以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るバンプ平坦化装置の要部を拡大して示す側面断面図である。図2は、図1のバンプ平坦化装置におけるヘッドの底面図である。図3は、図1のバンプ平坦化装置におけるヘッド部を示す斜視図である。
各図を参照して、バンプ平坦化装置1は、表面に複数のバンプBが形成された基板Sを、前記表面を上方に向けた姿勢で載置可能な載置面2aを有する載置部2と、前記載置面2aに対して昇降自在なヘッド部3と、前記載置面2aと平行な面上における特定のスライド方向X1に沿って前記載置部2とヘッド部3とを相対的に移動させる図略の駆動部とを備えている。
なお、以下の説明では、載置面2aと平行な面を仮にXY平面とし、このXY平面と直交する方向を仮にZ軸方向とし、前記XY平面におけるX軸方向と前記スライド方向X1とが仮に平行するものとして説明する。
載置部2は、ステンレス鋼等の金属からなる四角形の板であり、その上面に形成された載置面2aが略水平となるように図略の台座上に固定されている。
この載置部2は、基板Sの平面形状に対応して立設された複数のガイドピン(図示せず)を備えており、これらガイドピンに沿わせながら載置面2a上に載置された基板Sが、後述するヘッド部3に対して位置決めされるようになっている。なお、これらガイドピンに沿わせた姿勢にある基板Sを載置面2a上で保持するために、当該基板Sをその裏側から吸着する吸着孔を載置面2a上に開口してもよい。また、ガイドピンは、後述する平坦化工程の際にローラ4との干渉をさけるため、載置部2上に載置された基板SのバンプBの高さ位置よりも低くなるように、その突出寸法が設定されている。
ヘッド部3は、前記載置面2aと対向配置されたローラ4と、このローラ4をY軸方向に沿った回転軸5回りに回転自在に支持する枠状フレーム(第一支持部)6と、この枠状フレーム6をX軸方向に沿った傾動軸7回りに傾動自在に支持するチャネル状フレーム(第二支持部)8と、このチャネル状フレーム8を上方から支持するアーム9とを備えている。
ローラ4は、ステンレス鋼等の金属からなる直径が10〜50mm程度、長さが10〜100mm程度に設定された円柱状の部材であり、その長手方向がY軸方向に沿って配置されている。
また、ローラ4は、その外周面が前記バンプBを平坦化するためのプレス面4aとされている。すなわち、ローラ4は、前記駆動部によりヘッド部3がX軸方向へ移動することによりバンプBに対して転がり接触しながら、そのプレス面4aによりバンプBを平坦化することが可能とされている。
なお、前記ローラ4の直径は、平坦化の対象となる基板Sの種類に応じて適宜設定される。すなわち、ローラ4の直径が小さい程、ローラ4とバンプBとの接触の態様が点接触(線接触)に近づくので、バンプBに付与される圧力が大きくなり、ヘッド部3の移動方向(X軸方向)に沿ったバンプBの変形を引き起こしやすくなる。一方、ローラ4の直径が大きい程、ローラ4とバンプBとの接触の態様が面接触に近づくので、バンプBに付与される圧力が小さくなり、ヘッド部3の移動方向(X軸方向)に沿ったバンプBの変形を抑制することができるものの、その分、ローラ4に対して一度に接触するバンプBの数量が増加するので、当該ローラ4を載置部2に押付ける力が余分に必要となる。
一方、ローラ4の長さ寸法は、Y軸方向における基板S上のバンプBの形成領域よりも若干長く寸法設定されている。
枠状フレーム6は、X軸方向に沿った一対の短辺部6a、Y軸方向に沿った一対の長辺部6bを有するロの字形に形成され、これら各短辺部6a及び各長辺部6bにより前記ローラ4の周囲(X軸、Y軸方向の周囲)を取り囲むようになっている。
また、枠状フレーム6は、各短辺部6a間でY軸方向に沿って掛け渡された回転軸5回りに回転自在となるように前記ローラ4を支持している。
チャネル状フレーム8は、前記枠状フレーム6の上方に配置された天板8aと、この天板8aのX軸方向の両端部から垂下された一対の側壁8bとを備え、これら天板8aと各側壁8bで前記枠状フレーム6を跨ぐように配置されている(図1参照)。
このチャネル状フレーム8には、前記各側壁8bからそれぞれ相手側の側壁8bへ向けて延びる一対の傾動軸7が設けられている。これら傾動軸7は、それぞれY軸方向に沿った共通の線L1上に軸線が配置されており、本実施形態において、前記共通の線L1は、前記ローラ4の軸線に対しその中点で直交するXZ平面(平面P1)上で、回転軸5の軸線と直交するように配置されている。
