一般に、倒立型顕微鏡は、図11に示すように顕微鏡本体1の上部に標本2を積載するためのステージ3が着脱可能に組付けられ、このステージ3の下方には、複数の対物レンズ4が着脱自在に配されるレボルバ5が設けられる。レボルバ5は、複数の対物レンズ4を択一的に対物光軸11上に挿脱する。このレボルバ5は、上記顕微鏡本体1に昇降機構6を介して昇降自在に配され、その昇降移動に連動して上記対物レンズの焦点位置を調整設定する。
また、上記顕微鏡本体1には、対物レンズ4の後(標本から離れる方向)に、対物レンズ4からの平行光を結像する結像レンズ7、観察光路を複数に分割し、分割した各光路へ切換え可能な光路切換機構8が順に配され、この光路切換機構8の後段には、結像レンズ7により結像された対物レンズ1次像14cを目視観察用の鏡筒16へ向けて無限遠に投影するリレー光学系9が配される。
この光路切換機構8は、上記結像レンズ7の下側に配置されたミラー8a、8bの挿脱を行なうことで、対物光軸11を観察光路11′、12、13に分割してそれぞれの光路に切り換える。
また、顕微鏡本体1には、透過照明支柱17が上記ステージの後方に着脱自在に配される。透過照明支柱17には、ステージ3上の標本2を照明する光源18が着脱自在に取付けられ、この光源18の光路上には、照明光学系19、ミラー20が順に配される。そして、上記透過照明支柱17には、コンデンサ昇降機構21が配される。このコンデンサ昇降機構21には、コンデンサレンズ22が上記ミラー20及び上記対物レンズ4の対物光軸11に対応して着脱自在に配される。コンデンサレンズ22は、コンデンサ昇降機構21を介して昇降駆動されて光源18からの照明光が、照明光学系19、ミラー20を介して導かれると、該照明光をステージ3上の試料2に照射して照明する。
さらに、顕微鏡本体1のレボルバ5の下側には、中間鏡筒を構成する落射蛍光照明装置23が着脱自在に配される。この落射蛍光照明装置23には、光源231が着脱可能に配される。また、落射蛍光照明装置23には、光源231からの照明光を対物レンズ4を介して標本2に集光させる照明光学系232、標本2を染色した蛍光色素を励起するのに適当な波長を照明光から選択的に透過する励起フィルタ233、上記対物レンズ4の光軸に対して45°に配置されて上記対物光軸11と同軸的に照明光を導きつつ励起フィルタ233を透過した波長を選択的に反射し、且つ、標本2からの蛍光を波長選択的に透過するダイクロイックミラー234、標本2からの蛍光を波長選択的に透過する吸収フィルタ235が内装される。
上記構成において、顕微鏡本体1は、通常、机24の上に設置されて各種仕様に供される。例えば透過照明観察の場合には、光源18から出射された照明光は照明光学系19を介してミラー20によりコンデンサレンズ22に向けて偏向される。このコンデンサレンズ22は、コンデンサ昇降機構21により適切な照明状態となるように昇降調整され、導かれた照明光をステージ3の標本2に集光させる。
ここで、レボルバ5は、所望の対物レンズ4を対物光軸11上に配し、該対物レンズ4が昇降機構6によりステージ3上の標本2にピントが合わされる。これにより、対物レンズ4は、標本2の像を無限遠に投影する。この対物レンズ4を出射した平行光が結像レンズ7により対物1次像14a、14b、14cとして結像されて、光路切換機構8により選択的に各観察光路11′、12、13に分割される。
光路切換機構8は、そのミラー8a、8bを、対物光軸11上から離脱させると、観察光路11′に切換設定され、そのミラー8aが対物光軸11上に挿入されていると、観察光路12へ、ミラー8aが対物光軸11から離脱され、ミラー8bが対物光軸11上に挿入されていると、観察光路13へ分割する。これら観察光路11′、12、13に導かれた対物1次像14a、14b、14cは、撮像部15a、撮像部15b、により撮像されて例えば図示しないモニタ等により観察可能となる。
このうち対物レンズ1次像14cは、ミラー8bで偏向された後、リレー光学系9により再度、無限遠に投影され、鏡筒16の結像レンズ16aにより結像され、プリズム16bにより観察者の方向へ偏向されて接眼レンズ16cにより検鏡者Aによる目視の観察が可能となる。
次に、落射蛍光観察の場合の作用を説明する。この場合には、光源231が駆動されて照明光が発せられ、この照明光が励起フィルタ233を透過して波長選択された後、ダイクロイックミラー234により反射されて対物光軸11と同軸的に導かれ、照明光学系232により対物レンズ4を介して標本2に集光されて該標本2を励起させる。励起された標本2から発光した蛍光は、対物レンズ4で無限遠に投影され、ダイクロイックミラー234、吸収フィルタ235を透過し観察に必要な波長のみに選択される。以降は、前述した透過照明観察の場合と同様に撮像部15a、15bを介して画像データとして、あるいは接眼レンズ16cによる目視による観察が可能となる。
また、このような顕微鏡としては、図中では、図示していないが、複数の結像レンズ7,16aを光路上に挿脱したり、結像レンズ7の手前に変倍レンズを挿脱させる機構が顕微鏡本体1に内蔵されていて倍率が変更可能になっているものもある。
しかしながら、上記倒立型顕微鏡にあっては、顕微鏡本体1が一体的となっており、各種の構成物を内装した構成を採っているために、後から変倍装置を追加しようとしたり、あとから観察光路を分割してレーザー等を導入しようとしたりするような場合、顕微鏡本体1を改造しなくてはならず、時間も費用もかかるという不都合を有する。
特に、レーザー光を導入する場合、レーザー光は、平行光なので対物レンズ4と結像レンズ7の間の無限遠光束中で導入するのが簡易的には便利であるが、これもスペースがないと後から追加するのは大変である。そこで、落射照明装置の替りに導入する事も可能であるが、併用することは困難である。
また、結像レンズ7から対物1次像14a、14b、14cまでの距離は、決まっているので撮像部15bのように顕微鏡本体1の中に潜り込まして配設しなければならないために、大きな撮像部を装着することが困難であるという問題を有する。仮に、撮像部が取り付いたとしても顕微鏡本体の撮像部取りつけ面となるマウントから対物1次像までの距離が短いと、途中に変倍レンズを挿入しようとした場合にスペースがなく取りつかないといった問題が生ずる。
