JP4723291B2 - テレビドアホンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、カメラ付き子機と親機とを備え、カメラにより撮像した映像を記録する機能を有したテレビドアホンシステムに関する。
近年、セキュリティ意識の向上に伴い、テレビドアホンシステムの普及が進んでいる。玄関近傍に設置される子機に、CCD等の撮像素子を使用したカメラが設けられる。子機は、屋内に来訪者を知らせると共に、カメラにより撮像した映像を屋内のモニタ付き親機に送信し、親機はこの映像をモニタに表示する。ドアを開ける前に、来訪者が誰であるか確認することができる。
そして、テレビドアホンシステムの多機能化、高機能化も進んでいる。例えば特許文献1に記載されているように、留守中に来訪者があった場合、内蔵または外付けのメモリユニットに来訪者の映像を自動的に録画する。これによって、帰宅後に来訪者の確認が可能となる。また、携帯電話等にその映像を自動送信することにより、外出先で来訪者の確認が可能となる。さらに、特許文献1では、来訪者があると、カメラをチルト動作させながら映像を間欠的に複数回録画している。これによって、来訪者の全身の様子を容易に識別できる。
映像の記録に関しては、従来、静止画であったが、読み書き可能な不揮発性メモリの大容量化、低価格に伴い、動画または準動画の記録も可能になりつつある。その中には、汎用のメモリカードスロットを搭載し、メモリ容量を増加させることによって、記録件数や記録時間を増加させることが可能となる。
映像を記録する際、静止画の場合はJPEG等の映像圧縮手段を用いて、データ量の削減が行われる。例えば、圧縮前の映像の画素数がQVGA(320画素×200画素)で8ビットYUV形式(4:2:2)の場合、1画面の容量は125Kバイトになる。これをJPEGで1/4程度に圧縮すると、1画面分のデータを30Kバイト〜40Kバイトに削減することが可能になる。録画可能な静止画の枚数を増やしたり、少ない容量のメモリに多くの静止画を録画したりすることが可能になる。
メモリカードの容量も年々増加しており、1Gバイトを超える容量のカードも実用化されてきている。例えば、1画面分の静止画データの容量が50Kバイトとすると、約2万枚の静止画が記録可能となる。これは、30秒に1フレームの静止画を記録し続けた場合、約1週間分に相当する。
子機に搭載されるカメラは、一般に子機を設置したときに固定されてしまう。一部の高機能ドアホンシステムでは、遠隔から操作可能なカメラを備えている。使用者が親機を操作することにより、カメラを左右方向(パン)や上下方向(チルト)に動かして撮像方向を変えたり、拡大(ズーム)を行える。子機のカメラの撮像可能な範囲を広げることができる。
また、人体や動く物に反応するセンサを搭載したカメラを使用すると、カメラの前に人間がいることを検知すると、その人物を撮像、記録する。これにより、来訪者があると、自動的にカメラが作動して、撮像を行える。
特開2001−157198号公報
しかし、上記のテレビドアホンシステムでは、基本的に来訪者があった場合、あるいは人間を検知した場合のみ作動する。それ以外の場合は待機状態になり、撮像動作を停止している。
そのため、家の周辺に不審者がうろついていた場合や事件、事故が発生した場合であっても、偶然来訪者があったり、センサで検知されたりした場合を除いて、その映像が記録されることはない。また、たとえ記録できたとしても、よいアングルでの映像が記録されているとは限らない。このように、セキュリティを向上させるためには、別途監視カメラを設置する必要があり、コストがかかる。
そこで、本発明は、上記に鑑み、子機に設けたカメラを有効に活用して、来訪者がない場合に監視カメラとして機能するテレビドアホンシステムの提供を目的とする。
本発明は、カメラ付き子機と、該子機を通じて来訪者と応対するための親機と、前記カメラによって撮像した映像を記録する記録装置とを備え、前記子機は、来訪者と応対するために作動する以外に、監視カメラとして作動し、周囲を撮像した監視カメラ映像が前記記録装置に記録される。
