JP4711092B2 - 電流変換方法、トランスコンダクタンスアンプおよびこれを用いたフィルタ回路 - Google Patents

電流変換方法、トランスコンダクタンスアンプおよびこれを用いたフィルタ回路 Download PDF

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Description

本発明は無線用ローパスフィルタ回路に有効なトランスコンダクタンスアンプおよび電圧電流変換方法に関する。
近年、携帯用電子機器、家電機器等、パーソナルコンピュータ周辺機器において、装置間の情報伝達の手段として無線システムが使われている。また、これら電子機器に使用される無線システムは小型軽量化、低価格化のために半導体集積回路で製造されている。一般に無線システムでは、特定の周波数成分を分離するために、急峻なカットオフ周波数を持つフィルタが必要になる。しかしながら半導体集積回路で使われる素子は、製造ばらつきが大きいため、急峻なカットオフ周波数を持つフィルタ回路を実現することが困難であった。そこで、トランスコンダクタンスアンプ(以下OTA:Operational Transconductance Amplifierと呼ぶ)と容量で構成されたGm−Cフィルタが使われている。
図1はトランスコンダクタンスアンプ(以下OTA:Operational Transconductance Amplifierと呼ぶ)の基本構成を示す図である。
OTAには、図示するように入力電圧入Vinに比例した電流GmVin/2、−GmVin/2を出力する素子で、理想的には入力インピーダンスと出力インピーダンスは無限大である。
このときの比例係数Gmは相互コンダクタンスと呼ばれるパラメータで、フィルタなどに応用されるOTAは外部からの信号によって相互コンダクタンスが制御できる構成が採られている。
図2は、相互コンダクタンスGmが制御されるOTAであり、例えば、非特許文献1(ブラン・ナウタ著、「アナログ シーモス フィルターズ フォア ヴェリー ハイ フレクエンシー」、クルーアー アカデミック パブリッシャーズ出版、1993年、87〜88頁(Bran Nauta, “Analog CMOS Filters for Very High Frequencies”, Kluwer Academic Publishers, 1993, pp. 87-88))に紹介されているデジェネレイテッド差動型のOTAの具体的な構成を示す回路図である。
電流源404、405、406、407は同じ電流値をそれぞれ流している。また、入力トランジスタ401、402のソースに接続された可変抵抗素子403の抵抗成分は外部から与えられる相互コンダクタンス制御信号408に応じて抵抗値が変化する。
入力トランジスタ401、402の相互コンダクタンスが十分大きい時、可変抵抗素子403の抵抗成分をRとすると、出力に、ΔV/R/2の電流が現れる。ここでΔVは入力に与えられた電圧信号の差動成分の電圧を現している。従って、制御信号408で可変抵抗素子403の抵抗値を制御することによって、任意の相互コンダクタンスGmを実現することができる。この入力段の構成は一般的に全差動入力段と呼ばれている。
近年のプロセスの微細化に伴い、電源電圧の低電圧化が要求されている。特に電源電圧が1V以下となると、電源とGNDとの間で使用できるトランジスタの縦積み段数が制限され、従来の回路構成を使用することができなくなってきている。図2に示す回路構成の場合、電流源に少なくとも1つ以上のトランジスタが必要となるため、トランジスタを縦積みすると電源とGNDとの間に3段のトランジスタが使用されることとなる。飽和領域で動作するトランジスタは、ドレイン−ソース間電圧として一般的には200mV程度必要とされるため、トランジスタを3段に縦積みすると600mVは信号の大きさに関係なく必要となる。したがって、電源電圧が1Vの場合には信号振幅として400mVしか使うことができず、十分な振幅とすることができないという問題点がある。
図3は、非特許文献2(モヒーディン著、「ノンリニア エフェクト イン スード ディファレンシャル オーティーエーズ ウイズ シーエフエムビー」、アイトリプルイー トランザクション オン サーキッツ アンド システムズ、50巻、第10号、2003年10月、762−769頁(Ahmed Nader Mohieldin, "Nonlinear Effects in Pseudo Differential OTAs With CMFB", IEEE Transactions on Circuits and Systems, Vol. 50, No. 10, October 2003, pp. 762-769))に開示されている擬似差動入力型のOTAの構成を示す図であり、図3aは回路図、図3bは出力段の等価回路図である。
図3aにおいて、p−mosトランジスタM2A、M2B、M02A、M02Bのソースは共通に電源に接続され、n−mosトランジスタM1A、M1B、M01A、M01Bのソースは共通に接地されている。p−mosトランジスタM2A、M2B、M02A、M02Bの各ドレインはn−mosトランジスタM1A、M1B、M01A、M01Bの各ドレインに接続されるとともに、p−mosトランジスタM2A、M02Aのゲートはp−mosトランジスタM02Aのドレインに接続され、p−mosトランジスタM2B、M02Bのゲートはp−mosトランジスタM02Bのドレインに接続されて電流ミラー回路が形成されている。n−mosトランジスタM1A、M01Aの各ゲートは共通に接続され、また、n−mosトランジスタM1B、M01Bの各ゲートは共通に接続されてゲート信号Va、Vbの入力部とされ、トランジスタM1A、M2Aのドレインより出力電流Iout1が得られ、トランジスタM1B、M2Bのドレインより出力電流Iout2が得られる。
上記のように構成される回路において、トランジスタM1A、M1Bが入力トランジスタであり、トランジスタM01A、M01Bによって信号の同相成分が電圧電流変換され、トランジスタM02A、M02BとトランジスタM2A、M2Bで構成された電流ミラー回路によって同相成分に比例した電流がトランジスタM1A、M1Bに供給されている。
電流源を流れる電流は、トランジスタM01A、M01Bによって発生する信号の同相成分に比例した電流値の1/2の電流値が流れる。
一般に、MOSFETのドレイン電流IDは、
D=1/2μCax〔W/L〕(VGS−VT2
で表される。
ゲートソース間電圧にVaが加えられたトランジスタのドレイン電流をI1とし、ゲートソース間電圧にVaが加えられたトランジスタのドレイン電流をI2とし、各トランジスタの大きさ(W/L)が同一の場合、I1、I2は上式を簡略化して次のように表される。
1=k(Va−VT2
2=k(Vb−VT2
ここで、Vc=Va+Vbとおくと、
1−I2=k(Vc−2VT)(Va−Vb
となり、電流の差ΔIは、
ΔI=Gm(Va−Vb
となる。この式に示されるように、上記2種類のトランジスタを流れる電流の差ΔIは、ゲートに入力されるゲート信号Va、Vbの差に比例した値となり、OTAとして働くこととなる。
図3に示した例の場合について説明する。トランジスタM1A、M1B、M01A、M01Bの大きさがそれぞれ等しく、また、M2A、M2B、M02A、M02Bの大きさがそれぞれ等しいとした場合、ゲートソース間に信号Vaが印可されたトランジスタM1A、M01Aにはドレイン電流I1が、ゲートソース間に信号Vが印可されたトランジスタM1B、M01Bにはドレイン電流Iがそれぞれ流れる。M01A、M01Bのドレイン電流I1、I2は、M2A、M02Aおよび、M2B、M02Bで構成された電流ミラー回路によってミラーリングされるため、トランジスタM2A、M2Bのドレインには(I1+I2)/2の電流がそれぞれながれる。ここで、トランジスタM1AおよびM1Bのドレイン電流はそれぞれI1、I2なので、図3bの出力段から(I1−I2)/2、(I−I)/2の電流が出力される。従って、ゲート信号Va、Vbの差に比例してI1とI2の差が出力されるため、OTAとして働くことになる。なお、図3に示したOTAの例では、相互コンダクタンスを外部から変更する場合、入力信号の同相バイアス電圧を制御することによって相互コンダクタンスを制御することができる。
図4は、図3に示した擬似差動入力型のOTAを機能ブロックにて示した図である。図4において、第1の電圧電流変換素子1701、第3の電圧電流変換素子1703がトランジスタM1A、M1Bに対応し、同相電流発生部1705を構成する第2の電圧電流変換素子1702、第4の電圧電流変換素子1704がトランジスタM01A、M01Bに対応する。電流ミラー回路1706は、トランジスタM02A、M02B、トランジスタM2A、M2Bに対応するもので、入力電流に対して電流の極性を反転し、入力された電流に比例した電流を出力する回路である。
上述したように、OTAの出力インピーダンスは理想的には無限大になる。このため、図1ないし図3に示した回路では、出力の直流バイアスは電源側もしくは接地側に振り切ってしまい、信号を取り出すことができない。そこで出力の直流バイアスを設定するためのCMFB(Common Mode Feed Back)回路が知られている(非特許文献2参照)。
図5はCMFB回路の構成を示す図であり、図5aはCMFB回路の構成を概念的に示すブロック図、図5bは具体的な構成を示す回路図、図5cはCMFB回路の使用例を示すブロック図である。
まず、CMFB回路の動作について図5aを参照して説明する。CMFB回路702を構成する同相バイアス検出回路703はOTA701の出力VOUT+、VOUT-を入力し、これらの同相バイアス成分を出力バイアス制御信号704としてOTA701へフィードバックする。OTA701には制御信号として出力バイアス制御信号704の他にリファレンス信号705が入力されており、OTA701は出力バイアス制御信号704とリファレンス信号705とを比較し、出力バイアス制御信号704が所定の一定のバイアスとなるようにその出力を制御する。
なお、CMFB回路は、図5aに示したようにOTA外部に設けられる同相バイアス検出回路を指し示すこともあるが、同相バイアス検出回路に加えて、出力バイアス制御信号およびリファレンス信号を入力して比較、フィードバックを行うOTA内部の回路を含めていう場合もある。
図5bに示すように、本従来例は、n−mosトランジスタM3A’、M3A、M03A、M2A、M3B’、M3B、M03B、M2B、p−mosトランジスタM04A’、M4A、M04A、M1A、M04B’、M4B、M04B、M1Bにより構成されている。
p−mosトランジスタM1A、M1B、M04A、M04B、M4A、M4Bのそれぞれにはn−mosトランジスタM2A、M2B、M03A、M03B、M3A、M3Bが対応しており、これらの対応するトランジスタはドレインが共通とされて電源と接地との間に設けられてOTAを構成している。p−mosトランジスタM1A、M1B、n−mosトランジスタM2A、M2B、は入力差動対を構成するもので、p−mosトランジスタM1A、M1BのゲートにはVIN+、VIN-が供給されている。トランジスタM1A、M2AのドレインはトランジスタM2A、M03A、M3Aのゲートに接続され、トランジスタM1B、M2BのドレインはトランジスタM2B、M03B、M3Bのゲートに接続されている。
p−mosトランジスタM1A、M1B、M04A、M04B、M4A、M4B、の各ゲートは共通とされてノードVx(前段)とされ、トランジスタM04A、M04Bのドレインと接続されている。トランジスタM3A、M3B、M4A、M4BはOTAの出力段を構成するもので、トランジスタM3A、M3BのドレインがVOUT+の出力ノードとされ、トランジスタM4A、M4BのドレインがVOUT-の出力ノードとされている。
