JP4715342B2 - 電磁駆動力を利用したアクチュエータの制御 - Google Patents

電磁駆動力を利用したアクチュエータの制御 Download PDF

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Description

この発明は、電磁駆動力を利用したアクチュエータの制御技術に関する。
アクチュエータとしては、バネ力と電磁駆動力とを併用したものがしばしば用いられている(例えば特許文献1,2)。
特開2002−90705号公報 特開2004−264819号公報
しかし、バネ力は位置によって決まってしまうので、同じ位置で強弱を制御することができない。このため、移動速度を調整できない点などの使用勝手の悪さがあるという問題があった。また、バネ力は温度によってもかなり変わるので、環境温度によって動作が変わってしまう。
そこで、バネ力などの機械的な駆動力を用いず、電磁駆動力のみを用いたアクチュエータが用いられる場合も多い。しかし、電磁駆動力のみを用いたアクチュエータの中には、制御量の偏差(例えば目標位置と実測位置との差)と操作量(例えば電流値)との関係が非線形であるものが存在する。良く用いられるPID制御は、制御量と操作量の線形性を前提としているので、このようなアクチュエータをPID制御によって制御することは不可能である。また、非線形制御にはアナログ量を用いた微妙なアナログ制御が行われている場合が多いが、アナログ回路では回路規模が大掛かりになるという課題を生じていた。
従来は、このように制御量と操作量とが非線形な関係にあるアクチュエータを制御する技術は十分に工夫されていないのが実情であった。
本発明は、制御量と操作量とが非線形な関係にあるアクチュエータに関して、制御量の目標値を達成するための制御技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のアクチュエータは、電磁駆動力を利用したアクチュエータであって、
磁石と電磁コイルとを有し、前記磁石と電磁コイルとの間の相対的な位置制御が可能な電磁アクチュエータ機構と、
前記電磁アクチュエータ機構を制御するための制御装置と、
有し
前記制御装置は、
前記電磁アクチュエータ機構の位置に関連する制御量の偏差が負値の場合に基準電流値を正値に決定し、前記偏差がゼロの場合に前記基準電流値をゼロに決定し、前記偏差が正値の場合に前記基準電流値を負値に決定する基準電流値決定部と、
記電磁コイルを駆動する駆動部と、
を有し、
前記制御装置は、更に、
前記偏差の正負の符号が入れ替わるまでの同一符号の偏差の連続発生数をカウントするカウンタと、
前記同一符号の偏差の連続発生数に応じて第1の補正係数を発生する第1補正係数発生部と、
前記基準電流値と前記第1の補正係数とを乗じて累算する累算部と、
を有し、
前記第1の補正係数は前記同一符号の偏差の連続発生数が値M1の際の係数P1とそれより大きい値M2の際の係数P2を比較すると係数P1>係数P2であり、
前記駆動部は、前記累算部で得られた累算値に相当する電流値に基づいて前記電磁コイルを駆動することを特徴とするアクチュエータ。
このアクチュエータによれば、制御量の偏差が負値、ゼロ、正値の場合に基準電流値が正値、ゼロ、負値にそれぞれ決定され、この基準電流値に基づいて電磁コイルが駆動されるので、制御量と操作量(コイル電流)とが非線形な関係にあっても、良好な制御特性を得ることができる。また、偏差の符号が変化したときに徐々に電流値を増大させることができるので、偏差がゼロ近傍にあるときに過度に変化を起こすことを防止できる。
前記基準電流値決定部は、前記偏差が負値、ゼロ、正値のいずれであるかに応じて予め設定された正電流値、ゼロ、負電流値のいずれかに前記基準電流値を決定し、
前記駆動部は、前記基準電流値で前記電磁コイルを駆動するようにしてもよい。
この構成によれば、3つの電流値のいずれかで電磁コイルが駆動されるので、単純な制御を実現することができる。
前記制御装置は、さらに、
正負の符号が同一の偏差が所定の周期で連続して発生する場合に、前記同一符号の偏差の連続発生数をカウントするカウンタと、
前記同一符号の偏差の連続発生数が増大するほど小さくなる第1の補正係数を発生する第1補正係数発生部と、
前記基準電流と前記第1の補正係数とを乗じて累算する累算部と、
を備え、
前記駆動部は、前記累算部で得られた累算値に相当する電流値に基づいて前記電磁コイルを駆動するようにしてもよい。
この構成によれば、偏差の符号が変化したときに徐々に電流値を増大させることができるので、偏差がゼロ近傍にあるときに過度に変化を起こすことを防止できる。
前記制御装置は、さらに、
前記同一符号の偏差の連続発生数が増大するほど大きくなる第2の補正係数を発生する第2補正係数発生部と、
前記累算値に前記第2の補正係数を乗算する乗算部と、
を備え、
前記駆動部は、前記乗算部で得られた乗算値に相当する電流値で前記電磁コイルを駆動するようにしてもよい。
偏差の符号が変化したときの電流値の増大率をさらに低減できるので、偏差がゼロ近傍にあるときの過度の変化をさらに効率よく防止できる。
前記アクチュエータ機構は、前記磁石と前記電磁コイルとのうちの所定の一方を含む可動部に接しているとともに前記可動部に対して摩擦力を与えるための摩擦力印加部材を有し、
前記可動部は前記摩擦力印加部材上を摺動するようにしてもよい。
摩擦力印加部材を用いるようにすれば、電流を流さない状態でアクチュエータの位置をある程度維持することができる。
