JP4719866B2 - 移動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪の他にクローラーを備えた移動装置に係り、特に、車輪がぬかるみ等の悪路などにはまってその機能を果たせない場合に切替操作無しでクローラーが地面をとらえて走行し得る移動装置及びそれを備えた電動車椅子、ロボット、その他の産業、学術、家庭用の器具、装置、機械、玩具などに関するものである。なお、本発明に係る移動装置は、雪道,砂利道,砂浜,ぬかるみ,不整地などの悪路や砂浜,草原,果樹園内など、車輪で走行し難い又は不可能な凹凸面等であっても自由に走行可能であるが、これらの凹凸面等を本出願では「バリア路面」と総称する。
一般的な電動車椅子は走行するための手段として車輪を備えている。この電動車椅子は、老人や障がい者等が平地を移動するための手段としては適している。しかし、この種の電動車椅子では、老人や障がい者等が例えばレジャーとして砂浜、草原、果樹園内などを走行したくとも砂浜などでは車輪が地面を捕らえることができないため、砂浜等での移動手段としては不向きである。雪道,砂利道,ぬかるみ,不整地などの悪路も同様である。本出願では、上記砂浜、草原、果樹園内の路面など、車輪で走行し難い処を含めて、以下「悪路等」と表現する。
そこで、従来より、砂浜などで走行を可能にするために、車輪に代えて、クローラー(Crawler)、トラックベルト(Trackbelt)、履帯などと呼称される、所謂「無限軌道」を備えた電動車椅子が市販されている。なお、本願では、これらをまとめてクローラーと言う。クローラーを備えた電動車椅子を特許文献1,2に示す。
しかし、クローラーを備えた電動車椅子は、砂浜などでは強力な走破性を発揮するが、屋内や一般道の走行には適さない。そのため、利用者は、走行する環境に応じて、電動車椅子を乗り換える必要があった。
老人や障がい者には電動車椅子の乗り換えは不便である。そこで、屋内及び一般道を走行するための機能と砂浜などの悪路を走行するための機能とを備えた電動車椅子が、従来考案されている。この種の電動車椅子が特許文献3,4に開示されている。特許文献3,4に示す電動車椅子は、車輪と共にクローラーを備え、使用環境に応じて走行手段を選択、即ち車輪かクローラーかを選択することを特徴としている。このため、車輪かクローラーの何れか一方を路面から退避させるための切替機構を備えている。
特開平9−56751号公報 特開平8−38554号公報 特開2001−231817号公報(図9,10、段落〔0035〕) 特開2001−231818号公報(図1,4、段落〔0019〕〜〔0020〕)
しかし、特許文献3,4の電動車椅子では、走行場所に応じて走行手段を選択する必要があり、切替機構を操作することは老人や障がい者にとって必ずしも容易ではない。また、切替機構を備えるため、電動車椅子の構成も複雑となり、これにより部品点数増加、製造コストが嵩む他、車椅子自体が重くなってしまう。
本発明は、以上の点に鑑みて創作されたものであり、路面が悪路等に変わった場合でも切替操作無しに悪路等を走行可能にした、移動装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は、車軸と直交する回転軸周りに回動可能な複数個の回転体が外周に沿って並んで配置された全方向車輪で成る左右の前輪と、左右の後輪と、上記前輪及び上記後輪を回転可能に支持するボディと、モーターと、左右のクローラーと、を備えた移動装置であって、上記ボディは、本体部と、本体部の左右に配置されて前後に延びる一対のサポート部と、各サポート部を本体部に対してそれぞれ上下に揺動可能に支持するアームとを備え、左右の前輪、左右の後輪及び左右のクローラーは、それぞれ左右のサポート部に配設され、且つ、クローラーは前輪及び後輪に隣接して配設され、各クローラーは、前輪の内側に前輪と同軸に配設されて該前輪と共に回転する誘導輪と、後輪の内側に該後輪と同軸に配設されて後輪と共に回転する起動輪と、誘導輪と起動輪との間に回転可能に配置された少なくとも一つの転輪と、誘導輪と起動輪と転輪とを囲むように懸架されたクローラーベルトと、を備え、モーターは、左右の後輪を別々に駆動するように各後輪に設けられて四輪駆動に構成され、上記クローラーの地面をとらえるベルト面が上記前輪及び上記後輪の下端より上方の定位置に配設されていて、走行中に上記前輪及び/又は後輪が部分的にバリア路面中に沈んだ場合、上記クローラーが該バリア路面に接触し該クローラーによって該バリア路面を走行し得ることを特徴としている。
