JP4721623B2 - 精米装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精米装置に係り、詳しくは異なる銘柄ロットの玄米を混入させることなく、随意自在に、自動で素早く完全にロットを切換えて連続的に精米を行うことができる精米装置に関する
【0002】
【従来の技術】
今日、食料の安全性及び品質表示の正当性に対する要求は、益々高まっている。特に品質表示に関しては一銘柄に対して、たとえ少量でも異なる銘柄のロットが混入することは許されない状況である。
さらに、米穀業界においても商品アイテム数の増加と低価格化が進む中、生産現場では低コストの多品種小量生産の必要性が急速に浮上している。
【0003】
従来の精米機内には、玄米、半搗米、精白米の混合米が残留し、銘柄の異なるロットに切換後、前ロットの米が混入するというのが常識とされてきた。このため、異種ロットの米が一粒も混入しないようにするには、ロット切換毎に精米機を含む全ラインの内部を清掃して残留米を完全に除去する以外になく、大変な労力と時間を要することが避けられない。特に大規模工場における大型精米機ほど残留米によるロス米が大量に発生し、それによる損失は膨大なものである。
【0004】
僅かに、一回分(1ロット)の精米終了後、精米機の精白ロールに風吹出口を設けて搗精室(「精白室」とも言う)内に空気を吹出し、精白ロールの回転を一定間隔で断続することにより、残留米を残すことなく排出できるレンタル式の無人精米装置の例がある(例えば、特許文献1参照)。
通常、精米機には、圧送ファンから風路が精米機の精白ロール内に連結され、複数の風吹出口が設けられて搗精室内に空気を吹出ことにより、精米と同時に糠を分離し搗精室内に設けられたバグフィルタ等を介して吸引ファンにより糠を吸引し取出すように構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−165082号公報(第3頁、図1、5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の米穀業界、とくに大規模精米プラントにおいては、そもそも「銘柄の異なるロットの混入を無くす」という発想はなく、そのための構成又はシステムについて提案又は開示された例は見当たらない。
【0007】
一方、量販店の要求や精米日付などの問題から、米穀業界では多品種小量生産、受注後短時間生産への対応を余儀なくされており、精米工場では前記労力と時間を要するロット切換作業等のために交代制を導入するなどして対応しているものの、他ロット米の混入問題は未解決のままになっているのが現状である。
【0008】
特許文献1に記載されたものも、表題は「連続精米装置」ということであるが、1銘柄の1回分毎の玄米を精米するバッチ式のレンタル式無人精米装置であって、異なるロットを途中で任意に切換え、自動で連続的に異種ロットの所望分割量の精米を行うことはできない。例えば、上記レンタル式無人精米装置は、前記圧送ファンにより送風すると同時に精米機を数秒間ずつ運転停止を交互に繰り返して、搗精室(精白室)内に残る残留米を精白米排出口に排出する方法だけでは、精白米排出口が外部に開放状態となっているため、排気に混入する精白米及び糠粉が勢いよく噴出する排気により外部に飛散してしまい、旨く精白米を容器内に回収できないという欠点がある。その上、大型精米機で素早く残留米を完全に排出するには、精白室内すなわち精白機構内の隅々まで通風による排出機能が行渡り難く不十分である。
すなわち、特許文献1のレンタル式無人精米装置は、上記のような欠点があり、自動的にかつ任意の分割量の異種ロット切換が可能な多品種小量生産の精米あるいは大規模精米工場には適用できない。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、主として大型精米工場の精米プラントに於ける玄米の精白終了時点において、精白室内の残留米を完全に排出し回収できるようにして異なる銘柄ロットの玄米を混入することなく、随意に、自動で素早く完全にロットを切換えて連続的に精米を行い、大容量精米から多品種少量までの精米を自在に行うことができる精米装置を提供することにある。