トランジスタM3A’、M3B’、M4A’、M4B’は、CMFB回路を構成するもので、ゲートにリファレンス信号VYが供給されるトランジスタM3A’のソースは接地され、ドレインはトランジスタM3A、M4Aのドレインに接続されている。ゲートにリファレンス信号VYが供給されるトランジスタM3B’のソースは接地され、ドレインはトランジスタM3B、M4Bのドレインに接続されている。ゲートがノードVx(次段)とされるトランジスタM4A’のソースは電源に接続され、ドレインはトランジスタM3A、M4Aのドレインに接続されている。ゲートがノードVx(次段)とされるトランジスタM4B’のソースは電源に接続され、ドレインはトランジスタM3B、M4Bのドレインに接続されている。
図5bにおいて、トランジスタM1A、M1B、M2A、M2Bで構成された回路は、トランジスタM2A、M2BのゲートにVa、Vbを発生するための入力段の回路であって、図3aに示した回路図においてVa、Vbを発生する回路に対応する回路である。その他の図3aに示した回路図に対応する部分は以下の通りである。
図5bにおけるトランジスタM03A、M03B、M04A、M04Bが図3aにおけるトランジスタM01、M02に対応し、図5bにおけるトランジスタM3A,M3B、M4A,M4Bが図3aにおけるトランジスタM1、M2に対応する。また、図5bに示されるトランジスタのうち、図3aには対応するトランジスタがないトランジスタM3A’、M3B’とM4A’、M4B’がCMFB回路の一部を構成する。
次に、図5bに示した回路の動作について説明する。
本従来例におけるOTA部分の動作は図3aを参照して説明した動作と同様である。VIN+、VIN-が入力トランジスタ対M1A、M1Bに入力されると、トランジスタM03A,M03BのゲートにVa、Vbが発生し、電圧電流変換され、ノードVX(前段)で差動成分が除去される。OTAがが2段以上直列に接続されている場合、例えば図5cに示すようにOTA1とOTA2が2段直列に接続されている場合、OTA2のVX(前段)は前段に設けられたOTA1のノードVX(次段)と接続される。本従来例の場合には、OTA2のノードVX(前段)にはOTA1の出力信号の同相バイアス成分が現れる。この同相バイアス成分をOTA1のノードVX(次段)へ返すことによりOTA1の出力同相バイアスに負帰還がかかる。また、このときに、トランジスタM3A’、M3B’のゲートにリファレンス信号VYを供給することにより、出力VOUT+、VOUT-の同相バイアスは所定のバイアスに設定される。
ブラン・ナウタ著、「アナログ シーモス フィルターズ フォア ヴェリー ハイ フレクエンシー」、クルーアー アカデミック パブリッシャーズ出版、1993年、87〜88頁 モヒーディン著、「ノンリニア エフェクト イン スード ディファレンシャル オーティーエーズ ウイズ シーエフエムビー」、アイトリプルイー トランザクション オン サーキッツ アンド システムズ、50巻、第10号、2003年10月、762−769頁(Ahmed Nader Mohieldin, "NonlinearEffects in Pseudo Differential OTAs With CMFB", IEEE Transactions onCircuits and Systems, Vol. 50, No. 10, October 2003, pp. 762-769)
図2に示した従来技術の場合には、入力信号の同相バイアス成分が変化しても、入力トランジスタのソースに接続された電流源によってトランジスタを流れる電流の同相成分は一定であったが高い電源電圧を必要とすることから十分な振幅とすることができないという問題点がある。
図3に示した従来技術の場合には、低い電源電圧で動作を行うことができるものの、入力段となるトランジスタのソースに電流源が無いため、トランジスタを流れる電流の同相成分が入力信号の同相成分に依存して変化する。このため、OTAの出力にその変化分が同相信号として現れてしまうという問題点がある。信号の同相成分が出力に現れると、信号の動作点の変動によって、信号ダイナミックレンジの低下、差動信号の誤差要因など、最悪の場合には発振の原因にもなるため、少なくとも1/10以下の利得になることが望ましいとされ、OTAを使った一般的な回路では信号の同相成分は可能な限り除去するように設計されるが、図3に示した従来技術では同相成分を十分に除去することは困難であった。
図5に示した出力の直流バイアスを設定するためのCMFB回路が設けられたOTAでは、OTAの出力ノードとなるトランジスタM3A、M3B、M4A、M4Bのドレインに、直列接続されたときの次段に設けられたOTAからの同相バイアス成分を示す信号を入力するトランジスタM4A’、M4B’とリファレンス信号を入力するトランジスタM3A’、M3B’とが設けられる。このため、出力ノードには4個のトランジスタが接続され、各トランジスタの出力コンダクタンスや寄生容量が並列に接続されることとなる。これにより、OTAの出力インピーダンスが低下し、OTAとしての特性が劣化してしまうという問題点がある。
本発明は上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、出力に現れる信号の同相成分を低減し、十分な振幅を得ることができるトランスコンダクタンスアンプおよび電圧電流変換方法を実現することを目的とする。
また、本発明は上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、OTAとしての特性の劣化が抑制されたCMFB回路を備えたOTAを実現することを目的とする。
本発明の電圧電流変換方法は、入力された第1の電圧信号と第2の電圧信号との差に比例した第1の電流および第2の電流を出力する電圧電流変換方法であって、
前記第1の電圧信号を第1の電流信号に変換するステップと、
前記第2の電圧信号を第2の電流信号に変換するステップと、
前記第1の電流信号と前記第2の電流信号の同相成分を得るステップと、
前記第1の電流信号および第2の電流信号のそれぞれより前記同相成分を減算することにより第3の電流信号および第4の電流信号を得、さらに、前記第3の電流信号から前記第4の電流信号を減算して第1の出力とし、前記第4の電流信号から前記第3の電流信号を減算して第2の出力するステップと、
を有することを特徴とする。
本発明のトランスコンダクタンスアンプは、第1の電圧信号を電流信号に変換する第1および第2の電圧電流変換素子と、
第2の電圧信号を電流信号に変換する第3および第4の電圧電流変換素子と、
前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号のそれぞれを電流信号に変換し、さらに各電流信号の同相成分に応じた同相電流を発生する同相電流発生部と、
前記第1ないし第4の電圧電流変換素子のそれぞれにて変換された各電流信号から前記同相成分発生部による同相成分を減算する第1の電流回路と、
前記第1の電流回路により前記同相成分が減算された前記第1の電圧電流変換素子による電流信号と前記第3の電圧電流変換素子による電流信号との差を第1の電流出力とする第2の電流回路と、
前記第1の電流回路により前記同相成分が減算された前記第4の電圧電流変換素子による電流信号と前記第2の電圧電流変換素子による電流信号との差を第2の電流出力とする第3の電流回路と、
を有することを特徴とする。
この場合、前記同相電流発生部は、前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号のそれぞれを電流信号に変換する第5の電圧電流変換素子および第6の電圧電流変換素子を備えることとしてもよい。
さらに、前記第1ないし第6の電圧電流変換素子はベースまたはゲートに前記第1の電圧信号または前記第2の電圧信号が供給される第1ないし第6の第1導電型のトランジスタにより構成され、
前記第1の電流回路は、複数の第2導電型のトランジスタにより構成され、前記複数の第2導電型のトランジスタのゲートは共通とされ、前記複数の第2導電型のトランジスタの少なくとも一つはゲートとドレインが短絡されており、
前記第2導電型のトランジスタの出力は前記第1ないし第6の電圧電流変換素子の出力のいずれかと接続されるとしてもよい。
また、前記第1の電流回路は、前記第1ないし第6の電圧電流変換素子とともに電源と接地との間に設けられた第1ないし第6の第2導電型トランジスタより構成され、
前記第2導電型のトランジスタのゲートおよびソースは共通とされ、前記第2導電型のトランジスタの少なくとも一つのトランジスタのゲートとドレインは短絡されており、
前記第2導電型のトランジスタの出力は前記第1ないし第6の電圧電流変換素子の出力とそれぞれ接続されるとしてもよい。
また、前記第5の第1導電型のトランジスタと前記第6の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第1トランジスタであり、
第1ないし第4の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第2トランジスタであり、
前記第5の第2導電型トランジスタと前記第6の第2の導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第3トランジスタであり、
前記第1ないし第4の第2導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第4トランジスタであり、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタの大きさの比が前記第3トランジスタと前記第4トランジスタの大きさの比と等しいとしてもよい。
また、前記第1の第1導電型のトランジスタは第1の電流出力の出力部を構成し、前記第4の第1導電型のトランジスタは第2の電流出力の出力部を構成し、
前記第2の電流回路は、出力が前記第1の第1導電型のトランジスタの出力と共通とされた第7の第1導電型のトランジスタと、出力およびゲートが前記第第3の第1導電型のトランジスタの出力および前記第7の第1導電型のトランジスタのゲートと共通とされた第8の第1導電型のトランジスタとから構成され、
前記第3の電流回路は、出力が前記第2の第1導電型のトランジスタの出力と共通とされた第9の第1導電型のトランジスタと、出力およびゲートが前記第4の第1導電型のトランジスタの出力および前記第9の第1導電型のトランジスタのゲートと共通とされた第10の第1導電型のトランジスタとから構成され、
前記第2,3,5,6の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第1トランジスタであり、
前記第1の第1導電型のトランジスタと前記第4の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第2トランジスタであり、
前記第8の第1導電型のトランジスタと前記第10の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第3トランジスタであり、
前記第7の第1導電型のトランジスタと前記第9の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第4トランジスタであり、
前記第5の第2導電型のトランジスタと前記第6の第2導電型のトランジスタと前記第2の第2導電型のトランジスタと前記第3の第2導電型トランジスタは互いに大きさのそろった第5トランジスタであり、
前記第1の第2導電型トランジスタと前記第4の第2導電型トランジスタは互いに大きさのそろった第6トランジスタであり、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタの大きさの比、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタの大きさの比、および前記第5トランジスタと前記第6トランジスタの大きさの比が等しいとしてもよい。
また、上記のいずれかに記載のトランスコンダクタンスアンプを複数有し、
一のトランスコンダクタンスアンプに設けられ、前記一のトランスコンダクタンスアンプにおける第1の電流出力と第2の電流出力との差を第1の電流出力として出力する第4の電流回路と、
他のトランスコンダクタンスアンプに設けられ、他のトランスコンダクタンスアンプにおける第2の電流出力と第1の電流出力との差を第2の電流出力として出力する第5の電流回路と、
を有することとしてもよい。
