JP3868026B2 - 顕微鏡 - Google Patents

顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP3868026B2
JP3868026B2 JP13848296A JP13848296A JP3868026B2 JP 3868026 B2 JP3868026 B2 JP 3868026B2 JP 13848296 A JP13848296 A JP 13848296A JP 13848296 A JP13848296 A JP 13848296A JP 3868026 B2 JP3868026 B2 JP 3868026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microscope
stage
vertical movement
movable table
movement mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13848296A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09325282A (ja
Inventor
康輝 高濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP13848296A priority Critical patent/JP3868026B2/ja
Publication of JPH09325282A publication Critical patent/JPH09325282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3868026B2 publication Critical patent/JP3868026B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェーハや磁気ヘッド等の大型試料の観察に使用される顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工業分野において、半導体ウェーハや磁気ヘッド等の検査試料の大型化、重量化に伴い、顕微鏡のステージが大型化される傾向にある。同時に試料の微細化に伴い、検査倍率の高倍率化が進んでいる。このような状況により、顕微鏡においてステージを支持する焦準機構の剛性を強化して、振動による像ぶれやステージの重心移動に伴うステージの傾きを防止する必要がある。
【0003】
図7は、従来の顕微鏡の焦準機構を示す正面断面図である。図7に示す従来の顕微鏡の焦準機構では、その一部がアーム71に内蔵された上下駆動機構72を介して、ステージ73が顕微鏡本体に片持ち支持されている。このため、ステージ73に重い試料を載せたりステージ73を走査させたりした場合、ステージ73がたわんだり振動したりする。そのため、対物レンズ74に対する試料のピントがずれてしまう等の問題が生じ、焦準機構として十分な剛性を有するものではなかった。
【0004】
図8の(a)および(b)は、特開平3−58011号公報に開示されている、上述した従来の焦準機構を改良すべく開発された焦準機構を示す図であり、図8の(a)は平面断面図、図8の(b)は正面断面図である。図8の(a),(b)に示す焦準機構によると、ステージ91を支持する中空構造の台92の外側面とそれを囲む顕微鏡本体に固定された外枠93との間に、少なくとも3個(同図では4個)の上下ガイド機構94を設けている。これにより、ステージ91の上下動に係る安定性や剛性を確保するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示した従来の顕微鏡の焦準機構は、本来生物試料を観察するための小型ステージ用の焦準機構であり、ステージ73を大型化すると焦準ハンドル75が観察者から遠い箇所に位置することになる。このため、操作性が非常に悪くなるうえに、片持ち支持機構そのものがステージ73を支持するのに限界があり、大型のステージを備えた顕微鏡に適さない。
【0006】
また、図8の(a)および(b)に示した従来の顕微鏡の焦準機構は、3個以上の上下ガイド機構94によりステージ91を支持する台92が保持されているため、滑らかで高精度な台92の上下動を得るためには各部品の寸法精度を高く維持する必要がある。また、3個以上のガイド機構94を用いると過剰拘束になるため、組立調整が非常に難しく、各ガイド機構94の寸法精度や調整が不完全であると、ステージ91の滑らかな上下動が得られなくなり、かえって焦準精度が悪化してしまうという欠点がある。
【0007】
さらに、これら3個以上のガイド機構94を顕微鏡本体に設けることにより、顕微鏡本体が大型化してしまうため、作業スペースが狭くなってしまうという欠点もある。また、ガイド機構は一般に高価であるため、ガイド機構を過剰に使用することは、顕微鏡の製造原価を抑えるためにも好ましくない。