そして、前記枠状フレーム6及びチャネル状フレーム8の各側壁8bは、ローラ4の下部を露出するように(図1参照)、そのZ軸方向の寸法が設定されている。
アーム9は、前記チャネル状フレーム8の天板8aから上方に延びる棒状の部材であり、その上部が図略の昇降装置に接続され、この昇降装置によりZ軸方向への昇降が可能とされている。なお、昇降装置は、エアシリンダや、モータの出力軸に噛合するラック等の周知の構成であるため、ここでは説明を省略する。
駆動部は、前記ヘッド部3のアーム9をX軸方向に駆動する、例えば、エアシリンダや、モータの出力軸に噛合するラック等により構成されている。本実施形態では、駆動部がヘッド部3をX軸方向に駆動する例について説明しているが、ヘッド部3に対して前記載置部2をX軸方向に駆動する駆動部を採用してもよい。
以下、前記バンプ平坦化装置1の使用方法について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、図1のバンプ平坦化装置1を用いたバンプ平坦化方法を示す側面断面図であり、基板Sの載置工程実行後の状態を示している。図5は、図1のバンプ平坦化装置1を用いたバンプ平坦化方法を示す側面断面図であり、バンプBの平坦化工程実行中の状態を示している。
図4を参照して、まず、前記載置部2における載置面2a上の所定位置(前記ガイドピンにより規定された位置)に基板Sを載置する(載置工程)。このとき、バンプBが形成されている側の表面を上方に向けた姿勢で基板Sを載置する。
図5を参照して、次に、バンプBの目標となる高さ寸法(平坦化後の高さ寸法)に対応して、前記昇降装置(図示せず)によりヘッド部3を降下させて、前記ローラ4を基板SにおけるX軸方向の一方の縁部(図では左側の縁部)の上方に配置させる。そして、前記昇降装置によるヘッド部3の高さ位置を維持しながら、ヘッド部3を基板Sの他端側(図の右側)へ移動させることにより、前記ローラ4が各バンプBに対して順次転がり接触し、このローラ4のプレス面4aにより各バンプBが順次平坦化される(平坦化工程)。
なお、前記昇降装置をエアシリンダ等で構成して前記アーム9の上下位置を比較的柔軟に変位させることができるように構成する(アーム9をダンパーのように駆動可能とする)ことにより、前記平坦化工程では、ローラ4のプレス面4aを基板Sの上面に当接させた状態で、ヘッド部3をX軸方向へ移動させてバンプBの平坦化を行うこともできる。すなわち、ローラ4をバンプBの起伏に応じて若干上方へ退避させながら、当該バンプBに対して順次転がり接触させることにより、各バンプBを平坦化することができる。
このヘッド部3の移動の過程において、基板Sに撓みがある場合には、前記傾動軸7回りに枠状フレーム6が傾動することに伴い、ローラ4が傾動するので、各バンプBに対して昇降装置(図示せず)による圧力を一様に付与することができる。また、前記傾動軸7がローラ4の回転軸5と同じ高さ位置に配置されているので、この傾動軸7回りの枠状フレーム6(ローラ4)の傾動半径を小さくしてローラ4の傾動に伴う移動距離を短くすることができるので、バンプBをY軸方向に押し潰すことなく平坦化することができる。
そして、ヘッド部3が基板Sの端部(図では右側)へ移動した後には、当該ヘッド部3を再び基板Sの反対側(図では左側)へ戻らせるように移動して、前記平坦化工程を複数回実行することもできる。このようにすれば、一回目の平坦化工程で枠状フレーム6が大きく傾動して十分に平坦化されていないバンプBが残っている場合であっても、二回目以降の平坦化工程において各バンプBをより均一に平坦化することができる。
以上説明したように、前記バンプ平坦化装置1によれば、バンプBの高さ寸法に応じてヘッド部3を載置部2に対して昇降させた上で、このヘッド部3をスライド方向X1に駆動することにより、載置部2に載置された基板S上のバンプBに対してヘッド部3のローラ4が転がり接触して、当該バンプBを平坦化することができる。
そして、前記バンプ平坦化装置1では、枠状フレーム6を跨ぐようにチャネル状フレーム8を配設し、このチャネル状フレーム8の両側壁8bから延びる各傾動軸7により枠状フレーム6をY軸方向の両側から軸支するようにしているので、ローラ4の側方の領域であっても当該ローラ4の回転を妨げることなく傾動軸7を配置することができる。
したがって、前記バンプ平坦化装置1によれば、前記各傾動軸7を載置部2(載置面2a)寄りに配設することができるので、当該各傾動軸7を中心とする枠状フレーム6(ローラ4)の傾動半径を小さくすることができ、これにより、ローラ4の傾動に伴う移動距離を短くして、当該ローラ4の傾動に伴う移動方向に沿ったバンプBの押し潰しを抑制することができる。
