JP4717185B2 - 顕微鏡の焦準装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡における対物レンズ又はステージのいずれか一方を移動させる顕微鏡の焦準装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡において標本に対してフォーカスを合わせる焦準装置としては、対物レンズを上下方向に移動(以下、上下動と省略する)させるか、又は標本を載置するステージを上下動させている。例えば、対物レンズを上下動させる焦準装置では、粗動ハンドルと微動ハンドルとが設けられている。このうち粗動ハンドルが回転操作されると、この粗動ハンドルの回転が粗動軸に伝達され、さらにこの回転がピニオン・ラックに伝達されて上下方向への移動に変換され、対物レンズが上下方向のガイドに沿って上下動(粗動)する。
【0003】
又、微動ハンドルが回転操作されると、この微動ハンドルの回転が減速ギヤ等により減速されて上記粗動軸に伝達され、さらにこの回転がピニオン・ラックに伝達されて上下方向への移動に変換され、対物レンズが上下方向のガイドに沿って上下動(微動)する。
【0004】
従って、粗動ハンドルと微動ハンドルとが同一回転量だけ回転操作されても、粗動ハンドルを回転操作したときの対物レンズの上下方向の移動量の方が、微動ハンドルを回転操作したときの対物レンズの上下方向の移動量よりも大きく、いわゆる粗動ハンドルの操作時が対物レンズの粗動となり、微動ハンドルの操作時が対物レンズの微動となる。
【0005】
ところが、このような焦準装置の粗微動焦準ハンドルは、顕微鏡本体のフロント側から見てステージよりも奥の下方側に設けられている。これは対物レンズ又はステージを上下動させるためのガイドがステージよりも奥側に設けられているからである。なお、このガイドには、対物レンズ又はステージを保持するアームが片持ちの状態で固定されている。
【0006】
このように粗微動焦準ハンドルが顕微鏡本体のフロント側から見てステージよりも奥の下方側に設けられていると、例えばパッチクランプ法などのステージ回りに様々な機材を設置して標本の観察を行う場合や、顕微鏡のシステムによって検鏡する観察者の目の位置が高くなる場合などでは、粗微動焦準ハンドルの操作性が非常に悪化する。
【0007】
このような粗微動焦準ハンドルの操作性を改善した技術としては、例えば図6に示す特開平6−222276号公報に記載された顕微鏡焦準装置がある。顕微鏡フレーム1は、水平アーム部1aとベース部1bと垂直部1cとからなっている。この顕微鏡フレーム1のベース部1bには光源2が設けられると共に、水平アーム部1aには対物レンズ3と鏡筒4と接眼レンズ5とが設けられている。
【0008】
顕微鏡フレーム1の垂直部1cには、固定台6が設けられ、この固定台6にガイド7を介して上下台8が上下動するように設けられている。そして、この上下台8には、ステージホルダ9が片持ちの状態で支持されている。このステージホルダ9には、標本10を載置するステージ11が設けられると共に、その下方にコンデンサレンズ12が設けられている。
【0009】
又、顕微鏡フレーム1の例えばベース部1bには、ステージ11を上下動するための操作ハンドル13が回転可能に支持されている。この操作ハンドル13には、次の構造の伝達機構が設けられている。操作ハンドル13には、ピニオン14、水平ラック15を介して前後台16が連結されている。この前後台16は、ガイド17を介して固定板18上に設けられている。又、前後台16には、水平ラック19が設けられ、これにアイドラー20が歯合している。このアイドラー20は、上下台8に設けられた垂直ラック21に歯合している。
【0010】
従って、操作ハンドル13が回転操作されると、この操作ハンドル13の回転がピニオン14及び水平ラック15を介して前後台16の前後方向への移動に変換され、この前後台16の移動が水平ラック19及びアイドラー20を介して垂直ラック21の上下動に変換される。これにより上下台8が上下動するので、ステージ11が上下動する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記顕微鏡焦準装置では、操作ハンドル13にピニオン14、水平ラック15を介して前後台16を連結し、この前後台16に水平ラック19、アイドラー20を歯合し、さらに垂直ラック21を介して上下台8を連結しているので、その伝達機構の構造が複雑となり、機械的な連結箇所が多くなるためにガタ等が生じて伝達精度が高いとは言えない。又、上記伝達機構では、組み立て、調整が大変であり、コストも高くなる。
