JP2004282479A - トランスコンダクタンス増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路規模の増大や消費電力の増加を抑えながらトランスコンダクタンス値を調整することが可能なトランスコンダクタンス増幅器を提供する。
【解決手段】PチャネルMOSトランジスタ101とNチャネルMOSトランジスタ102とから構成されるCMOSインバータの電源端子VDDと接地端子との間に、それぞれPチャネルMOSトランジスタ103及びNチャネルMOSトランジスタ104を接続する。出力端子110に現れる直流バイアス電圧成分を直流バイアス電圧成分抽出部106で抽出し、端子107に供給される基準電圧Vrとの差分を差分増幅部108で増幅してPチャネルMOSトランジスタ103のゲート電圧を制御すると共に、NチャネルMOSトランジスタ104のゲート電圧を端子105から供給される制御電圧Vgで制御することにより、トランスコンダクタンス値を調整する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧・電流変換回路として機能し、フィルタ回路などのアナログ信号処理回路を半導体集積回路化する際に用いられるトランスコンダクタンス増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体技術の進歩によって携帯電話等の無線通信装置をはじめ、様々な電子機器の小型化が可能になった。装置の機能を実現するための増幅回路や変復調回路、フィルタ回路など、数多くの電子回路が半導体集積回路として実用化されている。
【0003】
半導体集積回路では、素子の電気的特性は技術の進歩と共に向上しているものの、抵抗やキャパシタ(コンデンサ)などの受動素子は、製造に際してその値がばらつくことが多い。通信装置などに必須のフィルタ回路は、特定の周波数の信号を通過或いは遮断する機能を有するが、この通過周波数や遮断周波数はフィルタ回路を構成する抵抗やキャパシタの値によって決定される。このため、製造ばらつきがあることは、フィルタ回路を半導体集積回路として構成するうえで好ましくない。
【0004】
フィルタ回路においては、このような抵抗やキャパシタの製造ばらつきによる特性の変動を補償するために、例えばトランスコンダクタ−Cフィルタと呼ばれる回路を用いる。トランスコンダクタ−Cフィルタでは、一種の電圧制御電流源として機能するトランスコンダクタンス増幅器と、その出力端子に接続された負荷としてのC(キャパシタ)から成る積分回路をベースにしてフィルタ回路を構成している。
【0005】
トランスコンダクタ−Cフィルタの周波数特性は、トランスコンダクタンス増幅器の電圧・電流変換利得であるトランスコンダクタンス値と、キャパシタの容量値によって決定される。従って、キャパシタの容量値に製造ばらつきが生じても、トランスコンダクタンス増幅器のトランスコンダクタンス値を電気的に調整することにより、キャパシタの容量誤差を補償して所望の周波数特性を得ることが可能となる。
【0006】
このようにトランスコンダクタンス増幅器には、少ない消費電力と広いダイナミックレンジなどの特性と共に、トランスコンダクタンス値を電気的に調整できる機能が要求される。
【0007】
図9は、従来のトランスコンダクタンス増幅器の構成を示す回路図である。
従来のトランスコンダクタンス増幅器は、正の電圧振幅入力端子913及び負の電圧振幅入力端子914と、正の電流出力端子915及び負の電流出力端子916とを備える。入力信号の直流バイアス電圧をVb、入力信号の振幅をVaとすると、正の電圧振幅入力端子913への入力信号Vin1はVb+Vaであり、負の電圧振幅振幅入力端子914への入力信号Vin2はVb−Vaと表される。直流バイアス電圧Vbは、例えば、電源電圧VDDの2分の1に選ばれる。従って、図9に示した回路は、差動入力・差動出力のトランスコンダクタンス増幅器として用いることができる。
【0008】
通常、正の電流出力端子915と負の電流出力端子916との間には、何らかの負荷が接続されて用いられる。例えば、トランスコンダクタ−Cフィルタを構成する積分回路であれば、負荷はキャパシタである。負荷の端子電圧、すなわち電流出力端子915、916間の電位差は、トランスコンダクタンス増幅器の出力電圧振幅となり、これはトランスコンダクタンス増幅器の出力電流と負荷のインピーダンス値との積で決まるが、電流出力端子915、916のそれぞれの直流バイアス電圧は、何らかの手段によって適当な値、例えばVDD/2のような値に安定させる必要がある。一般に、PチャネルMOS(Metal−Oxide Semiconductor)トランジスタ901とNチャネルMOSトランジスタ902から成るCMOS(Complementary MOS)インバータは、電圧利得が非常に大きく、回路単独では入力信号の直流バイアス電圧と出力信号の直流バイアス電圧を一致させることが困難である。
【0009】
そこで従来のトランスコンダクタンス増幅器では、正の電流出力端子915の直流バイアス電圧を安定させるために、MOSトランジスタ909〜912から成る2個のCMOSインバータを用いる。つまり、負の電流出力端子916の電圧を基にしてMOSトランジスタ911、912で構成されるCMOSインバータを介して得た電圧と、MOSトランジスタ909、910で構成されるCMOSインバータへ帰還をかけて得た電圧とを利用し、正の電流出力端子915の直流バイアス電圧を安定化する。同様にして、負の電流出力端子916の直流バイアス電圧を安定させるために、MOSトランジスタ905〜908から成る2個のCMOSインバータを用いている。このように、MOSトランジスタ905〜912は、一種の同相帰還(コモンモードフィードバック)回路として動作する。
【0010】
さらに、従来のトランスコンダクタンス増幅器は、トランスコンダクタンス値を電気的に調整するために、電源電圧VDDの値を変化させている。VDDを制御することにより、CMOSインバータを構成しているMOSトランジスタのドレイン・ソース間の電流が変化し、トランスコンダクタンス値が変化するので、トランスコンダクタンス増幅器としてのトランスコンダクタンス値を調整できる(例えば、非特許文献1参照)。
