JP4712554B2 - ピペラジンビスカルボジチオ酸塩を含有する水溶液 - Google Patents
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攪拌装置、温度計、コンデンサー、滴下ロート2個を備えた1L4口フラスコに、窒素気流下で、水393g、無水ピペラジン108gを仕込み溶解後、液温を35℃にした。この後、攪拌下で48%水酸化カリウム水溶液309gと二硫化炭素190gを、表1に示すようにそれぞれ4分割仕込みで交互に添加した。反応温度35℃では、液の粘度の増大もなく攪拌は容易であった。そして、反応液中に懸濁している二硫化炭素が消失した後、温度35℃から40℃に上昇させて2時間攪拌して未反応の二硫化炭素を反応させた。この後、残存する微量の二硫化炭素を除去するため、窒素で5分間バブリングした。この反応の収率は、99.2%であった。得られた合成液中のピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウムの含量を測定した結果、39.4重量%であった。
攪拌装置、温度計、滴下ロート2個を備えた1L4口フラスコに水393g、無水ピぺラジン水和物108gを、窒素気流下で仕込み、溶解後、液温を35℃にした。この後、攪拌下で48%水酸化カリウム水溶液309gと二硫化炭素190gを、反応温度35℃で、同時に6時間連続滴下した。液の粘度の増大もなく攪拌は容易であった。反応は速やかに進行し、水溶液中に二硫化炭素はほとんど懸濁していなかった。滴下終了後、温度35℃から40℃に上昇させて2時間攪拌した。この後、残存する微量の二硫化炭素を除去するため、窒素で5分間バブリングした。この反応の収率は、99.3%であった。得られた合成液中のピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウムの含量を測定した結果、39.1重量%であった。
攪拌装置、コンデンサー、温度計、滴下ロート2個を備えた500mLの4口フラスコに、窒素気流下で、水140gを仕込み、55℃で溶融したピペラジン6水和物122g(0.62モル)を加え、水溶液の温度を35℃に設定した。攪拌下、二硫化炭素5g(0.0658モル、全仕込み量の5重量%)を添加し、更に、48%水酸化カリウム水溶液144g(1.23モル)を添加した。添加後、混合物の温度は33℃となり、液の粘性が増大することなく容易に攪拌できた。更に、35℃から40℃で二硫化炭素90gを滴下した。この際にも液の粘度の増加は特に見られなかった。反応液中に懸濁している二硫化炭素が消失した後、温度40℃で2時間攪拌した。この後、窒素ガスで反応液をバブリングし、ピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウム水溶液498g(収率99.4%、塩含有量39.4重量%)を得た。
攪拌装置、コンデンサー、温度計、滴下ロート2個を備えた5Lの4口フラスコに水780gを仕込み、55℃で溶融したピペラジン6水和物598g(3.08モル)を加え、水溶液の温度を40℃に設定した。この後、攪拌下で48%水酸化カリウム水溶液715gと二硫化炭素468gをそれぞれ別々に滴下ロートに準備し、水酸化カリウム水溶液の滴下時間を10.5時間、二硫化炭素の滴下時間を10時間になるように滴下速度を調整して、同時に滴下を開始した。反応温度はほぼ40℃で推移し、液の粘度の増大もなく攪拌は容易であった。また、反応液中に添加された、水酸化カリウムと、二硫化炭素のそれぞれの総モル数の経時的変化を図1に示す。滴下終了後、さらに40℃で2時間攪拌した。この後、残存する微量の二硫化炭素を除去するため、窒素で5分間バブリングした。この反応の収率は、99.8%であった。得られた合成液中のピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウムの含量を測定した結果、39.1重量%であった。また、図1より、反応液に添加された二硫化炭素と水酸化カリウムのそれぞれの総モル数の比は、常に、1.0〜1.3の範囲に入っていることがわかる。
二硫化炭素のみの滴下を30分間行い、その後、水酸化カリウム水溶液の滴下時間を10時間に設定する以外は、実施例4と同様に反応を行った。水酸化カリウム水溶液を滴下すると、白色結晶が析出し、水酸化カリウムの滴下量が、二硫化炭素とほぼ当量となった時点で、白色結晶が消滅した。結果、実施例4と同様のピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウムを含む水溶液を得ることができた。以上のことから、この方法を用いて製造を行った場合、白色結晶の消失を目安に、水酸化カリウム水溶液の添加を調整することもできることがわかった。