【0008】
本発明の目的は、最小限のガイド機構を用いて、重量の大きな大型のステージや試料に対しても十分な剛性と精度を備え、かつ顕微鏡本体をコンパクトに構成でき、さらに操作性が良く原価上も有利に構成できる顕微鏡を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の顕微鏡は以下の如く構成されている。
(1)本発明の顕微鏡は、顕微鏡本体に対して上下動する可動台と、前記可動台の外側面と前記顕微鏡本体に取付けられている固定枠との間に設けられた2個のガイド機構と、前記可動台の内部に設けられ、該可動台を上下動させる上下動機構と、試料を保持するため前記可動台の上面に設けられたステージと、を備え、前記上下動機構の荷重保持点が、前記ステージの重心の鉛直線上にほぼ合致するよう構成されている。
(2)本発明の顕微鏡は、顕微鏡本体に対して上下動する可動台と、前記可動台の外側面と前記顕微鏡本体に取付けられている固定枠との間に設けられた2個のガイド機構と、前記可動台の内部に設けられ、該可動台を上下動させる上下動機構と、試料を保持するため前記可動台の上面に設けられたステージと、を備え、前記上下動機構の荷重保持点が、前記顕微鏡本体に対して上下動する部分全体の重心の鉛直線上にほぼ合致するよう構成されている。
(3)本発明の顕微鏡は、上記(1)又は(2)に記載の顕微鏡であって、かつ前記顕微鏡本体は、光源からの光を前記試料に照射する対物レンズを保持し、前記対物レンズの光軸位置が前記上下動機構の荷重保持点にほぼ合致するよう構成した
(4)本発明の顕微鏡は、上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の顕微鏡であって、かつ前記上下動機構は、該上下動機構を駆動する操作ハンドルの回転を減速する手段を備える。
(5)本発明の顕微鏡は、上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の顕微鏡であって、かつ前記上下動機構を駆動する操作ハンドルは、前記上下動機構のピニオンギヤと同軸上に設けられている。
(6)本発明の顕微鏡は、上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の顕微鏡であって、かつ前記可動台の内側に、バランスバネが設けられている。
【0010】
上記手段を講じた結果、次のような作用が生じる。
発明によれば、最小限必要な例えば一組(二個)のガイド機構を用いて、重量の大きな大型のステージや試料に対しても十分な剛性と精度を保持することができる。また、顕微鏡本体をコンパクトに構成でき、さらに操作性が良く製造原価上も有利な顕微鏡の焦準機構を提供できる。
発明によれば、前記可動台は中空部を有し、その中空部内に前記上下動機構を備えたので、前記ステージの重心の鉛直下に位置する前記中空部に前記上下動機構を備えることができ、前記上下動機構における前記ステージの荷重保持点を前記ステージの重心のほぼ鉛直線上に確実に位置させることができる。
発明によれば、前記上下動機構は、該上下動機構を駆動する前記ハンドルの回転を減速する手段を備えたので、前記ステージや観察試料の重量により前記ガイド機構に発生する上下動方向と直交する方向のモーメントを抑制できる上に、さらに重量の大きな大型のステージや試料に対しても十分な剛性と精度を保持でき、かつ微細な焦準駆動が可能になる。
発明によれば、ガイド機構には可動台の運動方向、すなわち上下方向と直交する方向のモーメントを発生させることができる。このモーメントが発生することで、可動台にラックを取付け、ラックとピニオンギヤとの噛み合い位置をステージの重心位置の鉛直線上にほぼ一致させることで、ラックがピニオンギヤから受ける力によりガイド機構にはステージおよび試料の重量によるモーメントと反対方向に発生するモーメントを互いに打ち消し合う方向に作用するため、全体としてはガイド機構にかかるモーメントが抑制され、その結果滑らかで高精度な可動台の上下動が保証される。
発明によれば、ハンドルをピニオンギヤと同軸上に構成したことにより、ハンドルを支持する軸の位置がほぼ光軸位置付近になり、操作性の良い焦準機構が構成できる。
発明によれば、可動台の内側にバランスバネを設けたことにより、ステージ及び試料の重量を軽減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡の構成を示す正面断面図であり、図2は図1に示した顕微鏡の焦準機構の要部を示す平面断面図である。なお、図1,図2において同一な部分には同一符号を付してある。
【0012】