【0011】
【非特許文献1】
B.Nauta et al,「Electronics Letters」,vol.25,Mar.1989,p448−450
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のトランスコンダクタンス増幅器では、トランスコンダクタンス値を電気的に調整するために電源電圧VDDを利用しているため、電圧を任意に変化させることが可能である特別な電源回路を必要とし、回路規模の増大や消費電力が増加すると共に、トランスコンダクタンス値を容易に調整できないという問題点があった。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、回路規模の増大や消費電力の増加を抑えながらトランスコンダクタンス値を調整することが可能なトランスコンダクタンス増幅器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のトランスコンダクタンス増幅器は、第1のPチャネルMOSトランジスタ及び第1のNチャネルMOSトランジスタより構成されるCMOSインバータと、前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と電源端子との間に接続された第2のPチャネルMOSトランジスタと、前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、前記CMOSインバータの出力から直流バイアス電圧成分を抽出する直流バイアス電圧成分抽出手段と、前記直流バイアス電圧成分抽出手段により抽出された直流バイアス電圧成分と基準電圧との差分を増幅する差分増幅手段とを備え、前記差分増幅手段の出力を前記第2のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子に接続すると共に、前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧を任意の電圧により制御する。
【0015】
上記構成によれば、回路規模の増大や消費電力の増加を抑えながらトランスコンダクタンス値を調整することができる。
【0016】
本発明のトランスコンダクタンス増幅器は、第1のPチャネルMOSトランジスタ及び第1のNチャネルMOSトランジスタより構成されるCMOSインバータと、前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と電源端子との間に接続された第2のPチャネルMOSトランジスタと、前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、前記CMOSインバータの出力から直流バイアス電圧成分を抽出する直流バイアス電圧成分抽出手段と、前記直流バイアス電圧成分抽出手段により抽出された直流バイアス電圧成分と基準電圧との差分を増幅する差分増幅手段とを備え、前記差分増幅手段の出力を前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子に接続すると共に、前記第2のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧を任意の電圧により制御する。
【0017】
上記構成によれば、回路規模の増大や消費電力の増加を抑えながらトランスコンダクタンス値を調整することができる。
【0018】
本発明のトランスコンダクタンス増幅器は、第1のPチャネルMOSトランジスタ及び第1のNチャネルMOSトランジスタより構成される第1のCMOSインバータと、前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と電源端子との間に接続された第2のPチャネルMOSトランジスタと、前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、第3のPチャネルMOSトランジスタ及び第3のNチャネルMOSトランジスタより構成される第2のCMOSインバータと、前記第3のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と前記電源端子との間に接続された第4のPチャネルMOSトランジスタと、前記第3のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第4のNチャネルMOSトランジスタと、前記第1のCMOSインバータ及び前記第2のCMOSインバータの各々から出力される出力電圧間の同相電圧成分を抽出する同相電圧成分抽出手段と、前記同相電圧成分抽出手段により抽出された同相電圧成分と基準電圧との差分を増幅する差分増幅手段とを備え、前記差分増幅手段の出力を前記第2のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子及び前記第4のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子に接続すると共に、前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧及び前記第4のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧を任意の電圧により制御する。
【0019】
上記構成によれば、回路規模の増大や消費電力の増加を抑えながらトランスコンダクタンス値を調整することができる。
【0020】
