JP3794058B2 - 天井用伸縮継手装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相互に間隔をあけて隣接する建物間の空隙を、天井において塞ぎ、かつ各建物が仮想水平面内で相互に近接/離反する方向、およびこの近接/離反方向に垂直な前後方向に変位することを許容することができる天井用伸縮継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、典型的な先行技術の天井用伸縮継手装置1を示す鉛直断面図である。この天井用伸縮継手装置1は、相互に間隔L1をあけて隣接する建物2a,2b間の空隙4を、各天井構造体3a,3bの天井面5a,5b間で下方から覆うカバー体6と、カバー体6の各天井構造体3a,3b側の裏面に前記空隙4の図6の紙面に垂直な延在方向に垂直な方向(図6の左右方向)を長手方向にして固定されるホルダ7と、各天井構造体3a,3bの天井面5a,5bから下方に突出しかつ前記ホルダ7に前記長手方向に移動自在に嵌まり込む嵌合部材8a,8bを有し、各天井構造体3a,3bにそれぞれ固定されて前記ホルダ7およびカバー体6を保持する一対の保持手段9a,9bとを有する。
【0003】
各天井構造体3a,3bは、上端部が各建物2a,2bのコンクリート製スラブに固定されて垂下する吊りボルト10a,10bと、各吊りボルト10a,10bの下端部に各2つのナット11a,11bによって挟持して連結されるハンガー片12a,12bと、各ハンガー片12a,12bにそれぞれ支持される野縁受け13a,13bと、各野縁受け13a,13bの下面にたとえば溶接によって連結される野縁14a,14bと、各野縁14a,14bの下面に縁材15a,15bとともにビス16a,16bによって各天井面5a,5bを下方の部屋または通路などの屋内空間18に臨ませて固定される天井板17a,17bとを有する。
【0004】
各保持手段9a,9bは、前述した各嵌合部材8a,8bと、各嵌合部材8a,8bに挿通されるボルト21a,21bと、各ボルト21a,21bに装着される圧縮コイルばね22a,22bと、各ボルト21a,21bに前記圧縮コイルばね22a,22bの上方から装着される座金23a,23bと、各ボルト21a,21bに螺着されるナット24a,24bとを有する。各圧縮コイルばね22a,22bは、各座金23a,23bと各縁材15a,15bとの間に介在され、各ナット24a,24bをボルト21a,21bに対して締付けることによって圧縮された状態で装着されている。したがって各嵌合部材8a,8bは各縁材15a,15bに近接する方向、すなわち図6の上方にばね付勢されている。
【0005】
ホルダ7は、軸直角断面が図6の上方に開放した略C字状に形成され、このホルダ7内に前記嵌合部材8a,8bが摺動自在に挿入されており、上記の各圧縮コイルばね22a,22bのばね力によって各縁材15a,15bを下方から弾発的に押圧してホルダ7に対して相互に変位自在に当接している。このようなホルダ7は、図6の紙面に垂直な前記延在方向に間隔をあけて複数設けられており、ホルダ7は各ホルダ7毎に一対の保持手段9a,9bによって保持される。
【0006】
このようなホルダ7の長手方向両端部には、取付金具25a,25bが装着されてビス26a,26bによって固定され、各取付金具25a,25bには略L字状に屈曲された連結金具27a,27bがビス28a,28bによってそれぞれ固定され、さらに各連結金具27a,27bにはビス32a,32bによってカバー体6の幅方向両端部30a,30bが固定される。両端部30a,30bには相互に近接する方向に屈曲して凹溝29a,29bが形成され、これらの凹溝29a,29bにはパッキン31a,31bが嵌着される。各パッキン31a,31bと両端部30a,30bとは、凹溝29a,29b内で接着剤によって接着され、各パッキン31a,31bが天井板17a,17bの天井面5a,5b上を摺動したときに各凹溝29a,29bから剥離して離脱してしまうことが防がれている。