なお、本発明において、クローラーが配設される「定位置」とは、クローラーのボディに対する相対的な位置が固定的であることを意味する。即ち、「定位置」とは、ボディに対するクローラーの配設箇所が変わらないことを意味する。
本発明の移動装置において、好ましくは、アームと本体部との間に弾機手段が配設され、弾機手段によりアームの上下動を吸収可能に構成されている。このアームは、本体部の前部と後部とに、それぞれ上下に間隔をあけて並べて一対配設されているのが好適である。
本発明の移動装置において、好ましくは、モーターは、左右のサポート部にそれぞれ装着されてサポート部に支持された後輪及び起動輪を駆動する。このモーターは、ホイールインモータからなり、該ホイールインモータのステーターがサポート部に固定され、ローターに起動輪及び後輪が固定されているのが好適である。
本発明の移動装置において、好ましくは、クローラーベルトはゴムベルトからなる。
上記目的を達成するために、本発明の電動車椅子は、上記移動装置と、ボディに配設したシートとを備えたことを特徴としている。また、上記目的を達成するロボットは、脚が上記移動装置で成ることを特徴としている。
本発明によれば、固い平地などを走行するときにはクローラーが車輪の下端より上方へ離れた位置に引き離され、悪路等のバリア路面に入った場合には車輪の一部が沈んでクローラーが自然にバリア路面と接触するため、ユーザーは車椅子の使用環境に応じて走行手段を選択せずに、いずれの場所でも走行が可能である。このように切替操作が不要であるから、移動装置を備えた機械・器具などの使用性が向上する。
また、特許文献3,4の車椅子では、車椅子の使用環境に応じてユーザーが走行手段を選択し、クローラーを選択した場合にはクローラーを格納位置から使用位置に移動させる一方、車輪を退避させる作業が必要である。また、従来では走行手段を切り替える機構が複雑で製造コストも嵩み、その操作も煩雑であったが、本発明ではクローラーがボディに対して一定の位置で回転可能に配設されているので、装置構成が簡素となり、重量及び製造コストを低減させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、図中のFrは車椅子前方を、Upは車椅子上方を、Outは車椅子の横幅方向外側を示す。
図1は本発明の実施形態に係る電動車椅子(以下、車椅子と言う)1を示す斜視図であり、図2は正面図、図3は背面図、図4は平面図、図5は側面図である。
車椅子1は、ボディ10と、このボディ10に支持された左右の前輪20L、20R,左右の後輪30L、30R及び左右のクローラー40L、40Rと,前輪20L、20R,後輪30L、30R及びクローラー40L、40Rを駆動する駆動手段(後述)と、シート50とを備えている。
ボディ10は、本体部110と、この本体部110に揺動可能に取り付けられ駆動系を支持するサポート部120L、120Rと、走行中の路面の状況に応じて本体部110が受ける振動などを減衰させるダンパー機構130と、を備えている。
本体部110は、図2〜図4に示すように、バッテリ150や制御装置(図示省略)を載置する底板プレート111と、底板プレート111の前縁部と後縁部とから上方へ起立した柱状部材112F、112Bと、各柱状部材112F、112Bの上端に固定されて底板プレート111の上方に配設されていてシート50を上面に固定するためのシートプレート113と、を備えている。底板プレート111とシートプレート113とは、車椅子前後方向へ長い矩形のプレートとして構成されている。本体部110を構成するこれらの部材は鋼材でできている。なお、本体部110は、パイプ状の鋼材を組み合わせて、或いはパイプ状と板状の鋼材を組み合わせて構成されてもよい。
本体部110の前側には、図1及び図5に示すように、シート50に着座したユーザーの脚が本体部110内へ侵入することを規制するガード115が設けられ、また、ユーザーが足を載せるための板状のフットレスト116が設けられている。
