JP5891416B2 - 移動制御装置、移動制御方法及び移動制御回路 - Google Patents

移動制御装置、移動制御方法及び移動制御回路 Download PDF

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Description

本発明は、被駆動体を往復移動させる移動制御装置、移動制御方法及び移動制御回路に関するものである。例えば、カメラを用いて被写体の動画もしくは静止画撮影において被写界深度拡張を実現するためにレンズもしくは撮像素子などの光学素子を光軸方向に往復移動させる移動制御装置、移動制御方法及び移動制御回路に関するものである。
一般的に被写界深度拡張(以下EDOF:Extended Depth of Field)を実現する方式としては、露光時間中にフォーカスレンズもしくは撮像素子を移動させることで、深度方向に一律に合焦した画像を畳み込み、予め測定もしくはシミュレーションにより得られたボケパターンによって画像復元処理を行うことでEDOF画像を得るものがある(非特許文献1)。
EDOF技術の応用例として、最初のものは顕微鏡撮影用途である。この用途では像のボケが常に均一になるようにフォーカスレンズもしくは撮像素子の動かし方を制御してやれば、単一のボケパターンを使った露光後の画像復元処理方法を適用できるため、合理的であることが知られている(特許文献1)。
しかしながら、これらの応用ではフォーカスレンズもしくは撮像素子を駆動する場合に撮像面が等速度移動するようにフォーカス変位を行う必要がある(非特許文献1)。
したがって、移動パターンとしては奥側合焦端位置から手前側合焦端位置まで等速度、またはその逆方向に等速度であることが要求される。
その他の応用例としては、近年、携帯電話などに搭載されるカメラの小型化に寄与するという点が挙げられる。すなわちEDOF効果により、オートフォーカス機構を持つことなく、全焦点画像(すべての被写体に焦点が合っている画像)を得ることができる。
さらにもう1つの応用例としては、通常のデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラへの応用が考えられる。これらのデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラの近年のトレンドとしては、より簡単にかつ失敗の少ない撮影が求められ、EDOF技術は全焦点画像、すなわち合焦ミスのない撮影が可能という効果を期待できる。
このようなデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラへのEDOF方式の応用には、動画撮影時に1コマ1コマの間に時間遅れを発生することなく連続撮影することが求められるため、動画撮影中は図14に示すように往復移動を実施し、往と復とでそれぞれ1ビデオフレームずつ割り振ることでEDOF動画撮影が可能であることが知られている。
しかしながら、図14のようなフォーカスレンズの変位パターンもしくは撮像素子の変位パターンは、被写体に対する最近端部、最遠端部での鋭角的な折り返しを含んでいる。このような鋭角的な折り返しを実現するためには、撮像素子もしくはフォーカスレンズを駆動させるアクチュエータに、瞬間的に大きな推力を発生させる必要がある。機器の小型化、省電力化の観点からは、このような大きな推力を発生させる往復移動制御は、持ち運び可能なデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラにおいて現実的ではない。またこのような往復移動制御は、瞬間的に大きな推力を発生させ急峻に速度を反転させるので駆動機構の消耗が激しく、駆動時の振動や騒音も大きくなり品質面からも許容されないという課題を有する。
被写体の動画もしくは静止画撮影においてEDOFを実現するために適用できそうな、フォーカスレンズもしくは撮像素子などの光学素子を光軸方向に往復移動させる従来の移動制御装置としては、特許文献2および特許文献3に開示されているものがある。
特許文献2では、図15に示すように、円筒状の永久磁石の外面と空間を保って対向するように形成されたヨーク116からなる固定子113と、固定子113に対して軸方向に沿ってスライド可能に構成された駆動コイル129を有する可動子127を設け、ヨーク116の外側にはセンサコイルとしての空芯コイル132を設け、可動子127の変位に伴って空芯コイル132内で変位する永久磁石128が可動子127に取付けられている。駆動コイル129による空芯コイル132への電磁誘導作用はこれらの間に位置するヨーク116によって磁気的に遮蔽されるので、空芯コイル132には可動子127に連動する永久磁石128の変位速度に応じた起電力、すなわち速度信号のみが発生する。可動子127は、位置センサ161の位置検出電圧で位置制御され、空芯コイル132の出力である速度信号を用いて可動子127に対してダンピングをかけることにより、ハンチングを生じることなく応答性を向上させることができる技術が開示されている。
特許文献3では、図16に示すように、フォーカスレンズ110の光軸の軸回りに同軸に配置された駆動用コイル135とマグネット134からなるアクチュエータでフォーカスレンズ110を光軸方向に駆動し、フォーカスレンズ110の移動に応じて磁束が変化する傾斜マグネット139とホール素子からなる位置センサの位置信号とフォーカスレンズ110の移動速度検出用コイル137の速度信号で位置制御を行う。駆動用コイル135が巻かれたボビン131に速度検出用コイル137を巻くのでセンサ用のマグネットを駆動用と共用でき部品点数を削減し、軽量化及びコスト低減ができる技術が開示されている。
被写界深度を拡張するためには、拡張したい被写界深度に相当する焦点距離だけ一定速度で移動させる。そのために光学素子の移動パターンを生成しパターンの目標位置に応じて光学素子の高速位置決め制御を行う。
しかしながら、前記従来の構成のアクチュエータでは、基本的には、位置センサの出力する位置信号を制御回路にフィードバック制御してフォーカスレンズの位置決め制御を行う。したがって、フォーカスレンズの移動距離は長く、フォーカスレンズを一定速度で移動させる必要がある。このため、可動領域の全動作範囲に亘ってレンズの位置検出範囲が長く、位置の検出位置精度、直線性に優れた位置センサが必要となる。また、可動子にダンピングをかけ、アクチュエータの位置決め時に振動的とならないようにするための速度信号を得る速度センサが必要となる。このため、装置が大きく高価なものになるという課題を有していた。
特開平5−313068号公報 特開平1−206861号公報 特開平4−119306号公報
H.Nagahara,S.Kuthirummal,C.Zhou and S.Nayar,"Flexible Depth of Field Photography",European Conference on Computer Vision(ECCV),Oct.16th,Morning Session 2:Computation Photography(2008)
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、被駆動体を好適に往復移動させることが低コストで実現できる移動制御装置、移動制御方法及び移動制御回路を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る移動制御装置は、永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータと、前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成部と、入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動部と、前記駆動部による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出部と、前記駆動信号と前記電圧検出部から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正部と、前記信号生成部により生成される前記速度指令信号と前記信号補正部により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動部に出力する制御部と、を備える。
本発明の一局面に係る移動制御方法は、永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータを備えた移動制御装置における前記被駆動体の移動制御方法であって、前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する第1工程と、前記被駆動体を往復移動させるための駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する第2工程と、前記第2工程における前記駆動コイルへの電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する第3工程と、前記駆動信号と前記第3工程で出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する第4工程と、前記第1工程で生成される前記速度指令信号と前記第4工程で生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成する第5工程と、を含む。
本発明の一局面に係る移動制御回路は、永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータを制御する移動制御回路であって、前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成回路と、入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動回路と、前記駆動回路による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出回路と、前記駆動信号と前記電圧検出回路から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正回路と、前記信号生成回路により生成される前記速度指令信号と前記信号補正回路により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動回路に出力する制御回路と、を備える。
本発明の一実施の形態における移動制御装置の機能構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態における移動制御装置を構成する誘起電圧検出器の内部構成を示す回路構成図 本発明の一実施の形態における移動制御装置を構成する信号補正器の内部構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態における移動制御装置を構成する補正信号生成器の動作を説明するシミュレーション結果を示す時間波形図 本発明の一実施の形態における移動制御装置を構成する信号補正器の動作を説明するシミュレーション結果を示す時間波形図 本発明の一実施の形態における移動制御装置を構成する速度指令発生器の機能のうち、往復移動の振幅調整を行なう動作を説明するフローチャート 本発明の一実施の形態における移動制御装置を構成する速度指令発生器の振幅調整を行なう動作を説明するシミュレーション結果を示す時間波形図 本発明の一実施の形態における移動制御装置を構成する速度指令発生器の機能のうち、往復移動の周期調整を行なう動作を説明するフローチャート 本発明の一実施の形態における移動制御装置を構成する速度指令発生器の周期調整を行なう動作を説明するシミュレーション結果を示す時間波形図 本発明の一実施の形態における移動制御装置を構成する速度指令発生器の振幅調整と周期調整とを同時に作用させた動作を説明するシミュレーション結果を示す時間波形図 本発明の一実施の形態における移動制御装置の往復移動の定常状態における動作を説明するためのシミュレーション結果を示す時間波形図 信号補正器の内部構成の異なる例を示すブロック図 信号補正器の内部構成のさらに異なる例を示すブロック図 従来の動画撮影時のフォーカスレンズもしくは撮像素子変位パターンの一例を示したパターン図 従来の移動制御装置の一例を示した構成図 従来の移動制御装置の他の一例を示した構成図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における移動制御装置の機能構成を示すブロック図である。図1に示される移動制御装置は、アクチュエータ1、第1の端検出センサ2、第2の端検出センサ3、駆動器4、誘起電圧検出器5、信号補正器6、速度制御器7及び速度指令発生器8を備える。
図1において、アクチュエータ1は、固定子11と駆動コイル12とを備える。固定子11は、円筒状の空隙を介して対向するヨーク13を有し、その空隙部分に対応させて少なくとも一方のヨークに円筒状の永久磁石14が固着されている。永久磁石14は、ヨーク13の駆動コイル12に対向する面に配置されている。駆動コイル12は、図示しない支持機構により、永久磁石14との間に所定の空隙を保持して、移動可能に支持されている。固定子11に配置された永久磁石14が発生する磁束と駆動コイル12に通電される電流が作る磁界との相互作用により、駆動コイル12は推力を受ける。
