JP4716784B2 - 4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造方法及びそれに用いる微生物 - Google Patents

4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造方法及びそれに用いる微生物 Download PDF

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本発明は、医薬中間体の原料または中間体として有用な4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの微生物を利用した製造方法及びそれに用いる微生物に関する。
下記一般式(1)
で示される化合物を脱ハロゲン化及び/又はエポキシドを開環する酵素としては、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属又はミクロバクテリウム(Microbacterium)属の微生物由来の酵素が知られており、1,3-ジハロ-2-プロパノールから光学活性4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルを製造する方法(特許文献1、2)やエピハロヒドリンから光学活性4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルを製造する方法(特許文献2、3)が知られている。
しかし、上述の方法で使用されている酵素は、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属又はミクロバクテリウム(Microbacterium)属の微生物由来の酵素のみであり、上記以外の酵素を用いた4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルの製造法については知られていなかった。
特開平03-53889号公報 特開平04-278089号公報 特開平03-53890号公報
本発明の目的は、微生物を利用した4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルの製造方法及びそれに用いる微生物を提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
シアン化合物存在下、下記一般式(1)で示される化合物を下記一般式(2)で示される4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルに変換する能力を有するレイフソニア(Leifsonia)属に属する微生物。
レイフソニア エスピー (Leifsonia sp.)MRC03株(FERM AP-20453)である上記微生物、並びに、シアン化合物存在下、上記微生物の培養物又はその処理物を一般式(1)に示される化合物と接触させ、一般式(2)で示される4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルを回収する4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルの製造方法。
本発明によれば、微生物を利用した4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルの製造方法及びそれに用いる微生物を提供することが可能である。
本発明に係る微生物としては、シアン化合物存在下、上記式(1)で示される化合物を上記式(2)で示される化合物4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルに変換する能力を有するレイフソニア(Leifsonia)属に属する微生物が挙げられ、好ましくはレイフソニア エスピー(Leifsonia)属sp. MRC03株(以下、「MRC03株」という)である。
以下にMRC03株の分類学的性質を説明する。
〔分類学的性質〕
MRC03株は、「Leifsonia sp. MRC03」として独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1−1−1中央第6)に平成17年3月9日付で寄託されており、その受託番号はFERM P−20453である。
MRC03株について、株式会社エヌシーアイエムビー・ジャパン(NCIMB Japan Co., LTD)に委託して、16S rRNA遺伝子の塩基配列(506bp)を決定(MicroSeq 500 16S rDNA Bacterial Sequencing Kit (Applied Biosystems, CA, USA)を使用)し、さらに16S rRNA遺伝子の塩基配列に基づく分子系統樹を作製し、系統分析を行った。決定されたMRC03株の16S rRNA遺伝子の塩基配列を配列番号1に示す。
得られた16S rRNA遺伝子の塩基配列を用いて相同性検索を行い、相同率上位10株を決定した。更に検索された上位10株とMRC03株の16S rRNA遺伝子を用いて近接結合法により分子系統樹を作製し、MRC03株の近縁種及び帰属分類の検討を行った。相同性検索及び系統樹の作製にはGenBank(GenBank/EMBL/DDBJ 国際DNA配列データベース)から検索するために、BLAST(Altschul, S. F.ら, Nucleic Acids Res. 25:3389−3402, 1997)による相同性分析を行った。また系統銃作成にはEMBL(Europian molecular Biology Laboratory)中のclustalWを使用してアライメントを作成し、ソフトウェアMEGA(Molecular Evolutionary Genetics Analysis, Center for Evolutionary Functional Genomics, Arizona Biodesign Institute)を使用し系統樹を作成した。相同性解析の結果、MRC03株の16S rRNA遺伝子の塩基配列は相同率98.4%でレイフソニア・ポアエ(Leifsonia poae)の16S rRNA遺伝子に対し最も高い相同性を示した。また、系統樹によるとMRC03株はLeifsonia xyliまたはLeifsonia poaeの近傍にあり、これらのどちらかに帰属する可能性を示した。16S rRNA遺伝子を用いた解析において基準株に対して相同率が97%以上の場合、同種である可能性がある。したがって、MRC03株及びLeifsonia poaeの二つの塩基配列は完全に一致していないため、レイフソニア・ポアエ(Leifsonia poae)に近縁であるが系統的に異なる菌株であると考え、レイフソニア エスピー(Leifsonia sp.)とした。 以上の事から、MRC03株は、新規なレイフソニア(Leifsonia)属に属する微生物であると判断した。