【0007】
このような構成によって、各建物2a,2bが急激な地震または地盤の不等沈下などによって相対的に近接/離反する方向および近接/離反方向に垂直な前後方向に変位しても、各保持手段9a,9bの嵌合部材8a,8bがホルダ7内で摺動し、ホルダ7は各縁材15a,15bに弾発的に押付けられた状態で支持され、各天井構造体3a,3b間の空隙4を塞いだ状態で各建物2a,2b間の相対的な変位を許容することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の天井用伸縮継手装置1では、各建物2a,2bが相対的に近接しまたは離反する方向に変位したとき、あるいは前記前後方向に変位したときには、ホルダ7は各保持手段9a,9bによって各縁材15a,15b上を摺動し、あるいは角変位して、前記近接/離反方向および前後方向の変位を許容することができるとともに、前記カバー体によって空隙4を塞いだ状態に維持することができるように構成されているけれども、カバー体6がホルダ7とともに、各天井構造体3a,3bのうちいずれか一方寄りにずれたとき、それを復帰させるための構成が設けられていないので、カバー体6およびホルダ7は斜めにずれたままになって空隙に臨んだ開口が生じ、図6の紙面に垂直な空隙4の延在方向に不揃いに歪んだ状態で保持され、全てのカバー体6およびホルダ7をその中央部が間隔L1の中央部に一致するように手作業で位置を修正して開口を塞がなければならない。またホルダ7は、各嵌合部材8a,8bが圧縮コイルばね22a,22bのばね力によって押圧された状態で摺動し、各嵌合部材8a,8bとホルダ7の摺動面との摩擦が左右不均一であるため、各建物2a,2bが相対的に近接したときおよび相対的に離反したときのいずれの変位に対しても、カバー体6およびホルダ7がばね力が強い側へ片寄って移動してしまい、そのたびに手作業でカバー体6およびホルダ7を真っすぐに位置を修正しなければならないという問題がある。
【0009】
したがって本発明の目的は、各建物が相対的に近接/離反する方向および前後方向に変位したとき、カバー体およびホルダを常に一直線状に復帰させ、各天井構造体間の空隙に臨んで開口が生じたままになることを防ぐことができるようにした天井用伸縮継手装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、相互に間隔をあけて隣接する建物間の空隙を、各天井構造体の天井面に沿って下方から覆い、一方の天井構造体に他方の天井構造体に近接および離反する方向に変位自在に設けられる可動パネルと、他方の天井構造体に固定される固定パネルとを有するカバー体と、
可動パネルの各天井構造体側の裏面に、前記可動パネルの幅方向に垂直な方向に間隔をあけて固定され、所定位置に当接部が設けられる複数のホルダと、
一方の天井構造体の天井面の空隙側の先端部近傍から下方に突出し、かつ前記ホルダの前記当接部と固定パネル側の端部との間に移動自在に嵌まり込む嵌合部材を有し、一方の天井構造体に固定されて前記ホルダおよび可動パネルを保持する保持手段と、
他方の天井構造体に設けられ、ホルダの前記固定パネル側の先端部近傍に係止される索条を、固定パネル側から弾性引張力によって巻取る巻取手段とを含むことを特徴とする天井用伸縮継手装置である。
本発明に従えば、一方の建物の天井構造体には可動パネルが設けられ、他方の建物の天井構造体には固定パネルが固定される。可動パネルの裏面には複数のホルダが可動パネルの幅方向に垂直な方向に間隔をあけて固定され、このホルダには保持手段の嵌合部材が移動自在に嵌まり込む。このような嵌合部材を有する保持手段によって、前記可動パネルが一方の天井構造体に保持される。他方の天井構造体には、巻取手段が設けられる。この巻取手段は、可動パネルの前記固定パネル側の先端部に係止される索条を弾性引張力によって巻取るように構成されており、したがって前記可動パネルは固定パネルに近接する方向にばね付勢される。
