JP4715375B2 - ガスセンサ素子の製造方法及びガスセンサ素子 - Google Patents

ガスセンサ素子の製造方法及びガスセンサ素子 Download PDF

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Description

本発明は、車両用エンジン等の内燃機関の燃焼制御等に用いることができるガスセンサ素子に関する。
車両用内燃機関の排気管に、空燃比センサのようなガスセンサを設け、排気ガス中の酸素濃度等から空燃比を検出し、これを利用して内燃機関の燃焼制御を行うことがある(排気ガス制御フィードバックシステム)。特に、三元触媒を用いて効率良く排気ガスを浄化するためには、車両用内燃機関の燃焼室において空燃比が特定の値となるように制御することが重要である。
上記ガスセンサには、図9に示すような、排気ガス中の酸素濃度を検出するガスセンサ素子9が内蔵されている。該ガスセンサ素子9は、酸素イオン伝導性の固体電解質体93と、該固体電解質体93の一方の面に設けた被測定ガス側電極92と、固体電解質体93の他方の面に形成した基準ガス側電極94と、被測定ガス側電極92に面するチャンバ空間920とを有する。該チャンバ空間920は、多孔質拡散抵抗層90及び緻密な遮蔽層91により被覆されている。そして、多孔質拡散抵抗層90を介して、被測定ガスがチャンバ空間920に導入されるよう構成されている(特許文献1参照)。
近年、ガスセンサ素子9は、自動車エンジンの始動時から速やかに空燃比を検知して燃焼制御機構を働かせることができるよう、より早い時間で活性温度に到達(早期活性)することが求められるようになってきている。そして、上記早期活性の実現には、ガスセンサ素子9の熱容量の低下を図ることが有効な手段であるため、多孔質拡散抵抗層90をペーストによって形成することにより、ガスセンサ素子9の薄型化、即ち、熱容量の低下が図られている。
しかしながら、上述のごとく、多孔質拡散抵抗層90をペーストにより形成するため、例えば、焼成前の積層加圧等の条件により、上記ペーストの膜厚にバラツキが生じて所望の膜厚を得ることができないという不具合が発生してしまうおそれがある。その結果、図9に示すごとく、多孔質拡散抵抗層90の膜厚にバラツキが生じ、所望の一定の膜厚を有する多孔質拡散抵抗層90を得ることが困難となるおそれがある。
ガスセンサ、特に空燃比センサ等の限界電流式のガスセンサにおいては、多孔質拡散抵抗層90の膜厚は、所定の被測定ガス濃度雰囲気におけるガスセンサ素子9の出力値を決定する重要な要素となる。即ち、多孔質拡散抵抗層90の膜厚にバラツキが生じた場合、多孔質拡散抵抗層90において被測定ガスを取り込む端面909の面積にバラツキが生じ、その結果、ガスセンサ素子9の出力値に製造上のバラツキが発生するおそれがある。
特開2000−65782号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、出力値の製造上のバラツキを抑制することができるガスセンサ素子の製造方法、及びガスセンサ素子を提供しようとするものである。
第1の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に設けた基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極を覆うように上記固体電解質体に積層した遮蔽層と、上記固体電解質体と上記遮蔽層との間に配設した多孔質拡散抵抗層とを有するガスセンサ素子の製造方法であって、
得ようとする上記多孔質拡散抵抗層の膜厚と同等の粒径を有する膜厚制御用粒子を混入した、上記多孔質拡散抵抗層形成用のペーストを作製するペースト作製工程と、
上記ペーストを、上記固体電解質体形成用のグリーンシート又は上記遮蔽層形成用のグリーンシートの表面に配置するペースト配置工程と、
上記ペーストを挟むように上記固体電解質体形成用のグリーンシートと上記遮蔽層形成用のグリーンシートとを積層し加圧して未焼積層体を得る積層工程と、
該未焼積層体を焼成する焼成工程とを有し、
上記多孔質拡散抵抗層形成用の上記膜厚制御用粒子は平均粒径が15〜30μmであり、
また、上記積層工程における加圧力は、0.05〜10MPaであることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記製造方法では、得ようとする上記多孔質拡散抵抗層の膜厚と同等の粒径を有する膜厚制御用粒子を混入して作製したペーストを挟むように上記固体電解質体形成用のグリーンシートと上記遮蔽層形成用のグリーンシートとを積層し加圧して未焼積層体を得る。それ故、上記ペーストに混入される複数の上記膜厚制御用粒子を、上記固体電解質体形成用のグリーンシートと上記遮蔽層形成用のグリーンシートとに当接するよう配設することができる。即ち、15〜30μmの平均粒径を有する上記膜厚制御用粒子に、上記固体電解質体形成用のグリーンシートと上記遮蔽層形成用のグリーンシートとの間の距離を確保する支柱としての機能を持たせることができる。