【0010】
本発明は、精白室(7)内に回転自在に設けた精白ロール(10)及び精白ロール(10)に一体的に連設した送米スクリュー(6)により精米を行う精米機構(5)に通風自在の送風装置(11)を連通し、さらに前記精米機構(5)に設けた玄米供給路(3)と、前記玄米供給路(3)に開設した清掃風路(18)とに、通風自在の清掃用送風装置(17)を連通した精米装置において、
前記精米機構(5)には、精白米を排出する精米排出口(8)と、
前記精米排出口(8)の出口に装着され、前記精米排出口(8)を閉め切らぬよう僅かな隙間が設けられている圧迫板(9)と、
前記精米排出口(8)の外側を覆い、かつ後記する精米排出路および搬送機によって前記精米排出口(8)の外側を略密閉状に形成したカバー(25)とが設けられ、
前記精米排出口(8)からは、前記精米排出口(8)と前記圧迫板(9)の間の前記隙間により精白米を前記送風装置(11)および前記清掃用送風装置(17)による排気と合わせて排出させるとともに、
前記精米機構(5)の後工程に第2排気手段(13b)を連通した略密閉状の搬送機(13)を設け、
更に、前記精米排出口(8)を精米排出路(8a)によって前記搬送機(13)に略密閉状に接続し、前記精米排出口(8)の外側と前記カバー(25)を介して略密閉状に連通した第2排気手段(13b)の排気、
または、前記精米排出口(8)の外側と前記カバー(25)を介して略密閉状に連結した排気ダクト(21)の排気によって、前記精米排出口(8)の外側を負圧にしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態による精米装置の構成を模式的に示す正面図、図2(a)は図1の要部の側面図であり、(b)は精米分離部Aの部分断面図である。
【0013】
本発明の一実施の形態による精米装置は、図1、および図2(a)に示すように、精白室7内に回転自在に設けた精白ロール10及び精白ロール10に一体的に連設した送米スクリュー6により精米を行う精米機構5内に送風する送風装置11と、精米機構5に連接した玄米供給路3に連通した通風自在な清掃用送風装置17とによって、精米機構5内の米を排気と共に排出する精米排出口8と、精米排出口8と略密閉状に連通した搬送機13等によって、精米排出口8の外側を負圧にする分離区画とから大略構成されている。
【0014】
また、本発明の精米装置は、玄米供給路3の上流に連設された、玄米を貯留する玄米タンク1と、精米排出口8に連設された、排出された精白米を次工程の装置に搬送する搬送機13と、搬送機13の出口に設けられた、次工程の装置に前記精白米を搬送する次工程搬送路14cに連通する第1排出口と、排出された米粒を玄米供給路3に返戻する排出米返戻路16に連通する第2排出口と、玄米供給路3内の玄米供給の有無を感知する米粒認識センサ15と、タイマー(図示しない)の発信により精白米の排出流路を自動的に切替える流路切替機構14と、米粒認識センサ15の発信とタイマー(図示しない)により清掃用送風装置17による送風と、排気切換え装置20によって、第1吸気口21aと第2吸気口22aの切換えを所定時間行うよう時間設定を行うタイマー(図示しない)と、をさらに具備している。
この形態では搬送機13からの返戻米は、排出米返戻路16にて玄米供給路3に返戻されているが、返戻米を第1返戻路14a、または第2返戻路14bによって玄米タンク1に返戻されてもよい。
【0015】
また、玄米タンク1は、異なる銘柄ロットの玄米を貯留する第1玄米タンク1aと、第2玄米タンク1bの2つ(又はそれ以上でもよい)に仕切られている。そして、第1、2玄米タンク1a、1bの下部にそれぞれ設けられた第1、2玄米排出口2a、2bを交互に自動的に切換えて開閉する開閉シャッタ2を備えている。
玄米タンク1a、1bへの原料玄米供給は、図示しない供給装置にて行われる。