さらに撮像部を2台装着しようとした場合、撮像部15bの他のもう1台の撮像部は撮像部15aのように顕微鏡本体1の下側に装着することになるために、机34に穴を空けなくてなばらず大掛かりとなる。また、光路を水平方向に偏光するようにミラー8bを配置して目視観察光路とは別の方向に水平に撮像部15aを装着する方法もあるが、机上面から近くなりやはり大きな撮像部が装着できないという問題を有する。
そこで、このような問題を解決する方法として、特許文献1、特許文献2に開示されるように、顕微鏡本体を上下に2体化し、その間に照明装置や撮像装置、測光装置などの光学ユニットを挿入可能にした本体構造のものが提案されている。
しかしながら、上記本体構造では、いずれも、ステージ、レボルバ、透過照明支柱を上に嵩ね上げる構成であるために、顕微鏡全体が不安定になるばかりでなく、ステージ上面が高くなるために、標本交換や標本操作などが煩雑で、取扱いが面倒となるという不具合を有する。
ところで、一般的な倒立型顕微鏡は、前述した通り標本の下側に対物レンズが配置されていて下側から観察するように構成される。そして、正立型顕微鏡においては、標本の上側に対物レンズが配され、標本の上側から観察するように構成されている。また、正立型顕微鏡には、標本を積載するステージを上下移動させて標本にピントを合わせるタイプと、対物レンズを保持したレボルバを上下移動させて標本にピントを合わせるタイプの2種類ある。
この中で、倒立型顕微鏡は、せいぜい厚くても10〜20μm程度の培養細胞を観察するのに主に用いられ、正立型顕微鏡は、50〜200μm程度の厚い組織スライスを観察するのに主に用いられる。
そして、これら倒立型顕微鏡及び正立型顕微鏡においては、電気生理実験の手法であるパッチクランプ法と呼ばれる先端が、1μm程度のガラス電極で細胞の電位を計測する実験や、やはり先端が数μmのガラス管により細胞に蛍光色素等を導入するインジェクションが行なわれる。
例えば、組織スライスのように標本が厚い場合は、上側から観察しながら標本の上側にガラス電極やガラス管を刺し、標本が薄い場合は下側から観察しながら上側からガラス電極やガラス管を刺す方法が採られる。このようにいずれもガラス電極やガラス管を上側から操作するのであるが、顕微鏡は、標本の厚さによって倒立型顕微鏡と正立型顕微鏡を使い分けて行われる。よって、実験内容によって培養細胞と組織スライスを使い分けたい場合には2台の顕微鏡を、備えなければならないという不都合を有する。
そこで、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6に開示されるように標本の下側より観察する倒立型顕微鏡をベースとして、標本の上側より観察する観察手段を付加した構成のものが提案されている。
即ち、特許文献3には、透過照明支柱を回転させてコンデンサレンズと実体顕微鏡とを選択的に光軸に配置するようにした倒立型顕微鏡が開示されている。また、特許文献4には、透過照明支柱のコンデンサホルダを介して対物レンズを保持した倒立型顕微鏡が開示されている。さらに、特許文献5には、透過照明用コンデンサ装置と一体的に観察手段を設けた倒立型顕微鏡及びコンデンサ装置が開示されている。そして、特許文献6には、倒立顕微鏡のステージより上方に設置した支柱に、対物レンズの光軸方向に駆動する昇降機構を固定し、この昇降機構の可動側に対物レンズレボルバや落射蛍光照明装置、レーザ導入ユニット、観察光学系ユニット、撮像部をなどを配置したシステム顕微鏡が開示されている。
特開平11―72715号公報
特開平11―344675号公報
特公平5―5330号公報
特開平10―90604号公報
特開平11―218683号公報
特開2002−55282号公報
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係るシステム顕微鏡を示すもので、ベース部30は、略板状に形成され、その上面部に標本31を搭載するステージ32が支持部材33を介して着脱自在に配される。そして、このベース部30は、その下面部に4本の支持脚34が立設され、この4本の支持脚34を介して床上に設置される。
また、ベース部30には、第2の昇降機構である焦準機構35を介してレボルバ36が昇降自在に設けられる。このレボルバ36には、複数の対物レンズ37が着脱自在に配され、ステージ32の下面側の対物光軸(観察光軸)11上に択一的に挿脱する。レボルバ36は、アリ361を介して上記焦準機構35に着脱自在に配される。
焦準機構35には、焦準ハンドル351が設けられ、その回転操作に連動して上記レボルバ36のホルダ362を昇降させて上記対物レンズ37の焦点を制御してピントを合わせる。
上記ベース部30の下面側には、それぞれアリ301が設けられる。このうち下面側のアリ301には、落射蛍光照明装置38が着脱可能に装着されている。この落射蛍光照明装置38には、その下面側に上記アリ301と同形状のアリ381が設けられ、このアリ381を利用して同形状のアリ391が設けられたレーザー導光ユニット39が着脱自在に組付けられる。このレーザー導光ユニット39には、そのアリ391を利用して観察鏡筒を構成する観察光学ユニット40が着脱自在に組付けられる。
ここで、上記落射蛍光照明装置38及びレーザー導光ユニット39は、対物レンズ37と観察鏡筒を構成する観察光学ユニット40との間に配置される光学ユニットで、中間鏡筒と称される。
上記落射蛍光照明装置38には、光源41が着脱自在に装着される。この落射蛍光照明装置38には、光源41からの照明光を対物レンズ37を介して標本31に集光させる照明光学系382、標本31を染色した蛍光色素を励起するのに適当な波長を照明光から選択的に透過する励起フィルタ383、対物レンズ37の光軸に対して45°に配置されて対物光軸11と同軸的に照明光を導きつつ、励起フィルタ383を透過した波長を選択的に反射し、且つ標本31からの蛍光を波長選択的に透過するダイクロイックミラー384、標本31からの蛍光を波長選択的に透過する吸収フィルタ385を内装されている。
なお、これらの励起フィルタ383、吸収フィルタ385、ダイクロイックミラー384は、図示しないターレット式、スライド式などの移送構造により対物光軸11上に挿脱可能となっている。
