液と、集電端子と、を備える。
電極群は、電極集電体を有する複数の電極、および、複数のセパレータを含み、複数の電極がセパレータを挟んで交互に積層されてなる。
集電端子は、複数の電極の電極集電体に電気的に接続されている。
集電端子は、少なくとも一部の表面に電解液膨潤層を有する。
電解液膨潤層は、60質量%以上100質量%以下のポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を含み、4μm以上の厚みを有する。
電解液は、電極群および電解液膨潤層に含浸されている含浸部と、該含浸部以外の部分である余剰部とを有し、リチウムイオン二次電池の設置状態において、電解液膨潤層は電解液の余剰部に接触するように構成されている。
従来のリチウムイオン二次電池では、電解液の塩濃度拡散が遅い領域q(図5(a)参照)によって生じる電極群内での電解液の塩濃度バラツキがあった。これに対して、本開示のリチウムイオン二次電池においては、図5(b)に示されるように、電解液の余剰部と接触している電解液膨潤層6が電解液を保持しているため、電解液膨潤層に保持された電解液によって、電解液の塩濃度拡散が遅い領域qによって生じる電極群内での電解液の塩濃度バラツキが迅速に緩和される。これにより、電極群内での電解液の塩濃度バラツキが抑制され、抵抗増加およびLi析出が抑制されるため、ハイレートでの充放電時のリチウムイオン二次電池の特性劣化(ハイレート特性劣化)が抑制される。さらに、電池の更なる高出力化も期待され、その電池を積載した車両の更なる燃費向上も期待される。
ただし、電解液膨潤層の厚みが薄すぎると効果が発揮されないため、60質量%以上100質量%以下のポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を含む電解液膨潤層が4μm以上の厚みを有することで、上記の効果が十分に発揮される。
実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す断面概略図である。 実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す別の断面における断面概略図である。 従来のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す断面概略図である。 従来のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す別の断面における断面概略図である。 本開示による効果を説明するための概念図である。 電池性能評価における充電過多の充放電パターンを示す概念図である。 電池性能評価における放電過多の充放電パターンを示す概念図である。 電池性能評価を説明するためのインピーダンスの概略図である。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、本開示の範囲を限定するものではない。
<リチウムイオン二次電池>
図1は、本実施形態のリチウムイオン二次電池の一例を示す断面概略図である。電池100は角形である。ただし、本実施形態の電池は角形に限定されるべきではない。本実施形態の電池は円筒形であってもよい。
本実施形態の電池100は、筐体101と、筐体101内に収納された電極群5および電解液を備える。
筐体101は密閉されている。筐体101は、例えば金属製であり得る。筐体101は、例えばアルミニウム(Al)合金等により構成され得る。ただし、筐体が密閉され得る限り、筐体は、例えばアルミラミネートフィルム製のパウチ等により構成されていてもよい。
筐体101は、容器102および蓋103を含む。蓋103は、例えばレーザ溶接により容器102と接合されている。蓋103には、外部端子(外部正極端子および外部負極端子)104が設けられている。蓋103には、図示しないが、注液口、ガス排出弁、電流遮断機構(CID)等が設けられていてもよい。
筐体101内には、電極群5および電解液(余剰部4と含浸部)が収納されている。
電極群5は、集電端子105と電気的に接続されている。具体的には、例えば、電極群を構成する複数の正極の集電タブ(電極集電体の端部の電極合材層が形成されていない部分)に正極集電端子が溶接され、複数の負極の集電タブに負極集電端子が溶接され得る。溶接は、超音波溶接、抵抗溶接などにより実施できる。電極群が巻回型である場合の巻回数、電極群が積層型である場合の積層数などに応じて、1つの集電端子への電極集電体の溶接枚数、溶接条件(ホーン形状、電圧、時間等)などは、適宜最適化され得る。
さらに、集電端子105は、外部端子104と電気的に接続されている。