【0012】
そこで本発明は、簡単な構成で、操作性を向上できる顕微鏡の焦準装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載による本発明は、顕微鏡における対物レンズ又はステージのいずれか一方を移動させる顕微鏡の焦準装置において、前記ステージよりも後方側に設けられ、前記対物レンズ又は前記ステージのいずれか一方を粗動又は微動させる粗微動焦準機構と、前記ステージの先端部を含む前方側に設けられ、前記対物レンズ又は前記ステージのいずれか一方を粗動又は微動させるための粗微動焦準操作部と、前記粗微動焦準機構と前記粗微動焦準操作部とを連動させる連動機構と、前記粗微動焦準機構と前記粗微動焦準操作部とのそれぞれの少なくとも一端側に同軸に設けられた各粗微動ハンドルとを具備し、前記粗微動焦準機構は、粗動軸と微動軸とが同軸に設けられ、前記粗微動焦準操作部は、中空に形成され、軸受けと中空形状の粗動軸と微動軸とが同軸状に順に挿入され、前記連動機構は、前記粗微動焦準機構の前記粗動軸と前記粗微動焦準操作部の前記粗動軸との間に掛けられて回転力を伝達する第1のベルトと、前記粗微動焦準機構の前記微動軸と前記粗微動焦準操作部の前記微動軸との間に掛けられて回転力を伝達する第2のベルトとを有し、前記粗動ハンドルの回転操作により前記粗微動焦準機構の前記粗動軸が前記第1のベルトを介して連動して回転して前記対物レンズ又は前記ステージを粗動させ、又は前記微動ハンドルの回転操作により前記粗微動焦準機構の前記微動軸が前記第2のベルトを介して連動して回転して前記対物レンズ又は前記ステージを微動させることを特徴とする顕微鏡の焦準装置である。
【0014】
請求項2記載による本発明は、顕微鏡における対物レンズ又はステージのいずれか一方を移動させる顕微鏡の焦準装置において、前記ステージよりも後方側に設けられ、前記対物レンズ又は前記ステージのいずれか一方を粗動又は微動させる粗微動焦準機構と、前記ステージの先端部を含む前方側に設けられ、前記対物レンズ又は前記ステージのいずれか一方を粗動又は微動させるための粗微動焦準操作部と、前記粗微動焦準機構と前記粗微動焦準操作部とを連動させる連動機構と、前記粗微動焦準機構と前記粗微動焦準操作部とのそれぞれの少なくとも一端側に設けられた各粗微動ハンドルと、前記粗微動焦準操作部に設けられ、前記対物レンズと前記ステージとの間隔を狭くする方向への前記対物レンズ又は前記ステージの移動を阻止するストッパハンドルとを具備し、前記粗微動焦準機構は、粗動軸と微動軸とが設けられ、前記粗微動焦準操作部は、中空に形成され、軸受けと中空形状の粗動軸と微動軸とが順に挿入され、前記連動機構は、前記粗微動焦準機構の前記粗動軸と前記粗微動焦準操作部の前記粗動軸との間に掛けられて回転力を伝達する第1のベルトと、前記粗微動焦準機構の前記微動軸と前記粗微動焦準操作部の前記微動軸との間に掛けられて回転力を伝達する第2のベルトとを有し、前記粗動ハンドルの回転操作により前記粗微動焦準機構の前記粗動軸が前記第1のベルトを介して連動して回転して前記対物レンズ又は前記ステージを粗動させ、又は前記微動ハンドルの回転操作により前記粗微動焦準機構の前記微動軸が前記第2のベルトを介して連動して回転して前記対物レンズ又は前記ステージを微動させることを特徴とする顕微鏡の焦準装置である。
【0015】
請求項3記載による本発明は、請求項1又は2記載の顕微鏡の焦準装置において、前記第1のベルトは、タイミングベルトであることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載による本発明は、請求項1又は2記載の顕微鏡の焦準装置において、前記第2のベルトは、丸ベルトであることを特徴とする。
請求項5記載による本発明は、請求項1又は2記載の顕微鏡の焦準装置において、前記粗微動焦準操作部は、前記顕微鏡のベースの先端側よりも前方側に設けられたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1乃至図3は顕微鏡の焦準装置の構成図であって、図1は側面図、図2は正面図、図3は上方から見たベース部の断面構成図である。顕微鏡フレーム30は、Y字形状に形成され、ベース部31と垂直部32とからなり、このうちの垂直部32には投光観察用の水平アーム部33が取り付けられている。この投光観察用の水平アーム部33には、落射照明用光源34aや接眼レンズ35、各種フィルタ、ビームスプリッタなどの光学素子などが設けられている。垂直部32の背面側には、透過照明用光源34bが設けられている。
