JP2808764B2 - チオホスゲンの工業的製法 - Google Patents

チオホスゲンの工業的製法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はチオホスゲンの工業的製法に関する。チオホ
スゲンは医薬、農薬の合成中間体として非常に有用であ
る。
<従来技術> 従来の製法としては、パークロロメチルメルカプタン
(以下PCMMと略す)をヨウ素化合物存在下、有機溶媒−
水混合溶媒中、二酸化イオウあるいは硫化水素をガス状
で供給、還元し、チオホスゲンを製造する方法が公知で
ある(特開昭62−176910号公報)。
<従来技術の課題> 特開昭62−176910号公報に記載された方法において
は、二酸化イオウ及び/または硫化水素をガス状で供給
するため、反応液に溶解されなかった余剰の該ガスが反
応器外に流出する。こにため、該ガスの流出に同伴し、
目的物のチオホスゲンが反応器外に放出され、収率の低
下をきたす。また、大量スケールで実施した場合、チオ
ホスゲンの反応器からの流出は非常に危険である。
さらに、同特許記載の有機溶媒としては、四塩化炭
素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素溶媒、ベンゼン等の芳香族炭化水
素溶媒であり、ハロゲン化炭化水素溶媒は、近年毒性問
題が指摘され、環境汚染等関連法規制で取扱い基準が厳
くなってきている。一方、ベンゼン等の芳香族炭化水素
溶媒は、反応原料であるPCMMが過塩素化物であるため
に、反応溶媒として使用した場合、毒性の高い塩素化芳
香族炭化水素を副生する恐れがある。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、チオホスゲンの工業的かつ安全な製法
について鋭意検討した結果、触媒存在下、PCMMの脂肪族
炭化水素溶媒に亜硫酸水溶液を供給し反応させることに
より、二酸化イオウ及び/または硫化水素をガス状で供
給し反応させる場合と比較して、反応による発熱が小さ
く、また余剰の二酸化イオウの系外への流出がなく、高
収率でしかも安全にチオホスゲンを製造できることを見
出だした。
さらに反応溶媒として使用する脂肪族炭化水素溶媒
は、ハロゲン化炭化水素溶媒と比較して毒性が低く、ま
た安定で、反応に何等悪影響を与えないことを見出だし
た。
加えて、反応により得られるチオホスゲンに混入する
不純物は、脂肪族炭化水素に対して溶解度が低く、さら
に水に溶解または水で分解するが、チオホスゲンは、水
に対して比較的安定でしかも水に殆ど溶解しないことを
見出だし本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、 (1)パークロロメチルメルカプタンの脂肪族炭化水素
溶媒液に、触媒存在下、亜硫酸水溶液を供給し反応させ
得られる反応液を分液の後、生成するチオホスゲンに対
して1重量倍量以上の水で洗浄することを特徴とするチ
オホスゲンの工業的製法。
(2)触媒が、一塩化イオウ、二塩化イオウ、アルカリ
金属ヨウ化物及びヨウ素のうち一種または二種以上の混
合物であることを特徴とする特許請求範囲第(1)項に
記載の方法。
(3)脂肪族炭化水素溶媒が炭素数5〜15よりなる、直
鎖、分岐または環状化合物であることを特徴とする特許
請求範囲第(1)項に記載の方法を提供するものであ
る。
<作用> 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法は、反応器に予めPCMM並びに脂肪族炭化
水素を仕込み、これに亜硫酸水溶液を供給し反応させ
る。触媒の添加は、通常反応開始前に予め反応器に仕込
むが、PCMMの脂肪族炭化水素溶媒に対して溶解性の低い
アルカリ金属ヨウ化物は固体のまま反応器に仕込んでも
良いし、また供給する亜硫酸水溶液に溶解させて本反応
に用いても何等支障はない。
本発明に使用する脂肪族炭化水素溶媒としては、炭素
数5〜15からなる直鎖、分岐または環状化合物であれば
あらゆるものが使用可能であるが、工業的に入手可能
な、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直
鎖脂肪族炭化水素、ジメチルブタン、メチルペンタン、
ジメチルペンタン、メチルヘキサン、トリメチルペンタ
ン、ジメチルヘキサン、メチルヘプタン等の分岐脂肪族
炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘ
プタン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン、メチ
ルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、メチルシク
ロオクタン、ジメチルシクロペンタン、ジメチルシクロ
ヘキサン、ジメチルシクロヘプタン、ジメチルシクロオ
クタン、エチルシクロペンタン、エチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘプタン、エチルシクロオクタン等の
環状脂肪族炭化水素、混合物として、石油エーテル、石
油ベンジン、リグロイン等があげられるが、好ましくは
工業的に容易に入手可能なものとして、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、石油エー
テル、石油ベンジン、リグロインである。
脂肪族炭化水素溶媒中のPCMMの濃度はあらゆる濃度で