図1において電極群5は、巻回型の電極群である。電極群5は、セパレータ3、正極1、セパレータ3および負極2がこの順で積層されてなる帯状の積層体(図2参照)が、さらに巻回されることにより構成され得る。ただし、これに限定されず、電極群5は、積層型の電極群であってもよい。積層型の電極群は、例えば、矩形状のセパレータを間に挟んで、矩形状の負極と矩形状の正極とが交互に積層されることにより構成され得る。
集電端子105(正極集電端子および負極集電端子)の少なくとも一部の表面に、電解液膨潤層6が設けられている。ただし、正極集電端子および負極集電端子の両方の表面に電解液膨潤層が設けられている必要はなく、正極集電端子および負極集電端子の少なくとも一方において、その少なくとも一部の表面に電解液膨潤層6が設けられていればよい。なお、図1では、集電端子105として負極集電端子のみを描いており、負極集電端子の反対側にある正極集電端子等は簡略化のため省略されている。
電解液膨潤層6は、60質量%以上100質量%以下のポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(以下、「PVdF−HFP」と略す場合がある。)を含む。電解液膨潤層6中のPVdF−HFPの配合量は、好ましくは、75質量%以上100質量%以下である。PVdF−HFPは水に不溶であり、微多孔構造を容易に得ることができ、電解液膨潤性も有している。
電解液膨潤層6は、PVdF−HFPに加えて、更にアクリルポリマーを含んでいてもよい。電解液膨潤層6中のアクリルポリマーの配合量は、例えば、40質量%以下である。アクリルポリマーは、PVdF−HFPよりもさらに電解液膨潤性に優れる。
電解液膨潤層6は、発泡剤を含んでいてもよい。電解液膨潤層6中の発泡剤の配合量は、例えば、1質量%以上5質量%以下である。なお、電解液膨潤層6は、多孔質である。
電解液膨潤層6の厚みT(図2参照)は、4μm以上である。この場合に、ハイレート特性劣化を抑制する効果が十分に発揮される。
また、電解液膨潤層6の厚みTは300μm以下であることが好ましい。300μm以下である場合、図2の電極接合部51からの電解液浸透速度が律速となり、本開示によるハイレート劣化抑制効果が十分に得られ易くなる。また、厚みを厚くし過ぎると、集電端子105への電解液膨潤層6の付与に時間を要し、また、電解液膨潤層6の接着力低下を招く。
なお、電解液膨潤層6は、例えば、PVdF−HFPの未硬化物を含む溶液を、武蔵エンジニアリング(株)製のエアパルス方式ディスペンサー、スキクリューディスペンサー等を用いて厚みを制御しながら、正極集電端子の片面および負極集電端子の片面に塗布し、乾燥させることにより、形成され得る。電解液膨潤層6には、加熱処理、UV処理などが施されていてもよい。電極合材層、セパレータ等への樹脂の飛散、熱劣化の影響を抑制するために、電解液膨潤層が形成される集電端子の表面に、予め耐熱マスク、遮蔽板などが設けられていてもよい。
電解液は、電極群5(正極1、負極2およびセパレータ3)に含浸されている含浸部と、含浸部以外の部分である余剰部4とを有する。電池の設置状態において、電解液の余剰部4は、例えば、筐体101(容器102)の底部に貯留されている。
電池100は、設置状態において、電解液膨潤層6の下端は、筐体101(容器102)内に収納される電解液に接触するように構成されている。なお、本実施形態においては、電池100の設置状態において、集電端子105は上下方向に延在しており、その表面に設けられた電解液膨潤層6も上下方向に延在している。
《正極》
図2を参照して、正極1は、正極集電体11と、正極集電体11の表面に形成された正極合材層12と、を備える。正極1は、集電端子105との接続位置として、正極集電体11が正極合材層12から露出した部分を有していてもよい。
正極集電体11は、例えばAl箔、Al合金箔等であってもよい。正極集電体11は、例えば5μm以上50μm以下の厚さを有してもよい。
正極合材層12は、例えば正極集電体11の表面に形成されていてもよい。正極合材層12は正極集電体11の表裏両面に形成されていてもよい。正極合材層12は、例えば10μm以上200μm以下の厚さを有してもよい。正極合材層12は正極活物質を少なくとも含む。正極合材層12は、バインダ、導電材等をさらに含んでいてもよい。