また、上記レーザー導光ユニット39には、レーザー光源42が着脱自在に装着される。レーザー導光ユニット39には、対物レンズ37の対物光軸11に対して45°に配置されてレーザー光源42からのレーザーを、対物レンズ37を介して標本31に向けて対物光軸11と同軸的に導光させるミラー392が内装されている。
ミラー392は、対物光軸11に対して挿脱可能となっており、レーザーを照射する必要がない場合、その光路から離脱され、レーザー光源42の光路が遮断される。ここでは、ミラー392として、レーザー光源42を100%反射させるミラーを用いているが、必ずしもその必要はなく、使用するレーザー光源42の波長のみを反射し、観察に必要な波長を透過するダイクロイックミラーであっても良い。この場合はミラー392の挿脱は、不要になる。
上記観察光学ユニット40には、観察光路を2つに分割し、分割した各光路へ切換え可能な光路切換えミラー401、対物レンズ37から平行に出射された平行光を結像させるための結像レンズ402、結像レンズ402により結像された対物1次像14cをアイポイントアジャスタ43を介して目視観察用の鏡筒44に向けて無限遠に投影するリレー光学系403及びミラー404、405が内装されている。この観察光学ユニット40の光路の切換は、結像レンズ402の下側に配置された光路切換えミラー401の挿脱を行なうことで、対物光軸11が観察光路11′、13に分割される。観察光路11′上には、図示しないモニタ等の表示部に接続される撮像部44aが配置される。
上記鏡筒44は、結像レンズ441、プリズム442、接眼レンズ443が装備され、リレー光学系403で無限遠に投影された光を結像レンズ441で結像して、プリズム442により偏向して接眼レンズ443により検鏡者Aによる目視の観察を可能とする。
また、上記ベース部30の上面側のステージ32の後方位置には、アリ302が設けられ、このアリ302を利用して透過照明装置45が着脱可能に装着される。この透過照明装置45は、昇降機構部46と透過照明部47で構成され、昇降機構部46が上記アリ302を利用してベース部30に着脱自在に装着される。そして、この昇降機構部46には、同様のアリ形状を有したアリ461が設けられ、このアリ461を利用して上記透過照明部47上に着脱自在に装着されて積重配置される。
透過照明部47には、標本31を照明する光源48が着脱可能に装着される。そして、この透過照明部47には、光源48からの照明光を集めてコンデンサレンズ49に向けて出射する照明光学系471、ミラー472が内装される。そして、昇降機構部46には、コンデンサホルダ462が図示しない第1の昇降機構を介して昇降自在に設けられる。このコンデンサホルダ462は、操作ハンドル463の操作に連動して、上記第1の昇降機構(図示せず)を介して昇降駆動される。
コンデンサホルダ462には、アリ464が設けられ、この464を利用して照明光を標本31に集光する上記コンデンサレンズ49が着脱自在に装着される。このコンデンサレンズ49は、上記操作ハンドル463の操作に連動してコンデンサホルダ462を介して昇降されて最適な照明を得るように設定される。
ここで、例えば上記ベース部30を設置する支持脚34は、可変調整可能に設けられ、床からベース部30までの間が700mm〜800mm程度に設定される。そして、上記観察光学系40に対してアイポイントアジャスタ43を介して配される鏡筒44は、そのアイポイントアジャスタ43の長さ調整により、検鏡者のアイポイント(E.P)までが床から約1100mm〜1250mm程度になるように設定される。
上記構成において、透過照明観察の場合、ステージ32上に標本31を搭載して、光源48が駆動される。すると、光源48から出射された照明光は、照明光学系471を介してミラー472によりコンデンサレンズ49に向けて偏向され、該コンデンサレンズ49によりステージ32上の対物光軸11上に配置した標本31上に集光される。
この際、対物レンズ37は、焦準機構35の焦準ハンドル351の操作によりレボルバホルダ362が昇降されて標本31に対してピントが合わせられ、標本31の像を無限遠に投影する。ここで、対物レンズ37を出射した平行光は、結像レンズ402により対物1次像14aとして結像され、光路切換えミラー401の着脱操作に応じて、各観察光路11′あるいは観察光路13に導かれる。
このうち観察光路11′に導かれた対物1次像14aは、撮像部44aにより撮像されて上記表示部(図示せず)で画像データとして観察される。他方の対物1次像14cは、ミラー404で偏向された後、さらにミラー405偏向されながらリレー光学系405により再度、無限遠に投影され、アイポイントアジャスタ43を介して鏡筒44の結像レンズ441により結像されて、プリズム442により偏向されて接眼レンズ443により目視の観察が可能に変換される。ここで、アイポイントアジャスタ43は、観察光学ユニット40と鏡筒44の間にアリ431により着脱自在に装着されており、異なる長さのアイホイントアジャスタ43を種々用意しておき、それらを組み合せたり交換したりすることで、検鏡者Aのアイポイント(E.P)が適正となるように調整して使用される。
ここで、観察光学ユニット40は、リレー光学系403により対物1次像14cを無限遠に投影していることにより、アイポイントアジャスタ43の長さが変わっても、結像レンズ402による鏡筒44内の結像位置は変わることなく、観察することができる。なお、透過照明観察時に視野の色付きが気になる等の場合には、例えば上記落射蛍光照明装置38の励起フィルタ383、吸収フィルタ385、ダイクロイックミラー384を光路から離脱させて上述した手順で観察が行われる。
次に、落射蛍光観察を行う場合について説明をする。
即ち、ステージ32上に標本31を搭載して、光源41が駆動される。すると、光源41から出射した照明光は、励起フィルタ383を透過して波長選択的され、ダイクロイックミラー384により反射されて対物光軸11と同軸的に導かれて、照明光学系382により対物レンズ37を介して標本31に集光され、該標本31を励起する。
この励起された標本31から発光した蛍光は、対物レンズ37で無限遠に投影され、ダイクロイックミラー384、吸収フィルタ385を透過し観察に必要な波長のみに選択される。以後、前述した透過照明観察の場合と同様に撮像部、目視により観察可能となる。