【0019】
顕微鏡フレーム30のベース部31の前方側(フロント側)には、固定台36aがビス止め固定され、この固定台36aに2本の足36、36が立設され、これら足36、36によりステージ37が固定されている。なお、ステージ37の垂直部32側は、支持台38により固定されている。なお、ステージ37の下方には、コンデンサレンズ39が支持台38により支持されている。
【0020】
顕微鏡フレーム30の垂直部32には、上下台40が上下方向に移動自在に設けられている。この上下台40は、図3に示すようにガイド体41により移動自在に支持されている。この上下台40には、レボルバアーム42が片持ち状態で支持されている。このレボルバアーム42には、所望の倍率の対物レンズ43を使用できるように、対物レンズ43が装着されたレボルバ44が取り付け、取り外し自在となっている。
【0021】
顕微鏡フレーム30のベース部31の後方側(ステージ37よりも奥側)には、上下台40を上下方向に粗動又は微動させる粗微動焦準機構が設けられている。この粗微動焦準機構は、図3に示すように粗動軸45と微動軸46とが同軸に設けられている。なお、粗動軸45は中空に形成され、この中空部に微動軸46が設けられている。これら粗動軸45と微動軸46との一端側、例えば図3中右側の一端側には、粗動ハンドル47と微動ハンドル48とが取り付けられている。粗動ハンドル47は、粗動軸45に連結され、粗動ハンドル47の回転力が粗動軸45に伝達されて当該粗動軸45を回転させるものとなっている。微動ハンドル48は、微動軸46に連結されると共に図示しない減速ギヤ等を介して粗動軸45に連結されている。粗動軸45の他端側には、歯付きプーリ49が取り付けられると共に、微動軸46の他端側には、V溝が形成された微動プーリ50が取り付けられている。
【0022】
図4は上記粗動軸45の中央部の断面構成図である。この粗動軸45の中央部には、ピニオン部51が形成されている。このピニオン部51は、粗動軸45の外周径を小さくし、かつ当該外周に歯部を形成したものである。このピニオン部51は、上下台40に固定されたラック52に歯合している。なお、粗動軸45は、軸受け53により支持されている。
【0023】
従って、粗動ハンドル47が回転操作されると、この回転が粗動軸45に伝達され、ピニオン部51からラック52を介して上下動に変換される。このラック52が上下動することにより、上下台40に支持された対物レンズ44の取り付けられたレボルバアーム42が上下動(粗動)する。
【0024】
又、微動ハンドル48が回転操作されると、この回転が減速ギヤを介して減速されて粗動軸45に伝達され、ピニオン部51からラック52を介して上下動に変換される。このラック52が上下動することにより、上下台40に支持された対物レンズ44の取り付けられたレボルバアーム42が上下動(微動)する。
【0025】
一方、ステージ37の先端部を含む前方側には、対物レンズ44を粗動又は微動させるための粗微動焦準操作部が設けられている。すなわち、顕微鏡フレームのベース部31の先端に固定された固定台36aに、略円筒状の操作部本体54Aがビス止め固定されている。この操作部本体54Aは中空に形成され、スリーブ上の軸受け60と中空形状の粗動軸54と微動軸55が同軸状に順に挿入されている。これら粗動軸54と微動軸55との一端側、例えば図3中右側の一端側には、粗動ハンドル56と微動ハンドル57とが取り付けられている。なお、粗動ハンドル56と微動ハンドル57とは、それぞれ粗動軸54と微動軸55とに対してねじ止めされている。
【0026】
粗動ハンドル56は、粗動軸54に連結され、粗動ハンドル56の回転力が粗動軸54に伝達されて当該粗動軸54を回転させるものとなっている。微動ハンドル57は、微動軸55に連結され、微動ハンドル57の回転力が微動軸55に伝達されて当該微動軸55を回転させるものとなっている。
【0027】
粗動軸55の他端側には、歯付きプーリ58が取り付けられると共に、微動軸55の他端側には、周面に丸ベルト62を掛けるV溝が形成されたプーリを兼ねた微動つまみ59が取り付けられている。なお、粗動軸54は、軸受け60により支持されている。
【0028】