本体部110の上面に設けられるシート50は、図1〜3に示すように、シートクッション510と、シートクッション510の後縁から起立したシートバック520と、シートバック520の左右の縁の高さ中間部位から車椅子前方へ延出した左右のアームレスト530L、530Rと、右側のアームレスト530Rの先端部に設けた操作部540と、から成る。この操作部540はジョイスティック541を備えている。なお、ユーザーがジョイスティック541を操作することで、その操作信号が操作部540から制御装置へ送られ、制御装置が操作信号に応じて駆動系を制御する。本実施形態では、例えば、制御装置としてエレクトロニック・コントロール・ユニット(Electronic Control Unit: ECU)を用いている。
サポート部120L、120Rは、鋼材で成り、図4及び図5に示すように、長尺なプレート状部材であって、広い面が車椅子1の幅方向外側を向くようにその向きが選定されて車椅子1に配設されており、車椅子1の左側と右側にそれぞれ設けられている。各サポート部120L、120Rには、後述するように、駆動系としての前輪20L、20R,後輪30L、30R及びクローラー40L、40Rが取り付けられている。
ダンパー機構130は、各サポート部120L、120Rを揺動可能に支持するサスペンションアーム131U,131Dと、サスペンションアームの急激な揺動や車体に及ぼす振動を緩衝するスプリング,ゴムなどの弾機手段と、から成る。以下、弾機手段としてスプリング135を使用した場合を説明する。
ダンパー機構130の具体的構成について例示する。
図2に示すように、車椅子1の前部では、左側のサポート部120Lの前部を支持する一対のサスペンションアーム131U,131Dの基端部と、右側のサポート部120Rの前部を支持する一対のサスペンションアーム131U,131Dの基端部とが、前側の柱状部材112Fの下部に回転可能に支持されている。車椅子1の後部では、図3に示すように、左側のサポート部120Lの後部を支持する一対のサスペンションアーム131U,131Dの基端部と、右側のサポート部120Rを支持する一対のサスペンションアーム131U,131Dの基端部とが、後側の柱状部材112Bの下部に回転可能に支持されている。なお、各サスペンションアーム131U,131Dの先端部は対応するサポート部120L、120Rに対して回転可能に取り付けられている。このように、左右の各サポート部120L,120Rは、その前後の部位をサスペンションアーム131U,131Dに支持されて、本体部110に対して図2の矢印A方向へ揺動可能に配設されている。
本実施形態において、車椅子1の前部と後部で左右のサポート部120L、120Rをそれぞれ支持する一対のサスペンションアーム131U,131Dは間隔を明けて上下に並べて配設されており、上側のサスペンションアーム131Uのサポート部寄りの部位にはスプリング135の下端が接合されている。スプリング135の上端はシートプレート113に接合されている。このようなダンパー機構130によって、サスペンションアーム131U,131Dの不要な上下動等をスプリング135が吸収する。なお、図2及び図3に示すように、サスペンションアーム131U,131Dが水平状に延びるように、スプリング135の長さ、巻回数、バネ定数が予め選定されている。
各サポート部120L、120Rの外側にはクローラー40L、40Rが配設されている。クローラー40L、40Rは、誘導輪410と起動輪420と転輪430とクローラーベルト440とを備えている。以下、図4に基づいて右側のクローラー40Rについて説明する。なお、図4では、右側のクローラー40Rの上部分を切り欠いて表示している。
誘導輪410は右側のサポート部120Rの前端部の外側位置で回転可能に右側のサポート部120Rに取り付けられている。具体的には、右側のサポート部120Rの前端部には幅方向外側へ突出するように棒状の軸材411が回転可能に取り付けられており、この軸材411に誘導輪410が固定されている。このような構成によって、誘導輪410は軸材411と共に回転する。