また、前記アクチュエータ機構は、前記磁石と前記電磁コイルとのうちの所定の一方を含む可動部に接しているとともに前記可動部に対して前記可動部の移動方向と垂直な方向の振動を緩和するための振動緩和部材を有し、
前記可動部は前記振動緩和部材上を摺動するようにしてもよい。
この構成では、駆動方向と垂直な方向の振動や、それによる騒音を緩和することができる。
また、前記制御装置は、前記電磁コイルの電流値を決定するためのデジタル回路を含むものとしてもよい。
この構成によれば、制御装置のIC化が容易であり、また、部品変動による動作バラツキを少なくすることができる。
本発明による他のアクチュエータは、
電磁駆動力を利用したアクチュエータであって、
磁石と電磁コイルとを有し、前記磁石と電磁コイルとの間の相対的な位置制御が可能な電磁アクチュエータ機構と、
前記電磁アクチュエータ機構を制御するための制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記電磁アクチュエータ機構の位置に関連する制御量の偏差に応じて基準電流値を決定する基準電流値決定部と、
前記基準電流値に基づいて前記電磁コイルを駆動する駆動部と、
を備え、
前記基準電流値決定部は、前記偏差の符号に応じて、前記基準電流値を所定の正値と負値のいずれかに決定する。
このアクチュエータにおいても、制御量の偏差の正負の符号に応じて、基準電流値が所定の正値又は負値に決定され、この基準電流値に基づいて電磁コイルが駆動されるので、制御量と操作量(コイル電流)とが非線形な関係にあっても、良好な制御特性を得ることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、アクチュエータ、アクチュエータのための制御装置、アクチュエータの制御方法等の態様で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.アクチュエータ機構の他の実施例:
E.適用例:
F.変形例
A.第1実施例:
図1(A)は、第1実施例のアクチュエータ機構100の構成を示す側面図である。このアクチュエータ機構100は、電磁コイル部110と、磁石部210と、摺動部材220とを有している。電磁コイル部110は、図示しない支持部材に固定されており、その支持部材上に磁石部210の位置を検出するための位置センサ120が設けられている。この位置センサ120としては、ホール素子などの磁気センサを用いることができる。磁石部210は、互いに逆の着磁方向を有する2つの磁石を含んでいる。
電磁コイル部110に電流を流すことによって、図1(A)〜1(C)に示すように、磁石部210を移動させることができる。例えば、磁石部210を右端位置(図1(A))から左方向に移動させるときには、図1(B),1(C)に示すように電磁コイル部110の励磁方向が上向きになるようにコイルに電流が流される。また、磁石部210を右方向に移動させるときには、逆に、電磁コイル部110の励磁方向が下向き(図1(A))になるようにコイルに電流が流される。磁石部210は、摺動部材220に接した状態で移動する。摺動部材220を利用する利点は後述する。なお、磁石部210の代わりに電磁コイル部110が移動するようにしてもよい。この場合には、電磁コイル部110に接する摺動部材を設けることが好ましい。
図2(A)は、アクチュエータ機構100の平面図の一例を示している。この例では、電磁コイル部110のコイルの縦幅(図中の上下方向の寸法)が、磁石部210の磁石の縦幅とほぼ一致している。但し、磁石の寸法を、コイルよりも小さくすることが可能であり、逆にコイルよりも大きくすることも可能である。図2(B)は、アクチュエータ機構100の平面図の他の例を示している。この例では、図2(A)の例よりもコイルの縦幅が大きく設定されている。図2(A)の例では、全体の寸法をやや小さくできるという利点がある。一方、図2(B)の例では、コイルに対して移動方向以外の方向に掛かる無用な力が小さくなるという利点がある。すなわち、コイルの中で、磁石の外にあるコイル部分111a,111bには移動方向の力が掛かず、移動方向と垂直な方向に力が掛かる。従って、これらのコイル部分111a,111bを磁石部210の直下をはずれた位置に配置すれば、これらのコイル部分111a,111bにおける磁束密度が小さくなるので、このような無駄な力を小さくすることができる。
図3(A)〜3(C)は、磁石部210の磁束分布と電磁力の発生の様子を示す説明図である。図3(A)において、磁石部210の移動方向はX方向であり、磁化方向はZ方向である。また、X方向に駆動力を発生させるための電流の方向はY方向である。図3(B)は、磁石部210表面近傍で測定したZ方向の磁束密度Bzを示している。これから理解できるように、磁石部210の2つの磁石の中心においてZ方向の磁束密度Bzが最も大きくなる。X方向の駆動力は、Y方向の電流IyとZ方向の磁束密度Bzのベクトル積で決まるので、各磁石の中心付近をコイルが横切るときにX方向に大きな駆動力が発生する。図3(C)は、磁石部210表面近傍で測定したX方向の磁束密度Bxを示している。X方向の磁束密度Bxは、2つの磁石の境界近傍で最も大きくなる。このX方向の磁束密度BxがY方向の電流Iyと作用すると、Z方向の力が発生する。このようなZ方向の力は、磁石部210や電磁コイル部110にZ方向の振動を発生させて、騒音を発生させる原因となりうる。