また、前記バンプ平坦化装置1では、前記ローラ4の長手方向の中点で回転軸5と直交する平面P1上に傾動軸7を配設している、すなわち、ローラ4をその長手方向の中央位置を中心として傾動させることができるので、ローラ4の両端部の傾動に伴う移動距離を長手方向の両側で均一にすることができ、これによっても、ローラ4の傾動に伴う移動方向に沿ったバンプBの押し潰しを抑制することができる。
なお、前記第一の実施形態では、傾動軸7を回転軸5と同じ高さ位置に配置した例を説明したが、前述したように「各傾動軸7を中心とする枠状フレーム6の傾動半径を小さくする」本発明の目的に鑑みると、前記傾動軸7は、回転軸5よりも下方(載置部2側)に配設することが好ましい。すなわち、前記実施形態のバンプ平坦化装置1では、前記枠状フレーム6及びチャネル状フレーム8の両側壁8bのZ軸方向の寸法をローラ4の下部が必要最小限露出する程度に載置部2側へ延ばした寸法に設定した上で、これら枠状フレーム6及びチャネル状フレーム8の両側壁8bの下部に傾動軸7を設けることが最も好ましい。
図6は、本発明の第二の実施形態に係るバンプ平坦化装置の要部を拡大して示す正面断面図である。
図6を参照して、第二の実施形態に係るバンプ平坦化装置10は、表面に複数のバンプBが形成された基板Sを、前記表面を上方に向けた姿勢で載置可能な載置面14aを有する載置部11と、前記載置面14aに対して昇降自在なヘッド部12と、前記載置面14aと平行な面上における特定のスライド方向X2(図6の紙面に対して垂直な方向)に沿って前記載置部11とヘッド部12とを相対的に移動させる図略の駆動部とを備えている。
なお、以下の説明では、後述する傾動軸17回りに傾動していない姿勢にある載置面14aと平行な面を仮にXY平面とし、このXY平面と直交する方向を仮にZ軸方向とし、前記XY平面におけるX軸方向と前記スライド方向X2とが仮に平行するものとして説明する。
載置部11は、ステンレス鋼等の金属からなる四角形の載置板14と、この載置板14を格納するベース15とを備え、このベース15が図略の台座上に固定されている。
載置板14は、その上面が平坦な載置面14aとされ、この載置面14a上に前記基板Sを載置することが可能とされている。具体的に、載置板14は、第一の実施形態と同様に図略のガイドピン等により後述するヘッド部12に対して位置決めした姿勢で基板Sを載置するようになっている。
ベース15は、上方へ開口する凹部16を備え、この凹部16内に前記載置板14を格納するようになっている。
すなわち、前記載置板14は、凹部16の底部16a上に配置され、この底部16aのX軸方向の両側に立設された一対の側壁(図示せず)間でX軸方向に沿って延びる傾動軸17回りに傾動自在とされた状態で、当該凹部16内に格納されている(底部16aと載置板14の下面との間には傾動用のクリアランスが設けられている)。
本実施形態において、前記傾動軸17は、Y軸方向における載置板14の中央位置で、かつ、載置板14の厚み方向の中央位置で、当該載置板14をX軸方向に沿って貫いている。
ヘッド部12は、前記載置面14aと対向配置された前述のローラ4と、このローラ4を回転軸18回りに回転自在に支持するチャネル状フレーム(支持部)19と、このチャネル状フレーム19を上方から支持する前述のアーム9とを備えている。
チャネル状フレーム19は、ローラ4の上方に配置された天板19aと、この天板19aのY軸方向の両端部から垂下された一対の側壁19bとを備え、これら天板19aと各側壁19bで前記ローラ4を跨ぐように配置されている。
このチャネル状フレーム19には、前記各側壁19b間でY軸方向に沿って延びる回転軸18が設けられ、この回転軸18に前記ローラ4が外嵌されている。
そして、前記チャネル状フレーム19の各側壁19bは、ローラ4の下部を露出するように、そのZ軸方向の寸法が設定されている。
アーム9は、第一の実施形態と同様、その上部が図略の昇降装置に接続され、この昇降装置によりZ軸方向への昇降が可能とされている。
駆動部は、前述した第一の実施形態と同様の構成を有し、前記ヘッド部12のアーム9をX軸方向へ駆動する。
そして、第二の実施形態に係るバンプ平坦化装置10も、第一の実施形態と同様、載置工程(図4参照)及び平坦化工程(図5参照)を行うことにより、基板S上のバンプBを平坦化することができる。
