JP2017032669A - 位置決め装置およびそれを備えた顕微鏡装置 - Google Patents

位置決め装置およびそれを備えた顕微鏡装置 Download PDF

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卓治 岡本
章 森谷
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章 森谷
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Daiki Kobayashi
大毅 小林
誠世 會津
Masayo Aizu
誠世 會津
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Abstract

【課題】位置座標管理の精度に有利な位置決め装置を提供すること。
【解決手段】試料を載置するステージをZ方向に移動させる第一の焦準部を含む顕微鏡装置に対して固定される位置決め装置であって、前記顕微鏡装置に対して固定される、第一の操作部が操作されることに応じて前記ステージをZ方向に移動させる、前記第一の焦準部よりもZ方向への可動範囲が小さい第二の焦準部(16,17,23)と、前記第二の焦準部に対して固定され、第二の操作部が操作されることに応じて前記ステージをXY方向に移動させる移動部(14,41,42,43)と、を有し、前記顕微鏡装置の光軸と、前記第一の焦準部と前記第二の焦準部とが固定される位置とを含む平面に対して、前記第一の操作部と前記第二の操作部とが互いに対向する位置に配置されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、観察対象である試料と対物レンズとの距離を光軸方向に変化させる位置決め装置に関する。
従来の顕微鏡装置は、観察対象である試料を視野に入れるために、試料を載置しているステージを水平方向(X方向、Y方向)に移動させるステージハンドルを備えている。また、試料を対物レンズに対してピント合わせをするために、ステージを上下方向(Z方向)に移動させる焦準ハンドルを備えている。
特許文献1では、自然な姿勢でステージハンドルおよび焦準ハンドルを操作できるようにするために、ステージハンドルと焦準ハンドルとを鏡体に対して左右対称で、且つ、同一高さとなる位置に配置する顕微鏡が開示されている。
特許文献2では、ステージを上下方向に駆動する焦準機構への負荷を軽くするために、ステージとベース部材の間にコイルバネを着脱可能に設けた顕微鏡が開示されている。
特許文献3では、焦準台とステージの間に着脱可能な透過照明装置を備えた顕微鏡が開示されている。
その他の従来技術の顕微鏡装置として、非特許文献1および2が挙げられる。
特開平10−26730号公報 特開平10−282431号公報 特開2006−189578号公報
Nikon 研究用顕微鏡 ECLIPSE Ni(顕微鏡カタログ) 日本工業規格JIS B 7132−1:2009
しかしながら、上記特許文献に記載の従来技術では、ステージを水平方向に移動させるステージハンドルの荷重についてなんら考慮されておらず、該荷重によりステージ(テーブル)が傾いてしまう問題があった。
近年、例えば病理医に使用される顕微鏡では、組織片(試料)の特定部を鮮明に観察することができ、日々性能も向上している。このような顕微鏡において、病理診断における重要機能として所見画像の記録をおこなうニーズがある。このとき当然、ミクロ部位も鮮明に観察できるため、拡大倍率に相当する位置座標精度を確実に捉えることができ位置座標管理を確実に行うことは将来の医用には欠かせない要求である。他にも撮影ポイントを複数とする使い方も示されていて位置座標管理をし易くする事は重要な課題である。
したがって、このような顕微鏡において、上記特許文献に記載される従来技術のようにテーブルが傾いてしまった場合、位置座標管理の精度が落ちてしまい、特に上下方向における位置座標管理の精度が劣化してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を鑑み、位置座標管理の精度に有利な位置決め装置を提供することを例示的目的とする。
本発明の位置決め装置は、試料を載置するステージをZ方向に移動させる第一の焦準部を含む顕微鏡装置に対して固定される位置決め装置であって、前記顕微鏡装置に対して固定される、第一の操作部が操作されることに応じて前記ステージをZ方向に移動させる、前記第一の焦準部よりもZ方向への可動範囲が小さい第二の焦準部と、前記第二の焦準部に対して固定され、第二の操作部が操作されることに応じて前記ステージをXY方向に移動させる移動部と、を有し、前記顕微鏡装置の光軸と、前記第一の焦準部と前記第二の焦準部とが固定される位置とを含む平面に対して、前記第一の操作部と前記第二の操作部とが互いに対向する位置に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、位置座標管理の精度に有利な位置決め装置を提供することができる。
本発明の実施形態にかかる顕微鏡装置の構成図である。 本発明の実施形態にかかる位置決め装置の上面図である。 本発明の実施形態にかかるXYステージの構成図である。 本発明の実施形態にかかる摺動部に加わるモーメントを説明するための概念図である。 本発明の実施形態にかかるステージの駆動に伴って焦点位置が変化する状態を説明するための概念図である。 本発明の第四の実施形態の位置決め装置の概念図である。 本発明の第五の実施形態の顕微鏡装置の焦準ハンドルの概略断面図である。 本発明の第六の実施形態の顕微鏡装置の一部の斜視図である。 本発明の第六の実施形態の補強部材の斜視図である。 本発明の第七の実施形態の顕微鏡装置の一部の斜視図である。 本発明の第八の実施形態の顕微鏡装置の一部の斜視図である。 本発明の第九の実施形態の顕微鏡装置の一部の外観図である。 従来の顕微鏡装置の構成図である。 位置座標管理の精度について説明するための概念図である。
以下、本発明の実施形態にかかる位置決め装置および顕微鏡装置について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、従来の一般的な顕微鏡装置の構成について図13を用いて詳細に説明する。図13(a)は、従来の顕微鏡装置1000の正面図であり、図13(b)は、従来の顕微鏡装置1000の側面図である。
顕微鏡装置1000は、光学系(観察光学系)と、照明系と、焦準系と、を顕微鏡フレーム13に配置している。