さらに、前記同相電流発生部は、第3の電圧信号がベースまたはゲートに供給された第7の電圧電流変換素子を備え、前記同相電流として前記第3の電圧信号に応じたバイアス電流を含む同相電流を出力するとしてもよい。
また、前記第1の電流回路が前記第2の電流回路に供給するリファレンス電流に加算される第1のバイアス電流を発生する第1のバイアス電流発生素子と、
前記第1の電流回路が前記第3の電流回路に供給するリファレンス電流に加算される第2のバイアス電流を発生する第2のバイアス電流発生素子と、
を有するとしてもよい。
本発明のフィルタ回路は上記のトランスコンダクタンスアンプである第1および第2のトランスコンダクタンスアンプを用いて構成された一次のフィルタ回路であって、
前記第1および第2のトランスコンダクタンスアンプと容量からなり、第1のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子のそれぞれは、第2のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子に接続されるとともに容量を介して接地され、第2のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子は第2のトランスコンダクタンスアンプの反転入力端子および入力端子に接続される。
本発明の他の形態によるフィルタ回路は上記のトランスコンダクタンスアンプである第1ないし第4のトランスコンダクタンスアンプを用いて構成された4次のフィルタ回路であって、
第1ないし第4のトランスコンダクタンスアンプにより構成され、第1のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子のそれぞれは、第2のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子に接続されるとともに容量を介して接地され、該第2のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子のそれぞれは、第2のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子に接続されるとともに容量を介して接地され、該第3のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子は該第3のトランスコンダクタンスアンプの反転入力端子および入力端子に接続され、第4のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子は第2のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子と接続され、第4のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子は第2のトランスコンダクタンスアンプの反転入力端子および入力端子と接続される。
本発明のさらに他の形態によるフィルタ回路は上記の一次のフィルタ回路1個と、上記の4次のフィルタ回路2個が直列に接続される。
本発明による電圧発生回路は、上記のトランスコンダクタンスアンプを用いて構成された電圧発生回路であって、
前記トランスコンダクタンスアンプは、出力端子および反転出力端子が反転入力端子および入力端子に接続され、
前記トランスコンダクタンスアンプの一方の出力部を交流的に接地する容量を有することを特徴とする。
本発明の他の形態による電圧発生回路は、上記のトランスコンダクタンスアンプを用いて構成された電圧発生回路であって、
第1および第2のトランスコンダクタンスアンプおよび容量から構成され、第1のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子は第2のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子に接続されるとともに第1のトランスコンダクタンスアンプの反転入力端子および入力端子に接続され、第1のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子はそれぞれ容量を介して入力に接続され、第2のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子のそれぞれは出力とされることを特徴とする電圧発生回路。
本発明の電流制御発振器は、上記の電圧発生回路を用いて構成された電流制御発振器であって、
電源と接地間に直列に設けられた複数の抵抗と、
前記複数の抵抗と前記電圧発生回路の入力との間に設けられ、前記複数の抵抗により分圧された電圧を選択的に前記電圧発生回路の入力とするスイッチ群と、
前記直列に設けられた複数の抵抗の端部電圧と前記電圧発生回路出力とを比較する第1および第2のコンパレータと、
前記第1および第2のコンパレータ出力により状態が変化し、その出力が発振周波数とされるとともに前記スイッチ群の切替制御信号とされるフリップフロップと、を有する。
本発明のPLL回路は上記の電流制御発振器を用いて構成されたPLL回路であって、
前記電流制御発振器は、電流制御信号により発信周波数が制御される電流制御発振器と、
基準周波数信号と前記電流制御発振器出力とを入力し、これらの位相差に応じた信号を出力する位相検出器と、
前記位相検出器出力を電流に変換して前記電流制御発振器の制御信号入力端子へ供給する電圧電流変換器とを有する。
上記のように構成される本発明においては、同相電流発生回路では同相成分の電流だけが出力される。この同相成分の電流を第1の電流ミラー回路で分配し、各電圧電流変換素子の出力から差し引くことにより、各出力を差動成分の電流だけとする。この場合、各出力には第1の電流ミラー回路で生じる同相成分に依存した量の誤差成分が加わるが、これらの誤差成分は、第2の電流ミラー回路および第3の電流ミラー回路によって除去される。
本発明では同相成分の利得が低減された出力とすることができるため、十分な振幅を得ることができるとともに設計の自由度を高くすることができる効果がある。
また、上記のように構成される本発明においては、出力段には帰還信号伝達手段、具体的には電流ミラー回路またはトランジスタの出力部のみが接続されるので、トランスコンダクタンスアンプの出力段を構成するトランジスタ以外には、1つのトランジスタのみが接続されることとなる。このため、従来よりも接続されるトランジスタの個数が減り、OTAとしての特性の劣化が抑制されたCMFB回路を備えたOTAが実現できる。
トランスコンダクタンスアンプの基本構成を示す図である。 相互コンダクタンスGが制御されるOTAでありデジェネレイテッド差動型のOTAの具体的な構成を示す回路図である。 擬似差動入力型のOTAの構成を示す回路図である。 擬似差動入力型のOTAの出力段の構成を示す等価回路図である。 図3に示した擬似差動入力型のOTAを機能ブロックにて示した図である。 CMFB回路の構成を概念的に示すブロック図である。 CMFB回路の具体的な構成を示す回路図である。 CMFB回路の使用例を示すブロック図である。 本発明による第1の実施の形態の構成を示す等価回路図である。 本発明による第1の実施の形態の構成を示す回路図である。 本発明による第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明による第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明による第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明による第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明による第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明による第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明による第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明による第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明による第1の実施の形態の効果を説明するための図である。 本発明による第1の実施の形態の第1の変形例を示す回路図である。 本発明による第1の実施の形態の第2の変形例を示す回路図である。 本発明による第2の実施の形態の構成を示す等価回路図である。 本発明による第2の実施の形態の構成を示す回路図である。 本発明による第3の実施の形態の構成を示す等価回路である。 本発明による第4の実施の形態の構成を示す等価回路図である。 本発明による第4の実施の形態の構成を示す回路図である。 本発明による第5の実施の形態の構成を示す回路図である。 本発明による第6の実施の形態の構成を示す回路図である。 本発明による第7の実施の形態の構成を示す回路図である。 本発明による第8の実施の形態の構成を示す回路図である。 本発明による第9の実施の形態の構成を示す回路図である。 本発明による第10の実施の形態を示す図である。 図29a中の一次フィルタ241の構成を示す回路図である。 図29a中の4次フィルタ242、243の構成を示す回路図である。 本発明による第11の実施の形態のPLL回路構成を示すブロック図である。 図30a中の電流制御発振器255の構成を示す回路図である。 図30bに示される比較電圧発生回路257の構成を具体的に示す回路図である。 本発明による第12の実施形態の構成を示す回路図である。 本発明による第13の実施形態の構成を示す回路図である。 本発明による第14の実施形態の構成を示す回路図である。 本発明による第15の実施の形態のフィルタ構成を示すブロック図である。 図34a中の一次フィルタ241の構成を示す回路図である。 図34a中の4次フィルタ242、243の構成を示す回路図である。 本発明による第16の実施の形態のPLL回路構成を示すブロック図である。 図35a中の電流制御発振器255の構成を示す回路図である。
符号の説明
101 第1の電圧電流変換素子
102 第2の電圧電流変換素子
103 第3の電圧電流変換素子
104 第4の電圧電流変換素子
105 第5の電圧電流変換素子
106 第6の電圧電流変換素子
107 同相電流発生部
108 第1の電流ミラー回路
109 第2の電流ミラー回路
110 第3の電流ミラー回路
03A、M3A、M5A、M6A、M7A、M03B、M3B、M5B、M6B、M7B n−mosトランジスタ
04A、M4A、M8A、M04、M4B、M8B 、p−mosトランジスタ
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図6および図7は本発明による第1の実施の形態の構成を示す図であり、図6は等価回路、図7は回路図である。
本実施の形態は、図6の等価回路に示されるように、第1〜第6の電圧電流変換素子101〜106、同相電流発生部107、第1〜第3の電流ミラー回路108〜110により構成されている。
図6の構成を図7に示される具体的な回路に置き換えると、第1〜第6の電圧電流変換素子101〜106はn−mosトランジスタM1F、M1C、M1B、M1E、M1D、M1A、により構成されている。第1の電流ミラー回路はp−mosトランジスタM2A〜M2Fにより構成されている。第2の電流ミラー回路はn−mosトランジスタM3C、M3Dにより構成され、第3の電流ミラー回路はn−mosトランジスタM3A、M3Bにより構成されている。また、同相電流発生部107は第2の電圧電流変換素子102(M1C)および第5の電圧電流変換素子105(M1D)より構成されている。
トランジスタの大きさについていうと、第1の実施の形態においては、トランジスタM1A〜M1Fの各トランジスタの大きさは同じとしているが、トランジスタM2A〜M2FはトランジスタM1A〜M1Fと異なる大きさであってもよい。また、トランジスタM3A、M3Bは異なる大きさであってもよい。なお、トランジスタM1A〜M1Fの各トランジスタの大きさは、下記に示す変形例のように目的に応じて異なる大きさに変更してもよい。