そのため、上記固体電解質体形成用のグリーンシートと上記遮蔽層形成用のグリーンシートとを上記積層工程において加圧したとき、その押圧力に多少のバラツキや偏りがあっても、上記ペーストの膜厚を、所望の一定の膜厚に保つことができる。これにより、所望の一定の膜厚を有する上記多孔質拡散抵抗層を容易に作製することができる。
特に、本発明では平均粒径15〜30μmの膜厚制御用粒子を用い、かつ積層工程における加圧力を0.05〜10MPaとしているので上記効果を容易、確実に得ることができる。
そして、そのため、上記多孔質拡散抵抗層において被測定ガスを取り込む端面の面積のバラツキを抑制することができ、上記ガスセンサ素子における出力値の製造上のバラツキを抑制することができる。
また、上記製造方法によれば、上記多孔質拡散抵抗層の薄型化を容易に図ることができるため、上記ガスセンサ素子の早期活性をも充分に促すことができる。
以上のごとく、本発明によれば、出力値の製造上のバラツキを抑制することができるガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
第2の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に設けた基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極を覆うように上記固体電解質体に積層した遮蔽層と、上記固体電解質体と上記遮蔽層との間に配設した多孔質拡散抵抗層とを有するガスセンサ素子であって、
上記多孔質拡散抵抗層は、該多孔質拡散抵抗層の膜厚と同等の粒径を有する膜厚制御用粒子を有してなり、
かつ上記膜厚制御用粒子は、平均粒径が15〜30μmであることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項)。
本発明の上記ガスセンサ素子における上記多孔質拡散抵抗層は、該多孔質拡散抵抗層の膜厚と同等の粒径を有する上記膜厚制御用粒子を有してなる。即ち、上記膜厚制御用粒子は、上記固体電解質体と上記遮蔽層とに当接するよう配設され、該膜厚制御用粒子は平均粒径15〜30μmのものを用いている。
そのため、膜厚制御用粒子は、上記固体電解質体と上記遮蔽層との間の距離を確保する支柱としての機能を持つこととなる。それ故、上記多孔質拡散抵抗層に、上記固体電解質体と上記遮蔽層とから局所的に押圧力が作用しても、上記多孔質拡散抵抗層を所望の一定の膜厚に保つことができる。
したがって、上記多孔質拡散抵抗層において被測定ガスを取り込む端面の面積のバラツキを抑制することができ、その結果、上記ガスセンサ素子における出力値の製造上のバラツキを抑制することができる。
また、上記多孔質拡散抵抗層の薄型化を容易に図ることができるため、上記ガスセンサ素子の早期活性をも充分に促すことができる。
以上のごとく、本発明によれば、出力値の製造上のバラツキを抑制することができるガスセンサ素子を提供することができる。
第1の発明(請求項1)及び第2の発明(請求項)において、上記膜厚制御用粒子は、粒径のバラツキが±15%以内であることが好ましい(請求項2、請求項)。
この場合には、上記多孔質拡散抵抗層の膜厚のバラツキを±15%以内に制御することができるため、上記ガスセンサ素子における出力値の製造上のバラツキを充分に抑制することができる。
これに対して、上記粒径のバラツキが±15%以内の範囲にない場合は、上記多孔質拡散抵抗層の膜厚のバラツキを防ぐことが困難となる。
また、上記膜厚制御用粒子は、平均粒径が15〜30μmである。
そのため、上記のごとく、上記多孔質拡散抵抗層の膜厚制御を容易に行うことができると共に、膜厚が一定である多孔質拡散抵抗層を容易に作製することができる。
記膜厚制御用粒子の平均粒径が15μm未満である場合には、上記ペーストの膜厚が、上記膜厚制御用粒子の粒径と比較して過大となってしまうため、上記膜厚制御用粒子の支柱としての機能を発揮することが困難となるおそれがある。そして、加圧後も、上記ペーストが膜厚を維持する場合には、所望の膜厚を有する上記多孔質拡散抵抗層を得ることが困難となるおそれがある。
また、上記平均粒径が30μmを超える場合には、上記ペーストが垂れ易くなるため、所望の膜厚を有する多孔質拡散抵抗層を形成することが困難となると共に、上記ガスセンサ素子の薄型化を図ることが困難となるおそれがある。