図1(A)に示した摺動部材220は、このような振動や騒音を緩和するための振動緩衝部材としての機能を有している。このような振動緩衝部材としては、例えばゲル状の部材や可撓性の部材(ゴム等)を用いることが可能である。摺動部材220は、さらに、磁石部210との間に摩擦力を発生させる摩擦力印加部材としての機能も有している。磁石部210との間に摩擦力を発生させるようにすれば、電磁コイル部110への電流がゼロになったときにも、ある程度の小さな外力に対抗して、磁石部210と電磁コイル部110との相対位置を保持することが可能である。なお、摺動部材220は、振動緩衝部材としての機能と、摩擦力印加部材としての機能とのうちの一方のみを有していてもよい。
図4は、第1実施例のアクチュエータにおける位置制御時の電流変化の様子を示している。第1実施例では、アクチュエータ機構100が左方向に移動する場合には、正の一定の電流値Ipが電磁コイル部110に印加される。一方、アクチュエータ機構100が右方向に移動する場合には、負の一定の電流値Inが電磁コイル部110に印加される。このように、第1実施例のアクチュエータでは、制御量(アクチュエータ機構の位置)と操作量(電磁コイル部110の電流値)とが非線形な関係に設定されている。従って、以下に説明するように、PID制御とは異なる原理で位置制御が行われる。なお、位置と電流値とが非線形な関係に設定されている理由は、両者を線形な関係に設定すると、位置偏差が小さいときに、位置偏差をゼロに十分近づけることができない可能性があるからである。この可能性は、アクチュエータの可動部において、摩擦力印加部材としての摺動部材220(図1(A))を用いている場合に特に問題となる傾向にある。
図5は、第1実施例のアクチュエータ機構のための制御装置400のブロック図である。この制御装置400は、ユーザによって指定された位置指令値A0と、位置センサ120からの位置信号A3とに基づいて、電磁コイル部110に流す電流値A7を調整することによって位置制御を実現している。なお、各部の設定値がユーザによって設定されると、CPU410を介して各部にその設定値が登録される。ユーザが設定値を入力するための操作部は図示が省略されている。
図6は、制御装置400の動作を示すタイミングチャートである。制御装置400内の各部は、PLL回路490によって生成された第1のクロック信号A1と、制御信号発生部480によって生成された第2のクロック信号A2とに同期して処理を実行する。例えば、図6に示すように、第2のクロック信号A2の1パルスが発生するたびに指令値A0と位置信号A3との偏差A4が算出され、この偏差A4に基づいて電流値が決定される。なお、図6の例では、第2のクロック信号A2は、第1のクロック信号A1の1/128の割合でパルスが発生する信号である。
図5に示すように、位置センサ120からの位置信号A3は、A−D変換器420によってデジタル信号に変換されて位置比較部440(減算器)に入力される。また、ユーザによって入力された位置指令値A0は、CPU410によって位置指令記憶部430に格納され、位置指令記憶部430から位置比較部440に供給される。位置比較部440は、位置信号A3と位置指令値A0との偏差A4(=A3−A0)を算出して、電流値決定部450に供給する。図6の例では、偏差A4は、最初はマイナスの値を取り、目標位置に達するとゼロになるが、その後もゼロ付近で若干振動している。これは、若干の外力(例えば重力など)が働いているためである。なお、一定値の指令値の代わりに、CPU410から一定の周波数を有する正弦波に沿った指令値を供給することによって、等速運動を行うアクチュエータとして使用することも可能である。
図7は、電流値決定部450の内部構成を示すブロック図である。電流値決定部450は、3値判定部452と、3つの基準電流値レジスタ454〜456とを有している。3値判定部452は、偏差A4が負値、ゼロ、正値のいずれであるかを判定する。偏差A4が負値のときには、第1の基準電流値レジスタ454から所定の正の基準電流値CVref =+127が出力される。また、偏差A4がゼロのときには第2の基準電流値レジスタ455からゼロ電流値CVref =0が出力され、偏差A4が正値のときには第3の基準電流値レジスタ455から所定の負の基準電流値CVref =−128が出力される。この説明から理解できるように、「電流値が正」とは、位置偏差を負値からゼロに近づけるときの駆動力を発生させるための電流の方向を意味しており、また、「電流値が負」とは、位置偏差を正値からゼロに近づけるときの駆動力を発生させるための電流の方向を意味している。なお、正の基準電流値と負の基準電流値の絶対値を同じ値に設定してもよく、また、互いに異なる値に設定してもよい。
3値判定部452は、さらに、偏差A4が負値、ゼロ、正値のいずれであるかを示す3つの偏差符号信号UP,EQU,DOWNを出力する。図6に示すように、第1の偏差符号信号UPは、偏差A4が負値の時にHレベルとなり、ゼロまたは正値のときにLレベルとなる。第2の偏差符号信号EQUは、偏差A4がゼロの時にのみHレベルとなり、負値または正値のときにLレベルとなる。第3の偏差符号信号DOWNは、偏差A4が正値の時にHレベルとなり、ゼロまたは負値のときにLレベルとなる。電流値決定部450で生成された信号A5(基準電流値CVref 及び偏差符号信号UP,EQU,DOWN)は、駆動信号生成部460(図5)に供給される。