光学系は、対物レンズ3と鏡筒2と接眼レンズ1で構成され、対物レンズ3は、レボルバー7で任意に拡大倍率を変更できる様になっている。このように、光学系は、対物レンズを備え、観察対象である試料を観察するために設けられる。したがって、このような光学系を介して、試料の観察像を得ることができる。
照明系は、照明光源10(光源)と、該光源からの光を試料へ導くための照明光学系と、を備え、光源からの光で試料を照らす事が出来るように構成されている。照明光学系は、後述のコンデンサレンズ4を備えている。
焦準系は、顕微鏡フレーム13の摺動部11で任意に上下移動できるステージキャリア9を備えている。ステージキャリア9は、焦準ハンドル12a,12b(第三の操作部)を回転させることにより顕微鏡フレーム13内に設けられた不図示の焦準機構を介して上下方向(Z方向)に移動することができる。また、ステージキャリア9には、試料を載置するためのステージ8と、コンデンサレンズ4を具備したコンデンサホルダー6が装着されている。コンデンサホルダー6は、コンデンサホルダーハンドル5a,5bを回転させることにより上下方向に移動することができる。焦準系は、焦準ハンドル12a,12bを回転させる量に対応して上下方向に移動し、試料に焦点距離を合わせることができる。なお、焦準ハンドル12a,12bは、不図示の微動ハンドルと粗動ハンドルをそれぞれ一体化したものを備えている。
ステージ8は、上下方向(Z方向)に配置されたステージハンドル(操作摘み)14a,14bを備え、ステージハンドル14a,14bのうち一方を回転することによりステージ8を水平方向のX方向に駆動することができる。また、ステージハンドル14a,14bのうち他方を回転することによりステージ8を水平方向のY方向(X方向と直交する方向)に駆動することができる。したがって、ステージハンドル14a,14bを操作することにより、ステージ8を水平方向(ステージ面内)に駆動することができる。換言すれば、ステージハンドル14a,14b(第二の操作部)は、ステージ8に設けられ、ステージ8を水平方向のX方向(第1方向)およびY方向(第1方向と直交する第2方向)に駆動するために操作される操作部材である。
図13(a)に示すように、コンデンサホルダーハンドル5a,5b、焦準ハンドル12a,12bは、一般的には左右対に配置されている。一方、ステージハンドル14a,14bは、一般的には摺動部11(または光学系の光軸)に対し左右(すなわち、X方向)のいずれか一方にのみ(図では左側にのみ)具備されている。
これは、ステージハンドル14a,14bが、ステージの操作上、利き手や使い方でステージ左右のどちらか一方に配置されている方が、使用者にとって勝手が良いからである。
ここで、顕微鏡の摺動部11はローラガイドやあり溝などで支持されており、部材が分離している構造をしている。分離している構造は荷重に弱い。さらに、スライドする為には隙間を設ける構造になるため、多少なりのガタが発生する。特に、ステージ左右のどちらか一方にのみ配置されるステージハンドルなどにより荷重点が摺動部11から離れると重量以外にモーメントが加わり強度的に弱くなり変形などが生じてしまう。加えて、ステージ8やステージキャリア9などの弾性変形、また顕微鏡の光学系の取り付け部の剛性・隙間などにより、組織片30(試料)を載せたスライド34は光軸Oと相対的に傾くことが必定になる(図14(b)参照)。結果、上述した位置座標管理の精度を落とすことになっていた。
このような位置座標管理の精度は、従来では十分な精度と考えられていたが、画像が鮮明になるにつれて今後は大きな課題となってくる。よって、少しでも改善をする必要がある。図14中のZ座標位置1、Z座標位置2、Z座標位置3が本発明に関わる重要部分としての位置管理面である。図14(a)がデータ記録時の状況である。この状態でエビデンスとして重要な所見画像の記録として一番初めに行われたデータをこのスライドが持つことになる。
しかしながら、第三者が診断結果を詳細に確認しようと試みた場合、再度別の任意な顕微鏡に組織片30を載せたスライド34を載置して同じ場所を観察することになる。この別の顕微鏡において観察している状態を図14(b)に示す。
図14(b)に示すように、組織片30の組織構成要素33aについては、XY座標平面(テーブル平面)で載置し再現できている。しかしながら、その他の組織構成要素33bおよび33cについては、図14(a)と比較してZ座標上の別の座標位置にいることになり、位置座標管理の精度が著しく落ちていることがわかる。
本発明の第一の実施の形態の位置決め装置について図1、図2を用いて説明する。図1では、図13と同じ構成要素については同じ番号を付し説明を省略する。図1(a)は、本実施形態の顕微鏡装置100の正面図であり、図1(b)は、本実施形態の顕微鏡装置100の側面図である。本実施形態の顕微鏡装置100は、後述する焦準装置50を備えている。
まず、本発明に係わる顕微鏡装置100の基本構成について説明する。顕微鏡フレーム(顕微鏡筐体)13には、光学系が設置されている。光学系は、観察面の側から、対物レンズ3、1本以上の対物レンズ3の中から任意に必要な対物レンズ3を選択する為のレボルバー7(本図は回転型、直動型もある)、鏡筒2と組み合わされた接眼レンズ1、により構成されている。接眼レンズ1を覗くと観察面にある観察対象物を拡大してみることが出来る。観察面と対物レンズ端からの距離は顕微鏡ごとの光学系の仕様で若干ことなるため観察試料が置かれるステージ8はZ方向(上下方向)に移動させる仕組みになっている。
本発明では、ステージ8のZ方向の移動に2つの手段が具備されている。2つの手段のうちのひとつは、一般市販される顕微鏡に備わっている摺動部11を上下移動させる第一の焦準部である。この第一の焦準部は、焦準ハンドル12a,12b(第三の操作部)により操作される。2つの手段のうちのもうひとつは、本発明の特徴である第一の焦準部より可動範囲が小さい第二の焦準部である。この第二の焦準部は、後述するようにリニアアクチュエータ用焦準ハンドル23(第一の操作部)により操作される。通常観察作業中は第二の焦準部のみで観察が可能になっている。第二焦準部のステージキャリア9のうえにステージ8が取り付けられている。ステージ8は移動部によりXY方向に移動出来るようにしている為、第二の操作部であるステージハンドル14が側面側に取り付く。
第二の焦準部の詳細を説明する。第二の焦準部は第一の焦準部の摺動部11に据え付け固定する形になっていて、ねじやあり溝、楔などで着脱できる構造である。