p−mosトランジスタM2A〜M2Fのソースおよびゲートは共通とされ、ソースは電源に接続されている。p−mosトランジスタM2A〜M2Fの各ドレインは、n−mosトランジスタM1F、M1C、M1A、M1B、M1E、M1Aの各ドレインに接続されている。n−mosトランジスタM1A〜M1F、M3A〜M3Dのソースは接地されている。第2の電流ミラー回路を構成するn−mosトランジスタM3C、M3Dのドレインはp−mosトランジスタM2E、M2Fのドレインに接続され、ゲートは共通にn−mosトランジスタM3Cのドレインに接続されている。第3の電流ミラー回路を構成するn−mosトランジスタM3A、M3Bのドレインはp−mosトランジスタM2A、M2Bのドレインに接続され、ゲートは共通にn−mosトランジスタM3Bのドレインに接続されている。同相電流発生部107を構成するn−mosトランジスタM1C、M1Dの各ゲートはn−mosトランジスタM1B、M1Eの各ゲートとそれぞれ接続され、ドレインはp−mosトランジスタM2A〜M2Fの各ゲートに共通に接続されている。
なお、ドレイン、ゲート、ソースがそれぞれ接続されているトランジスタ、例えば、p−mosトランジスタM2CとM2Dは、図7に示すように別々に設けることも可能であるが、大きさを2倍にして1つとすることも可能である。p−mosトランジスタM2CとM2Dを1つとした場合には第1の電流ミラー回路は5個のp−mosトランジスタにより構成されることとなる。
上記のように構成される回路において、信号電圧VaおよびVbは、第1〜第6の電圧電流変換素子によって電流に変換される。同相電流発生回路107は入力信号の同相成分に比例した電流を出力する。第1の電流ミラー回路はこの同相成分に比例した電流の特性を反転し、第1、第3、第4、第6の電圧電流変換素子の出力から差し引く。この減算された信号のうち、一方は第2および第3の電流ミラー回路で電流の極性が反転されて他方から差し引かれ、出力IOUT1、IOUT2が得られる。
本実施の形態において、信号電圧VaおよびVbに対応して電圧電流変換された信号は、同相成分の電流と差動成分の電流が加算されている。同相電流発生回路では、第2、第5の電圧電流変換素子の出力が短絡されているために差動成分の電流が除去され、同相成分の電流だけが出力される。この同相成分の電流を第1の電流ミラー回路で分配し、第1、第4、第3、第6の電圧電流変換素子の出力から差し引くことにより、各出力を差動成分の電流だけとする。しかしながら、一般的にトランジスタで構成された回路は、トランジスタの出力コンダクタンスが有限であり、このため、本実施の形態における第1の電流ミラー回路の出力には同相成分の電流の他に同相成分に依存した量の誤差成分が加わってしまう。これにより、第1、第4、第3、第6の電圧電流変換素子の出力にはすべて同じ量の誤差成分が加わってしまう。本実施の形態では、第1、第4の電圧電流変換素子の出力に含まれる誤差成分は、第2の電流ミラー回路によって除去され、第3、第6の電圧電流変換素子の出力に含まれる誤差成分は、第3の電流ミラー回路によって除去され、これら除去された出力をそれぞれ出力IOUT1、出力IOUT2とする。従って、本実施の形態では同相成分に起因する誤差成分を低減することができ十分な振幅を得ることが可能となる。
上記の効果を同相成分の利得を計算することにより説明する。
まず、ダイオードモデルについて解析する。図8はn−mosトランジスタ、P−mosトランジスタの等価回路であり、電流の関係は以下の(1)式で表される。
Figure 0004711092
ここで、gm、goは、それぞれトランジスタの相互コンダクタンス、出力コンダクタンスを表している。以降特に断らない限り、トランジスタの相互コンダクタンス、出力コンダクタンスはgm、goに添え字を付加して表す。
図9はダイオード付加からなるソース接地回路の等化回路であり、入力電圧viと出力電圧voの関係は以下の(2)式で表される。
Figure 0004711092
図10は、図3に示した回路の片側部分のみを示す回路図、図11はその等価回路図である。
図10に示す回路において、入力(同相入力)Viと出力V01との関係は、下記に示す(3)式のように表される。
Figure 0004711092
ここで、gm1はM1A、M01Aの相互コンダクタンスを、gm2はM2A、M02Aの相互コンダクタンスをそれぞれ表し、g01はM1A、M01Aの出力コンダクタンスを、g02はM2A、M02Aの出力コンダクタンスをそれぞれ表している。
図11に示す等価回路と(3)式より、式を展開して利得を導出する。
Figure 0004711092
ここで、一般的にトランジスタの相互コンダクタンスgmは出力コンダクタンスgoの10〜100倍以上大きいため、gm≫goとして(4)式はを簡略化すると、次のように表される。
Figure 0004711092
以上より、図3に示した例では、トランジスタM1A、M01A、M2A、M02Aの相互コンダクタンスgm1、gm2の値を等しく選ぶと、(5)式より、入力信号に対する出力の同相利得はおよそ−1倍となる。また、仮に(2)式が−1/10となるようにトランジスタ M1A、M01A、M2A、M02Aの相互コンダクタンスgm1、gm2の値を選ぶとすると、相互コンダクタンスgmはトランジスタの大きさに比例するため、p−chトランジスタとn−chトランジスタの形状を1:10とする必要がある。トランジスタの大きさは、電源電圧の低下、ノイズマージン、トランジスタ性能のばらつき等を考慮に入れて決定されるが、さらに上記のような比とすることが条件とされることでさらに設計が困難なものとなる。
次に、本実施の形態のOTAについて解析する。図12は図7に示した回路の片側部分のみを示す回路図である。解析のために、トランジスタM2C、M3Bのトランジスタを図13に示すように負荷ZM2、ZM3とおく。
まず、vo1を導出する。(2)式の導出と同様に図14に示す等価回路について考えると入出力の関係は次のようになる。
Figure 0004711092
次に、vo2を導出する。ZM3を用いた図15に示す等価回路について考えると入出力の関係は次のようになる。
Figure 0004711092
次に、上記のようにして求めたvo1、vo2を用いてvo3を導出する。等価回路は図16に示すものとなり、入出力の関係は次のようになる。
Figure 0004711092
o1+go2=Aとおいて、
Figure 0004711092
Aを代入すると以下のようになる。
Figure 0004711092
o1+go2≪gm2,go1+go2+go3≪gm3とすると、
Figure 0004711092
Figure 0004711092
ここで、gm1、gm2、gm3はトランジスタM1A,M1B,M1C、M2A,M2B,M2C、M3A,M3Bの相互コンダクタンスを表し、g01、g02、g03はトランジスタM1A,M1B,M1C、M2A,M2B,M2C、M3A,M3Bの出力コンダクタンスを表している。一般にトランジスタの相互コンダクタンスは出力コンダクタンスに比べて10〜100倍以上大きいため、(9)式は、(10)式のように簡略化することができる。
ここで、本実施の形態の回路と図3を用いて説明した従来技術との比較をするために、図3のトランジスタと図7のトランジスタのgm1、gm2を同一とし、(4)式と(8)式の比をとると次のようになる。
Figure 0004711092
Figure 0004711092
(11)式から明らかなように、トランジスタの相互コンダクタンスgmが出力コンダクタンスgoに比べて10〜100倍以上大きいとすると、同相成分の利得を1/5〜1/50に低減することができることが分かる。したがって、本実施の形態の回路構成を用いた場合には、同相利得によるトランジスタ大きさの制限を意識することなく設計を行うことができ、設計の自由度が向上する。
なお、本実施の形態において、回路を構成するトランジスタはp−mosトランジスタ、n−mosトランジスタにより構成するものとして説明したが、JFET、バイポーラトランジスタ、により構成することとしてもよい。また、図7に示されるp−mosトランジスタをn−mosトランジスタとし、n−mosトランジスタをp−mosトランジスタとしてもよい。他の実施の形態についても同様である。
(第1の実施の形態の変形例1)
図17は第1の実施の形態の変形例を示す回路図である。図17において第1の実施の形態と異なる点は、同相電流発生部を構成する第2の電圧電流変換素子と第5の電圧電流変換素子を他の電圧電流変換素子よりも小さくしている点である。ここでは、トランジスタM1CとM1Dのトランジスタの大きさ(=W/L)をaとし、トランジスタM1A、M1B、M1E、M1Fの大きさを2aとしている。トランジスタM3A,M3B,M3C、M3Dの大きさはトランジスタM1C、M1D、トランジスタM1A、M1B、M1E、M1Fとは無関係に決められるがここでは2aとしている。
また、第1の電流ミラー回路を構成するトランジスタM2C、M2Dの大きさも同様にaであり、トランジスタM2A、M2B,M2E,M2Fの大きさは2aである。すなわち、同相電流発生回路を構成するトランジスタM1C、M1Dの大きさと他の電圧電流変換素子であるトランジスタM1A、M1B、M1E、M1Fの大きさの比を1:2とし、第1のミラー回路のうちトランジスタM1C、M1Dと接続するトランジスタM2C、M2Dの大きさと、他のトランジスタM2A、M2B,M2E,M2Fの大きさの比も同様に1:2となるように構成している。
このような構成により、同相電流発生部107を流れる電流を小さくすることができ、入力インピーダンスを低減することが可能となる。また、出力段を構成するトランジスタ(M1A,M2A,M3A,M1F,M2F,M3D)に関わらないトランジスタを小さくすることにより消費電力を低減することができる。
また、本実施例では(トランジスタM1C、M1D):(トランジスタM1A、M1B、M1E、M1F、M3A,M3B,M3C、M3D)の大きさの比を1:2としたが、1:n(n>1)であればどのような大きさで構成してもよい。またM3A,M3B,M3C、M3Dの大きさは無関係に設定可能である。
(第1の実施の形態の変形例2)
図18は第1の実施の形態の変形例を示す回路図である。図18において第1の実施の形態と異なる点は、トランジスタM1C、M1B、M1D、M1E の大きさをaとし、トランジスタM1A、M1Fの大きさを2aとしてこれらの比が1:2となるものとし、トランジスタM3B、M3Cの大きさをbとし、とトランジスタM3A、M3Dの大きさを2bとしてこれらの比が1:2となるものとし、トランジスタM2C、M2D、M2B,M2Eの大きさをcとし、トランジスタM2A、M2Fの大きさを2cとしてこれらの比が1:2となるように構成している。
このような構成により、一部のトランジスタの面積の縮小を図れるため、第1の実施の形態と同様の効果を有しつつ、全体の回路面積を小さくできるという効果を得ることができる。また、本実施例では大きさの比を2:1としたが、第1の実施の形態の変形例1と同様にn:1(n>1)とすることもでき、トランジスタの大きさについても同様に変化させることができる。
なお、n−mosトランジスタとしてノイズ低減に効果があるウェル分離型を用いてもよい。
以上のトランジスタに関する内容は、以下に説明する各実施の形態においても同様である。
(第2の実施の形態)
図19および図20は本発明による第2の実施の形態の構成を示す図であり、図19は等価回路、図20は回路図である。
本実施の形態は、第1の実施の形態の同相電流発生部107に第7の電圧電流変換素子401を設けて同相電流発生部107’としたものである。第7の電圧電流変換素子401は図20に具体的に示す回路図では、ソース接地されたn−mosトランジスタM4となる。n−mosトランジスタM4のドレインはp−mosトランジスタM2A〜M2Fの各ゲートに共通に接続され、ゲートにはバイアス電圧Vcが入力されている。