来訪者があるとき、ドアホンモードとして動作し、カメラが来訪者を撮像して、親機のモニタに来訪者の映像を映す。来訪者がないときには、監視カメラモードとして動作し、カメラは周囲を撮像し、監視カメラ映像が記録装置に記録される。このように、来訪者の有無に関係なくカメラを常に動作させることにより、監視カメラとして機能させることができる。
そこで、カメラが来訪者を撮像するときのドアホン撮像条件と、監視カメラとして周囲を撮像するときの監視カメラ撮像条件とを設定し、子機の作動状態に応じて撮像条件が切り替えられる。子機が来訪者に応対するときには、ドアホン撮像条件が選択され、カメラは来訪者を撮像する。来訪者がないときには、監視カメラ撮像条件が選択され、カメラは周囲を撮像する。この周囲とは、子機が見える範囲であり、監視カメラ撮像条件での撮像範囲はドアホン撮像条件での撮像範囲よりも広い撮像範囲とされる。撮像条件としては、カメラの撮像方向および撮像倍率が設定される。
そして、子機は、通常、ドアホン撮像条件で動作し、一定時間ごとに監視カメラ撮像条件によって周囲を撮像する。この場合、ドアホンモードが優先されており、来訪者が来たとき、遅延することなく、すぐに応対可能となる。
ドアホンモードから監視カメラモードへ切り替えるとき、子機は、一定時間経過する前に、ドアホン撮像条件から監視カメラ撮像条件に切り替え、一定時間経過するときに撮像する。ドアホンモード時には、子機は来訪者を待つ待機状態にあって、常に撮像等の動作を行っていない。そのため、待機している時間を使って撮像条件を切り替えれば、時間を有効に活用可能となる。
子機は、通常、監視カメラ撮像条件で動作し、一定時間ごとに周囲を撮像し、来訪者を検知したとき、監視カメラ撮像条件からドアホン撮像条件に切り替えて、来訪者を撮像する。この場合、監視カメラモードが優先されており、監視カメラとしての使用を主目的とする場合には適している。
そして、記録装置は、来訪者の映像と監視カメラ映像とを異なる場所にそれぞれ記録する。異なる場所としては、同じ記録媒体の中の異なる領域であったり、異なる記録媒体である。このように、ドアホンモードで撮像した映像と監視カメラモードで撮像した映像とを分けて管理することにより、それぞれの映像に適したデータ管理を容易に行える。また、一方の映像データが容量一杯になって記録できなくなっても、他方の映像データは関係なく記録することができ、監視カメラ映像を保存するのに都合がよい。
本発明によると、子機のカメラは、本来の機能である来訪者を撮像するだけでなく、来訪者がいないときにも監視カメラとして使用される。このように、カメラを活用することにより、監視システムとしての機能が付加され、多機能なテレビドアホンシステムを実現できる。
本実施形態のテレビドアホンシステムは、カメラ付き子機とモニタ付き親機とを備え、来訪者がある場合はドアホンシステムとして動作し、来訪者がない場合は簡易監視カメラシステムとして動作する。
本テレビドアホンシステムを図1に示す。子機1は、主に屋外の玄関近傍に設置され、親機11は、屋内に設置される。子機1と親機11とは、ケーブルによって接続され、双方向に通信可能とされる。そして、ケーブルを通じて親機11から子機1に電力が供給される。
子機1は、撮像素子部2、ズームレンズ部3、パンチルト部4、映像信号処理部5、子機制御部6、呼び出しスイッチ部7、スピーカ部8、マイク部9、多重化回路部10を備えている。撮像素子部2、ズームレンズ部3およびパンチルト部4によって、カメラが構成される。