ステージキャリアアーム16は、摺動部11と光軸とを含む平面(換言すれば、第一の焦準部及び第二の焦準部が固定される位置と光軸とを含む平面)に対してステージハンドル14と反するX軸方向の側に延び、ステージキャリアアーム16にはガイド17が固定されステージキャリア9に取り付けられたガイドレール18と組み合わさりZ方向に移動可能に滑る構造になっている。また、駆動源としてステージキャリアアーム16にリニアアクチュエータ22が備わり、ステージキャリア9が焦準ハンドル12の指令を受けて上下する仕組みになっている。第一の焦準部と第二の焦準部は指令信号線を別途設けることで図中記載のリニアアクチュエータ用焦準ハンドル23と切り替えボタンなどで共用してもよい。
本発明の第二の実施の形態は、第一の実施の形態の第一の焦準部の摺動部11と第二の焦準部のステージキャリアアーム16がおなじ部材で一体にできていて分離できない形態である。摺動部11とステージキャリアアーム16が一部品となるだけであるため不図示とした。
本発明の第三の実施の形態は、第一の実施例及び第二の実施例の構成と同じであり、且つステージ8の重心位置に対して第二の焦準部の重心位置が摺動部11と光軸とを含む平面に対して反する側に存在している。
本発明の第四の実施の形態の焦準装置について図1、図2、図6、図14を用いて説明する。図1が本発明の第四の実施形態を最もよくあらわしている。
一般的に市販され使われている顕微鏡装置は図13で示すように対物レンズ3の位置の直下に観察試料を置かなければならない。従来ではステージ8がステージキャリア9を介して筺体内に内蔵された焦準装置(本発明では第一の焦準部に相当する)とつながっているのが一般的な顕微鏡装置である。
従来の顕微鏡装置に対して、図1に示す実施の形態の顕微鏡装置100は第一の実施の形態で説明したように従来の第一の焦準装置とは異なる本発明の第二の焦準装置を備えている。あえて別に焦準装置を設けたのは、従来の焦準装置の精度が本発明に係わるZ座標上の位置管理座標の要求精度から著しく劣るためである。精度とは、一例をあげるとZ座標方向の直進性及び煽り精度及び位置停止精度などである。
しかしながら、顕微鏡の筺体と光学系は一体で出来ており位置関係を変えることはできない。その結果、図6で示すように制約を受ける空間(図中)がうまれる。実際には、この空間が非常に狭く新たに構造を設けるのは非常に困難である。例えばこの空間を使うとすると観察領域を狭くすることになり病理検査などでは実用に不十分になる。一方で顕微鏡筺体の側面側は限りなく空間を取ることが出来ることがわかり実用に支障がない。
そこで、本発明では、第二の焦準装置の構造物であるガイドレール18とガイドテーブル19からなるガイド17及び第一の操作部であるリニアアクチュエータ用焦準ハンドル23を側面に配置する。図6で図示するAの位置やCの位置は制約を受ける空間にかかっているがBの位置は制約を受ける空間にかからないことがわかる。よって、本発明は、ガイド17及びリニアアクチュエータ用焦準ハンドル23を、顕微鏡筐体の側面側のうち制約を受ける空間にかからない空間、すなわち例えば図6に示すBの位置に配置することが重要である。
組織片(試料)は、図14で示すスライド34に載って観察されるため実際に稼働する範囲はスライドと組織片と対物ごとの焦点位置のばらつきとワークディスタンスの総和以上あれば十分である。よって、本発明の第二の焦準装置の可動範囲はストロークで2mmから5mmあれば十分である。よって、一般的な顕微鏡のストロークは十数mm以上あるため後から着脱が可能である。
したがって、本発明の第四の発明によれば、観察領域を大きく取ることが出来、且つ精度の良い第二の焦準装置を使うことで位置座標管理の精度に有利な位置決め装置および顕微鏡装置を提供することができる。
つぎに、本発明の第五の実施の形態の顕微鏡装置100について図1を用いて説明する。図1では、図13と同じ構成要素については同じ番号を付し説明を省略する。図1(a)は、本実施形態の顕微鏡装置100の正面図であり、図1(b)は、本実施形態の顕微鏡装置100の側面図である。本実施形態の顕微鏡装置100は、後述する焦準装置50を備えている。
従来は、図14を用いて説明したように、組織片30を載せたスライド34が光軸Oと相対的に傾くことが必定になっており、位置座標管理の精度が劣化してしまうという課題があった。
本発明は、この課題を解決する為に、顕微鏡フレーム13との固定位置(摺動部11)を通るY軸線に対し、ステージハンドル14a,14bを有する側とは反対側(相対した側)にリニアアクチュエータ用焦準ハンドル23を備える。
これにより、摺動部11を支点とした左右バランスを整えローラガイドやあり溝で支持されている顕微鏡の摺動部11(図2に記載)への余計な力となるモーメントの発生を極力抑えることができる。このとき、焦準ハンドルは、従来は顕微鏡フレーム13にのみ取り付いていたが、本発明では顕微鏡フレーム13から分離して摺動部11より手前に新たにリニアアクチュエータ用焦準ハンドル23を設置することにした。リニアアクチュエータ用焦準ハンドル23の操作量に応じて、リニアアクチュエータ22によりステージキャリア9(ステージ8)を上下動作させる。
以下、本実施形態の顕微鏡装置100の詳細な構造を説明する。
顕微鏡フレーム13(ベース部材、固定部)は、上述した観察光学系、照明系、焦準系を保持している。また、顕微鏡フレーム13の側面には、ステージ8(ステージキャリア9、ステージキャリアアーム16)をZ方向に駆動するための第一の焦準部である焦準ハンドル12a,12b(第三の操作部)が設けられている。
摺動部11(接続部)は、顕微鏡フレーム13に対し観察光学系の光軸方向(Z方向)に沿って移動可能(摺動可能)に顕微鏡フレーム13によって支持されている。また、摺動部11は、焦準ハンドル12a,12bの操作量に応じて顕微鏡フレーム13に対しZ方向に摺動する。
図2に示すように、摺動部11は、試料を観察するための観察光学系の光軸OからY方向に延びる基準線上にその中心が設けられ、ステージキャリアアーム16を顕微鏡フレーム13に接続する接続部材としての役割を持つ。また、ステージキャリアアーム16を保持する保持部材としての役割を持つ。