各建物の変位は、実際には前記近接および離反する方向の変位と、それに垂直な前後方向の変位が合成された変位であるため、(a)各建物が前記近接および離反する方向の変位を伴わずに前後方向だけの相対的な変位を生じたとき、(b)各建物が相対的に近接しながら前後方向に相対的な変位を生じたとき、(c)各建物が相対的に離反する方向に変位しながら前後方向への変位を伴うときの各場合について説明する。
まず、(a)各建物が相互に近接する方向および離反する方向への変位を伴わずに前後方向に変位した場合には、嵌合部材はホルダ内で一定の位置に静止したままで、可動パネルと固定パネルとは相対的に前後方向にずれを生じ、可動パネルおよび固定パネル間に開口を生じることなしに前後方向の変位を許容し、各天井構造体間の空隙は塞がれた状態に保たれる。次に(b)各建物が相対的に近接する方向に変位しながら前後方向への変位を伴う場合には、嵌合部材はホルダ内で固定パネルに近接する方向へ移動し、可動パネルは固定パネルに当接した状態で開口は発生せず、前後方向にだけずれて各建物間の相対的な変位が許容される。
さらに(c)各建物が離反する方向に変位しながら前後方向への変位を伴う場合には、巻取手段の索条によって、ホルダの固定パネル側の先端部近傍が弾発的に引張られているため、ホルダ内にストッパなどの当接部に当接するまで、嵌合部材はホルダ内を固定パネルから離反する方向へ移動し、可動パネルは固定パネルに対して当接したままの状態で前後方向に移動し、各建物間の相対的な変位を許容することができる。各建物がさらに離反する方向に変位すると、前記嵌合部材はホルダ内の当接部に当接し、これによって各パネルは一方の天井構造体に追従して前記一方の天井構造体とともに他方の天井構造体から離反する方向へ変位する。これによって可動パネルと固定パネルとの間には開口が発生し、巻取手段の索条はこの可動パネルおよびホルダによって弾性引張り力が作用した状態で引出され、再び、各建物が相対的に近接する方向に変位すると、前記索条はたるみを生じることなく固定パネル側に巻取られながら、可動パネルおよびホルダは一方の天井構造体とともに他方の天井構造体に近接する方向に追従して変位する。各建物がさらに近接する方向に変位すると、ホルダ内の嵌合部材は固定パネルに近接する方向に変位して、前記当接部から離反する。
このように嵌合部材が当接部から離反して可動パネルの前記固定パネル側の先端部が固定パネルに当接したとき、あるいは可動パネルに設けられるホルダまたはその他の部材が固定パネル側に設けられる部材へ当接したときには、可動パネルは固定パネルに対して近接方向に変位し得ないけれども、一方の天井構造体は可動パネルに対して他方の天井構造体に近接方向に変位する。このような各建物が相対的に近接する方向に変位するときには、ホルダ内の嵌合部材がホルダ内で移動し得る範囲で可動パネルは固定パネルに当接して、開口または隙間を生じない。しかも可動パネルは巻取手段によって固定パネルに近接する方向に弾性引張り力が付与されているので、嵌合部材が当接部に当接するまでは、急激な地震などによる可動パネルおよびホルダの慣性力によって可動パネルが固定パネルから離反して開口を生ずるという不具合が防がれるとともに、前記ホルダ内の当接部に嵌合部材が当接して、可動パネルが固定パネルから離反する方向に変位して一時的に開口が発生した直後に、再び各建物が相対的に近接する方向に変位すると、可動パネルは巻取手段によって固定パネルへの当接位置に復帰させることができ、嵌合部材がホルダ内の当接部に当接しない限り開口を生じず、可動パネルを一直線状に整列させて閉じられた状態を維持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態を示す天井用伸縮継手装置41の鉛直断面図であり、図2は図1の切断面線II−IIから見た断面図である。天井用伸縮継手装置41は、相互に間隔をあけて隣接する建物42a,42bの各天井構造体43a,43b間の空隙44を、各天井構造体43a,43bの天井面45a,45bに沿って下方から覆い、一方の天井構造体43aに変位自在に設けられる可動パネル46および他方の天井構造体43bに固定される固定パネル47を有するカバー体48と、可動パネル46の各天井構造体43a,43b側の裏面49に、前記空隙44と図1の紙面に垂直な延在方向に垂直な方向を長手方向にして固定され、所定位置である長手方向両端部間の中央よりも一方の天井構造体43a寄りの位置に溶接して固定される当接部であるストッパ104が設けられる可動側ホルダ50と、一方の天井構造体43aの天井面45aから下方に突出しかつ前記ホルダ50にその長手方向に沿って移動自在に嵌まり込み、前記長手方向に垂直な軸線まわりに回転自在な嵌合部材である一対の案内ローラ51を有し、一方の天井構造体43aに固定されて前記ホルダ50および可動パネル46を保持する保持手段52と、他方の天井構造体43bに設けられ、先端部53が可動パネル46に係止される索条である細長い巻ばね54を、可動パネル46が固定パネル47に近接する方向A1に弾性引張力によって巻取る巻取手段55とを含む。
【0012】
各天井構造体43a,43bは、上端部が図示しないコンクリートスラブに連結される吊りボルト61a,61bと、各吊りボルト61a,61bの下端部に配置されるボルト頭部62a,62bおよびナット63a,63bによって挟持されるハンガー片64a,64bと、各ハンガー片64a,64bに挿入されて支持される野縁受け65a,65bと、各野縁受け65a,65bの下面に溶接して固定され、各野縁受け65a,65bの長手方向に垂直な方向に延びる野縁70a,70bと、各野縁70a,70bの下面にたとえばビスによって固定され、前記天井面45a,45bを形成する天井板66a,66bと、各天井板66a,66bの相互に最も近接した端部67a,67bに沿って下面68a,68bが各天井板66a,66bの天井面45a,45bと同一平面を成して配置され、空隙44の延在方向、すなわち図1の紙面に垂直方向に相互に平行に延び、前記コンクリートスラブに図示しない連結部材によって連結される縁材69a,69bとを含む。
【0013】
各野縁受け65a,65bは、その断面形状が四角形の構造用鋼材から成り、各野縁70a,70bはその断面形状が上方に開口した略C字状の溝形鋼から成り、さらに各縁材69a,69bはその断面形状が上方に開口した略C字状の溝形鋼から成り、さらに各天井板66a,66bはたとえばクロスボードなどの天井用内装材から成る。各野縁70a,70bおよび各縁材69a,69bは、図1の紙面に垂直な空隙44の延在方向に沿って延びる長尺材である。
【0014】
一方の天井構造体43aの縁材69aには、他方の天井構造体43bの縁材69bに対向する一側部にL形鋼から成る短尺材の補助縁材73が溶接によって固定され、この補助縁材73には前記保持手段52が設けられる。また他方の天井構造体43bの縁材69bには、その一方の構造体43bの縁材69aに対向する一側部にL形鋼から成る短尺材の補助縁材74が溶接によって固定される。この補助縁材74には、前記巻取手段55が設けられるとともに、前記固定パネル47と、この固定パネル47の他方の天井構造体43b側の裏面75上に配置されるパネルフレーム76と、固定パネル47の室内空間77に臨む下面78上に下方から配置され、図1の紙面に垂直な前記延在方向に延びる化粧縁材79がビス80によって共通に固定される。
【0015】
前記巻取手段55は、巻ばね54が図1の紙面に平行な左右方向を軸線として巻回され、この巻ばね54はケーシング83内に収納される。このケーシング83は、図1の上方から見て略L字状のブラケット84にビス85によって固定され、ブラケット84は溶接によって前記補助縁材74に固定される。前記ブラケット84にはまた、図1の紙面に垂直な回転軸線まわりに回転自在なプーリ86が設けられる。このプーリ86は、ビス87によって前記ブラケット84の下部に固定される支持片88に軸支される。このようなプーリ86によって、ケーシング83の下部から引出された巻ばね54はその軸線に対してほぼ平行に一方の天井構造体43a側に屈曲されて案内され、ケーシング83内で巻取方向にばね力を有する巻ばね54は、ケーシング83からプーリ86を経て外部に引出された先端部53を含む突出部分を、前記ケーシング83内の巻回軸線とほぼ平行に弾性引張力を付与して巻戻すことができる。これによってホルダ50および可動パネル46を、固定パネル47から離反する方向A2に変位した状態から、前記固定パネル47に近接する方向A1に弾発的に引張って、図1に示される固定パネル47に連接した初期位置に復帰させることができる。
【0016】
このような巻取手段55の前記巻ばね54の先端部53は、ホルダ50の最も固定パネル47寄りの前記長手方向一端部に溶接によって固定されたばね係止片93に係止される。巻ばね54は、たとえばステンレス鋼線から成り、巻取る方向にばね付勢が与えられている。
【0017】
ホルダ50の長手方向他端部、すなわち固定パネル47に近接した前記長手方向一端部とは反対側の他端部には、その他端部から外側方(図1の左方)へ突出する取付金具89が溶接して固定され、この取付金具89にはビス90によって可動パネル46の内向き屈曲部91と、可撓性および弾発性を有するたとえばブチルゴムから成る略L字状で長尺のパッキン92とが固定される。またホルダ50の前記長手方向他端部には、巻ばね54の先端部53が係止される前記係止片93が溶接によって固定される。ホルダ50と可動パネル46とは皿ねじボルト94によって固定され、ホルダ50の長手方向他端部は端板95によって塞がれている。
【0018】
係止片93は、可動パネル46の平坦状部分96に対して上方へほぼ垂直に立上る立上り部分97と、立上り部分97の上端部から上方になるにつれて固定パネル47に近接する側にたとえば鉛直面に対して約45°の角度を成して屈曲した当接部分98とを有する。この当接部分98は、前述したように巻ばね54の先端部53が係止され、パネルフレーム76の最も一方の天井構造体43a寄りの端部における上端側の角隅部101に当接してホルダ50および可動パネル46の前記固定パネル47に近接する方向A1への変位が阻止される。
【0019】
可動パネル46の平坦状部分96において、前記矢符A1方向下流側の先端部分102付近は、前記化粧縁材79と固定パネル47との間に形成される凹溝103内に嵌まり込み、またホルダ50に固定される断面形状がL字状の前記ストッパ104に案内ローラ51を軸支するローラ取付片105が当接し、巻ばね54の引張力によってホルダ50および可動パネル46が固定パネル47に近接する方向A1方向に変位することが防がれる。この状態では、ホルダ50および可動パネル46は、巻取手段55の引張力によって固定パネル47に近接する方向A1への変位が阻止され、係止片93によって固定パネル47寄りの端部が下方へ傾斜することが防がれ、さらに先端部102が凹溝103に嵌まり込んで可動パネル46の幅方向一端部が上方へ変位することが防がれ、一定の位置に保つことができる。
【0020】
パネルフレーム76は、前記ホルダ50に平行でかつ同一間隔に配置されるもう1つの固定側ホルダ106と、この固定側ホルダ106に可動パネル46寄りの端部で垂直に連結される軸直角断面が矩形の補強材107とを有する。固定側ホルダ106は、軸直角断面が略C字状の溝形鋼から成る。このような固定側ホルダ106の前記可動パネル46寄りの端部とは反対側の他端部には、支持片108が溶接によって固定され、この支持片108の固定側ホルダ106から突出する部分には、固定パネル47の内向き屈曲部109とL字状のパッキン110とがビス111によって固定される。パッキン110は、前述したパッキン92と同様に、可撓性および弾発性を有するたとえばブチルゴムから成る。各パッキン92,110は、上端部が天井板66a,66bの天井面45a,45bに弾発的に当接し、図1の紙面に垂直な延在方向にわたって前記空隙44を塞いでいる。