撮像素子部2は、CCD、CMOS等からなり、被写体を撮像し、電気信号に変換する。ズームレンズ部3は、撮像素子部2で撮像するときの撮像倍率を子機制御部7からの制御信号に応じて変える。パンチルト部4は、子機制御部7からの制御信号に応じて撮像素子部2の撮像方向を上下左右に変化させる。映像信号処理部5は、撮像素子部2で電気信号に変換された信号をアナログの映像信号に変換する。呼び出しスイッチ部7は、来訪者が呼出ボタンを操作したとき、子機制御部6に呼出信号を出力する。子機制御部6は、親機11からの制御信号によってズームレンズ部3、パンチルト部4を制御すると共に、呼び出しスイッチ部7からの入力信号を処理して、親機11に出力する等のように子機1全体を制御する。
スピーカ部8は、親機11からの音声信号を再生する。マイク部9は、来訪者の音声を音声信号に変換する。多重化回路部10は、映像信号処理部5からの映像信号、マイク部9からの音声信号および子機制御部6からの制御信号を親機11に多重化し送信すると共に、親機11から多重化された音声信号や制御信号を受信し、スピーカ部8や子機制御部6に伝送する。
親機11は、多重化回路部12、ビデオデコード部13、親機制御部14、映像圧縮伸張部15、モニタ制御部16、モニタ部17、メモリカード制御部18、メモリカード19、操作スイッチ部20、マイク部21、スピーカ部22を備えている。
多重化回路部12は、マイク部21からの音声信号や親機制御部14からの制御信号を多重化し、子機1に送信すると共に、子機1からの多重化された映像信号、音声信号、制御信号を受信し、ビデオデコード部13、スピーカ部22、親機制御部14へ伝送する。親機制御部14は、映像圧縮伸張部15、メモリカード制御部18やモニタ制御部16とのデータのやり取りや、操作スイッチ部20からの入力を処理して動作制御を行う等、親機11全体および子機1を制御する。
ビデオデコード部13は、多重化回路で分離されたアナログの映像信号をディジタルの映像信号に変換する。映像圧縮伸張部15は、ビデオデコード部13でディジタル信号に変換された映像信号の圧縮や、親機制御部14から伝送される圧縮映像データの伸張を行う。モニタ制御部16は、親機制御部14からの表示情報や、ビデオデコード部13でディジタルの映像信号に変換された信号をモニタ部17で表示させるための信号に変換したり、モニタ表示用のタイミング信号を作成したりする。モニタ部17は、液晶等の小型ディスプレイからなり、子機1からの映像やメモリカード19に記録された映像、各種設定画面等の表示を行う。メモリカード制御部18は、親機制御部14からの制御によってメモリカード19に記録されたデータの読み書き制御を行う。メモリカード19は、読み書き可能な不揮発性メモリで構成され、親機11から取り外し可能とされる。映像圧縮伸張部15で圧縮された子機1からの映像信号を記録する。
操作スイッチ部20は、来訪者からの呼び出しに応答する際や、システム全体の各種操作や設定を行ったりするときに、使用者によって操作される。マイク部21は、屋内の使用者の音声を音声信号に変換する。スピーカ部22は、子機1からの音声信号を再生する。
テレビドアホンシステムでは、来訪者と応対するときのドアホンモードと、監視カメラとして動作する監視カメラモードとの2つの動作を行う。ドアホンモードでは、来訪者の映像をモニタ部17に表示しながら、通話を行う。監視カメラモードでは、定期的に周囲を撮像して、その映像をメモリカード19に記録する。親機制御部14は、来訪者の有無や入力された設定項目に基づいて、それぞれのモードを切り替えて実行する。子機制御部6は、親機制御部14からの指令により、各モードに応じてカメラを駆動制御する。
図2に使用者が使用前に最低限設定しなければならないカメラの撮像条件を示す。この設定は、設置時に親機11の操作スイッチ部20を操作して行う。撮像条件として設定された項目は、親機11に内蔵されたメモリに登録、保存される。
図2の『ドアホン撮像方向』、『ドアホン撮像倍率』は、来訪者があるとき、子機1の呼び出しスイッチ部7が操作され、ドアホンモードとして動作するときの子機1の撮像素子部2の撮像方向および撮像倍率の設定項目である。『監視カメラ撮像方向』、『監視カメラ撮像倍率』は、来訪者がなく、監視カメラモードとして動作するときの子機1の撮像素子部2の撮像方向および撮像倍率の設定項目である。