ステージキャリアアーム16(固定部)は、摺動部11に任意に着脱可能に固着される。ステージキャリアアーム16は、ステージ8(ステージキャリア9)を支持する役割を持つ。なお、ステージキャリアアーム16は、図2に示すように、基準線と光軸Oを含む面(基準面)に対し+X側(第2側)の領域に設けられY方向に延びる延長部16aを有する。また、ステージキャリアアーム16は、第一の焦準部と接続しZ方向と平行な接続面を有する接続部16bを有する。延長部16aは、接続部16bの端部(本実施例では+X側の端部)からY方向に延びている。ステージキャリアアーム16は、延長部16aにおいてリニアアクチュエータ用焦準ハンドル23と、後述の焦準機構を支持している。接続部16bの第一の焦準部と接続する接続面と、延長部16aの後述の焦準機構が固定される案内面とは、互いに直交している。より具体的には、ステージキャリアアーム16の延長部16aのうち、上述した顕微鏡筐体の側面側の制約を受けない空間において、リニアアクチュエータ用焦準ハンドル23と焦準機構とが設けられている。ステージ8およびステージハンドル14a,14bは、第二の焦準部である焦準機構を介して延長部16aによって支持される。
リニアアクチュエータ用焦準ハンドル23(第一の操作部)は、ステージキャリアアーム16(延長部16a)に設けられ、ステージ8(ステージキャリア9)をZ方向(第1方向および第2方向と直交する第3方向)に駆動するために操作される部材である。ここで、図2に示すように、ステージハンドル14a,14b(第二の操作部)は、基準線と光軸Oを含む面(換言すれば、顕微鏡装置の光軸と、第一の焦準部および第二の焦準部が固定される位置と、を含む面)に対し、−X側(第1側)の領域に設けられている。そして、焦準ハンドル23(第一の操作部)は、基準線と光軸Oを含む面(基準面)に対し、+X側(第1側とは反対の第2側)の領域に設けられている。焦準ハンドル23が基準面に対しステージハンドル14a,14bと反対側に設けられている理由は、摺動部11にかかる左右のモーメントを釣り合うようにするためである。この左右のモーメントについては、後ほど詳細に説明する。
ステージキャリアアーム16(延長部16a)には、一般的にリニアガイドなどで知られる直動機構のガイドテーブル19a,19bが固着される。また、ステージキャリア9には、ガイドレール18が固着される。ガイドレール18は、ガイドテーブル19a,19bに対しZ方向に移動可能な可動部として構成される。これらガイドテーブル19a,19bおよびガイドレール18により、ガイド17が構成される。ガイド17は、第二の焦準部の焦準機構として構成される。また、ステージキャリア9には、コンデンサホルダー6が具備されている。コンデンサレンズ4の中心軸と、テーブル平面と直交する方向と、顕微鏡ごと微妙に異なる光軸と、の同軸ズレ・光軸方向の位置をコンデンサホルダー6で合わせられるようになっている。二個のガイドテーブル19a,19bを介してステージキャリアアーム16と連結しているのは、剛性を高め精度を上げる効果があるためである。また、より高い剛性と精度を得るために、本実施形態のガイドテーブル19a,19bは、ローラガイドまたはボールガイドで構成され、ローラまたはボールが回転する量は一回転以内になる移動量±2mmにしている。但し、精度がラフな場合は移動量が±2mmを超えても良い。
図2は、本実施形態の顕微鏡装置の一部である焦準装置50を上面から見た図である。図2では、ステージハンドル14a,14bと、ガイド17と、ステージキャリアアーム16と、リニアアクチュエータ用焦準ハンドル23と、摺動部11と、の配置関係を示す。ステージハンドル14a,14bが光軸Oと摺動部11の中心を繋ぐ基準線に対して左側(−X側)に配置されている場合を示している。このとき、ガイド17、ステージキャリアアーム16(延長部16a)、焦準ハンドル23を右側(+X側)に配置することでモーメントの発生を抑えることとした。また、その逆の配置でも同様の効果を得ることができる。この構成により、光軸と観察対象である試料(組織切片30)との直交関係が一定に保たれる。保たれなければ図14(a)、(b)で示すように三次元的にはスライド面に対して異なる位置情報を持つことになり位置座標管理の精度を下げることになる。
これら座標の位置管理を行うステージ8は、駆動源となるモータ機能と位置を検知するエンコーダ機能とネジやボールネジなどの直動減速機構を具備したリニアアクチュエータ22によって上下自在に制御可能である。
動作指令は不図示の制御コントローラから発せられ焦準ハンドル23が回転した量だけ発生されるパルス信号のパルス数によって上下に制御され動く。したがって、このリニアアクチュエータ22、ガイド17は、焦準ハンドル23の操作量(回転量)に応じてステージ8をZ方向に駆動するための焦準機構として構成される。焦準機構は、ステージキャリアアーム16およびステージキャリア9に設けられる。このような焦準機構を備えた焦準装置50により、焦準ハンドル23を回転操作することで、ステージ8と対物レンズ3との距離を光軸方向(Z方向)に変化させることができる。
図2〜5で光軸Oを通るY軸(基準線)を中心にモーメントのバランスを取る考えを説明する。
図2に示すように、焦準ハンドル23は基準線(Y軸)と光軸Oを含む面(基準面)に対してステージハンドル14a,14bと相対する側に配置した。これにより、焦準ハンドル23は、モーメントの発生を抑えるウエイトの役割を果す。ここで、図3を用いてステージ8の構成を説明すると、ステージ8は、ベース41と、Xテーブル42と、Yテーブル43を有する。ベース41には、Xテーブル42がガイド41aを介して繋がり、Xテーブル42には、Yテーブル43がガイド41aとは別のガイド42bを介して繋がっている。この構成により、ステージ8はXY方向に可動自在である。摺動部11(基準線)を中心に左右のモーメントを一致させていることでステージ8の移動で発生するモーメントの影響量を限りなく小さくすることが出来る。ここで、一致とは、完全に一致している場合と、許容誤差の範囲内で完全に一致している場合からずれている場合とを含む意味である。
このことについて、図4を用いて説明をする。