正極活物質は特に限定されるべきではない。正極活物質は、例えば、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(「NCM」とも称される)、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム(「NCA」とも称される)、活性炭などであってもよい。正極活物質は、例えば、3.0V(Li/Li以上)でLiを吸蔵および放出可能であってもよく、2.0V以上でアニオンおよびカチオンを吸脱着可能であってもよい。正極活物質は粒子であり得る。正極活物質は、例えば1μm以上30μm以下のd50を有してもよい。d50はレーザ回折散乱法によって得られる粒度分布において微粒側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒径を示す。
バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)等であってもよい。
導電材は、例えば、アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックであってもよい。
《負極》
図2を参照して、負極2は、負極集電体21と、負極集電体21の表面に形成された負極合材層22と、を備える。負極2は、外部端子104との接続位置として、負極集電体21が負極合材層22から露出した部分を有していてもよい。
負極集電体21は、例えば、Cu箔であってもよい。Cu箔は、純Cu箔であってもよいし、Cu合金箔であってもよい。負極集電体21は、例えば、5〜30μmの厚さを有してもよい。
負極合材層22は、負極集電体21の表面(表裏両面または一方の表面)に形成されている。負極合材層22の目付量は、負極容量が正極容量の1.1〜1.4倍となるように調整され得る。負極合材層22は、例えば、10〜200μmの厚さを有してもよいし、50〜150μmの厚さを有してもよい。
負極合材層22は、負極活物質を含有する。負極合材層22は、さらに正極合材層12と同様のバインダ、導電材等を含んでいてもよい。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素等の炭素系負極活物質、および、珪素(Si)、錫(Sn)等を含有する合金系負極活物質が挙げられる。
《セパレータ》
図2を参照して、セパレータ3は、正極1と負極2との間に介在している。セパレータ3は、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータ3は、例えば、10〜50μmの厚さを有してもよい。セパレータ3は、例えば、ポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製等であり得る。セパレータ3は、多層構造を有してもよい。セパレータ3は、例えば、PP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜、およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより、構成されていてもよい。
《電解液(非水電解質)》
電解液は、リチウム(Li)塩および溶媒を少なくとも含む。電解液は、例えば0.5mоl/L以上2mоl/L以下のLi塩を含んでもよい。Li塩は支持電解質である。Li塩は溶媒に溶解している。Li塩は、例えば、LiPF6、LiBF4、Li[N(FSO22]、Li[N(CF3SO22]等であってもよい。
溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)などの有機溶媒、または、イオン交換水などの水系溶媒であってもよい。
<用途>
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、例えば、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)等の車両用の電源として用いることができる。ただし、本開示のリチウムイオン二次電池は、このような用途に限られず、家庭用蓄電池などのあらゆる用途に適用可能である。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は、本開示の範囲を限定するものではない。
<実施例1〜7、比較例1>
《正極の製造》
以下の材料が準備された。
正極活物質: LiNi1/3Co1/3Mn1/32(NCM)
導電材: AB
バインダ: PVdF
溶媒: N−メチルピロリドン(NMP)
正極集電体: アルミニウム箔(厚さ:15μm)
92質量部の正極活物質、5質量部の導電材、および、3質量部のバインダが、溶媒中で混合された。これにより正極合材ペーストが調製された。ここで、溶媒の添加量は、得られる正極合材ペーストの不揮発分率が65質量%となるように調整された。なお、「不揮発分率」とは、溶媒を含む全ての原材料の質量合計に対する、溶媒以外の成分(不揮発成分)の質量比率を意味する。