また、第1の発明において、上記ペーストは、上記膜厚制御用粒子の混入量が5〜50体積%であることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記多孔質拡散抵抗層の膜厚制御を容易に行うことができると共に、上記膜厚制御用粒子同士が上記ガスセンサ素子の積層方向において重なり合うという不具合を回避することができる。
一方、上記膜厚制御用粒子の混入量が5体積%未満である場合には、積層工程における加圧により、個々の膜厚制御用粒子に作用する力が大きくなるため、上記膜厚制御用粒子が潰れる、或いは上記遮蔽層又は固体電解質体にめり込んでしまうおそれがある。そのため、上記多孔質拡散抵抗層の膜厚制御を行うことが困難となるおそれがある。
また、上記膜厚制御用粒子の混入量が50体積%を超える場合には、上記膜厚制御用粒子同士が上記ガスセンサ素子の積層方向において重なり合って上記多孔質拡散抵抗層の膜厚制御を行うことが困難となるおそれがある。
また、上記膜厚制御用粒子は、上記焼成工程において焼失させても良い(請求項)。
この場合には、上記膜厚制御用粒子が、上記多孔質拡散抵抗層の内部において気孔となるため、被測定ガスの供給を安定的に、かつスムーズに行うことができる。
また、上記積層工程における加圧力は、0.05〜10MPaである。
この場合には、上記多孔質拡散抵抗層の膜厚制御をより一層容易かつ正確に行うことができる。
これに対して、上記加圧力が0.05MPa未満である場合には、上記ペーストが充分に加圧されないため、上記多孔質拡散抵抗層の膜厚を所望の厚みとすることが困難となるおそれがある。
また、上記加圧力が10MPaを超える場合には、上記ペーストが上記固体電解質体又は上記遮蔽層にめり込み、上記多孔質拡散抵抗層の所望の膜厚を得ることが困難となるおそれがある。
また、上記ペーストは、少なくとも上記積層工程において接着性を有することが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記ペーストは、上記遮蔽層形成用のグリーンシートと上記固体電解質体形成用のグリーンシートとの間に、新たに接着層を設ける必要がない。また、製造過程における上記遮蔽層形成用のグリーンシートと上記固体電解質体形成用のグリーンシートとの間で剥離が発生する等の不具合を回避することができる。
(実施例1)
本例の発明にかかるガスセンサ素子、及びその製造方法につき、図1〜図4を用いて説明する。
本例のガスセンサ素子1は、例えば、自動車エンジン等の内燃機関の空燃比制御等に利用される積層型空燃比センサに内蔵されている。
また、ガスセンサ素子1は、図1、図2に示すごとく、酸素イオン伝導性の固体電解質体13と、該固体電解質体13の一方の面に設けた被測定ガス側電極12と、固体電解質体13の他方の面に設けた基準ガス側電極14と、被測定ガス側電極12を覆うように固体電解質体13に積層した遮蔽層11と、固体電解質体13と遮蔽層11との間に配設した多孔質拡散抵抗層10とを有する。
また、多孔質拡散抵抗層10は、図3(b)に示すごとく、該多孔質拡散抵抗層10の膜厚と同等の粒径を有するアルミナよりなる膜厚制御用粒子101と、該膜厚制御用粒子101よりも小径のアルミナよりなる多孔質体粒子102と、これらの間に形成された気孔105とよりなる。-
そして、被測定ガスは、多孔質拡散抵抗層10内に形成されている気孔105を通過して被測定ガス側電極12へと導入される。
また、図1、図2に示すごとく、固体電解質体13と多孔質拡散抵抗層10との間には、白金よりなる被測定ガス側電極12とこれに接続された電極リード部121と電極端子部122とを設けてある。
また、図2に示すごとく、固体電解質体13における被測定ガス側電極12が配置された側とは反対側の面に、白金よりなる基準ガス側電極14とこれに接続されたリード部141、端子部142とが設けてある。また、端子部142は、導体が充填されたスルーホール130によって被測定ガス側電極12と同じ面に設けられた端子部143と導通している。
図1、図2に示すごとく、このような固体電解質体13に対し、電気的絶縁性を有し、かつ緻密でガスを透過させないアルミナセラミックスよりなる基準ガス室形成層15が積層される。この基準ガス室形成層15には基準ガス室150として機能する溝部151が設けてある。基準ガス室150には、例えば外気(空気)が基準ガスとして導入されるよう構成されている。
そして、図1、図2に示すごとく、基準ガス室形成層15にヒータ基板17が積層される。
図2に示すごとく、このヒータ基板17には通電により発熱する発熱体16、該発熱体16に通電するためのリード部161が基準ガス室形成層17と対面するよう設けてあり、またこれら発熱体16やリード部161を設けた面とは反対側の面に端子部162が設けてある。