【0016】
玄米供給路3の下流側の精米機構5の玄米入口5a手前には、玄米の流量を自動的に調節する流量調整弁4が設けられている。
また、精米機構5の精米排出口8の出口には、精白米の排出に抗するように作用する付勢部材(図示しない)により付勢された圧迫板9が設けられている。この圧迫板9には精米排出口8を閉め切らぬよう僅かな隙間が設けられている。
開閉シャッタ2、流量調整弁4、精米機構5及び流路切替機構14は、いずれも公知のものであるので、説明を簡潔化するためこれらに関する詳細な説明は省略する。
【0017】
第1排気手段12は、精米機構5の下部に連設され糠を排出する糠排出ホッパー22と、精米排出口8に連設した排気ダクト21とに分岐して開設されているが、通常運転時は排気切換え装置20の切替えにて糠排出ホッパー22より、排気ダクト21にて吸気し、精米終了時に精米排出口8の外側を負圧にする時は排気切換装置20を切換えて排気ダクト21よりの吸気と、搬送機13の適所に設けられた第2排気手段13bからの吸気を行うようになっている。この排気機構としては、第1、2排気手段12、13bを同時に具備することが効率的に最も望ましい形態であるが、いずれか一方に限定することも可能である。
【0018】
第1排気手段12は、排気切替機構20に連設された排気ダクト12aと、排気ダクト12aに連設された図示しない排気ファン等から構成されている。排気切替機構20は、精米排出口8に連設された排気ダクト21の出口側の第1吸気口21aと、糠排出ホッパー22の出口側の第2吸気口22aとに連設されており、第1、2吸気口21a、22aの一方を開口するとともに他方を閉口する切替えを自動的に行うようになっている。
また、第2排気手段13bにも図示しない排気ファンが連設されている。
【0019】
また、精米排出口8の外側には、精米機構5からの排気を助勢する負圧の分離区画が構成されている。同分離区画は外気と遮断された略密閉状に形成され、前記排出された精白米及び排気の両者を分離する。
【0020】
前記分離区画は、略密閉状に形成されたカバー25,およびそれに連設された精米分離部Aおよび同分離部Aに連設された略密閉状の搬送機13から構成されている。分離区画は、カバー25に連設された精米分離部Aに排気ダクト21よりの吸気と、同じくカバー25内に精米排出路8aを介して連設された搬送機13の第2排気手段13bよりの吸気によって、精米排出口8の外側のカバー25内を負圧にするようにしている。また、精米分離部Aは、図2(a)、(b)に示すように、精米排出口8に連設され外部に対して略密閉されたカバー25内に設けられ、一方は搬送機構13の入口側に設けられた排出米受け口13aに精米排出路8aを介して連設され、他方は第1排気手段12に連絡する排気ダクト21にそれぞれ連通する流路8cを分岐して仕切る仕切り板8bを備えたものである。
尚、上記の分離区画としては、搬送機13の第2排気手段13bの排気と、精米分離部Aの排気ダクト21の排気を同時に具備することが精白米と排気(糠粉が混入)との分離効率的には最も望ましい形態であるが、精米排出口8からの排気をいずれか一方より吸気することも可能である。また、次工程搬送路14cに連通した後工程とも略密閉状に連設し、その後工程より吸気することも可能である。
【0021】
次に、以上のように構成された精米装置を用いた場合の本発明の精米方法について説明する。
図3は、本発明の一実施の形態による精米方法を示すフローチャートである。
【0022】
第1、2銘柄ロットの玄米が第1、2玄米タンク1a、1bにそれぞれ供給された(第1、2玄米供給工程S1又はS1’’)後、第1又は第2銘柄ロット玄米のいずれか一方を選択する(ロット選択工程S2又はS2’’)。ここでは、玄米タンク1aに入れられた第1銘柄ロットを選択したとする(S2)。