被駆動体9(この実施形態では例えばフォーカスレンズ)は、駆動コイル12に連結され、駆動コイル12の移動に応じて光軸方向(図1に矢印で示される左右方向)に往復移動される。第1の端検出センサ2と第2の端検出センサ3は、駆動コイル12の移動に応じて光軸方向に往復移動されるフォーカスレンズなどの被駆動体9の移動範囲を決定するものである。第1の端検出センサ2は、アクチュエータ1の可動部に対向して配置され、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動範囲の一方の端位置AUを検出して、第1の端位置信号X1を出力する。第2の端検出センサ3は、アクチュエータ1の可動部に対向して配置され、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動範囲の他方の端位置ALを検出して、第2の端位置信号X2を出力する。可動部は、駆動コイル12及び被駆動体9を含む。第1の端検出センサ2及び第2の端検出センサ3は、例えば駆動コイル12に対向して配置され、往復移動する駆動コイル12を検出することにより、被駆動体9の移動範囲の両端の端位置AU,ALを検出する。なお、第1の端検出センサ2及び第2の端検出センサ3を被駆動体9に対向して配置し、第1の端検出センサ2及び第2の端検出センサ3により被駆動体9を検出するようにしてもよい。第1の端検出センサ2および第2の端検出センサ3としては、MR(Magneto Resistance)センサや、フォトリフレクタや、フォトインタラプタ等が用いられる。
誘起電圧検出器5は、駆動コイル12の両端の電圧から駆動コイル12に発生する誘起電圧Eaを検出し、電圧信号Edを出力する。信号補正器6は、駆動器4に入力される駆動信号Uと誘起電圧検出器5から出力される電圧信号Edとから、アクチュエータ1の可動部(つまり被駆動体9)の移動速度を示す速度信号Vcを生成し、この速度信号Vcを速度制御器7へ出力する。
速度制御器7は、目標速度指令Vrefと速度信号Vcとの差を示す速度誤差信号eを生成し、速度誤差信号eに対して増幅および積分補償の演算を施した後、駆動信号Uを生成する。
速度指令発生器8は、第1の端検出センサ2と第2の端検出センサ3とがアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動範囲の両端の単位置AU,ALを検出したときに、それぞれのセンサ2,3から出力される第1の端位置信号X1と第2の端位置信号X2とから、目標速度指令Vrefと検出窓信号W(後述)とを生成する。速度指令発生器8は、目標速度指令Vrefを速度制御器7に出力し、同時に検出窓信号Wを信号補正器6に出力する。駆動器4は、入力された駆動信号Uに応じて駆動コイル12に駆動電流Iaを供給し、駆動コイル12を往復移動させる。駆動コイル12に連結されたフォーカスレンズなどの被駆動体9は、光軸方向(図1中、矢印で示される左右方向)に、第1の端位置信号X1と第2の端位置信号X2とにより決定される移動範囲内で往復移動する。
上記移動制御装置では、アクチュエータ1の駆動コイル12の誘起電圧Eaに対応する電圧信号Edを速度制御器7にそのまま入力するのではなく、アクチュエータ1の駆動コイル12のコイル抵抗の基準値(例えば抵抗公称値)からの抵抗値のずれを補正するように、電圧信号Edを調整することによって正確な速度信号Vcを生成し、生成した速度信号Vcを速度制御器7に入力する。そのため、アクチュエータ1の駆動コイル12の抵抗値にばらつきがあったり、あるいは駆動コイル12への通電による温度上昇のために抵抗値が変動したとしても、アクチュエータ1の駆動に伴って駆動コイル12に発生する誘起電圧Eaを正確に求めることができ、速度信号Vcとして使用することができる。
図2は本発明の実施の形態における移動制御装置に含まれる誘起電圧検出器5の内部構成を示す周知の回路構成図である。
図2において、誘起電圧検出器5は増幅器21,22、及び抵抗23,24,25,26,27,28及び29からなる。抵抗23は、電流検出抵抗Rsで、駆動コイル12に供給される駆動電流Iaを電圧値に変換する。抵抗24,25の抵抗値はそれぞれr1,r2で、抵抗26,27の抵抗値はr3、抵抗28,29の抵抗値はr4である。
駆動コイル12の両端に発生する電圧Vaは、
Va=Ea+Ra・Ia ・・・(式1)
で表される。ここで、Eaはアクチュエータ1により被駆動体9が往復移動したときに駆動コイル12の両端に発生する誘起電圧、Raは駆動コイル12のコイル抵抗、Iaは駆動コイル12に通電される電流である。なお、駆動電流Iaが駆動コイル12に流れることにより発生する電圧降下分のうち、コイルインダクタンスによる電圧降下分はコイル抵抗による電圧降下分に比べて十分に小さいので、コイル抵抗の電圧降下分だけを考慮し、コイルインダクタンスの電圧降下分を省略してある。
増幅器21の出力をV1とすれば、
V1=Rs・Ia・(1+r2/r1)+VC ・・・(式2)
で表される。ここで、VCは、図2の端子TCの電位を示す。
また、図2の端子TAの電位VAは、
VA=Va+Rs・Ia+VC ・・・(式3)
と表される。増幅器22と抵抗26,27,28および29で、増幅率がr4/r3の誤差増幅器を構成している。誘起電圧検出器5の出力である増幅器22の電圧信号Edは、
Ed=(VA−V1)・r4/r3 ・・・(式4)
と表される。簡単のため、(式5)が成立するように抵抗26,27,28,29を選び、
r3=r4 ・・・(式5)
(式4)に(式1)、(式2)および(式3)を代入し、整理すると、増幅器22の出力する電圧信号Edは、
Ed=Va−Rs・r2/r1・Ia
=Ea+(Ra−Ran)・Ia ・・・(式6)
と表される。増幅器21と抵抗23,24および25とは、全体としてブリッジ回路を構成しており、(式6)において
Ran=Rs・r2/r1 ・・・(式7)
である。なお、Ranは駆動コイル12の抵抗公称値とする。ここで、
Ra=Ran ・・・(式8)
が成立するようにr2とr1の比を設定したものとすれば、増幅器22の出力する電圧信号Edは、(式6)、(式7)および(式8)より、
Ed=Ea ・・・(式9)
として求められる。すなわち、図2の誘起電圧検出器5は、アクチュエータ1により被駆動体9が往復移動したときに、駆動コイル12の両端に発生する誘起電圧Eaを正確に検出し、得られた電圧信号Edを速度信号Vcとして出力することができる。
一方、アクチュエータ1の駆動コイル12の抵抗値Raには、駆動コイル毎にばらつきがある場合がある。また、駆動コイル12に駆動電流Iaを通電したときに駆動コイル12が発熱し、その温度上昇のために抵抗値Raが変動する場合もある。そのような場合には、駆動コイル12の抵抗値Raの誤差(抵抗公称値Ranからのずれ)により、誘起電圧検出器5は、駆動コイル12の両端に発生する誘起電圧Eaを正確に検出することができず、得られた電圧信号Edを速度信号Vcとして使用すれば、速度制御系が不安定になるという課題を生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、アクチュエータ1の駆動コイル12の抵抗値Raが抵抗公称値Ranからずれた場合であっても、誘起電圧検出器5により、アクチュエータ1によって駆動される被駆動体9の移動速度を正確に検出し、目標速度指令Vrefに対する被駆動体9(例えばフォーカスレンズ)の速度制御を高精度、かつ安定的に行うことを目的とする。
図3は、図1に示す本発明の一実施の形態における信号補正器6の内部構成を示すブロック図である。図3に示されるように、信号補正器6は、増倍器31、スイッチ32、補正信号生成器33、乗算器34、減算器35を備える。
図3において、増倍器31には、速度制御器7から駆動信号Uが入力される。増倍器31は、駆動信号Uをgm倍する。増倍係数gmは、gm・U=Iaとなるように、予め設定されている。増倍器31から出力される信号gm・U(=Ia)は、後述する検出窓信号Wに応じて開閉されるスイッチ32を介して補正信号生成器33に入力される。また、増倍器31から出力される信号gm・U(=Ia)は、乗算器34に入力される。
補正信号生成器33は、演算器36と積分器37とから構成され、補正信号ΔRを生成して乗算器34に出力する。補正信号生成器33に含まれる演算器36には、信号gm・U(=Ia)と信号補正器6の出力である速度信号Vcとが入力される。演算器36は、信号gm・U(=Ia)と速度信号Vcとから誤差信号Pを生成する。積分器37は、誤差信号Pを積分して補正信号ΔRを生成する。乗算器34は、増倍器31でgm倍された信号gm・U(=Ia)と補正信号生成器33からの補正信号ΔRとを乗算し、生成された乗算結果を減算器35に出力する。減算器35は、誘起電圧検出器5の出力する電圧信号Edから、駆動信号Uがgm倍された信号gm・U(=Ia)と補正信号ΔRとの乗算結果ΔR・gm・U(=ΔR・Ia)を減算することにより、速度信号Vcを生成する。
したがって、速度信号Vcは(式10)で表される。
Vc=Ed−ΔR・gm・U
=Ea+(Ra−Ran−ΔR)・Ia ・・・(式10)
(式10)において、補正信号ΔRが駆動コイル12のコイル抵抗値Raとその抵抗公称値Ranとの差に等しいとき、すなわち(式11)が成立すれば、
ΔR=Ra−Ran ・・・(式11)
(式10)で表される速度信号Vcは、駆動コイル12の誘起電圧Eaと等しくなる。したがって、信号補正器6の出力である速度信号Vcは、アクチュエータ1の駆動コイル12の抵抗値Raが抵抗公称値Ranから異なっている場合であっても、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動速度を正確に表すものとすることができる。その結果、誘起電圧検出器5により検出された駆動コイル12の誘起電圧Eaに基づくフィードバック制御を好適に行うことができ、かつ、目標速度指令Vrefに対する被駆動体9(例えばフォーカスレンズ)の速度制御系を安定化させることができる。
このような信号処理を行う本発明の一実施の形態の図3の補正信号生成器33の動作について、図面を用いてさらに詳細に説明する。
最初に抵抗補正の動作を説明する。すなわち、(式11)で表される抵抗誤差(Ra−Ran)を考慮して補正信号ΔRを生成することにより、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の往復運動により駆動コイル12に発生する誘起電圧Eaを正確に求める補正動作を説明する。
図4は、本発明の移動制御装置を構成する補正信号生成器33の動作について説明するためのシミュレーションの結果を示す時間波形図である。
図4(a)はアクチュエータ1に含まれる駆動コイル12が往復移動したときの誘起電圧Eaを示す。図4(b)は駆動コイル12に通電される駆動電流Iaを示す。なお、支持機構により支持された駆動コイル12が往復移動されるときのアクチュエータ1に加わる軸受摩擦や弾性力などの負荷抵抗はないものと仮定した。
したがって、駆動コイル12に通電される駆動電流Iaとして、慣性を有する被駆動体9の移動方向を反転させるときに大きな電流を必要とし、被駆動体9が一定速度で移動するときは電流を必要としない。すなわち、駆動電流Iaは、移動速度に比例して誘起される誘起電圧Eaがゼロクロスする点を中心として電流の大きさが最大となる。図4(c)は速度指令発生器8の生成する検出窓信号Wを示す。
補正信号生成器33に含まれる演算器36には、図4(c)に示す検出窓信号Wに応じて開閉されるスイッチ32を介して信号gm・U(=Ia)と、(式10)で表される速度信号Vcとが入力される。演算器36は、信号gm・U(=Ia)と速度信号Vcとを乗算し、乗算結果を時間積分して、誤差信号Pを生成する。
誤差信号Pは、(式10)を代入して(式12)で表される。
P=∫(Vc・Ia)dt
=∫(Ea・Ia)dt+∫((Ra−Ran−ΔR)Ia)dt
・・・(式12)
図4(d)は、(式12)の右辺の第1項内の被積分項(Ea・Ia)の時間波形を示す。
被駆動体9の速度反転(つまり移動方向の反転)時には誘起電圧Eaはゼロクロスするので、図4(d)に示されるように、被積分項(Ea・Ia)は中央が零で点対称の波形となる。したがって、図4(d)の波形を時間積分した(式12)の右辺の第1項の値は零になる。
図4(e)は、(式12)の右辺の第2項内の被積分項(Ra−Ran−ΔR)Iaの時間波形を示す。
図4(e)において、波形41は(Ra−Ran−ΔR)の値がRanの20%のときを示し、波形42は(Ra−Ran−ΔR)の値がRanの−20%のときを示し、波形43は(Ra−Ran−ΔR)の値が零のときの時間波形を示す。すなわち、(式12)を計算すれば、(式12)の右辺の第1項は常に零になるので、ΔR>(Ra−Ran)のときは、誤差信号Pは負の値になり、ΔR<(Ra−Ran)のときは、誤差信号Pは正の値になり、ΔR=(Ra−Ran)のときは、誤差信号Pは零の値となる。
演算器36には信号gm・U(=Ia)と速度信号Vcとが入力され、演算器36は、(式12)より誤差信号Pを生成し、積分器37は、誤差信号Pを積分して補正信号ΔRを生成する。補正信号生成器33に含まれる演算器36の生成する誤差信号Pは積分器37に出力されているので、誤差信号Pが零になるまで、積分器37は誤差信号Pを積分することになる。そして、積分器37に入力される誤差信号Pが零になったときが、積分器37の生成する補正信号ΔRと、駆動コイル12のコイル抵抗値Raと抵抗公称値Ranとの実際の抵抗誤差dR(=Ra−Ran)とが等しくなったときである。そのときは(式11)の関係が成立するので、(式13)が成立する。
Vc=Ea ・・・(式13)