一方、MRC03株を含む本発明に係る微生物の培養方法は、当該微生物が生育できる方法であればいずれの方法であってもよい。
培養に使用する培地は、本発明に係る微生物が生育することができれば、天然培地又は合成培地のいずれでもよい。炭素源としては、例えば、グルコース、シュークロース、マルトースやフルクトース等の糖類、酢酸、クエン酸やフマル酸等の有機酸あるいはその塩、またはエタノールやグリセロール等のアルコール類等を使用できる。窒素源としては、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母エキスやアミノ酸等の一般天然窒素源の他、各種無機、有機酸アンモニウム塩等が使用できる。その他、硫酸、塩酸、燐酸やホウ酸等の無機酸あるいはその塩、用いられる微生物が利用可能なナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム等を含む無機塩、鉄、マンガン、亜鉛、コバルト、ニッケル微量金属塩、微生物育成促進剤としてビタミンB1、B2、C、K等のビタミン等が必要に応じて適宜添加される。さらに、誘導剤を培地に添加することで、後述する一般式(1)で示される化合物を一般式(2)で示される化合物4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルに変換する能力を有する酵素の酵素量を高めることができる。誘導剤としては、例えば、1,3-ジクロロ-2-プロパノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール,エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、3-クロロ-1,2-プロパンジオール又は3-ブロモ-1,2-プロパンジオール等が挙げられる。
本発明に係る微生物の培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、10〜50℃、好ましくは25〜45℃で行う。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行い、pH2〜11、好ましくはpH5〜9、特に好ましくはpH7〜8に設定する。
本発明に係る微生物は、培養により得られた微生物が触媒として使用される。微生物は、一般式(1)で示される化合物から一般式(2)で示される化合物4-ハロ-3-ヒドロキシブチロニトリルの変換を触媒する。
その使用形態は、該触媒活性を示す限り特に制限されず、培養液そのまま又は該培養物から遠心分離等の集菌操作によって得られる微生物菌体、培養上清、菌体処理物又は常法により固定化した菌体等の形で、利用することができる。処理物としては、例えば、アセトン、トルエン等で処理した菌体、菌体の破砕物、無細胞抽出物、粗酵素、精製酵素、遺伝子操作微生物等が挙げられ、菌体の破砕物、無細胞抽出物、粗酵素、精製酵素又は遺伝子操作微生物が好ましい。
ここで、遺伝子操作微生物とは、酵素を発現し得るように宿主細胞中に該酵素をコードする遺伝子が組み込まれた微生物のことである。遺伝子操作微生物の使用形態も上記と同様に特に制限されない。また、一般に、菌体処理物、粗酵素、精製酵素又は遺伝子操作微生物等の形態では微生物菌体、菌体培養液等に比べて酵素活性が上昇することがある。
本発明において一般的に使用される基質は一般式(1)で示される。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、塩素、臭素が特に好ましい。具体的には1,3-ジフルオロ-2-プロパノール、1,3-ジクロロ-2-プロパノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、1,3-ジヨード-2-プロパノール、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンエピヨードヒドリン等であり、特に1,3-ジクロロ-2-プロパノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、エピクロロヒドリン又はエピブロモヒドリンが好ましい。
本発明において、使用するシアン化合物は、シアン化水素、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン酸又はアセトンシアノヒドリン等が挙げられる。反応液中に添加した際にシアンイオン(CN−)又はシアン化水素を生じる化合物またはその溶液であることが好ましい。シアン化合物存在下、上記微生物又はその処理物と一般式(1)で表される基質を一般式(2)で示される4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルが生成するように接触させる。
一般式(2)に示される化合物としては、以下に示される。
例えば、4-フルオロ-3-ヒドロキシブチロニトリル、4-クロロ-3-ヒドロキシブチロニトリル、4-ブロモ-3-ヒドロキシブチロニトリル、4-ヨード-3-ヒドロキシブチロニトリル等である。4-クロロ-3-ヒドロキシブチロニトリル、4-ブロモ-3-ヒドロキシブチロニトリルが好ましく、光学活性4-クロロ-3-ヒドロキシブチロニトリル、光学活性4-ブロモ-3-ヒドロキシブチロニトリル等の光学活性体が特に好ましい。
「接触」とは、培養物又はその処理物中の酵素触媒が酵素として機能し、且つシアン化合物存在下、当該酵素触媒と基質とが酵素反応する状態であればよい。酵素として機能する条件は、例えば、pH4〜10、好ましくはpH6〜9、温度は5〜50℃、好ましくは10〜40℃であることに起因して、本条件下で、シアン化合物存在下、本発明に係る微生物又はその処理物と基質とを接触させることが好ましい。