この粗微動焦準操作部と上記粗微動焦準機構との間には、連動機構が設けられている。歯付きプーリ58と歯付きプーリ49との間には、図5に示すような歯付きのタイミングベルト61が掛けられて連結されている。これと共に微動プーリ50と微動つまみ59とのプーリ部分(V字溝)の間には、丸ベルト62が掛けられて連結されている。従って、上記粗微動焦準機構と上記粗微動焦準操作部とは、歯付きのタイミングベルト61、丸ベルト62、微動プーリ50、プーリを兼ねた微動つまみ59、歯付きプーリ49、58により連動するものとなっている。
【0029】
粗動ハンドル56の内側には、ストッパハンドル63が回動自在に設けられている。このストッパハンドル63は、一方に回動させることにより対物レンズ44とステージ37との間隔を狭くする方向、すなわち対物レンズ44の下方への移動を阻止(ロック)すると共に、上方への移動は許可するものとなっている。すなわち、粗動ハンドル56及び微動ハンドル57の対物レンズ44を下方へ移動させる方向の回転がロックされる。
【0030】
従って、粗動ハンドル56と微動ハンドル57とを回転操作してジャストフォーカス等の所望の位置に対物レンズ44を位置決めしたときにストッパハンドル63を一方に回動させると、当該対物レンズ44の位置で当該対物レンズ44の下方への移動をロックし、対物レンズ44の上方への移動は許可するものとなる。なお、ストッパハンドル63を他方に回動させれば、対物レンズ44の下方への移動のロックは解除される。
【0031】
このようにロックした位置(フォーカス位置)よりも下方に対物レンズ44を下降させないので、対物レンズ44を上方へ移動させた後に下降させても、再び対物レンズ44を再びフォーカス位置に戻す(再焦準)ものとなる。
【0032】
次に、上記の如く構成された焦準装置の作用について説明する。
【0033】
観察者が標本をステージ37上に載置して観察を行う場合、観察者は顕微鏡のフロント側に設けられている粗動ハンドル56又は微動ハンドル57を回転操作する。
【0034】
フロント側の粗動ハンドル56が回転操作されると、この回転が粗動軸54から歯付きプーリ58を介してタイミングベルト61に伝達され、さらにステージ37よりも奥方にある歯付きプーリ49から粗動軸45に伝達される。そして、この粗動軸45が回転すると、この回転がピニオン部51からラック52を介して上下動に変換される。このラック52が上下動することにより、上下台40に支持された対物レンズ44の取り付けられたレボルバアーム42が上下動(粗動)する。
【0035】
又、フロント側の微動ハンドル57が回転操作されると、この回転が微動軸55から微動つまみ59を介して丸ベルト62に伝達され、さらにステージ37よりも奥方にある微動プーリ50から微動軸46に伝達される。そして、この微動軸46が回転すると、この回転が減速ギヤにより減速されて粗動軸45に伝達され、この粗動軸45の回転がピニオン部51からラック52を介して上下動に変換される。このラック52が上下動することにより、上下台40に支持された対物レンズ44の取り付けられたレボルバアーム42が上下動(微動)する。
【0036】
このように観察者によってフロント側の粗動ハンドル56又は微動ハンドル57を回転操作するようにすると、例えば、標本に対してマニュプレータを繋いで標本を観察し取り調べる場合や、標本の大きさが大きくなって垂直部32と水平アーム部33との間にスペーサを介在させて接眼レンズ35の位置(アイポイント)が高くなった場合に、フロント側の粗動ハンドル56及び微動ハンドル57が観察者の手が容易に届く場所であり、標本を観察しながら粗動ハンドル56及び微動ハンドル57を回転操作できる。
【0037】
又、標本の観察中に対物レンズ44を交換したり、標本を交換、又は標本に対して処理するなどの作業をするときには、フロント側のストッパハンドル63を一方に回動させる。このストッパハンドル63の一方への回動により、対物レンズ44の下方への移動がロックされる。
【0038】
この状態に、粗動ハンドル56及び微動ハンドル57を回転操作して対物レンズ44を上方へ移動し、対物レンズ44を交換したり、標本を交換、又は標本に対して処理するなどの作業中に、粗動ハンドル56及び微動ハンドル57を誤って操作しても、対物レンズ44はロックされた位置以下に下降せず、標本に対する安全が図れる。
【0039】