次に、精米機構5、送風装置11及び第1排気手段12および搬送機13の運転を開始する。さらにこれと同時に、排気切換装置20は、糠排出ホッパー22の第2吸気口22aを開口し第1排気手段12と連通するとともに排気ダクト21の第1吸気口21aを閉にするように切換えられ、これにより糠排出ホッパー22内の糠を排気と共に機外に配送する準備が整う(精米機運転工程S3)。
【0023】
次に開閉シャッタ2により、選択された第1銘柄ロット玄米側の第1玄米排出口2aを開いて精米機構5に第1銘柄ロット玄米を投入する(玄米精米機投入工程S4)。この際、玄米は玄米供給路3内を流下し、流量調整弁4の開度に応じて精米機構5内に流入する。
【0024】
精米機構5に内に流入した玄米は、送米スクリュー6により精米機構5内の精米排出口8側に送られるが、初めは精白室7内が空であるから米粒同士が強く擦れ合うこともないため、排出される米は玄米のまま(未精米)である。しかし、玄米の排出に抗する圧迫板9の作用によりやがて精白室7内は玄米が高圧で充満し、さらに精白ロール10の攪拌作用により米粒同士の摩擦による玄米の精白(精米)が行われる。すなわち、精米排出口8から排出される米は、精米機構運転開始当初は未精米の玄米から次第に精白米に至る過程の精白度の異なる米粒が混在した状態となっている。このため、精米機構運転開始と同時に搬送機13の流路切換装置14を排出米返戻路16に切換え、未精米を玄米供給路3経由で精米機構5に返戻する(未精米返戻工程S21)。すなわち、精米排出口8からの排出米は、次工程に搬送する搬送機13に排出米受口13aから流入するが、搬送機13の出口側に設けられた流路切替装置14が排出米返戻路16に切換えられているため、搬送機13に送られてきた排出米は玄米供給路3に返戻される状態を維持し、再び精米機構5内を通過させられる。
【0025】
以上により、精米排出口8から排出される米は、当初は玄米のまま(未精白米)であるが、徐々に精白度が高まり、精米機構運転を開始してから所定時間(例えば通常30秒以内)で全量が完全な精白米のみとなって排出されるようになる。
【0026】
一方、開閉シャッタ2が第1玄米排出口2aを開いたことを感知するリレー(図示しない)の発信によりタイマー(図示しない)が作動して所定時間T1秒経過(S22)後、搬送機13の流路切換装置14が作動して次工程に送る次工程搬送路14aに切換えられる(次工程搬送工程S23)。
この切換え時期となる所定時間T1秒は、開閉シャッタ2が第1玄米排出口2aを開いた時点から、精米機構5からの排出米が当初玄米であったものが全て精白米に精米され、その精白米が精米排出口8から搬送機13を経て流路切替装置14に差し掛かった時点までの時間に設定されることが望ましい。
【0027】
このようにして完全な精白米となった米のみが次工程に送られ(S23)、玄米の供給が続く限りその状態が維持される。
この精米過程で、剥離された糠は、送風装置11の作用により精白室7の周囲の多孔筒(図示しない)から糠排出ホッパー22に排出され、さらにバッグフィルタ(図示しない)を介して第1排気ファン(図示しない)により吸引される排気ダクト12aを経て排気と共に機外に排出される。
【0028】
やがて第1玄米タンク1a内の玄米が無くなると、玄米供給路3に設けられた米粒認識センサ15の発信(玄米タンク空状態検出工程S24)によりタイマー(図示しない)が作動して所定時間T2秒経過(S25)後、搬送機13の流路切替装置14が作動して再び排出米返戻路16に切換え、搬送機13より排出される精白米を玄米供給路3経由で精米機構5に返戻する(精米返戻工程S26)。
この切換え時期となる所定時間T2秒は、第1玄米タンク1aからの玄米が精米機構5内の玄米入口5aに流入し終わった直後に、それに続いて返戻された精白米が玄米入口5aに流入するよう時間設定されることが望ましい。
【0029】
精米返戻工程S26において流路切替装置14が排出米返戻路16に切換った後、さらにタイマーを作動して、所定時間T3秒経過(S27)後、再度流路切換装置14が作動して精白米を次工程に送る次工程搬送路14aに切換えられる(次工程搬送工程S28)。
