JP4708543B2 - 眼血流計 - Google Patents

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    • A61B3/1241Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for looking at the eye fundus, e.g. ophthalmoscopes specially adapted for observation of ocular blood flow, e.g. by fluorescein angiography

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の血管内の血流を計測する眼血流計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ドップラ効果を利用した眼血流計は、被検眼の被測定血管にレーザービームを照射し、その散乱反射光を光検出器により受光し、血流からの散乱反射光であるドップラシフトした成分と、静止している血管壁からの散乱反射光との干渉信号を検出し、このデータを周波数解析して血流速度を求める装置であり、次式によって血流速度(最大速度Vmax)を求めている。
Vmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1 |−|Δfmax2 ||/cosβ …(1)
ここで、2つの受光器で受光した受光信号から算出した周波数の最大シフトを、それぞれΔfmax1 、Δfmax2 、レーザー光の波長をλ、測定部位の屈折率をn、眼内での2つの受光光軸のなす角度をα、眼内で2つの受光光軸が形成する平面と血流の速度ベクトルとの成す角度をβとしている。
【0003】
このように2方向から計測を行うことによって、測定光の入射方向の寄与が相殺され、眼底上の任意の部位の血流を計測することができる。また、2つの受光光軸がつくる平面と眼底の交線と、血流の速度ベクトルとの成す角βを一致させることにより、β=0゜となって真の最大血流速度を測定することができる。
【0004】
更に、眼血流計で測定を行う際に、被検眼の固視微動等によって装置の光学系と被測定部との相対位置が変化すると正確な測定が困難になるので、この解決手段として、被測定血管にトラッキング用光源からの光束を照射してその血管像をCCDカメラで撮像し、被検眼の動きに応じて血管像がCCDカメラ上の固定位置に安定化するように、トラッキング用光源からの光束を走査してトラッキングを行う装置が、特開昭63−288133号公報に開示されている。
【0005】
しかし、式(1)のドップラシフトの最大値Δfmax1 は、血流によりシフトした成分と静止している血管壁との干渉信号として検出を行うために、周波数解析により得られる最大周波数シフトΔfmaxは、|Δfmax|という符号情報が欠如したものになる。このために、眼底において部位の異なる血管の血流を測定する場合には、最大周波数シフトΔfmax1 、Δfmax2 の符号が共に正、共に負、正負異符号を持つ場合が存在することになる。従って、測定する部位によっては、式(1)により最大血流速度Vmaxを決定することが不可能になるという問題が生ずる。そこで、特開平7−155299号公報には、眼底血管の部位や方向によらずに正しく血流を測定するために、測定光の入射方向を切換える手段を備えた眼底血流計が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の従来例においては、片方の入射方向での測定時に、例えば被検者の睫毛等によって光束がけられたり、アライメントがずれたり、瞬きや固視不良が発生した場合には、その入射方向において正しい測定が行われないために、他方の入射方向で正しく測定されている場合でも、両方の入射方向で共に測定不良と判断され、正しく測定されたパスの測定が無駄になる。そして、再アライメント後に再び両入射方向について測定することになるので、被検者に長時間の固視を強いるし、測定時間も長くなるという問題が生じている。
【0007】
そこで、出願人らは特開平10−71126号公報において、測定データを無駄にすることがなく測定時間を短縮し、同時に被検者に対して不必要なレーザー光を照射せずに済み、かつ長時間固視を強いることを避ける目的で、各入射方向の測定が正しくなかった場合に、その入射方向について再測定が行える眼底血流計を提案している。
【0008】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、再測定の決定の判断がより容易にできて使い易く、かつ測定精度の高い眼血流計を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に係る発明は、測定光を被検眼の血管に照射する測定光照射手段と、前記測定光により血管内粒子から生ずる散乱光を受光する測定光受光手段と、全体の動きを制御しかつ前記測定光受光手段からの受光出力信号を解析して血流に関する情報を算出する制御手段とを有する眼血流計において、2つの測定方向による測定データを基に1つの測定値を求めるために前記測定光照射手段の照射方向又は前記測定光受光手段の受光方向を異なる方向に偏向して測定方向を変更する測定方向変更手段と、前記受光出力信号或いは前記受光出力信号を加工した信号を記憶する記憶手段と、前記受光信号又は前記血流に関する情報を提示する測定結果提示手段と、前記異なる方向の測定のうちの任意の方向での再測定を選択的に行うための再測定選択命令入力手段と、前記再測定を行った測定方向における前記再測定前後の測定結果のうち、任意の測定結果を選択する測定結果選択手段と、