図4は、摺動部11に対して、ステージ8、ステージハンドル14a,14b、焦準ハンドル23、ステージキャリアアーム16が支持されている概念を示している。摺動部11は顕微鏡フレーム13に対し任意に固定される為、ステージ8の組織片30が載置される面は、ステージ8がX方向(図中の左右方向)に動作する量に応じて支点である基準線(摺動部11の中心)を中心にして傾斜変形することになる。また、図4において、摺動部11(基準線回り)に掛かるモーメントは左側がステージハンドル14a,14bの重量とステージ8の重量を加算した重量F1とL1の積で発生する(反時計回りの第1モーメント)。L1は、X軸方向における、支点(基準線)からステージ8およびステージハンドル14a,14bの重心までの距離である。右側はステージキャリアアーム16、焦準ハンドル23からなるウエイトの重量F2とL2の積で発生する(時計回りの第2モーメント)。L2は、X軸方向における、支点(基準線)からステージキャリアアーム16および焦準ハンドル23の重心までの距離である。本実施形態では、第1モーメントの値と第2モーメントの値の差が小さくなるように(望ましくはゼロになるように)ウエイト重量(第2モーメント)を調整している。そのため、これらの積の値が略同等となり(モーメントが釣り合い)、ステージ8の組織片30が載置される面がY軸回り(基準線回り)に傾斜することを低減している。一方、これらの積の値が略同等でない場合はモーメントが発生して全体が傾斜してしまう。
このとき、図5(a)で示すように、光軸の中心に対して左右略同一の可動範囲(ストローク)とし、ストローク中心に位置する時のステージ8の重心に基準線(支点)が一致する様にウエイト重量(第2モーメント)を調整する。図5(a)において、ステージハンドル14a,14bは、基準線を支点としたときの支点回りにおいて、反時計回り(第1回転方向)の第1モーメントF1を与えている。また、焦準ハンドル23は、該支点回りにおいて、時計回り(第1回転方向とは反対の第2回転方向)の第2モーメントF2を与えている。このとき、第2モーメントF2は、第1モーメントF1と釣り合うように設定されている。図5(a)および図5(b)では、このウエイト重量(第2モーメントF2)を調整することで焦点位置の変化量を任意に操作できることを示している。図5(b)の焦準ハンドル23によるウエイトの重量は、図5(a)の焦準ハンドル23によるウエイトの重量よりも軽く設定されている。例えば、図5(a)では、ストローク中心に摺動部11(支点)があるため焦点位置の変化量は少なくなる。対して、図5(b)では、ストロークの端に位置する時のステージ8の重心に摺動部11(支点)が一致するようにウエイト重量(第2モーメントF2)を調整した場合の焦点位置の変化量の大きさを表している。図5(b)では、摺動部11(支点)がステージストロークの端にいるために焦点位置の変化量が大きくなる。なお、図5(b)においても、第2モーメントは、第1モーメントと釣り合うように設定されている。図5(a)に示される第2モーメントF2は、図5(b)に示される第2モーメントF2よりも大きい値である。このように、ストローク中心に位置する時のステージ8の重心から摺動部11(支点)が離れている場合よりも近い場合の方が、焦点位置の変化量を少なくすることができる。したがって、基準線(支点)は、X方向において、ステージ8がX方向に移動可能な可動範囲(ストローク)の端部に位置するときの該ステージの重心よりも、ストロークの中心に位置するときの該ステージの重心に近い位置に配置される。望ましくは、基準線(支点)は、X方向において、ストロークの中心に位置するときのステージ8の重心と一致する位置に配置される。
このように、基準線と光軸Oを含む基準面に対し、ステージハンドル14a,14bとは反対側にリニアアクチュエータ用焦準ハンドル23を備えることで、基準線を中心にバランスを取る事ができる。そのため、摺動部への負荷が減り左右の傾斜変動が小さくなり位置座標管理の精度を上げることができる。なお、図1に示すように、リニアアクチュエータ用焦準ハンドル23は、モーメントバランスを調整するための錘47を外部に有していてもよい。すなわち、基準面に対し+X側(第2側)に設けられ、基準線を支点としたときの支点回りのモーメントを調整する(第1モーメントと第2モーメントとが釣り合うように調整する)ための錘(調整部材)をさらに備えてもよい。また、錘47を設ける代わりに、ガイドレール18、ガイドテーブル19a,19bなどを図2とは異なる位置に配置することも可能である。例えば、図2では、ガイドレール18、ガイドテーブル19a,19bを基準面に対し+側(第2側)に設けるようにしたが、錘47によって調整が可能であれば、これを−側(第1側)に設けてもよい。
本発明の第五の発明では、ステージ8を上下方向に移動させるための焦準ハンドル23を、基準面に対し、ステージハンドル14a,14bとは反対側に設けている。
これにより、摺動部11を支点とした左右バランスを整え、該摺動部11への余計な力となるモーメントの発生を極力抑えることができる。
さらに、ストローク中心に位置する時のステージ8の重心に摺動部11(支点)が一致する様にウエイト重量を調整している。
これにより、焦点位置の変化量を少なくすることができる。
したがって、本発明の第五の発明によれば、位置座標管理の精度に有利な位置決め装置および顕微鏡装置を提供することができる。
本発明の第六の実施の形態の焦準装置および顕微鏡装置について図7を用いて説明する。
図7は、第六の実施形態における顕微鏡装置の焦準ハンドル23の概略断面図である。
本実施形態にかかる焦準ハンドル23は、その内部にウエイト36を有している点で、第一から第五の実施形態と異なる。すなわち、基準面に対し+X側(第2側)に設けられ、第1モーメントと第2モーメントとが釣り合うようにモーメントを調整するための錘(調整部材)をさらに備えている。
ステージキャリアアーム16は、開口部を有し、該開口部の内部には軸受46が配置・固定されている。
軸受46の外輪は、ステージキャリアアーム16に固定される。軸受46は、外輪の内側に、転動ボールおよび内輪を有する。
軸受46の内輪は、焦準ハンドル23の心棒38(回転軸)が挿入・固定される。そのため、焦準ハンドル23は、ステージキャリアアーム16に対し、該心棒38の中心軸周りに回転可能に構成されている。
焦準ハンドル23の心棒38には、ウエイト36が固定される。また、ウエイト36には、エンコーダホィール40が固定される。すなわち、本実施形態における焦準ハンドル23は、該焦準ハンドル23の回転量を検出するためのエンコーダホィール40(検出部材)が備えられ、ウエイト36によって該エンコーダホィール40を焦準ハンドル23の心棒38に固定している。本実施形態では、エンコーダホィール40は、ウエイト36を介して心棒38に固定されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、エンコーダホィール40は、ウエイト36とは別の部材を介して心棒38に固定されるようにしてもよい。この場合、ウエイト36は、該別の部材とは異なる位置で心棒38に固定される。