レーザー光源42からのレーザーを標本31に照射する場合は、ミラー392を対物レンズ37と結像レンズ402の間の対物光軸11に挿入し、レーザー光源42が駆動される。すると、レーザー光源42から出射されたレーザーは、ミラー392により対物レンズ37に向けて対物光軸11と同軸的に偏向され、対物レンズ37により標本31に集光される。
ここで、例えばレーザー光源42がUVレーザーの場合には、レーザーシザーとしてよく利用され、細胞に穴を空けたり、細胞質の一部を死滅させたりして細胞の生理的反応を観察したりする。
また、IRレーザーの場合には、高NAの対物レンズと組み合せて細胞を補足するレーザートラップとしてよく利用される。可視のレーザーを利用して蛍光染色されたタンパク質などの一部を、局所的に短時間に強制的に励起して一気に退色させることで蛍光の発光を止め、その周囲からの蛍光染色されたタンパク質がレーザー照射部位に移動してくる様子を蛍光の発光の回復として認識する、いわゆるFRAPと言われる手法に用いられる。
これらのレーザーを用いた手法は、透過照明観察や、落射蛍光観察と同時に行う場合も多く、その場合にはミラー392の代りに使用するレーザーの波長のみを反射して観察に必要な波長を透過するダイクロイックミラーを使用すればよい。また、落射蛍光観察とレーザーを用いた手法を同時に行う必要のない場合には、使用するレーザーの波長が、落射蛍光観察時に光路に挿入される吸収フィルタ385、ダイクロイックミラー384をあまり透過しない状況で、それらを光路から外せばよい。
なお、上記説明においては、落射蛍光照明装置38を上側に、レーザー導光ユニット39を下側に配置したが、スペース等の都合により逆に装着することも可能である。
このように上記システム顕微鏡は、ベース部30を4本の支持脚34を介して床上に設置して、このベース部30の下側に落射蛍光照明装置38や、レーザー導光ユニット39などの中間鏡筒を着脱自在に配し、さらにその下側に観察光学ユニット40を着脱自在に配するように構成している。
これによれば、中間鏡筒の追加などのシステムアップをしょうとした場合には、従来のように顕微鏡本体を改造したりすることなく、簡便にして容易に行うことが可能となり、その観察形態の多様化を容易に図ることが可能となる。
また、これによれば、レーザーを導入する観察形態の場合でも、対物レンズ37と結像レンズ402との間の無限遠光束中で導入できるようになっているので標本上ヘレーザーを集光するのが容易である。
さらに、レーザー導光ユニット39だけでなく、落射蛍光照明装置38も平行光中に配されていることにより、ダイクロイックミラー384や吸収フィルタ385などによる心ずれや同焦ずれもなく、標本位置を修正したり、標本31へのピント修正を行う必要もないことで、容易な取扱い操作が実現される。また、中間鏡筒を装着してもステージ32、レボルバ36、透過照明支柱45を上に嵩上げする必要がなく下側に伸びる構成を採用していることで、顕微鏡全体が不安定になることもなく、振動に強い高い剛性を確保できるため、観察精度の高精度化を図ることができる。そして、ステージ32上面があまり高くならないことで、標本交換や標本操作なども容易である。
また、これによれば、観察光学ユニット40は、対物レンズ37から出射した平行光を再び平行光となるようにリレーする構成を採用していることにより、鏡筒16との間に異なる長さのアイポイントアジャスタ43を挿入することで、最適な検鏡姿勢を確保することができるため、観察時の疲労軽減を図ることができる。
また、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、図2乃至図9に示すように構成することも可能である。但し、これら図2乃至図9においては、便宜上、上記図1と同一部分について、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
先ず、図2に示す実施の形態においては、中間鏡筒を構成する光学ユニットとして、同様のアリ形状を有したアリ501を設けたフィルタ切換装置50を、そのアリ501を利用して落射蛍光照明装置38と観察光学ユニット40との間に着脱自在に配するように構成したものである。
このフィルタ切換装置50には、異なる透過波長域をもつ複数、例えば2種類のフィルタ502、503が内臓されており、図示しないターレット式、スライダ式などの公知の切換機構により対物光軸11上にフィルタ502、503の一方が選択的に挿脱可能に構成される。
このフィルタ切換装置50は、例えば落射蛍光照明装置38と同時に使用する場合が多く、例えばカルシウム濃度の計測などに使用される。この場合、落射蛍光装置38の吸収フィルタ385は、光路から外した状態にし、励起フィルタ383、ダイクロイックミラー384のみが使用される。
上記構成により、細胞内のカルシウム濃度をその濃度によって変化する蛍光指示薬を用いた計測の作用を説明する。
即ち、光源41から出射された照明光は、同様に照明光学系382を介して、励起フィルタ383によりカルシウム蛍光指示薬を励起するのに必要な波長に選択され、ダイクロイックミラー384により励起波長のみを反射され、対物レンズ37により標本31に励起光が照射される。そして、標本31から発した蛍光は、対物レンズ37により無限遠に投影され、ダイクロイックミラー384を透過し、フィルタ切替え装置50内のフィルタ502、503が、例えば電動で高速で交互に光路に挿脱される。そして順次切り換わるフィルタ502、503を透過した蛍光像は、撮像部44aに導かれて撮像される。この蛍光像は、カルシウム濃度が変化すると、フィルタ502、503を透過する蛍光の明るさの比率が変わるため、撮像部44aaで撮像された蛍光像を解析する事で細胞内のカルシウム濃度の径時変化を知ることができる。
このように上記フィルタ切換装置50を装着して、励起フィルタ383、ダイクロイックミラー384は動かさず、そのフィルタフィルタ切換装置50内のフィルタ502、503を切り替えるように構成していることにより、負荷が小さく高速で切り替える事ができるので、カルシウム濃度などの速い生理現象の解析に有効な効果が期待できる。また、対物レンズ37と結像レンズ402との間の平行光中にフィルタ切換装置51を配置したので、フィルタ502、503の厚が異なっても同焦がずれる心配がなく、撮像部44aによる高速の撮像が可能となる。