を有することを特徴とする眼血流計である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態の眼底血流計の構成図を示し、白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光源1から被検眼Eと対向する対物レンズ2に至る照明光路上には、コンデンサレンズ3、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ4、被検眼Eの瞳孔とほぼ共役な位置に設けられたリングスリット5、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板6、リレーレンズ7、孔あきミラー8、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー9が順次に配列されている。なお、リングスリット5は被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成するものであれば、その形状や数は問題とならない。
【0016】
孔あきミラー8の背後には眼底観察光学系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカスレンズ10、リレーレンズ11、スケール板12、接眼レンズ13が順次に配列され、検者眼eに至っている。
【0017】
バンドパスミラー9の反射方向の光路上には、イメージローテータ14、紙面に垂直な回転軸を有する両面研磨されたガルバノメトリックミラー15が配置され、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの反射方向には、光路に沿って移動自在な第2のフォーカスレンズ16が配置され、上側反射面15bの反射方向にはレンズ17、光路に沿って移動自在なフォーカスユニット18が配置されている。
【0018】
なお、レンズ17の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔と共役関係にあり、この焦点面に瞳孔上において非対称な形状とされたガルバノメトリックミラー15が配置されている。また、ガルバノメトリックミラー15の後方には凹面ミラー19が光軸上に同心的に配置され、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで反射されたレーザービームが、ガルバノメトリックミラー15の切欠部を通過するようにするために、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bと下側反射面15aとを−1倍で結像するリレー光学系が構成されている。
【0019】
フォーカスユニット18においては、レンズ17と同一光路上にダイクロイックミラー20、集光レンズ21が順次に配列され、ダイクロイックミラー20の反射方向の光路上にはマスク22、ミラー23が配置されており、このフォーカスユニット18は一体的に矢印で示す方向に移動可能とされている。
【0020】
集光レンズ21の入射方向の光路上には、固定ミラー24、光路から退避可能な光路切換ミラー25が平行に配置され、光路切換ミラー25の入射方向の光路上には、レーザーダイオード等の測定用光源26が配列されている。更に、ミラー23の入射方向の光路上には、他の光源と異なる高輝度の例えば緑色光を発するトラッキング用光源27が配列されている。
【0021】
ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの反射方向の光路上の第2のフォーカスレンズ16の後方に、ダイクロイックミラー28、拡大レンズ29、イメージインテンシファイヤ付きの一次元CCD30が順次に配列され、血管検出系が構成されている。また、ダイクロイックミラー28の反射方向の光路上には、受光瞳を形成するミラー31a、31b、フォトマルチプライヤ32a、32bが配置され、測定用受光光学系が構成されている。なお、図示の部合上、全ての光路を同一平面上に示したが、ミラー31a、31b、フォトマルチプライヤ32a、32bはそれぞれ紙面に直交した方向に配置されている。
【0022】
一次元CCD30の出力はトラッキング制御部33に接続されており、トラッキング制御部33の出力はガルバノメトリックミラー15に接続されており、更に装置全体を制御するシステム制御部34に接続されている。システム制御部34は透過型液晶板6、光路切換えミラー25、フォトマルチプライヤ32、操作部35、異なる方向の測定のうちの任意の方向での再測定を選択的に行うための複数の再測定選択スイッチが配置された選択スイッチパネル36、記憶手段37に接続されている。そして、システム制御部34の出力は測定結果を表示するモニタ38に接続され、選択スイッチパネル36に配置された複数の再測定選択ボタンにより再測定選択命令手段が構成されている。
【0023】
図2は被検眼Eの瞳孔上の各光束の配置を示し、Iは黄色の照明光により照明される領域でのリングスリット5の像、Oは眼底観察光束で孔あきミラー8の開口部の像、Vは測定/血管受光光束でガルバノメトリックミラー15の上下反射面15b、15aの有効部の像、Da、Dbは2つの測定受光光束でそれぞれミラー対31a、31bの像である。また、P2、P2’は測定光の入射位置で光路切換ミラー25を切換えることによって選択される測定光の位置を示し、鎖線で示す領域Mはガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの像である。
【0024】
観察用光源1から発した白色光はコンデンサレンズ3を通り、バンドパスフィルタ4により黄色の波長光のみが透過され、リングスリット5を通過した光束が透過型液晶6を背後から照明し、リレーレンズ7を通って孔あきミラー8で反射される。その後に、黄色域の光のみがバンドパスミラー9を透過し、対物レンズ2を通り、被検眼Eの瞳孔上でリングスリット像として一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。このとき、透過型液晶板6には固視標が表示されており、照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影され、視標像として被検眼Eに呈示される。