この平坦化工程の過程においては、基板Sに撓みがある場合に、前記傾動軸17回りに載置板14が傾動することに伴い、基板Sが傾動するので、各バンプBに対して昇降装置(図示せず)による圧力を一様に付与することができる。
以上説明したように、前記バンプ平坦化装置10によれば、バンプBの高さ寸法に応じてヘッド部12を載置部11に対して昇降させた上で、このヘッド部12をスライド方向X2に駆動することにより、載置部11に載置された基板S上のバンプBに対してヘッド部12のローラ4が転がり接触して、当該バンプBを平坦化することができる。
このとき、載置板14が傾動軸17回りに傾動することが可能とされているので、ローラ4と載置板14との間で挟圧される基板Sが撓んでいる場合であっても、この撓みに応じて載置板14が傾動することにより、各バンプBに対して一様に圧力を付与することができる。
そして、バンプ平坦化装置10では、ベース15の凹部16内に載置板14を格納し、このベース15の両側壁間に延びる傾動軸17により載置板14を両側から軸支するようにしているので、載置板14の側方の領域に傾動軸17を配置することができる。
したがって、第二の実施形態に係るバンプ平坦化装置10によれば、傾動軸17を載置面14a(基板S)寄りに配設することができるので、当該傾動軸17を中心とする載置板14(載置面14a)の傾動半径を小さくすることができ、これにより、載置面14aに載置されている基板Sの傾動に伴う移動距離を短くして、ローラ4に対する基板Sの傾動に伴う移動方向に沿ったバンプBの押し潰しを抑制することができる。
また、前記バンプ平坦化装置10では、載置板14のY軸方向の中央位置で、かつ、載置板14の厚み方向の中央位置に傾動軸17を配設しているので、載置板14の傾動に伴う移動距離をY軸方向における両側で均一にすることができ、これによっても、載置板14の傾動に伴う移動方向に沿ったバンプBの押し潰しを抑制することができる。
なお、前記第二の実施形態では、傾動軸17を載置板14の厚み方向の中央位置に配置した例を説明したが、「傾動軸17を中心とする載置板14の傾動半径を小さくする」本発明の目的に鑑みると、前記傾動軸17は、より上方(載置面14a寄り)に配設することが好ましい。
図7は、本発明の第三の実施形態に係るバンプ平坦化装置の要部を拡大して示す側面断面図である。
図7を参照して、第三の実施形態に係るバンプ平坦化装置20は、前記第一の実施形態と同様の載置部2と、載置面2aに対して昇降自在なヘッド部21とを備えている。
なお、以下の説明では、載置面2aと平行な面を仮にXY平面とし、このXY平面と直交する方向を仮にZ軸方向として説明する。
ヘッド部21は、前記載置面2aとの間で前記バンプBを挟圧するプレス板22と、このプレス板22をY軸方向に沿った第一傾動軸23回りに傾動自在に支持する枠状フレーム(第一支持部)24と、この枠状フレーム24をX軸方向に沿った第二傾動軸25回りに傾動自在に支持するチャネル状フレーム(第二支持部)26と、このチャネル状フレーム26を上方から支持する前記アーム9とを備えている。
プレス板22は、前記載置面2aと対向配置された下面が、当該載置面2aに載置された基板S上のバンプ形成領域E1に対応する表面積のプレス面22aとされた四角形の板である。
枠状フレーム24は、X軸方向に沿った一対の縦辺部24a(図7では1つ示している)、Y軸方向に沿った一対の横辺部24bを有するロの字形に形成され、これら各縦辺部24a及び各横辺部24bにより前記プレス板22の周囲(X軸、Y軸方向の周囲)を取り囲むようになっている。
また、枠状フレーム24は、各縦辺部24a間でY軸方向に沿って掛け渡された第一傾動軸23回りに傾動自在となるように前記プレス板22を支持している。本実施形態において、この第一傾動軸23は、X軸方向及びZ軸方向におけるプレス板22の中央位置を通るように、当該プレス板22を貫いている。
チャネル状フレーム26は、前記枠状フレーム24の上方に配置された天板26aと、この天板26aのX軸方向の両端部から垂下された一対の側壁26bとを備え、これら天板26aと各側壁26bで前記枠状フレーム24を跨ぐように配置されている。
このチャネル状フレーム26には、前記各側壁26bからそれぞれ相手側の側壁26bへ向けて延びる一対の第二傾動軸25が設けられている。これら第二傾動軸25は、それぞれY軸方向に沿った共通の線L2上に軸線が配置されており、本実施形態において、前記共通の線L2は、Y軸方向においてプレス板22を二等分するXZ平面上で、前記第一傾動軸23の軸線と直交するように配置されている。