さらに、フレア防止の為にフィルタ502、503を5°程度傾けたりする場合があるが、そのような場合でも心ずれの心配がなく、カルシウム濃度の分布も正確に解析できる。そして、従来の倒立顕微鏡では、落射蛍光照明装置の下側の平行光中のスペースを確保することが、非常に難しかったが、ベース部30の下側に延びる中間鏡筒として組付け配置することが可能となるため、容易に配置スペースを確保することができる。
また、図3に示す実施の形態では、中間鏡筒を構成する光学ユニットとして、、さらに同様のアリ形状のアリ511を設けた変倍装置51を、そのアリ511を利用して落射蛍光照明装置38と観察光学ユニット40との間に着脱自在に配するように構成したものである。この変倍装置51には、2倍の変倍レンズ512が内装され、図示しないターレット式、スライダ式等の切換機構により変倍レンズ512を対物光軸11上に選択的に配置する。これにより、変倍装置51は、対物レンズ37と結像レンズ402との間の平行光中に配置され、対物レンズ37による無限遠に投影された像を、変倍レンズ512により倍率を上げて再度無限遠に像を投影する。
上記構成により、変倍レンズ512が光路に配されていない状態では、対物レンズ37の倍率で接眼レンズ443や撮像部44aで観察でき、上記変倍装置53の変倍レンズ54が光路に挿入されると、対物レンズ4の倍率にさらに2倍の倍率がかかった観察が可能となる。
このような平行光中に変倍装置51を配置した構成によれば、その変倍構造が、いわゆるアフォーカル変倍となっていることにより、落射蛍光照明装置38などの他の中間鏡筒があっても、なくても観察光学ユニット40による像位置は変わらず、且つ変倍レンズ512が光路にあってもなくても観察光学ユニット40による像位置は変わらないので、変倍しても再度ピント合せを行う必要がないことにより、高精度なシステム構成が実現される。
また、この実施の形態によれば、従来の倒立型顕微鏡では、顕微鏡本体内に変倍装置を内装することが多く、この変倍装置を、後から追加しようとすると、その製作に多大な費用と時間を費やすため、変倍装置51を内装したタイプと、内装していないタイプとの機種を用意しなくてはならず、商品管理が煩雑なものであったが、必要に応じて変倍装置を後から簡単に装着できるので、容易なシステム構成が可能となり、仕様形態の多様化に寄与することができる。そして、仕様形態に応じて、変倍装置51が不用な場合には、離脱することにより、小型化が確保される。
また、図4に示す実施の形態では、中間鏡筒を構成する光学ユニットとして、上記落射蛍光照明装置38、レーザー導光ユニット39の代りに同じアリ形状のアリ521を設けた光路切換ユニット52を、そのアリ521を利用してベース部30の下側に着脱自在に配するように構成したものである。この光路分割ユニット52は、対物光軸11と光路524の双方に対して45°に傾いたミラー522、及び対物レンズ37からの平行光を結像させる結像レンズ523が内装される。ミラー522は、図示しないタレット式、スライド式等の切換機構により対物光軸11上に挿脱可能になっており、ミラー522が対物光軸11に挿入されると、対物レンズ37から出射した平行光を結像レンズ523に向けて偏向して対物1次像14dを撮像部44dに投影する。
また、光路切換ユニット52には、変倍アダプタ53が着脱自在に組付けられる。この変倍ダアププタ53の光路上には、上記撮像部44dが着脱自在に装着される。撮像部44dは、変倍アダプタ53を介して対物1次像14dが導かれ、該対物1次像14dを撮像する。変倍アダプタ53には、図示しないターレット式、スライド式等の切換機構を介して2倍の変倍レンズ531が光路上に挿脱可能に設けられており、変倍レンズ531が光路から外れている状態で、対物レンズ37の倍率と同じ倍率で対物1次像14dに投影し、変倍レンズ531が光路に挿入されている状態で、対物レンズ37の倍率にさらに2倍率の倍率の対物1次像14dを撮像部44dに投影する。
上記構成において、光路切換ユニット52のミラー522が対物光軸11から離脱された状態では、平行光が結像レンズ402に導かれて接眼レンズ443、あるいは撮像部44aにより標本像が観察可能となる。
そして、光路切換ユニット52のミラー522が対物光軸11上に挿入されると、変倍レンズ531が光路524に配置されていない状態では、対物レンズ37と同じ倍率で撮像部44dにより観察可能となる。この際、変倍アダプタ53の変倍レンズ531が上記切換機構(図示せず)を介して移動されて光路524に配置されると、対物レンズ37の倍率に2倍の倍率をかけた標本像が、撮像部44dで撮像されて観察可能となる。
上記構成によれば、光路切換ユニット52を対物レンズ37と結像レンズ402との間の平行光中に配置していることにより、光路分割ユニット52内の結像レンズ523を光路524上の任意の位置に自由に配置することが可能とる。この結果、例えば結像レンズ523を図4に示すように検鏡者Aのなるべく後ろに配置することで、結像レンズ523から対物1次像14dまでの長さを有効に利用でき、その後方部位に変倍アダプタ53等を挿入するスペースを確保できるため、撮像部44dの大形化を容易に図ることができる。
また、この実施の形態によれば、中間鏡筒を1つしか装着していない仕様であるが、そのような場合でも前述したとおり、アイポイントアジャスタ43の長さを最適にしてあげれば、楽な検鏡姿勢で観察が可能となる。
上記説明では、光路切換ユニット52と撮像部44dの間に変倍アダプタ53を挿入して便用しているが、例えば倍率切換え手段が必要ない場合は、固定倍率のアダプタを使用するように構成しても良い。
また、ミラー522を、対物光軸11上に挿脱することで、光路を切り替えているが、ダイクロイックミラ一等を光路に挿入したままで波長分離して各光路で観察するように構成することも可能である。この構成の場合には、光路分割ユニット52内の結像レンズ523の手前の各光路にさらに必要な波長を選択するフィルタ等を挿脱可能に配するように構成してもよい。結像レンズ523,402の手前にフィルタを配置すれば、前述のようにフィルタによる同焦ずれや心ずれの心配もなくなり、さらに観察精度の向上が図れる。
さらに、上記説明では、光路切換ユニット52のみ装着した中間鏡筒を用いて構成しているが、その他、上記落射蛍光照明装置38などの他の中間鏡筒を装着することも可能である。