【0025】
眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳孔上から眼底観察光光束として取り出され、孔あきミラー8の中心の開口部、フォーカスレンズ10、リレーレンズ11を通り、スケール板12で眼底像Ea’として結像した後に、検者眼eにより接眼レンズ13を介して観察される。この眼底像Ea’を観察しながら、装置のアライメントが行われる。
【0026】
測定用光源26を発した測定光は、光路切換ミラー25が光路に挿入されている場合には、光路切換ミラー25、固定ミラー24でそれぞれ反射され、集光レンズ21の下方を通過し、光路切換ミラー25が光路から退避している場合には、直接集光レンズ21の上方を通過して、共にダイクロイックミラー20を透過する。
【0027】
一方、トラッキング用光源27から発したトラッキング光はミラー23で反射された後に、マスク22で所望の形状に整形され、更にダイクロイックミラー20で反射されて、集光レンズ21によりマスク22の開口部中心と共役な位置にスポット状に結像している測定光と重畳される。測定光とトラッキング光はレンズ17を通り、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで一旦反射され、更に凹面ミラー19で反射され、再びガルバノメトリックミラー15の方へ戻される。ここで、リレー光学系の機能により、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで反射された両光束は、ガルバノメトリックミラー15の切欠部の位置に戻されることになり、ガルバノメトリックミラー15に反射されることなくイメージローテータ14に向かう。
【0028】
イメージローテータ14を経て、バンドパスミラー9により対物レンズ2の方向に偏向された両光束は、対物レンズ2を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。このとき、トラッキング光はマスク22により、測定点を含みその血管をカバーする長方形の領域を照明するように、その大きさが血管走行方向300〜500μm程度、血管直角方向に500〜1200μm程度に整形されており、また測定光は測定する血管の太さ程度の50〜120μmの円形スポット、又は血管走行方向に長手方向を有する楕円形状とされている。
【0029】
眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ2で集光され、バンドパスミラー9で反射されてイメージローテータ14を通り、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aで反射され、フォーカスレンズ16を通り、ダイクロイックミラー28において測定光とトラッキング光とが分離される。
【0030】
そして、トラッキング光はダイクロイックミラー28を透過し、拡大レンズ29により一次元CCD30上で眼底観察光学系による眼底像Ea’よりも拡大された血管像として結像する。このときの撮像範囲はトラッキング光の照射範囲とほぼ同一の大きさである。この血管像信号はトラッキング制御部33に入力され、血管の位置信号に変換される。トラッキング制御部33はこの信号を使用して、ガルバノメトリックミラー15の回転角を制御し血管のトラッキングを行う。
【0031】
また、測定光とトラッキング光による眼底Eaでの散乱反射光の一部はバンドパスミラー9を透過し、孔あきミラー8の背後の眼底観察光学系に導かれ、トラッキング光はスケール板12上に棒状のインジケータとして結像し、測定光はこのインジケータの中心部にスポット像として結像する。これらの像は接眼レンズ13を介して検者眼eにより眼底像及び視標像と共に観察される。このとき、インジケータの中心には測定ビームのスポット像が重畳して観察される。インジケータは操作部35によってガルバノメトリックミラー15を回転することにより、眼底Ea上を一次元に移動することができる。
【0032】
測定に際して、検者は先ず眼底像のピント合わせを行う。操作部35のフォーカスノブを調整すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板6、フォーカスレンズ10、16、フォーカスユニット18が連動して光路に沿って移動する。眼底像のピントが合うと、透過型液晶板6、スケール板12、一次元CCD30は同時に眼底Eaと共役になる。
【0033】
検者は眼底像のピントを合わせた後に、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管Vを適当な位置に移動するために操作部35を操作する。システム制御部34は透過型液晶6を制御し視標像を移動する。検者はイメージローテータ14を回転して測定対象とする血管Vの走行方向に対して、フォトマルチプライヤ32a、32bの中心を結んだ線が平行になるように操作する。このとき、ガルバノメトリックミラー15を回転することにより、一次元CCD30の画素配列の垂直方向と測定ビームの移動方向は、同時にこれと直角の血管に対して垂直な方向に調整される。角度合わせが終了した後に、検者は操作部35を操作してインジケータの中心を測定部位に移動する。そして、再び操作部35を操作してトラッキングの開始を入力する。
【0034】
操作部35からシステム制御部34を介してトラッキング開始の指令がトラッキング制御部33に入力されると、トラッキング制御部33において一次元CCD30の受光信号に基づいて血管像の一次元基準位置からの移動量が算出される。そして、トラッキング制御部33によりこの移動量に基づいてガルバノメトリックミラー15が駆動され、一次元CCD30上の血管像の受像位置が一定になるように制御される。