反応液中の一般式(1)で表される基質の濃度は、 0.01〜15(W/V) %とすることが好ましい。この範囲内であると酵素安定性の観点から好ましい。基質濃度を10%以下とすることが特に好ましい。また、シアン化合物の使用量は、基質の1〜3倍量(モル)とすることが好ましい。この範囲内であると酵素生産性の観点から好ましい。
基質は反応液に一括して加えるかあるいは分割添加することができる。分割添加により基質濃度を一定とすることが4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの蓄積性の観点から好ましい。
反応液の溶媒としては、水又は緩衝液が好ましい。緩衝液としては、例えば、リン酸、ホウ酸、クエン酸、グルタル酸、リンゴ酸、マロン酸、o-フタル酸、コハク酸又は酢酸などの塩等によって構成される緩衝液、トリス(Tris)緩衝液あるいはグッド緩衝液等が挙げられる。この溶媒であると酵素活性の最適pH4〜10の付近であることから好ましい。溶媒は、水とすることが特に好ましい。
反応時間は基質濃度、微生物又はその処理物の酵素量あるいはその他の反応条件等によって適時選択する。反応時間は、0.1〜120 時間で終了するように条件を設定することが好ましい。反応時間は、0.1〜48時間とすることが特に好ましい。この範囲内であると生産性の観点から好ましい。
また、反応系内に微生物又はその処理物及び基質を添加する順序は問わない。例えば、培養液あるいは遠心分離などにより得た微生物又はその処理物に基質を添加する方法、微生物の培養時に基質を培養液に添加して培養と同時に反応を行う方法等が挙げられる。
反応の進行に伴い生成する塩化物イオンの除去は硝酸銀等の添加によって行うことができる。塩化物イオンを反応系内から取り除くことにより、光学純度が向上する。
本発明に係る一般式(2)で示される化合物4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの回収は、以下の方法で行うことができる。培養物又はその処理物とニトリル化合物との混合物が菌体又は細胞を含む場合には、遠心分離等により菌体又は細胞を除去し、次いで、濾過、濃縮、各種クロマトグラフィー、抽出、活性炭処理及び蒸留などの通常の方法に単独で又は適宜組み合わせて適用する。あるいは、混合物を、濾過、濃縮、各種クロマトグラフィー、抽出、活性炭処理及び蒸留などの通常の方法に単独で又は適宜組み合わせて直接適用してもよい。
例えば、反応液から遠心分離により菌体を除いた後、有機溶媒で抽出を行い、その有機相から減圧下に溶媒を除去することにより4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルのシロップを得ることができる。また、これらのシロップを減圧下に蒸留することによりさらに精製することもできる。
以上のように、本発明に係る一般式(2)で示される4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造方法によれば、一般式(1)の化合物から一般式(2)で示される4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルを効率よく製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
なお、4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの定量及び4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの光学純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い、下記の分析条件で決定した。
<4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの定量>
試料調製方法: 試料適量をキャリヤー10mLに溶解
装置: カラムオーブン 島津製作所社製 CTO-6AUV
RI ジャスコ社製 RI-930
ポンプ ジャスコ社製 PU-980
インテグレーター 島津製作所社製 C-R6A
カラム: ODS-3V GL サイエンス社製
キャリヤー: 水/アセトン/イソプロパノール=89.9/10/0.1(容積比)
カラム温度: 40 ℃
流速: 1mL/min
波長: 254nm
リテンションタイム:6.5 min
<4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの光学純度>
試料調製方法: 反応溶液から塩化メチレンにより4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルを抽出し、(R)−(−)−α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニルアセチルクロリドを用いて、そのエステル誘導体化したものを試料とした。試料適量をキャリヤー200μLに溶解
装置: カラムオーブン 島津製作所社製 CTO―6AUV
ポンプ ジャスコ社製 PU―1580
インテグレーター SIC社製 Chromatocoder 21J
UV ジャスコ社製 UV 1575
カラム: PARTISIL-5 GLサイエンス社製
キャリヤー: ヘキサン/2-プロパノール=98.5/1.5(容積比)
カラム温度: 40 ℃
流速: 1mL/min
波長: 254nm
リテンションタイム:S体 20min
R体 26min
光学純度(エナンチオマー過剰率;%e.e.)は、一般的に、 (S)- 4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリル及び(R)- 4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルのHPLCによる各ピーク面積から、以下の式によって算出することができる。
R>Sの場合:R体の光学純度(%e.e.)=(R−S/R+S)×100
S>Rの場合:S体の光学純度(%e.e.)=(S−R/R+S)×100
S:(S)- 4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルのピーク面積
R:(R)- 4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルのピーク面積
[調製例1]