また、ステージキャリアアーム16は、エンコーダホィール40と対向する領域にパルス検出器44を固定している。焦準ハンドル23が回転操作されると、該回転とともにエンコーダホィール40も回転する。パルス検出器44は、このエンコーダホィール40の回転量を計測し、計測した回転量に応じた信号を不図示の制御コントローラに出力する。制御コントローラは、受け取った信号に応じて、リニアアクチュエータ22を駆動・制御し、ガイド17を介して、ステージキャリアアーム16に対し、ステージキャリア9(ステージ8)を上下方向に移動させる。すなわち、制御コントローラは、焦準ハンドル23の回転量(操作量)に応じて、ステージキャリア9(ステージ8)の駆動を制御する。
このように、本実施形態では、ウエイト36がステージキャリアアーム16に付加されており、このウエイト36の重量を調整することで、摺動部11にかかる余分な力の発生を抑えている。ウエイト36は焦準ハンドル23の心棒38上を移動自在に固定でき、ビスなどの固定手段によって任意の位置に固定できる。すなわち、ウエイト36は、焦準ハンドル23の心棒38が延びる方向(X方向)に移動可能に構成され、該X方向に移動することで、モーメント(第2モーメント)を調整することができる。これにより、ウエイト36の重量を変更せずに、ウエイト36を心棒38の軸方向に移動させるだけで、摺動部11にかかる右回りのモーメントを細かく調整することが可能である。また、図7のようにウエイト36にエンコーダホィール40を配置するとハブと兼用することもできるため、コストを削減することができる。すなわち、図7に示すように、ウエイト36とエンコーダホィール40の保持部材を兼用して構成部品を増やさずに安価に対応することができる。
このように、本発明の第六の発明では、確実にモーメントバランスを取る為にリニアアクチュエータ用焦準ハンドル23に更にウエイト36を心棒38に付加し任意にモーメント荷重の調整ができる様にした。これにより、安易にステージ8の組織片30が載置される面の精度(位置座標管理の精度)を向上する効果が得られる。
本発明の第六の発明によれば、第五の発明と同様に焦点位置の変化量を少なくすることができ、かつ、モーメントバランスを容易に調整することができる。
したがって、本発明の第六の発明によれば、位置座標管理の精度に有利な位置決め装置および顕微鏡装置を提供することができる。
本発明の第七の実施の形態の焦準装置および顕微鏡装置について図8および9を用いて説明する。
図8は、第七の実施形態における顕微鏡装置の摺動部11およびステージキャリアアーム16の斜視図である。
本実施形態にかかるステージキャリアアーム16は、その側面に補強部材37a,37bを有している点で、第一から第六の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態においては、さらにステージキャリアアーム16の強度を補強するための補強部材37a,37bをステージキャリアアーム16に備えている。
図9(a)は、補強部材37aの斜視図であり、図9(b)は、補強部材37bの斜視図である。補強部材37aは、ステージキャリアアーム16の焦準ハンドル23が設けられる側に固定され、該固定される面から折り曲げられる折り曲げ部37aを有する。また、補強部材37bは、ステージキャリアアーム16のガイドテーブル19aが設けられる側に固定され、該固定される面から折り曲げられる折り曲げ部37bを有する。折り曲げ部37aは、補強部材37aが取り付けられるステージキャリアアーム16の側面に対し傾斜(例えば、略90°傾斜)している。折り曲げ部37bは、補強部材37bが取り付けられるステージキャリアアーム16の側面に対し傾斜(例えば、略45°傾斜)している。
このように、本実施形態では、曲げの付いた板状の補強部材37a,37bを基準面に対してステージハンドル14a,14bとは相対する側に配置した。略モーメント荷重方向に曲げの面を持ち上げることにより大きく強度を上げられる。このように、補強部材37a,37bは、ステージキャリアアーム16の強度を補強するための折り曲げ部を有している。ステージキャリアアーム16の材質を鉄等の剛性の高い材料にすることなく必要な部分のみを強度補強する。結果、自重が軽くなる。モーメントに対する変形量を減らす事ができ、モーメントを相殺する荷重にもなるため有効である。すなわち、本実施形態において、補強部材37a,37bは、基準面の+X側(第2側)に設けられ、第1モーメントと第2モーメントとが釣り合うようにモーメントを調整する調整部材としての機能を有する。
よって、補強部材37a,37bは、ステージキャリアアーム16の剛性を高め尚且つモーメントの発生を抑えるウエイトの役割を果たしている。
補強部材37a,37bは、板状の鋼板などで出来ており形状に曲げを入れることで大幅に強度を上げている。配置は内側(すなわち、ガイドテーブル19aが設けられる側)にのみ設けてもよいし、外側(焦準ハンドル23が設けられる側)にのみ設けてもよいし、またその両方に設けてもよい。
本発明の第七の発明では、アルミや鋼板などの圧延材料で板状の部材に曲げを伴いステージキャリアアーム16の強度を補強する補強部材を構成し、且つ補強部材をモーメントのバランスを合わせるのに適した空間・質量の部品で構成している。
したがって、ウエイトとしての機能を有する補強部材がステージキャリアアーム16に付加されることで、摺動部11にかかる余分な力の発生を抑えることができる。さらに、補強部材がステージキャリアアーム16の剛性を改善する構成を有しているので、ステージキャリアアーム16の強度を補強することができる。ステージキャリアアーム16の強度を補強することでさらに、ステージ8の組織片30が載置される面の傾き(焦点位置の変化量)を抑えることができ、安易に位置座標管理の精度を向上する効果が得られる。
本発明の第七の発明によれば、第五および第六の発明と同様に焦点位置の変化量を少なくすることができ、かつ、ステージキャリアアーム16の剛性を改善することができる。
したがって、本発明の第七の発明によれば、位置座標管理の精度に有利な焦準装置および顕微鏡装置を提供することができる。
本発明の第八の実施形態の焦準装置および顕微鏡装置について図10を用いて説明する。
図10は、第八の実施形態における顕微鏡装置のステージキャリアアーム16の斜視図である。
本実施形態にかかるステージキャリアアーム16は、その内部に、ウエイトとしての機能を備え、かつ、ステージキャリアアーム16の強度を補強する補強部材39a,39bを有している点で、第一から第七の実施形態と異なる。すなわち、補強部材39a,39bは、基準面の+X側(第2側)に設けられ、第1モーメントと第2モーメントとが釣り合うようにモーメントを調整する調整部材としての機能を有するとともに、ステージキャリアアーム16の強度を補強する機能を有する。