【0035】
検者がトラッキングを開始してその良否を確認した後に、操作部35の測定スイッチを押して測定を開始すると、システム制御部34により光路切換えミラー25が光路に挿入され、先ず被検眼Eの瞳孔上のスポット像P1、P2の位置から入射した光束、即ちパス1の光束の眼底での散乱反射光がフォトマルチプライヤ32a、32bに受光され、この受光出力信号がシステム制御部34に取り込まれ、例えば2秒間の測定が行われる。この測定の間は、測定ビームはトラッキング制御部33の働きにより血管上に保持される。
【0036】
システム制御部34は20m秒ごとのフォトマルチプライヤ32aからの受光出力信号をFFT(高速フーリエ変換)処理し、FFT波形を受光出力信号の取り込みとほぼ同時にモニタ38に表示する。図3はモニタ38の表示を示し、FFT波形M1はその一例である。このFFT波形M1からは理想的な矩形形状に近いほど信号が良い、つまり測定状態が良いと判別できる。測定光が血管の中心に照射されていないトラッキング不良、被検者の瞬き、被検者の睫毛による測定光束のけられ等の測定不良があると、矩形形状から崩れてくる。
【0037】
また、システム制御部34はそのFFT波形M1からFFT波形の良否の程度、即ち受光出力信号の良否の程度を表す信号良否評価値を算出し、その値に応じて長さが変化する捧M2によるグラフをモニタ38に表示する。本実施の形態では、信号が良いほど棒M2が長くなるようになっており、検者は容易に良否の判別ができる。なお、本実施の形態では2個のフォトマルチプライヤ32a、32bは測定部位に対して受光方向が異なるだけなので、簡略化のためフォトマルチプライヤ32aのみの受光出力信号を用いているが、フォトマルチプライヤ32a、32bの両方の受光出力信号を用いてもよく、信号良否評価値は両者から求められた値を平均すればより精度が高くなる。
【0038】
図4は信号良否評価値の求め方を説明したものである。Sは実際のFFT波形の一例であり、このFFT波形を高周波側から積分して得られる曲線の始点と終点を結んだ直線からその曲線の値を引いた値は曲線epoとなる。Lsは曲線epoが最大ピークとなる周波数がより低い周波数の部分で曲線epoを直線近似した直線である。受光瞳の大きさを無視した場合に、理論的に求められるFFT波形の形状は矩形形状となり、曲線opに相当する部分は直線となる。そこで、周波数0からfpまでの間で近似直線Lsと曲線epoとの残差を算出し、十分大きな基準値とその残差との差をもって信号良否評価値とすることができる。即ち、信号良否評価値が大きいほど信号が良いことになる。
【0039】
図5は選択スイッチパネル36の詳細を示し、「パス1再測定」、「パス2再測定」、「両パス再測定」、「解析」の4個のボタンB1〜B4のうち、再測定選択ボタンB1〜B3により再測定選択命令入力手段が構成されている。検者は測定中に上記のようなモニタ38上の測定状態を表す情報を見て、明らかにパス1での測定状態が悪い場合には、選択スイッチパネル36の「パス1再測定」ボタンB1を押してアライメントを再調整し、被検者の固視の状態や瞼の開き具合等の確認を行ってからパス1の測定を再度行う。
【0040】
本実施の形態では、受光出力信号を処理したFFT波形M1と信号良否評価値の棒M2によるグラフを表示しているが、スピーカ、ヘッドホン、イヤホン等を設けて、受光出力信号そのものを音声として出力し、検者がその音声から受光出力信号の良否の程度を判別するようにしてもよい。
【0041】
この場合は、音が澄んでいるほど信号が良いという判断をすることになる。検者が測定中にモニタ38を見る必要がないので被検者の方に気を配れるが、判断するのに多少経験が必要である。
【0042】
パス1での測定の間には、前述したようにトラッキング制御部33において、一次元CCD30の受光信号に基づいて血管像の一次元基準位置からの移動量が算出され、記憶手段37に記憶される。システム制御部34は測定終了直後にその移動量の時間変動をモニタ38に表示する。図6のM3はその一例である。測定の間全体において、この移動量M3が零に近いほど測定中のガルバノメトリックミラー15の移動が少ないこと、即ち被検眼の動きが少なく測定対象の血管の中心に常に測定ビームが照射されていることになる。また、瞬間的に移動量M3が大きくても直後に零に近くなっていれば、トラッキングが良好に行われたことが分かる。このように、血管像の一次元基準位置からの移動量M3の時間変動は被検眼の動きの追尾の良否を判別する追尾良否情報となる。
【0043】
そして、受光出力信号は記憶手段37に記憶される。次に、システム制御部34はその受光出力信号を用い、20m秒ごとのフォトマルチプライヤ32aからの受光出力信号をFFT処理し、図7に示すようにFFT波形のパワースペクトルが閾値P0を超える最大の周波数frを求める。周波数frはほぼ血流速度に比例した値となる。図6はその一例を示すが、システム制御部34はこの周波数frの時間変動をモニタ38に表示する。測定状態が良い場合はこの変動曲線M4が滑らかになるが、測定状態が良くない場合は変動曲線M4のX部に示すように乱れた変動になる。
【0044】
検者は測定直後にこのような測定状態を表す情報を見て、明らかににパス1での測定状態が悪いと判断される場合には、選択スイッチパネル36の「パス1再測定」ボタンB1を押し、再度パス1の測定を行う。記憶手段37に記憶された最初の受光出力信号は再測定前に削除される。また、ここでは受光出力信号そのものを記憶手段37に記憶しているが、FFT信号のようにそれを加工した信号を記憶してもよい。
【0045】