本発明のトランスコンダクタンス増幅器は、第1のPチャネルMOSトランジスタ及び第1のNチャネルMOSトランジスタより構成される第1のCMOSインバータと、前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と電源端子との間に接続された第2のPチャネルMOSトランジスタと、前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、第3のPチャネルMOSトランジスタ及び第3のNチャネルMOSトランジスタより構成される第2のCMOSインバータと、前記第3のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と前記電源端子との間に接続された第4のPチャネルMOSトランジスタと、前記第3のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第4のNチャネルMOSトランジスタと、前記第1のCMOSインバータ及び前記第2のCMOSインバータの各々から出力される出力電圧間の同相電圧成分を抽出する同相電圧成分抽出手段と、前記同相電圧成分抽出手段により抽出された同相電圧成分と基準電圧との差分を増幅する差分増幅手段とを備え、前記差分増幅手段の出力を前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子及び前記第4のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子に接続すると共に、前記第2のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧及び前記第4のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧を任意の電圧により制御する。
【0021】
上記構成によれば、回路規模の増大や消費電力の増加を抑えながらトランスコンダクタンス値を調整することができる。
【0022】
また、本発明のトランスコンダクタンス増幅器は、前記同相電圧成分抽出手段及び前記差分増幅手段が、前記第1のCMOSインバータの出力電圧と前記基準電圧との差に応じた電流を出力する第1の差動トランジスタ対と、前記第2のCMOSインバータの出力電圧と前記基準電圧との差に応じた電流を出力する第2の差動トランジスタ対と、前記第1の差動トランジスタ対の正出力と前記第2の差動トランジスタ対の正出力とに共通接続される第1の負荷素子と、前記第1の差動トランジスタ対の負出力と前記第2の差動トランジスタ対の負出力とに共通接続される第2の負荷素子とにより構成される。
【0023】
上記構成によれば、差動トランジスタ対と負荷素子によって行われる信号の加減算処理が同相電圧成分抽出手段及び差分増幅手段としての機能を果たすため、回路規模の増大や消費電力の増加を抑えながらトランスコンダクタンス値を調整することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るトランスコンダクタンス増幅器の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の構成を示す回路図である。
トランスコンダクタンス増幅器は、第1のPチャネルMOSトランジスタ101と第1のNチャネルMOSトランジスタ102とから構成されるCMOSインバータを備える。第1のPチャネルMOSトランジスタ101と第1のNチャネルMOSトランジスタ102とは直列に接続され、第1のPチャネルMOSトランジスタ101及び第1のNチャネルMOSトランジスタ102の各々のゲート端子には入力端子109が接続されている。また、第1のPチャネルMOSトランジスタ101及び第1のNチャネルMOSトランジスタ102の各々のドレイン端子には出力端子110が接続されている。
【0026】
第1のPチャネルMOSトランジスタ101のソース端子と電源端子VDDとの間には第2のPチャネルMOSトランジスタ103が接続され、第1のNチャネルMOSトランジスタ102のソース端子と接地端子との間には第2のNチャネルMOSトランジスタ104が接続されている。第2のPチャネルMOSトランジスタ103及び第2のNチャネルMOSトランジスタ104は、各々のゲート端子に印加する電圧を制御することによってドレイン・ソース端子間の抵抗値が変化し、可変抵抗として動作する。
【0027】
CMOSインバータの出力には、出力信号の直流バイアス電圧成分を抽出する直流バイアス電圧成分抽出部106が接続され、ここで抽出された直流バイアス電圧成分は差分増幅部108に入力される。差分増幅部108は、直流バイアス電圧成分抽出部106から入力された直流バイアス電圧成分と端子107に供給される基準電圧Vrとの差分を増幅し、増幅後の電圧を第2のPチャネルMOSトランジスタ103のゲート端子に供給する。
【0028】
第2のPチャネルMOSトランジスタ103は、差分増幅部108から供給される電圧によりゲート電圧が制御され、出力端子110に現れる出力信号の直流バイアス電圧成分を基準電圧Vrに近づけるように動作する。第2のNチャネルMOSトランジスタ104のゲート端子には、トランスコンダクタンス増幅器のトランスコンダクタンス値を調整するための制御電圧Vgを供給する端子105が接続される。
【0029】
次に、上記のように構成されたトランスコンダクタンス増幅器の動作について、図2に示す等価回路図を用いて説明する。
【0030】
図2は、図1に示したMOSトランジスタを抵抗に置き換えて示した図である。
抵抗201は第1のPチャネルMOSトランジスタ101に相当し、抵抗202は第1のNチャネルMOSトランジスタ102に相当し、抵抗203は第2のPチャネルMOSトランジスタ103に相当し、抵抗204は第2のNチャネルMOSトランジスタ104に相当する。また、抵抗201〜204は、それぞれ抵抗値R1〜R4を有している。
【0031】
出力端子207は図1に示した出力端子110に相当し、そこに現れる直流バイアス電圧成分をVoutで表している。差動増幅器206は図1に示した直流バイアス電圧成分抽出部106及び差分増幅部108に相当し、直流バイアス電圧成分Voutと端子205に供給される基準電圧Vrとの差を利得G倍で増幅し、電圧Vcを出力する。これにより、第2のPチャネルMOSトランジスタ103と等価である抵抗203は、差動増幅器206の出力電圧Vcによって抵抗値が制御される可変抵抗として動作する。
【0032】