正極合材ペーストが、ダイコータを用いて正極集電体の両面に塗工され、乾燥されることにより、正極集電体の両面に正極合材層が形成された。なお、正極合材(正極合材ペースト中の不揮発成分)の目付量は、片面当り15mg/cmであった。さらに、正極合材層は、密度が3.5±0.5g/cmとなるまで圧縮された。このようにして、正極が製造された。
《負極の製造》
以下の材料が準備された。
負極活物質: 天然黒鉛 (d50:14.6μm)
導電材: AB
バインダ: CMC
溶媒: 水
負極集電体: 銅箔(厚さ:12μm)
95質量部の負極活物質、3質量部の導電材、および、2質量部のバインダが混合された。混合物に、さらに溶媒が加えられ、それらが混練されることにより、負極合材ペーストが調製された。なお、溶媒の添加量は、得られる負極合材ペーストの不揮発分率が60質量%となるように調整された。
調製された負極合材スラリーが、ダイコータを用いて負極集電体の両面に塗工され、乾燥されることにより、負極集電体の両面に負極合材層が形成された。なお、負極合材(負極合材ペースト中の不揮発成分)の目付量は、負極容量が正極容量の1.3倍となるように調整された。さらに、負極合材層は、密度が2.1±0.5g/cmとなるまで圧縮された。このようにして、負極が製造された。
《セパレータ》
15μmの厚さを有するセパレータ(多孔質膜)が準備された。このセパレータは、3層構造を有する。3層構造は、ポリプロピレンの多孔質層、ポリエチレンの多孔質層およびポリプロピレンの多孔質層がこの順序で積層されることにより構成されている。
《電極群の作製》
セパレータ、正極、セパレータおよび負極がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回され、扁平状に圧縮されることにより、図1に示されるような巻回型の電極群5が作製された。
《電解液の調製》
エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)が混合されることにより電解液溶媒が調製された。電解液溶媒にLiPF6が溶解されることにより、以下の組成を備える電解液が調製された。
電解液溶媒: [EC:DMC:EMC=3:3:4(体積比)]
LiPF6: 1.0mоl/L
《リチウムイオン二次電池の組み立て》
電極群を構成する複数の正極の集電タブ(電極集電体の端部の電極合材層が形成されていない部分)にアルミニウム製の正極集電端子が超音波溶接され、複数の負極の集電タブに銅製の負極集電端子が超音波溶接された。
(電解液膨潤層の形成)
ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(PVdF−HFP)の未硬化物を含む溶液を、武蔵エンジニアリング(株)製のエアパルス方式ディスペンサーを用いて厚みを制御しながら、正極集電端子の片面および負極集電端子の片面に塗布し、乾燥させることにより、図1に示されるような電解液膨潤層6が形成された。実施例1〜7および比較例1の各々において、乾燥後の電解液膨潤層の厚みTは、表1に示すとおりに調整された。
電極群が、筐体101(アルミニウム合金製の角形の筐体)内に収納された。集電端子105(正極集電端子および負極集電端子)の各々が、筐体101の蓋103に設けられた別々の外部端子104に電気的に接続された。不活性雰囲気下で所定量の電解液が筐体101内に注入され、含浸された。筐体101がレーザー溶接によって封止された。以上より、実施例1の電池(リチウムイオン二次電池)が製造された。
<比較例2>
集電端子の表面に電解液膨潤層を形成しなかった点以外は、実施例1と同様にして、比較例2の電池が製造された。
<実施例8〜14、比較例3>
電解液膨潤層の構成材料として、75質量部のPVdF−HFP、20質量部のアクリルポリマーおよび5質量部の発泡剤を用いた。それ以外の点は、実施例1〜7および比較例1の各々と同様にして、実施例8〜14および比較例3の各々の電池が製造された。
<実施例15、16>
電解液膨潤層の構成材料として、95質量部のPVdF−HFPおよび5質量部の発泡剤を用いた。それ以外の点は、実施例1および4の各々と同様にして、実施例15および16の各々の電池が製造された。
<実施例17>
負極集電端子の表面に電解液膨潤層を形成しなかった。それ以外の点は、実施例4と同様にして、実施例17の電池が製造された。
<実施例18>
負極集電端子の表面に電解液膨潤層を形成しなかった。それ以外の点は、実施例4と同様にして、実施例18の電池が製造された。
<電池性能評価>