したがって、信号補正器6の出力する速度信号Vcは、アクチュエータ1の駆動において駆動コイル12に発生する誘起電圧Eaと等しくなる。
図5は、信号補正器6の動作について説明するためのシミュレーションの結果の時間波形図である。
条件としては、駆動コイル12のコイル抵抗値Raが抵抗公称値Ranと異なり、パーセント換算して抵抗誤差dR(=Ra−Ran)が+20%存在するものと仮定した。
図5(a)は、図3の積分器37の生成する補正信号ΔRの時間波形である。補正信号ΔRの値は検出窓信号Wが出力されてスイッチ32がオンにされる毎に更新され、パーセント換算して20%の値に収束している。図5(a)から分かるように、補正信号ΔRの値は、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の5往復後には抵抗誤差dRに応じた一定値の補正信号ΔR(=20%)に収束しており、高速で、かつ高精度に速度信号Vcの調整が行われている。
図5(b)は、誘起電圧検出器5から信号補正器6へ入力される電圧信号Edの波形を示し、図5(c)は、図3の補正信号生成器33,乗算器34及び減算器35を経て生成される速度信号Vcの波形を示す。駆動コイル12のコイル抵抗値Raと抵抗公称値Ranとに抵抗誤差dR(=Ra−Ran)が存在するときは、図5(b)の電圧信号Edの波形には、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の往復移動により駆動コイル12に発生する誘起電圧Eaに加えて、抵抗誤差dRと駆動電流Iaによる電圧降下(dR・Ia)が含まれることになる((式10)参照)。それに対して、図5(c)の速度信号Vcの波形は、抵抗誤差dRにより発生した電圧降下(dR・Ia)を、補正信号ΔRを用いて電圧降下(ΔR・Ia)で補正するので、抵抗誤差dRによる電圧降下(dR・Ia)は含まれず、誘起電圧Eaのみが含まれる。
以上により、アクチュエータ1の駆動コイル12の抵抗値Raにばらつきがあり抵抗公称値Ranからずれがあったり、あるいは通電による温度上昇によって駆動コイル12の抵抗値Raが変化したりしても、誘起電圧検出器5と信号補正器6によりアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動速度Vcを正確に検出し、目標速度指令Vrefに対する被駆動体9(例えばフォーカスレンズ)の速度制御を高精度で行い、かつ被駆動体9を安定に動作させることができる。本実施形態において、速度指令発生器8が信号生成部の一例に相当し、駆動器4が駆動部の一例に相当し、誘起電圧検出器5が電圧検出部の一例に相当し、信号補正器6が信号補正部の一例に相当し、速度制御器7が制御部の一例に相当し、補正信号生成器33が補正信号生成部の一例に相当し、乗算器34が乗算部の一例に相当し、減算器35が速度信号生成部の一例に相当し、増倍器31が増倍部の一例に相当し、演算器36が誤差信号生成部の一例に相当し、積分器37が積分部の一例に相当し、第1の端検出センサ2が第1の端検出部の一例に相当し、第2の端検出センサ3が第2の端検出部の一例に相当し、スイッチ32が入力禁止部の一例に相当し、目標速度指令Vrefが速度指令信号の一例に相当する。
なお、上記の例では、補正信号ΔRの値はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9が速度反転(つまり移動方向を反転)する毎に更新される。すなわち、速度指令発生器8が検出窓信号Wを生成する毎に、補正信号ΔRの値が更新される。しかし、本発明は、これに限られない。代替的に、被駆動体9の速度反転毎に毎回更新するのでなく、被駆動体9の速度反転毎に補正信号ΔRを求め、速度反転の複数回毎に、補正信号ΔRの平均値を求めて、この平均値により更新するようにしてもよい。すなわち、速度指令発生器8により検出窓信号Wが複数回生成される毎に、補正信号ΔRの値が更新されるようにしてもよい。
本発明に係る本実施の形態は、アクチュエータ1により往復移動する被駆動体9の移動速度の反転期間(つまり移動方向の反転期間)に駆動コイル12に通電される駆動電流Iaの大きさが最大となり、駆動コイル12に誘起される誘起電圧Eaがゼロクロスすることに着目したものである。このアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の速度反転期間を、誘起電圧Eaを正確に検出するための抵抗補正期間に利用することで、アクチュエータ1により被駆動体9を駆動しながら、駆動コイル12の抵抗ばらつきや抵抗温度特性の影響を除去し、制御系を安定化させるものである。アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動速度の反転期間では、制御系不安定要因の抵抗補正を逐次行い、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動速度の反転期間以外では、検出された誘起電圧Eaを速度信号Vcとして用いることで、特別な速度センサや速度検出コイルなどを設けることなく、アクチュエータ1により、被駆動体9を高精度に、かつ安定に速度制御するものである。
次に、図1の速度指令発生器8の動作について説明する。
第1の端検出センサ2と第2の端検出センサ3とは、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動範囲の両端を検出する。速度指令発生器8は、それぞれのセンサ2,3が出力する第1の端位置信号X1と第2の端位置信号X2とから、目標速度指令Vrefと検出窓信号Wとを生成する。速度指令発生器8は、目標速度指令Vrefを速度制御器7に出力し、同時に検出窓信号Wを信号補正器6に出力する。速度指令発生器8の機能としては、アクチュエータ1により往復移動を行なう被駆動体9の振幅と往復移動の周期とがそれぞれ所定値になるように、速度制御器7に目標速度指令Vrefを出力する。
図6は、速度指令発生器8の機能のうち、往復移動の振幅調整を行なう動作を説明するフローチャートである。
図6において、ステップS1では、最初に、速度反転動作開始位置を示すための第1の位置補正信号SUと第2の位置補正信号SLとに、それぞれ初期値として零を格納する。また、目標速度指令Vrefには一定値REFを格納する。
ステップS2では、第1の端検出センサ2の出力する第1の端位置信号X1が(式14)を満たすか否かを判断し、(式14)が成立しない間は、ステップS2の判断処理を繰り返す。
X1>AU−SU ・・・(式14)
ここで、AUはアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動範囲の一方の端位置を示す。
ステップS2で、第1の端検出センサ2が被駆動体9の移動範囲の一方の端位置AUを検出して(式14)が成立したとき(ステップS2でYES)、ステップS3に移行する。ステップS3では、信号補正器6に出力される検出窓信号Wを‘1’に設定し、検出窓信号Wはオンとなり、スイッチ32がオンにされ、ステップS4に移行する。
ステップS4とステップS5では、所定時間τ内で目標速度指令Vrefの値が一定値REFから零になるように、目標速度指令Vrefを逐次、値drずつ減算し、速度プロフィールを生成する。ステップS5では、ステップS2で第1の端検出センサ2の第1の端位置信号X1が(式14)を満たしてから所定時間τが経過したか否かを判定する。所定時間τが経過していなければ(ステップS5でNO)、ステップS4に戻り、所定時間τが経過していれば(ステップS5でYES)、ステップS6に移行する。所定時間τが経過したとき、目標速度指令Vrefの値は、零になっており、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動量は、第1の端検出センサ2のある側で最大となっている。
ステップS6では、ステップS2で読み込んだ第1の端検出センサ2の第1の端位置信号X1と、目標とする移動範囲の一方の端位置AUとの誤差を計算し、その値(X1−AU)を変数ΔAに格納する。その後ステップS7とステップS8に移行する。ステップS7とステップS8では、所定時間τ内で目標速度指令Vrefの値が今度は零から値−REFになるように、目標速度指令Vrefを逐次、値drずつ減算し、後述する速度プロフィールを生成する。ステップS8では、目標速度指令Vrefの値が零になってから所定時間τが経過したか否かを判定する。所定時間τが経過していなければ(ステップS8でNO)、ステップS7に戻り、所定時間τが経過していれば(ステップS8でYES)、ステップS9に移行する。所定時間τが経過したとき、目標速度指令Vrefは値−REFになっており、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動方向の切換えは完了し、ステップS9に移行する。このように、ステップS4,S7では、目標速度指令Vrefを逐次、値drずつ減算している。つまり、ステップS4,S7ごとに、目標速度指令Vrefは、同一値を維持せずに必ず減少する狭義単調減少している。
ステップS9では、信号補正器6に出力される検出窓信号Wを‘0’に戻し、検出窓信号Wはオフとなり、スイッチ32がオフにされ、ステップS10に移行する。ステップS10では、ステップS6で格納した変数ΔAに一定の係数Kを乗算して、第1の位置補正信号SUに逐次加算する。すなわち、演算(SU+K・ΔA)により逐次加算し、結果を第1の位置補正信号SUに格納する。
以上のステップS2からステップS10までは、アクチュエータ1により被駆動体9を往復移動させるために、被駆動体9の移動範囲の一方の端位置AUを第1の端検出センサ2で検出し、目標速度指令Vrefの符号を反転させる一連の処理を行なう。この一連の処理により、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9が第1の端検出センサ2の方向へ移動しているときには、端位置AUの折り返し点で滑らかに移動方向が反転され、この方向反転を含む減速及び加速している期間を示すための検出窓信号Wが生成される。検出窓信号Wは、信号補正器6に出力される。検出窓信号Wのオン期間(つまりスイッチ32のオン期間)は、駆動コイル12に誘起される誘起電圧Eaを正確に検出するための駆動コイル抵抗補正期間として利用される。
次のステップS11からステップS19では、アクチュエータ1が往復移動させる被駆動体9の移動範囲の他方の端位置ALを第2の端検出センサ3で検出し、目標速度指令Vrefを値−REFから値REFに反転させる一連の処理を行なう。この一連の処理により、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9が第2の端検出センサ3の方向へ移動しているときには、端位置ALの折り返し点で滑らかに移動方向が反転され、この方向反転期間を示すための検出窓信号Wが生成される。
ステップS11からステップS19の処理は、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動範囲の端を検出するセンサが第1の端検出センサ2から第2の端検出センサ3になり、第1の端位置信号X1を第2の端位置信号X2に置き換えて、ステップS2からステップS10までと同様の処理を行なう。(なお、図6のステップS11からステップS19までの処理において、ステップS2からステップS10までの処理と同一の機能を有するものについては、重複した説明は省略する。)
ステップS11では、第2の端検出センサ3が移動範囲の他方の端位置ALを検出し、(式15)が成立するまで、ステップS11の処理を繰り返す。
X2<AL+SL ・・・(式15)
ここで、ALはアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動範囲の他方の端位置を示す。
ステップS11で、第2の端検出センサ3が被駆動体9の移動範囲の他方の端位置ALを検出して(式15)が成立したとき(ステップS11でYES)、ステップS12に移行する。ステップS12では、信号補正器6に出力される検出窓信号Wが‘1’に設定され、検出窓信号Wはオンとなり、スイッチ32がオンにされて、ステップS13に移行する。
ステップS13とステップS14では、所定時間τ内で目標速度指令Vrefの値が一定値−REFから零になるように、目標速度指令Vrefを逐次、値drずつ加算し、速度プロフィールを生成する。ステップS14では、ステップS11で第2の端検出センサ3の第2の端位置信号X2が(式15)を満たしてから所定時間τが経過したか否かを判定する。所定時間τが経過していなければ(ステップS14でNO)、ステップS13に戻り、所定時間τが経過していれば(ステップS14でYES)、ステップS15に移行する。所定時間τが経過したとき、目標速度指令Vrefの値は、零になっており、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動量は、第2の端検出センサ3のある側で最大となっている。