第1の実施の形態の場合、第1の電流ミラー回路108の出力電流に含まれる誤差成分が非常に小さな場合には、トランジスタM2A〜M2Fを流れる電流とトランジスタM1A〜M1Fを流れる電流とがほとんど同一となる。この状態では第2の電流ミラー回路109、第3の電流ミラー回路110を構成するトランジスタM3A〜M3Dにバイアス電流が流れないこととなり、信号の半波だけにトランジスタM3A〜M3Dに電流が流れることとなり、信号に損失が生じる。
本実施の形態においては、第1の電流ミラー回路108の入力に第7の電圧電流変換素子を設けて第1の電流ミラー回路108の入力に信号とは無関係な直流電圧Vcを供給することにより、トランジスタM2A〜M2Fを流れる電流がトランジスタM1A〜M1Fを流れる電流よりも常に大きなものとすることができる。ここでいう直流電圧Vcは接地点から電源電圧までの値であればどの大きさの電圧を与えてもよい。この結果、第2の電流ミラー回路109、第3の電流ミラー回路110を構成するトランジスタM3A〜M3Dにバイアス電流が流れにくいという問題を解決することができ、差動信号を半波だけでなく全波処理することができ、信号に損失が生じにくくなる。
(第3の実施の形態)
図21は本発明による第3の実施の形態の構成を示す等価回路である。
本実施の形態は、図6に示した第1の実施の形態の第1〜第6の電圧電流変換素子101〜106、同相電流発生部107、第1〜第3の電流ミラー回路108〜110により構成されるOTAに加えて、これと同じ構成のOTAを設けた構成としたものである。第7〜第12の電圧電流変換素子101’〜106’、同相電流発生部107’、第5〜第7の電流ミラー回路108’〜110’のそれぞれは、第1〜第6の電圧電流変換素子101〜106、同相電流発生部107、第1〜第3の電流ミラー回路108〜110と同様に動作するものである。
本実施の形態において、IOUT1を出力するOTAの第3の電流ミラー回路110と出力の間には第4の電流ミラー回路601が設けられ、IOUT2を出力するOTAの第6の電流ミラー回路109’と出力の間には第8の電流ミラー回路601’が設けられ、各電流ミラー回路により同相成分が除去されるため、さらに同相利得低減効果が向上したものとなっている。
(第4の実施の形態)
図22および図23は本発明による第4の実施の形態の構成を示す図であり、図22は等価回路、図23は回路図である。
本実施の形態は、第1の実施の形態に第8の電圧電流変換素子701、第9の電圧電流変換素子702を設けたものである。第8の電圧電流変換素子701、第9の電圧電流変換素子702は図23に具体的に示す回路図では、p−mosトランジスタM4B、M4Aとして示される。p−mosトランジスタM4Bは、ソースが電源に接続され、ドレインが第2の電流ミラー回路を構成するM3C、M3Dのゲートに接続され、p−mosトランジスタM4Aは、ソースが電源に接続され、ドレインが第3の電流ミラー回路を構成するM3A、M3Bのゲートに接続されている。p−mosトランジスタM4B、M4Aのゲートにはバイアス電圧Vcが入力されている。
上述したように、第1の実施の形態の場合、第1の電流ミラー回路108の出力電流に含まれる誤差成分が非常に小さな場合には、第2の電流ミラー回路109、第3の電流ミラー回路110を構成するトランジスタM3A〜M3Dにバイアス電流が流れないこととなり、信号の半波だけにトランジスタM3A〜M3Dに電流が流れることとなり、信号に損失が生じる。
本実施の形態においては、第2の電流ミラー回路109、第3の電流ミラー回路110の入力に第8の電圧電流変換素子701、第9の電圧電流変換素子702を設けて第2の電流ミラー回路109、第3の電流ミラー回路110の入力に信号とは無関係な直流電圧Vcを供給することにより、第2の電流ミラー回路109、第3の電流ミラー回路110を構成するトランジスタM3A〜M3Dにバイアス電流が流れないという問題を改善することができ、差動信号を半波だけでなく全波処理することができ、信号に損失が生じにくくなる。
(第5の実施の形態)
図24は本発明による第5の実施の形態の構成を示す回路図である。
本実施の形態は、図7に示した第1の実施の形態においてp−mosトランジスタM2A〜M2Fにより構成されていた第1の電流ミラー回路108について、p−mosトランジスタM2A〜M2Fと同じ構成のp−mosトランジスタM2A’〜M2F’を電源との間に設けて二段構成とし、第1の電流ミラー回路108’としたものである。
近年のトランジスタには、閾値電圧が低いものが開発されており、本実施の形態はこのようなトランジスタを第1の電流ミラー回路を構成するトランジスタとして使用するものである。トランジスタを二段構成とすることにより、電源電圧に占める振幅幅の割合が低くなるものの、出力インピーダンスを高くすることができ、増幅精度が向上される。
(第6の実施の形態)
図25は本発明による第6の実施の形態の構成を示す回路図である。
本実施の形態も第5の実施の形態と同様に閾値電圧の低いトランジスタを使用することを前提とするものである。
本実施の形態は、図7に示した第1の実施の形態においてn−mosトランジスタM3C、M3Dにより構成されていた第2の電流ミラー回路109およびn−mosトランジスタM3A、M3Bにより構成されていた第3の電流ミラー回路110について、n−mosトランジスタM3C、M3Dおよびn−mosトランジスタM3A、M3Bと同じ構成のn−mosトランジスタM3C’、M3D’およびn−mosトランジスタM3A’、M3B’を接地との間に設けて二段構成とし、第2の電流ミラー回路109’および第3の電流ミラー回路110’としたものである。本実施の形態においても第5の実施の形態と同様に増幅精度が向上される。
(第7の実施の形態)
図26は本発明による第7の実施の形態の構成を示す回路図である。
本実施の形態は図24に示した第5の実施の形態と図25に示した第6の実施の形態を組み合わせたもので、図7に示した第1の電流ミラー回路108を図24に示した電流ミラー回路108’とし、図7に示した第2の電流ミラー回路109および第3の電流ミラー回路110を図25に示した第2の電流ミラー回路109’および第3の電流ミラー回路110’としたものである。本実施の形態においては第5の実施の形態の効果と第6の実施の形態の効果が相乗されたものとすることができる。
なお、上述した第5ないし第7の実施例において、各電流ミラー回路を二段構成とする例について説明したが、しきい値電圧の低下に応じてさらに多段の構成とすることもでき、このような構成としても当然よい。
(第8の実施の形態)
図27は本発明による第8の実施の形態の構成を示す回路図である。
本実施の形態は、図10に示した第2の実施の形態においてn−mosトランジスタにて構成されていた、第7の電圧電流変換素子401、第2の電流ミラー回路109および第3の電流ミラー回路110をp−mosトランジスタにて構成される第7の電圧電流変換素子401’、第2の電流ミラー回路109’および第3の電流ミラー回路110’としたものである。
第7の電圧電流変換素子401’であるp−mosトランジスタM4”は、ゲートにはバイアス電流を作るための直流電圧Vcが印加され、ソースが電源に接続され、ドレインは第1の電流ミラー回路を構成するp−mosトランジスタM2A〜M2Fのゲートに接続されている。
第2の電流ミラー回路109’を構成するp−mosトランジスタM3C”、M3D”の各ソースは電源に接続され、各ゲートはp−mosトランジスタM2Eおよびn−mosトランジスタM1Eのドレインに接続されている。p−mosトランジスタM3C”のドレインはp−mosトランジスタM3C”、M3D”の各ゲートに接続され、p−mosトランジスタM3D”のドレインはp−mosトランジスタM2Fおよびn−mosトランジスタM1Fのドレインに接続されている。
第3の電流ミラー回路110’を構成するp−mosトランジスタM3A”、M3B”の各ソースは電源に接続され、各ゲートはp−mosトランジスタM2Bおよびn−mosトランジスタM1Bのドレインに接続されている。p−mosトランジスタM3B”のドレインはp−mosトランジスタM3A”、M3B”の各ゲートに接続され、p−mosトランジスタM3A”のドレインはp−mosトランジスタM2Aおよびn−mosトランジスタM1Aのドレインに接続されている。
上記のように構成される本実施の形態においても第2の実施の形態と同様に、第1の電流ミラー回路108の入力に第7の電圧電流変換素子107’を設けて第1の電流ミラー回路108の入力に信号とは無関係な直流電圧Vcを供給することにより、トランジスタM2A〜M2Fを流れる電流がトランジスタM1A〜M1Fを流れる電流よりも常に大きなものとすることができる。この結果、第2の電流ミラー回路109’、第3の電流ミラー回路110’を構成するトランジスタM3A〜M3Dにバイアス電流が流れにくいという問題を改善することができ、差動信号を半波だけでなく全波処理することができ、信号に損失が生じにくくなっている。
(第9の実施の形態)
図28は本発明による第9の実施の形態の構成を示す回路図である。
本実施の形態は、図7に示した第1の実施の形態における同相電流発生部107を電流ミラー回路により構成された同相電流発生部107”とし、図9に示した第7の電圧電流変換素子としての機能を持たせたものである。
同相電流発生部107”には、図7に示した同相電流発生部107の構成に加えて、n−mosトランジスタM4A’、M4B’が設けられている。n−mosトランジスタM4A’、M4B’の各ソースは接地され、各ドレイン、および直流電圧Vcが供給される各ゲートは、n−mosトランジスタM1C、M1D’のドレインと共通にp−mosトランジスタM2A〜M2Fのゲートに接続されている。
上記のように構成される本実施の形態において、n−mosトランジスタM4A’、M4B’のゲートにリファレンス電流Irefを流し込むことによって、第2の実施の形態と同様に、トランジスタM2A〜M2Fを流れる電流がトランジスタM1A〜M1Fを流れる電流よりも常に大きなものとすることができる。この結果、第2の電流ミラー回路109、第3の電流ミラー回路110を構成するトランジスタM3A〜M3Dにバイアス電流が常に流れにくいという問題を改善することができ、差動信号を半波だけでなく全波処理することができ、信号に損失が生じにくくなっている。
上述した各実施の形態のうち、組み合わせ可能な実施の形態について組み合わせることにより各実施の形態における効果が相乗したものとすることができる。例えば、第2、第4、第8、第9の実施の形態に示されるバイアス電流を加算する構成を第5ないし第7の実施の形態に示される電流ミラー回路を多段とする構成と組み合わせることや、さらに、これらによるトランスコンダクタンスアンプを第2の実施の形態に示されるように二重構成としても当然よく、本発明にはこれらの構成も含まれる。
(第10の実施の形態)
図29は第10の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、第1ないし第9の実施の形態のトランスコンダクタンスアンプをフィルタ回路に用いている。本実施の形態は、図29aに示すように、一次フィルタ241と4次フィルタ242、243を直列に接続したものである。
各フィルタは、第1ないし第9の実施の形態のいずれかの構成を備えるトランスコンダクタンスアンプと容量からなるGm−Cフィルタであり、一次フィルタ241は図29bに示すようにトランスコンダクタンスアンプ244、245および容量から構成され、4次フィルタ242、243は図29cに示すように4個のトランスコンダクタンスアンプ246〜249および容量から構成されている。
一次フィルタ241を構成するトランスコンダクタンスアンプ244の出力端子および反転出力端子のそれぞれは、トランスコンダクタンスアンプ245の入力端子および反転入力端子に接続され、また容量を介して接地されている。また、トランスコンダクタンスアンプ245の出力端子および反転出力端子はトランスコンダクタンスアンプ245の反転入力端子および入力端子に接続されて負帰還がかけられている。