図3に示すように、子機1のカメラは、パンチルト部4により鉛直方向にチルト動作および水平方向にパン動作可能とされる。このように、カメラの撮像方向を鉛直方向、水平方向ともに±45°の範囲で任意に変えることができる。また、ズームレンズ部3により撮像素子部2の撮像倍率を変えることができる。ここでは、1倍〜3倍まで変化可能である。
ドアホンモードでは、近くにいる来訪者を撮像できるように、カメラの撮像条件が設定され、監視カメラモードでは、周囲を撮像できるように、カメラの撮像条件が設定される。例えば図4に示すように、テレビドアホンシステムを導入している住宅27において、住宅27を取り囲む塀28があり、1箇所の出入り口がある。子機1は、住宅27の玄関付近に設置される。ドアホンモード時の撮像範囲はAとされる。監視カメラモード時の撮像範囲はBとされる。
ドアホンモード時には、来訪者の顔を撮像するのが主な目的になるため、撮像範囲は子機1の正面近傍となる。監視カメラモード時には、不審者を撮像するのが主な目的になるため、撮像範囲は敷地の出入り口方向全般になる。図2に示すように、ドアホンモードでは、狭角、低倍率、監視カメラモードでは、広角、高倍率に、撮像方向および撮像倍率がそれぞれ設定される。
図2の『監視カメラ録画間隔』は、監視カメラモード時に、子機1からの映像を静止画として記録する時間間隔の設定項目である。『ドアホン映像録画領域』、『監視カメラ映像録画領域』は、メモリカード19において、ドアホンモード時あるいは監視カメラモード時に子機1からの映像を録画する領域の割り当て割合の設定項目である。ドアホン映像録画領域の割り当てを増加させると、ドアホンモード動作時の来訪者の映像を多く残すことができる。逆に監視カメラ映像録画領域を増加させると、監視カメラモード時の映像を長期間残すことが可能になる。
例えば、メモリカード19に1Gバイトのメモリカードを使用し、1フレーム当りの映像のデータサイズを50Kバイトとする。ドアホンモードでの録画可能な静止画枚数は約2000枚となる。監視カメラモードで録画可能な静止画枚数は、18000枚となり、30秒間隔で撮像する場合、約6日分の映像に相当する。
『ドアホン、監視カメラ優先順位』は、子機1の撮像素子部2の撮像方向および撮像倍率の基本設定をドアホンモード時の設定にするか、あるいは監視カメラモード時の設定にするかを指定するための設定項目である。
以上のように、それぞれのモードに応じて、ドアホン撮像条件と監視カメラ撮像条件とが設定される。そして、来訪者の有無により、撮像条件が切り替えられる。すなわち、撮像方向、撮像倍率を変更して撮像範囲を切り替えることにより、ドアホンモード時にはテレビドアホンとして適した撮像範囲で撮像され、監視カメラモード時には、監視カメラとして適した撮像範囲で的確な撮像を行うことが可能となる。
図5に示すように、ドアホンモードを優先とした場合、通常はドアホンモードで動作しており、来訪者があると、遅延時間なしで子機1によって来訪者を撮像でき、すぐに親機11のモニタ部17に映像を表示するとともに、メモリカード19に来訪者を映したドアホン映像を記録することができる。そして、使用者が設定した一定時間ごとにドアホンモードから監視カメラモードに切り替えられ、撮像条件が変更されて、周囲を撮像する。このときの監視カメラ映像がメモリカード19に記録される。監視カメラとして撮像後、ドアホンモードに切り替えられる。モードを切り替えるとき、撮像方向および撮像倍率を変更するための調整期間が発生する。
監視カメラモードを優先とした場合、通常は監視カメラモードで動作し、来訪者があるときを除き、一定時間ごとに周囲を撮像して、監視カメラ映像を記録する。このとき、撮像条件の切り替えがないので、撮像方向および撮像倍率の調整期間は発生しない。来訪者があると、モードが切り替えられる。このときには、調整期間が発生する。そのため、子機1のカメラが来訪者を撮像するまでに遅延時間が発生し、メモリカード19にドアホン映像を記録するのが遅れてしまうが、できるだけ速く動作するパンチルト部4およびズームレンズ部3を採用すればよい。この調整期間を短くすることができ、動作上問題がなくなる。