起動輪420は、右側のサポート部120Rの後端部の外側位置で回転可能に取り付けられている。具体的には、右側のサポート部120Rの後端部には、幅方向外側へ突出するように駆動手段としてのホイールインモーター450が取り付けられており、このホイールインモーター450に起動輪420が取り付けられている。ここで、ホイールインモーター450としては従来より各種の構造のものが知られており、本実施形態では様々のタイプのものを適用可能であり、特にステーター(stator)とそのまわりを回転するローター(rotor)を備えた装置を使用するのが望ましい。具体的には、ステーター451を右側のサポート部120Rの後部に固定し、このステーター451のまわりを回転するローター452に起動輪420を同軸状に取り付ける。このような構成によって、起動輪420はローター452と共に回転する。
転輪430は、誘導輪410と起動輪420との間で回転可能に右側のサポート部120Rの中間部に取り付けられている。具体的には、前輪410と同様に、右側のサポート部120Rの中間部には、幅方向外側へ突出するように棒状の軸材431が回転可能に支持されており、この軸材431に転輪430が取り付けられている。図示例では二つの転輪430,430が設けられているが、その数に限定されるものではない。
クローラーベルト440は、起動輪420,転輪430及び誘導輪410を囲むように環状に形成されている。本実施形態に係るクローラーベルト440としては、鋼材から成る履板を一帯に接続して環状に構成したものも適用可能であるが、本実施形態では、ゴムで構成されたクローラーベルトが装着されて車椅子1の軽量化が図られている。
以上の右側のクローラー40Rの構成と同様に、左側のクローラー40Lも構成され、両者は車椅子1を左右に二分する仮想の面α(図2参照)を基準として対称の位置に設けられている。
左右の前輪20L、20Rはそれぞれ対応する誘導輪410,410の外側に配設され、誘導輪410,410を支持する軸材411,411に固定されている。このような構成によって、前輪20L、20Rは誘導輪410,410と同じ回転運動を行う。
さらに、本実施形態に係る各前輪20L、20Rは全方向車輪で構成されていることを特徴としている。即ち、前輪20L、20Rは、例えば、特開2002−137602号公報及び特開2004−344289号公報に開示されている回転体付き車輪として構成されており、図6に示すように、その外周に沿って並んで配置された複数個の回転体210を備えている。これらの回転体210は、それぞれ前輪20L,20Rの車軸X(図6参照)と直交する回転軸Y(図6参照)の周りに回動可能に支持されており、その外側に露出する表面が前輪20L,20Rの外周円の円弧を画成するように形成されている。具体的には、各回転体210は、先端部の直径が後端部の直径より小さくした先細のカップ状に形成されている。これにより、車椅子1が横方向(即ち、図示のOut側)に移動しようとするとき、地面等に接地している回転体210がその回転軸Yの周りに回転することにより、地面等を転動して、車椅子1がその場で方向転回することができる。上記したように、各前輪20L,20Rは、その車軸Xがその向きを変えないので、舵取のために旋回運動は行わない。
後輪30L,30Rは、タイヤ310と、タイヤ310を支持するホイール320と、を備えている。
本実施形態に係る後輪30L,30Rは、クローラー40L,40Rの起動輪420と同様に、図4に示すようにホイールインモーター450に取り付けられている。具体的には、ホイール320がホイールインモーター450のローター452に固定されている。このような構成によって、後輪30L,30Rは対応する起動輪420と同じ回転運動を行う。
車椅子1の左側と右側で起動輪420の動きがクローラーベルト440及び誘導輪410を介して前輪20L,20Rに伝えられることから、各前輪20L,20Rはそれぞれ対応する後輪30L,30Rが回転駆動されたとき同じ方向に回転駆動する。よって、車椅子1の左右各側で後輪30L,30Rと前輪20L,20Rとは車椅子1を駆動するために回転運動を行う。これにより、車椅子1は四輪駆動として構成され、強い走破性を発揮する。