4次フィルタ242または243を構成するトランスコンダクタンスアンプ246の出力端子および反転出力端子のそれぞれは、トランスコンダクタンスアンプ248の入力端子および反転入力端子に接続され、また容量を介して接地されている。トランスコンダクタンスアンプ248の出力端子および反転出力端子のそれぞれは、トランスコンダクタンスアンプ249の入力端子および反転入力端子に接続され、また容量を介して接地されている。トランスコンダクタンスアンプ249の出力端子および反転出力端子はトランスコンダクタンスアンプ249の反転入力端子および入力端子に接続されて負帰還がかけられている。トランスコンダクタンスアンプ247の入力端子および反転入力端子はトランスコンダクタンスアンプ248の出力端子および反転出力端子と接続され、トランスコンダクタンスアンプ247の出力端子および反転出力端子はトランスコンダクタンスアンプ248の反転入力端子および入力端子と接続されている。
一次フィルタ241と4次フィルタ242、243を第1ないし第9の実施の形態のトランスコンダクタンスアンプおよび容量を用いて構成することにより、出力に現れる信号の同相成分が低減されたフィルタを構成することができた。また、一次フィルタ241と4次フィルタ242、243とを組み合わせることは必須ではなく、これらを単独のフィルタとして用いても当然よい。
(第11の実施の形態)
図30は第11の実施の形態を示す図である。本実施の形態では第9の実施の形態のトランスコンダクタンスアンプを用いてGm-C型の電流制御発振器を構成し、それを周波数制御ループに適用することによりPLL回路を構成している。
図30aは周波数制御ループを用いたPLL回路の構成を示している。本実施の形態のPLL回路は、位相検出器251、チャージポンプ回路252、ループフィルタ253、電圧電流変換器254、電流制御発振器255およびコアフィルタ256から構成されている。
位相検出器251は外部からの基準周波数信号S1と電流制御発振器255とを入力し、これらの位相差に応じた信号を出力する。位相検出器251の出力信号はチャージポンプ回路252で増幅され、ループフィルタ253で高周波成分の除去が行われた後に電圧電流変換器254にて電流に変換され、電流制御信号S2として電流制御発振器255およびコアフィルタ256へ出力される。
電流制御発振器255は電流制御信号S2の値に応じてその発振周波数が制御され、コアフィルタ256は電流制御信号S2の値に応じて周波数応答特性が変化する。
図30bは電流制御発振器255の構成を示す回路図である。
図30bに示される電流制御発振器255は、比較電圧発生回路257、コンパレータ2581、2582、RSフリップフロップ259および電源と接地との間に設けられた抵抗R2、R1、R2と、RSフリップフロップ259によりその開閉状態が制御され、各抵抗により分圧された電圧を選択的に比較電圧発生回路257へ供給するスイッチから構成されている。比較電圧発生回路はトランスコンダクタンスアンプgmmと容量Cmから構成されている。
RSフリップフロップ259の前段に設けられるコンパレータ2581、2582は、比較電圧発生回路257の出力電圧VgmをVhとVlと比較し、その結果に応じてRSフリップフロップ259の状態を切り替える。RSフリップフロップ259がセット、リセットされてその出力が変化することにより比較電圧発生回路257の入力電圧が変化し、容量Cmに充放電が行われて比較電圧発生回路257の出力電圧Vgmが変化する。この動作は電流制御発振器255の発振周波数の半周期ごとに繰り返され、RSフリップフロップ259出力が電流制御発振器255出力として位相検出器251へ出力される。
電流制御発振器255の発振周波数tOSCは、トランスコンダクタンスアンプgmmの相互コンダクタンスをgmuとし、図30bに破線矢印で示すスイッチング経路における遅延をtdとおくと、
OSC=2×(1/(gmu/Cm)×(R1/(R1+2×R2))+td
と推定される。電流制御発振器255の発振周波数tOSCについて支配的なのは相互コンダクタンスと容量の比であるgmu/Cmとスイッチング経路における遅延tdである。抵抗の比であるR1/(R1+2×R2)は比較電圧発生回路257への入出力電圧の比を決定するものであり、電流制御発振器255の発振周波数tOSCについては直接関係しない。言い換えると、電流制御発振器255は処理工程や温度、供給電圧により影響を受けることがない。このことは調整される発振精度が理想的であることを意味する。
図30cは図30bに示される比較電圧発生回路257の構成を具体的に示す回路図である。
比較電圧発生回路257はトランスコンダクタンスアンプgmmを構成するトランスコンダクタンスアンプ260、261および容量Cmから構成されている。トランスコンダクタンスアンプ260の出力端子および反転出力端子はトランスコンダクタンスアンプ261の入力端子および反転入力端子に接続されるとともにトランスコンダクタンスアンプ260の反転入力端子および入力端子に接続されて負帰還がかけられている。トランスコンダクタンスアンプ260の入力端子および反転入力端子はそれぞれ容量C1、C2を介して比較電圧発生回路257の入力端子に接続され、トランスコンダクタンスアンプ261の出力端子および反転出力端子のそれぞれは比較電圧発生回路257の出力端子とされる。
トランスコンダクタンスアンプ260、261のそれぞれは第9の実施の形態によるトランスコンダクタンスアンプであり、それぞれには電流Irefとして電流制御信号S2が制御信号入力端子に供給されている。上記のようにトランスコンダクタンスアンプ260に負帰還がかかるように接続することにより電流制御信号S2の値に応じて出力段を流れる電流が制御され、出力の信号バイアスが制御される。信号バイアスが制御される結果、相互コンダクタンスが変化し、電流制御発振器255の発振周波数tOSCについて支配的な相互コンダクタンスと容量の比であるgmu/Cmが変化するため、電流制御発振器255の発振周波数tOSCが変化する。
なお、本実施の形態では、トランスコンダクタンスアンプ260、261として第9の実施の形態に示したトランスコンダクタンスアンプを用いるとして説明したが、第2の実施の形態、第4の実施の形態および第8の実施の形態に示したトランスコンダクタンスアンプを用いることもできる。これらのトランスコンダクタンスアンプも負帰還がかかるように接続することにより、電圧Vcに応じて出力段を流れる電流が制御され、相互コンダクタンスが変化する。電流制御信号S2を抵抗により電圧に変換し、電圧Vcとして供給することにより、本実施の形態と同様の信号バイアス生成回路、電流制御発振器、および、PLL回路を構成することができる。
さらに、トランスコンダクタンスアンプ260、261に同特性のトランスコンダクタンスアンプを用いることにより回路特性が向上するが、いずれも第2、第4、第8、第9の実施の形態に示したトランスコンダクタンスアンプとすることは必須ではない。トランスコンダクタンスアンプ260を設けた理由は入力バイアスを設定するためのであり、例えば、トランスコンダクタンスアンプ260の出力間に容量を設けることで同様の回路動作を行わせることが可能となる。本実施の形態におけるトランスコンダクタンスアンプgmmを構成する上で重要となるのは、トランスコンダクタンスアンプ260として第2、第4、第8、第9の実施の形態に示したトランスコンダクタンスアンプを使用し、負帰還がかかるように接続することにより電流制御信号S2の値に応じて出力段を流れる電流が制御され、出力の信号バイアスが制御するように構成する点にある。
(第12の実施の形態)
図31は本発明による第12の実施形態の構成を示す回路図である。
本実施形態は、n−mosトランジスタM03A、M3A、M5A、M6A、M7A、M03B、M3B、M5B、M6B、M7B、p−mosトランジスタM04A、M4A、M8A、M04、M4B、M8B、により構成されている。
p−mosトランジスタM4A、M04A、M04B、M04Bのそれぞれにはn−mosトランジスタM3A、M03A、M03B、M3Bが対応しており、これらの対応するトランジスタはドレインが共通とされて電源と接地との間に設けられている。p−mosトランジスタM4A、M04A、M04B、M04Bはゲートは共通にp−mosトランジスタM04A、M04Bのドレインと接続されて電流ミラー回路を構成し、n−mosトランジスタM3A、M03Aのゲート、および、M03B、M3Bのゲートは共通とされて、図1aに示したOTAと同様のOTAが構成されている。
ソース接地されるn−mosトランジスタM5A、M6A、M5B、M6Bのそれぞれは電流ミラー回路を構成しており、トランジスタM5A、M6Aのゲートは共通にトランジスタM6Aのドレインに接続され、トランジスタM5B,M6Bのゲートは共通にトランジスタM6Bのドレインに接続されている。トランジスタM5AのドレインはOTAのVOUT+の出力ノードとなるトランジスタM3A,M4Aのドレインに接続され、トランジスタM5BのドレインはOTAのVOUT-の出力ノードとなるトランジスタM3B、M4Bのドレインに接続されている。
トランジスタM7A、M7B、M8A、M8Bは、CMFB回路を構成するもので、ゲートにリファレンス信号VYが供給されるトランジスタM7Aのソースは接地され、ゲートが帰還信号入力端子であるノードVx(次段)とされるトランジスタM8Aのソースは電源に接続されている。トランジスタM7A、M8Aのドレインはn−mosトランジスタM5A、M6AのゲートおよびトランジスタM6Aのドレインに接続されてトランジスタM5A、M6Aにより構成される電流ミラー回路のリファレンス電流を供給する。
ゲートにリファレンス信号VYが供給されるトランジスタM7Bのソースは接地され、ゲートがノードVx(次段)とされるトランジスタM8Bのソースは電源に接続されている。トランジスタM7B、M8Bのドレインはn−mosトランジスタM5B、M6BのゲートおよびトランジスタM6Bのドレインに接続されてトランジスタM5B、M6Bにより構成される電流ミラー回路のリファレンス電流を供給する。
上記のように構成される回路において、OTA部分の動作は図1aを参照して説明した動作と同様である。
本実施形態の回路が、図2cに示すように接続され、前段のOTAから入力されるVIN+、VIN-の同相電圧が上がった場合の動作について説明する。
前段のOTAから入力されるVIN+、VIN-の同相成分が上昇し、トランジスタM03A、M03Bのゲート電圧が上昇すると、トランジスタM3A、M3Bのドレイン電流が増加し、帰還信号出力端子であるノードVx(前段)の電圧が降下する。ノードVx(前段)は前段に配置されたOTAのノードVx(次段)に接続されているため、前段のOTAのトランジスタM8A、M8Bのゲート電圧が下がり、トランジスタM8A、M8Bのドレイン電流が増加する。このとき、リファレンス信号VYによってドレイン電流が所定の値に定められたトランジスタM7A、M7Bを流れる電流とトランジスタM8A、M8Bを流れる電流との差分がトランジスタM6A、M6Bに流れ、トランジスタM6A、M6Bに流れる電流が増加する。トランジスタM6A、M6BはトランジスタM5A、M5Bとともに電流ミラー回路を構成しているため、トランジスタM6A、M6Bを流れる電流の増加に伴ってトランジスタM5A、M5Bを流れる電流も増加する。トランジスタM5A、M5Bを流れる電流が増加すると、VOUT+およびVOUT-の電圧が下がる。前段のOTAのVOUT+およびVOUT-は次段のOTAのVIN+、VIN-であるため、帰還回路が構成されることとなる。
上記のように構成される本実施形態においては、OTAの各出力ノードには、トランジスタM3A、4A、5Aのドレイン、または、トランジスタM3B、4B、5Bのドレインが接続され、出力ノードには3個のトランジスタが接続されることとなる。この結果、従来よりも接続される個数が減り、並列に接続される各トランジスタによる出力コンダクタンスや寄生容量が減少するため、OTAの出力インピーダンスの低下、および、OTAとしての特性の劣化を抑制することができる。
(第13の実施の形態)
図32は本発明による第13の実施形態の構成を示す回路図である。
本実施形態は図31に示した第12の実施形態の回路に、p−mosトランジスタM4A、M04A、M04B、M4Bの各ゲートと接地との間にリファレンス信号VYがゲートに供給されるn−mosトランジスタM9を設け、第1の実施形態においてリファレンス信号VYが供給されていたトランジスタM7A,M7BのソースにVIN+、VIN-をそれぞれ供給する構成としたものである。