【0021】
図3は、図1の切断面線III−IIIから見た拡大断面図である。前記可動側ホルダ50は、前述したように、その断面形状が上方に開口した略C字状であって、一対の案内ローラ51と、各案内ローラ51を軸支するローラ取付片105の一部が部分的に嵌まり込み、ホルダ50はその長手方向に沿って移動自在である。各案内ローラ51は、ホルダ50の上方で相互に近接する方向に屈曲して形成される内向き突部112,113の下面114,115によって支持され、各内向き突部112,113にその外側部で直角に屈曲して下方に連なる側壁116,117を経て連なる底部118の上面119と僅かな間隔をあけて離間している。このような状態で各案内ローラ51はホルダ50内をその長手方向に移動自在であり、可及的に摺動抵抗を少なくして円滑にホルダ50を矢符A1,A2方向に移動させることができる。
【0022】
ローラ取付片105の上部には、ねじ棒121が立設され、このねじ棒121は補助縁材73に形成される軸孔122を挿通して上方に突出し、ナット123によって抜け止めされた座金124によって補助縁材73上に支持されている。前記ねじ棒121の下端部は、ローラ取付片105に係止される図示しないねじ孔に螺着され、締付けナット125によって締付められて固定される。この締付けナット125と補助縁材73の前記座金124を支持する支持部126の下面127との間には、約2〜3mm程度の僅かな間隔ΔLを有し、ねじ棒121はこの僅かな間隔ΔLの範囲で上下動することができる。
【0023】
これによってホルダ50および可動パネル46が開閉動作したときに各案内ローラ51が上下に変位しても、その変位を許容することができ、各案内ローラ51のローラ軸、ローラ取付片105、ねじ棒121および補助縁材73に大きな外力が作用することが防がれ、可動パネル46およびホルダ50の僅かな上下動を許容することができる。各案内ローラ51は、たとえばテフロンなどの滑り性の良好な合成樹脂から成る。そのためホルダ50が矢符A1,A2方向に変位したとき、各案内ローラ51の大きな走行音が発生しない。
【0024】
図4は、図1〜図3に示される天井用伸縮継手装置41の動作を説明するための簡略化した鉛直断面図であり、図4(1)は天井用伸縮継手装置41を各天井構造体43a,43bに取付けた直後の状態を示す図であり、図4(2)は各建物42a,42bが相対的に近接した状態を示す図であり、図4(3)は各建物42a,42bが相対的に離反した状態を示す図である。図5は、図4の下方から見た天井用伸縮継手装置41の動作を説明するための簡略化した底面図であり、図5(1)は天井用伸縮継手装置41を各天井構造体43a,43bに取付けた直後の状態を示す図であり、図5(2)各建物42a,42bが相対的に近接した状態でかつ前後方向にずれた状態を示す図であり、図5(3)は各建物42a,42bが相対的に離反しかつ前後方向にずれた状態を示す図である。なお、各建物42a,42bが相互に近接および離反する方向の変位を矢符A1,A2で示し、各建物42a,42bが近接および離反する方向A1,A2に垂直な前後方向の変位を矢符B1,B2で示す。
【0025】
地震または地盤の不等沈下の発生しない通常状態において、各建物42a,42bが所定の間隔をあけて立設されており、この状態で天井用伸縮継手装置41を取付けた状態が図4(1)および図5(1)に示される。この状態では、可動パネル46および固定パネル47にそれぞれ設けられる各ホルダ50,106は、同一軸線上に配置されており、前後方向B1,B2にずれていない。また可動側ホルダ50に設けられるストッパ104に保持手段52のローラ取付片105が巻取手段55の弾性引張力によって弾発的に当接しており、可動パネル46の先端部102は固定パネル47の凹溝103内に嵌まり込み、各パッキン92,110は天井板66a,66bの天井面45a,45bに弾発的に当接して空隙44を気密に塞いでいる。
【0026】