ベース1にはアーム2が取付けられており、通常これらベース1とアーム2を合わせて顕微鏡本体と称する。さらにベース1には固定枠3が取付けられており、この固定枠3の端部内側における上下方向に一組(二個)のガイド5,5が設けられている。可動台4は中空部を有する四角柱状をなしており、その二つのかどの上下方向にそれぞれガイド5,5と係合する受け部51,51が設けられている。可動台4はベース1と固定枠3のなす空間に収容され、受け部51,51がそれぞれガイド5,5と係合することで固定枠3に対して上下動可能に保持されている。
【0013】
可動台4の一内壁にはラック6が取付けられており、ピニオンギア7は回動可能かつ前記ラック6に噛み合うよう、軸71を介してベース1に支持されている。また、ピニオンギヤ7を支持する軸71の両端部には、操作ハンドル8,8が設けられている。以上のように、当該顕微鏡の焦準機構の要部が構成されている。
【0014】
可動台4の上部には試料ステージ9が取り付けられており、アーム2の先端下部にはレボルバ10が取り付けられている。対物レンズ11は、レボルバ10の回転により選択的に光軸O上に投入される。光源14から発せられた照明光は、投光管13により観察試料に与えられる。
【0015】
ハーフミラー12は、光源14から発せられた投光管13内の水平方向の照明光束を対物レンズ11の光軸Oに沿った垂直方向の照明光束に変換する。鏡筒15は投光管13上部の光軸O上に取付けられており、鏡筒15の先端部には接眼レンズ16が取り付けられている。
【0016】
なお、可動台4は対物レンズ11の光軸Oを囲むような筒状の構造をなしており、ラック6とピニオンギヤ7の噛み合う位置は、ステージ9の重心位置の鉛直線上にほぼ合致する。また、可動台4やステージ9の重量は、ラック6を介してピニオンギヤ7を回転させる力量に変換されてしまうが、図示しない力量調整機構により前記力量につり合うだけの摩擦力が発生し、操作ハンドル8が回転しないよう調整されることで、ステージ9が自然降下しないよう構成されている。
【0017】
次に、以上のように構成された顕微鏡の作用について説明する。光源14から発せられた光は投光管13内のレンズ131,132により水平方向に導かれ、ハーフミラー12によって対物レンズ11の光軸Oに沿った垂直方向の照明光束に変換される。そして対物レンズ11により集光され、ステージ9上の観察試料Sに照射される。観察試料Sで反射した光は、再び対物レンズ11で集光されて逆の経路を辿り、ハーフミラー12を通過した後、鏡筒15内の結像レンズ151により接眼レンズ16の焦点に結像され、観察者の眼に達する。
【0018】
一方、操作者が操作ハンドル8を回すことによりピニオンギヤ7が回転し、このピニオンギア7と噛み合うラック6に上下方向の力が作用する。これにより、ラック6を固定している可動台4がガイド5に沿って上下方向へ移動するので、ステージ9が上下動し、対物レンズ11に対して観察試料Sのピントが合わせられる。
【0019】
図3は、当該顕微鏡におけるピント合わせ動作時のガイド5に働く力の関係を示した図である。なお、図3において図1,図2と同一な部分には同一符号を付してある。図3において、Gはステージ9(および観察試料S(不図示))の重心位置、Pはピニオンギヤ7とラック6との噛み合い位置である。なお、より正確に記すと、焦準機構における上下動する部分全体(ステージ9のほか可動台4,ラック6などが含まれる)の重心に対して、上下動機構の荷重保持点がほぼ鉛直線上に位置する。
【0020】
FG はステージ9と観察試料Sの重量、MG はFG によってガイド5に働くモーメント、また、FP はラック6がピニオンギヤ7から受ける力の垂直成分、MP はFP によってガイド5に働くモーメントである。Cはガイド5の中心位置であり、ガイド5の中心Cの周りにモーメントMG およびMP が働く。
【0021】
いま、ガイド5の摺動抵抗を無視するとFG =FP であるので、重心位置Gと噛み合い位置Pのガイド5からの距離が等しければ、MG =MP となり、ガイド5に働くモーメントがつり合う。このため、ガイド5を構成するコロやボール、あるいはガイド摺動面の微小変形等による摺動抵抗の部分的変化がなく、ガイド5に沿った可動台4の滑らかな上下動が保証される。
【0022】
これにより、操作ハンドル8の微妙な操作に対して可動台4が正確に追従して上下動するので、高精度な焦準駆動が達成できる。実際のところ、観察試料Sにおける観察部位の変更によるステージ9の水平方向の移動に伴い、重心位置Gはほぼ光軸位置Oを中心とする範囲内を移動するので、本第1の実施の形態のように、ラック6とピニオンギヤ7とのかみ合い位置Pは光軸位置Oともほぼ一致する。
【0023】
また、ラック6とピニオンギヤ7との噛み合い位置Pをステージ9の重心位置Gの鉛直線上にほぼ一致させたことにより、一組(二個)のガイド5を用いても片持ち支持にならず、ステージ9と観察試料Sの重量に起因する可動台4のたわみを最小限に抑えることができる。
【0024】