ステップS15では、ステップS11で読み込んだ第2の端検出センサ3の第2の端位置信号X2と、目標とする移動範囲の他方の端位置ALとの誤差を計算し、その値(X2−AL)を変数ΔBに格納する。その後ステップS16とステップS17に移行する。ステップS16とステップS17では、所定時間τ内で目標速度指令Vrefの値が零から一定値REFの値になるように、目標速度指令Vrefを逐次、値drずつ加算し、後述する速度プロフィールを生成する。ステップS17では、目標速度指令Vrefの値が零になってから所定時間τが経過したか否かを判定する。所定時間τが経過していなければ(ステップS17でNO)、ステップS16に戻り、所定時間τが経過していれば(ステップS17でYES)、ステップS18に移行する。所定時間τが経過したとき、目標速度指令Vrefの値は一定値REFになっており、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動方向の切換えは完了し、ステップS18に移行する。このように、ステップS13,S16では、目標速度指令Vrefを逐次、値drずつ加算している。つまり、ステップS13,S16ごとに、目標速度指令Vrefは、同一値を維持せずに必ず増加する狭義単調増加している。
ステップS18では、信号補正器6に出力される検出窓信号Wを‘0’に戻し、検出窓信号Wはオフとなり、スイッチ32がオフにされて、ステップS19に移行する。ステップS19では、ステップS15で格納した変数ΔBに一定の係数Kを乗算して、第2の位置補正信号SLに逐次加算する。すなわち、演算(SL+K・ΔB)により逐次加算し、結果を第2の位置補正信号SLに格納する。
以上のステップS11からステップS19までは、アクチュエータ1により被駆動体9を往復移動させるために、被駆動体9の移動範囲の他方の端位置ALを第2の端検出センサ3で検出し、目標速度指令Vrefの符号を反転させる一連の処理を行なう。この一連の処理により、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9が第2の端検出センサ3の方向へ移動しているときには、端位置ALの折り返し点で滑らかに移動方向が反転され、この方向反転期間を示すための検出窓信号Wが生成される。検出窓信号Wは、信号補正器6に出力される。検出窓信号Wのオン期間(つまりスイッチ32のオン期間)は、駆動コイル12に誘起される誘起電圧Eaを正確に検出するための駆動コイル抵抗補正期間として利用される。本実施形態において、一定値REFが目標値の一例に相当する。
このような信号処理を行う速度指令発生器8の往復移動の振幅調整の動作について、図面を用いてさらに詳細に説明する。図7は、速度指令発生器8の往復移動の振幅調整の動作を説明する時間波形図である。
図7において、図7(a)はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の位置を示す。図7(a)における位置(AU−SU)及び(AL+SL)は、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9が速度反転の動作を開始する速度反転動作開始位置を示す。
第1の端検出センサ2が図6のステップS2で検出した第1の端位置信号X1が、ちょうど一方の端位置AUとなるように、すなわちアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の位置が最大値となるように、図6のステップS3〜S10によって、第1の位置補正信号SUが、図7(a)中、上下に調整される。同様に、第2の端検出センサ3が図6のステップS11で検出した第2の端位置信号X2が、ちょうど他方の端位置ALとなるように、すなわちアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の位置が最小値となるように、図6のステップS12〜S19によって、第2の位置補正信号SLが、図7(a)中、上下に調整される。
図7(b)はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9を速度制御するために速度制御器7に入力される目標速度指令Vrefを示す。
図7(a)の位置(AU−SU)及び位置(AL+SL)の時点からアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の速度反転(つまり移動方向反転)の動作は開始され、所定時間τだけ経過後に目標速度指令Vrefは零になり、速度反転の動作開始から時間2τ経過後に速度反転の動作が完了する。図7(b)に示されるように、目標速度指令Vrefは台形波状の速度プロフィールを有する。このため、図7(a)のアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の位置は、速度反転時には滑らかに変化する。その結果、アクチュエータ1は振動、騒音の少ない駆動を実現することができる。
以上説明したように、図1の速度指令発生器8において、図6のステップS6とステップS15とで得られた被駆動体9の移動範囲の一方の端位置AUと他方の端位置ALとにおける誤差を、ステップS10及びステップS19で逐次加算して第1の位置補正信号SU及び第2の位置補正信号SLを生成して、移動方向の切換え時期を調整する。したがって、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9は、端位置AUと端位置ALとの間を往復運動することになる。
図8は、速度指令発生器8の動作のうち、往復移動の周期調整を行なう動作を説明するフローチャートである。
図8において、ステップS21では、周期調整のための準備として目標速度指令Vrefに初期値として値REFを格納する。
ステップS22では、第1の端検出センサ2が一方の端位置AUを検出してから再び第1の端検出センサ2が端位置AUを検出するまでの周期Tを計測する。
ステップS23では、ステップS22で読み込んだ周期Tと、目標周期Toとの誤差(T−To)を計算し、その値(T−To)を変数ΔTに格納する。その後ステップS24に移行する。ステップS24では、ステップS23で格納した変数ΔTに一定の係数Gを乗算して目標速度指令Vrefに逐次加算する。すなわち、演算(Vref+G・ΔT)により逐次加算し、結果を目標速度指令Vrefに格納する。
ステップ24の処理後、ステップS22に戻り、ステップS22〜S24までの操作は繰り返し行われる。
このような信号処理を行う速度指令発生器8の往復移動の周期調整の動作について、図面を用いてさらに詳細に説明する。図9は、速度指令発生器8の往復移動の周期調整の動作を説明する時間波形図である。
図9において、図9(a)はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の位置を示す。被駆動体9は、一方の端位置AUと他方の端位置ALとの間で往復移動を行なっている。第1の端検出センサ2が図6のステップS2で検出した第1の端位置信号X1が、ちょうど一方の端位置AUとなっており、第2の端検出センサ3が図6のステップS11で検出した第2の端位置信号X2が、ちょうど他方の端位置ALとなっている。そこで、例えば、第2の端検出センサ3が他方の端位置ALを検出してから、さらに第2の端検出センサ3が他方の端位置ALを検出するまでの周期Tを測定し、この周期Tが目標周期Toになるように値REFの大きさを調整する。
すなわち、図9(b)に破線で示すように、図8のステップS23で得られた周期誤差ΔTが正で、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の往復周期Tが目標周期Toより長いときは、目標速度Vrefを大きくすれば被駆動体9の移動速度は大きくなり、その結果、往復周期Tは短くなる。逆に、ステップS23で得られた周期誤差ΔTが負で、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の往復周期Tが目標周期Toより短いときは、目標速度Vrefを小さくすれば被駆動体9の移動速度は遅くなり、その結果、往復周期Tは長くなる。そして、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の往復周期Tが目標周期Toに一致したときは、ステップS23で得られる周期誤差ΔTは零となり、ステップS24の演算を繰り返しても目標速度指令Vrefの値は変化しない。
以上説明したように、図1の速度指令発生器8において、図8のステップS23で得られたアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の往復周期Tと目標周期Toとの周期誤差ΔTを、ステップS24で逐次加算して目標速度指令Vrefを生成して、被駆動体9の移動速度を調整する。したがって、最終的には、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9は、目標周期Toで、一方の端位置AUと他方の端位置ALとの間を往復運動することになる。
なお、図8の往復移動の周期調整を行なう動作を説明するフローチャートでは、図8のステップS22において、第1の端検出センサ2が一方の端位置AUを検出してから再び第1の端検出センサ2が当該一方の端位置AUを検出するまでの周期を計測するように構成したが、本発明はこれに限られない。代替的に、第2の端検出センサ3が他方の端位置ALを検出してから再び第2の端検出センサ3が当該他方の端位置ALを検出するまでの周期を計測するように構成してもよい。さらに代替的に、第1の端検出センサ2と第2の端検出センサ3の両方を用いて、第1の端検出センサ2が一方の端位置AUを検出してから第2の端検出センサ3が他方の端位置ALを検出するまでのアクチュエータ1により駆動される被駆動体9が片道移動する半周期を計測した後に、その計測値の2倍を周期として用いてもよい。
図10は、本発明に係る本実施形態の移動制御装置を構成する速度指令発生器8の振幅調整と周期調整の機能を同時に作用させた動作を説明するシミュレーション結果を示す時間波形図である。すなわち、図10の時間波形図は、図1の速度指令発生器8により往復移動が行われる被駆動体9の振幅と周期とがそれぞれ所定値になるように、図6の振幅調整を行なう動作フローと図8の周期調整を行なう動作フローとを同時に作用させたときの過渡状態の動作を説明するためのシミュレーション結果である。
図10において、図10(a)の波形51はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の位置の時間波形を示し、波形52は第1の端検出センサ2によって検出される被駆動体9の速度反転動作開始位置(AU−SU)を示し、波形53は第2の端検出センサ3によって検出される被駆動体9の速度反転動作開始位置(AL+SL)を示す。また、図10(b)はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動速度の時間波形を示す。波形52,53で示す被駆動体9の速度反転動作開始位置(AU−SU)及び(AL+SL)は、時間とともに調整されて、被駆動体9の10往復後に定常状態に達していることが分かる。
図10(c)はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の振幅の時間波形を示し、図10(d)はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の周期の時間波形を示す。図10より、本発明に係る本実施形態の移動制御装置を構成する速度指令発生器8の振幅調整と周期調整の機能を同時に作用させても、アクチュエータ1により往復移動される被駆動体9は、約10往復で定常状態に達し、良好な整定特性を有することが分かる。
なお、図10のシミュレーションでは、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の往復移動開始時に、初期値として第1の位置補正信号SUと第2の位置補正信号SLにはそれぞれ零を格納(図6のステップS1)したが、本発明は、これに限られない。代替的に、被駆動体9の往復移動が定常状態に達したときの第1の位置補正信号SU及び第2の位置補正信号SLの値を例えば速度指令発生器8に含まれるメモリーに記憶しておき、再び被駆動体9の往復移動を開始するときには、メモリーに記憶しておいた値を初期値として使用するようにしてもよい。この形態によれば、図10に示すような過渡状態を発生せずに安定な往復移動を実現することができる。
図11は、本発明に係る本実施形態の移動制御装置による被駆動体9の往復移動の定常状態における動作を説明するためのシミュレーション結果を示す時間波形図である。
図11において、図11(a)はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の位置の時間波形を示す。図11(a)に示されるように、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9は、最大の端位置AU及び最小の端位置ALの間において振幅(AU−AL)及び周期Toで往復移動を行なう。図11(b)はアクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動速度の時間波形を示す。アクチュエータ1では、台形波状の速度プロフィール制御が行なわれる。このため端位置AUと端位置ALの折り返し点では、被駆動体9の移動方向が滑らかに反転され、次の方向反転までは、速度の大きさが一定値REFの定速度で被駆動体9が移動する往復移動が繰り返される。
図11(c)は誘起電圧検出器5から出力される電圧信号Edの時間波形を示し、図11(d)は信号補正器6から出力される速度信号Vcの時間波形を示し、図11(e)は駆動コイル12に通電される駆動電流Iaの時間波形を示す。図11のシミュレーションでは、駆動コイル12のコイル抵抗値Raは抵抗公称値Ranと異なる値であり、パーセント換算して抵抗誤差dR(=Ra−Ran)が20%存在するものと仮定した。また支持機構により支持された駆動コイル12が往復移動されるときのアクチュエータ1に加わる軸受摩擦や弾性力などの負荷抵抗はないものと仮定した。