パス1での測定が完了すると、検者はパス2での測定を行うためにパス1のときと同様に、操作部35からトラッキング開始の指令を入力してトラッキングを開始し、その良否を確認した後で、操作部35の測定スイッチを押して測定を開始する。すると、システム制御部34により光路切換えミラー25が光路から退避し、被検眼Eの瞳孔上のスポット像P1’、P2’の位置からの光束、即ちパス2の光束を入射させて測定を行うことになる。パス1とパス2とでは、測定部位に対する測定光の入射方向が異なる。瞳孔上のスポット像P1’、P2’の位置は、図2に示したように他方のスポット像P1、P2それぞれの中心を通り、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線と平行な直線上に中心を持つように配置されている。
【0046】
パス2の測定においても、パス1の測定と同様に測定中にFFT波形と信号良否評価値の棒グラフがモニタ38の右側に表示され、測定直後には血管像の一次元基準位置からの移動量の時間変動と周波数frの時間変動が同様にモニタ38の右側に表示される。図8は測定直後の表示の例を示すが、検者が測定中に移動量M3や変動曲線M4を見ていて、明らかにパス2の測定状態が悪ければ、直ちに選択スイッチパネル36上の「パス2再測定」ボタンB2を押し、パス2の再測定を行う。
【0047】
そうでなければ、モニタ38上の測定情報つまり血管像の一次元基準位置からの移動量M3や周波数frの変動曲線M4をパス1とパス2とで比べて、何れかのパスの結果が悪い場合に、悪い方のパスに応じて「パス1再測定」ボタンB1又は「パス2再測定」ボタンB2を押して再測定を行う。パス1、2共に再測定をする場合には、「両パス再測定」ボタンB3を押す。再測定を行う場合に、記憶手段37に記憶された最初の受光出力信号は再測定前に削除される。両パス共に良ければ、検者は「解析」ボタンB4を押し、1組の両パスの測定が完了して、システム制御部34は以下のような解析を行って流速を算出する。
【0048】
先ず、パス1、パス2の受光出力信号をFFT処理し、パス1のFFTから最大周波数シフト|Δfmax1 |、|Δfmax2 |、パス2のFFTから最大周波数シフト|Δfmax1’|、|Δfmax2 ’|を求め、式(1)でβ=0°とした次式により、パス1、2それぞれの最大眼底血流速度Vmax、Vmax’を算出する。
【0049】
Vmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1|−|Δfmax2|| …(2)
Vmax’={λ/(n・α)}・||Δfmax1’|−|Δfmax2’|| …(3)
そして、最大眼底血流速度Vmax、Vmax’の値が大きく異なる場合には値の大きい方を真の血流速度とし、Vmax、Vmax’の値がほぼ同一である場合にはそれらの平均を真の血流速度としてモニタ38に表示する。値の小さい方を採用しないのは、最大周波数シフトΔfmax1 、Δfmax2 或いはΔfmax1’、Δfmax2 ’の符号が正負異符号を持ち、最大眼底血流速度が式(2)或いは式(3)では正しく求められない場合、即ち最大眼底血流速度Vmax或いはVmax’の値が真の血流速度よりも小さくなる場合を除くためである。
【0050】
従来では、片方のパスの測定が正しく行われなかった場合には、両方のパス共に再測定を行わなければならなかったが、モニタ38に測定の状態を表す情報を表示し、選択スイッチパネル36上のボタンB1〜B3で構成される再測定選択命令入力手段を設けることにより、正しく行われたパスの測定データが無駄にならずに済み、正しく測定されたパスを重複して測定しなくともよいので、測定部位を数多く測定することができる。
【0051】
また、両パス測定直後にはモニタ38に両パスの測定状態の情報、即ち血管像の一次元基準位置からの移動量の時間変動と周波数frの時間変動が同時に表示され、パス1とパス2を比べることができるので、再測定の判断を容易に行うことができる。測定状態の良否は測定部位によっても異なることがあり、一概に個々の測定状態の情報を見て測定の良否を判別できない場合もあるが、両パス間では状態はほぼ同様になる筈であり、両パス間で比較するとこのような問題も解決できる。
【0052】
本実施の形態においては、測定情報の1つとして周波数frの時間変動を挙げたが、最大周波数シフト量の時間変動、最大血流速度の時間変動等血流に関する他の情報をモニタ38に表示するようにしてもよい。
【0053】
図9は第2の実施の形態の構成図を示し、第1の実施の形態では入射光を2方向から入射することにより、|Δfmax1 |、|Δfmax2 |、|Δfmax1’|、|Δfmax2’|の符号の問題を解決したが、本実施の形態では受光側の位置を変えることにより符号の問題を解決している。
【0054】
測定用光源26からの光束は、ガルバノメトリックミラー15の像Mの裏側の図2中の位置P1’で反射されて、ガルバノメトリックミラー15の切欠部に位置する位置P2’へ戻されることになり、1方向からの入射になっている。また、ミラー対31a、31bとフォトマルチプライヤ32a、32bは一体的にユニット化されており、システム制御部34により測定信号の受光光学系に対して垂直に紙面上で移動可能とされている。
【0055】
図10は被検眼Eの瞳孔上の各光束の配置図を示し、図2と異なる場合のみを説明すると、Dcはフォトマルチプライヤ32a、32bが移動したときに選択される測定受光光束を示し、Da、Db、Dcは孔あきミラー8の開口部に一直線上に並んで配置されている。
【0056】
装置の操作手順は第1の実施の形態と同様であるが、パス1の測定が正しく完了して検者がパス2の測定を開始すると、システム制御部34は図9の点線で示すユニット化されたミラー対31a、31bとフォトマルチプライヤ32a、32bを矢印の方向に動かす。このように動作された状態で、フォトマルチプライヤ32aが光束Dbを受光し、フォトマルチプライヤ32bが光束Dcを受光するようになる。
【0057】