上記のように構成される本実施形態においては、n−mosトランジスタM9により、出力VOUT+、VOUT-の同相バイアスは所定のバイアスに設定される。また、前段のOTAから入力されるVIN+、VIN-の同相成分が上昇し、トランジスタM03A、M03Bのゲート電圧が上昇すると、トランジスタM03A、M03Bのドレイン電流が増加し、ノードVx(前段)の電圧が降下する。ノードVx(前段)は前段に配置されたOTAのノードVx(次段)に接続されているため、前段のOTAのトランジスタM8A、M8Bのゲート電圧が下がり、トランジスタM8A、M8Bのドレイン電流が増加する。このとき、VIN+、VIN-がゲートに供給されるトランジスタM7A、M7Bはゲート電圧が上昇するためにトランジスタM6A、M6Bに流れる電流がさらに増加し、その電流量は第12の実施形態の約2倍となる。トランジスタM6A、M6BはトランジスタM5A、M5Bとともに電流ミラー回路を構成しているため、トランジスタM6A、M6Bを流れる電流の増加に伴ってトランジスタM5A、M5Bを流れる電流も増加する。トランジスタM5A、M5Bを流れる電流が増加すると、VOUT+およびVOUT-の電圧が下がる。
上記のように構成される本実施形態においては、第12の実施形態と同様に、OTAの各出力ノードには、ト3個のトランジスタが接続されることとなり、OTAの出力インピーダンスの低下、および、OTAとしての特性の劣化を抑制することができる。さらに、VIN+、VIN-の同相成分の変化に対するVOUT+、VOUT-における応答成分の信号振幅が第12の実施形態の約2倍となり、帰還応答速度が向上したものとなる。
(第14の実施の形態)
図33は本発明による第14の実施形態の構成を示す回路図である。
本実施形態は、図2bに示した回路に、p−mosトランジスタM4A、M04A、M04B、M04Bの各ゲートと電源との間にリファレンス信号VYがゲートに供給されるp−mosトランジスタM3’を設け、図2bに示した回路においてリファレンス信号VYが供給されていたトランジスタM3A’、M3B’を削除したものである。
上記のように構成される本実施形態においては、p−mosトランジスタM3’により、出力VOUT+、VOUT-の同相バイアスは所定のバイアスに設定される。このように、第12および第13の実施形態と同様に、OTAの各出力ノードには、3個のトランジスタが接続されることとなり、OTAの出力インピーダンスの低下、および、OTAとしての特性の劣化を抑制することができる。
なお、各実施形態において、回路を構成するトランジスタはp−mosトランジスタ、n−mosトランジスタにより構成するものとして説明したが、JFET、バイポーラトランジスタ、により構成することとしてもよい。また、p−mosトランジスタをn−mosトランジスタとし、n−mosトランジスタをp−mosトランジスタとしてもよい。
さらに、n−mosトランジスタとしてノイズ低減に効果があるウェル分離型を用いてもよい。
(第15の実施の形態)
図34は第15の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、第12ないし第14の実施の形態のトランスコンダクタンスアンプをフィルタ回路に用いている。本実施の形態は、図34aに示すように、一次フィルタ241と4次フィルタ242、243を直列に接続したものである。
各フィルタは、第12ないし第14の実施の形態のいずれかの構成を備えるトランスコンダクタンスアンプと容量からなるGm−Cフィルタであり、一次フィルタ241は図34bに示すようにトランスコンダクタンスアンプ244、245および容量から構成され、4次フィルタ242、243は図34cに示すように4個のトランスコンダクタンスアンプ246〜249および容量から構成されている。
一次フィルタ241を構成するトランスコンダクタンスアンプ244の出力端子および反転出力端子のそれぞれは、トランスコンダクタンスアンプ245の入力端子および反転入力端子に接続され、また容量を介して接地されている。また、トランスコンダクタンスアンプ245の出力端子および反転出力端子はトランスコンダクタンスアンプ245の反転入力端子および入力端子に接続されて負帰還がかけられている。また、トランスコンダクタンスアンプ245のVX(前段)はトランスコンダクタンスアンプ244のVX(次段)と接続されている。
4次フィルタ242または243を構成するトランスコンダクタンスアンプ246の出力端子および反転出力端子のそれぞれは、トランスコンダクタンスアンプ248の入力端子および反転入力端子に接続され、また容量を介して接地されている。トランスコンダクタンスアンプ248の出力端子および反転出力端子のそれぞれは、トランスコンダクタンスアンプ249の入力端子および反転入力端子に接続され、また容量を介して接地されている。トランスコンダクタンスアンプ249の出力端子および反転出力端子はトランスコンダクタンスアンプ249の反転入力端子および入力端子に接続されて負帰還がかけられている。トランスコンダクタンスアンプ247の入力端子および反転入力端子はトランスコンダクタンスアンプ248の出力端子および反転出力端子と接続され、トランスコンダクタンスアンプ247の出力端子および反転出力端子はトランスコンダクタンスアンプ248の反転入力端子および入力端子と接続されている。また、トランスコンダクタンスアンプ248のVX(前段)はトランスコンダクタンスアンプ246、247のVX(次段)と接続され、トランスコンダクタンスアンプ248のVX(次段)はトランスコンダクタンスアンプ248、249のVX(前段)と接続されている。
一次フィルタ241と4次フィルタ242、243を第1ないし第3の実施の形態のトランスコンダクタンスアンプおよび容量を用いて構成することにより、同相バイアスが所定の値に設定され、特性の劣化が抑制されたフィルタを構成することができた。また、一次フィルタ241と4次フィルタ242、243とを組み合わせることは必須ではなく、これらを単独のフィルタとして用いても当然よい。
(第16の実施の形態)
図35は第16の実施の形態を示す図である。本実施の形態では第12ないし第14の実施の形態のトランスコンダクタンスアンプを用いてGm-C型の電流制御発振器を構成し、それを周波数制御ループに適用することによりPLL回路を構成している。
図35aは周波数制御ループを用いたPLL回路の構成を示している。本実施の形態のPLL回路は、位相検出器251、チャージポンプ回路252、ループフィルタ253、電圧電流変換器254、電流制御発振器255およびコアフィルタ256から構成されている。
位相検出器251は外部からの基準周波数信号S1と電流制御発振器255とを入力し、これらの位相差に応じた信号を出力する。位相検出器251の出力信号はチャージポンプ回路252で増幅され、ループフィルタ253で高周波成分の除去が行われた後に電圧電流変換器254にて電流に変換され、電流制御信号S2として電流制御発振器255およびコアフィルタ256へ出力される。
電流制御発振器255は電流制御信号S2の値に応じてその発振周波数が制御され、コアフィルタ256は電流制御信号S2の値に応じて周波数応答特性が変化する。
図35bは電流制御発振器255の構成を示す回路図である。
図35bに示される電流制御発振器255は、比較電圧発生回路257、コンパレータ2581、2582、RSフリップフロップ259および電源と接地との間に設けられた抵抗R2、R1、R2と、RSフリップフロップ259によりその開閉状態が制御され、各抵抗により分圧された電圧を選択的に比較電圧発生回路257へ供給するスイッチから構成されている。比較電圧発生回路257はトランスコンダクタンスアンプgmmと容量Cmから構成されている。
RSフリップフロップ259の前段に設けられるコンパレータ2581、2582は、比較電圧発生回路257の出力電圧VgmをVhとVlと比較し、その結果に応じてRSフリップフロップ259の状態を切り替える。RSフリップフロップ259がセット、リセットされてその出力が変化することにより信号生成バイアス回路257の入力電圧が変化し、容量Cmに充放電が行われて比較電圧発生回路257の出力電圧Vgmが変化する。この動作は電流制御発振器255の発振周波数の半周期ごとに繰り返され、RSフリップフロップ259出力が電流制御発振器255出力として位相検出器251へ出力される。
電流制御発振器255の発振周波数tOSCは、トランスコンダクタンスアンプgmmの相互コンダクタンスをgmuとし、図35bに破線矢印で示すスイッチング経路における遅延をtdとおくと、
OSC=2×(1/(gmu/Cm)×(R1/(R1+2×R2))+td
と推定される。電流制御発振器255の発振周波数tOSCについて支配的なのは相互コンダクタンスと容量の比であるgmu/Cmとスイッチング経路における遅延tdである。抵抗の比であるR1/(R1+2×R2)は比較電圧発生回路257への入出力電圧の比を決定するものであり、電流制御発振器255の発振周波数tOSCについては直接関係しない。言い換えると、電流制御発振器255は処理工程や温度、供給電圧により影響を受けることがない。このことは調整される発振精度が理想的であることを意味する。
本実施の形態においては比較電圧発生回路257として第1ないし第3の実施の形態のトランスコンダクタンスアンプを用いており、帰還信号入力端子であるVx(次段)には電流制御信号S2が抵抗(不図示)により電圧に変換されて供給されている。上記のように負帰還がかかるように接続することにより電流制御信号S2の値に応じて出力段を流れる電流が制御され、出力の同相バイアスが制御される。同相バイアスが制御される結果、相互コンダクタンスが変化し、電流制御発振器255の発振周波数tOSCについて支配的な相互コンダクタンスと容量の比であるgmu/Cmが変化するため、電流制御発振器255の発振周波数tOSCが変化する。

Claims (19)

  1. 入力された第1の電圧信号と第2の電圧信号との差に比例した第1の電流および第2の電流を出力する電圧電流変換方法であって、
    前記第1の電圧信号を第1の電流信号に変換するステップと、
    前記第2の電圧信号を第2の電流信号に変換するステップと、
    前記第1の電流信号と前記第2の電流信号の同相成分を得るステップと、
    前記第1の電流信号および第2の電流信号のそれぞれより前記同相成分を減算することにより第3の電流信号および第4の電流信号を得、さらに、前記第3の電流信号から前記第4の電流信号を減算して第1の出力とし、前記第4の電流信号から前記第3の電流信号を減算して第2の出力するステップと、
    を有することを特徴とする電圧電流変換方法。
  2. 第1の電圧信号を電流信号に変換する第1および第2の電圧電流変換素子と、
    第2の電圧信号を電流信号に変換する第3および第4の電圧電流変換素子と、
    前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号のそれぞれを電流信号に変換し、さらに各電流信号の同相成分に応じた同相電流を発生する同相電流発生部と、
    前記第1ないし第4の電圧電流変換素子のそれぞれにて変換された各電流信号から前記同相成分発生部による同相成分を減算する第1の電流回路と、
    前記第1の電流回路により前記同相成分が減算された前記第1の電圧電流変換素子による電流信号と前記第3の電圧電流変換素子による電流信号との差を第1の電流出力とする第2の電流回路と、
    前記第1の電流回路により前記同相成分が減算された前記第4の電圧電流変換素子による電流信号と前記第2の電圧電流変換素子による電流信号との差を第2の電流出力とする第3の電流回路と、
    を有することを特徴とするトランスコンダクタンスアンプ。
  3. 請求項2記載のトランスコンダクタンスアンプにおいて、
    前記同相電流発生部は、前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号のそれぞれを電流信号に変換する第5の電圧電流変換素子および第6の電圧電流変換素子を備えることを特徴とする請求項2に記載のトランスコンダクタンスアンプ。