この切換え時期となる所定時間T3秒は、精米返戻工程S26における返戻精白米により、先に精米機構5内に最終的に送り込まれた玄米が精米排出口8からトコロテン式に追い出される(排出される)までの時間に設定されるのが望ましい。これを言い換えれば、精米返戻工程S26で返戻される精白米の量は、丁度精米機構5内のほぼ充満量とすることになる。
【0030】
そのようにして玄米の最終は、後から流入してきた精白米によって精白室7内で高圧が保たれて排出するので、全て精白米化され、最後に精白室7に送込まれた精白米は後から流入してくる米がないため高圧がかからないから精米が進行することもなく、また、殆ど残留する時間もなく排出させられる。
それは次工程搬送工程S28において流路切替装置14が次工程搬送路14aに切換ると、図示しないリレーおよびタイマーが作動して、所定時間T4秒経過(S29)後、玄米排出口2aを閉じるとともに清掃用送風装置17の運転を開始し、清掃風路18から玄米供給路3を経由し精米機構5内に送風する。同時に排気切換装置20を作動させ第2吸気口22aを閉じるとともに第1吸気口21aを開いて精米機構5内を通過した清掃用送風によって精白室7内に最後に送込まれた精白米とともに、精米排出口8より、排出されさらに送風は排出ダクト12を経て排気する。あるいは、第2排出手段13bより排気する(残留米排出工程S30)。その後、所定時間T5秒経過するまでこの送風状態を維持する(S31)。
尚、上記所定時間T4秒は、S26によって返戻された精白米が玄米入口5aに流入終了するまでの時間に設定される。
また、所定時間T5秒は、精米機構5内の残留米が完全に排出される(残留米排出完了確認工程S32)までの時間に設定される。
【0031】
精米機構5内の残留米が排出するところを詳述すると、精米排出口8の圧迫板9は、通常精白米の排出中は精米排出口8を外側から閉鎖する方向に付勢されているが、精米排出口8より排出する米は、その圧力に逆らって押出されるため、圧迫板9は開いている。しかし米の供給が無くなると、精米機構5内の米の圧力が低下し、圧迫板9は徐々に締められて行くが、精米排出口8と圧迫板9との間には適宜の隙間を設けて精米排出口8を完全には閉鎖しないように構成されている。このため、清掃用送風装置17により精米機構5内に吹き込まれた送風および送風装置11からの送風は、残留精白米とともにカバー25,精米排出路8a、搬送機13等からなる略密閉状の分離区画に排気されるが、同分離区画には排気ダクト21およびそれに連設された第1排気手段12による吸気、さらに搬送機13に連設された第2排出手段13bによる吸気によって、分離区画の一部を占める精米排出口8の外側は負圧となっているため、前記両送風は容易に、精米機構5内を通過し精米機構5内部の残留精白米を全て精米排出口8と圧迫板9との間の隙間から排気と共に排出する。勿論分離区画は負圧となっているため、排気中の粉塵が飛散することもない。
【0032】
精米排出口8から排出された残留精白米と排気の分離は本実施例では2カ所より行われる。即ち、排出された両者が、精米排出口8の外側に設けられた図2(b)に示す精米分離部A内に流入し、ここで、精白米は精米排出路8aを経て搬送機13の排出米受け口13aに搬送され、排気の一部は仕切り板8bにより分岐された流路8cおよび排気ダクト21を経由した第1排気手段12により外部に排出される。一方、排出米受口13aに送られた精白米と残りの排気は搬送機13の第2排気手段13bにて分離され、精白米は次工程搬出路14cに送られ、排気は第2排気手段13bより外部に排気される。その結果、T5秒経過(S31)後、精米機構5内の米粒は完全になくなってしまう(S32)。
【0033】
T5秒経過後、次のS3に戻り、開閉シャッタ2により第2玄米排出口2bを開き(S4’’)、後は第1銘柄ロットの場合と同じくS21以下の工程に移行することができ、殆ど時間の無駄なく、次の第2銘柄ロットの精米に入ることが出来る。そして第2銘柄ロットの精米を行っている間に、空になっている第1玄米タンク1aに、第3銘柄ロットの原料玄米を投入しておき、第2銘柄路ロットの精米が終了すると、第3銘柄ロットの精米作業に入るのである。この様に先のロットの米が完全に排出され、残留米が全くなくなってから、間髪を入れず次のロットの玄米を混入することなく連続的に精米出来る。