又、対物レンズ44を交換したり、標本を交換、又は標本に対して処理するなどの作業の終了後に、再び標本に対して焦準を行う場合、対物レンズ44をロックされる位置まで下降し、ストッパハンドル63によりロックを解除すれば、再焦準を容易にできる。
【0040】
このように上記一実施の形態においては、ステージ37の先端部を含むフロント側に、粗動軸54と微動軸55とを同軸に設け、これら粗動軸54と微動軸55との一端側に粗動ハンドル56と微動ハンドル57とを取り付けると共に、これら粗動軸54及び微動軸55とステージ37よりも奥方にある粗動軸45及び微動軸46とをタイミングベルト61、丸ベルト62を介して連動させて、対物レンズ44を微動、粗動させるようにしたので、例えば、標本に対してマニュプレータを繋いで標本を観察し取り調べる場合や、標本の大きさが大きくなって垂直部32と水平アーム部33との間にスペーサを介在させて接眼レンズ35の位置(アイポイント)が高くなった場合でも、容易にフロント側の粗動ハンドル56及び微動ハンドル57を操作でき、標本観察中の操作性を向上できる。
【0041】
又、フロント側の粗動軸54や微動軸55、粗動ハンドル56、微動ハンドル57(粗微動焦準操作部)の構造は、ステージ37の奥方にある粗動軸45や微動軸46、粗動ハンドル47、微動ハンドル48(粗微動焦準機構)と略同一構造であり、かつタイミングベルト61、丸ベルト62を介して連動させた構成なので、簡単な構成で、かつガタが殆どなく、伝達精度を高くできる。
【0042】
従って、これら粗微動焦準操作部、粗微動焦準機構及び連動機構の組み立てが簡単であり、かつその調整も容易となり、そのうえ安価にできる。
【0043】
又、フロント側にストッパハンドル63も設けたので、対物レンズ44の下方への移動をロックして再焦準するとき、例えば、標本に対してマニュプレータを繋いで標本を観察し取り調べる場合や、標本の大きさが大きくなってアイポイントが高くなった場合でも、容易に再焦準の操作ができる。
【0044】
本実施形態による粗微動操作機構は、既存の焦準機構を有する顕微鏡に対して、簡単に後付けが可能である。すなわち、操作部本体が固定された固定台を顕微鏡フレームのベース部先端に取り付けるとともに、既存の焦準機構の粗動、微動ハンドルをそれぞれプーリに交換し、操作部本体の粗動、微動のプーリとの間を2本のベルトで連結すればよいから、観察光軸より後側に配置されている既存の焦準機構をそのまま利用して大きな改造を施すことなく焦準操作部を観察光軸より手前側に持ってくることができる。
【0045】
本実施形態では、操作部本体を顕微鏡フレームのベース部に固定するための取付台を、ステージを支持する足の固定用としても兼用している。このようにすることで、大型のステージを安定して保持できるとともに、粗微動焦準操作部が手前に配置されているので、ステージが大型化されて手前側に張り出した場合でも焦準機構の操作性を良好に保つことができる。
【0046】
なお、本発明は、上記一実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0047】
さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0048】
例えば、上記一実施の形態は、次の通り変形してもよい。
【0049】
上記一実施の形態では、対物レンズ44を取り付けるレボルバアーム42をフロント側の粗動ハンドル56及び微動ハンドル57により上下動させているが、ステージ37を上下動させる構成としてもよい。
【0050】
又、各粗動ハンドル47、56及び各微動ハンドル48、57は、図3に示す顕微鏡の右側に取り付けているが、左側に取り付けたり、両側に取り付けてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、簡単な構成で、容易にフロント側の粗動ハンドル及び微動ハンドルを操作でき、標本観察中の操作性を向上できる顕微鏡の焦準装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる顕微鏡の焦準装置の一実施の形態を示す側面構成図。
【図2】本発明に係わる顕微鏡の焦準装置の一実施の形態を示す正面構成図。
【図3】本発明に係わる顕微鏡の焦準装置の一実施の形態を示す上方から見たベース部の断面構成図。
【図4】本発明に係わる顕微鏡の焦準装置の一実施の形態における粗動軸の中央部の断面構成図。
【図5】本発明に係わる顕微鏡の焦準装置の一実施の形態における歯付きプーリ58に掛けられたタイミングベルトを示す図。