そして、各第二傾動軸25は、それぞれ枠状フレーム24の横辺部24bを傾動自在に軸支している。したがって、前記枠状フレーム24は、チャネル状フレーム26に対して各第二傾動軸25回りに傾動することができる。
なお、前記枠状フレーム24及びチャネル状フレーム26の各側壁26bは、プレス板22の下部を露出するように、そのZ軸方向の寸法が設定されている。
アーム9は、前記各実施形態と同様、その上部が図略の昇降装置に接続され、この昇降装置によりZ軸方向への昇降が可能とされている。
そして、第三の実施形態に係るバンプ平坦化装置20では、前記各実施形態と同様に載置工程を実行した後、バンプBの目標となる高さ寸法に対応して、前記昇降装置によりヘッド部21を降下させることにより、前記プレス板22のプレス面22aにより各バンプBが一括して平坦化される(平坦化工程)。
このヘッド部21の移動の過程において、基板Sに撓みがある場合には、互いに直交する前記第一傾動軸23及び第二傾動軸25回りにプレス板22が傾動するので、各バンプBに対して昇降装置(図示せず)による圧力を一様に付与することができる。
以上説明したように、前記バンプ平坦化装置20によれば、バンプBの高さ寸法に応じてヘッド部21(プレス板22)を載置部2に対して降下させることにより、プレス面22aと載置面2aとの間で載置部2に載置された基板S上のバンプBを一括して平坦化することができる。
このとき、プレス板22が互いに直交する第一傾動軸23及び第二傾動軸25回りに傾動することが可能とされているので、プレス板22と載置部2との間で挟圧される基板Sが撓んでいる場合であっても、この撓みに応じてプレス板22が傾動することにより、各バンプBに対して一様に圧力を付与することができる。
そして、前記バンプ平坦化装置20では、プレス板22の周囲を取り囲むように枠状フレーム24を配設し、この枠状フレーム24の第一傾動軸23によりプレス板22を軸支するようにしているので、当該プレス板22をその側方から支持することができる。
さらに、前記バンプ平坦化装置20では、枠状フレーム24を跨ぐようにチャネル状フレーム26を配設し、このチャネル状フレーム26の両側壁26bからそれぞれ延びる各第二傾動軸25により枠状フレーム24を両側から軸支するようにしているので、前記プレス板22の側方の領域であっても当該プレス板22の第一傾動軸23回りの傾動を妨げることなく第二傾動軸25を配置することができる。
したがって、バンプ平坦化装置20によれば、第一傾動軸23及び第二傾動軸25を載置部2(載置面2a)寄りに配設することができるので、当該各傾動軸23及び25を中心とするプレス板22の傾動半径を小さくすることができ、これにより、プレス板22の傾動に伴う移動距離を短くして、当該プレス板22の傾動に伴う移動方向に沿ったバンプBの押し潰しを抑制することができる。
また、バンプ平坦化装置20では、X軸方向及びZ軸方向におけるプレス板22の中央位置を通るように第一傾動軸23を配設するとともに、前記共通の線L2に沿って各第二傾動軸25を配設しているので、各傾動軸23及び25を中心とするプレス板22の傾動の際に、当該プレス板22の傾動に伴う移動距離を、X軸方向及びY軸方向の両側で均一にすることができ、これによっても、プレス板22の傾動に伴う移動方向に沿ったバンプBの押し潰しを抑制することができる。
なお、前記第三の実施形態では、第一傾動軸23と第二傾動軸25とを同じ高さ位置に配設した例について説明したが、これら両者を別々の高さ位置に配設してもよい。さらに前述したように「各傾動軸23及び25を中心とするプレス板22の傾動半径を小さくする」本発明の目的に鑑みると、前記各傾動軸23及び25は、より下方(プレス面22a寄り)に配設することが好ましい。
図8は、本発明の第四の実施形態に係るバンプ平坦化装置の要部を拡大して示す正面断面図である。
図8を参照して、第四の実施形態に係るバンプ平坦化装置30は、前述した第二の実施形態と同様の載置部11と、前記載置面14aに対して昇降自在なヘッド部31とを備えている。
なお、以下の説明では、前記傾動軸17回りに傾動していない姿勢にある載置面14aと平行な面を仮にXY平面とし、このXY平面と直交する方向を仮にZ軸方向として説明する。
ヘッド部31は、前記載置面14aとの間でバンプBを挟圧するプレス板32と、このプレス板32をY軸方向に沿った一対の第一傾動軸33回りに傾動自在に支持するチャネル状フレーム34と、このチャネル状フレーム34を上方から支持する前記アーム9とを備えている。
プレス板32は、前記載置面14aと対向配置された下面が、当該載置面14aに載置された基板S上のバンプ形成領域E1に対応する表面積のプレス面32aとされた四角形の板である。