次に、来訪者がある場合の動作を説明する。まず、来訪者が来て、子機1の呼び出しスイッチ部7を操作すると、その信号は子機制御部6に伝わる。子機制御部6は、多重化回路部10を介して親機11へ呼び出し制御信号を送信する。呼び出し制御信号は、親機11の多重化回路12で受信され、親機制御部14へ伝えられる。
ここで、カメラの撮像方向および撮像倍率等の撮像条件がドアホンモード対応になっていない場合、すなわち監視カメラモードになっている場合、親機制御部14は、多重化回路部12を介して、子機1へドアホン撮像条件の制御データを送信する。なお、親機制御部14は、現在実行中のモードを認識している。
子機1では、多重化回路部10で受信した制御データが子機制御部6に入力される。子機制御部6は、パンチルト部4、ズームレンズ部3へ制御信号を出力し、ドアホンモード撮像条件にしたがって撮像方向および撮像倍率を設定する。ドアホンモードへの設定完了後、子機制御部6は、多重化回路部10を介して、親機制御部14へ設定完了したことを伝える。
この設定完了を確認した親機制御部14は、スピーカ部22からチャイム音を鳴らし、屋内の人へ来訪者があることを報知する。また同時に、子機1から送信されてくる映像信号は、多重化回路部12を介してビデオデコード部13へ入力される。
ビデオデコード部13によりデコード、ディジタル化された映像信号は、モニタ制御部16および映像圧縮伸張部15へ入力される。モニタ制御部16に入力された映像信号は、モニタ部17において表示可能な信号に変換され、表示に必要な制御信号と共にモニタ部17へ送られる。モニタ部17は、カメラが撮像した映像を表示する。チャイム音によって来訪者に気づいた屋内の使用者は、来訪者を確認することができる。
また、映像圧縮伸張部15へ入力された映像信号のうち、1フレームが静止画圧縮される。ここでは、JPEG方式で静止画圧縮するものとする。圧縮された映像データは、親機制御部14により読み出され、メモリカード制御部18を介してメモリカード19のドアホン映像録画領域に時間情報と共に記録される。ところで、一度の来訪者に対して1フレームの映像しかメモリカード19に記録していないが、数秒毎に複数枚記録してもよい。
屋内の使用者が、モニタ部17での確認の結果、応答しても問題のない来訪者であると判断すると、操作スイッチ部20を操作し応答する。操作スイッチ部20からの入力によって、親機制御部14は、多重化回路部12を制御し、子機1と親機11間の通話を許可し、屋外の来訪者と屋内の使用者の通話を可能にする。
来訪者と屋内の使用者との通話が終了したとき、あるいは来訪者の呼び出しに対して、使用者が留守等の理由で応答しなかったとき、すなわち来訪者との応対が終了したとき、ドアホンモード優先に設定されている場合、そのままのモードが維持される。
監視カメラモード優先に設定されている場合、通話終了後、規定時間経過してから、あるいは来訪者の呼び出しがあってから規定時間経過後、ドアホンモードから監視カメラモードへ移行する。具体的には、親機制御部14は、子機1へ多重化回路部12を介して、監視カメラモ撮像条件の制御データを送信する。また同時に、親機制御部14は、モニタ制御部16を制御して、モニタ部16の表示をオフすると共に、多重化回路部12を制御して、マイク部21およびスピーカ部22の音声回路を停止させる。
子機1では、受信した制御データが子機制御部6に入力される。子機制御部6は、パンチルト部4およびズームレンズ部3へ制御信号を出力し、監視カメラモード時の撮像方向および撮像倍率に設定する。設定完了後、子機制御部6は、多重化回路部10を介して、親機制御部14へ設定完了したことを伝える。以後、監視カメラモードで動作する。
