JP2808697B2 - チオホスゲンの工業的製造法 - Google Patents

チオホスゲンの工業的製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はチオホスゲンの製造法に関する。チオホスゲ
ンは医薬、農薬の合成中間体として非常に有用である。
<従来技術> 従来の製造法としては、パークロロメチルメルカプタ
ン(以下PCMMと略称する)をヨウ化物存在下、有機溶媒
−水混合溶液中、二酸化イオウあるいは硫化水素をガス
状で供給、還元し、チオホスゲンを製造する方法が公知
である(特開昭62−176910号公報)。
<従来技術の課題> 特開昭62−176910号公報に記載された方法において
は、二酸化イオウあるいは硫化水素をガス状で供給する
ため、反応液に溶解されなかった余剰の該ガスが反応器
外に流出する。このため、該ガスの流出し同伴し、目的
物のチオホスゲンが反応器外に放出され、収率の低下を
きたす。大量スケールで実施した場合、チオホスゲンの
反応器からの流出は、非常に危険である。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、チオホスゲンの工業的かつ安全な製造
法について鋭意検討を行ったところ、亜硫酸水溶液にPC
MMを供給し反応させることにより、チオホスゲン製造が
行なえ、また、発熱が少なく、さらに反応器外への、チ
オホスゲンの流出もなく、安全に製造できることを見出
だした。しかしながら、本方法は、安全にチオホスゲン
を製造可能であるが、チオホスゲ収率が従来より知られ
ている、PCMMの有機溶媒−水混合溶媒中に二酸化イオウ
あるいは硫化水素を供給し反応させる方法よりも低くな
るという欠点を有していた。本発明者らはさらに亜硫酸
水溶液にPCMMを供給し反応させる方法について鋭意検討
を行った結果、あらかじめ仕込む亜硫酸水溶液、有機溶
媒並びに触媒の混合物に酸を添加し、次いでPCMMを供給
し反応させることにより、PCMMの供給速度並びに触媒の
添加方法に関係なく高収率でチオホスゲンを製造するこ
とが可能であることを見出だした。さらに、触媒とし
て、一塩化イオウ、二塩化イオウ、アルカリ金属ヨウ化
物およびヨウ素の一種または二種以上の混合物が適用可
能であることを見出だし本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は触媒存在下、亜硫酸水溶液、有機溶媒
並びに酸の混合物にPCMMを供給し反応させることを特徴
とするチオホスゲンの工業的製法を提供するものであ
り、本発明で適用可能な触媒としては、一塩化イオウ、
二塩化イオウ、アルカリ金属ヨウ化物およびヨウ素の一
種または二種以上の混合物であることを特徴とする。
<作用> 以下、本発明の詳細に説明する。
本発明の方法は、反応器予め水を仕込み、ガス状の二
酸化イオウをバブリング供給し、溶解させ、亜硫酸水溶
液を調整する。次いで、得られた亜硫酸水溶液に触媒、
有機溶媒並びに酸を添加した後、PCMMを供給し反応させ
る。なお、有機溶媒の反応系への添加は、二酸化イオウ
の溶解前後または、供給するPCMMの溶媒として反応系に
供給しても何等支障はない。触媒の添加は、二酸化イオ
ウの溶解前後、さらにPCMMまたはその溶液に溶解するも
のであれば該混合物またはその溶液として反応系に供給
しても何等支障はない。
本発明に使用する有機溶媒としては、PCMM、二酸化イ
オウ、亜硫酸、酸並びに触媒に対して不活性なものであ
ればあらゆるものが使用可能であるが、一般的には、ジ
クロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族
炭化水素系溶媒が揚げられる。有機溶媒の使用量はPCMM
に対してあらゆる量比で実施可能であるが、経済性並び
に、反応制御の容易等の理由で、好ましくは、使用総量
として、PCMMに対して0.4〜9重量倍比である。
本発明に使用する触媒としては、一塩化イオウ、二塩
化イオウ、アルカリ金属ヨウ化物およびヨウ素を単独で
用いて良いしまたは二種以上の混合物として使用しても
良く、アルカリ金属ヨウ化物としてはヨウ化カリウム、
ヨウ化ナトリウムである。
触媒の添加量は、反応に供するPCMMに対して、あらゆ
る量で可能であるが、あまりにも少量では反応速度が小
さく工業的ではなく、また、大量の使用は反応速度の大
きな向上が見られないため経済的ではない。従って、好
ましくは0.5〜3.0mol%の量である。
反応に使用する亜硫酸の濃度は、反応に供する酸を溶
解した水溶液に対する飽和溶解度以下であればあらゆる
濃度で可能であるが、該水溶液中の濃度として4wt%以
下では液量が大となり経済的ではなく、また飽和溶解量
では、反応により副生する硫酸並びに塩酸により二酸化
イオウガスが発生する場合がある。このため、好ましく
は、該水溶液中濃度として4%以上でなおかつ飽和溶解
量の90wt%以下である。
また、亜硫酸の仕込み量はPCMMに対して、等モル〜5.