可動台4を顕微鏡本体に対して上下動可能に保持するためのガイド5は可動台4の外側に取付けられるため、ガイド5の位置とステージ9およびステージ9上の試料Sによる重心位置とは通常一直線上に位置しない。すなわち、ステージ9および試料Sによる重心位置がガイド5の位置から離れており、これによりガイド5には可動台4の運動方向すなわち上下方向と直交する方向のモーメントが発生する。
【0025】
しかしながら、この可動台4にラック6を取付け、ラック6とピニオンギヤ7との噛み合い位置Pをステージ9の重心位置の鉛直線上にほぼ一致させることで、ラック6がピニオンギヤ7から受ける力によりガイド5にはステージ9および試料Sの重量によるモーメントと反対方向のモーメントが発生する。そして、これらモーメントが互いに打ち消し合う方向に作用するため、全体としてはガイド5にかかるモーメントが抑制され、その結果滑らかで高精度な可動台4の上下動が保証される。
【0026】
以上のように本第1の実施の形態による顕微鏡では、対物レンズ11の光軸Oを囲む筒状の可動台4を固定枠3に対し一組(二個)のガイド5を介して上下動可能に保持するとともに、この筒状の可動台4の内側にラック6を設けてピニオンギヤ7との噛み合い位置Pを光軸位置Oとほぼ一致させることにより、ステージ9や観察試料Sの重量によりガイド5に発生する上下動方向と直交する方向のモーメントを抑制するようにしたので、ガイド5に沿った可動台4の滑らかな動きが保証されるとともに、ステージ9や観察試料Sの重量に起因する可動台4のたわみを抑制することができる。また、操作ハンドル8をピニオンギヤ7と同軸上に構成したことにより、操作ハンドル8を支持する軸71の位置がほぼ光軸位置O付近になり、操作性の良い焦準機構が構成できる。
【0027】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る顕微鏡の構成を示す正面断面図であり、図5は図4に示した顕微鏡の焦準機構の要部を示す平面断面図である。なお、図4,図5において、図1,図2と同一な部分には同一符号を付してある。
【0028】
ベース21にはアーム2が取付けられており、ベース21には固定枠23が取付けられている。可動台24は、固定枠23に設けられた一組(二個)のガイド25により固定枠3に対して上下動可能に保持されている。なお、可動台24にはガイド25と係合する受け部251が設けられている。
【0029】
可動台24の一内壁にはラック26が取付けられており、ピニオンギア27は回動可能かつ前記ラック26に噛み合うよう、軸71を介してベース21に支持されている。また、ピニオンギヤ27を支持する軸71の両端部には、操作ハンドル8,8が設けられている。以上のように、当該顕微鏡の焦準機構の要部が構成されている。
【0030】
減速ギヤ29は、小径ギヤ291と大径ギヤ292が一体化しており、小径ギヤ291と大径ギヤ292は同一の回転軸293により支持されている。小径ギヤ291はラック26と噛み合い、大径ギヤ292はピニオンギヤ27と噛み合うように配置している。ギヤボックス30はベース21に固定され、減速ギヤ29を回動可能に支持する。本第2の実施の形態においては、操作ハンドル8の回転が減速ギヤ29により減速された後、ラック26に伝えられる。なお本第2の実施の形態では、ラック26と減速ギヤ29の噛み合う位置がステージ9の重心位置の鉛直線上にほぼ合致するよう構成されている。その他の構成は上記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0031】
次に、以上のように構成された顕微鏡の作用について説明する。まず、操作者が操作ハンドル8を回すことにより軸71を介してピニオンギヤ27が回転し、このピニオンギヤ27と噛み合う減速ギヤ29の大径ギヤ292がピニオンギヤ27の回転方向と反対の方向へ、かつピニオンギヤ27の回転速度に比べて減速されて回転する。大径ギヤ292が回転するに伴い小径ギヤ291が大径ギヤ292と同方向へ回転し、ラック26に上下方向の力が作用する。これにより、ラック26を固定している可動台24がガイド25に沿って上下方向に移動するので、ステージ9が上下動し、対物レンズ11に対して観察試料Sのピントが合わせられる。
【0032】
以上のように本第2の実施の形態による顕微鏡では、対物レンズ11の光軸Oを囲む筒状の可動台24を固定枠23に対し一組(二個)のガイド25を介して上下動可能に保持するとともに、操作ハンドル8の回動をさらに減速する減速ギヤ29をラック26とピニオンギヤ27との間に挿設し、ラック26と減速ギヤ29との噛み合い位置をステージ9の重心位置の鉛直線上とほぼ一致させることにより、上記第1の実施の形態と同様にステージ9や観察試料Sの重量によりガイド25に発生する上下動方向と直交する方向のモーメントを抑制するようにしたので、ガイド25に沿った可動台24の滑らかな動きが保証されるとともに、ステージ9や観察試料Sの重量に起因する可動台24のたわみを抑制することができる。
【0033】