なお、ドアホンモードから監視カメラモードへの移行中に、来訪者が来て、子機1の呼び出しスイッチ部7を操作したとき、親機制御部14は、監視カメラモード設定への移行を中止し、ドアホンモード移行のための制御信号を子機1へ送信する。
次に、来訪者がないときの動作において、監視カメラモード優先に設定されている場合、子機1の撮像素子部2の撮像方向および撮像倍率等の撮像条件は、監視カメラ撮像条件とされる。
子機1のカメラは常時撮像しており、子機1から親機11に映像信号が常時送信される。親機11では、映像信号が多重化回路部12を介してビデオデコード部13へ入力される。ビデオデコード部13によりデコード、ディジタル化された映像信号は、映像圧縮伸張部15へ入力される。
親機制御部14は、使用者が予め設定した『監視カメラ録画間隔』の一定時間毎に、映像信号圧縮伸張部15を制御し、入力された映像信号の1フレームを静止画圧縮する。圧縮された映像データは、親機制御部14により読み出され、メモリカード制御部18を介してメモリカード19の監視カメラ映像記録領域に時間情報と共に記録される。
一方、ドアホンモード優先に設定されている場合、子機1のカメラは、通常ドアホンモード撮像条件に設定されている。ドアホンモードで動作中、予め設定された一定時間の直前に、親機制御部14は、子機1へ多重化回路部12を介して、監視カメラ撮像条件の制御データを送信する。
子機1では、受信した制御データが子機制御部6に入力される。子機制御部6は、パンチルト部4およびズームレンズ部3へ制御信号を出力し、監視カメラ撮像条件に設定する。設定完了後、子機制御部6は、親機制御部14へ設定完了したことを伝える。
設定完了を確認した親機制御部14は、映像圧縮伸張部15を制御して、子機1からの映像信号の1フレームを静止画圧縮する。圧縮された映像データは、親機制御部14により読み出され、メモリカード制御部18を介してメモリカード19の監視カメラ映像記録領域に時間情報と共に記録される。
その後、親機制御部14は、子機1にドアホン撮像条件の制御データを送信する。子機1では、受信した制御データに基づいてパンチルト部4およびズームレンズ部3が作動して、ドアホン撮像条件に設定する。設定完了後、子機制御部6は、親機制御部14に設定完了したことを伝える。
ここで、ドアホンモードから監視カメラモードへの切り替えの開始タイミングは、一定時間の直前である。詳しくは、一定時間よりも調整時間だけ前である。この調整時間は、パンチルト部4およびズームレンズ部3のうち、調整動作にかかる最大時間に相当する。したがって、モードの切り替えが完了すると、前回の撮像、記録から一定時間経過となり、すぐに監視カメラ撮像条件で撮像することができる。
以上のドアホンモードから監視カメラモード、さらに監視カメラモードからドアホンモードへの切り替えが一定時間間隔で繰り返される。ドアホンモード動作中に来訪者があると、来訪者との応対が終了してから、監視カメラモードに切り替わり、これから一定時間毎に監視カメラモードへの切り替えが繰り返される。
なお、ドアホンモードから監視カメラモードへの移行中に、来訪者が来て、呼び出しスイッチ部7を操作したとき、親機制御部14は、監視カメラモードへの移行を中止し、ドアホンモード移行のための制御信号を子機1へ送信する。また、監視カメラモードからドアホンモードへの移行中に、来訪者が来て、呼び出しスイッチ部7を操作したとき、親機制御部14は、そのままドアホンモードへ移行完了するのを待つ。
また、監視カメラモード時の『監視カメラ撮像方向』および『監視カメラ撮像倍率』の設定データはそれぞれ1つであるが、これを複数設定してもよい。設定された一定時間間隔で、設定データに基づき撮像方向および撮像倍率を変えるように、パンチルト部4およびズームレンズ部3を制御する。このとき、子機1からの映像をメモリカード19に記録する直前に、親機制御部14は、子機1に上記の設定データを順次送信する。撮像方向および撮像倍率が変更され、異なる撮像条件で撮像された映像がメモリカード19に記録される。これによって、広い撮像範囲の映像を記録することができ、監視カメラとしての機能アップとなる。