端子部162とリード部161との間は、導体を充填したスルーホール170により導通している。
次に、本例のガスセンサ素子1の製造方法につき説明する。
本例の製造方法は、図4に示すごとく、ペースト作製工程(ステップS1)と、ペースト配置工程(ステップS2)と、積層工程(ステップS3)と、焼成工程(ステップS4)とを有する。
ペースト作製工程(ステップS1)においては、図3(a)に示すごとく、得ようとする多孔質拡散抵抗層10の膜厚と同等な粒径を有する膜厚制御用粒子101を混入した多孔質拡散抵抗層10形成用のペースト100を作製する。また、ペースト配置工程(ステップS2)においては、該ペースト100を固体電解質体13又は遮蔽層11の表面に配置する。また、積層工程(ステップS3)においては、上記ペースト100を挟むように固体電解質体13と遮蔽層11とを積層し加圧して未焼積層体を得る。そして、焼成工程(ステップS4)においては、該未焼積層体を焼成する。
次に、本例の上記製造方法を用いてガスセンサ素子1を作製する手順につき、詳細に説明する。
まず、遮蔽層11、固体電解質体13、ヒータ基板17及び基準ガス室形成層15を形成するためのグリーンシートをそれぞれ作製する。
そして、固体電解質体13形成用のグリーンシートに、被測定ガス側電極12及び基準ガス側電極14を形成するための導電ペーストを印刷する。
その後、ペースト作製工程(ステップS1)において、図3(a)に示すごとく、得ようとする多孔質拡散抵抗層10の膜厚と同等の粒径を有する膜厚制御用粒子101を混入して多孔質拡散抵抗層10形成用のペースト100を作製する。
ここで、該ペースト100には、粒径のバラツキが±15%以内であると共に、平均粒径が15〜30μmである膜厚制御用粒子101が混入される。
尚、本例のペースト100には、アルミナよりなる膜厚制御用粒子101の他に、図3(a)に示すごとく、アルミナよりなる多孔質体粒子102と、樹脂よりなる気孔形成用粒子103と、これらを結合させるためのバインダ104とを混入している。
また、多孔質体粒子102は、膜厚制御用粒子101の粒径よりも小さい粒径を有する。
その後、ペースト配置工程(ステップS2)において、遮蔽層11形成用のグリーンシート又は固体電解質体13形成用のグリーンシートの表面に、上記ペースト100を配置する。
ここで、該ペースト100は、遮蔽層11形成用のグリーンシート又は固体電解質体13形成用のグリーンシートのどちらか一方の表面の全体又は一部に、まんべんなく配置しておく。これにより、膜厚が一定である多孔質拡散抵抗層10を容易に作製することができる。
次いで、積層工程(ステップS3)においては、図3(a)に示すごとく、上記ペースト100を挟むように固体電解質体13形成用のグリーンシートと遮蔽層11形成用のグリーンシートとを積層し加圧して未焼積層体を得る。
尚、本例では、上記ペースト100に接着性を有するものを用いているが、積層時に加熱することにより粘着性を持つことができるペーストを用いても良い。
また、発熱体16を構成する印刷部が印刷されたヒータ基板17形成用のグリーンシート等も、上記積層工程(ステップS3)において上記未焼積層体の一部として積層しておく。
尚、本例においては、上記積層工程(ステップS3)における加圧力は、0.05〜10MPaとしている。
そして、焼成工程(ステップS4)において、上記未焼積層体を焼成する。これにより、遮蔽層11、多孔質拡散抵抗層10、固体電解質13、基準ガス室形成層15及びヒータ基板17を積層してなるガスセンサ素子1が形成される。
尚、焼成時の収縮率が予めわかっている場合には、収縮率から逆算することで所望の径を有する気孔105を形成することもできる。例えば、仮に焼成によって気孔形成用粒子103の寸法が80%に収縮することがわかっており、平均粒径20μmの膜厚制御用粒子101と、直径0.1μm程度の多孔質体粒子102と、直径5μmの気孔形成用粒子103と、バインダ104とよりなる上記ペースト100を用いた場合には、焼成後の多孔質拡散抵抗層10は、直径4μmの気孔105を有し、膜厚が20μmとなることは容易に想定することができる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
本例の製造方法では、図4に示すごとく、得ようとする多孔質拡散抵抗層10の膜厚と同等の粒径を有する複数の膜厚制御用粒子101を混入して作製した上記ペースト100を挟むように固体電解質体13と遮蔽層11とを積層し加圧して未焼積層体を得る。