また本第2の実施の形態では、操作ハンドル8の回転速度が減速ギヤ29により減速されるので、より細かな焦準駆動が要求される場合に有効である。なお、組み立て時にギヤボックス30を筒状の可動台24の上方から組み込むことで、減速ギヤ29の組立作業性が向上される。さらに本第2の実施の形態では、減速ギヤ29を用いたことにより、操作ハンドル8の位置を比較的自由に設定できるので、操作性を特に重視する場合に有効になる。
【0034】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る顕微鏡の焦準機構の要部を示す図であり、(a)は平面断面図、(b)は正面断面図である。本第3の実施の形態に係る顕微鏡は、上記第2の実施の形態に示した構成に追加し、ステージおよび観察試料の重量を軽減するためのバランスバネを筒状の可動台の内側に設けたものである。なお、図6の(a),(b)において、図4,図5と同一な部分には同一符号を付してある。
【0035】
可動台24は、固定枠23に設けられた一組(二個)のガイド25により固定枠23に対して上下動可能に保持され、その一内壁にラック26が取付けられている。圧縮コイルバネ321,322は、ステージ9および観察試料Sの重量により可動台24に懸かる負荷を軽減するためのものであり、ガイド軸33は圧縮コイルバネ321,322の伸縮運動を案内するものである。
【0036】
固定板31は、圧縮コイルバネ321,322およびガイド軸33を筒状の可動台24の内側に保持する。圧縮コイルバネ321,322はその一端が固定板31に固着されることで伸縮が制限されており、もう一端がベース21に当接することで伸縮が制限されている。
【0037】
これら圧縮コイルバネ321,322の力量により、筒状の可動台24には常に上方へ押し上げられる力が働いている。なお、圧縮コイルバネ321,322の力量は、ステージ9や可動台24等上下動する部材の総重量よりも小さい力量に設定されている。その他の構成は上記第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0038】
以上のように本第3の実施の形態による顕微鏡では、バランスバネである圧縮コイルバネ321,322を筒状の可動台24の内側に設けたことにより、ステージ9および観察試料Sの重量がラック26と減速ギヤ29との噛み合い部と圧縮コイルバネ321,322とに分担されて懸かるため、減速ギヤ29、ピニオンギヤ27およびラック26に懸かる負荷が軽減され、より大型の重いステージや観察試料にも対応することができる。
【0039】
また、上記バランスバネは可動台24の内側に位置しているので、上記第1および第2の実施の形態と同様、バランスバネによるモーメントと減速ギヤ29からラック26が受ける力によるモーメントとの和が、ステージ9と観察試料Sの重量によるモーメントとほぼつり合う。このため、ガイド25にかかるモーメントを抑制することができ、ガイド25に沿った可動台24の滑らかな動きが保証され、高精度な焦準駆動が可能になる。
【0040】
なお、本発明は上記各実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施できる。
(実施の形態のまとめ)
実施の形態に示された構成および作用効果をまとめると次の通りである。
[1]実施の形態に示された顕微鏡は、顕微鏡本体(1,2)に対してほぼ上下動するようガイド機構(5)を介して前記顕微鏡本体(1,2)に保持された可動台4と、この可動台4をほぼ上下動させる上下動機構(6,7)と、試料Sを保持するため前記可動台4の上面に設けられたステージ9と、を備え、前記上下動機構(6,7)における前記ステージ9の荷重保持点(P)が前記ステージ9の重心Gのほぼ鉛直線上に位置するよう構成されている。
【0041】
このように上記顕微鏡においては、前記可動台4を前記ガイド機構(5)を介してほぼ上下動させる前記上下動機構(6,7)における前記ステージ9の荷重保持点が前記ステージ9の重心Gのほぼ鉛直線上に位置するので、前記ステージ9や観察試料Sの重量により前記ガイド機構(5)に発生する上下動方向と直交する方向のモーメントを最小限に抑制することができる。これにより、最小限必要な例えば一組(二個)のガイド機構(5,5)を用いて、重量の大きな大型のステージや試料に対しても十分な剛性と精度を保持することができる。また、顕微鏡本体をコンパクトに構成でき、さらに操作性が良く製造原価上も有利な顕微鏡の焦準機構を提供できる。
[2]実施の形態に示された顕微鏡は上記[1]に記載の顕微鏡であって、かつ前記可動台4は中空部を有し、その中空部内に前記上下動機構(6,7)を備える。
【0042】
このように上記顕微鏡においては、前記可動台4は中空部を有し、その中空部内に前記上下動機構(6,7)を備えたので、前記ステージ9の重心の鉛直下に位置する前記中空部に前記上下動機構(6,7)を備えることができ、前記上下動機構(6,7)における前記ステージ9の荷重保持点(P)を前記ステージ9の重心Gのほぼ鉛直線上に確実に位置させることができる。