なお、以下では動作説明のために、電源VDDから抵抗201〜204を介して接地端子に流れる電流を、ほぼ一定の値IDDと近似する。
【0033】
抵抗203の抵抗値R3とその値を制御する電圧Vcとの関係は、PチャネルMOSトランジスタのオン抵抗とゲート電圧との関係に相当する。非飽和領域で動作しているPチャネルMOSトランジスタのオン抵抗Ronとゲート・ソース間電圧Vgsとの関係には、次の式(1)を用いることができる。
【0034】
Ron=1/{A(Vgs−Vt)}・・・(1)
但し、Aはトランジスタの寸法などから決まる定数、Vtはトランジスタのスレッショルド電圧である。
【0035】
式(1)より、抵抗203の抵抗値R3とその値を制御する電圧Vcとの関係は、次の式(2)となる。
R3=1/{A(VDD−Vc−Vt)}・・・(2)
【0036】
出力端子207に現れる直流バイアス電圧成分Voutは、電源端子VDDから電流IDDが抵抗203と抵抗201に流れることによる電圧降下を用いて、次の式(3)のように表される。
Vout=VDD−R3・IDD−R1・IDD・・・(3)
【0037】
式(3)に式(2)を代入すると、VoutとVcとの関係を表す次の式(4)を得る。
Vout=IDD/[A{Vc−(VDD−Vt)}]+VDD−R1・IDD・・・(4)
【0038】
一方、Vcは差動増幅器206の出力電圧でもあるから、次の式(5)が成立する。
Vc=G・(Vout−Vr)+Vbias・・・(5)
ここで、Vbiasは差動増幅器206の出力電圧の基準値(バイアス電圧)である。
【0039】
式(5)を変形してVoutについて解くと、次の式(6)を得る。
Vout={(Vc−Vbias)/G}+Vr・・・(6)
【0040】
以上より、Voutを表す2つの式(4)、(6)を同時に満足するVcとVoutの値が、図2における回路の動作点電圧となる。
【0041】
次に、上記のように数式化されたトランスコンダクタンス増幅器の動作点電圧について、図3及び図4を用いてさらに詳しく説明する。
【0042】
図3及び図4は、式(4)で表されるVcとVoutとの関係を示す曲線と、式(6)で表されるVcとVoutとの関係を示す直線とを同一の座標平面上にグラフ化したものである。式(4)と式(6)とを同時に満足するVcとVoutの値、すなわち回路の動作点電圧は、これらの曲線と直線との交点から求めることができ、交点におけるVoutの値が図2に示したトランスコンダクタンス増幅器の出力信号の直流バイアス電圧成分となる。
【0043】
図3(a)は、差動増幅器206の利得Gが5倍の場合の例である。式(6)で表される直線は1/G、すなわち1/5の傾きを持っている。式(6)で表される直線と式(4)で表される曲線との交点より、トランスコンダクタンス増幅器の出力バイアス電圧Voutは、端子205に供給される基準電圧Vrに近い値となることが分かる。
【0044】
図3(b)は、差動増幅器206の利得Gが10倍の場合の例である。式(6)で表される直線は1/10の傾きを持ち、Gが5倍の場合に比べて水平に近い。式(6)で表される直線と式(4)で表される曲線との交点より、トランスコンダクタンス増幅器の出力バイアス電圧Voutは、端子205に供給される基準電圧Vrに、Gが5倍の場合よりも近い値となることが分かる。
【0045】
図3(c)は、差動増幅器206の利得Gが100倍の場合の例である。式(6)で表される直線は1/100の傾きとなりほぼ水平である。式(6)で表される直線と式(4)で表される曲線との交点より、トランスコンダクタンス増幅器の出力信号の直流バイアス電圧成分Voutは、端子205に供給される基準電圧Vrにほぼ一致することが分かる。
【0046】
図4は、差動増幅器206の利得Gが100倍の場合であって、且つ、電流IDDの値が図3の例とは異なる場合の例である。これは、図1に示したトランスコンダクタンス増幅器において、トランスコンダクタンス値を変化させるために端子105に供給する制御電圧Vgを変化させた場合に相当する。図3(c)と図4とでは、式(4)で表される曲線が異なっているが、式(6)で表される直線との交点より、トランスコンダクタンス増幅器の出力信号の直流バイアス電圧成分Voutは、端子205に与えられる基準電圧Vrにほぼ一致することが分かる。
【0047】
以上のように、本実施形態のトランスコンダクタンス増幅器によれば、出力端子110に現れる出力信号の直流バイアス電圧成分Voutが、端子107に供給される基準電圧Vrに近づくように動作し、また、差分増幅部108の利得が高いほど、よりVrの値に近づくように動作する。これにより、従来のように、出力端子110に現れる出力信号の直流バイアス電圧成分の安定化のために複数のCMOSインバータを設ける必要がないため、回路構成を簡略化できる。
【0048】
また、本実施形態のトランスコンダクタンス増幅器によれば、端子105に供給する制御電圧Vgを任意に変更することで、出力端子110に現れる出力信号の直流バイアス電圧成分Voutを基準電圧Vrに近づけながら、トランスコンダクタンス増幅器のトランスコンダクタンス値を調整することができる。したがって、電源VDDの値を変化させることなくトランスコンダクタンス値を調整することができ、回路規模の増大や消費電力の増加を招くことなく、トランスコンダクタンス値を調整可能なトランスコンダクタンス増幅器を実現することができる。
【0049】
なお、本実施形態のトランスコンダクタンス増幅器では、トランスコンダクタンス値を調整するための制御電圧Vgを第2のNチャネルMOSトランジスタ104のゲート端子に供給し、直流バイアス電圧成分Voutを安定化するための制御電圧Vcを第2のPチャネルMOSトランジスタ103のゲート端子に供給する構成としたが、トランスコンダクタンス値を調整するための制御電圧Vgを第2のPチャネルMOSトランジスタ103のゲート端子に供給し、直流バイアス電圧成分Voutを安定化するための制御電圧Vcを第2のNチャネルMOSトランジスタ104のゲート端子に供給する構成としても、同等の動作が得られることは明らかである。
【0050】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の構成を示す回路図である。