また、図5に示す実施の形態では、中間鏡筒を構成する光学ユニットとして、上記落射蛍光照明装置38、レーザー導光ユニット39の他にさらに同じアリ形状のアリ541、551を設けた光路分割ユニット54、55を、順に着脱自在に積重配置するように構成したものである。そして、観察鏡筒として、上記観察光学ユニット40の代りにコンフォーカル観察装置56を組付け配置する。このコンフォーカル観察装置56には、同様のアリ形状のアリ561を設けて、このアリ561を利用して上記光路分割ユニット55の後に、着脱自在に積重配置する。
即ち、光路分割ユニット54は、対物光軸11上に配された結像レンズ542と該結像レンズ542の後に配置したミラー543が内装される。ミラー543は、光路544と対物光軸11のそれぞれに対して45°に配置され、図示しないターレット式、スライダ式等の切換機構により対物光軸11上に挿脱可能に構成される。
光路分割ユニット54は、ミラー543が対物光軸11上に挿入されると、対物レンズ37により無限遠に投影された像が結像レンズ542により結像され、ミラー543により光路544に向けて偏向されて対物1次像14bに投影され、該光路分割ユニット54に着脱可能に装着された撮像部44bにより撮像される。
また、光路分割ユニット55は、光路分割ユニット54の後(図5中では、下方)にアリ551を利用して着脱自在に配される。この光路分割ユニット55には、ミラー552のみ内装される。このミラー552は、光路分割ユニット54のミラー543と同様、対物光軸11上に挿脱可能に配され、ミラー552が対物光軸11上に挿入されると、光路553に偏向して対物1次像14aを撮像部44aに投影する。
上記コンフォーカル観察装置56は、対物レンズ37の射出瞳を投影する瞳投影レンズ562、標本31を2次元的にスキャンする1対のガルバノミラー563、564、励起光となるレーザー光源57、レーザー光の波長を反射し、標本31からの蛍光を透過するダイクロイックミラー565、対物1次像14cをピンホール566に結像させる結像レンズ567、標本2からのデフォーカス像をカットするピンホール566、標本2からの蛍光波長のみを選択的に透過する吸収フィルタ568、蛍光を集光させる集光レンズ569、該集光レンズ569で集光された標本31からの蛍光強度を測光するフォトマル58により構成される。
上記構成において、撮像部44bによる観察を行う場合には、光路分割ユニット54の図示しない光路切換え操作部によりミラー543を対物光軸11上に配する。これにより、対物レンズ31で取り込んだ標本像である平行光が撮像部44bに撮像されて該撮像部44bによる観察が行われる。また、撮像部44aによる観察を行う場合には、光路分割ユニット54のミラー542を対物光軸11から離脱させ、光路分割ユニット55のミラー552を対物光軸11上に配する。これにより、対物レンズ37で取り込んだ標本像である平行光が撮像部44aに撮像されて該撮像部44aによる観察が行われる。
この際、落射蛍光照明装置38のダイクロイックミラー384、吸収フィルタ385、レーザー導光ユニット39のミラー392は、必要に応じて対物光軸11から離脱させて観察が行われる。
次に、コンフォーカル観察を行う場合の説明をする。先ず、落射蛍光照明装置38、レーザー導入ユニット39、光路分割ユニット54、55の対物光軸11上に挿入されている光学部材は、光路から離脱させる。これにより、レーザー光源42を出射したレーザーは、ダイクロイックミラー565により反射されてガルバノミラー563、564により反射され、瞳投影レンズ562、結像レンズ542を透過し対物レンズ37により標本31上に集光されて、該標本31に蛍光染色された色素が励起される。
上記レーザーにより励起されて発光した標本31の蛍光は、対物レンズ37、結像レンズ542により対物1次像14cに投影され、該対物1次像14aがガルバノミラー563、564で反射されて、瞳投影レンズ562、結像レンズ567によりピンホール566上に投影される。ここで、ピンホール566で、わずかにデフォーカスした標本31の像がカットされ、完全にフォーカスが合った面の光だけが集光レンズ569を介してフォトマル58に入射される。同時に、集光レンズ569の手前に配置される吸収フィルタ578により、蛍光観察に必要な波長のみが選択され、フォトマル58に入射され、標本31上のフォーカスが完全に合ったある1点のみの強度情報が取得される。
この際、上記一対のガルバノミラー563、564が、標本31上をX,Y方向にスキャンされ、各点の強度情報が2次元的に収集されて、図示しない同期機能などを備えた解析装置を介してモニタ上に表示され、ここに2次元像として観察可能となる。
上記実施の形態によれば、光路分割ユニット54は、結像レンズ542の後(図5中では、下方)で光路分割していることにより、標本側(図中上側)に落射蛍光照明装置38、レーザー導光ユニット39等の中間鏡筒が配されて対物レンズ37の平行光が広がっても、なるべく結像レンズ542を対物レンズ37の近くに配置することができることにより、結像レンズ542で光が、いわゆるけられることなく、広い視野を確保することができる。また、その後(図5中では、下方)の光路分割ユニット55も、上記手前(標本側)の光路分割ユニット54の結像レンズ542で対物レンズ37から出射した平行光が集光されているので、やはり同様に、けられることなく、広い視野を撮像できる。
さらに、コンフォーカル観察装置56は、視野の周辺までむらなく観察しようとすると、対物レンズ37の射出瞳位置がガルバノミラー563、564と光学的に共役な位置になければならず、対物レンズ37、結像レンズ542、瞳投影レンズ562、ガルバノミラー563、564の位置関係が常に一定する必要がある。このような場合にも、結像レンズ542の位置を変えることなく、かつ、結像レンズ542により対物レンズ37を出射した平行光が、結像レンズ542でけられることなく、コンフォーカル観察が可能となり、2つの撮像部44a、44bによる観察が実現される。
また、コンフォーカル観察装置56は、一般に大型な装置となるが、各種光学ユニットの一番下に配しているので、他のユニットの操作の邪魔になることもなく、十分な配置スペースを確保できる。