さらに、本実施形態では、クローラー40L,40Rの地面をとらえる面440Sが前輪20L,20R及び後輪30L,30Rの下端より上方の定位置に配設されるように、クローラー40L,40Rのボディに対する配設位置が変わらないことを特徴としている。具体的には、図5に示すように、道路や床などの平地などの平面Faに車椅子1が置かれた場合に、クローラーベルト440と平面Faとの間に距離Dの空隙Sができるように、即ち、前輪20L,20R及び後輪30L,30Rが平面に接地する下端から上方へ距離Dだけ高い位置にクローラーベルト440の地面をとらえる面440Sが位置するように、クローラー40L,40Rのボディに対する位置は選定されている。また、本実施形態では、クローラー40L,40Rの位置は一定、即ち使用環境に応じて別の位置に移動するものではなく、その位置が変わらないことを特徴としている。なお、距離Dが大きいと不整地での車輪の沈みが小さくクローラーが接触し難くなったり、接触しても旋回時に車輪側面が抵抗となって旋回能力等が低下してしまうので、距離Dは、例えば、数cm程度に設定するとよい。
上記転輪430は、クローラーベルト440の下側のベルト部位441が上方へ移動するのを規制するものであり、クローラーベルト440の下側ベルト部位441の内周面に当接するようにボディに取り付けられている。なお、図示省略するが、クローラーベルト440の上側のベルト部位を規制するための別の転輪が設けられても良い。
実施形態に係る車椅子1は以上のように構成され、次のように動作する。
先ず、歩道や屋内のフロアなどの走行面が固い場所を走行する場合について説明する。
上記歩道などでは、前輪20L,20R及び後輪30L,30Rが走行面を捉え、それらが転動して車椅子1は走行する。具体的には、ユーザーがジョイスティック541を操作することで、制御装置によって左右のホイールインモーター450,450をそれぞれ駆動制御して、双方の後輪30L,30Rを前周りに駆動すると、車椅子1は前進する。また、双方の後輪30L,30Rを後周りに駆動すると、車椅子1は後退する。この場合、後輪30L,30Rの回転に合わせて、前輪20L,20Rもクローラーベルト440,440を介して回転駆動されるので、車椅子1は、四輪駆動方式で前進又は後退することになる。
また、例えば左の後輪30Lを前周りに比較的高速で駆動すると共に、右の後輪30Rを前周りに比較的低速で駆動すると、左右の後輪30L,30Rの回転速度の差に基づいて、車椅子1は曲がりながら走行する。
このように歩道や屋内のフロアなどの走行面が固い場所では、車椅子1は四輪駆動によって走行する。この場合、クローラーベルト440は走行面から上方へ距離D離れた位置にあり、車椅子1が走行する際に走行面と接触しない。
次に、雪道,砂利道,砂浜,ぬかるみ,不整地などの悪路等を走行する場合について説明する。以下、雪道を例にとって説明するが、他の砂利道や砂浜などの悪路等の場合も同様である。
雪道では、前輪20L,20R及び/又は後輪30L,30Rが道に積もった雪にはまり込んでしまった場合には、車椅子1は走行が不可能になる。このような場合、車輪の一部が積もった雪の中に沈むので、積雪した雪の表面に対して車椅子全体の位置が下がり、積雪した雪にクローラーベルト440が接触する。
このように、クローラーベルト440が積もった雪に接触した状態ではクローラー40L、40Rが雪を捕らえて、クローラー40L、40Rが駆動することで車椅子1は走行する。具体的には、ユーザーがジョイスティック451を操作することで、制御装置によって左右のホイールインモーター450,450をそれぞれ駆動制御して、双方の起動輪420,420を前周りに駆動すると、それらの廻りを覆うクローラーベルト440,440が回転する。これにより、車椅子1は前進する。また、双方の起動輪420,420を後周りに駆動すると、クローラーベルト440,440が逆回転して車椅子1は後退する。また、例えば左の起動輪420を前周りに比較的高速で駆動すると共に、右の起動輪420を前周りに比較的低速で駆動すると、左右のクローラーベルト440,440の回転速度の差に基づいて、車椅子1は曲がりながら走行する。