実施可能であるが、経済性並びに、反応制御の容易さ等
の理由で、10〜70wt%の濃度範囲とすることが好まし
い。
本発明に使用する触媒としては、一塩化イオウ、二塩
化イオウ、アルカリ金属ヨウ化物並びにヨウ素である
が、各々単独で用いても良いしまた、二種以上の混合物
として使用しても良い。アルカリ金属ヨウ化物としては
あらゆるものが使用可能であるが、好ましくはヨウ化カ
リウム、ヨウ化ナトリウムである。
触媒の添加量は反応に供すPCMMに対して、あらゆる濃
度で可能であるが、余りにも少量では反応速度が小さく
工業的ではなく、また大量の使用は反応速度に顕著な効
果が見られないため経済的ではない。このため、触媒の
添加量は、一種または二種以上の混合として、PCMMに対
して0.3〜5.0mol%の範囲が好ましい。
反応に使用する亜硫酸水溶液の濃度は、、水に対す
る、二酸化イオウの飽和溶解度以下であればあらゆる濃
度で可能であるが、水溶液中濃度が4wt%以下では、供
給液量が大となり経済的ではなく、また飽和溶解量で
は、反応により副生する硫酸並びに塩酸により、二酸化
イオウのガスが発生し、反応器外へ流出し、これに同伴
して、目的物チオホスゲンの流出が発生する場合がある
ため、好ましくは、水溶液中濃度4wt%以上でなおかつ
飽和溶解量の90wt%以下である。
また、亜硫酸の供給量はPCMMに対して、等モル以上で
あれば良いが、余りにも過剰の使用は生成したチオホス
ゲンの分解が発生する場合があり好ましくなく、1.1倍
モル量未満では、原料のPCMMが残存する場合がある。こ
のため、好ましくは、1.1倍モル量以上〜3.0倍モル量の
範囲である。
反応温度としては、−10〜40℃でなおかつ使用する脂
肪族炭化水素溶媒の沸点以下であれば可能であるが、0
℃では水の凝結が発生する場合があり、20℃以上では反
応に供する亜硫酸水溶液中の二酸化イオウの飽和溶解度
が低下し、PCMMとの反応に必要な亜硫酸水溶液の液量が
大となり好ましくない。従って、反応温度は、5℃以
上、20℃以下が好ましい。
亜硫酸水溶液の供給速度は、供給速度を大とすること
により、短時間で反応を完結させることが可能である
が、単位時間あたりの発熱量が大となるため、所定の温
度で反応を実施できる供給速度とすることが好ましい。
亜流酸水溶液の供給後、通常、さらに2〜24時間の熟
成を行うことにより、反応は完結する。
反応終了後、チオホスゲンを含む混合液は静定し、分
液の後、さらに、生成したチオホスゲンに対して1重量
倍量以上の水で洗浄する。
洗浄水量はあらゆる量比で可能であるが、1重量倍量
以下では分液操作が困難であり、10重量倍量以上では特
別の利益はもたらさない。洗浄回数としては1回でも良
いし、また数回に分けて実施しても何等支障はない。
<効果> 本発明は、高収率でしかも安全なチオホスゲンの工業
的製法を提供する。
<実施例> 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発
明はこれ等実施例のみに限定されるものではない。
なお、本実施例において不純物塩化イオウ類の分析は
ガスクロマトグラフィーで行い、ヨウ素イオンは、イオ
ンクロマトグラフィーにより行った。
〔実施例1〕 撹拌機を備えた冷却ジャケット付き100のグラスラ
イニング反応装置に、水51.0を仕込み、撹拌しながら
二酸化イオウ5.6kgをボンベよりガス状でバブリングさ
せながら供給、溶解させ、得られた亜硫酸水溶液は抜出
し、供給タンクへ移液した。
次いで、反応装置を水で洗浄の後、ベントラインにア
ニリン2.0kg並びに四塩化炭素3.0kgの仕込んだチオホス
ゲントラップを取付け、次いでPCMM10.8kg、ヨウ化カリ
ウム固体77.1g並びにシクロヘキサン21.6kgを仕込み、
撹拌しながら冷却し、温度を10℃とした。これに、前記
調製した亜硫酸水溶液を3時間かけて供給の後、さらに
12℃で6時間反応を行った。
反応液を静定、分液後、次いで水7を添加し、再度
撹拌し、洗浄を行った。
洗浄後、分液しチオホスゲン溶液を得、ガスクロマト
グラフィーで分析の結果、チオホスゲン収量6.5kg、収
率97.3%、PCMM転化率100%で、チオホスゲン溶液中の
ヨウ素イオン濃度は、32ppmであった。
また、ベントトラップを分析の結果、チオホスゲンの
飛躍は認めれれなかった。
〔実施例2〜5〕 実施例1と同じ装置で、表1中に示した条件下反応を
行った。
結果を表1に示した。
〔比較例1〜3〕 実施例1と同じ装置で表1中に示した条件下反応を行
った。
結果を表1中に示した。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パークロロメチルメルカプタンの脂肪族炭
    化水素溶媒溶液に、触媒存在下、亜硫酸水溶液を供給し
    反応させ得られる反応液を分液の後、生成するチオホス
    ゲンに対して1重量倍量以上の水で洗浄することを特徴
    とするチオホスゲンの工業的製法。
  2. 【請求項2】触媒が、一塩化イオウ、二塩化イオウ、ア
    ルカリ金属ヨウ化物及びヨウ素のうち一種または二種以
    上の混合物であることを特徴とする特許請求範囲第
    (1)項に記載の方法。
  3. 【請求項3】脂肪族炭化水素溶媒が炭素数5〜15よりな
    る、直鎖、分岐または環状化合物であることを特徴とす
    る特許請求範囲第(1)項に記載の方法。
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