トランスコンダクタンス増幅器は、第1のPチャネルMOSトランジスタ501と第1のNチャネルMOSトランジスタ502とから構成される第1のCMOSインバータを備える。第1のPチャネルMOSトランジスタ501と第1のNチャネルMOSトランジスタ502とは直列に接続され、第1のPチャネルMOSトランジスタ501及び第1のNチャネルMOSトランジスタ502の各々のゲート端子には入力端子513が接続されている。また、第1のPチャネルMOSトランジスタ501及び第1のNチャネルMOSトランジスタ502の各々のドレイン端子には出力端子515が接続されている。
【0051】
第1のPチャネルMOSトランジスタ501のソース端子と電源端子VDDとの間には第2のPチャネルMOSトランジスタ503が接続され、第1のNチャネルMOSトランジスタ502のソース端子と接地端子との間には第2のNチャネルMOSトランジスタ504が接続されている。第2のPチャネルMOSトランジスタ503及び第2のNチャネルMOSトランジスタ504は、各々のゲート端子に印加する電圧を制御することによってドレイン・ソース端子間の抵抗値が変化し、可変抵抗として動作する。
【0052】
また、トランスコンダクタンス増幅器は、第3のPチャネルMOSトランジスタ505と第3のNチャネルMOSトランジスタ506とから構成される第2のCMOSインバータを備える。第3のPチャネルMOSトランジスタ505と第3のNチャネルMOSトランジスタ506とは直列に接続され、第3のPチャネルMOSトランジスタ505及び第3のNチャネルMOSトランジスタ506の各々のゲート端子には入力端子514が接続されている。また、第3のPチャネルMOSトランジスタ505及び第3のNチャネルMOSトランジスタ506の各々のドレイン端子には出力端子516が接続されている。
【0053】
第3のPチャネルMOSトランジスタ505のソース端子と電源端子VDDとの間には第4のPチャネルMOSトランジスタ507が接続され、第3のNチャネルMOSトランジスタ506のソース端子と接地端子との間には第4のNチャネルMOSトランジスタ508が接続されている。第4のPチャネルMOSトランジスタ507及び第4のNチャネルMOSトランジスタ508は、各々のゲート端子に印加する電圧を制御することによってドレイン・ソース端子間の抵抗値が変化し、可変抵抗として動作する。
【0054】
入力端子513及び514は、トランスコンダクタンス増幅器における信号入力端子であり、例えば、互いに振幅の極性が逆である2系統の信号電圧Vin1、Vin2を入力して動作させる。また、出力端子515及び516は、互いに振幅の極性が逆である2系統の信号電流Iout1、Iout2を出力する。
【0055】
第1のCMOSインバータの出力端子515及び第2のCMOSインバータの出力端子516には、第1のCMOSインバータ及び第2のCMOSインバータの各々から出力される信号電圧間の同相電圧成分を抽出する同相電圧成分抽出部510が接続され、ここで抽出された同相電圧成分は差分増幅部512に入力される。
【0056】
差分増幅部512は、同相電圧成分抽出部510から入力された同相電圧成分と端子511に供給される基準電圧Vrとの差分を増幅し、増幅後の電圧を第3のPチャネルMOSトランジスタ503及び第4のPチャネルMOSトランジスタ507のゲート端子に供給する。
【0057】
第2のPチャネルMOSトランジスタ503及び第4のPチャネルMOSトランジスタ507は、差分増幅部512から供給される電圧によりゲート電圧が制御され、出力端子515と出力端子516とに現れる信号電圧間の同相電圧成分を基準電圧Vrに近づけるように動作する。
【0058】
第2のNチャネルMOSトランジスタ504及び第4のNチャネルMOSトランジスタ508の各々のゲート端子には、トランスコンダクタンス増幅器のトランスコンダクタンス値を調整するための制御電圧Vgを供給する端子509が接続される。
【0059】
次に、上記のように構成されたトランスコンダクタンス増幅器の動作について、図6に示す等価回路図を用いて説明する。
【0060】
図6は、図5のMOSトランジスタを抵抗へ置き換えて示した図である。
抵抗601は第1のPチャネルMOSトランジスタ501に相当し、抵抗602は第1のNチャネルMOSトランジスタ502に相当し、抵抗603は第2のPチャネルMOSトランジスタ503に相当し、抵抗604は第2のNチャネルMOSトランジスタ504に相当する。また、抵抗601〜604は、それぞれ抵抗値R1〜R4を有している。
【0061】
同様に、抵抗605は第3のPチャネルMOSトランジスタ505に相当し、抵抗606は第3のNチャネルMOSトランジスタ506に相当し、抵抗607は第4のPチャネルMOSトランジスタ507に相当し、抵抗608は第4のNチャネルMOSトランジスタ508に相当する。また、抵抗605〜608は、それぞれ抵抗値R1〜R4を有している。
【0062】
出力端子611は図5に示したトランスコンダクタンス増幅器の出力端子515に相当し、出力端子612は図5に示したトランスコンダクタンス増幅器の出力端子516に相当し、出力端子611と出力端子612とに現れる信号電圧間の同相電圧成分をVcomで表している。
【0063】
差動増幅器610は図5の差分増幅部512に相当し、同相電圧成分Vcomと端子609に供給される基準電圧Vrとの差分を利得G倍で増幅して電圧Vcを出力する。これにより、第2のPチャネルMOSトランジスタ503と等価である抵抗603及び第4のPチャネルMOSトランジスタ507と等価である抵抗607は、差動増幅器610の出力電圧Vcによって抵抗値が制御される可変抵抗として動作する。
【0064】
同相電圧成分Vcomは、図2における出力端子207の直流バイアス電圧成分Voutと等価であり、図6において同相電圧成分Vcomの値が決まる原理は、第1実施形態の図2においてVoutの値が決まる原理と同一である。
【0065】