ところで、カメラによって撮像された映像は、メモリカード19に記録されるが、来訪者を映したドアホン映像と監視カメラ映像とは異なる場所にそれぞれ記録されている。図6に示すように、メモリカード19の記録領域は、2つの領域に分けられている。それぞれの領域は互いに独立しており、監視カメラ映像を記録する監視カメラ映像録画領域32と、ドアホン映像を記録するドアホン映像録画領域33とされる。各記録領域の大きさは、『ドアホン映像録画領域』および『監視カメラ映像録画領域』の設定によって決まる。例えば、ドアホン映像録画領域33と監視カメラ映像記録領域32とは1:9で領域分割されている。
そして、ドアホン映像録画領域33が記録されたドアホン映像データで一杯になると、記録されているドアホン映像データの中で最も古いドアホン映像データが削除され、新しいドアホン映像データが記録される。古いドアホン映像データが削除されるまでの期間は、使用者が予め設定した領域の割合と来訪者の数によって決まってくる。したがって、来訪者が少ない場合、長期間に渡って来訪者の映像が保存されることになる。
監視カメラ映像についても同様、最も古い監視カメラ映像データが削除され、新しい監視カメラ映像データが記録される。古い監視カメラ映像データが削除されるまでの期間は、使用者が予め設定した領域の割合と録画間隔で決まり、式1で表される。
(録画期間)=(監視カメラ映像録画領域)÷(1フレームの圧縮映像データ)×
(監視カメラ録画間隔) ・・・・(1)
図2に示した設定例の場合、約6日前までの監視カメラ映像が保存されることになる。
メモリカード19の各記録領域の階層構造例を図7に示す。ルートディレクトリの下には、『DOOR』階層と『CAM』階層が存在する。『DOOR』階層には、ドアホン映像が記録され、『CAM』階層には、監視カメラ映像が記録される。
『DOOR』階層の下には、来訪者があった年月日を示す年月日階層が作られる。例えば、2004年11月23日に来訪者があった場合、年月日階層名は『20041123』となる。年月日階層は、来訪者があった日のみ作成され、来訪者がなかった日の階層は作成されない。年月日階層の下に、来訪者の映像データが記録される。記録される映像データ名は、来訪者があった時間に基づいて決められる。例えば、午前10時10分30秒に来訪者があった場合、『101030.jpg』となる。なお、映像データ名中の『.jpg』は、JPEG圧縮された映像データであることを示している。
同様に、『CAM』階層の下には、監視カメラ映像を記録した年月日を示す年月日階層が作られる。例えば、2004年11月23日の監視カメラ映像は、年月日階層名『20041123』の下に記録される。年月日階層の下に、監視カメラ映像データが記録される。監視カメラ映像データ名は、監視カメラ映像データを記録した時間に基づいて決められる。例えば、午前0時0分30秒に記録した監視カメラ映像は、『000030.jpg』となる。
メモリカード19に記録された映像データを再生するとき、まず使用者が、親機11の操作スイッチ部20を操作し、映像データの再生を指示する。親機制御部14は、メモリカード制御部18を介してメモリカード19から圧縮された映像データを読み出す。読み出された圧縮映像データは、映像圧縮伸張部15に送られ、伸張される。伸張された映像データは、モニタ制御部16によりモニタ部17で表示可能な信号に変換され、モニタ部17に時間情報と共に表示される。
なお、上記のような階層構造に代えて、メモリカード19のファイルシステムをパーソナルコンピュータ等で使用されるものと同一にしてもよい。パーソナルコンピュータにおいて、メモリカードの映像を確認することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。上記の実施形態では、1つのメモリカードを使用しているが、2つのメモリカードにそれぞれの映像を分けて記録してもよい。メモリカード以外に、ハードディスク、DVDやCD等の光ディスクを記録媒体とする記録装置を用いてもよい。記録装置は親機に内蔵されたものに限らず、外付けされてもよく、親機にデータ通信可能に接続される。また、記録装置を子機に設けてもよい。