初回数サイクルを充放電させ、容量確認と中間SOCでのインピーダンスを測定後、図6に示される充電過多の充放電パターン、または、図7に示される放電過多の充放電パターンの充放電を、200サイクル繰り返した。なお、図6および図7に示される点線両矢印が1サイクルである。なお、200サイクルの充放電に要した時間は60分であった。中間SOCでのインピーダンスを測定する。中間SOCとは、電池のSOC(充電率)が50%の状態を意味する。
図8は、抵抗増加率を説明するためのインピーダンスの概略図である。初回から200サイクルの充放電実施後の中間SOCのインピーダンスの主円弧の実軸Rに対する、充電過多または放電過多での200サイクルの充放電実施後の中間SOCのインピーダンスの主円弧の実軸R’の比率(R’/R)を、抵抗増加率として定義する。なお、実施例1についての充電過多の場合の抵抗増加率は115%であった。
200サイクルの充放電実施後、電池を放置状態にして10分毎にインピーダンスを測定し、抵抗増加率を時間tの関数としてR’(t)/Rを測定し、抵抗増加率が102%以下に低下する緩和時間tを測定した。なお、tが2時間未満であればハイレート劣化の緩和が非常に早いと考えられ、tが180時間以下であればハイレート劣化の緩和が早いと考えられ、tが180時間超であればハイレート劣化の緩和が遅いと考えられる。
Figure 0006900928
<結果>
実施例1〜7および比較例1、2の結果から、電解液膨潤層の厚みが4μm以上の場合は、緩和時間tは180時間未満となることが分かる。さらに、電解液膨潤層の厚みが50μm以上の場合は、緩和時間tは2時間未満となる。しかし、電解液膨潤層の厚みが2μm以下の場合は、緩和時間t1は180時間より長くなってしまう。
このように、本開示の電池では、集電端子の表面に厚みが4μm以上の電解液膨潤層を有することにより、緩和時間tを十分に短縮することができる。したがって、本開示の電池では、ハイレートでの充放電時の特性劣化が抑制されることが期待される。
実施例8〜14および比較例3の結果から、電解液膨潤層が20質量%のアクリルポリマーと5質量%の発泡剤を含む場合においても、実施例1〜7および比較例1、2と同様の傾向が見られることが分かる。すなわち、電解液膨潤層の厚みが4μm以上の場合は、緩和時間tは180時間未満となった。さらに、電解液膨潤層の厚みが50μm以上の場合は、緩和時間tは2時間未満となった。しかし、電解液膨潤層の厚みが2μm以下の場合は、緩和時間tは180時間より長くなった。したがって、この場合でも、ハイレートでの充放電時の特性劣化が抑制されることが期待される。
実施例15および16の結果から、電解液膨潤層中のPVdF−HFPの含有量を95質量%とし、5質量%の発泡剤を含む場合でも、実施例1〜7と同様に緩和時間t1が短縮されることが分かる。したがって、この場合でも、ハイレートでの充放電時の特性劣化が抑制されることが期待される。
実施例17および18の結果から、正極集電端子および負極集電端子のいずれかの1つだけに電解液膨潤層を設けた場合でも、比較例1および2に比べて、緩和時間tは短縮されることが分かる。したがって、この場合でも、ハイレートでの充放電時の特性劣化が抑制されることが期待される。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 正極、11 正極集電体、12 正極合材層、2 負極、21 負極集電体、22 負極合材層、3 セパレータ、4 電解液(余剰部)、5 電極群、51 電極接合部、6 電解液膨潤層、100 電池(リチウムイオン二次電池)、101 筐体、102 容器、103 蓋、104 外部端子、105 集電端子。

Claims (1)

  1. 筐体と、該筐体内に収納された電極群および電解液と、集電端子と、を備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記電極群は、電極集電体を有する複数の電極、および、複数のセパレータを含み、前記複数の電極がセパレータを挟んで交互に積層されてなり、
    前記集電端子は、前記複数の電極の前記電極集電体に電気的に接続されており、
    前記集電端子は、少なくとも一部の表面に電解液膨潤層を有し、
    前記電解液膨潤層は、60質量%以上100質量%以下のポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を含み、4μm以上の厚みを有し、
    前記電解液は、前記電極群および前記電解液膨潤層に含浸されている含浸部と、該含浸部以外の部分である余剰部とを有し、前記リチウムイオン二次電池の設置状態において、前記電解液膨潤層は前記電解液の前記余剰部に接触するように構成されている、リチウムイオン二次電池。
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