従って、トランスコンダクタンス増幅器の2系統の出力端子611と出力端子612との間の同相電圧成分Vcomは、第1実施形態におけるトランスコンダクタンス増幅器と同様にして、端子609に供給される基準電圧Vrにほぼ一致する。
【0066】
以上のように、本実施形態のトランスコンダクタンス増幅器によれば、出力端子515と出力端子516との間の同相電圧成分Vcomが、端子511に供給される基準電圧Vrに近づくように動作し、また、差分増幅部512の利得が高いほど、よりVrの値に近づくように動作する。これにより、従来のように、出力端子515と出力端子516との間の同相電圧成分Vcomの安定化のために複数のCMOSインバータを設ける必要がないため、回路構成を簡略化できる。
【0067】
また、本実施形態のトランスコンダクタンス増幅器によれば、端子509に供給する制御電圧Vgを任意に変更することで、同相電圧成分Vcomを基準電圧Vrに近づけながら、トランスコンダクタンス増幅器のトランスコンダクタンス値を調整することができる。したがって、電源VDDの値を変化させることなくトランスコンダクタンス値を調整することができ、回路規模の増大や消費電力の増加を招くことなく、トランスコンダクタンス値を調整可能なトランスコンダクタンス増幅器を実現することができる。
【0068】
なお、本実施形態のトランスコンダクタンス増幅器では、トランスコンダクタンス値を変化させるための制御電圧Vgを、第2のNチャネルMOSトランジスタ504と第4のNチャネルMOSトランジスタ508の共通接続されたゲート端子に供給し、同相電圧成分Vcomを安定化するための制御電圧Vcを第2のPチャネルMOSトランジスタ503と第4のPチャネルMOSトランジスタ507の共通接続されたゲート端子に供給する構成としたが、トランスコンダクタンス値を調整するための制御電圧Vgを第2のPチャネルMOSトランジスタ503と第4のPチャネルMOSトランジスタ507の共通接続されたゲート端子に供給し、同相電圧成分Vcomを安定化するための制御電圧Vcを第2のNチャネルMOSトランジスタ504と第4のNチャネルMOSトランジスタ508の共通接続されたゲート端子に供給する構成としても、同等の動作が得られることは明らかである。
【0069】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の構成を示す回路図である。
トランスコンダクタンス増幅器は、第1のPチャネルMOSトランジスタ701と第1のNチャネルMOSトランジスタ702とから構成される第1のCMOSインバータを備える。第1のPチャネルMOSトランジスタ701と第1のNチャネルMOSトランジスタ702とは直列に接続され、第1のPチャネルMOSトランジスタ701及び第1のNチャネルMOSトランジスタ702の各々のゲート端子には入力端子719が接続されている。また、第1のPチャネルMOSトランジスタ701及び第1のNチャネルMOSトランジスタ702の各々のドレイン端子には出力端子721が接続されている。
【0070】
第1のPチャネルMOSトランジスタ701のソース端子と電源端子VDDとの間には第2のPチャネルMOSトランジスタ703が接続され、第1のNチャネルMOSトランジスタ702のソース端子と接地端子との間には第2のNチャネルMOSトランジスタ704が接続されている。第2のPチャネルMOSトランジスタ703及び第2のNチャネルMOSトランジスタ704は、各々のゲート端子に印加する電圧を制御することによってドレイン・ソース端子間の抵抗値が変化し、可変抵抗として動作する。
【0071】
また、トランスコンダクタンス増幅器は、第3のPチャネルMOSトランジスタ705と第3のNチャネルMOSトランジスタ706とから構成される第2のCMOSインバータを備える。第3のPチャネルMOSトランジスタ705と第3のNチャネルMOSトランジスタ706とは直列に接続され、第3のPチャネルMOSトランジスタ705及び第3のNチャネルMOSトランジスタ706の各々のゲート端子には入力端子720が接続されている。また、第3のPチャネルMOSトランジスタ705及び第3のNチャネルMOSトランジスタ706の各々のドレイン端子には出力端子722が接続されている。
【0072】
第3のPチャネルMOSトランジスタ705のソース端子と電源端子VDDとの間には第4のPチャネルMOSトランジスタ707が接続され、第3のNチャネルMOSトランジスタ706のソース端子と接地端子との間には第4のNチャネルMOSトランジスタ708が接続されている。第4のPチャネルMOSトランジスタ707及び第4のNチャネルMOSトランジスタ708は、各々のゲート端子に印加する電圧を制御することによってドレイン・ソース端子間の抵抗値が変化し、可変抵抗として動作する。
【0073】
入力端子719及び720は、トランスコンダクタンス増幅器における信号入力端子であり、例えば、互いに振幅の極性が逆である2系統の信号電圧Vin1、Vin2を入力して動作させる。また、出力端子721及び722は、互いに振幅の極性が逆である2系統の信号電流Iout1、Iout2を出力する。
【0074】
第1のCMOSインバータの出力端子721には、NチャネルMOSトランジスタ711及び713から構成される第1の差動トランジスタ対の入力端子が接続され、第2のCMOSインバータの出力端子722には、NチャネルMOSトランジスタ712及び714から構成される第2の差動トランジスタ対の入力端子が接続されている。
【0075】
NチャネルMOSトランジスタ711及び712の各ドレイン端子(第1及び第2の差動トランジスタ対の正出力端子)は第1の負荷抵抗715に共通接続され、NチャネルMOSトランジスタ713及び714の各ドレイン端子(第1及び第2の差動トランジスタ対の負出力端子)は第2の負荷抵抗716に共通接続されている。NチャネルMOSトランジスタ713及び714の各ゲート端子は共通接続されて、基準電圧Vrを供給する端子710に接続されている。第1の負荷抵抗715及び第2の負荷抵抗716はそれぞれ電源端子VDDに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ711及び713の各ソース端子には電流源717が接続され、NチャネルMOSトランジスタ712及び714の各ソース端子には電流源718が接続されている。