さらに、複数の記録媒体を用いてもよく、監視カメラ映像とドアホン映像を別々の記録媒体に記録する。記録する映像は、静止画であるが、動画であってもよい。動画の場合、監視カメラモードにおいては、常時映像が記録される。
テレビドアホンシステムの全体的な制御は、親機側で行っているが、各モードの切り替えや撮像動作の制御を子機制御部が行ってもよい。そして、来訪者を検知するセンサをカメラに設ける。子機制御部は、来訪者を検知したとき、自動的に監視カメラモードからドアホンモードに切り替えるとともに、切り替えたことを親機側に送信する。
本発明のテレビドアホンシステムの全体構成図 カメラの撮像条件の設定項目を示す図 カメラの鉛直方向および水平方向の撮像範囲を示す図 住宅に設置したカメラの撮像範囲を示す図 ドアホンモードおよび監視カメラモードにおける撮像動作のタイムチャート メモリカードの記録領域を説明するための図 メモリカードの記録領域の階層構造を示す図
符号の説明
1 子機
2 撮像素子部
3 ズームレンズ部
4 パンチルト部
6 子機制御部
11 親機
14 親機制御部
17 モニタ部
19 メモリカード

Claims (6)

  1. カメラ付き子機と、該子機を通じて来訪者と応対するための親機と、前記カメラによって撮像した映像を記録する記録装置とを備え、来訪者があるとき、前記カメラが来訪者を撮像して、親機のモニタに来訪者の映像を映すテレビドアホンシステムであって、前記カメラは、撮像方向および撮像倍率を変更可能とされ、前記子機は、来訪者と応対するために作動する以外に、監視カメラとして作動し、カメラが来訪者を撮像するときのドアホン撮像条件と、ドアホン撮像条件とは異なる撮像条件であって、監視カメラとして周囲を撮像するときの監視カメラ撮像条件とが設定され、前記子機は、通常、ドアホン撮像条件で動作し、一定時間ごとに監視カメラ撮像条件によって周囲を撮像し、周囲を撮像した監視カメラ映像が前記記録装置に記録されることを特徴とするテレビドアホンシステム。
  2. カメラは、撮像素子と、撮像素子の撮像方向を上下左右に変化させるパンチルト部とを有し、子機の制御部は、制御信号によってパンチルト部を制御し、前記制御部は、ドアホン撮像条件あるいは監視カメラ撮像条件にしたがってパンチルト部に制御信号を出力することを特徴とする請求項1記載のテレビドアホンシステム。
  3. カメラは、撮像素子の撮像倍率を変えるズームレンズ部を有し、子機の制御部は、制御信号によってズームレンズ部を制御し、前記制御部は、ドアホン撮像条件あるいは監視カメラ撮像条件にしたがってズームレンズ部に制御信号を出力することを特徴とする請求項1または2記載のテレビドアホンシステム。
  4. 子機は、一定時間経過する前に、ドアホン撮像条件から監視カメラ撮像条件に切り替え、一定時間経過するときに撮像することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテレビドアホンシステム。
  5. カメラが監視カメラとして作動しているとき、カメラの撮像方向および撮像倍率が変えられ、異なる撮像条件で撮像された監視カメラ映像が記録装置に記録されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のテレビドアホンシステム。
  6. 記録装置は、来訪者の映像と監視カメラ映像とを異なる場所にそれぞれ記録することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のテレビドアホンシステム。
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