JP4712982B2 - 耐火帯の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方の構造体と、一方の構造体の周囲に溝空間をあけて隣接する他方の構造体とにわたって、周方向に延在して耐火帯を設けるための耐火帯の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来の技術の耐火帯の取付構造を簡略化して示す平面図であり、図9は、図8の切断面線IX−IXから見て示す断面図である。一方の構造体1に対して、その一方の構造体1の周囲に溝空間2をあけて、他方の構造体3が設けられる。各構造体1,3間には、火災発生時の延焼を防ぐために、火炎を遮断する耐火帯4が設けられる。耐火帯4は、第1方向A1,A2に延びる部分4aと、第1方向A1,A2にほぼ直角な第2方向B1,B2に延びる部分4bとを有し、溝空間2に周方向全周にわたって延在して設けられる。この耐火帯4は、幅方向の一端部5が一方の構造体1に固定され、幅方向の他端部6が他方の構造体3に固定され、彎曲させて幅方向に弛ませた状態で設けられる。このようにして地震による各構造体1,3の相対的な変位を許容可能に、耐火帯4が設けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術の取付構造では、耐火帯4の第1方向A1,A2に延びる部分4aは、各構造体1,3の第2方向B1,B2への相対的な変位を許容することができるけれども、各構造体1,3の第1方向A1,A2への相対的な変位をほとんど許容することができない。また耐火帯4の第2方向B1,B2に延びる部分4bは、各構造体1,3の第1方向A1,A2への相対的な変位を許容することができるけれども、各構造体1,3の第2方向B1,B2への相対的な変位をほとんど許容することができない。したがって上記従来の取付構造では、各構造体1,3の大きな相対的な変位を許容することができない。
【0004】
本発明の目的は、地震による各構造体の大きな相対的な変位を許容可能に、一方の構造体の周囲の溝空間に設けることができる耐火帯の取付構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、一方の構造体と、一方の構造体の周囲に溝空間をあけて隣接する他方の構造体との間に、可撓性を有する耐火帯が周方向全周にわたって設けられ、
前記耐火帯は、予め定める第1方向に延びる第1耐火帯と、前記第1方向にほぼ直角な第2方向に延びる第2耐火帯とを有し、
第1耐火帯は、第2方向に弛緩した状態で、第2方向の一端部が、一方の構造体に対して第1方向に変位自在に連結され、かつ第2方向の他端部が、他方の構造体に固定され、
第2耐火帯は、第1方向に弛緩した状態で、第1方向の一端部が、一方の構造体に固定され、かつ第1方向の他端部が、他方の構造体に対して第2方向に変位自在に連結されることを特徴とする耐火帯の取付構造である。
【0006】
本発明に従えば、各構造体が地震によって第1方向へ相対的に変位すると、第1耐火帯は、一方の構造体に対して第1方向に変位し、第2耐火帯は、緊張および弛緩変形し、これによって前記地震による各構造体の第1方向への相対的な変位を許容することができる。また各構造体が地震によって第2方向へ相対的に変位すると、第1耐火帯は、緊張および弛緩変形し、第2耐火帯は、他方の構造体に対して第2方向に変位し、これによって前記地震による各構造体の第2方向への相対的な変位を許容することができる。さらに各構造体が地震によって第1方向および第2方向の各方向成分を有する合成方向へ変位すると、その変位の各方向成分に対して上述のように動作し、前記地震による各構造体の合成方向への変位を許容することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の耐火帯の取付構造20を示す水平断面図であり、図2は、耐火帯の取付構造20が設けられる建物23を示す鉛直断面図である。図1には、図2の切断面線I−Iから見て耐火帯の取付構造20を示す。建物23は、中間免震構造の建物であって、地表部27に直接支持される下部構造体22と、下部構造体22に免震装置29を介して支持される上部構造体28とを有する。免震装置29は、下部構造体22の上端面30と上部構造体28の本体31の下端面32とにわたって設けられる。免震装置29は、地表部27から下部構造体22を経て上部構造体28に伝わる地震力を減衰させ、上部構造体28の変位を吸収することができるように構成されている。このように建物23は、上部構造体28と下部構造体22とが、略水平な第1方向X1,X2(総称する場合は「第1方向X」という)および第1方向Xと直角でかつ略水平な第2方向Y1,Y2(総称する場合は「第2方向Y」という)に相対的に変位可能に構成され、地震発生時、上部構造体28が免震される。
【0008】
上部構造体28は、たとえば水平な断面の形状が長方形状であるエレベータ構造体(以下「EV構造体」という場合がある)21が、本体31を略鉛直方向Z1,Z2(総称する場合は、「略鉛直方向Z」という)に貫通して一体に設けられる。下部構造体22には、水平な断面の形状が長方形状である嵌合空間35が、略鉛直方向一方である上方Z1に開放して形成される。EV構造体21は、本体31から略鉛直方向他方である下方Z2に突出し、下端部付近が嵌合空間35に嵌まり込んでいる。
【0009】
EV構造体21が嵌合空間35に嵌まり込んだ状態で、EV構造体21の略鉛直方向Zに平行な外周壁と、下部構造体22の略鉛直方向Zに平行な内周壁との間には、EV構造体21と下部構造体22との地震による相対的な変位を許容するために、四角筒状の溝空間36が形成される。この溝空間36が開放したままであれば、火災発生時に火炎の移動経路となるおそれがあるので、これを防止して延焼を防ぎ、かつ前記地震による各構造体21,22の相対的な変位を許容するため、耐火帯24を有する本実施の形態の耐火帯の取付構造(以下「取付構造」という場合がある)20が設けられる。
【0010】
本実施の形態では、EV構造体21と下部構造体22との間の全ての水平方向の相対的な変位を、図1の紙面に平行な仮想水平面上における直交2方向成分、すなわち第1および第2方向X,Yの変位に分けて説明する。EV構造体21および下部構造体22を総称する場合は、各構造体21,22という。
【0011】
取付構造20は、耐火帯24を含み、耐火帯24は、各構造体21,22との間に、溝空間36の周方向全周にわたって設けられる。この耐火帯24は、第1方向Xに延びる第1耐火帯25と、第2方向Yに延びる第2耐火帯26とを有する。
【0012】
EV構造体21の外周壁は、第1方向Xに平行であり、第2方向一方Y1および他方Y2に溝空間36に臨む一方および他方の第1外周壁部60a,60bと、第2方向Yに平行であり、第1方向一方X1および他方X2に溝空間36に臨む一方および他方の第2外周壁部61a,61bとを有する。下部構造体22の内周壁は、第1方向Xに平行であり、第2方向他方Y2および一方Y1に溝空間36に臨む一方および他方の第1内周壁部62a,62bと、第2方向Yに平行であり、第1方向他方X2および一方X1に溝空間36に臨む一方および他方の第2内周壁部63a,63bとを有する。
【0013】
溝空間36は、第1方向Xに延びる第1溝部分65a,65bと、第2方向Yに延びる第2溝部分66a,66bとを有する。各第1溝部分65a,65bにそれぞれ嵌まり込んで、第1耐火帯25a,25b(総称する場合は、「第1耐火帯25」という)が設けられ、各第2溝部分66a,66bにそれぞれ嵌まり込んで、第2耐火帯26a,26b(総称する場合は、「第2耐火帯26」という)が設けられる。
【0014】
これら第1耐火帯25の第1方向Xの両端部と、第2耐火帯26の第2方向Yの両端部とを、それぞれ突き合わせるようにして、耐火帯24は、四角形状に溝空間36に全周にわたって隙間なく連続的に設けられる。このような耐火帯24、したがって第1および第2耐火帯25,26は、可撓性を有し、帯状であってその厚み方向に凸に彎曲させて弛緩させることができるとともに、略平坦状に緊張させることができる。