抵抗誤差dRが存在するときは、図11(c)の電圧信号Edの波形には、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の往復移動により駆動コイル12に発生する誘起電圧Eaに加えて、抵抗誤差dRと駆動電流Iaによる電圧降下(dR・Ia)が含まれる。
それに対して、図11(d)の速度信号Vcの波形には、抵抗誤差dRにより発生した電圧降下(dR・Ia)が、信号補正器6の補正信号ΔRを用いて電圧降下(ΔR・Ia)により補正されるので、抵抗誤差dRによる電圧降下(dR・Ia)は含まれず、誘起電圧Eaのみが含まれる。
本発明に係る本実施形態の移動制御装置および移動制御方法は、アクチュエータ1により往復移動する被駆動体9の移動速度の反転期間(つまり移動方向の反転期間)には、駆動コイル12に通電される駆動電流Iaの大きさが最大となり(図11(e))、この被駆動体9の速度反転期間2τを、誘起電圧Eaを正確に検出するための抵抗補正期間に利用する。これによって、アクチュエータ1により被駆動体9を駆動しながら、駆動コイル12の抵抗ばらつきや抵抗温度特性の影響を誘起電圧検出器5と信号補正器6とにより除去し、制御系を安定化させるものである。
また、本発明に係る本実施形態の移動制御装置は、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動速度の反転期間2τでは、制御系不安定要因となり得る駆動コイル12のコイル抵抗値の補正を逐次行い、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動速度の反転期間2τ以外では、誘起電圧検出器5と信号補正器6とにより検出された誘起電圧Eaを速度信号Vcとして用いる。これによって、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の移動速度Vcを正確に検出できる(図11(d))。したがって、特別な速度センサや速度検出コイルなどを設けることなく、目標速度指令Vrefに対する被駆動体9(例えばフォーカスレンズや撮像素子などの光学素子)の速度制御を高精度に行い、かつ被駆動体9を安定に動作させることができる。
また、本発明に係る本実施形態の移動制御装置および移動制御方法では、目標速度指令Vrefは、台形波状の速度プロフィールを有する(図11(b))。したがって、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の位置は、速度反転(つまり移動方向反転)時には滑らかに変化する(図11(a))。その結果、アクチュエータ1は、振動、騒音の少ない駆動を実現することができる。
また、本発明に係る本実施形態の移動制御装置では、被駆動体9をフォーカスレンズや撮像素子などの光学素子としている。したがって、被駆動体9である光学素子を、被写界深度拡張に相当する焦点距離に亘って、露光時間内に、一定速度で高速に往復移動させることができる。
上記実施形態では、信号補正器6の乗算器34は、アクチュエータ1により駆動される被駆動体9の往復移動の開始後に、補正信号生成器33の積分器37から出力される補正信号ΔRを用いているが、本発明は、これに限られない。
図12は、信号補正器の構成の異なる例を示すブロック図である。図12に示される信号補正器6aは、図3に示される信号補正器6が備える各構成要素に加えて、不揮発性メモリ回路38をさらに備えている。図12に示される信号補正器6aでは、補正信号生成器33の積分器37は、補正信号ΔRを、乗算器34ではなくて不揮発性メモリ回路38に出力する。
不揮発性メモリ回路38は、アクチュエータ1が被駆動体9の往復移動を停止する前に、積分器37から出力される補正信号ΔRを保存する。不揮発性メモリ回路38は、アクチュエータ1が被駆動体9の往復移動を開始するときは、初期値の補正信号ΔRとして、保存しておいた補正信号ΔRを乗算器34に出力する。不揮発性メモリ回路38は、アクチュエータ1が被駆動体9の往復移動を開始した後は、積分器37から出力される補正信号ΔRを、そのまま乗算器34に出力する。図12に示される形態において、不揮発性メモリ回路38が不揮発性メモリの一例に相当する。
図12に示される形態によれば、前回の被駆動体9の往復移動で得られた補正信号ΔRを、今回の被駆動体9の往復移動における補正信号ΔRの初期値としている。したがって、上記実施形態に比べて、移動開始当初から、被駆動体9をさらに安定に往復移動させることができる。
また、上記図12に示される形態では、不揮発性メモリ回路38は、アクチュエータ1が被駆動体9の往復移動を停止する前に、積分器37から出力される補正信号ΔRを保存しているが、これに限られず、別の値を初期値として保存するようにしてもよい。例えば、図1において、速度制御器7は、アクチュエータ1が被駆動体9の往復移動を開始する前に、駆動コイル12に所定の基準電流値I0の電流を駆動器4により供給させ、アクチュエータ1の駆動コイル12がヨーク13の右端部13aに押し当てられて停止した状態で、駆動コイル12の両端に発生する電圧値V0を誘起電圧検出器5により検出させる。ヨーク13の右端部13aは、被駆動体9が往復移動するときの駆動コイル12の移動範囲の外に設けられている。
そして、信号補正器6aは、基準電流値I0及び検出された電圧値V0に基づき、駆動コイル12の抵抗値Ra=V0/I0を算出し、抵抗公称値Ranからのずれを抵抗誤差dR=(Ra−Ran)=(V0/I0−Ran)として算出する。信号補正器6aは、算出した抵抗誤差dR=(V0/I0−Ran)を不揮発性メモリ回路38に補正信号ΔRの初期値として保存する。信号補正器6aは、被駆動体9の往復移動開始時に、不揮発性メモリ回路38に保存されている抵抗誤差を補正信号ΔRの初期値として用いる。この形態において、駆動コイル12及び被駆動体9が可動部の一例に相当し、ヨーク13の右端部13aが壁部の一例に相当する。この形態でも、移動開始当初から、被駆動体9をさらに安定に往復移動させることができる。
上記実施形態では、信号補正器6は、スイッチ32を備え、検出窓信号Wが‘1’でオンのときにスイッチ32をオンにして、増倍器31から信号gm・U(=Ia)を補正信号生成器33の演算器36に入力させていたが、本発明は、これに限られず、スイッチ32を備えなくてもよい。
図13は、信号補正器の構成のさらに異なる例を示すブロック図である。図13に示される信号補正器6bは、図3に示される信号補正器6において、スイッチ32を備えていない。したがって、検出窓信号Wに関係なく、常に、増倍器31から信号gm・U(=Ia)が補正信号生成器33の演算器36に入力される。検出窓信号Wが‘0’でオフのときは、図4から分かるように、駆動コイル12の誘起電圧Eaは一定で、駆動電流Ia=0になっている。したがって、乗算器34から出力される乗算結果ΔR・Ia=0になる。このため、図13の形態でも、被駆動体9を好適に駆動することができる。但し、図3に示される信号補正器6のように、検出窓信号Wがオフのときにスイッチ32をオフにする構成の方が、速度信号Vcに対する外乱が少なくなるため、好ましい。
上記実施形態では、被駆動体9は、一例としてフォーカスレンズなどの光学素子としているが、本発明は、これに限られない。例えば、プロッターやプリンタなどの印刷機器において用いられる印字ヘッドや、ロボットなど産業機器の分野で用いられるリニアアクチュエータにおいて往復移動される移動部材などを、被駆動体9としてもよい。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る移動制御装置は、永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータと、前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成部と、入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動部と、前記駆動部による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出部と、前記駆動信号と前記電圧検出部から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正部と、前記信号生成部により生成される前記速度指令信号と前記信号補正部により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動部に出力する制御部と、を備える。
この構成によれば、アクチュエータは、永久磁石と永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させる。信号生成部は、被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する。駆動部は、入力される駆動信号に応じた電流をアクチュエータの駆動コイルに供給する。電圧検出部は、駆動部による電流供給に伴って駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された誘起電圧に対応する電圧信号を出力する。信号補正部は、駆動信号と電圧検出部から出力される電圧信号とに基づき、駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように電圧信号を補正して速度信号を生成する。制御部は、信号生成部により生成される速度指令信号と信号補正部により生成される速度信号とに基づき、駆動信号を生成して駆動部に出力する。
このように、駆動コイルに誘起される誘起電圧に対応する電圧信号が、駆動コイルの基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように補正されて、速度信号が生成され、速度指令信号と速度信号とに基づき駆動信号が生成され、駆動信号に応じた電流が駆動コイルに供給されて、被駆動体が駆動される。したがって、アクチュエータにより駆動される被駆動体の速度検出用に速度検出コイルを特別に設ける必要がない。その結果、駆動コイルの抵抗値が基準抵抗値からずれていたとしても、低コストで被駆動体を好適に往復移動させることが可能となる。
上記の移動制御装置において、前記信号補正部は、前記駆動信号に対応する電流信号と前記速度信号とに基づき、前記駆動コイルの前記基準抵抗値からの前記抵抗値のずれに対応する補正信号を生成する補正信号生成部と、前記補正信号生成部により生成された前記補正信号と前記駆動信号に対応する前記電流信号とを乗算し、該乗算により得られた乗算結果を出力する乗算部と、前記乗算部から出力される前記乗算結果と前記電圧検出部から出力される前記電圧信号とから前記速度信号を生成する速度信号生成部と、を含むことが好ましい。
この構成によれば、信号補正部に含まれる補正信号生成部は、駆動信号に対応する電流信号と速度信号とに基づき、駆動コイルの基準抵抗値からの抵抗値のずれに対応する補正信号を生成する。信号補正部に含まれる乗算部は、補正信号生成部により生成された補正信号と駆動信号に対応する電流信号とを乗算し、該乗算により得られた乗算結果を出力する。信号補正部に含まれる速度信号生成部は、乗算部から出力される乗算結果と電圧検出部から出力される電圧信号とから速度信号を生成する。このように、駆動コイルの基準抵抗値からの抵抗値のずれに対応する補正信号と駆動信号に対応する電流信号との乗算結果と、電圧信号とから速度信号が生成され、この生成された速度信号と速度指令信号とに基づき、駆動信号が生成される。したがって、駆動コイルの抵抗値が基準抵抗値からずれていたとしても、アクチュエータにより被駆動体を好適に往復移動させることができる。
上記の移動制御装置において、前記信号補正部は、前記駆動信号を所定の増倍係数により増倍して前記電流信号を生成する増倍部をさらに含み、前記補正信号生成部は、前記電流信号と前記速度信号とを乗算し、該乗算により得られた乗算結果を時間積分して、前記駆動コイルの前記基準抵抗値からの前記抵抗値のずれを表す誤差信号を生成する誤差信号生成部と、前記誤差信号生成部により生成された前記誤差信号を積分して、前記補正信号を生成する積分部と、を含み、前記速度信号生成部は、前記乗算部から出力される前記乗算結果を前記電圧検出部から出力される前記電圧信号から減算し、該減算により得られた減算結果を前記速度信号として生成することが好ましい。
この構成によれば、信号補正部に含まれる増倍部は、駆動信号を所定の増倍係数により増倍して電流信号を生成する。補正信号生成部に含まれる誤差信号生成部は、電流信号と速度信号とを乗算し、該乗算により得られた乗算結果を時間積分して、駆動コイルの基準抵抗値からの抵抗値のずれを表す誤差信号を生成する。補正信号生成部に含まれる積分部は、誤差信号生成部により生成された誤差信号を積分して、補正信号を生成する。速度信号生成部は、乗算部から出力される乗算結果を電圧検出部から出力される電圧信号から減算し、該減算により得られた減算結果を速度信号として生成する。このように、駆動信号を増倍係数により増倍して生成された電流信号と速度信号とが乗算された乗算結果が時間積分されて、誤差信号が生成される。したがって、駆動コイルの基準抵抗値からの抵抗値のずれを好適に表す誤差信号を生成することができる。この誤差信号が積分されて、補正信号が生成されるため、補正信号を好適に生成することができる。したがって、駆動コイルの抵抗値が基準抵抗値からずれていたとしても、アクチュエータにより被駆動体を好適に往復移動させることができる。