そして、この状態でパス2の測定が開始され、正しく測定が完了するとシステム制御部34は第1の実施の形態と同様に記憶手段37に記憶されている受光出力信号から、|Δfmax1 |、|Δfmax2 |、|Δfmax1’|、|Δfmax2 ’|、最大眼底血流速度Vmax、Vfmax’を算出する。
【0058】
本実施の形態では、システム制御部34が記憶手段37に記憶されているフォトマルチプライヤ32aからの受光出力信号に対して、第1の実施の形態で述べた信号良否評価値を20m秒ごとに算出し、測定中のその時間変動をパス1、パス2それぞれの測定直後にモニタ38に表示する。
【0059】
図11のM5、M6はそれぞれパス1、パス2の信号良否評価値の時間変動量の例を示す。値が大きいほど信号が良いので、両パスの比較、再測定の判断は容易にできる。
【0060】
また、システム制御部34は一次元CCD30上の血管像を基にその血管径も算出するようになっており、血管像は2秒間の測定の間に30個の血管像が取り込まれる。そして、システム制御部34はパス1、パス2それぞれの測定直後にこの血管像をモニタ38に30個を重ね合わせて表示する。
【0061】
図11のM7、M8はそれぞれパス1、パス2の血管像の重ね合わせで、トラッキングの不良があった場合にはM7に示すようにずれた血管像が何本も重なって太い線が見えるので容易に判別できる。M8は良好な場合である。更に、トラッキングの不良だけではなく、睫毛や涙の影響で血管像が不安定な場合も重ね合わせの像が乱れるので、第1の実施の形態の血管像の一次元基準位置からの移動量を表示するよりも、より幅広い測定状態の不良に対応できる。なお、血管像を表示するのではなく、算出された血管径の数値のばらつきを表示すれば、測定の良否をより容易に判別することができる。
【0062】
図12は選択スイッチパネル36の詳細を示し、ボタンB1〜B4は第1の実施の形態と同様であり、4個のボタンB5〜B8により「パス1の1回目」、「パス1の2回目」、「パス2の1回目」、「パス2の2回目」から成る測定結果選択手段が構成されている。検者は第1の実施の形態と同様に、パス1とパス2の測定状態を比較して再測定の要否を判断し、それに応じてボタンB1〜B4を押す。本実施の形態では再測定を行った場合に、再測定前の最初の測定の測定状態の情報である信号良否評価値の時間変動と血管像の重ね合わせがモニタ38の上側に表示され、再測定の際の測定状態の情報が下側に表示される。
【0063】
図11のM9、M10がパス1の再測定を行った場合の信号良否評価値の時間変動と血管像の重ね合わせの表示の例である。検者はパス1とパス2の測定状態を比較すると同様に、再測定前後の結果つまり1回目と2回目の測定状態を比較し、測定状態が良い方の測定の測定結果を選択する。この選択の入力は、「パス1の1回目」、「パス1の2回目」、「パス2の1回目」、「パス2の2回目」の各ボタンB5〜B8の中から選択して押すことによって行う。この例ではパス1のみ再測定を行っており、例えば2回目を選択するなら「パス1の2回目」のボタンB6を押せばよい。システム制御部34は選択結果に応じて第1の実施の形態と同様に解析を行って血流速度を算出する。
【0064】
このように、本実施の形態ではパス1とパス2の測定状態を比較するだけではなく、再測定の前後の1回目と2回目の測定状態を比較できるので、良好な方のデータを採用できるので、再測定を行って測定状態の良い1回目の測定結果を無駄にしてしまうことがなくなり、かつ測定精度を高めることができる。
【0065】
なお、本実施の形態では1回の再測定のみが対象であるが、2回以上の再測定についても測定状態の良い測定結果を選択できるようにすることも可能である。
【0066】
また、本実施の形態のように受光瞳の位置を移動する場合は、パス2の測定の際に光束Dcのみ測定するようにして、光束Dbの測定についてはパス1の測定結果を利用するように構成してもよく、この他にもフォトマルチプライヤを3個用意して、それぞれの光束Da、Db、Dcに対応するようにして受光手段の受光方向を異なる方向に偏向して、測定方向を変更することも可能である。
【0067】
図13は第1の実施の形態と同じ構成を持つ第3の実施の形態におけるシステム制御部34の再測定に関する動作のフローチャート図を示す。本実施の形態は再測定が必要かどうかの判断を自動的に行い、再測定が必要な場合にはぞれを警告するものである。
【0068】
先ず、ステップS1でシステム制御部34は操作部35の測定スイッチが押されたか否かを判断する。測定スイッチが押されていない場合(NO)にはステップS1が繰り返され測定スイッチの入力待機状態となる。そして、測定スイッチが押される(YES)と、ステップS2でシステム制御部34は光路切換えミラー25を光路に挿入し、フォトマルチプライヤ32a、32bの受光出力信号を2秒間取り込む、即ち、パス1での測定を行い、受光出力信号SGlを記憶手段37に記憶する。そして、ステップS3で再び操作部35の測定スイッチが押されたか否かを判断し、測定スイッチが押されていない場合(NO)には、ステップS3が繰り返され測定スイッチの入力待機状態となる。そして、測定スイッチが押される(YES)と、ステップS4でシステム制御部34は光路切換えミラー25を光路から退避し、ステップS2と同様にして今度はパス2での測定を行い、受光出力信号SG2を記憶手段37に記憶する。
【0069】
次に、ステップS5でシステム制御部34は記憶手段37に記憶された受光出力信号SG1、SG2から、第1の実施の形態と同様の方法でそれぞれ信号良否評価値ES1、ES2を算出し、ステップS6でES1、ES2を記手段37に記憶する。そして、ステップS7でパス1の信号良否評価値ES1が基準値TH1よりも大きいか否か、即ち再測定を行う必要がないほど信号良否評価値ES1が高いかどうかを判断し、大きい(YES)場合には、ステップS8で今度はパス2の信号良否評価値ES2が基準値TH1よりも大きいか否かを判断する。ここでも大きい(YES)場合には、ステップS9でパス1、2の信号良否評価値ES1、ES2の差が基準値TH2よりも小さいか否かを判断して、小さい(YES)場合には、ステップS10で記憶手段37に記億された受光出力信号SG1、SG2から血流速度を求める。