なお、この実施の形態では、光路分割ユニット55が光路分割ユニット54とコンフォーカル観察装置56の間に装着されているが、撮像部44a、44bを1つしか使用しない場合などは、光路分割ユニット55と胴付間の寸法が同じ空の筒などでつなぐように構成してもよい。また、ミラー543、552は、観察に必要波長だけを反射するようなダイクロイックミラーにして対物光軸11上に配置したままの構成にしてもよい。
また、図6の実施の形態では、ベース部30に対してレボルバ36及びコンデンサレンズ49の配置を上下交換配置して倒立型顕微鏡構成から正立型顕微鏡構成に組み換え配置したものである。
即ち、上述したようにベース部30は、4本の支持足34で床から支えられ、その上面側に標本31を積載するステージ32が支持部材33を介して着脱可能に取付けられる。そして、このベース部30には、ステージ32に対応して上記焦準機構35が設けられ、この焦準機構35に対して、倒立型顕微鏡構成の際にステージ32の上方側に配したコンデンサレンズ49を、上記ステージ32の下側に配していたレボルバ36と交換配置する。
また、ベース部30上に着脱自在に装着される昇降機構部46には、倒立型顕微鏡構成の際にステージ32の下側に配したレボルバ36を、上記ステージ32の上側に配していたコンデンサレンズ49と交換配置する。
さらに、ベース部30の下側には、倒立型顕微鏡構成の際に昇降機構部46上に配していた透過照明装置を構成する透過照明部47が、そのアリ471を利用して着脱自在に装着される。そして、上記昇降機構部46の上側には、落射蛍光照明装置38が、そのアリを利用しれ着脱自在に装着し、この落射蛍光照明装置38上には、そのアリを利用して観察鏡筒である鏡筒44を着脱自在に装着する。
なお、上記透過照明装置は、上述した各実施の形態における透過照明装置45の上側部分である透過照明部47とほぼ同じ構成、作用を備えており、図6中では、図の都合上、相手ユニットヘの取付け形状が若干異なって図示しているが、同一部分について、同一符号を付して示す。
また、昇降機構部38は、コンデンサレンズ49の昇降駆動に使用していたが、レボルバ36の昇降に使用しても問題ないレベルの剛性、位置再現精度を有して構成される。そして、レボルバ36は、図6中において、図の都合上、上述した各実施の形態における構成と若干異なり、例えば前後にスイングする方式のものを示す。
上記構成において、透過照明観察を行う場合には、ステージ32上に標本31を搭載して光源48が駆動される。すると、この光源48で発した照明光は、照明光学系471を介してミラー472によりコンデンサレンズ49に向けて偏向される。ここで、コンデンサレンズ49は、焦準機構35の焦準ハンドル351の操作により昇降調整されて、適切な照明光を標本31上に集光するように調整される。
ここで、対物レンズ37は、昇降機構部46の操作ハンドル463により標本31にピントが合わされ、ステージ32上の標本31の像が無限遠に投影される。対物レンズ37を出射した平行光は、鏡筒44の結像レンズ441により結像され、プリズム442により検鏡者Aの方向へ偏向され接眼レンズ443により目視の観察が行われる。
そして、この透過照明観察時に視野の色付きが気になる場合などは、必要じ応じて落射蛍光照明装置38の励起フィルタ383、吸収フィルタ385、ダイクロイックミラー384を、光路から離脱して行う。
次に、落射蛍光観察を行う場合は、ステージ32上に標本31を搭載して光源41が駆動される。すると、光源41から発した照明光は、照明光学系471により励起フィルタ383に導かれて該励起フィルタ383により波長選択的されて、ダイクロイックミラー384により反射され、対物光軸11と同軸的に導かれ、対物レンズ37を介して標本31に集光されて標本31の蛍光を励起する。励起された標本31から発光した蛍光は、対物レンズ37で無限遠に投影され、ダイクロイックミラー384、吸収フィルタ385を透過し観察に必要な波長のみに選択される。以降は、上述した透過照明観察の場合と略同様に接眼レンズ443により目視の観察が行われる。
上記実施の形態によれば、ベース部30、ステージ32、焦準機構35、レボルバ36、昇降機構部46、鏡筒44を使用して、若干形状のことなる透過照明部38、落射蛍光照明装置47を交換配置するだけで、倒立型顕微鏡構成から正立型顕微鏡構成の構築換えすることが可能となり、簡便な構成を確保したうえで、多様な仕様形態を、簡便にして容易に実現することが可能となる。
また、図7に示す実施の形態では、図6に示す実施の形態で説明した落射蛍光照明装置38と鏡筒44の間に、上記図1に示す実施の形態において配したアリ47aが設けられたレーザー導光ユニット39を、そのアリ391を利用して着脱自在に装着するように構成したものである。
上記レーザー導光ユニット39は、レーザー光源42及びミラー392が設けられ、そのレーザー光源42よりレーザーが発されると、該レーザーがミラー392により対物レンズ37に向けて対物光軸11と同軸的に偏向され、対物レンズ37により標本31上へ集光される。これにより、同様にレーザーを用いた同様の観察形態が正立型顕微鏡構成で行うことが可能となる。
上記実施の形態によれば、レーザー導入ユニット39などの光学ユニットを中間鏡筒として鏡筒44と落射蛍光照明装置38の間に配することができるため、正立型顕微鏡構成においても、倒立型顕微鏡と略同様に多様な仕様形態を実現することができる。
また、図8に示す実施の形態では、標本31に対して上方と下方の双方に対物レンズを配置し、正立型顕微鏡と倒立型顕微鏡を組み合わせた構成としたものである。
この実施の形態では、ベース部30は、4本の支持足34で床から支えられ、その上面側に標本31を積載するステージ32が支持部材33を介して着脱可能に取り付けられている。また、ベース部30には、ステージ32の下方に可動部を配する焦準機構35が設けられるとともに、ステージ32の上方に可動部を配する昇降機構部46が設けられている。これら焦準機構35および昇降機構部46には、各々の可動部上に構成された第1のレボルバ36’および第2のレボルバ36’’が配置されている。また、これら第1のレボルバ36’および第2のレボルバ36’’には、標本31を挟むようにして各々第1の対物レンズ37’および第2の対物レンズ37’’が配置されている。