上記の移動制御装置において、前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第1の端検出部と、前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第2の端検出部と、をさらに備え、前記信号生成部は、前記第1の端検出部から出力される前記第1の端位置信号と、前記第2の端検出部から出力される前記第2の端位置信号とに基づき、検出窓信号を生成し、前記信号補正部は、前記信号生成部により前記検出窓信号が生成されていない期間は前記補正信号生成部への前記駆動信号の入力を禁止する入力禁止部を備えることが好ましい。
この構成によれば、第1の端検出部は、被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する。第2の端検出部は、被駆動体の移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する。信号生成部は、第1の端検出部から出力される第1の端位置信号と、第2の端検出部から出力される第2の端位置信号とに基づき、検出窓信号を生成する。信号補正部が備える入力禁止部は、信号生成部により検出窓信号が生成されていない期間は補正信号生成部への駆動信号の入力を禁止する。したがって、検出窓信号が生成されている期間のみ速度信号が生成される。その結果、検出窓信号を生成する期間を好適に設定することにより、好適なタイミングで速度信号を生成することが可能になる。
上記の移動制御装置において、前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第1の端検出部と、前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第2の端検出部と、をさらに備え、前記信号生成部は、前記第1の端検出部から出力される前記第1の端位置信号と、前記第2の端検出部から出力される前記第2の端位置信号とに基づき、検出窓信号を生成し、前記信号補正部は、前記信号生成部により前記検出窓信号が生成される毎に、前記速度信号を生成するように構成されることが好ましい。
この構成によれば、第1の端検出部は、被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する。第2の端検出部は、被駆動体の移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する。信号生成部は、第1の端検出部から出力される第1の端位置信号と、第2の端検出部から出力される第2の端位置信号とに基づき、検出窓信号を生成する。信号補正部は、信号生成部により検出窓信号が生成される毎に、速度信号を生成するように構成される。したがって、検出窓信号の生成頻度に等しい頻度で速度信号が生成される。その結果、検出窓信号を生成する頻度を好適に設定することにより、好適な頻度で速度信号を生成することが可能になる。
上記の移動制御装置において、前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第1の端検出部と、前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第2の端検出部と、をさらに備え、前記信号生成部は、前記第1の端検出部から出力される前記第1の端位置信号と、前記第2の端検出部から出力される前記第2の端位置信号とに基づき、検出窓信号を生成し、前記信号補正部は、前記信号生成部により前記検出窓信号が複数回生成される毎に、前記速度信号を生成するように構成されることが好ましい。
この構成によれば、第1の端検出部は、被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する。第2の端検出部は、被駆動体の移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する。信号生成部は、第1の端検出部から出力される第1の端位置信号と、第2の端検出部から出力される第2の端位置信号とに基づき、検出窓信号を生成する。信号補正部は、信号生成部により検出窓信号が複数回生成される毎に、速度信号を生成するように構成される。したがって、検出窓信号の生成頻度より少ない頻度で速度信号の生成頻度を好適に設定することにより、必要な頻度で速度信号を生成することが可能になる。
上記の移動制御装置において、前記信号生成部は、前記アクチュエータにより往復移動される前記被駆動体の速度が反転する時点を含む期間に前記検出窓信号を生成するように構成されることが好ましい。
この構成によれば、信号生成部は、アクチュエータにより往復移動される被駆動体の速度が反転する時点を含む期間に検出窓信号を生成するように構成される。したがって、被駆動体の速度が変化している期間を含む期間に、検出窓信号を生成することができる。
上記の移動制御装置において、前記信号生成部は、前記アクチュエータにより往復移動される前記被駆動体の減速開始から速度が反転した後の加速終了までの期間に前記検出窓信号を生成するように構成されることが好ましい。
この構成によれば、信号生成部は、アクチュエータにより往復移動される被駆動体の減速開始から速度が反転した後の加速終了までの期間に検出窓信号を生成するように構成される。したがって、被駆動体が一定速度で移動している期間以外の減速及び加速している期間に、検出窓信号を生成することができる。
上記の移動制御装置において、前記信号生成部は、前記被駆動体の前記移動範囲の前記一方の端位置で前記被駆動体の移動速度が反転する時点において、前記第1の端検出部から前記第1の端位置信号が出力され、かつ、前記被駆動体の前記移動範囲の前記他方の端位置で前記被駆動体の移動速度が反転する時点において、前記第2の端検出部から前記第2の端位置信号が出力されるように、前記被駆動体が前記一方の端位置に向かう方向及び前記他方の端位置に向かう方向における前記速度指令信号の速度反転動作開始位置をそれぞれ調整するように構成されることが好ましい。
この構成によれば、信号生成部は、被駆動体の移動範囲の一方の端位置で被駆動体の移動速度が反転する時点において、第1の端検出部から第1の端位置信号が出力され、かつ、被駆動体の移動範囲の他方の端位置で被駆動体の移動速度が反転する時点において、第2の端検出部から第2の端位置信号が出力されるように、被駆動体が一方の端位置に向かう方向及び他方の端位置に向かう方向における速度指令信号の速度反転動作開始位置をそれぞれ調整するように構成される。したがって、被駆動体の移動範囲を、確実に、第1の端位置信号の出力位置及び第2の端位置信号の出力位置の間の範囲とすることができる。
上記の移動制御装置において、前記信号生成部は、前記第1の端検出部から出力される前記第1の端位置信号及び前記第2の端検出部から出力される前記第2の端位置信号の少なくとも一方を用いて、前記被駆動体が往復移動する周期を計測し、計測した前記周期が所定の目標周期に一致するように、前記速度指令信号の大きさを調整するように構成されることが好ましい。
この構成によれば、信号生成部は、第1の端検出部から出力される第1の端位置信号及び第2の端検出部から出力される第2の端位置信号の少なくとも一方を用いて、被駆動体が往復移動する周期を計測し、計測した周期が所定の目標周期に一致するように、速度指令信号の大きさを調整するように構成される。したがって、被駆動体を確実に目標周期で往復移動させることができる。
上記の移動制御装置において、前記信号生成部は、前記速度指令信号の値が、前記第1の端位置信号もしくは前記第2の端位置信号が出力されるまでは、正の所定の目標値に維持され、前記第1の端位置信号もしくは前記第2の端位置信号の出力時点から徐々に減少して所定時間が経過すると零になり、前記所定時間の経過時点からさらに徐々に減少して前記所定時間が経過すると負の前記目標値になるように、前記速度指令信号を生成するように構成されることが好ましい。
この構成によれば、信号生成部は、速度指令信号の値が、第1の端位置信号もしくは第2の端位置信号が出力されるまでは、正の所定の目標値に維持され、第1の端位置信号もしくは第2の端位置信号の出力時点から徐々に減少して所定時間が経過すると零になり、所定時間の経過時点からさらに徐々に減少して所定時間が経過すると負の目標値になるように、速度指令信号を生成するように構成される。したがって、被駆動体の速度を滑らかに反転させることができる。
上記の移動制御装置において、前記被駆動体が往復移動するときの可動部の移動範囲の外に設けられた壁部をさらに備え、前記アクチュエータの前記可動部は、前記被駆動体及び前記駆動コイルを含み、前記制御部は、前記アクチュエータが前記被駆動体の往復移動を開始する前に、前記駆動コイルに所定の基準電流値の電流を前記駆動部により供給させ、前記壁部に前記アクチュエータの前記可動部が押し当てられて停止した状態で、前記駆動コイルの両端に発生する電圧値を前記電圧検出部により検出させ、前記信号補正部は、前記基準電流値及び検出された前記電圧値に基づき、前記駆動コイルの前記基準抵抗値からの前記抵抗値のずれを抵抗誤差として算出し、前記アクチュエータが前記被駆動体の往復移動を開始するときは、算出した前記抵抗誤差を前記補正信号の初期値として用いるように構成されることが好ましい。
この構成によれば、壁部は、被駆動体が往復移動するときの可動部の移動範囲の外に設けられている。アクチュエータの可動部は、被駆動体及び駆動コイルを含む。制御部は、アクチュエータが被駆動体の往復移動を開始する前に、駆動コイルに所定の基準電流値の電流を駆動部により供給させ、壁部にアクチュエータの可動部が押し当てられて停止した状態で、駆動コイルの両端に発生する電圧値を電圧検出部により検出させる。信号補正部は、基準電流値及び検出された電圧値に基づき、駆動コイルの基準抵抗値からの抵抗値のずれを抵抗誤差として算出し、アクチュエータが被駆動体の往復移動を開始するときは、算出した抵抗誤差を補正信号の初期値として用いるように構成される。したがって、アクチュエータの駆動開始時から速度信号を好適に算出することができる。その結果、被駆動体の往復移動が安定するまでの時間を短縮することができる。
上記の移動制御装置において、不揮発性メモリをさらに備え、前記信号補正部は、前記アクチュエータが前記被駆動体の往復移動を停止する前に、前記補正信号生成部により生成された前記補正信号を前記不揮発性メモリに記憶させておき、次に前記アクチュエータが前記被駆動体の往復移動を開始するときは、前記不揮発性メモリに記憶させておいた前記補正信号を前記補正信号の初期値として用いるように構成されることが好ましい。
この構成によれば、移動制御装置は、不揮発性メモリをさらに備える。信号補正部は、アクチュエータが被駆動体の往復移動を停止する前に、補正信号生成部により生成された補正信号を不揮発性メモリに記憶させておき、次にアクチュエータが被駆動体の往復移動を開始するときは、不揮発性メモリに記憶させておいた補正信号を補正信号の初期値として用いるように構成される。したがって、アクチュエータの駆動開始時から速度信号を好適に算出することができる。その結果、被駆動体の往復移動が安定するまでの時間を短縮することができる。
本発明の一局面に係る移動制御方法は、永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータを備えた移動制御装置における前記被駆動体の移動制御方法であって、前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する第1工程と、前記被駆動体を往復移動させるための駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する第2工程と、前記第2工程における前記駆動コイルへの電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する第3工程と、前記駆動信号と前記第3工程で出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する第4工程と、前記第1工程で生成される前記速度指令信号と前記第4工程で生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成する第5工程と、を含む。
この構成によれば、第1工程は、被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する。第2工程は、被駆動体を往復移動させるための駆動信号に応じた電流をアクチュエータの駆動コイルに供給する。第3工程は、第2工程における駆動コイルへの電流供給に伴って駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、誘起電圧に対応する電圧信号を出力する。第4工程は、駆動信号と第3工程で出力される電圧信号とに基づき、駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように電圧信号を補正して速度信号を生成する。第5工程は、第1工程で生成される速度指令信号と第4工程で生成される速度信号とに基づき、駆動信号を生成する。
このように、駆動コイルに誘起される誘起電圧に対応する電圧信号が、駆動コイルの基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように補正されて、速度信号が生成され、速度指令信号と速度信号とに基づき駆動信号が生成され、駆動信号に応じた電流が駆動コイルに供給されて、被駆動体が駆動される。したがって、アクチュエータにより駆動される被駆動体の速度検出用に速度検出コイルを特別に設ける必要がない。その結果、駆動コイルの抵抗値が基準抵抗値からずれていたとしても、低コストで被駆動体を好適に往復移動させることが可能となる。