【0076】
第2のNチャネルMOSトランジスタ704及び第4のNチャネルMOSトランジスタ708の各ゲート端子には、トランスコンダクタンス増幅器のトランスコンダクタンス値を調整するための制御電圧Vgを供給する端子709が接続されている。
【0077】
次に、上記のように構成されたトランスコンダクタンス増幅器の動作について、図8の回路図を用いて説明する。
【0078】
図8は、図7に示したトランスコンダクタンス増幅器の差動トランジスタ対及び負荷抵抗の部分(図7の点線部分)を示した回路図である。
第1の差動トランジスタ対の入力端子821に供給される信号電圧Aは、図7における第1のCMOSインバータの出力信号電圧に相当し、同様に、第2の差動トランジスタ対の入力端子822に供給される信号電圧Bは第2のCMOSインバータの出力信号電圧に相当する。また、第1の差動トランジスタ対の出力端子803に現れる信号電圧Vcは、図7における第2のPチャネルMOSトランジスタ703のゲート制御電圧に相当し、同様に、第2の差動トランジスタ対の出力端子807に現れる信号電圧Vcは、第4のPチャネルMOSトランジスタ707のゲート制御電圧に相当する。
【0079】
図8において、出力端子803及び807に現れる信号電圧Vcは、第1及び第2の差動トランジスタ対の出力電流の和と負荷抵抗716との積で表される。ここで、負荷抵抗716の抵抗値をR、差動トランジスタ対を構成するNチャネルMOSトランジスタのトランスコンダクタンス値をgm、電流源717及び718の電流値をそれぞれIとすると、次の式(7)が成り立つ。
【0080】
Vc=VDD−R・{gm・(Vr−A)+(I/2)+gm・(Vr−B)+(I/2)} ・・・(7)
【0081】
式(7)を変形して、次の式(8)を得る。
Vc=2・R・gm・{(A+B)/2−Vr}+VDD−R・I・・・(8)
これより、信号電圧Vcは、信号電圧AとBとの間の同相電圧成分と基準電圧Vrとの差分電圧が、2・R・gm倍に増幅された信号電圧であることが分かる。
【0082】
従って、トランスコンダクタンス増幅器の2系統の出力端子721と出力端子722との間の同相電圧成分は、第2実施形態におけるトランスコンダクタンス増幅器と同様にして、入力端子710に供給される基準電圧Vrにほぼ一致する。
【0083】
以上のように、本実施形態のトランスコンダクタンス増幅器によれば、2つの差動トランジスタ対と2つの負荷抵抗とが、第二実施形態で説明した同相電圧成分抽出部510及び差分増幅部512と同等の機能を果たすため、第二実施形態と同様の効果が得られる。
【0084】
なお、本実施形態のトランスコンダクタンス増幅器では、差動トランジスタ対がNチャネルMOSトランジスタから構成されるものとして説明したが、PチャネルMOSトランジスタ又はバイポーラトランジスタであっても同等の効果が得られることは言うまでもない。
【0085】
また、トランスコンダクタンス増幅器の第1及び第2の負荷抵抗は、トランジスタ等の能動負荷素子であってもよい。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、回路規模の増大や消費電力の増加を抑えながらトランスコンダクタンス値を調整することが可能なトランスコンダクタンス増幅器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の動作を説明するための等価回路図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の動作点電圧を説明するための図であり、(a)は図2における差動増幅器の利得Gが5倍の場合、(b)は10倍の場合、(c)は100倍の場合の図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の動作点電圧を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の動作を説明するための等価回路図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るトランスコンダクタンス増幅器において、差動トランジスタ対及び負荷抵抗から構成される部分を示す回路図である。
【図9】従来のトランスコンダクタンス増幅器の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
101、501、701 第1のPチャネルMOSトランジスタ
102、502、702 第1のNチャネルMOSトランジスタ
103、503、703 第2のPチャネルMOSトランジスタ
104、504、704 第2のNチャネルMOSトランジスタ
105、107、509、511、709、710 端子
106 直流バイアス電圧成分抽出部
510 同相電圧成分抽出部
108、512 差分増幅部
505、705 第3のPチャネルMOSトランジスタ
506、706 第3のNチャネルMOSトランジスタ
507、707 第4のPチャネルMOSトランジスタ
508、708 第4のNチャネルMOSトランジスタ
109、513、514、719、720 入力端子
110、515、516、721、722 出力端子

Claims (5)

  1. 第1のPチャネルMOSトランジスタ及び第1のNチャネルMOSトランジスタより構成されるCMOSインバータと、
    前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と電源端子との間に接続された第2のPチャネルMOSトランジスタと、
    前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、
    前記CMOSインバータの出力から直流バイアス電圧成分を抽出する直流バイアス電圧成分抽出手段と、
    前記直流バイアス電圧成分抽出手段により抽出された直流バイアス電圧成分と基準電圧との差分を増幅する差分増幅手段とを備え、