それ故、図3(b)に示すごとく、上記ペースト100に混入される複数の膜厚制御用粒子101を、固体電解質体13と遮蔽層11とに当接するよう配設することができる。即ち、膜厚制御用粒子101に、固体電解質体13と遮蔽層11との間の距離を確保する支柱としての機能を持たせることができる。そのため、固体電解質体13と遮蔽層11とを積層工程(ステップS3)において加圧したとき、その押圧力に多少のバラツキや偏りがあっても、上記ペースト100の膜厚を所望の一定の膜厚に保つことができる。これにより、所望の一定の膜厚を有する多孔質拡散抵抗層10を容易に作製することができる。
したがって、多孔質拡散抵抗層10において被測定ガスを取り込む端面109の面積のバラツキを抑制することができる。その結果、ガスセンサ素子1における出力値の製造上のバラツキを抑制することができる。
また、本例の上記製造方法によれば、多孔質拡散抵抗層10の薄型化を容易に図ることができるため、ガスセンサ素子1の早期活性をも充分に促すことができる。
また、膜厚制御用粒子101は、粒径のバラツキが±15%以内であるため、多孔質拡散抵抗層10の膜厚のバラツキを±15%以内に制御することができる。
また、膜厚制御用粒子101は、平均粒径が15〜30μmであるため、多孔質拡散抵抗層10の膜厚のバラツキを容易にすることができると共に、膜厚が一定であるペースト100を容易に作製することができる。
また、ペースト100は、膜厚制御用粒子101の混入量が5〜50体積%であるため、多孔質拡散抵抗層10の膜厚制御を容易に行うことができると共に、膜厚制御用粒子101同士がガスセンサ素子1の積層方向において重なり合うという不具合を回避することができる。
また、積層工程(ステップS3)における加圧力は、0.05〜10MPaであるため、多孔質拡散抵抗層10の膜厚をより一層容易かつ正確に制御することができる。
また、ペースト100は、接着性を有するため、遮蔽層11と固体電解質体13との間に、新たに接着層を設ける必要がない。また、製造過程における遮蔽層11と固体電解質体13との間での剥離等の不具合が発生することはないため、所望の膜厚を有する多孔質拡散抵抗層10を容易に作製することができる。
以上のごとく、本例によれば、出力値の製造上のバラツキを抑制することができるガスセンサ素子を得ることができる。
(実施例2)
本例は、膜厚制御用粒子101として、焼成工程(ステップS4)において焼失する樹脂を用いてガスセンサ素子を製造する例である。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、膜厚制御用粒子101を焼失することにより、多孔質拡散抵抗層10内において大きな気孔が形成される。そのため、本例により得られるガスセンサ素子は、被測定ガス室(図5、図7における符号200参照)への被測定ガスの供給を安定的に、かつスムーズに行うことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図5、図6に示すごとく、固体電解質体13と遮蔽層11との間に多孔質拡散抵抗層10及びスペーサ2が積層されており、被測定ガス側電極12に面して被測定ガス室200が形成されているガスセンサ素子1の例である。
本例では、ペースト配置工程(ステップS2)において、開口部20以外のスペーサ2の表面に多孔質拡散抵抗層10形成用のペースト100を配置した後、積層工程(ステップS3)において、スペーサ2を挟むように固体電解質13と遮蔽層11とを積層し加圧して未焼積層体を得る。更に、焼成工程(ステップ4)において、該未焼積層体を焼成することにより、本例のガスセンサ素子1を得る。
スペーサ2は、図6に示すごとく、遮蔽層11と同等の軸方向長さ及び幅を有し、その開口部20は、被測定ガス側電極12を囲むように形成されている。
また、多孔質拡散抵抗層10は、遮蔽層11とスペーサ2との間に配設されており、その開口部106は、スペーサ2の開口部20と重なるように形成されている。
即ち、被測定ガス室200は、遮蔽層11と固体電解質体13とに覆われると共に、多孔質拡散抵抗層10の開口部106とスペーサ2の開口部20とによって囲まれた状態で形成されている。そして、被測定ガスは、多孔質拡散抵抗層10を通過して被測定ガス室200へと導入される。
その他、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、図7、図8に示すごとく、遮蔽層11と固体電解質体13との間に、多孔質拡散抵抗層10と、開口部20を有するスペーサ2とが積層されており、多孔質拡散抵抗層10によって被測定ガス室200が覆われているガスセンサ素子1の例である。