上記の移動制御方法において、前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第6工程と、前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第7工程と、をさらに含み、前記第1工程は、前記被駆動体の前記移動範囲の前記一方の端位置で前記被駆動体の移動方向が反転する時点において、前記第6工程で前記第1の端位置信号が出力され、かつ、前記被駆動体の前記移動範囲の前記他方の端位置で前記被駆動体の移動方向が反転する時点において、前記第7工程で前記第2の端位置信号が出力されるように、前記被駆動体が前記一方の端位置に向かう方向及び前記他方の端位置に向かう方向における前記速度指令信号の速度反転動作開始位置をそれぞれ調整する工程であることが好ましい。
この構成によれば、第6工程は、被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する。第7工程は、被駆動体の移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する。第1工程は、被駆動体の移動範囲の一方の端位置で被駆動体の移動方向が反転する時点において、第6工程で第1の端位置信号が出力され、かつ、被駆動体の移動範囲の他方の端位置で被駆動体の移動方向が反転する時点において、第7工程で第2の端位置信号が出力されるように、被駆動体が一方の端位置に向かう方向及び他方の端位置に向かう方向における速度指令信号の速度反転動作開始位置をそれぞれ調整する工程である。したがって、被駆動体の移動範囲を、確実に、第1の端位置信号の出力位置及び第2の端位置信号の出力位置の間の範囲とすることができる。
上記の移動制御方法において、前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第6工程と、前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第7工程と、をさらに含み、前記第1工程は、前記第6工程で出力される前記第1の端位置信号及び前記第7工程で出力される前記第2の端位置信号の少なくとも一方を用いて、前記被駆動体が往復移動する周期を計測し、計測した前記周期が所定の目標周期に一致するように、前記速度指令信号の大きさを調整する工程であることが好ましい。
この構成によれば、第6工程は、被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する。第7工程は、被駆動体の移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する。第1工程は、第6工程で出力される第1の端位置信号及び第7工程で出力される第2の端位置信号の少なくとも一方を用いて、被駆動体が往復移動する周期を計測し、計測した周期が所定の目標周期に一致するように、速度指令信号の大きさを調整する工程である。したがって、被駆動体を確実に目標周期で往復移動させることができる。
本発明の一局面に係る移動制御回路は、永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータを制御する移動制御回路であって、前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成回路と、入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動回路と、前記駆動回路による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出回路と、前記駆動信号と前記電圧検出回路から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正回路と、前記信号生成回路により生成される前記速度指令信号と前記信号補正回路により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動回路に出力する制御回路と、を備える。
この構成によれば、信号生成回路は、被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する。駆動回路は、入力される駆動信号に応じた電流をアクチュエータの駆動コイルに供給する。電圧検出回路は、駆動回路による電流供給に伴って駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された誘起電圧に対応する電圧信号を出力する。信号補正回路は、駆動信号と電圧検出回路から出力される電圧信号とに基づき、駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように電圧信号を補正して速度信号を生成する。制御回路は、信号生成回路により生成される速度指令信号と信号補正回路により生成される速度信号とに基づき、駆動信号を生成して駆動回路に出力する。
このように、駆動コイルに誘起される誘起電圧に対応する電圧信号が、駆動コイルの基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように補正されて、速度信号が生成され、速度指令信号と速度信号とに基づき駆動信号が生成され、駆動信号に応じた電流が駆動コイルに供給されて、被駆動体が駆動される。したがって、アクチュエータにより駆動される被駆動体の速度検出用に速度検出コイルを特別に設ける必要がない。その結果、駆動コイルの抵抗値が基準抵抗値からずれていたとしても、低コストで被駆動体を好適に往復移動させることが可能となる。
本発明の移動制御装置、移動制御方法及び移動制御回路によれば、アクチュエータにより駆動される被駆動体が往復移動したときに駆動コイルに誘起される誘起電圧を利用して速度信号が生成される。誘起電圧の検出は、駆動コイルの抵抗ばらつきや抵抗温度特性の影響を受けるが、誘起電圧に対応する電圧信号が、駆動コイルの基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように補正されて、速度信号が生成される。したがって、被駆動体を好適に往復移動させることができる。また、被駆動体の速度検出用に速度検出コイルを特別に設ける必要がないので、移動制御装置の部品点数削減、軽量化及びコスト低減を行うことができる。
本発明にかかる移動制御装置、移動制御方法及び移動制御回路は、駆動コイルに誘起される誘起電圧を用いて速度信号を生成し、アクチュエータにより被駆動体を駆動しながら駆動コイルの抵抗ばらつきや抵抗温度特性の影響を除去し、被駆動体の速度制御を行なう機能を有する。このため、カメラを用いて被写体の動画もしくは静止画撮影において被写界深度拡張を実現するためにレンズもしくは撮像素子を光軸方向に往復移動させる移動制御装置等として有用である。また、プロッターやプリンタなどの印刷機器、ロボットなど産業機器の分野で用いられるリニアアクチュエータにも適用でき、上記と同様の効果を上げることが可能である。

Claims (16)

  1. 永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータと、
    前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成部と、
    入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動部と、
    前記駆動部による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出部と、
    前記駆動信号と前記電圧検出部から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正部と、
    前記信号生成部により生成される前記速度指令信号と前記信号補正部により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動部に出力する制御部と、
    を備え
    前記信号補正部は、
    前記駆動信号に対応する電流信号と前記速度信号とに基づき、前記駆動コイルの前記基準抵抗値からの前記抵抗値のずれに対応する補正信号を生成する補正信号生成部と、
    前記補正信号生成部により生成された前記補正信号と前記駆動信号に対応する前記電流信号とを乗算し、該乗算により得られた乗算結果を出力する乗算部と、
    前記乗算部から出力される前記乗算結果と前記電圧検出部から出力される前記電圧信号とから前記速度信号を生成する速度信号生成部と、
    を含む移動制御装置。
  2. 前記信号補正部は、
    前記駆動信号を所定の増倍係数により増倍して前記電流信号を生成する増倍部をさらに含み、
    前記補正信号生成部は、
    前記電流信号と前記速度信号とを乗算し、該乗算により得られた乗算結果を時間積分して、前記駆動コイルの前記基準抵抗値からの前記抵抗値のずれを表す誤差信号を生成する誤差信号生成部と、
    前記誤差信号生成部により生成された前記誤差信号を積分して、前記補正信号を生成する積分部と、
    を含み、
    前記速度信号生成部は、前記乗算部から出力される前記乗算結果を前記電圧検出部から出力される前記電圧信号から減算し、該減算により得られた減算結果を前記速度信号として生成する請求項に記載の移動制御装置。
  3. 前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第1の端検出部と、
    前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第2の端検出部と、
    をさらに備え、
    前記信号生成部は、前記第1の端検出部から出力される前記第1の端位置信号と、前記第2の端検出部から出力される前記第2の端位置信号とに基づき、検出窓信号を生成し、
    前記信号補正部は、前記信号生成部により前記検出窓信号が生成されていない期間は前記補正信号生成部への前記駆動信号の入力を禁止する入力禁止部を備える請求項または請求項に記載の移動制御装置。
  4. 永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータと、
    前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成部と、
    入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動部と、
    前記駆動部による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出部と、
    前記駆動信号と前記電圧検出部から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正部と、
    前記信号生成部により生成される前記速度指令信号と前記信号補正部により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動部に出力する制御部と、
    前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第1の端検出部と、
    前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第2の端検出部と、
    を備え、
    前記信号生成部は、前記第1の端検出部から出力される前記第1の端位置信号と、前記第2の端検出部から出力される前記第2の端位置信号とに基づき、検出窓信号を生成し、
    前記信号補正部は、前記信号生成部により前記検出窓信号が生成される毎に、前記速度信号を生成するように構成される移動制御装置。
  5. 永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータと、
    前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成部と、
    入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動部と、
    前記駆動部による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出部と、
    前記駆動信号と前記電圧検出部から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正部と、
    前記信号生成部により生成される前記速度指令信号と前記信号補正部により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動部に出力する制御部と、
    前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第1の端検出部と、
    前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第2の端検出部と、
    を備え、
    前記信号生成部は、前記第1の端検出部から出力される前記第1の端位置信号と、前記第2の端検出部から出力される前記第2の端位置信号とに基づき、検出窓信号を生成し、