【0034】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した本発明によれば、下記のような従来にない優れた効果を有する。
▲1▼ 最初から最後まで、未完了精白米の混じらぬ商品価値の高い精白米が得られる。
▲2▼ 精米機構内に米粒が一粒も残らないため、前ロットの米と混じることなく、常に高精度品質の精白米が得られる。
▲3▼ 前ロットの米が出終った後、直ちに次のロットの精米を始めることが出来るため、ロット切替えのタイムロスがほとんど無く、極めて効率的である。
▲4▼ ▲1▼〜▲3▼が可能なことから、大型の精米機でありながら少量の玄米を精米することが出来るので、多品種少量生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による精米装置の構成を模式的に示す正面図である。
【図2】図1の要部の側面図(部分断面図)である。
【図3】本発明の一実施の形態による精米方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 玄米タンク
1a 第1玄米タンク
1b 第2玄米タンク
1c 仕切り
2 開閉シャッタ
2a 第1玄米排出口
2b 第2玄米排出口
3 玄米供給路
4 流量調整弁
5 精米機構
5a 玄米入口
6 送米スクリュウー
7 精白室
8 精米排出口
8a 精米排出路
8b 仕切板
8C 流路
9 圧迫板
10 精白ロール
11 送風装置
11a 墳風路
12 第1排気手段
12a 排気ダクト
13 搬送機
13a 排出米受口
13b 第2排気手段
14 流路切換装置
14a 第1返戻路
14b 第2返戻路
14c 次工程搬送路
15 米粒認識センサ
16 排出米返戻口
17 清掃用送風手段
18 清掃風路
19 伝動機構
20 排気切換装置
21 排気ダクト
21a 第1吸気口
22a 第2吸気口
22 糠排出ホッパー
25 カバー
M 駆動手段
A 精米分離部

Claims (1)

  1. 精白室(7)内に回転自在に設けた精白ロール(10)及び精白ロール(10)に一体的に連設した送米スクリュー(6)により精米を行う精米機構(5)に通風自在の送風装置(11)を連通し、さらに前記精米機構(5)に設けた玄米供給路(3)と、前記玄米供給路(3)に開設した清掃風路(18)とに、通風自在の清掃用送風装置(17)を連通した精米装置において、
    前記精米機構(5)には、精白米を排出する精米排出口(8)と、
    前記精米排出口(8)の出口に装着され、前記精米排出口(8)を閉め切らぬよう僅かな隙間が設けられている圧迫板(9)と、
    前記精米排出口(8)の外側を覆い、かつ後記する精米排出路および搬送機によって前記精米排出口(8)の外側を略密閉状に形成したカバー(25)とが設けられ、
    前記精米排出口(8)からは、前記精米排出口(8)と前記圧迫板(9)の間の前記隙間により精白米を前記送風装置(11)および前記清掃用送風装置(17)による排気と合わせて排出させるとともに、
    前記精米機構(5)の後工程に第2排気手段(13b)を連通した略密閉状の搬送機(13)を設け、
    更に、前記精米排出口(8)を精米排出路(8a)によって前記搬送機(13)に略密閉状に接続し、前記精米排出口(8)の外側と前記カバー(25)を介して略密閉状に連通した第2排気手段(13b)の排気、
    または、前記精米排出口(8)の外側と前記カバー(25)を介して略密閉状に連結した排気ダクト(21)の排気によって、前記精米排出口(8)の外側を負圧にしたことを特徴とする精米装置。
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