【0070】
ステップS7において、パス1の信号良否評価値ES1が基準値TH1以下(NO)の場合には、ステップS11でパス2の信号良否評価値ES2が基準値TH1よりも大きいか否かを判断し、大きい(YES)場合には、ステップS12でシステム制御部34はモニタ38にパス1の再測定を行うように警告を表示し、ステップS13で一定時間の間に選択スイッチパネルの「パス1再測定」ボタンB1が押されたか否かを判断し、押されていない(NO)場合には、前述のステップS10で記憶手段37に記憶された受光出力信号SG1、SG2から血流速度を求める。
【0071】
押された(YES)場合には、ステップS14で操作部35の測定スイッチが押されたか否かを判断する。測定スイッチが押されていない(NO)場合にはステップS14が繰り返され、測定スイッチの入力待機状態となる。そして、測定スイッチが押される(YES)と、ステップS15でステップS2と同様にパス1での測定を行い、受光出力信号SG3を記憶手段37に記憶する。
【0072】
その後に、ステップS16でシステム制御部34は記憶手段37に記憶された受光出力信号SG3から信号良否評価値ES3を算出し、ステップS17でES3が記憶手段37に記憶されたES1よりも大きいか否かを判断し、大きい(YES)場合には、ステップS18で記憶手段37に記憶された受光出力信号SG3、SG2から血流速度を求め、小さい(NO)場合には、前述のステップS10で記憶手段37に記憶された受光出力信号SG1、SG2から血流速度を求める。
【0073】
ステップS11でパス2の信号良否評価値ES2が基準値TH1以下(NO)の場合には、ステップS19でシステム制御部34はモニタ38にパス1、パス2の再測定を行うように警告を表示し、ステップS20で一定時間の間に選択スイッチパネルの「両パス再測定」ボタンB3が押されたか否かを判断し、押された(YES)場合にはステップS1に戻り、押されていない(NO)場合には、前述のステップS10で受光出力信号SG1、SG2から血流速度を求める。
【0074】
一方、ステップS9でパス1、パス2の信号良否評価値ES1、ES2の差が基準値TH2以上(NO)の場合には、ステップ21でES2がES1よりも大きいか否かを判断し、大きい(YES)場合には前述のステップS12に進み、以下(NO)の場合には、ステップS22でシステム制御部34はモニタ38にパス2の再測定を行うように警告を表示し、ステップS23で一定時間の間に選択スイッチパネルの「パス2再測定」ボタンB2が押されたか否かを判断し、押された(YES)場合には、S24で操作部35の測定スイッチが押されたか否かを判断する。測定スイッチが押されていない(NO)場合には、ステップS24が繰り返され測定スイッチの入力待機状態となる。
【0075】
そして、測定スイッチが押される(YES)と、ステップS25でステップS4と同様にパス2での測定を行い、受光出力信号SG4を記憶手段37に記憶する。その後に、ステップS26でシステム制御部34は記憶手段37に記憶された受光出力信号SG4から信号良否評価値ES4を算出し、ステップS27でES4が記憶手段37に記憶されたES2よりも大きいか否かを判断し、大きい(YES)場合には、ステップS28で記憶手段37に記憶された受光出力信号SG1、SG4から血流速度を求め、以下(NO)の場合には、前述のステップS10で記憶手段37に記憶された受光出力信号SG1、SG2から血流速度を求める。また、ステップS8においてパス2の信号良否評価値ES2が基準値TH1以下(NO)の場合には、前述のステップS22に進む。
【0076】
このように、本実施の形態では再測定が必要かどうかの判断が自動的に行われ、再測定が必要な場合にはそれを警告表示するので、経験の少ない検者でも良好な測定を容易に行うことができる。
【0077】
本実施の形態では、パス1、パス2の測定が1回ずつ終了してから再測定が必要か否かを判断しているが、パス1の測定結果が単独でパス1の再測定が必要と判断できる部分については、パス1の測定終了後に行ってそのときに警告を行ってもよい。また、本実施の形態では再測定が必要であるという警告はモニタ38に表示しているが、音声手段により警告することもできる。
【0078】
以上の実施の形態では、眼底血管の血流を測定する眼底血流計を例にしているが、光学系を多少変更した強膜上の血管の血流を測定する装置にも応用可能である。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る眼血流計は、異なる測定方向の測定それぞれについて検者が良否を判断し、異なる方向の測定方向のうち任意の測定方向の再測定をすることができるので、片方の測定方向で測定が不良であった場合でも、正しく測定された測定方向の測定データが無駄になることがなく、正しい測定値を求めることができ、被検者への負担を軽減することができ測定時間を短縮することができる。また、正しく測定されたパスを重複して測定しなくてよいので、測定部位を数多く測定することができる。更に、検者は異なる測定方向の測定状態の情報を比較できるので、再測定の判断がより容易にでき、かつ測定状態の良否が測定部位によって異なることがあるという問題が解決できる。
また、再測定を行った場合に再測定の前後の測定状態の情報が同時に表示され、比較して良好な方の測定データを採用できるので、再測定前後でより正しく測定された測定データが無駄になることがなく、より正しい血流速度度を求めることができる。
【0081】
請求項に係る眼血流計は、被検眼の動きのトラッキングに対する良否情報も用いて測定の良否を判別するので、より正確に良否の判別をすることができる。
【0082】
請求項に係る眼血流計は、被検眼の血管径測定に対する良否情報も用いて測定の良否を判別するので、より正確に良否の判別をすることができる。
【0083】
請求項に係る眼血流計は、自動的に測定状態の良否を判別して再測定の必要を警告するので、経験の少ない検者でも良好な測定を容易に行うことができる。
【0084】
請求項に係る眼血流計は、再測定の前後の測定状態の良否を判別して測定状態のよい方を自動的に採用して血流速度を算出するので、より正しい血流速度を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の眼底血流計の構成図である。
【図2】被検眼Eの瞳孔上の各光束の配置図である。
【図3】測定中のモニタの説明図である。
【図4】信号良否評価値の求め方の説明図である。
【図5】選択スイッチパネルの正面図である。
【図6】測定直後のモニタの説明図である。
【図7】周波数frの求め方の説明図である。
【図8】測定直後のモニタの説明図である。
【図9】第2の実施の形態の眼底血流計の構成図である。
【図10】被検眼Eの瞳孔上の各光束の配置図である。
【図11】測定直後のモニタの説明図である。
【図12】選択スイッチパネルの正面図である。
【図13】第3の実施の形態の動作フローチャート図である。
【符号の説明】
1 観察用光源
6 透過型液晶板
8 孔あきミラー
12 スケール板
14 イメージローテータ
15 ガルバノメトリックミラー
18 フォーカスユニット
20、28 ダイクロイックミラー
22 マスク
25 光路切換ミラー
26 測定用光源
27 トラッキング用光源
30 一次元CCD
32 フォトマルチプライヤ
33 トラッキング制御部
34 システム制御部
35 操作部
36 選択スイッチバネル
37 記憶手段
38 モニタ

Claims (5)

  1. 測定光を被検眼の血管に照射する測定光照射手段と、
    前記測定光により血管内粒子から生ずる散乱光を受光する測定光受光手段と、
    全体の動きを制御しかつ前記測定光受光手段からの受光出力信号を解析して血流に関する情報を算出する制御手段とを有する眼血流計において、2つの測定方向による測定データを基に1つの測定値を求めるために前記測定光照射手段の照射方向又は前記測定光受光手段の受光方向を異なる方向に偏向して測定方向を変更する測定方向変更手段と、
    前記受光出力信号或いは前記受光出力信号を加工した信号を記憶する記憶手段と、前記受光信号又は前記血流に関する情報を提示する測定結果提示手段と、
    前記異なる方向の測定のうちの任意の方向での再測定を選択的に行うための再測定選択命令入力手段と、
    前記再測定を行った測定方向における前記再測定前後の測定結果のうち、任意の測定結果を選択する測定結果選択手段と、
    を有することを特徴とする眼血流計。
  2. 被検眼の動きを追尾するために被検眼に照射するトラッキング光照射手段と、該トラッキング光照射手段により被検眼から生ずる反射光を受光するトラッキング光受光手段とを有し、前記制御手段が前記トラッキング光受光手段の出力信号を前記追尾の良否を判別する追尾良否情報に加工し該追尾良否情報を前記測定結果提示手段に前記受光信号又は前記血流に関する情報と同時に提示することを特徴とする請求項1に記載の眼血流計。
  3. 血管の血管径を測定するために血管に照射する血管径測定光照射手段と、該血管径測定光照射手段により被検眼から生ずる反射光を受光する血管径測定光受光手段とを有し、前記制御手段が該血管径測定光受光手段の出力信号を前記血管径測定の良否を判別する血管径測定良否情報に加工し、該血管径測定良否情報を前記測定結果提示手段に前記受光信号又は前記血流に関する情報と同時に提示することを特徴とする請求項1に記載の眼血流計。
  4. 測定光を被検眼の血管に照射する測定光照射手段と、前記測定光により血管内粒子から生ずる散乱光を受光する測定光受光手段と、全体の動きを制御すると共に該測定光受光手段からの出力信号を解析して該出力信号の良否を判別する情報と血流に関する情報を算出する制御手段とを有する眼血流計において、前記測定光照射手段の照射方向或いは前記測定光受光手段の受光方向を異なる方向に偏向して測定方向を変更する測定方向変更手段と、前記出力信号の良否を判別する情報と前記受光出力信号又は前記受光出力信号を加工した信号を記憶する記憶手段と、測定を開始するための測定命令入力手段とを有し、前記制御手段は、前記測定命令入力手段からの第1の測定の命令入力を受けて前記異なる方向のうちの第1の方向の測定を行う第1のステップと、前記測定命令入力手段からの第2の測定の命令入力を受けて前記測定方向変更手段により前記測定方向を変更し前記異なる方向のうちの第2の方向の測定を行う第2のステップと、前記第1、第2のステップでの前記受光手段からの第1、第2の受光出力信号を解析してこれらの第1、第2の受光出力信号の良否を判別する情報を算出し前記記憶手段に記憶する第3のステップと、記憶された前記第1、第2の出力信号の良否を判別する情報を比較して前記第1、第2の方向のそれぞれについて再測定の要否を判断する第4のステップと、該第4のステップの結果に基づいて前記再測定が必要であることを警告する第5のステップとを行うことを特徴とする眼血流計。
  5. 前記制御手段は更に、前記測定命令入力手段からの第3の測定の命令入力を受けて前記再測定を行う方向に応じて前記測定方向変更手段により前記測定方向を変更し前記再測定を行う第6のステップと、該第6のステップの受光出力信号の良否を判別する情報を算出して前記第3のステップで記憶した前記第1、第2の受光出力信号の良否を判別する情報と比較する第7のステップと、該第7のステップで前記情報がより良好でありかつ測定方向が異なる前記記憶手段に記憶した2個の前記受光出力信号又は前記受光出力信号を加工した信号を用いて血流速度を算出する第8のステップとを行うことを特徴とする請求項に記載の眼血流計。
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