【図6】従来の顕微鏡焦準装置の構成図。
【符号の説明】
30:顕微鏡フレーム
31:ベース部
32:垂直部
33:水平アーム部
34a,34b:光源
35:接眼レンズ
36:足
36a:固定台
37:ステージ
38:支持台
39:コンデンサレンズ
40:上下台
41:ガイド体
42:レボルバアーム
43:対物レンズ
44:レボルバ
45:粗動軸
46:微動軸
47:粗動ハンドル
48:微動ハンドル
49:歯付きプーリ
50:微動プーリ
51:ピニオン部
52:ラック
53:軸受け
54:粗動軸
54A:操作部本体
55:微動軸
56:粗動ハンドル
57:微動ハンドル
58:歯付きプーリ
59:微動つまみ
60:軸受け
61:タイミングベルト
62:丸ベルト
63:ストッパハンドル
Claims (5)
- 顕微鏡における対物レンズ又はステージのいずれか一方を移動させる顕微鏡の焦準装置において、
前記ステージよりも後方側に設けられ、前記対物レンズ又は前記ステージのいずれか一方を粗動又は微動させる粗微動焦準機構と、
前記ステージの先端部を含む前方側に設けられ、前記対物レンズ又は前記ステージのいずれか一方を粗動又は微動させるための粗微動焦準操作部と、
前記粗微動焦準機構と前記粗微動焦準操作部とを連動させる連動機構と、
前記粗微動焦準機構と前記粗微動焦準操作部とのそれぞれの少なくとも一端側に同軸に設けられた各粗微動ハンドルと、
を具備し、
前記粗微動焦準機構は、粗動軸と微動軸とが同軸に設けられ、
前記粗微動焦準操作部は、中空に形成され、軸受けと中空形状の粗動軸と微動軸とが同軸状に順に挿入され、
前記連動機構は、前記粗微動焦準機構の前記粗動軸と前記粗微動焦準操作部の前記粗動軸との間に掛けられて回転力を伝達する第1のベルトと、前記粗微動焦準機構の前記微動軸と前記粗微動焦準操作部の前記微動軸との間に掛けられて回転力を伝達する第2のベルトとを有し、前記粗動ハンドルの回転操作により前記粗微動焦準機構の前記粗動軸が前記第1のベルトを介して連動して回転して前記対物レンズ又は前記ステージを粗動させ、又は前記微動ハンドルの回転操作により前記粗微動焦準機構の前記微動軸が前記第2のベルトを介して連動して回転して前記対物レンズ又は前記ステージを微動させる、
ことを特徴とする顕微鏡の焦準装置。 - 顕微鏡における対物レンズ又はステージのいずれか一方を移動させる顕微鏡の焦準装置において、
前記ステージよりも後方側に設けられ、前記対物レンズ又は前記ステージのいずれか一方を粗動又は微動させる粗微動焦準機構と、
前記ステージの先端部を含む前方側に設けられ、前記対物レンズ又は前記ステージのいずれか一方を粗動又は微動させるための粗微動焦準操作部と、
前記粗微動焦準機構と前記粗微動焦準操作部とを連動させる連動機構と、
前記粗微動焦準機構と前記粗微動焦準操作部とのそれぞれの少なくとも一端側に設けられた各粗微動ハンドルと、
前記粗微動焦準操作部に設けられ、前記対物レンズと前記ステージとの間隔を狭くする方向への前記対物レンズ又は前記ステージの移動を阻止するストッパハンドルと、
を具備し、
前記粗微動焦準機構は、粗動軸と微動軸とが設けられ、
前記粗微動焦準操作部は、中空に形成され、軸受けと中空形状の粗動軸と微動軸とが順に挿入され、
前記連動機構は、前記粗微動焦準機構の前記粗動軸と前記粗微動焦準操作部の前記粗動軸との間に掛けられて回転力を伝達する第1のベルトと、前記粗微動焦準機構の前記微動軸と前記粗微動焦準操作部の前記微動軸との間に掛けられて回転力を伝達する第2のベルトとを有し、前記粗動ハンドルの回転操作により前記粗微動焦準機構の前記粗動軸が前記第1のベルトを介して連動して回転して前記対物レンズ又は前記ステージを粗動させ、又は前記微動ハンドルの回転操作により前記粗微動焦準機構の前記微動軸が前記第2のベルトを介して連動して回転して前記対物レンズ又は前記ステージを微動させる、
ことを特徴とする顕微鏡の焦準装置。 - 前記第1のベルトは、タイミングベルトであることを特徴とする請求項1又は2記載の顕微鏡の焦準装置。
- 前記第2のベルトは、丸ベルトであることを特徴とする請求項1又は2記載の顕微鏡の焦準装置。
- 前記粗微動焦準操作部は、前記顕微鏡のベースの先端側よりも前方側に設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の顕微鏡の焦準装置。
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