棒状の補強部材39a,39bがステージキャリアアーム16の内部に埋め込まれることで、摺動部11にかかる余分な力の発生を抑えることができる。さらに、ステージキャリアアーム16の剛性を改善する構成を有しているので、ステージキャリアアーム16の強度を補強することができる。ここで、ステージキャリアアーム16は、補強部材39a,39bを内部に格納するための格納部を有し、補強部材39a,39bは、該格納部に格納されることで、ステージキャリアアーム16の強度を補強する。ステージキャリアアーム16の強度を補強することでさらに、ステージ8の組織片30が載置される面の傾き(焦点位置の変化量)を抑えることができ、安易に位置座標管理の精度を向上する効果が得られる。
本発明の第八の発明では、モーメントのバランスを合わせる手段として軽金属のフレーム材より、鉄・銅・タングステン合金などの密度の高い材料を使用している。このように、補強部材39a,39bは、ステージキャリアアーム16の材料よりも密度の高い材料で構成される。補強部材39a,39bをステージキャリアアーム16内に組込ことでステージキャリアアーム16の形状を変えることなく剛性とウエイトを適度に微調整し、時計回り(右回り)と反時計回り(左回り)のモーメントを合わせる事ができる。すなわち、ステージ8の組織片30が載置される面の傾き(焦点位置の変化量)を抑えることができ、スマートに位置座標管理の精度を向上する効果が得られる。
本発明の第八の発明によれば、第五から第七の発明と同様に焦点位置の変化量を少なくすることができ、かつ、ステージキャリアアーム16の剛性を改善することができる。
したがって、本発明の第八の発明によれば、位置座標管理の精度に有利な位置決め装置および顕微鏡装置を提供することができる。
本発明の第九の実施形態の焦準装置および顕微鏡装置について図11を用いて説明する。
図11は、第九の実施形態における顕微鏡装置のステージキャリア9から摺動部11までの構造の斜視図である。
本実施形態にかかるステージキャリアアーム16は、ウエイトとしての機能を備え、かつ、ステージキャリア9を駆動するためのステージキャリア駆動モータ15を有している点で、第一から第八の実施形態と異なる。すなわち、駆動モータ15は、基準面の+X側(第2側)に設けられ、第1モーメントと第2モーメントとが釣り合うようにモーメントを調整する調整部材としての機能を有するとともに、ステージ8をZ方向に駆動するための駆動手段としての機能を有する。
図11では、ステージキャリア駆動モータ15は、ステージキャリアアーム16の外側の側面に配置した。また、このステージキャリア駆動モータ15と他の手段とを組み合わせることも可能である。例えば、第六の実施形態のウエイト36、第七の実施形態の補強部材37a,37b、第八の実施形態の補強部材39a,39bなどのウエイトとしての機能を備えた部材と組み合わせて使用してもよい。ただし、ウエイトの機能は質量があれば良いが、価格を安価に抑えると外装面が粗くなり美観を損なうためステージキャリアアーム16を図12に示すようにカバー45で覆いウエイトとしての機能を備えた部材に触れないようにレイアウトすることが望ましい。すなわち、図12に示すように、本実施形態における焦準装置は、カバー45(カバー部材)を有し、ウエイトとしての機能を有する調整部材は、該カバー45によって覆われるように構成されている。
本発明の第九の発明では、マグネットやPZT等の高密度な材料を使ったモータなどの駆動ユニットをウエイトとしてステージキャリアアーム16に組込ことでモーメントバランスをあわせることができる。したがって、ウエイトとしてのモータをステージキャリアアーム16に配置するだけで、摺動部11(支点)を中心とした時計回り(右回り)と反時計回り(左回り)のモーメントを合わせる事ができる。すなわち、ステージ8の組織片30が載置される面の傾き(焦点位置の変化量)を抑えることができ、安易に位置座標管理の精度を向上する効果が得られる。また、本実施形態では、バランスウエイト部材をカバー等で隠れる箇所に配置することでユザーが触れられない状態にしている。これにより、ウエイト(モーメント)を調整した後に影響が出ないようにしている。また見栄えもよくなる。
一般公知のモータ構成部品は比重の高い材料が必須で使われている。例えば、マグネットやPZT等の材料である。ゆえに、第九の発明では、駆動モータ15を駆動ユニットおよびウエイトとしてステージキャリアアーム16に組込むことでバランスを合わせる手段になる。さらに、磁力・振動力のパワーを上げ駆動ユニットの推力(駆動力)を上げると同時にテーブルの剛性を上げ弾性変形量を減らし高精度にする効果がある。
本発明の第九の発明によれば、第五から第八の発明と同様に焦点位置の変化量を少なくすることができ、かつ、モーメントバランスを容易に調整することができる。
したがって、本発明の第九の発明によれば、位置座標管理の精度に有利な位置決め装置および顕微鏡装置を提供することができる。
また、各実施形態に記載の手段を組み合わせても良く以上の効果から、病理医の手間を省く事が出来、診断を早くすることができる。
なお、上記各実施形態では、左右のモーメントバランスを調整するため、右回りのモーメントを大きくするよう、ウエイト部材や補強部材などの調整部材を追加する構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、ステージキャリアアーム16を補強した結果、右回りのモーメントが大きくなりすぎてしまった場合は、例えば、ステージハンドル14a,14bに調整部材を設けてモーメントバランスを調整してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の位置決め装置は、顕微鏡装置に好適に使用することができる。
1 接眼レンズ
2 鏡筒
3 対物レンズ
4 コンデンサレンズ
5 コンデンサホルダーハンドル
6 コンデンサホルダー
7 レボルバー
8 ステージ
9 ステージキャリア
10 照明光源
11 摺動部
12 焦準ハンドル
13 顕微鏡フレーム
14 ステージハンドル
15 ステージキャリア駆動モータ
16 ステージキャリアアーム(アーム部)
17 ガイド
18 ガイドレール
19 ガイドテーブル
22 リニアアクチュエータ
23 リニアアクチュエータ用焦準ハンドル
30 組織切片
33 組織構成要素(赤血球・細胞壁・DNA etc.)