このような図4(1)および図5(1)に示される状態から、急激な地震あるいは地盤の不等沈下によって各建物42a,42bが相対的に近接する方向および前後方向に変位すると、図4(2)および図5(2)に示されるように、保持手段52の各案内ローラ51は、可動側ホルダ50の各内向き突部112,113の下面114,115に沿って他方の天井構造体43bに近接する方向に移動する。このとき、ホルダ50の係止片93は固定パネル47のパネルフレームの角隅部101に弾発的に当接したままの状態に保たれ、各建物42a,42bの相対的に近接する方向への変位を許容し、空隙44を塞いだ状態に保つことができる。
【0027】
上述のように各建物42a,42bが相対的に近接しかつ前後方向にずれた場合には、図4(2)および図5(2)では図解を容易にするため、一方の建物42aを基準にして他方の建物42bが近接しかつずれた状態が示される。また同様に後述の図4(3)および図5(3)では、一方の建物42aを基準にして他方の建物42bが離反しかつずれた状態を示す。
【0028】
このように各建物42a,42bが相対的に前後方向にずれを伴いながら近接したときには、可動パネル46に設けられるホルダ50内の案内ローラ51は、そのホルダ50内を前記固定パネル47に近接する方向に移動し、可動パネル46および固定パネル47間には開口が発生しない。このような各建物42a,42bの近接する方向への変位は、ホルダ50の固定パネル47側の端部に形成される開口部130に臨む内向き突部112,113の縁端部131,132付近(図1および図2参照)まで許容することができる。また図4(2)および図5(2)に示されるように、各パネル46,47が相互に前後方向にずれた状態から図4(1)および図5(1)に示される初期位置に復帰する際には、ホルダ50および可動パネル46には巻取手段55の巻ばね54によって近接方向A1および前後方向B1へ弾発的に引張り力が付与され、確実に復帰させることができる。
【0029】
また図4(1)および図5(1)に示される通常状態から図4(3)および図5(3)に示されるように、急激な地震または地盤の不等沈下によって各建物42a,42bが相対的に離反する方向に変位したときには、保持手段52のローラ取付片105がストッパ104を固定パネル47から離反する方向、すなわち矢符A2方向に押圧して、ホルダ50および可動パネル46を固定パネル47から離間させ、したがって可動パネル46と固定パネル47との間には開口が発生する。このとき巻取手段55の巻ばね54はケーシング84内から繰出され、一方の建物42aが他方の建物42bから離反した距離だけホルダ50および可動パネル46の矢符A2方向への変位を許容することができる。
【0030】
このように可動パネル46が固定パネル47から開いた状態で、図4(1)および図5(1)に示されるように再び各建物42a,42bが相対的な変位を生じて相互に近接する方向に復帰すると、巻取手段55の弾性引張力によってホルダ50および可動パネル46は固定パネル47に近接する方向に引寄せられ、このようにして円滑に可動パネル46を固定パネル47に見かけ上、連結した状態に接合することができる。したがって室内空間77側から天井を見たときに、可動パネル47がたとえば地震直後に図4の紙面に垂直方向に蛇行して不揃いな状態で復帰するという不具合が防がれ、美観の低下が防がれ、確実に図4(1)および図5(1)に示される初期位置に復帰させることができる。
【0031】