攪拌装置、コンデンサー、温度計、滴下ロート2個を備えた2Lの4口フラスコに水683.9gを仕込み、60℃で溶融した68%濃度ピペラジン(2水和物相当)317.9g(2.50モル)を加え、水溶液の温度を40℃に設定した。この後、攪拌下で48%水酸化カリウム水溶液576gと二硫化炭素381gをそれぞれ別々に滴下ロートに準備し、水酸化カリウム水溶液の滴下時間を4時間、二硫化炭素の滴下時間を3.5時間になるように滴下速度を調整して、同時に滴下を開始した。反応温度はほぼ40℃で推移し、液の粘度の増大もなく攪拌は容易であった。反応液中に懸濁している二硫化炭素が消失した後、さらに40℃で2時間攪拌した。この後、残存する微量の二硫化炭素を除去するため、窒素で5分間バブリングした。この反応の収率は、99.6%であった。得られた合成液中のピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウムの含量を測定した結果、39.3重量%であった。その後、過剰分のアルカリ成分として48%水酸化カリウム水溶液41gを添加して、重金属固定剤とした。この重金属固定剤を40℃で3ヶ月間保管した後、二硫化炭素の臭気を測定したが、臭気の発生は認められなかった。また、水溶液の色相の変化もなく、チオ炭酸カリウムの生成は認められなかった。
攪拌装置、コンデンサー、温度計、滴下ロートを備えた500mL4口フラスコにピペラジン無水物64gを仕込んだ後、25℃の水を加え撹拌し、白濁のスラリーとなったところに、48%水酸化カリウム水溶液153gを添加し、液温を35℃としたが、液の粘性が極めて高く、攪拌を継続することができなかったため、反応を中断した。
攪拌装置、コンデンサー、温度計、滴下ロートを備えた1L4口フラスコに水393g、ピペラジン無水物108gを仕込み、溶解後、液温を35℃にした。この後、48%水酸化カリウム水溶液309gを添加した。ピペラジンの結晶が析出し、液の粘性が増大し攪拌が困難となった。その後、二硫化炭素190gを滴下ロートより6時間かけて滴下した。二硫化炭素の滴下とともに、徐々に反応液の粘性が減少し、撹拌できるようになった。反応液中に懸濁している二硫化炭素が消失した後、さらに40℃で2時間攪拌した。この後、残存する微量の二硫化炭素を除去するため、窒素で5分間バブリングした。この反応で得られた合成液の収量は99.8%であった。得られた合成液中のピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウムの含量を測定した結果、39.1重量%であった。
実施例1〜2、実施例4〜5、比較例2で得られたピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウムを含む水溶液の波長500における可視光吸収スペクトルの吸光度を測定した。その結果をまとめて表2に示す。また、実施例1〜2、実施例4〜5で得られたピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウムを含む水溶液に、1重量%の水酸化カリウムを添加し、さらに、必要に応じて、ピペラジンを表2に示す量を添加して、重金属固定剤を調製した。以上のように調製した重金属固定剤を用い、下記方法により、飛灰との混合後の二硫化炭素、及びアンモニアの発生を測定した。その結果を表2にまとめて示す。
2L容量のテトラバックにストーカー炉飛灰100gを入れ、内部の空気を排除後、注射器で空気を1L、上記ピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸カリウム水溶液に水酸化カリウムを1.0重量%添加した重金属固定剤を5g、水30gの順に注入する。手で5分間テトラバックごと混練して、60℃の温浴に30分間放置後、発生ガスをカステック製検知管(二硫化炭素用、アンモニア用)で測定した。測定後、テトラバックの空気を排除し空気1Lを注入して常温で1日放置してまた発生ガスを測定した。
Claims (2)
- ピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸塩を20〜60重量%含有し、波長500nmにおける可視光吸収スペクトルにおける吸収強度が、0.05以下であることを特徴とするピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸塩を含有する水溶液を主成分とする重金属固定剤。
- 加熱溶融したピペラジン水和物、又はピペラジン無水物若しくはピペラジン水和物の水溶液に、アルカリ水溶液と二硫化炭素を、同時に連続添加又は交互に添加させることにより得られたものであることを特徴とする請求項1に記載のピペラジン−N,N’−ビスカルボジチオ酸塩を含有する水溶液を主成分とする重金属固定剤。
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