チャネル状フレーム34は、前記プレス板32の上方に配置された天板34aと、この天板34aのY軸方向の両端部から垂下された一対の側壁34bとを備え、これら天板34aと各側壁34bで前記プレス板32を跨ぐように配置されている。
このチャネル状フレーム34には、前記各側壁34bからそれぞれ相手側の側壁34bへ向けて延びる一対の第一傾動軸33が設けられている。これら第一傾動軸33は、それぞれY軸方向に沿った共通の線L3上に軸線が配置されており、本実施形態において、前記共通の線L3は、X軸方向においてプレス板32を二等分するXY平面上で、当該プレス板32の厚み方向の中央位置を通るように配置されている。
そして、前記プレス板32は、各第一傾動軸33により両側から軸支され、当該各第一傾動軸33回りに前記チャネル状フレーム34に対して傾動自在とされている。
なお、前記チャネル状フレーム34の各側壁34bは、プレス板32の下部を露出するように、そのZ軸方向の寸法が設定されている。
アーム9は、前記各実施形態と同様、その上部が図略の昇降装置に接続され、この昇降装置によりZ軸方向への昇降が可能とされている。
そして、第四の実施形態に係るバンプ平坦化装置30では、前記各実施形態と同様に載置工程を実行した後、バンプBの目標となる高さ寸法に対応して、前記昇降装置によりヘッド部31を降下させることにより、前記プレス板32のプレス面32aにより各バンプBが一括して平坦化される(平坦化工程)。
このヘッド部31の移動の過程において、基板Sに撓みがある場合には、前記第一傾動軸33回りにプレス板32が傾動するとともに、この第一傾動軸33と直交する前記傾動軸17(第二傾動軸)回りに載置板14が傾動するので、各バンプBに対して昇降装置(図示せず)による圧力を一様に付与することができる。
以上説明したように、前記バンプ平坦化装置30によれば、バンプBの高さ寸法に応じてヘッド部31(プレス板32)を載置部11に対して降下させることにより、プレス面32aと載置面14aとの間で載置部11に載置された基板S上のバンプBを一括して平坦化することができる。
このとき、プレス板32が第一傾動軸33回りに傾動することが可能とされているので、プレス板32と載置板14との間で挟圧される基板Sが撓んでいる場合であっても、この撓みに応じてプレス板32が傾動することにより、各バンプBに対して一様に圧力を付与することができる。
また、バンプ平坦化装置30では、載置板14が前記第一傾動軸33と直交する傾動軸17(第二傾動軸)回りに傾動することが可能とされているので、基板Sの撓みに応じて載置板14が傾動することにより、前記第一傾動軸33回りのプレス板32の傾動と相俟って、各バンプBに対する圧力をより一層均一に付与することができる。
そして、本実施形態のバンプ平坦化装置30では、プレス板32を跨ぐようにチャネル状フレーム34を配設し、このチャネル状フレーム34の第一傾動軸33によりプレス板32を軸支するようにしているので、当該プレス板32をその側方から支持することができる。
さらに、本実施形態のバンプ平坦化装置30では、ベース15の凹部16内に載置板14を格納し、このベース15の両側壁(第二側壁)間に延びる傾動軸(第二傾動軸)17により載置板14を両側から軸支するようにしているので、載置板14の側方の領域に傾動軸17を配置することができる。
したがって、本実施形態のバンプ平坦化装置30によれば、第一傾動軸33及び傾動軸17を載置面14a(基板S)寄りに配設することができるので、第一傾動軸33を中心とするプレス板32の傾動半径及び、傾動軸17を中心とする載置板14(載置面14a)の傾動半径を小さくすることができ、これにより、プレス板32と基板Sとの傾動に伴う移動方向に沿ったバンプBの押し潰しを抑制することができる。
また、バンプ平坦化装置30では、前記共通の線L3に沿って各第一傾動軸33を配設しているので、当該各第一傾動軸33を中心とするプレス板32の傾動の際に、プレス板32の移動距離を、Y軸方向の両側で均一にすることができ、これによっても、プレス板32の傾動に伴う移動方向に沿ったバンプBの押し潰しを抑制することができる。
なお、前記第四の実施形態では、プレス板32の厚み方向の中央位置を通る高さ位置に各第一傾動軸33を配設しているが、前述したように「各第一傾動軸33を中心とするプレス板32の傾動半径を小さくする」本発明の目的に鑑みると、前記第一傾動軸33は、より下方(プレス面32a寄り)に配設することが好ましい。また、第二の実施形態の場合と同様に、前記傾動軸17は、より上方(載置面14a寄り)に配設することが好ましい。