図8は、駆動信号生成部460の内部構成を示すブロック図である。駆動信号生成部460は、正負判定部461と、絶対値取得部462と、カウンタ463と、極性選択部464と、比較部465とを有している。正負判定部461は基準電流値CVref の符号(正、ゼロ、負)を判定し、絶対値取得部462は基準電流値CVref の絶対値を取得して比較部465に供給する。カウンタ463は、第1のクロックA1のパルス数をカウントして比較部465に供給する。なお、カウンタ463のカウント値は第2のクロックA2のパルスに応じて0にリセットされる。従って、カウンタ463は、0〜127までのカウント値を繰り返し発生している。
極性選択部464は、正負判定部461と比較部465からの信号に応じて、2組の駆動信号(PH,PL),(NH,NL)を生成する。これらの2組の駆動信号(PH,PL),(NH,NL)は、駆動回路部470内にあるHブリッジ回路の4つのトランジスタのゲートに供給される信号である。第1組の駆動信号(PH,PL)は、基準電流値CVref が正のときに、カウンタ463のカウント値が基準電流値CVref の絶対値に等しいパルスカウント値に達するまでの間だけHレベルに保たれ、他の期間はLレベルに設定される。一方、第2組の(NH,NL)は、基準電流値CVref が負のときに、カウンタ463によるカウント値が、基準電流値CVref の絶対値に等しいパルスカウント値に達するまでの間だけHレベルに保たれ、他の期間はLレベルに設定される。基準電流値CVref がゼロのときには、2組の駆動信号(PH,PL),(NH,NL)はLレベルに維持される。こうして得られた2組の信号(PH,PL),(NH,NL)を含む駆動信号A6は、駆動回路部470に供給される。
なお、図6からも理解できるように、第1実施例においては、第1組の駆動信号(PH,PL)は、電流値決定部450で生成される第1の偏差符号信号UPと同じ波形を有している。また、第2組の駆動信号(NH,NL)は、第3の偏差符号信号DOWNと同じ波形を有している。従って、第1実施例では駆動信号生成部460を省略することも可能である。
図9は、駆動回路部470の内部構成を示している。駆動回路部470は、レベルシフタ回路472と、Hブリッジ回路474とを有している。レベルシフタ回路472は、2組の駆動信号(PH,PL),(NH,NL)の電圧レベルを、Hブリッジ回路474のトランジスタのゲート電圧に適した電圧レベルに上昇させる機能を有する。こうして電圧レベルが調整された2組の駆動信号(PH,PL),(NH,NL)は、Hブリッジ回路474の4つのトランジスタのゲートに印加され、これに応じて電磁コイル部110に電流A7が流れる。このコイル電流A7は、図4,図6に示すように、正の基準電流値Ipと、ゼロと、負の基準電流値Inのいずれかの値を取る。正の基準電流値Ipと、負の基準電流値Inは、電流値決定部450(図7)で決定された基準電流値CVref に相当する値である。なお、図6では、コイル電流A7がゼロの期間には、ハイインピーダンス状態であることを示す文字「HiZ」が記されている。
このように、第1実施例では、位置の目標値(指令値)と実測値との偏差A4が負値、ゼロ、正値のいずれであるかに応じて、基準電流値CVref を所定の正値、ゼロ、負値のいずれかに設定し、この基準電流値CVref に相当するコイル電流A7を電磁コイル部110に流すようにしている。従って、図4に示すように制御量(位置)と操作量(電流)とが非線形な関係にあるにも拘わらず、アクチュエータを所望の位置に位置決めすることが可能である。
また、電磁コイル部110の電流値は、デジタル回路によって決定されているので、アナログ回路を用いる場合に比べてIC化が容易である。制御装置をIC化すれば、部品コストを低減することができ、また、部品変動による動作バラツキや温度変動に起因する動作バラツキを少なくできるという利点がある。
B.第2実施例:
図10は、第2実施例における電流値決定部450aの内部構成を示すブロック図である。また、図11は、第2実施例における制御装置の動作を示すタイミングチャートである。第2実施例は、電流値決定部の構成が第1実施例と異なるだけであり、他の構成は第1実施例と同じである。
この電流値決定部450aは、偏差限界値記憶部600と、3値判定部602と、電流値テーブル604と、カウンタ606と、係数発生部608と、乗算器610と、積分器(累算器)612とを有している。3値判定部602は、図7に示した3値判定部452と同様に3つの偏差符号信号UP,EQU,DOWNを出力し、また、偏差A4を電流値テーブル604に供給する。なお、この3値判定部602は、入力された偏差A4が偏差限界値記憶部600に予め記憶されている上限値と下限値を越えている場合には、上限値又は下限値に偏差A4をクリッピングする機能も有している。この理由は、偏差A4の範囲を電流値テーブル604の入力レンジに合わせるためである。電流値テーブル604は、3値判定部602から出力された偏差A4に応じて基準電流値A4−3を出力するテーブルである。
図12は、電流値テーブル604の内容を示すグラフである。横軸は偏差A4であり、縦軸は基準電流値A4−3である。基準電流値A4−3は、第1実施例の電流値決定部450(図7)で使用されていた基準電流値CVref に対応するものである。但し、第2実施例では、基準電流値A4−3は一定値では無く、偏差A4に応じて曲線状に変化する。但し、偏差A4がゼロに近いゼロ近傍範囲ZPRでは、基準電流値A4−3がゼロに維持されている。このゼロ近傍範囲ZPRは、位置決め精度の許容誤差に相当する範囲に設定されている。電流値テーブル604から出力された基準電流値A4−3は、乗算器610に供給される。