上記の実施の形態では、嵌合部材として一対の案内ローラ51を用いるようにしたけれども、本発明の他の実施の形態として、ホルダ50の各下面114,115に沿って摺動することができる滑り子などと呼ばれる嵌合部材が一方の天井構造体43aの縁材69aに固定的に設けられる構成であってもよく、また上記の実施の形態で述べた保持手段52と同様に、上下に変位可能に設けるようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、可動パネルの裏面にホルダを固定し、このホルダを一方の天井構造体に設けられる保持手段によって移動自在に保持し、ホルダを他方の天井構造体に設けられる巻取手段によって、前記可動パネルを他方の天井構造体に近接する方向に弾発的に引張って復帰させることができるので、各建物が相対的に近接する方向の変位を生じたときには、空隙がその下方の室内または通路などの屋内空間に臨んで開口するおそれはなく、確実に塞いだ状態に保たれ、さらに各建物が相対的に離反する方向に変位したときには、嵌合部材が当接部に当接するまでは可動パネルを固定パネルに当接させた状態に維持し、嵌合部材が当接部に当接したときには、一方の建物、したがって一方の天井構造体の変位として変位に追従して、可動パネルを固定パネルから離反する方向への変位を許容させ、その直後に前記巻取手段によって円滑に復帰させることができる。このようにして急激でかつ大きな各建物間の変位を、可動パネルを固定パネル側に常に弾発的に近接するようにして、円滑に許容し、カバー体が不揃いに変位してしまうことを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の天井用伸縮継手装置41の鉛直断面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た断面図である。
【図3】図1の切断面線III−IIIから見た拡大断面図である。
【図4】図1〜図3に示される天井用伸縮継手装置41の動作を説明するための簡略化した鉛直断面図であり、図4(1)は地震あるいは地盤の不等沈下が発生しない通常の状態で天井用伸縮継手装置41が各天井構造体43a,43bに取付けられた状態を示す図であり、図4(2)は各建物42a,42bが相対的に近接する方向に変位したときの天井用伸縮継手装置41の動作を示す図であり、図4(3)は各建物42a,42bが相対的に離反する方向に変位したときの天井用伸縮継手装置41の動作を示す図である。
【図5】図4の下方から見た天井用伸縮継手装置41の動作を説明するための簡略化した底面図であり、図5(1)は地震あるいは地盤の不等沈下が発生しない通常の状態で天井用伸縮継手装置41を下方の室内空間77側から見た図であり、図5(2)は各建物42a,42bが相対的に近接しかつ前後方向にずれたときの天井用伸縮継手装置41の動作を示す図であり、図5(3)は各建物42a,42bが相対的に離反しかつ前後方向にずれたときの天井用伸縮継手装置41の動作を示す図である。
【図6】従来技術の天井用伸縮継手装置1を示す鉛直断面図である。
【符号の説明】
41 天井用伸縮継手装置
42a,42b 建物
43a,43b 天井構造体
44 空隙
45a,45b 天井面
46 可動パネル
47 固定パネル
48 カバー体
49 裏面
50,106 ホルダ
51 案内ローラ
52 保持手段
54 巻ばね
55 巻取手段
73,74 縁材
77 室内空間

Claims (1)

  1. 相互に間隔をあけて隣接する建物間の空隙を、各天井構造体の天井面に沿って下方から覆い、一方の天井構造体に他方の天井構造体に近接および離反する方向に変位自在に設けられる可動パネルと、他方の天井構造体に固定される固定パネルとを有するカバー体と、
    可動パネルの各天井構造体側の裏面に、前記可動パネルの幅方向に垂直な方向に間隔をあけて固定され、所定位置に当接部が設けられる複数のホルダと、
    一方の天井構造体の天井面の空隙側の先端部近傍から下方に突出し、かつ前記ホルダの前記当接部と固定パネル側の端部との間に移動自在に嵌まり込む嵌合部材を有し、一方の天井構造体に固定されて前記ホルダおよび可動パネルを保持する保持手段と、
    他方の天井構造体に設けられ、ホルダの前記固定パネル側の先端部近傍に係止される索条を、固定パネル側から弾性引張力によって巻取る巻取手段とを含むことを特徴とする天井用伸縮継手装置。
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