ところで、悪路等を走行している途中で車椅子1が歩道などの固い走行面の場所へ移った場合には、悪路等では柔らかい走行面に一部が沈んでいた前輪20L,20R及び後輪30L,30Rが固い走行面ではその面上にしっかりと起立することで、クローラーベルト440,440が上方へ持ち上げられる。これにより、歩道では前輪20L,20R及び後輪30L,30Rによって、走行が可能になる。
一方、歩道などの固い場所から雪が積もった悪路等へ移った場合には、上記とは逆に、道に積もった雪の中に前輪20L,20R及び後輪30L,30Rの一部が沈むことで、クローラーベルト440,440が接地する。よって、悪路等での走行が可能となる。
このように、本実施形態に係る車椅子1は二つの走行手段として車輪(即ち、前輪20L,20R及び後輪30L,30R)とクローラー40L、40Rとを併設しており、固い平地などを走行するときにはクローラーベルト440,440が車輪の下端より上方へ距離D離れた位置に引き離され、悪路等に入った場合には車輪の一部が沈んでクローラーベルトが自然に悪路等の表面と接触するため、ユーザーは車椅子の使用環境に応じて走行手段を選択せずに、いずれの場所でも車椅子1を走行させることができる。このように切替操作が不要であるから、車椅子1の使用性が向上する。
また、特許文献3,4の車椅子では、車椅子の使用環境に応じてユーザーが走行手段を選択し、クローラーを選択した場合にはクローラーを格納位置から使用位置に移動させる一方、車輪を退避させる作業が必要である。また、従来では走行手段を切り替える機構が複雑で製造コストも嵩み、その操作も煩雑であったが、本実施形態に係る車椅子ではクローラー40L、40Rがボディ10に対して一定の位置で駆動可能に配設されているので、装置構成が簡素となり、重量及び製造コストを低減させることができる。
さらに、起動輪420,420が後輪30L,30Rと同軸に配設され、誘導輪410,410が前輪20L,20Rと同軸に配設されているので、クローラーベルト440と車輪とが同一の駆動手段によって駆動可能になる。これにより、車椅子を全体的に縮小化させることができる。
また、誘導輪410が前輪20L,20Rの内側に配設され、起動輪420が後輪30L,30Rの内側に配設されて、クローラーベルト440,440が車輪の内側に配設されているので、例えば、図7に示すように、一方の車輪が道路脇の溝80に入って脱輪した場合には、当該車輪の内側にあるクローラーベルト440が溝縁81に当たるため、車椅子1全体が急に傾くことを防止できる。これにより、脱輪等に際して、車椅子1が転倒することを防止できる。
さらに、クローラーベルト440の下側ベルト部分は転輪430によって上方へ移動するのが規制されるため、クローラーベルト440がしっかりと走行面を捉えることができて、車椅子1は悪路等でも高い走破性を発揮する。
以上詳述したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施をすることができる。例えば、上記車椅子1は前輪にホイールインモーターを備えて構成されてもよい。ホイールインモーターに変えて、各車輪及び起動輪がドライブシャフトに固定され、このドライブシャフトがモーターによって駆動されるように構成されてもよい。車椅子は転輪を備えずに構成されてもよい。誘導輪が前輪の外側に配設され、起動輪が後輪の外側に配設されてもよい。上記車椅子では、左右の車輪に対応して左側と右側とにクローラーが一つずつ設けられているが、クローラーの数はこれに限定されるものではない。例えば、左右各側に、クローラーを二つずつ設けても良い。また、車椅子の幅中央部にクローラーを一つ設けてもよい。車椅子のボディの構造や形状は上記説明例に限定されるものではない。例えば、ボディは、パイプ状の鋼材を組み合わせてフレーム状に、或いはパイプ状及び板状等の鋼材を組み合わせてもよい。
本発明の移動装置は、上記車椅子に限らず、その他産業、学術、家庭用の器具、装置、機械、玩具が移動するための手段として適用可能である。例えば、人型のロボットの脚として上記移動装置を適用できる。また、人が移動するための手段や物を搬送するための運搬具或いは、農作業用の移動する機械の移動手段として、また、遊園地やテーマパークなどのレジャー施設における遊具の移動機構として利用可能である。さらに、本発明は、老人や体の不自由な障がい者などが利用する介助・福祉用の機械・器具にも利用できる。