カウンタ606は、3つの偏差符号信号UP,EQU,DOWNに応じて、偏差A4が同一の符号(正又は負)に維持されている期間においてクロック信号A2のパルス数をカウントアップして、カウント値A4−1を出力する。このカウント値A4−1は、同一の符号を有する偏差A4が連続して発生する場合の連続発生数であり、偏差A4がゼロになるか、または偏差A4の符号が切り替わると0にリセットされる(図11参照)。このカウント値A4−1を、「同一符号連続発生数」とも呼ぶ。カウント値A4−1は、係数発生部608に供給される。
係数発生部608は、同一符号連続発生数A4−1が増大するほど小さくなる係数A4−2を出力する。具体的には、図11に示すように、係数A4−2は、1から始まって1/2を順次乗じた値(1,0.5,0.25,0.125…)となる。また、同一符号連続発生数A4−1がゼロになると、係数A4−2は1に初期化される。但し、係数A4−2の減少の仕方は、他の態様に設定することも可能である。この係数A4−2は、乗算器610において基準電流値A4−3と乗算され、乗算結果が積分器612で累算される。なお、積分器612には、上限値(=+127)と下限値(=−128)が予め設定されており、累算結果CVmはこれらの限界値の範囲内にクリッピングされている。累算器612の出力CVmは、電磁コイルに供給される電流値に相当する値である。この電流値CVmと、3つの偏差符号信号UP,EQU,DOWNが電流値決定部450aから出力されて駆動信号生成部460(図5)に与えられる。
駆動信号生成部460の動作は、第1実施例と同じである。但し、図6と図11を比較すれば理解できるうように、駆動信号生成部460に入力される信号A5のうち、第1実施例の電流値CVref は3つの基準電流値(+127,0,−128)のいずれかであったのに対して、第2実施例の電流値CVmはより細かく変化している。このため、駆動信号生成部460で生成される2組の駆動信号(PH,PL),(NH,NL)も図6のものと異なっている。すなわち、第1組の駆動信号(PH,PL)は、電流値CVmが正のときに、カウンタ463(図8)によるカウント値が、電流値CVmの絶対値に等しい値に達するまでの間だけHレベルに保たれ、他の期間はLレベルに設定される。一方、第2組の(NH,NL)は、電流値CVmが負のときに、カウンタ463によるカウント値が、電流値CVmの絶対値に等しい値に達するまでの間だけHレベルに保たれ、他の期間はLレベルに設定される。この結果、2組の駆動信号(PH,PL),(NH,NL)は、電流値CVmに相当する期間だけHレベルとなるような信号となる。また、電磁コイルに供給される電流A7も、2組の駆動信号(PH,PL),(NH,NL)の波形に応じた期間にのみ一定電流値Ip又はInとなる。従って、電磁コイル流れる電流A7の実効的な値(すなわち実効的な電力量)は、電流値CVmに相当していることが理解できる。
このように、第2実施例では、同一符号の偏差A4が連続して発生する場合に次第に減少する係数A4−2を生成し、この係数A4−2と、偏差A4に応じて決まる基準電流値A4−3とを乗じて累算し、その累算結果CVmに相当する電流で電磁コイルを駆動している。この結果、偏差A4がゼロに近い位置で偏差A4の符号が変化したときに、電流値Cmの絶対値を徐々に増大させるようにして、過度の位置変化を起こさないようにすることができる。具体例では、図11において、偏差A4の符号がゼロからプラスに変化したときに、電流値CVmが−40,−65と徐々に変化している。一方、図6に示した第1実施例では、これらのタイミングにおける電流値CVref は−127,−127であり、第2実施例よりも電流値の絶対値が大きい。従って、第2実施例では、偏差A4がゼロに近い位置において、過度な位置変化を起こす可能性が第1実施例よりも小さく、位置制御の精度が良いという利点がある。
C.第3実施例:
図13は、第3実施例における制御装置400aの構成を示すブロック図である。また、図14は、第3実施例の制御装置の動作を示すタイミングチャートである。第3実施例の制御装置400aは、第1実施例の制御装置400(図5)の構成から、電流値決定部450を第2実施例の電流値決定部450a(図10)に置き換え、また、電流値決定部450aと駆動信号生成部460との間に極性緩和部620を追加した構成を有している。換言すれば、第3実施例の制御装置400aは、第2実施例の制御装置に極性緩和部620を追加した構成を有している。
図15は、極性緩和部620の内部構成を示すブロック図である。極性緩和部620は、アップダウン連続判定部622と、カウンタ624と、緩和係数テーブル626とを有している。アップダウン連続判定部622は、電流値決定部450aのカウンタ606(図10)と同様に、3つの偏差符号信号UP,EQU,DOWNに応じて、同一符号(正又は負)の連続発生数Mtをカウントアップする。従って、この連続発生数Mtは、電流値決定部450aのカウンタ606で生成される同一符号連続発生数A4−3と同じ値を取る。緩和係数テーブル626は、この連続発生数Mtに応じた緩和係数A5Sinを出力する。この緩和係数A5Sinは、例えば以下の式で与えられる。
A4Sin=sin(Mt/k)
ここで、kは定数であり、図14の例ではk=6に設定されている。
なお、緩和係数A5Sinとしては、同一符号連続発生数Mtが増大するほど大きくなるような任意の係数を採用することができる。但し、緩和係数A5Sinの値は、0〜1の範囲の値を取ることが好ましい。
乗算器628は、この緩和係数A5Sinと電流値CVmとを乗算し、その乗算結果A5Sを最終的な電流値として駆動信号生成部460に供給する。図14から理解できるように、この電流値A5Sは、偏差A4の符号が同一に維持されている期間において、次第に増大する値を取る。電磁コイルは、この電流値A5Sに相当する電流で駆動される。
このように、第3実施例では、偏差A4の符号が同一に維持されている期間において、コイル電流が次第に増大するようにコイル電流値が決定される。従って、第2実施例の効果に加えて、偏差A4の符号が正から負へ、又は、負から正へ切り替わるときに、コイル電流が徐々に増大するように制御を行うことができるという効果がある。すなわち、偏差A4の符号が切り替わるときに、過度な位置変化を起こす可能性をさらに低減することができる。
D.アクチュエータ機構の他の実施例:
図16(A)〜16(D)は、アクチュエータ機構の他の実施例を示す説明図である。このアクチュエータ機構では、磁石部210aが支持材230に固定されており、電磁コイル部110aが左右に移動する。図16(D)は、図16(C)を側面から見た図である。電磁コイル部110aには、電磁コイル部110aの位置を検出するための位置センサ120が設けられている。また、電磁コイル部110aに接する位置に摺動部材220が設けられている。このようなアクチュエータ機構を用いた場合も、前述した第1〜第3実施例の制御装置を用いて位置決めを行うことが可能である。
図17(A)〜17(C)は、アクチュエータ機構のさらに他の実施例を示す説明図である。このアクチュエータ機構では、磁石部210bが支持材230に固定されており、電磁コイル部110bが上下に移動する。電磁コイル部110bには、電磁コイル部110bの位置を検出するための位置センサ120が設けられている。なお、電磁コイル部110aに接する位置に摺動部材を設けるようにしてもよい。このアクチュエータ機構は、電磁コイル部110bと磁石部210bの反発力を利用している点が他の実施例と異なっている。このようなアクチュエータ機構を用いた場合も、前述した第1〜第3実施例の制御装置と同様な制御装置を用いて位置決めを行うことが可能である。但し、図17(A)〜17(C)のアクチュエータ機構では、電磁コイル部110bが下降するときには重力を利用することができる。従って、下降する際には、電磁コイル110bにわずかな電流を流すことによって下降速度を調整することができ、あるいは、全く電流を流さないで重力のみによって下降させることも可能である。
図18(A)〜18(D)は、アクチュエータ機構の他の実施例を示す説明図である。このアクチュエータ機構の磁石部210cは、同じ磁化方向(左右方向)の2つの棒状磁石211,212が、長手方向に沿って隣接して配置されたものである。また、電磁コイル部110bは、2つの電磁コイル111,112を有している。電磁コイル部110cの位置は、中心位置センサ120とエンコーダ130によって検出される。図18(A)〜18(D)は、電磁コイル部110cが中心位置から右側に移動する様子を示している。この場合には、図18(B)に示すように第2の電磁コイル112のみに電流が流され、これに応じて電磁コイル部110cが右側に移動し始める。その後、図18(C)に示すように第1の電磁コイル111が右側の棒状磁石212の範囲に入ると、第1の電磁コイル111にも電流が流されて、2つの電磁コイル111,112から駆動力が発生する。このようなアクチュエータ機構を用いた場合も、前述した第1〜第3実施例の制御装置を用いて位置決めを行うことが可能である。
図18(E)は、磁石部の他の構成例を示している。この磁石部210dは、2つの長い棒状磁石211、212の代わりに、多数の小さな棒状磁石224を支持部材230上に並べたものである。このような磁石部210dを用いても、図18(A)〜18(D)と同様な動作を有するアクチュエータ機構を実現することが可能である。
E.適用例:
図19は、本発明の実施例によるアクチュエータの第1の適用例としての羽根部材駆動機構を示す説明図である。この羽根部材駆動機構510は、中心軸512回りに回動可能な羽根部材514と、この羽根部材514を移動させるアクチュエータ機構100とを備えている。アクチュエータ機構100の磁石部210は、羽根部材514の一端に固定されており、電磁コイル部110は図示しない支持部材に固定されている。なお、このアクチュエータ機構100は、図1に示したものとほぼ同じ構造を有している。但し、電磁コイル部110と磁石部210は、中心軸512を中心とする円周に沿って配置されている。アクチュエータ機構100を動作させると、羽根部材514が中心軸512を中心として回動する。前述したように、アクチュエータ機構100は位置制御が可能なので、羽根部材514を所望の位置に位置決めすることが可能である。なお、この適用例では、「位置」とは羽根部材514の角度を意味している。このような羽根部材514を多数用いることによって、光学装置の絞り機構を構成することが可能である。
図20は、本発明の実施例によるアクチュエータの第2の適用例としてのレバー駆動機構を示す説明図である。このレバー駆動機構520は、中心軸522回りに回動可能なレバー524と、このレバー524を移動させるアクチュエータ機構100とを備えている。アクチュエータ機構100の磁石部210とレバー524の向かい合う箇所には、互いに噛み合うギア526,528が固定されている。一方のギア526は平歯車であり、他方のギア528は半円形の歯車である。電磁コイル部110は図示しない支持部材に固定されている。磁石部210の直線運動は、ギア526,528によって回転運動に変換される。アクチュエータ機構100を動作させると、レバー524が中心軸522を中心として回動する。この結果、レバー524を所望の位置に位置決めすることが可能である。
図21は、本発明の実施例によるアクチュエータの第3の適用例としての突起部材駆動機構を示す説明図である。この突起部材駆動機構530は、中心軸532回りに回動可能な突起部材534と、この突起部材534を移動させる2つのアクチュエータ機構100とを備えている。各アクチュエータ機構100の磁石部210の一端には、リンク保持部材538が固定されており、電磁コイル部110は図示しない支持部材に固定されている。2つのリンク保持部材538は、同一平面上に配置された2つの直線状リンク536(X1軸及びX2軸)によって突起部材534にそれぞれ連結されている。2つのアクチュエータ機構100を動作させると、突起部材534が中心軸532を中心として回動する。この結果、突起部材534の先端にある突起534aを、所望の角度に位置決めすることが可能である。
図22は、本発明の実施例によるアクチュエータの第4の適用例としての3次元駆動機構を示す説明図である。この3次元駆動機構540は、駆動対象部材542を3次元的に移動させる3つのアクチュエータ機構100を備えている。各アクチュエータ機構100の磁石部210の一端には、リンク保持部材548が固定されており、電磁コイル部110は図示しない支持部材に固定されている。3つのリンク保持部材548は、直線状リンク546によって駆動対象部材542にそれぞれ連結されている。3つのアクチュエータ機構100の磁石部210及びリンク保持部材548は、互いに直交する3つの軸(X軸、Y軸、Z軸)に沿って移動する。この結果、3つのアクチュエータ機構100を動作させると、駆動対象部材542を3次元的に位置決めすることが可能である。
図23は、本発明の実施例によるアクチュエータの第5の適用例としての環状アクチュエータを示す説明図である。この環状アクチュエータ550は、中空円筒状のケース552と、ケース552内に収納されて回動軸554回りに回動するロータ556とを備えている。ロータ556の回動軸554は、ケース552の軸受け556によって保持されている。ロータ556には磁石部210が配置されており、ケース552の内側には、磁石部210に対向して電磁コイル部110が配置されている。
図23(B),(C)は、コイルと磁石の配置をそれぞれ示している。この例では、電磁コイル部110は、中心を挟んで2つ配置されている。磁石は90度おきに4つ配置されている。この環状アクチュエータ550では、ロータ556が45度の範囲で回動することが可能である。なお、この環状アクチュエータ550は、本発明によるアクチュエータ機構を2つ備えているので、高いトルクを発生させることができる。従って、高いトルクを必要とする駆動装置として適用可能である。
図24は、本発明の実施例によるアクチュエータの第6の適用例としての電磁サスペンションを示す説明図である。この電磁サスペンション560は、磁石部210が固定されたサスペンション本体562と、磁石部210に対向する位置において支持部材564に固定された電磁コイル部110と、下端リミッタ566とを備えている。電磁コイル部110には、位置センサ120が設けられている。このアクチュエータは、図17に示したアクチュエータ機構を利用したものである。すなわち、電磁コイル部110と磁石部210の反発力と吸引力を利用することによって、サスペンションの力と位置を調整し、上向きと下向きの振動応力を吸収することが可能である。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
上述した各種の実施例では、位置を制御量としていたが、位置以外の種々のものを制御として利用することができる。例えば、光量(例えば照明光学系の開口絞りを調節するアクチュエータの場合)や、流量や流速(流量調整弁用のアクチュエータの場合)などを制御量としてもよい。これらの制御量も、アクチュエータの位置に応じて変わるので、アクチュエータの位置に関連しているものと考えることができる。また、一般に、制御量を直接的又は間接的に測定するためのセンサを設けることが好ましい。
F2.変形例2:
上記実施例では、制御量(位置)の偏差が負値、ゼロ、正値のいずれであるかに応じて、基準電流値を正値、ゼロ、負値の3つの値のうちのいずれかに設定していたが、この代わりに、制御量の偏差の符号に応じて基準電流値を所定の正値又は負値のいずれかに設定してもよい。この場合には、制御量の偏差がゼロのときに、基準電流値は正値と負値のうちの予め選択された一方に設定される。
F3.変形例3:
上記実施例で使用した各種のアクチュエータ機構の構成や制御装置の構成は例示であり、これら以外の種々の構成を採用することが可能である。
第1実施例のアクチュエータ機構の構成を示す側面図である。 アクチュエータ機構の平面図である。 磁石部の磁束分布と電磁力の発生の様子を示す説明図である。 第1実施例のアクチュエータにおける位置制御時の電流変化の様子を示す説明図である。 第1実施例のアクチュエータ用の制御装置のブロック図である。 第1実施例の制御装置の動作を示すタイミングチャートである。 電流値決定部の内部構成を示すブロック図である。 駆動信号生成部の内部構成を示すブロック図である。 駆動回路部の内部構成を示す説明図である。 第2実施例における電流値決定部の内部構成を示すブロック図である。 第2実施例の制御装置の動作を示すタイミングチャートである。 電流値テーブルの内容を示すグラフである。 第3実施例における制御装置の構成を示すブロック図である。 第3実施例の制御装置の動作を示すタイミングチャートである。 極性緩和部の内部構成を示すブロック図である。 アクチュエータ機構の他の実施例を示す説明図である。 アクチュエータ機構のさらに他の実施例を示す説明図である。 アクチュエータ機構の他の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例によるアクチュエータの第1の適用例を示す説明図である。 本発明の実施例によるアクチュエータの第2の適用例を示す説明図である。 本発明の実施例によるアクチュエータの第3の適用例を示す説明図である。 本発明の実施例によるアクチュエータの第4の適用例を示す説明図である。 本発明の実施例によるアクチュエータの第5の適用例を示す説明図である。 本発明の実施例によるアクチュエータの第6の適用例を示す説明図である。
符号の説明
100…アクチュエータ機構
110…電磁コイル部
111,112…電磁コイル
120…位置センサ
130…エンコーダ
210…磁石部
211,212…棒状磁石
220…摺動部材
224…棒状磁石
230…支持部材
400…制御装置
410…CPU
420…A−D変換器
430…位置指令記憶部
440…位置比較部
450…電流値決定部
452…3値判定部
454〜456…レジスタ
460…駆動信号生成部
461…正負判定部
462…絶対値取得部
463…カウンタ
464…極性選択部
465…比較部
470…駆動回路部
472…レベルシフタ回路
474…Hブリッジ回路
480…制御信号発生部
490…PLL回路
510…羽根部材駆動機構
512…中心軸
514…羽根部材
520…レバー駆動機構
522…中心軸
524…レバー
526,528…ギア
530…突起部材駆動機構
532…中心軸
534…突起部材
536…直線状リンク
538…リンク保持部材
542…駆動対象部材
546…直線状リンク
548…リンク保持部材
550…環状アクチュエータ
552…ケース
554…回動軸
556…ロータ
560…電磁サスペンション
562…サスペンション本体
564…支持部材
566…下端リミッタ
600…偏差限界値記憶部
602…3値判定部
604…電流値テーブル
606…カウンタ
608…係数発生部
610…乗算器
612…積分器(累算器)
620…極性緩和部
622…アップダウン連続判定部
624…カウンタ
626…緩和係数テーブル
628…乗算器

Claims (5)

  1. 電磁駆動力を利用したアクチュエータであって、
    磁石と電磁コイルとを有し、前記磁石と電磁コイルとの間の相対的な位置制御が可能な電磁アクチュエータ機構と、
    前記電磁アクチュエータ機構を制御する制御装置と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記電磁アクチュエータ機構の位置に関連する制御量の偏差が負値の場合に基準電流値を正値に決定し、前記偏差がゼロの場合に前記基準電流値をゼロに決定し、前記偏差が正値の場合に前記基準電流値を負値に決定する基準電流値決定部と、
    記電磁コイルを駆動する駆動部と、
    を有し、
    前記制御装置は、更に、
    前記偏差の正負の符号が入れ替わるまでの同一符号の偏差の連続発生数をカウントするカウンタと、
    前記同一符号の偏差の連続発生数に応じて第1の補正係数を発生する第1補正係数発生部と、
    前記基準電流値と前記第1の補正係数とを乗じて累算する累算部と、
    を有し、
    前記第1の補正係数は前記同一符号の偏差の連続発生数が値M1の際の係数P1とそれより大きい値M2の際の係数P2を比較すると係数P1>係数P2であり、
    前記駆動部は、前記累算部で得られた累算値に相当する電流値に基づいて前記電磁コイルを駆動することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 請求項記載のアクチュエータであって、
    前記制御装置は、
    前記同一符号の偏差の連続発生数に応じて第2の補正係数を発生する第2補正係数発生部と、
    前記累算値に前記第2の補正係数を乗算する乗算部と、
    を有し、
    前記第2の補正係数は前記同一符号の偏差の連続発生数が値N1の際の係数Q1とそれより大きい値N2の際の係数Q2を比較すると係数Q2>係数Q1であり、
    前記駆動部は、前記乗算部で得られた乗算値に相当する電流値で前記電磁コイルを駆動することを特徴とするアクチュエータ。
  3. 請求項1又は2に記載のアクチュエータであって、
    前記アクチュエータ機構は、前記磁石と前記電磁コイルとのうちの所定の一方を含む可動部に接しているとともに前記可動部に対して摩擦力を与える摩擦力印加部材を有し、
    前記可動部は前記摩擦力印加部材上を摺動することを特徴とするアクチュエータ。
  4. 請求項1又は2に記載のアクチュエータであって、
    前記アクチュエータ機構は、前記磁石と前記電磁コイルとのうちの所定の一方を含む可動部に接しているとともに前記可動部に対して前記可動部の移動方向と垂直な方向の振動を緩和する振動緩和部材を有し、
    前記可動部は前記振動緩和部材上を摺動することを特徴とするアクチュエータ。
  5. 請求項1又は2に記載のアクチュエータであって、
    前記制御装置は、前記電磁コイルの電流値を決定するデジタル回路を含むことを特徴とするアクチュエータ。
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