また、ベース部30の下面側には、アリ301が設けられている。アリ301の下方には、図1で示した構成と同様な態様で、中間鏡筒と称される第1の落射蛍光照明装置38’および第1のレーザ導入ユニット39’が装着され、さらに、観察光学ユニット40を介して第1の鏡筒44’が装着されている。この場合、観察光学ユニット40と第1の鏡筒44’の間には、アイポイントアジャスタ43が装着されている。
また、ベース部30の上面側のステージ32の後方位置には、アリ302が設けられている。アリ302の上方には、図7で示した構成と同様な態様で、昇降機構部46を介して中間鏡筒と称される第2の落射蛍光照明装置38’’および第2のレーザ導入ユニット39’’が装着され、さらに、第2の鏡筒44’’が装着されている。
上記の構成中で、焦準機構35、第1のレボルバ36’、第1の対物レンズ37’、第1の落射蛍光照明装置38’、第1のレーザ導入ユニット39’、観察光学ユニット40および第1の鏡筒44’を含む構成は、倒立型顕微鏡の態様をなしており、ここでは、倒立型顕微鏡側と称する。また、昇降機構部46、第2のレボルバ36’’、第2の対物レンズ37’’、第2の落射蛍光照明装置38’’、第2のレーザ導入ユニット39’’および第2の鏡筒44’’を含む構成は、正立型顕微鏡の態様をなしており、ここでは、正立型顕微鏡側と称する。
このような構成において、倒立型顕微鏡側で落射蛍光観察を行なう場合の方法は、図1に示す実施の形態において説明した内容に準じている。また、正立顕微鏡側で落射蛍光観察を行なう場合の方法は、図6に示す実施の形態および図7に示す実施の形態において説明した内容に準じている。
一方、倒立型顕微鏡側で透過照明観察を行なう場合の方法は、図1に示す実施において説明した内容から、透過照明部47(図1参照)を第2の落射蛍光照明装置38’’に、コンデンサレンズ49(図1参照)を第2の対物レンズ37’’に置き換えることで実施する。また、正立顕微鏡側で透過照明観察を行なう場合の方法は、図6に示す実施において説明した内容から、透過照明部47(図6参照)を第1の落射蛍光照明装置38’に、コンデンサレンズ49(図6参照)を第1の対物レンズ37’に置き換えることで実施する。
上記実施の形態によれば、倒立型顕微鏡と正立型顕微鏡を同時に構成することにで、標本31の上下から同時に観察を行なったり、透過照明観察と落射照明観察を同時に行なったり、レーザを上下任意の方向から標本31に照射する等、多様な観察方法が可能となる。また、倒立型顕微鏡と正立型顕微鏡を同時に構成するに当たり、各々の安全性や剛性や操作性を損なうことなく、観察形態の制約を受けない構成とすることができる。また、これまでの実施の形態で説明したと同様に、中間鏡筒の追加や組み替えなど、多様な仕様形態を簡便にして容易に実現することが可能となる。
なお、上記各実施の形態においては、対物レンズ37と鏡筒44との間に配する光学ユニットである中間鏡筒を、いわゆる後側に配置するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、左横、右横、手前(検鏡者側)、斜め後ろ、斜め前などに光路を形成するように配することも可能である。
また、ここでは、代表的な光学ユニットの組合せを代表して説明したが、この組合せに限ることなく、各種の光学ユニットの組合せ配置が可能で、略同様の効果が期待される。例えば、光学ユニットとしては、その他、エバネッセント照明装置や、一般に正立型顕微鏡で使用されているオルソスコープやコノスコープ、検鏡可能な偏光観察装置、描画装置、多人数検鏡装置、落射明暗視野照明装置、分光装置、多光子励起コンフォーカル観察装置、Caged解除用照明装置等がある。
さらに、上記各実施の形態における各光路切換え等の可動部については、手動式、あるいは電動式で構成した場合で説明したが、その駆動方法としては、何れの方式でも構成可能である。そして、駆動方法としては、各部を連動するように構成することも可能である。
なお、上記図2乃至図7に示す各実施の形態においては、例えばステージ32を移動調整することにより、対物レンズ37及びコンデンサレンズ49との間に位置調整が行われる。
また、図9に示す実施の形態では、ステージ32を固定配置し、このステージ32に対向してベース部30を含む顕微鏡全体を二次元的に移動調整自在に配設するように構成したものである。
即ち、この実施の形態では、ベース部30を支持して、例えば床に据付け配置する4本の支持脚34を、X―Yテーブル機構60を介して二次元的に移動調整自在に配設し、ベース部30に配される対物レンズ37及びコンデンサレンズ49間に標本31を搭載するステージ32を支柱部材61を介して固定配置する。これにより、ステージ32上の標本31とベース部30の対物レンズ37及びコンデンサレンズ49とは、そのX―Yテーブル機構60を駆動制御することにより、相互間の位置決めが行われる。
なお、このステージ32と対物レンズ37及びコンデンサレンズ49との位置調整構造としては、図9に示す構成に限ることなく、各種の位置調整構造が構成可能である。
さらに、上記対物レンズ37と鏡筒44との間に配される光学ユニットである中間鏡筒としては、上記各実施の形態で説明した構成のものに限ることなく、単に、光路を備える光学ユニットを、中間鏡筒として配するように構成することも可能である。
さらに、図10に示す実施の形態では、図8に示す実施の形態における倒立型顕微鏡側の観察手段である観察光学ユニット40を除外し、これに代わって図5に示す実施の形態における観察手段である光路分割手段54,55およびコンフォーカル観察装置56を組み合わせて倒立型顕微鏡の観察手段としたものである。これにともない、図10では、図8と同一部分には、同符号を付し、また、観察光学ユニット40に代わって用いられる図5に示す光路分割手段54,55およびコンフォーカル観察装置56と同一部分には、同符号を付して説明を省略している。
この実施の形態によれば、正立型顕微鏡において、第2の鏡筒44’’による目視観察を行なうと同時に、倒立型顕微鏡においてコンフォーカル観察装置56によるコンフォーカル観察が可能となる。
なお、観察手段の構成配置は、この実施の形態に限ることなく、例えばコンフォーカル観察装置56を正立型顕微鏡側に配置したり、倒立型顕微鏡側と正立型顕微鏡側の双方にコンフォーカル観察装置56を配置することも可能である。
この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。