本例では、ペースト配置工程(ステップS2)において、スペーサ2又は遮蔽層11の表面に多孔質拡散抵抗層10形成用のペースト100を配置する。このとき、スペーサ2の開口部20には、図示しない焼失材が充填されている。即ち、開口部20に上記焼失材を充填することにより、積層工程(ステップS3)において、偏りやバラツキを生じることなく上記ペースト100を加圧することができる。そのため、上記ペースト100の膜厚を、所望の一定の膜厚に保つことができる。
更に、焼成工程(ステップS4)において、積層工程(ステップS3)で作製した未焼積層体を焼成すると共に上記焼失材を焼失させることにより、本例のガスセンサ素子1を形成することができる。
その他、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
実施例1における、ガスセンサ素子の断面説明図。 実施例1における、ガスセンサ素子の斜視展開図。 実施例1における、(a)焼成前の多孔質拡散抵抗層形成用のペーストの構成を微視的に示した説明図、(b)多孔質拡散抵抗層の構成を微視的に示した説明図。 実施例1における、ガスセンサ素子の製造方法のフロー図。 実施例3における、ガスセンサ素子の断面説明図。 実施例3における、ガスセンサ素子の斜視展開図。 実施例4における、ガスセンサ素子の断面説明図。 実施例4における、ガスセンサ素子の斜視展開図。 従来例における、ガスセンサ素子の断面説明図。
符号の説明
1 ガスセンサ素子
10 多孔質拡散抵抗層
11 遮蔽層
12 被測定ガス側電極
13 固体電解質体
14 基準ガス側電極
100 ペースト
101 膜厚制御用粒子
S1 ペースト作製工程
S2 ペースト配置工程
S3 積層工程
S4 焼成工程

Claims (7)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に設けた基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極を覆うように上記固体電解質体に積層した遮蔽層と、上記固体電解質体と上記遮蔽層との間に配設した多孔質拡散抵抗層とを有するガスセンサ素子の製造方法であって、
    得ようとする上記多孔質拡散抵抗層の膜厚と同等の粒径を有する膜厚制御用粒子を混入した、上記多孔質拡散抵抗層形成用のペーストを作製するペースト作製工程と、
    上記ペーストを、上記固体電解質体形成用のグリーンシート又は上記遮蔽層形成用のグリーンシートの表面に配置するペースト配置工程と、
    上記ペーストを挟むように上記固体電解質体形成用のグリーンシートと上記遮蔽層形成用のグリーンシートとを積層し加圧して未焼積層体を得る積層工程と、
    該未焼積層体を焼成する焼成工程とを有し、
    上記多孔質拡散抵抗層形成用の上記膜厚制御用粒子は平均粒径が15〜30μmであり、
    また、上記積層工程における加圧力は、0.05〜10MPaであることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  2. 請求項1において、上記膜厚制御用粒子は、粒径のバラツキが±15%以内であることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、上記ペーストは、上記膜厚制御用粒子の混入量が5〜50体積%であることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記膜厚制御用粒子は、上記焼成工程において焼失させることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記ペーストは、少なくとも上記積層工程において接着性を有することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  6. 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に設けた基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極を覆うように上記固体電解質体に積層した遮蔽層と、上記固体電解質体と上記遮蔽層との間に配設した多孔質拡散抵抗層とを有するガスセンサ素子であって、
    上記多孔質拡散抵抗層は、該多孔質拡散抵抗層の膜厚と同等の粒径を有する膜厚制御用粒子を有してなり、
    かつ上記膜厚制御用粒子は、平均粒径が15〜30μmであることを特徴とするガスセンサ素子。
  7. 請求項6おいて、上記膜厚制御用粒子は、粒径のバラツキが±15%以内であることを特徴とするガスセンサ素子。
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