34 スライド
36 ウエイト
37 補強部材
38 心棒
39 ビス
40 エンコーダホィール
41 ベース部材
42 Xテーブル
43 Yテーブル
44 パルス検出器
45 カバー
46 軸受
47 錘

Claims (22)

  1. 試料を載置するステージをZ方向に移動させる第一の焦準部を含む顕微鏡装置に対して固定される位置決め装置であって、
    前記顕微鏡装置に対して固定される、第一の操作部が操作されることに応じて前記ステージをZ方向に移動させる、前記第一の焦準部よりもZ方向への可動範囲が小さい第二の焦準部と、
    前記第二の焦準部に対して固定され、第二の操作部が操作されることに応じて前記ステージをXY方向に移動させる移動部と、を有し、
    前記顕微鏡装置の光軸と、前記第一の焦準部と前記第二の焦準部とが固定される位置とを含む平面に対して、前記第一の操作部と前記第二の操作部とが互いに対向する位置に配置されることを特徴とする位置決め装置。
  2. 試料を載置するステージをZ方向に移動させる第一の焦準部を含む顕微鏡装置に対して固定される位置決め装置であって、
    前記顕微鏡装置に対して固定される、第一の操作部が操作されることに応じて前記ステージをZ方向に移動させる、前記第一の焦準部よりもZ方向への可動範囲が小さい第二の焦準部と、
    前記第二の焦準部に対して固定される、第二の操作部が操作されることに応じて前記ステージをXY方向に移動させる移動部と、を有し、
    前記顕微鏡装置の光軸と、前記第一の焦準部と前記第二の焦準部とが固定される位置とを含む平面を挟んで、前記第二の焦準部の重心位置と前記移動部の重心位置とが配置されるように、前記第二の焦準部と前記移動部とが構成されることを特徴とする位置決め装置。
  3. 前記第二の焦準部は、
    前記Z方向に移動可能な可動部と、
    前記第一の焦準部と接続し前記Z方向と平行な接続面を含む接続部と、前記可動部の駆動を案内するガイドが固定され前記Z方向と平行な案内面と前記案内面と背中あわせに配置された前記第一の操作部とを備えた固定部と、を有し、
    前記接続面と前記案内面が互いに直交することを特徴とする請求項1または2記載の位置決め装置。
  4. 前記第一の操作部および前記第二の操作部は、前記光軸を含み前記案内面と平行な面を挟んで配置されることを特徴とする請求項3記載の位置決め装置。
  5. 前記顕微鏡装置の光軸と前記第一の焦準部および前記第二の焦準部が固定される位置とを通る基準線上にある支点は、前記X方向において、前記ステージが前記X方向に移動可能な可動範囲の端部に位置するときの該ステージの重心よりも、前記ステージが前記X方向に移動可能な可動範囲の中心に位置するときの該ステージの重心に近い位置に配置される、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の位置決め装置。
  6. 前記第二の操作部は、前記顕微鏡装置の光軸と前記第一の焦準部および前記第二の焦準部が固定される位置とを通る基準線を支点としたときの支点回りにおいて、第1回転方向の第1モーメントを与え、
    前記第一の操作部は、前記支点回りにおいて、前記第1回転方向とは反対の第2回転方向の第2モーメントを与える、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の位置決め装置。
  7. 前記固定部は、前記接続部の端部から前記Y方向に延びる延長部を有し、
    前記延長部は、前記第一の操作部と、前記ガイドと、を支持し、
    前記ステージは、前記ガイドを介して前記延長部によって支持される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の位置決め装置。
  8. 前記第一の焦準部には、前記ステージを前記Z方向に駆動するための第三の操作部が設けられ、
    前記第二の焦準部の前記第一の焦準部と接続する接続部は、前記第三の操作部の操作量に応じて前記顕微鏡装置に対し前記Z方向に摺動することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の位置決め装置。
  9. 前記顕微鏡装置の光軸と前記第一の焦準部および前記第二の焦準部が固定される位置とを通る基準線に対して前記第一の操作部が配置される側に設けられ、前記基準線を支点としたときの支点回りのモーメントを調整する調整部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の位置決め装置。
  10. 前記調整部材は、前記第一の操作部に設けられた錘であることを特徴とする請求項9に記載の位置決め装置。
  11. 前記第一の操作部は、該第一の操作部の回転量を検出するための検出部材を有し、
    前記錘は、前記第一の操作部の前記X方向に延びる回転軸に設けられ、前記検出部材を前記回転軸に固定する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の位置決め装置。
  12. 前記錘は、前記回転軸が延びる方向に移動可能に構成され、前記回転軸が延びる方向に移動することで、前記モーメントを調整する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の位置決め装置。
  13. 前記調整部材は、前記第二の焦準部に設けられ、前記第二の焦準部の強度を補強するための補強部材である、
    ことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の位置決め装置。
  14. 前記補強部材は、前記第二の焦準部の強度を補強するために、折り曲げ部を有することを特徴とする請求項13に記載の位置決め装置。
  15. 前記補強部材は、前記第二の焦準部の材料よりも密度の高い材料で構成されることを特徴とする請求項13に記載の位置決め装置。
  16. 前記第二の焦準部は、前記補強部材を内部に格納するための格納部を有し、
    前記補強部材は、前記格納部に格納されることで、前記第二の焦準部の強度を補強することを特徴とする請求項15に記載の位置決め装置。
  17. 前記調整部材は、前記第二の焦準部に設けられ、前記ステージを前記Z方向に駆動するための駆動手段である、
    ことを特徴とする請求項9ないし16のいずれか1項に記載の位置決め装置。
  18. 前記駆動手段は、マグネットまたはPZTの材料で構成されることを特徴とする請求項17に記載の位置決め装置。
  19. 前記駆動手段は、モータであることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の位置決め装置。
  20. カバー部材を有し、
    前記調整部材は、前記カバー部材によって覆われていることを特徴とする請求項9ないし19のいずれか1項に記載の位置決め装置。
  21. 対物レンズを備え観察対象である試料を観察するための観察光学系と、
    前記観察光学系を保持するベース部材と、
    前記ベース部材に対し前記観察光学系の光軸方向に沿って移動可能に支持される請求項1ないし20のいずれか1項に記載の位置決め装置と、
    を有することを特徴とする顕微鏡装置。
  22. 顕微鏡装置であって、
    試料を載置するステージと、
    前記ステージをZ方向に移動させる第一の焦準部と、
    前記第一の焦準部に固定され、第一の操作部が操作されることに応じて前記ステージをZ方向に移動させる、前記第一の焦準部よりもZ方向への可動範囲が小さい第二の焦準部と、
    前記第二の焦準部に対して固定され、第二の操作部が操作されることに応じて前記ステージをXY方向に移動させる移動部と、を有し、
    前記顕微鏡装置の光軸と、前記第一の焦準部と前記第二の焦準部とが固定される位置とを含む平面に対して、前記第一の操作部と前記第二の操作部とが互いに対向する位置に配置されることを特徴とする顕微鏡装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110823898A (zh) * 2019-12-23 2020-02-21 湖南爱威医疗科技有限公司 一种采图装置及采图方法
CN117310964A (zh) * 2023-11-27 2023-12-29 上海隶创科技有限公司 一种带有内置式调节装置的显微镜载物台

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