【0015】
第1耐火帯25は、図2に示すように下方Z2に凸に断面略U字状に彎曲して、第2方向Yに弛緩した状態で、第2方向Yの一端部40が、EV構造体21に対して第1方向Xに変位自在に、EV構造体21に連結され、かつ第2方向Yの他端部41が、下部構造体22に固定される。第2耐火帯26は、第1耐火帯25と同様に下方Z2に凸に断面略U字状に彎曲して、第1方向Xに弛緩した状態で、第1方向Xの一端部42が、EV構造体21に固定され、かつ第1方向Xの他端部43が、下部構造体22に対して第2方向Yに変位自在に、下部構造体22に連結される。
【0016】
図3は、図1の切断面線III−IIIから見たEV構造体21の第2方向一方Y1側に設けられる一方の第1耐火帯25aの第2方向Yの一端部40を示す拡大断面図である。なお、EV構造体21の第2方向他方Y2側に設けられる他方の第1耐火帯25bは、上記一方の第1耐火帯25aと、同様の構成であり、第2方向Yに対称に配置されるので、対応する部分に同一符号を付し、重複を避けて説明は省略する。一方の第1耐火帯25aは、セラミックファイバから成る耐火材45が、ステンレス鋼の箔膜から成る外包シート(図解容易のために厚みを省略して示す)46によって梱包されて、耐火性および可撓性を有して構成され、緊張状態で長方形状となる第1方向Xに長い長尺材である。なお、厚み寸法は、たとえば22mmである。
【0017】
この一方の第1耐火帯25aのEV構造体21に近接する側の端部となる第2方向Yの一端部40には、ステンレス鋼製の保持具47が、第1方向Xに全長にわたって設けられる。保持具47は、断面略U字状の嵌合部48と、嵌合部48のEV構造体21に離反する側から上方Z1に立ち上がる連結部49とが一体に形成される。嵌合部48は、下方Z2に開放し、この嵌合部48に第2方向Yの一端部40が嵌まり込んだ状態で、保持具47が、たとえばリベットを用いて、一方の第1耐火帯25aに固定される。連結部49には、第1方向Xに間隔をあけて、複数のローラ軸50が固定され、このローラ軸50には、ローラ51が、第2方向Yに平行な軸線まわりに回転自在に、それぞれ支持されている。各ローラ51は、連結部49のEV構造体21に近接する側に設けられる。
【0018】
EV構造体21には、前記一端部40を連結すべき箇所、たとえば下部構造体22の上端部に対向する箇所に、ステンレス鋼製の案内レール53が、第1方向Xに延びて設けられる。案内レール53は、断面略C字状の案内部54と、案内部54のEV構造体21に近接する側から上方Z1に立ち上がる固定部55とが一体に形成され、固定部55で、たとえばアンカーを用いて、EV構造体21に固定される。固定部55の形状は、EV構造体21の案内レール53が固定される箇所に倣う形状、ここでは平坦状である。案内部54は、EV構造体21から離反する方向となる第2方向一方Y1に開放し、この案内部54に、各ローラ51が、第1方向Xと交差する方向への変位が阻止された状態で、第1方向Xに転動して変位することができるように嵌まり込んでいる。これによって案内レール53は、保持具47を、第1方向Xに案内して変位自在に保持することができる。
【0019】
図4は、図1の切断面線IV−IVから見た一方の第1耐火帯25aの第2方向Yの他端部41を示す拡大断面図である。一方の第1耐火帯25aのEV構造体21に離反する側の端部となる第2方向Yの他端部41には、固定手段であるステンレス鋼製の固定具57が、第1方向に全長にわたって延びて設けられる。固定具57は、断面略U字状の嵌合部58と、嵌合部58のEV構造体21に離反する側から上方に立ち上がって、EV構造体21に離反する方向に屈曲する固定部59とが一体に形成される。嵌合部58は、下方Z2に開放し、この嵌合部58に第2方向Yの他端部41が嵌まり込んだ状態で、固定具57が、たとえばリベットを用いて、一方の第1耐火帯25aに固定される。この固定具57は、固定部59で、たとえばアンカーを用いて、下部構造体22の上端部に固定される。固定部59の形状は、下部構造体22の固定具57が固定される箇所に倣う形状、ここでは断面L字状である。
【0020】
図3および図4を参照して説明したように、第1耐火帯25は、保持具47および案内レール53を含む連結手段56によって、第2方向Yの一端部40がEV構造体21に、第1方向Xにスライド変位自在に連結され、固定具57によって、第2方向Yの他端部41が下部構造体22に固定される。また第1耐火帯25は、図2に示すように第2方向Yの両端部40,41間の第1耐火帯25に沿った寸法、したがって平坦状に緊張した状態における幅方向寸法W1が、各第1溝部分65a,65bの第2方向Y寸法D1よりも大きく形成されており、上述のように第2方向Yに弛緩した状態で設けられる。
【0021】
EV構造体21の第1方向一方X1側に設けられる一方の第2耐火帯26aおよびEV構造体21の第1方向他方X2側の他方の第2耐火帯26bは、各第1耐火帯25と類似の構造で取付られるので、図1〜図4を参照し、対応する構成に同一の符号を付し、異なる点についてだけ説明する。第2耐火帯26は、同様に耐火材45が外包シート46に梱包されて構成され、緊張状態で長方形状となる第2方向Yに長い長尺材である。
【0022】
第2耐火帯26は、第1耐火帯25とは逆に、EV構造体21に近接する側の端部である第1方向Xの一端部42が、固定具57によってEV構造体21に固定され、EV構造体21に離反する側の端部である第1方向Xの他端部43が、連結手段56によって下部構造体22に第2方向Yにスライド変位自在に連結される。また各第2耐火帯26は、第1方向両端部42,43間の第2耐火帯26に沿った寸法、したがって平坦状に緊張した状態における幅方向寸法W2(図5に示す)が、各第2溝部分65a,65bの第1方向X寸法D2よりも大きく形成されており、上述のように第1方向Xに弛緩した状態で設けられる。
【0023】
図5は、図1のセクションVの第1および第2耐火帯25,26を示す斜視図であり、図6は、図1のセクションVを拡大に示す断面図であり、図7は、図6の切断面線VII−VIIから見た断面図である。図5〜図7は、第1および第2耐火帯25,26の突き合わせ状態の図解を容易にするために、連結手段56および固定具57を省略して示し、さらに図5は、各構造部21,22も省略して示す。また図5〜図7には、一方の第1耐火帯25aの第1方向一方X1の端部と、一方の第2耐火帯26aの第2方向一方Y1の端部との突き合わせ部を示すけれども、他の3箇所の付き合わせ部についても同様の構成である。
【0024】
第1耐火帯25は、第1方向X両端部が、各第2内周壁部63a,63bに当接する状態で延在して設けられる。各第2耐火帯26は、各第1耐火帯25に挟まれるようにして、EV構造体21の各第1外周壁部60a,60b間に延在して設けられる。
【0025】
耐火帯24は、火炎を確実に遮断するために、各構造体21,22との間ならびに第1および第2耐火帯25,26間に、隙間が形成されない状態で設ける必要がある。これを実現するために、耐火帯24は、さらに、4つのカバー耐火帯70および4つの補助耐火帯71を有する。
【0026】
各カバー耐火帯70は、第1耐火帯25の第2方向Y一端部40、かつ第1方向両端部および付近に、それぞれ設けられる。各カバー耐火帯70は、第1および第2耐火帯25,26と同様に耐火材45が外方シート46によって梱包されて構成される。この各カバー耐火帯70は、長方形平板状であって、各第1外周壁60a,60bに沿って設けられ、第1方向寸法L1が、各第2溝部分66a,66bの第1方向X寸法D2の2倍の寸法よりも大きく(L1>2×D2)形成され、鉛直方向寸法L2が、第2耐火帯26の幅方向寸法W2の2分の1の寸法よりも大きく(L2>W2/2)形成される。
【0027】
また各カバー耐火帯70は、図3に示すよに、第1耐火帯25よりもEV構造体21に近接する側に相互に隙間なく当接されて設けられ、上端部72が第1耐火帯25の第2方向一端部40とともに保持具47の嵌合部48に嵌まり込んで、リベット止めして保持具47に固定される。このようにして、各カバー耐火帯70は、保持具47から鉛直下方Z2に垂れ下がる状態で、第1方向Xおよび鉛直方向Zに平行な仮想平面に沿って設けられる。
【0028】
図5および図6に示すように、第1耐火帯25の第2方向Yの一端部40は、カバー耐火帯70が設けられない部分75が、カバー耐火帯70が設けられる部分76よりもEV構造体21に近接するように各部分75,76の連結部で屈曲され、カバー耐火帯70が設けられない部分75のEV構造体21に近接する側の面77が、カバー耐火帯70のEV構造体21に近接する側の面78と面一になるよに設けられる。この第1耐火帯25の屈曲部とカバー耐火帯70の間は、パテなどの耐火性を有するシール剤で隙間が塞がれている。
【0029】
各補助耐火帯71は、耐火性繊維、たとえばセラミックファイバーブランケットなどのアモルファスグラスカーボン繊維から成る耐火材を用いて、略U字状の曲面および平坦面の周面を有するU字形板状に成形される部材であり、耐熱性および可撓性を有する。これら各補助耐火帯71は、上述のように彎曲された第2耐火帯26の第2方向両端部に、それら両端部を、第2方向に塞ぐように設けられる。各補助耐火帯71のU字状の周面と各第2耐火帯26とは、接着されてもよいし、接着されなくてもよいが、少なくとも隙間が形成されないように設けられる。
【0030】
このような耐火帯24は、鉛直方向に挿通する隙間が形成されないように、溝空間36を鉛直方向に塞いで設けられる。第1耐火帯25は、第1方向X両端部が、各第2内周壁部63a,63bに隙間なく当接されるとともに、第2方向Y一端部40が、各第1外周壁部60a,60bに連結手段56および各カバー耐火帯70と協働して隙間なく連結され、かつ第2方向Y他端部41が、各第1内周壁部62a,62bに固定具57と協働して隙間なく固定される。また各第2耐火帯26は、第1方向X一端部42が、各第2外周壁部61a,61bに固定具57と協働して隙間なく固定され、かつ第1方向X他端部43が、各第2内周壁部63a,63bに連結手段56と協働して隙間なく連結される。また各第2耐火帯26の第2方向Y両端部は、各カバー耐火帯70に隙間なく当接され、さらに確実に隙間を無くすために、補助耐火帯71が第2耐火帯26の第2方向両端部に設けられる。このようにして、耐火帯24によって、隙間なく溝空間36を塞ぐことができる。
【0031】
本実施の形態の取付構造20によれば、各構造体21,22が地震によって第1方向Xへ相対的に変位すると、各第1耐火帯25は、EV構造体21に対して第1方向Xへスライド変位し、各第2耐火帯26は、第1方向Xに緊張および弛緩変形し、これによって前記地震による各構造体21,22の第1方向Xへの相対的な変位を許容することができる。また各構造体21,22が地震によって第2方向Yへ相対的に変位すると、各第1耐火帯25は、第2方向Yに緊張および弛緩変形し、各第2耐火帯26は、他方の構造体22に対して第2方向Yへスライド変位し、これによって前記地震による各構造体21,22の第2方向Yへの相対的な変位を許容することができる。さらに各構造体21,22が地震によって第1および第2方向X,Yの各方向成分を有する合成方向へ変位すると、その変位の各方向成分に対して上述のように動作し、前記地震による各構造体21,22の合成方向への変位を許容することができる。
【0032】
さらに連結手段56の保持具47および固定具57を、第1および第2耐火帯25,26の全長にわたって設けているので、第1耐火帯25を第1方向Xに断面形状がほぼ均一となるように設け、かつ第2耐火帯26を第2方向Yに断面形状がほぼ均一となるように設けることができる。これによって上述のような第1および第2耐火帯25,26の前記スライド変位を実現することができる。また連結手段56の案内レール53は、各構造体21,22が変位しても、各構造体21,22および耐火帯24と干渉しない範囲にだけ設けられており、各構造体21,22の変位を許容するのに支障を来たすことがない。
【0033】
また第1および第2耐火帯25,26の各突き合わせ部では、第1耐火帯25を、その第1方向X両端部が、第1方向Xに溝空間に臨む第2内周壁部63a,63bに当接するようにEV構造体21の外周壁よりも突出させるとともに、この端部にカバー耐火帯70を設けて、第2耐火帯26を当接させるようにしているので、第1および第2耐火帯25,26の緊張および弛緩変形をして、各構造体21,22の変位を許容し、かつ火炎の遮断効果を維持することができる。加えて補助耐火帯71を設けることによって、上記火炎の遮断効果の維持をさらに確実にすることができる。
【0034】
上述の実施の形態は、例示に過ぎず、構成を変更することができる。たとえば一方および他方の構造体は、相互に異なる建物に設けられてもよいし、地表部に形成した凹所に嵌まり込んで設けられる免震建物(一方の構造体)と、前記地表部(他方の構造体)との間に、すなわち犬走り部の溝空間に耐火帯を設ける構成であってもよい。また変位を許容可能な第1および第2方向は、水平な方向に限定されることはなく、全ての方向を取り得る。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、各構造体が第1方向、第2方向およびこれらの合成方向へ相対的に変位にしても、第1耐火帯は、一方の構造体に対する第1方向への変位と、第2方向の緊張および弛緩変形との少なくともいずれか一方によって、各構造体の相対的な変位を許容し、第2耐火帯は、他方の構造体に対する第2方向への変位と、第1方向の緊張および弛緩変形との少なくともいずれか一方によって、各構造体の相対的な変位を許容することができるので耐火帯の損傷を軽減することができるとともに、各構造体の大きな相対的な変位を許容できる状態で火災発生時に少なくとも火炎を遮断するための耐火帯を、各構造体間の溝空間に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の耐火帯の取付構造20を示す水平断面図である。
【図2】取付構造20が設けられる建物23を示す鉛直断面図である。
【図3】図1の切断面線III−IIIから見た断面図である。
【図4】図1の切断面線IV−IVから見た断面図である。
【図5】図1のセクションVの第1および第2耐火帯25,26を示す斜視図である。
【図6】図1のセクションVの第1および第2耐火帯25,26を示す平面図である。
【図7】図6の切断面線VII−VIIから見た断面図である。
【図8】従来の技術の耐火帯の取付構造を簡略化して示す平面図である。
【図9】図8の切断面線IX−IXから見て示す断面図である。
【符号の説明】
20 耐火帯の取付構造
21 EV構造体
22 下部構造体
23 建物
24 耐火帯
25a,25b 第1耐火帯
26a,26b 第2耐火帯
28 上部構造体
29 免震装置
36 空間
47 保持具
51 ローラ
53 案内レール
56 連結手段
57 固定具
70 カバー耐火帯
71 補助耐火帯
Claims (1)
- 一方の構造体と、一方の構造体の周囲に溝空間をあけて隣接する他方の構造体との間に、可撓性を有する耐火帯が周方向全周にわたって設けられ、
前記耐火帯は、予め定める第1方向に延びる第1耐火帯と、前記第1方向にほぼ直角な第2方向に延びる第2耐火帯とを有し、
第1耐火帯は、第2方向に弛緩した状態で、第2方向の一端部が、一方の構造体に対して第1方向に変位自在に連結され、かつ第2方向の他端部が、他方の構造体に固定され、
第2耐火帯は、第1方向に弛緩した状態で、第1方向の一端部が、一方の構造体に固定され、かつ第1方向の他端部が、他方の構造体に対して第2方向に変位自在に連結されることを特徴とする耐火帯の取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001041644A JP4712982B2 (ja) | 2001-02-19 | 2001-02-19 | 耐火帯の取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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