    前記信号補正部は、前記信号生成部により前記検出窓信号が複数回生成される毎に、前記速度信号を生成するように構成される移動制御装置。
  6. 前記信号生成部は、前記アクチュエータにより往復移動される前記被駆動体の速度が反転する時点を含む期間に前記検出窓信号を生成するように構成される請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の移動制御装置。
  7. 前記信号生成部は、前記アクチュエータにより往復移動される前記被駆動体の減速開始から速度が反転した後の加速終了までの期間に前記検出窓信号を生成するように構成される請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の移動制御装置。
  8. 永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータと、
    前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成部と、
    入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動部と、
    前記駆動部による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出部と、
    前記駆動信号と前記電圧検出部から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正部と、
    前記信号生成部により生成される前記速度指令信号と前記信号補正部により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動部に出力する制御部と、
    前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第1の端検出部と、
    前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第2の端検出部と、
    を備え、
    前記信号生成部は、
    前記被駆動体の前記移動範囲の前記一方の端位置で前記被駆動体の移動速度が反転する時点において、前記第1の端検出部から前記第1の端位置信号が出力され、かつ、前記被駆動体の前記移動範囲の前記他方の端位置で前記被駆動体の移動速度が反転する時点において、前記第2の端検出部から前記第2の端位置信号が出力されるように、前記被駆動体が前記一方の端位置に向かう方向及び前記他方の端位置に向かう方向における前記速度指令信号の速度反転動作開始位置をそれぞれ調整するように構成される移動制御装置。
  9. 永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータと、
    前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成部と、
    入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動部と、
    前記駆動部による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出部と、
    前記駆動信号と前記電圧検出部から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正部と、
    前記信号生成部により生成される前記速度指令信号と前記信号補正部により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動部に出力する制御部と、
    前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第1の端検出部と、
    前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第2の端検出部と、
    を備え、
    前記信号生成部は、
    前記第1の端検出部から出力される前記第1の端位置信号及び前記第2の端検出部から出力される前記第2の端位置信号の少なくとも一方を用いて、前記被駆動体が往復移動する周期を計測し、計測した前記周期が所定の目標周期に一致するように、前記速度指令信号の大きさを調整するように構成される移動制御装置。
  10. 前記信号生成部は、前記速度指令信号の値が、前記第1の端位置信号もしくは前記第2の端位置信号が出力されるまでは、正の所定の目標値に維持され、前記第1の端位置信号もしくは前記第2の端位置信号の出力時点から徐々に減少して所定時間が経過すると零になり、前記所定時間の経過時点からさらに徐々に減少して前記所定時間が経過すると負の前記目標値になるように、前記速度指令信号を生成するように構成される請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の移動制御装置。
  11. 前記被駆動体が往復移動するときの可動部の移動範囲の外に設けられた壁部をさらに備え、
    前記アクチュエータの前記可動部は、前記被駆動体及び前記駆動コイルを含み、
    前記制御部は、前記アクチュエータが前記被駆動体の往復移動を開始する前に、前記駆動コイルに所定の基準電流値の電流を前記駆動部により供給させ、前記壁部に前記アクチュエータの前記可動部が押し当てられて停止した状態で、前記駆動コイルの両端に発生する電圧値を前記電圧検出部により検出させ、
    前記信号補正部は、前記基準電流値及び検出された前記電圧値に基づき、前記駆動コイルの前記基準抵抗値からの前記抵抗値のずれを抵抗誤差として算出し、前記アクチュエータが前記被駆動体の往復移動を開始するときは、算出した前記抵抗誤差を前記補正信号の初期値として用いるように構成される請求項または請求項に記載の移動制御装置。
  12. 不揮発性メモリをさらに備え、
    前記信号補正部は、前記アクチュエータが前記被駆動体の往復移動を停止する前に、前記補正信号生成部により生成された前記補正信号を前記不揮発性メモリに記憶させておき、次に前記アクチュエータが前記被駆動体の往復移動を開始するときは、前記不揮発性メモリに記憶させておいた前記補正信号を前記補正信号の初期値として用いるように構成される請求項または請求項に記載の移動制御装置。
  13. 永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータを備えた移動制御装置における前記被駆動体の移動制御方法であって、
    前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する第1工程と、
    前記被駆動体を往復移動させるための駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する第2工程と、
    前記第2工程における前記駆動コイルへの電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する第3工程と、
    前記駆動信号と前記第3工程で出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する第4工程と、
    前記第1工程で生成される前記速度指令信号と前記第4工程で生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成する第5工程と、
    を含み、
    前記第1工程は、
    前記駆動信号に対応する電流信号と前記速度信号とに基づき、前記駆動コイルの前記基準抵抗値からの前記抵抗値のずれに対応する補正信号を生成する補正信号生成工程と、
    前記補正信号生成工程により生成された前記補正信号と前記駆動信号に対応する前記電流信号とを乗算し、該乗算により得られた乗算結果を出力する乗算工程と、
    前記乗算工程により出力される前記乗算結果と前記第3工程により出力される前記電圧信号とから前記速度信号を生成する速度信号生成工程と、
    を含む移動制御方法。
  14. 永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータを備えた移動制御装置における前記被駆動体の移動制御方法であって、
    前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する第1工程と、
    前記被駆動体を往復移動させるための駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する第2工程と、
    前記第2工程における前記駆動コイルへの電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する第3工程と、
    前記駆動信号と前記第3工程で出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する第4工程と、
    前記第1工程で生成される前記速度指令信号と前記第4工程で生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成する第5工程と、
    前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第6工程と、
    前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第7工程と、
    を含み、
    前記第1工程は、
    前記被駆動体の前記移動範囲の前記一方の端位置で前記被駆動体の移動方向が反転する時点において、前記第6工程で前記第1の端位置信号が出力され、かつ、前記被駆動体の前記移動範囲の前記他方の端位置で前記被駆動体の移動方向が反転する時点において、前記第7工程で前記第2の端位置信号が出力されるように、前記被駆動体が前記一方の端位置に向かう方向及び前記他方の端位置に向かう方向における前記速度指令信号の速度反転動作開始位置をそれぞれ調整する工程である移動制御方法。
  15. 永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータを備えた移動制御装置における前記被駆動体の移動制御方法であって、
    前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する第1工程と、
    前記被駆動体を往復移動させるための駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する第2工程と、
    前記第2工程における前記駆動コイルへの電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する第3工程と、
    前記駆動信号と前記第3工程で出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する第4工程と、
    前記第1工程で生成される前記速度指令信号と前記第4工程で生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成する第5工程と、
    前記被駆動体の移動範囲の一方の端位置を検出し、第1の端位置信号を出力する第6工程と、
    前記被駆動体の前記移動範囲の他方の端位置を検出し、第2の端位置信号を出力する第7工程と、
    を含み、
    前記第1工程は、
    前記第6工程で出力される前記第1の端位置信号及び前記第7工程で出力される前記第2の端位置信号の少なくとも一方を用いて、前記被駆動体が往復移動する周期を計測し、計測した前記周期が所定の目標周期に一致するように、前記速度指令信号の大きさを調整する工程である移動制御方法。
  16. 永久磁石と前記永久磁石に所定の空隙を保持して対向した駆動コイルとを有し、前記駆動コイルに連結された被駆動体を往復移動させるアクチュエータを制御する移動制御回路であって、
    前記被駆動体の目標速度を表す速度指令信号を生成する信号生成回路と、
    入力される駆動信号に応じた電流を前記アクチュエータの前記駆動コイルに供給する駆動回路と、
    前記駆動回路による電流供給に伴って前記駆動コイルに発生する誘起電圧を検出し、検出された前記誘起電圧に対応する電圧信号を出力する電圧検出回路と、
    前記駆動信号と前記電圧検出回路から出力される前記電圧信号とに基づき、前記駆動コイルの所定の基準抵抗値からの抵抗値のずれを調整するように前記電圧信号を補正して速度信号を生成する信号補正回路と、
    前記信号生成回路により生成される前記速度指令信号と前記信号補正回路により生成される前記速度信号とに基づき、前記駆動信号を生成して前記駆動回路に出力する制御回路と、
    を備え
    前記信号補正回路は、
    前記駆動信号に対応する電流信号と前記速度信号とに基づき、前記駆動コイルの前記基準抵抗値からの前記抵抗値のずれに対応する補正信号を生成する補正信号生成回路と、
    前記補正信号生成回路により生成された前記補正信号と前記駆動信号に対応する前記電流信号とを乗算し、該乗算により得られた乗算結果を出力する乗算回路と、
    前記乗算回路から出力される前記乗算結果と前記電圧検出回路から出力される前記電圧信号とから前記速度信号を生成する速度信号生成回路と、
    を含む移動制御回路。
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