JP3155126B2 - スルフォレンの製造方法 - Google Patents
スルフォレンの製造方法Info
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Description
法の改良に関する。スルフォレンはスルフォランの原料
として重要な化合物である。スルフォランは、BTX
(ベンゼン、トルエン、キシレン)の抽出剤、フッ素化
反応の溶媒、電子部品の洗浄剤等として極めて重要な化
合物である。
合成方法の研究は、スルフォランが石油化学におけるB
TX抽出剤として重要であるために、従来から精力的に
行われてきた。
に二酸化硫黄とブタジエンとを付加環化させる方法が知
られている。
れるが、このとき問題となるのが、副生物として反応中
に生成する含硫黄高分子化合物及び未反応の二酸化硫黄
である。
酸化硫黄等はスルフォレンをその後の工程において水素
還元してスルフォランとする時の触媒毒となり、この還
元反応を阻害するので好ましくない。そこで従来から、
この高分子化合物や二酸化硫黄を除去するための工夫が
なされてきた。
ば、スルフォレン合成後に活性炭を加えてポリスルフォ
ン(ポリスルフォレン。上にいう含硫黄高分子化合物の
一種)を除去する、不純物である二酸化硫黄を過硫酸化
合物で酸化する、ラネーニッケルを加えて二酸化硫黄と
ポリスルフォンを除去する、二酸化硫黄の中和剤として
アンモニアを加える、二酸化硫黄を次亜塩素酸塩で除去
する、ヘキサメチレンテトラミンを加えて還元する、二
酸化硫黄をNaOH、NaSH、Na2 S、アミン、ジ
スルフィドを加えて除去する、等の方法により高分子化
合物や二酸化硫黄を除去する工夫がなされている(米国
特許第4861900号ほか)。
ン生成反応後に余分な工程を経る必要があり、経済的に
好ましい方法ではなかった。
らスルフォレンを合成する工程で、高分子状化合物等の
副生物が生成すること自体を抑制する工夫もなされてい
る。
ケニルアミン、ジアルケニルアミンの添加によって、ポ
リスルフォンの生成を防止する技術が開示されている。
上記特許において添加するアミン類はブタジエンに対し
て2.2〜4.4重量%とかなりの量を用いる必要があ
り、しかもこの量を用いても無視できない量の高分子化
合物の生成がみられる。米国特許第3622598号に
は、ブタジエンの重合防止剤に関する技術が開示されて
いる。
の技術では上記副生物の生成を阻止することが充分では
ないために、スルフォレンの純度を上げることができ
ず、そのため、その後の水素還元によるスルフォランの
合成工程も良好に進行しないので、最終的に充分な純度
を有するスルフォランを効率よく取得することができな
かった。
るスルフォランを高純度で収率よく取得するのに充分な
純度を有するスルフォレンを製造することを目的として
種々の方法を検討した。
の結果、高分子化合物等の生成の原因が二酸化硫黄中に
含まれている酸素、金属イオン等の微量ラジカル源にあ
り、これが重合等の副反応を開始する役割を果している
ことを見いだした。
の方法を種々検討したところ、意外にも tert-ブチルカ
テコールを存在させることにより見事にこの問題が解決
することに到達し、本発明を完成した。
とを反応させてスルフォレンを製造するにあたって、予
め二酸化硫黄中に tert-ブチルカテコールを存在させて
おくところにある。
は、ブタジエンに添加することにより重合を防止する物
質として公知のものである(米国特許第3514469
号、米国特許第4256903号、英国特許第1093
737号ほか)。
も tert-ブチルカテコールをピロガロール、フェニル−
β−ナフチルアミン、その他の化合物と同様の置換フェ
ノール類の一種として、ブタジエンに添加してその重合
を防止しようとするものにすぎない。
ら tert-ブチルカテコールを選択し、しかもこれまでは
ブタジエンに添加していたものを新しく二酸化硫黄に添
加することとし、これにより、スルフォレンの合成反応
において副反応を防止するという驚くべき効果が発現す
ることを見いだしたことにより、初めて完成をみたもの
である。
レンの合成にあっては、二酸化硫黄を反応釜に仕込み、
そこにブタジエンを順次加えながら環化反応を行う。本
発明においては、この工程において、二酸化硫黄を反応
釜に仕込んだ後、ここに tert-ブチルカテコールを添加
することとなる。
ert-ブチルカテコールの量は、二酸化硫黄に対して0.