培地(組成;グルコース1%、ペプトン0.5%、肉エキス0.3%、酵母エキス0.3%)をpH7.0に調整し、500ml三角フラスコに100mlずつ分注した。これを121℃で15分オートクレーブ滅菌した。培地を常温に戻してから、メンブレンフィルターで除菌済みの25(w/v)%の3-クロロ1,2-プロパンジオール水溶液を0.8ml添加し、培地を作製した。
[実施例1]
調製例1で作製された培地にレイフソニア エスピー(Leifsonia sp.)MRC03株(FERM AP-20453)を100μl接種し30℃で48時間振とう培養を行った。この培養液を各々遠心分離して菌体を集菌した。これに100mM Tris―HCl(pH8.0)緩衝液140mlを加え遠心分離して菌体の洗浄を行った。その後、同様の洗浄操作を2回行った。100mM Tris―HCl(pH8.0)緩衝液50mLに菌体を懸濁し、菌懸濁液を調整した。得られた菌懸濁液に1,3―ジクロロ―2―プロパノール及びシアン化水素を各々終濃度50mM、150mMになるよう添加し、20℃で30分振とうし反応を行った。反応後、反応液を遠心分離し、菌体を除去した。上清中の4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルをHPLCで定量したところ40mMの4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルが生成していた。また、4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルを誘導体化し、HPLCで光学異性体の分析を行った。その結果、生成した4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルは、(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリル(光学純度は70%ee)であった。
[実施例2]
得られた菌懸濁液50mLにエピクロロヒドリン及びシアン化カリウムを各々終濃度500mM、1000mMになるよう添加し、20℃で20分振とうし反応を行った以外は実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液を遠心分離し、菌体を分離除去した。上清中の生成4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルを定量したところ190mMの4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルが生成していた。また、光学異性体の分析を行った。その結果、生成した4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルは、(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリル(光学純度は47%ee)であった。
[実施例3]
緩衝液に菌体を懸濁する操作まで実施例1と同様の操作を行った。その後、超音波で菌体を破砕した。得られた菌体破砕液を遠心して上清を回収し、これを粗酵素液とした。粗酵素液50mLに1,3―ジクロロー2−プロパノール、シアン化カリウムを各々終濃度500mM、1000mMになるよう添加し、20℃で3時間振とうし反応を行った。反応後、液中の生成4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルを定量したところ360mMの4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルが生成していた。また、光学異性体の分析を行った。その結果、生成した4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルは、(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリル(光学純度は73%ee)であった。
[実施例4]
得られた粗酵素液50mLにエピクロロヒドリン及びシアン化カリウムを各々終濃度500mM、150mMになるよう添加し、20℃で30分振とうし反応を行った以外は実施例3と同様の操作を行った。反応後、液中の生成4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルを定量したところ201mMの4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルが生成していた。また、光学異性体の分析を行った。その結果、生成した4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルは、(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリル(光学純度は51%ee)であった。
[実施例5]
得られた粗酵素液50mLに1,3―ジクロロー2−プロパノール及びシアン化水素を各々終濃度300mM、1000mMになるよう添加し1,3-ジクロロー2−プロパノール及びシアン化水素の濃度を維持しながら、20℃で8時間振とうし反応を行った以外は実施例3と同様の操作を行った。反応後、液中の生成4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルを定量したところ775mMの4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルが生成していた。また、光学異性体の分析を行った。その結果、生成した4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルは、(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリル(光学純度は80%ee)であった。

Claims (2)

  1. レイフソニア エスピー(Leifsonia sp.)MRC03株(FERM P−20453)
  2. シアン化合物存在下、請求項記載の微生物の培養物又はその処理物を一般式(1)に示される化合物と接触させることを含む、一般式(2)で示される4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造方法。
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