    前記差分増幅手段の出力を前記第2のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子に接続すると共に、前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧を任意の電圧により制御するトランスコンダクタンス増幅器。
  2. 第1のPチャネルMOSトランジスタ及び第1のNチャネルMOSトランジスタより構成されるCMOSインバータと、
    前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と電源端子との間に接続された第2のPチャネルMOSトランジスタと、
    前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、
    前記CMOSインバータの出力から直流バイアス電圧成分を抽出する直流バイアス電圧成分抽出手段と、
    前記直流バイアス電圧成分抽出手段により抽出された直流バイアス電圧成分と基準電圧との差分を増幅する差分増幅手段とを備え、
    前記差分増幅手段の出力を前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子に接続すると共に、前記第2のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧を任意の電圧により制御するトランスコンダクタンス増幅器。
  3. 第1のPチャネルMOSトランジスタ及び第1のNチャネルMOSトランジスタより構成される第1のCMOSインバータと、
    前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と電源端子との間に接続された第2のPチャネルMOSトランジスタと、
    前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、
    第3のPチャネルMOSトランジスタ及び第3のNチャネルMOSトランジスタより構成される第2のCMOSインバータと、
    前記第3のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と前記電源端子との間に接続された第4のPチャネルMOSトランジスタと、
    前記第3のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第4のNチャネルMOSトランジスタと、
    前記第1のCMOSインバータ及び前記第2のCMOSインバータの各々から出力される出力電圧間の同相電圧成分を抽出する同相電圧成分抽出手段と、
    前記同相電圧成分抽出手段により抽出された同相電圧成分と基準電圧との差分を増幅する差分増幅手段とを備え、
    前記差分増幅手段の出力を前記第2のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子及び前記第4のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子に接続すると共に、前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧及び前記第4のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧を任意の電圧により制御するトランスコンダクタンス増幅器。
  4. 第1のPチャネルMOSトランジスタ及び第1のNチャネルMOSトランジスタより構成される第1のCMOSインバータと、
    前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と電源端子との間に接続された第2のPチャネルMOSトランジスタと、
    前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、
    第3のPチャネルMOSトランジスタ及び第3のNチャネルMOSトランジスタより構成される第2のCMOSインバータと、
    前記第3のPチャネルMOSトランジスタのソース端子と前記電源端子との間に接続された第4のPチャネルMOSトランジスタと、
    前記第3のNチャネルMOSトランジスタのソース端子と接地端子との間に接続された第4のNチャネルMOSトランジスタと、
    前記第1のCMOSインバータ及び前記第2のCMOSインバータの各々から出力される出力電圧間の同相電圧成分を抽出する同相電圧成分抽出手段と、
    前記同相電圧成分抽出手段により抽出された同相電圧成分と基準電圧との差分を増幅する差分増幅手段とを備え、
    前記差分増幅手段の出力を前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子及び前記第4のNチャネルMOSトランジスタのゲート端子に接続すると共に、前記第2のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧及び前記第4のPチャネルMOSトランジスタのゲート端子電圧を任意の電圧により制御するトランスコンダクタンス増幅器。
  5. 請求項3又は4記載のトランスコンダクタンス増幅器であって、
    前記同相電圧成分抽出手段及び前記差分増幅手段は、
    前記第1のCMOSインバータの出力電圧と前記基準電圧との差に応じた電流を出力する第1の差動トランジスタ対と、
    前記第2のCMOSインバータの出力電圧と前記基準電圧との差に応じた電流を出力する第2の差動トランジスタ対と、
    前記第1の差動トランジスタ対の正出力と前記第2の差動トランジスタ対の正出力とに共通接続される第1の負荷素子と、
    前記第1の差動トランジスタ対の負出力と前記第2の差動トランジスタ対の負出力とに共通接続される第2の負荷素子とにより構成されるトランスコンダクタンス増幅器。
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