05〜0.5重量%程度が好ましい。 tert-ブチルカテ
コールの量が0.05重量%以下の場合には、本発明の
効果が小さくなって副生物の生成が見られるようにな
る。一方、 tert-ブチルカテコールの量を0.5重量%
以上加えても、効果が高まるわけではなく経済的に不利
である。
に tert-ブチルカテコールを添加した後、ここにブタジ
エンを順次加えて反応させる。この場合の反応温度は、
70〜120℃とするのが好ましい。反応温度が70℃
より低くなると tert-ブチルカテコールを適当量加えた
場合でも若干の副生物の生成が認められる。反応温度が
120℃以上の場合には、スルフォレン生成反応の収率
の低下が起こる。
に、通常は、ブタジエンを断続的に添加する方法、連続
的に添加する方法等、の種々の方法があるが、本発明に
おいては、連続的に添加するのが好ましい。
して、ブタジエンは0.40〜0.95モル反応させる
のが好ましい。0.40モル以下になると反応器の容積
当たりの生産効率が低下してくるし、一方、0.95モ
ル以上になるとブタジエンポリマーが生成して後のスル
フォラン生成反応を阻害することとなる。
に詳しく説明する。 実施例1 1リットルのオートクレーブに亜硫酸ガス288g
(4.50モル)と tert-ブチルカテコール0.60g
を入れ、攪拌下に温度を80℃まで昇温した。そこへブ
タジエン218g(4.04モル)を1時間を要して連
続的に圧入し、さらに同温度で加圧下に5時間反応を続
けた。反応液にはポリマーの生成が認められず、3−ス
ルフォレンが473g(4.01モル)生じていた。ブ
タジエンを基準とした収率は99.3%であった。
施例1と同様に反応を行った。反応終了時の反応液には
3−スルフォレンが345g(2.92モル)とポリマ
ー23g(乾燥重量)が生じていた。ブタジエンを基準
とした3−スルフォレンの収率は72.3%であった。
ポリマーを分析したところ24.8重量%の硫黄が含ま
れていた。比較例2 1リットルのオートクレーブにtert−ブチルカテコ
ールを含まない亜硫酸ガス288g(4.50モル)を
入れ、攪拌下に温度を80℃まで昇温した。そこへte
rt−ブチルカテコール0.60gを含んだブタジエン
218g(4.04モル)を1時間を要して連続的に圧
入し、さらに同温度で加圧下に5時間反応を続けた。反
応終了後の反応液には3−スルフォレンが461g
(3.90モル)とポリマー12g(乾燥重量)が生じ
ていた。ブタジエンを基準とした3−スルフォレンの収
率は96.6%であった。
副生物の混在することのない高純度のスルフォレンを取
得することができるようになった。そのため、スルフォ
レンを原料としてこれを触媒により水素添加してスルフ
ォランを合成する反応が極めて良好に進行することとな
り、高純度のスルフォランを容易に取得することができ
るようになった。
Claims (3)
- 【請求項1】 二酸化硫黄とブタジエンとを反応させて
スルフォレンを製造するに際して、副反応防止剤として
tert−ブチルカテコールのみを使用し、かつ、反応
器に仕込んだ二酸化硫黄のみに予めtert−ブチルカ
テコールを添加しておき、その後ブタジエンを反応させ
ることを特徴とするスルフォレンの製造方法。 - 【請求項2】 tert−ブチルカテコールの添加量が
二酸化硫黄に対して0.05〜0.5重量%である請求
項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 ブタジエンを反応させる反応温度が70
〜120℃である請求項1〜2記載の製造方法。
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JP18942193A JP3155126B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | スルフォレンの製造方法 |
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JP18942193A Expired - Fee Related JP3155126B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | スルフォレンの製造方法 |
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1993
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