上記車椅子1の説明では悪路等のバリア路面に前輪及び後輪が部分的にはまり込んだ場合について説明したが、車椅子を含む本発明は、前輪及び後輪の何れか一方がバリア路面の中に沈むことでクローラーがバリア路面に接触した場合には、クローラーによってバリア路面を走行可能である。
本発明の実施形態に係る電動車椅子を示す斜視図である。 図1の電動車椅子の正面図である。 図1の電動車椅子の背面図であって、シート及びシートプレートを省略して表した図である。 図1の電動車椅子の平面図である。 図1の電動車椅子の側面図である。 図1の電動車椅子の前輪の構成例を示す斜視図である。 図1の電動車椅子の機能を説明するための図である。
1 電動車椅子
10 ボディ
20L、20R 前輪
30L、30R 後輪
40L、40R クローラー
50 シート
110 本体部
111 底板プレート
112F、112B 柱状部材
113 シートプレート
115 ガード
116 フットレスト
120L、120R サポート部
130 ダンパー機構
131U,131D サスペンションアーム
135 スプリング
310 タイヤ
320 ホイール
410 誘導輪
411,431 軸材
420 起動輪
430 転輪
440 クローラーベルト
440S 面
441 下側ベルト部位
450 ホイールインモーター
451 ステーター
452 ローター
510 シートクッション
520 シートバック
530L、530R アームレスト
540 操作部
541 ジョイスティック

Claims (8)

  1. 車軸と直交する回転軸周りに回動可能な複数個の回転体が外周に沿って並んで配置された全方向車輪で成る左右の前輪と、左右の後輪と、上記前輪及び上記後輪を回転可能に支持するボディと、モーターと、左右のクローラーと、を備えた移動装置であって、
    上記ボディは、本体部と該本体部の左右に配置されて前後に延びる一対のサポート部と該各サポート部を本体部に対してそれぞれ上下に揺動可能に支持するアームとを備え、
    上記左右の前輪、左右の後輪及び左右のクローラーは、それぞれ上記左右のサポート部に配設され、且つ、上記クローラーは前輪及び後輪に隣接して配設され、
    上記各クローラーは、前輪の内側に該前輪と同軸に配設されて前輪と共に回転する誘導輪と、後輪の内側に該後輪と同軸に配設されて後輪と共に回転する起動輪と、該誘導輪と該起動輪との間に回転可能に配置された少なくとも一つの転輪と、上記誘導輪と起動輪と転輪とを囲むように懸架されたクローラーベルトと、を備え、
    上記モーターは、左右の後輪を別々に駆動するように各後輪に設けられて四輪駆動に構成され、
    上記クローラーの地面をとらえるベルト面が上記前輪及び上記後輪の下端より上方の定位置に配設されていて、走行中に上記前輪及び/又は後輪が部分的にバリア路面中に沈んだ場合、上記クローラーが該バリア路面に接触し該クローラーによって該バリア路面を走行し得ることを特徴とする、移動装置。
  2. 前記アームと前記本体部との間に弾機手段が配設され、該弾機手段によりアームの上下動を吸収可能に構成されている、請求項1に記載の移動装置。
  3. 前記アームは、前記本体部の前部と後部とに、それぞれ上下に間隔をあけて並べて一対配設されている、請求項1又は2に記載の移動装置。
  4. 前記モーターは、前記左右のサポート部にそれぞれ装着されて該サポート部に支持された前記後輪及び前記起動輪を駆動する、請求項1乃至3の何れかに記載の移動装置。
  5. 前記モーターはホイールインモーターからなり、該ホイールインモーターのステーターが前記サポート部に固定され、ローターに前記起動輪及び前記後輪が固定されている、請求項4に記載の移動装置。
  6. 前記クローラーベルトは、ゴムベルトからなる、請求項1乃至4の何れかに記載の移動装置。
  7. 前記請求項1〜6の何れかに記載の移動装置と、前記ボディに配設したシートとを備えた電動車椅子。
  8. 脚が前記請求項1〜6の何れかに記載の移動装置で成ることを特徴とする、ロボット。
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