[3]実施の形態に示された顕微鏡は上記[1]または[2]に記載の顕微鏡であって、かつ前記上下動機構(6,7)は、該上下動機構(6,7)を駆動するハンドル8の回転を減速する手段(29)を備える。
【0043】
このように上記顕微鏡においては、前記上下動機構(6,7)は、該上下動機構(6,7)を駆動する前記ハンドル8の回転を減速する手段(29)を備えたので、前記ステージ9や観察試料Sの重量により前記ガイド機構(5)に発生する上下動方向と直交する方向のモーメントを抑制できる上、さらに重量の大きな大型のステージや試料に対しても十分な剛性と精度を保持でき、かつ微細な焦準駆動が可能になる。
[4]実施の形態に示された顕微鏡は上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の顕微鏡であって、かつ前記可動台4に懸かる前記ステージ9からの重量による負荷を軽減する手段(321,322)を備える。
【0044】
このように上記顕微鏡においては、前記可動台4に懸かる前記ステージ9からの重量による負荷を軽減する手段(321,322)を備えたので、重量の大きな大型のステージや観察試料が前記可動台4に載せられた場合にも、支障なく安定した動作を保持することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、最小限のガイド機構を用いて、重量の大きな大型のステージや試料に対しても十分な剛性と精度を備え、かつ顕微鏡本体をコンパクトに構成でき、さらに操作性が良く原価上も有利に構成できる顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡の構成を示す正面断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡の焦準機構の要部を示す平面断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡におけるピント合わせ動作時のガイド部に働く力の関係を示した図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る顕微鏡の構成を示す正面断面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る顕微鏡の焦準機構の要部を示す平面断面図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る顕微鏡の焦準機構の要部を示す図であり、(a)は平面断面図、(b)は正面断面図。
【図7】従来例に係る顕微鏡の焦準機構を示す正面断面図。
【図8】従来例に係る顕微鏡の焦準機構を示す図であり、(a)は平面断面図、(b)は正面断面図。
【符号の説明】
1…ベース
2…アーム
3…固定枠
4…可動台
5…ガイド
51…受け部
6…ラック
7…ピニオンギヤ
71…軸
8…操作ハンドル
9…試料ステージ
10…レボルバ
11…対物レンズ
12…ハーフミラー
13…投光管
131…レンズ
132…レンズ
14…光源
15…鏡筒
151…結像レンズ
16…接眼レンズ
O…光軸
S…観察試料
21…ベース
23…固定枠
24…可動台
25…ガイド
251…受け部
26…ラック
27…ピニオンギヤ
29…減速ギヤ
291…小径ギヤ
292…大径ギヤ
293…回転軸
30…ギヤボックス
31…固定板
321…圧縮コイルバネ
322…圧縮コイルバネ
33…ガイド軸
71…アーム
72…上下駆動機構
73…ステージ
74…対物レンズ
75…焦準ハンドル
91…ステージ
92…台
93…外枠
94…上下ガイド機構

Claims (6)

  1. 顕微鏡本体に対して上下動する可動台と、
    前記可動台の外側面と前記顕微鏡本体に取付けられている固定枠との間に設けられた2個のガイド機構と、
    前記可動台の内部に設けられ、該可動台を上下動させる上下動機構と、
    試料を保持するため前記可動台の上面に設けられたステージと、を備え、
    前記上下動機構の荷重保持点が、前記ステージの重心の鉛直線上にほぼ合致するよう構成したことを特徴とする顕微鏡。
  2. 顕微鏡本体に対して上下動する可動台と、
    前記可動台の外側面と前記顕微鏡本体に取付けられている固定枠との間に設けられた2個のガイド機構と、
    前記可動台の内部に設けられ、該可動台を上下動させる上下動機構と、
    試料を保持するため前記可動台の上面に設けられたステージと、を備え、
    前記上下動機構の荷重保持点が、前記顕微鏡本体に対して上下動する部分全体の重心の鉛直線上にほぼ合致するよう構成したことを特徴とする顕微鏡。
  3. 前記顕微鏡本体は、光源からの光を前記試料に照射する対物レンズを保持し、
    前記対物レンズの光軸位置が前記上下動機構の荷重保持点にほぼ合致するよう構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の顕微鏡。