図9は、本発明の第五の実施形態に係るバンプ平坦化装置の要部を拡大して示す正面断面図である。
図9を参照して、第五の実施形態に係るバンプ平坦化装置40は、表面に複数のバンプBが形成された基板Sを、前記表面を上方に向けた姿勢で載置可能な載置面43aを有する載置部41と、前記載置面43aに対して昇降自在なヘッド部42とを備えている。
なお、以下の説明では後述する第一傾動軸45及び第二傾動軸49回りに傾動していない姿勢にある前記載置面43aと平行な面を仮にXY平面とし、このXY平面と直交する方向を仮にZ軸方向として説明する。
前記載置部41は、ステンレス鋼等の金属からなる四角形の載置板43と、この載置板43をX軸方向に沿った第一傾動軸45回りに傾動自在に支持する枠状フレーム(支持部)46と、この枠状フレーム46を格納するベース47とを備えている。
載置板43は、その上面が平坦な載置面43aとされ、この載置面43a上に前記基板Sを載置することが可能とされている。具体的に、載置板43は、第一の実施形態と同様に図略のガイドピン等により後述するヘッド部42に対して位置決めした姿勢で基板Sを載置するようになっている。
枠状フレーム46は、X軸方向に沿った一対の縦辺部46a、Y軸方向に沿った一対の横辺部46b(図9では1つ示している)を有するロの字形に形成され、これら縦辺部46a及び各横辺部46bにより前記載置板43の周囲(X軸、Y軸方向の周囲)を取り囲むようになっている。
また、枠状フレーム46は、各横辺部46b間でX軸方向に沿って掛け渡された第一傾動軸45回りに傾動自在となるように前記載置板43を支持している。本実施形態において、この第一傾動軸45は、Y軸方向及びZ軸方向における載置板43の中央位置を通るように、当該載置板43を貫いている。
ベース47は、上方へ開口する凹部48を備え、この凹部48内に前記枠状フレーム46を格納するようになっている。
凹部48は、前記枠状フレーム46の下方に配置された底部48aと、この底部48aのY軸方向の両側に立設された一対の側壁48bとによって囲まれている。
そして、前記ベース47には、前記各側壁48bからそれぞれ相手側の側壁48bへ向けてY軸方向に沿って延びる第二傾動軸49が設けられている。これら第二傾動軸49は、それぞれY軸方向に沿った共通の線L4上に軸線が配置されており、本実施形態において、前記共通の線L4は、X軸方向において載置板43を二等分するYZ平面上で、前記第一傾動軸45の軸線と直交するように配置されている。
そして、各第二傾動軸49は、それぞれ枠状フレーム46の縦辺部46aを傾動自在に軸支している。したがって、前記枠状フレーム46は、ベース47の凹部48内で前記各第二傾動軸49回りに傾動することができる。
なお、前記枠状フレーム46及びベース47の上面は、前記載置板43の上面と面一となるように寸法設定されている。
一方、ヘッド部42は、前記載置面43aとの間でバンプBを挟圧するプレス板50と、このプレス板50を上方から支持する前記アーム9とを備えている。
プレス板50は、前記載置面43aと対向配置された下面が、当該載置面43aに載置された基板S上のバンプ形成領域E1に対応する表面積のプレス面50aとされた四角形の板である。
アーム9は、前記各実施形態と同様、その上部が図略の昇降装置に接続され、この昇降装置によりZ軸方向への昇降が可能とされている。
そして、第五の実施形態に係るバンプ平坦化装置40では、前記各実施形態と同様に載置工程を実行した後、バンプBの目標となる高さ寸法に対応して、前記昇降装置によりヘッド部42を降下させることにより、前記プレス板50のプレス面50aにより各バンプBが一括して平坦化される(平坦化工程)。
このヘッド部42の移動の過程において、基板Sに撓みがある場合には、前記第一傾動軸45回りに載置板43が傾動するとともに、この第一傾動軸45と直交する第二傾動軸49回りに枠状フレーム46が傾動するので、各バンプBに対して昇降装置(図示せず)による圧力を一様に付与することができる。
以上説明したように、前記バンプ平坦化装置40によれば、バンプBの高さ寸法に応じてヘッド部42(プレス板50)を載置部41に対して降下させることにより、プレス面50aと載置面43aとの間で基板S上のバンプBを一括して平坦化することができる。
このとき、載置板43が互いに直交する第一傾動軸45及び第二傾動軸49回りに傾動することが可能とされているので、プレス板50と載置板43との間で挟圧される基板Sが撓んでいる場合であっても、この撓みに応じて載置板43が傾動することにより、各バンプBに対して一様に圧力を付与することができる。
そして、前記バンプ平坦化装置40では、載置板43の周囲を取り囲むように枠状フレーム46を配設し、この枠状フレーム46の第一傾動軸45により載置板43を軸支するようにしているので、当該載置板43をその側方(X軸方向の両側)から支持することができる。
さらに、前記バンプ平坦化装置40では、ベース47の凹部48に枠状フレーム46を格納し、このベース47の両側壁48bからそれぞれ延びる各第二傾動軸49により枠状フレーム46を両側(Y軸方向の両側)から軸支するようにしているので、前記載置板43の側方の領域であっても当該載置板43の第一傾動軸45回りの傾動を妨げることなく各第二傾動軸49を配置することができる。
したがって、バンプ平坦化装置40によれば、第一傾動軸45及び各第二傾動軸49を載置部41(載置面43a)寄りに配設することができるので、当該各傾動軸45及び49を中心とする載置板43の傾動半径を小さくすることができ、これにより、載置板43の傾動に伴う移動距離を短くして、当該載置板43の傾動に伴う移動方向に沿ったバンプBの押し潰しを抑制することができる。
なお、前記各実施形態のバンプ平坦化装置1、10、20、30、40(以下、バンプ平坦化装置1〜40と称す)においては、以下のような構成とすることもできる。
1)基板Sの自動供給及び自動排出装置を追加する
前記バンプ平坦化装置1〜40には、載置部2、11又は41(以下、載置部2〜41と称す)に対し基板Sを自動的に供給し、当該載置部2〜41からバンプ平坦化後の基板Sを排出する装置を設けることが好ましい。
具体的には、基板Sを吸着又は把持可能なロボット等を採用することができ、このロボットにより基板Sを前記ガイドピン(図示せず)に位置決めした上で前記載置部2〜41上に載置し、前記平坦化工程の実行後に前記載置部2〜41上の基板Sを所定の排出領域へ搬送することができる。
なお、前記ガイドピンは、載置部2〜41の上面から突出した位置と、載置部2〜41内に格納された位置との間で、当該載置部2〜41に対して出没自在に構成することが好ましい。このようにすれば、載置部2〜41に対して基板Sを位置決めする機能を確保しながら、前記平坦化工程時にローラ4、プレス板22、32及び50とガイドピンとの干渉を抑制することができる。
そして、このようにした場合には、前記実施形態と異なり、ガイドピンの載置部2〜41からの突出寸法は、載置部2〜41に載置された基板SのバンプBの頂点位置よりも高くなるように設定することができる。
2)緩衝材を追加する
前記バンプ平坦化装置1〜40には、載置面2a、14a、43a(以下、載置面2a〜43aと称す)上に基板Sの裏面を保護する緩衝材を設けることが好ましい。具体的には、弾性を有する合成樹脂シート等を載置面2a〜43a上に貼着することができる。これにより、基板Sの裏面にすり傷等が形成されることや、反対に、基板Sの裏面に形成された突起等により前記平坦化工程の際に当該基板Sに対し局所的な応力が付与されてしまうこと等を抑制することができる。
3)ローラ4、プレス板22、32及び50の材質等の調整
ローラ4、プレス板22、32及び50は、そのプレス面4a、22a、32a及び50a(以下、プレス面4a〜50aと称す)の中心線平均粗さが0.2μm以下であることが好ましい。この値を超えると、平坦化工程の際に、バンプBを構成する金属がプレス面4a〜50aに付着しやすくなる。
また、前記プレス面4a〜50aにダイヤモンドライクカーボンをコーティングしても良い。このようにすると、平坦化工程の際に、バンプBを構成する金属がプレス面4a〜50aに付着し難くなる。
さらに、前記昇降装置(図示せず)をエアシリンダ等で構成してアーム9をダンパーのように駆動可能とした場合には、前記ローラ4の形状を以下のようにすることが好ましい。
つまり、ローラ4の長手両端部がそれぞれバンプ形成領域E1から両側にはみ出るように、当該ローラ4の長手寸法を設定し、この両端部をプレス面4aが形成されている部分よりも大きな直径寸法となるように設定することが好ましい。このようにすると、ローラ4の前記両端部を基板Sの上面に当接させた場合に、前記プレス面4aと基板Sとの間に、前記直径寸法の差に相当する隙間が保たれることになる。したがって、前記直径寸法の差を平坦化後のバンプBの高さ寸法に対応して設定すれば、バンプBを潰しすぎてしまうといった事態を抑制することができる。