  4. 前記第1ないし第6の電圧電流変換素子はベースまたはゲートに前記第1の電圧信号または前記第2の電圧信号が供給される第1ないし第6の第1導電型のトランジスタにより構成され、
    前記第1の電流回路は、複数の第2導電型のトランジスタにより構成され、前記複数の第2導電型のトランジスタのゲートは共通とされ、前記複数の第2導電型のトランジスタの少なくとも一つはゲートとドレインが短絡されており、
    前記第2導電型のトランジスタの出力は前記第1ないし第6の電圧電流変換素子の出力のいずれかと接続されていることを特徴とする請求項3に記載のトランスコンダクタンスアンプ。
  5. 前記第1ないし第6の電圧電流変換素子はベースまたはゲートに前記第1の電圧信号または前記第2の電圧信号が供給される第1ないし第6の第1導電型のトランジスタにより構成され、
    前記第1の電流回路は、前記第1ないし第6の電圧電流変換素子とともに電源と接地との間に設けられた第1ないし第6の第2導電型トランジスタより構成され、
    前記第2導電型のトランジスタのゲートおよびソースは共通とされ、前記第2導電型のトランジスタの少なくとも一つのトランジスタのゲートとドレインは短絡されており、
    前記第2導電型のトランジスタの出力は前記第1ないし第6の電圧電流変換素子の出力とそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項3に記載のトランスコンダクタンスアンプ。
  6. 前記第5の第1導電型のトランジスタと前記第6の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第1トランジスタであり、
    第1ないし第4の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第2トランジスタであり、
    前記第5の第2導電型トランジスタと前記第6の第2の導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第3トランジスタであり、
    前記第1ないし第4の第2導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第4トランジスタであり、
    前記第1トランジスタと前記第2トランジスタの大きさの比が前記第3トランジスタと前記第4トランジスタの大きさの比と等しいことを特徴とする請求項5に記載のトランスコンダクタンスアンプ。
  7. 前記第1の第1導電型のトランジスタは第1の電流出力の出力部を構成し、前記第4の第1導電型のトランジスタは第2の電流出力の出力部を構成し、
    前記第2の電流回路は、出力が前記第1の第1導電型のトランジスタの出力と共通とされた第7の第1導電型のトランジスタと、出力およびゲートが前記第第3の第1導電型のトランジスタの出力および前記第7の第1導電型のトランジスタのゲートと共通とされた第8の第1導電型のトランジスタとから構成され、
    前記第3の電流回路は、出力が前記第2の第1導電型のトランジスタの出力と共通とされた第9の第1導電型のトランジスタと、出力およびゲートが前記第4の第1導電型のトランジスタの出力および前記第9の第1導電型のトランジスタのゲートと共通とされた第10の第1導電型のトランジスタとから構成され、
    前記第2,3,5,6の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第1トランジスタであり、
    前記第1の第1導電型のトランジスタと前記第4の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第2トランジスタであり、
    前記第8の第1導電型のトランジスタと前記第10の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第3トランジスタであり、
    前記第7の第1導電型のトランジスタと前記第9の第1導電型のトランジスタは互いに大きさのそろった第4トランジスタであり、
    前記第5の第2導電型のトランジスタと前記第6の第2導電型のトランジスタと前記第2の第2導電型のトランジスタと前記第3の第2導電型トランジスタは互いに大きさのそろった第5トランジスタであり、
    前記第1の第2導電型トランジスタと前記第4の第2導電型トランジスタは互いに大きさのそろった第6トランジスタであり、
    前記第1トランジスタと前記第2トランジスタの大きさの比、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタの大きさの比、および前記第5トランジスタと前記第6トランジスタの大きさの比が等しいことを特徴とする請求項5に記載のトランスコンダクタンスアンプ。
  8. 請求項3ないし請求項7のいずれかに記載のトランスコンダクタンスアンプにおいて、
    前記第1の電流回路は、前記第1ないし第6の第2導電型のトランジスタの組を複数有しており、他の組の第2導電型のトランジスタ同士は、前記第2導電型のトランジスタの出力と前記第2導電型のトランジスタの入力が接続された構成であることを特徴とするトランスコンダクタンスアンプ。
  9. 請求項3ないし請求項8のいずれかに記載のトランスコンダクタンスアンプにおいて、
    前記第2の電流回路および第3の電流回路を構成する第1ないし第4の第1導電型のトランジスタの組を複数有しており、他の組の第1導電型のトランジスタ同士は、前記第2導電型のトランジスタの出力と前記第2導電型のトランジスタの入力が接続された構成であることを特徴とするトランスコンダクタンスアンプ。
  10. 請求項2ないし請求項9のいずれかに記載のトランスコンダクタンスアンプを複数有し、
    一のトランスコンダクタンスアンプに設けられ、前記一のトランスコンダクタンスアンプにおける第1の電流出力と第2の電流出力との差を第1の電流出力として出力する第4の電流回路と、
    他のトランスコンダクタンスアンプに設けられ、他のトランスコンダクタンスアンプにおける第2の電流出力と第1の電流出力との差を第2の電流出力として出力する第5の電流回路と、
    を有することを特徴とするトランスコンダクタンスアンプ。
  11. 請求項3ないし請求項10のいずれかに記載のトランスコンダクタンスアンプにおいて、
    前記同相電流発生部は、第3の電圧信号がベースまたはゲートに供給された第7の電圧電流変換素子を備え、前記同相電流として前記第3の電圧信号に応じたバイアス電流を含む同相電流を出力することを特徴とするトランスコンダクタンスアンプ。
  12. 請求項3ないし請求項10のいずれかに記載のトランスコンダクタンスアンプにおいて、
    前記第1の電流回路が前記第2の電流回路に供給するリファレンス電流に加算される第1のバイアス電流を発生する第1のバイアス電流発生素子と、
    前記第1の電流回路が前記第3の電流回路に供給するリファレンス電流に加算される第2のバイアス電流を発生する第2のバイアス電流発生素子と、
    を有することを特徴とするトランスコンダクタンスアンプ。
  13. 請求項2ないし請求項12のいずれかに記載のトランスコンダクタンスアンプである第1および第2のトランスコンダクタンスアンプを用いて構成された一次のフィルタ回路であって、
    前記第1および第2のトランスコンダクタンスアンプと容量からなり、第1のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子のそれぞれは、第2のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子に接続されるとともに容量を介して接地され、第2のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子は第2のトランスコンダクタンスアンプの反転入力端子および入力端子に接続されるフィルタ回路。
  14. 請求項2ないし請求項12のいずれかに記載のトランスコンダクタンスアンプである第1ないし第4のトランスコンダクタンスアンプを用いて構成された4次のフィルタ回路であって、
    第1のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子のそれぞれは、第2のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子に接続されるとともに容量を介して接地され、該第2のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子のそれぞれは、第2のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子に接続されるとともに容量を介して接地され、該第3のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子は該第3のトランスコンダクタンスアンプの反転入力端子および入力端子に接続され、第4のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子は第2のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子と接続され、第4のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子は第2のトランスコンダクタンスアンプの反転入力端子および入力端子と接続されるフィルタ回路。
  15. 1個の請求項13記載のフィルタ回路と、2個の請求項14記載のフィルタ回路とが直列に接続されるフィルタ回路。
  16. 請求項11または請求項12に記載のトランスコンダクタンスアンプを用いて構成された電圧発生回路であって、
    前記トランスコンダクタンスアンプは、出力端子および反転出力端子が反転入力端子および入力端子に接続され、
    前記トランスコンダクタンスアンプの一方の出力部を交流的に接地する容量を有することを特徴とする電圧発生回路。
  17. 請求項11または請求項12に記載のトランスコンダクタンスアンプを用いて構成された電圧発生回路であって、
    第1および第2のトランスコンダクタンスアンプおよび容量から構成され、第1のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子は第2のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子に接続されるとともに第1のトランスコンダクタンスアンプの反転入力端子および入力端子に接続され、第1のトランスコンダクタンスアンプの入力端子および反転入力端子はそれぞれ容量を介して入力に接続され、第2のトランスコンダクタンスアンプの出力端子および反転出力端子のそれぞれは出力とされることを特徴とする電圧発生回路。
  18. 請求項16または請求項17記載の電圧発生回路を用いて構成された電流制御発振器であって、
    電源と接地間に直列に設けられた複数の抵抗と、
    前記複数の抵抗と前記電圧発生回路の入力との間に設けられ、前記複数の抵抗により分圧された電圧を選択的に前記電圧発生回路の入力とするスイッチ群と、
    前記直列に設けられた複数の抵抗の端部電圧と前記電圧発生回路出力とを比較する第1および第2のコンパレータと、
    前記第1および第2のコンパレータ出力により状態が変化し、その出力が発振周波数とされるとともに前記スイッチ群の切替制御信号とされるフリップフロップと、を有する電流制御発振器。
  19. 請求項18記載の電流制御発振器を用いて構成されたPLL回路であって、
    前記電流制御発振器は、電流制御信号により発信周波数が制御され、
    基準周波数信号と前記電流制御発振器出力とを入力し、これらの位相差に応じた信号を出力する位相検出器と、
    前記位相検出器出力を電流に変換して前記電流制御発振器へ供給する電圧電流変換器とを有するPLL回路。
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