0倍モル量の範囲であれば良いが、あまりに過剰の使用
は生成したチオホスゲンの分解が発生する場合があり好
ましくなく、等モル以下では、PCMMの反応に必要な量以
下であるため転化率が低くなる。このため、好ましくは
1.1倍モル量〜3倍モル量の範囲である。
反応温度としては、0〜60℃の範囲で可能であるが、
0℃では水の凝結が発生する場合があり、20℃以上では
亜硫酸の水に対する溶解度が低くなるため多量の水が必
要となり反応器サイズが大となり好ましくない。従っ
て、反応温度は5〜20℃の範囲が好ましい。
反応に使用する酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等の
鉱酸、並びにベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸
等の有機スルホン酸、酢酸等の水溶性有機カルボン酸等
が揚げられるが、好ましくは、経済的な理由で塩酸並び
に硫酸である。これら酸は単独で用いても良いし、二種
以上の混合物として用いても良い。
本発明に使用する酸の添加量は、使用する水量に対し
て、余りにも少量の使用では、収率の低下が発生し好ま
しくなく、また大量の添加は顕著な効果が見られないば
かりか、二酸化イオウの溶解度の低下させることによ
り、反応に必要な二酸化イオウ量の亜硫酸水溶液を得る
ために大量の水が必要となり現実的ではない。従って、
好ましくは0.1規定〜6規定の濃度範囲となる添加量で
ある。
PCMMまたはその有機溶媒溶液の供給速度はあらゆる速
度で可能であり、使用する反応器のサイズ並びに除熱能
力を加味し、供給時間を設定することが可能である。
PCMMを供給した後、0.5〜8時間程度の熟成を行うこ
とにより目的とするチオホスゲンを得る。
<効果> 本発明は、高収率でしかも安全なチオホスゲンスゲン
の製造法を提供する。
<実施例> 以下、実施例により本発明の具体的に説明するが本発
明がこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 撹拌機を備えた冷却ジャケット付き100のグラスラ
イニング反応装置に、水72.6kgを仕込み、撹拌しながら
二酸化イオウ6.31kgをボンベよりガス状でバブリングさ
せながら供給し溶解させた。次いで、ベントラインにア
ニリン2.0kg並びに四塩化炭素3.0kgを仕込んだチオホス
ゲンラップを取付けた後、得られた亜硫酸水溶液にトル
エン12.2kg、ヨウ化カリウム56.7g並びに35%塩酸7.4kg
を仕込み、次いでPCMM12.2kgを定量ポンプで3時間かけ
て供給し、さらに3時間熟成を行った。PCMM供給中の温
度は14〜15℃で、熟成は15℃で行った。反応終了、静
定、分液した後、チオホスゲン含有溶液20.1kgを得た。
得られた、該溶液をガスクロマトグラフィーにより定
量した結果、チオホスゲン生成量7.38kgで、収率97.8
%、パークロロメチルメルカプタン転化率99.9%であっ
た。
また、ベントラインに設置した、アニリントラップ中
にはチオホスゲン飛散により生成するジフェニルチオウ
レアは検出されなかった。
実施例2〜5 実施例1と同じ反応装置を用い、表1中に示した条件
下、反応を行った。結果を表1に示した。
比較例1 実施例1と同じ反応装置を用い、表1中に示した条件
下、酸の添加をすることなく反応を行った。
結果を表1中に示した。
比較例2 実施例1と同じ反応装置を用い、水、触媒、溶媒並び
にPCMMを仕込んだ後、二酸化イオウをガス供給し反応を
行った。
結果を表1中に示した。
なお、ベントラインにチオホスゲンが190g流出してい
た。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 31/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒存在下、亜硫酸水溶液、有機溶媒並び
    に酸の混合物にパークロロメチルメルカプタンを供給し
    反応させることを特徴とするチオホスゲンの工業的製造
    法。
  2. 【請求項2】触媒として、一塩化イオウ、二塩化イオ
    ウ、アルカリ金属ヨウ化物およびヨウ素の一種または二
    種以上の混合物を使用する請求(1)に記載の製造法。
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