  4. 前記上下動機構は、該上下動機構を駆動する操作ハンドルの回転を減速する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の顕微鏡。
  5. 前記上下動機構を駆動する操作ハンドルは、前記上下動機構のピニオンギヤと同軸上に設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の顕微鏡。
  6. 前記可動台の内側に、バランスバネを設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の顕微鏡。
JP13848296A 1996-05-31 1996-05-31 顕微鏡 Expired - Fee Related JP3868026B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13848296A JP3868026B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13848296A JP3868026B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 顕微鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09325282A JPH09325282A (ja) 1997-12-16
JP3868026B2 true JP3868026B2 (ja) 2007-01-17

Family

ID=15223120

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13848296A Expired - Fee Related JP3868026B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3868026B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4534177B2 (ja) * 1999-07-02 2010-09-01 株式会社ニコン 正立顕微鏡
CN107144482A (zh) * 2017-06-19 2017-09-08 山西省计量科学研究院 金属布氏硬度计检测用压痕测量装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09325282A (ja) 1997-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH04184312A (ja) 焦準機構付き顕微鏡
JP2017076095A (ja) 顕微鏡
EP0310514B2 (en) Binocular microscope
JP3868026B2 (ja) 顕微鏡
JP4558366B2 (ja) システム顕微鏡
EP2246725A2 (en) Microscope with fixed imaging unit and movable objective lens
US7158293B2 (en) Tube for a microscope
JP4914537B2 (ja) 倒立型顕微鏡に適用される試料支持装置
JP4653292B2 (ja) システム顕微鏡
JP3365803B2 (ja) 顕微鏡焦準装置
US10768405B2 (en) Microscope having an objective-exchanging device
JP6978592B2 (ja) 広領域の共焦点及び多光子顕微鏡で用いる動的フォーカス・ズームシステム
JP6600931B2 (ja) 眼科撮影装置
US20060139747A1 (en) Microscope
JP4812334B2 (ja) 正立型顕微鏡
JP4717185B2 (ja) 顕微鏡の焦準装置
JP2004530948A (ja) 顕微鏡鏡筒
JP2017032669A (ja) 位置決め装置およびそれを備えた顕微鏡装置
JP3833790B2 (ja) 実体顕微鏡の光路切換装置
WO2020006781A1 (zh) 一种细胞检测显微镜
JPH07501635A (ja) 顕微鏡用スイング式自在集光器
JPH04182615A (ja) 光学像形成装置
JP2010097061A (ja) 粗微動装置および自動合焦装置
JPH07333507A (ja) 顕微鏡システム
JP4691784B2 (ja) 電動レボルバを備えた顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061010

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees