JP2000041961A - 眼底血流計 - Google Patents

眼底血流計

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JP2000041961A
JP2000041961A JP10230303A JP23030398A JP2000041961A JP 2000041961 A JP2000041961 A JP 2000041961A JP 10230303 A JP10230303 A JP 10230303A JP 23030398 A JP23030398 A JP 23030398A JP 2000041961 A JP2000041961 A JP 2000041961A
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light
light receiving
measurement
fundus
blood flow
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JP10230303A
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Shinya Tanaka
信也 田中
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 異なる方向の受光信号を解析して、測定の信
頼性を確認し測定精度を向上する。 【解決手段】 波長630nmの測定光による眼底Erか
らの散乱反射光は、フォトマルチプライヤ30a、30
bに受光される。また、波長780nmの測定光による
眼底Erからの散乱反射光は、フォトマルチプライヤ30
c、30dに受光される。これら4つの受光信号は、シ
ステム制御部31により周波数解析されて眼底Eaの血流
速度の算出に使用され、それぞれの血流速度V1、V2が算
出される。測定が正しく行われていれば血流速度V1、V2
は一致するが、そうでない場合では差が生ずることにな
り、システム制御部31はこの差を測定の信頼度とし、
測定結果と共に表示する。検者はこの信頼度に基づいて
測定を終了するか、再測定を行うかの判断を行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にドップラ現象
を利用して眼底上の血管内の血流速度を計測する眼底血
流計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、眼底血流計は被検眼の眼底の被測
定血管に波長λのレーザー光を照射し、その散乱反射光
を光検出器により受光し、血管中の血流からの散乱反射
光であるドップラシフト成分と静止している血管壁から
の散乱反射光との干渉信号を検出し、周波数解析して血
流速度を求める装置である。
【0003】ここで、2つの受光器で受光した受光信号
から算出された最大周波数シフトをΔfmax1 、Δfmax2
、測定部位の屈折率をn、眼内での2つの受光光軸の
なす角度をα、眼内で2つの受光光軸がつくる平面と血
流の速度ベクトルとのなす角度をβとすると、血流速度
は次式から算出した最大速度Vmaxにより求めことができ
る。 Vmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1|−| Δfmax2|| / cosβ …(1)
【0004】このように、2方向から計測を行うことに
より測定光の入射方向の寄与が相殺され、眼底上の任意
の部位の血流速度を計測することができる。また、2つ
の受光光軸がつくる平面と眼底との交線と、血流の速度
ベクトルとのなす角βを一致させることにより、β=0
°となって真の最大血流速度を測定することができる。
既に、出願人はこの方式によって常に正しい血流速度を
計算するために、式(1) 内の絶対値の符号を判断する判
別方法について提案を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従
来例においては、光路の切換え又は受光方向の切換え
を、式(1) の絶対値の符号判断にのみ利用し、血流速度
測定にその情報を十分に利用していないという問題点が
ある。
【0006】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
複数の異なる方向の受光信号から測定の信頼性を確認し
て測定精度を向上した眼底血流計を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る眼底血流計は、被検眼の眼底上の血管に
可干渉な測定光を少なくとも1方向から照射する測定光
照射手段と、前記測定光が血管内粒子により散乱される
信号光及び周辺組織から散乱される参照光を少なくとも
異なる2方向から受光する受光手段と、前記測定光照射
手段の照射方向及び前記受光手段の受光方向の少なくと
も何れか一方が異なる組み合わせで得られる少なくとも
3つの受光信号を周波数解析する周波数解析手段と、眼
底上の血管の走行方向と前記受光手段の受光方向との相
対関係を決定する決定手段と、前記周波数解析手段から
の少なくとも3つの出力と前記受光手段の受光方向の眼
底上の血管の走行方向への射影情報とに基づいて眼底上
の血管の走行方向の血流速度を算出する算出手段とを有
することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を図示の実施例に基づいて
詳細に説明する。図1は第1の実施例の構成図を示し、
白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光
源1から被検眼Eと対向する対物レンズ2に至る照明光
路上には、コンデンサレンズ3、例えば黄色域の波長光
のみを透過するバンドパスフィルタ4、被検眼Eの瞳孔
とほぼ共役な位置に設けられたリングスリット5、光路
に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶
板6、リレーレンズ7、孔あきミラー8、黄色域の波長
光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー9
が順次に配列されている。なお、リングスリット5は被
検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離
するためのものであり、必要な遮光領域を形成するもの
であれば、その形状や数は問題とならない。
【0009】孔あきミラー8の背後には眼底観察光学系
が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカシ
ングレンズ10、リレーレンズ11、スケール板12、
接眼レンズ13が順次に配列され、検者眼eに至ってい
る。
【0010】バンドバスミラー9の反射方向の光路上に
は、イメージローテータ14、紙面に垂直な回転軸を有
する両面研磨されたガルバノメトリックミラー15が配
置され、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面1
5aの反射方向には、光路に沿って移動自在なフォーカ
シングレンズ16が配置され、上側反射面15bの反射
方向にはレンズ17、一体的に光路に沿って移動自在な
フォーカシングユニット18が配置されている。なお、
レンズ17の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔Epと共役関係
にあり、この焦点面にガルバノメトリックミラー15が
配置されており、その形状は被検眼Eの瞳孔Ep上におい
て非対称な形状とされている。
【0011】また、ガルバノメトリックミラー15の後
方には光路に同心に凹面ミラー19が配置されており、
ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aで反
射されたレーザー光が、ガルバノメトリックミラー15
の上側反射面15bの切欠部を通過するリレー光学系が
構成されている。
【0012】フォーカシングユニット18においては、
レンズ17と同一光路上にダイクロイックミラー20、
集光レンズ21、測定用光源である2つのレーザータイ
オード22a、22bが順次に配列され、ダイクロイッ
クミラー20の反射方向の光路上には整形用マスク2
3、ミラー24、他の光源と異なる高輝度の例えば緑色
光を発するトラッキング用光源25が配列されている。
【0013】レーザーダイオード22a、22bはそれ
ぞれ波長630nm、780nmの測定光を出射し、光
路に垂直な平面上に所定間隔を隔てて配置されている。
そして、測定点に対して異なる2方向からそれぞれの測
定光を照射するために、2つの測定光は集光レンズ21
により眼底共役面上において1点に集光するようになっ
ている。なお、図では2つのレーザーダイオード22
a、22bを紙面上に並べて図示しているが、実際には
紙面に垂直な方向に並んでいる。
【0014】ガルバノメトリックミラー15の下側反射
面15aの反射方向の光路上には、フオーカシングレン
ズ16の後方に、ダイクロイックミラー26、拡大レン
ズ27、イメージインテンシファイヤ付の二次元撮像素
子28が順次に配列され、血管検出系が構成されてい
る。また、ダイクロイックミラー26の反射方向の光路
上には、一方の測定光の波長630nmを透過し、他方
の測定光の波長780nmを反射する特性を有するダイ
クロイックミラー29が配置されている。
【0015】そして、ダイクロイックミラー29の透過
方向及び反射方向には、それぞれ2個ずつのフォトマル
チプライヤ30a、30b及び30c、30dが配置さ
れ、測定用受光光学系が構成されている。これによっ
て、レーザーダイオード22aから発した測定光はフォ
トマルチプライヤ30a、30bで受光され、レーザー
ダイオード22bから発した測定光はフォトマルチプラ
イヤ30c、30dで受光されるようになっている。な
お、図示の都合上、全ての光路を同一平面上に示した
が、フォトマルチプライヤ30a、30bと30c、3
0dはそれぞれ紙面に直交した方向に配置されている。
【0016】更に、装置全体を制御するためのシステム
制御部31が設けられ、フォトマルチプライヤ30a〜
30d及び操作部32の出力はシステム制御部31に接
続され、システム制御部31の出力は透過型液晶板6、
トラッキング制御部33に接続されており、また二次元
撮像素子28の出力はトラッキング制御部33を介して
ガルバノメトリックミラー15に接続されている。
【0017】図2はガルバノメトリックミラー15の形
状及び瞳孔Ep上での各光束を示し、Rはリングスリット
5の開口部を通った照明光束、Vはガルバノメトリック
ミラー15の上下反射面15a、15bの有効部を通る
トラッキング光による受光瞳、D1、D2、D3、D4はそれぞ
れフォトマルチプライヤ30a、30b、30c、30
dに受光する測定光の受光瞳、M1、M2は2つの測定光の
ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bでの
反射位置である。
【0018】このような構成により、観察用光源1から
発した白色光はコンデンサレンズ3を通り、バンドパス
フィルタ4により黄色の波長光のみが透過し、更にリン
グスリット5を通過した光束が透過型液晶板6を背後か
ら照明し.リレーレンズ7を通って孔あきミラー8で反
射される。その後に、黄色域の光束のみがバンドパスミ
ラー9を透過し、対物レンズ2を通り、被検眼Eの瞳孔
Ep上でリングスリット像Rとして一旦結像した後に、眼
底Eaをほぼ一様に照明する。このとき、透過型液晶板6
には固視標が表示されており、この固視標は照明光によ
り被検眼Eの眼底Eaに投影され、固視標像として被検眼
Eに呈示される。
【0019】眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳
孔Ep上から眼底観察光として取り出され、孔あきミラー
8の中心の開口部、フォーカシングレンズ10、リレー
レンズ11を通り、スケール板12で眼底像Ea' として
結像した後に、接眼レンズ13を介して検者眼eに観察
される。検者はこの眼底像Ea’を観察しながら、接眼レ
ンズ13を動かして装置のアライメントを行う。
【0020】レーザーダイオード22aを発した測定光
は偏心して集光レンズ21の上方を通過し、レーザーダ
イオード22bを発した測定光は偏心して集光レンズ2
1の下方を通過した後に、共にダイクロイックミラー2
0を透過する。一方、トラッキング用光源25から発し
たトラッキング光はミラー24で反射された後に、整形
用マスク23で所望の形状に整形された後に、ダイクロ
イックミラー20で反射される。このとき、2つの測定
光は集光レンズ21により、整形用マスク23の開口部
中心と共役な位置へスポット状に略一致して結像してい
るので、トラッキング光は眼底共役位置において測定光
と重畳される。
【0021】その後に、測定光とトラッキンク光はレン
ズ17を通り、ガルバノメトリックミラー15の上側反
射面15bで一度反射され、更に凹面鏡19で反射され
て、再びカルバノメトリックミラー15の方へ戻され
る。このとき、ガルバノメトリックミラー15の上側反
射面15bと下側反射面15aとを−1倍で結像するリ
レー光学系の機能により、ガルバノメトリックミラー1
5の上側反射面15bの位置M1、M2で反射された測定光
とトラッキング光は、今度はガルバノメトリックミラー
15の切欠部の位置M1’、M2’に戻されることになり、
ガルバノメトリックミラー15に反射されることなく通
過してイメージローテータ14に向かう。
【0022】イメージローテータ14を経てバンドパス
ミラー9により対物レンズ2に偏向された測定光とトラ
ッキング光は、対物レンズ2を介して被検眼Eの眼底Ea
に照射される。このとき、トラッキング光は整形用マス
ク23により測定点を含む血管をカバーする長方形の領
域を照明するよう整形されており、その大きさは血管の
走行方向で300〜500μm程度、血管の直角方向で
500〜1200μm程度とすることが望ましい。そし
て、測定光は測定する血管の太さの50〜120μm程
度の円形スポット、又は血管走行方向に長手方向を有す
る楕円形状で照射されている。
【0023】眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ2
で集光され、バンドパスミラー9で反射されてイメージ
ローテータ14を通り、ガルバノメトリックミラー15
の下側反射面15aで反射されフオーカシングレンズ1
6を通り、ダイクロイックミラー26において測定光と
トラッキング光とが分離される。
【0024】トラッキング光は被検眼Eの瞳孔Ep上で図
2に示す受光瞳Vを有し、その後にダイクロイックミラ
ー26を透過し、拡大レンズ27により二次元撮像素子
28上で、眼底観察光学系による眼底像Ea' よりも拡大
された血管像として、トラッキング光の照射範囲とほぼ
同じ大きさの撮像範囲で結像する。そして、この血管像
信号は血管トラッキングシステム29に入力されて血管
の位置信号に変換され、血管トラッキングシステムはこ
の信号を用いて、ガルバノメトリックミラー15の回転
角を制御して血管のトラッキングを行う。
【0025】また、測定光とトラッキング光による眼底
Eaでの散乱反射光の一部は、バンドパスミラー9を透過
し、孔あきミラー8の背後の眼底観察光学系に導かれ、
トラッキング光はスケール板12上に棒状のインジケー
タとして結像し、測定光はこのインジケータの中心部に
スポット像として結像する。これらの像は接眼レンズ1
3を介して眼底像Ea' 及び固視標像と共に観察され、イ
ンジケータの中心には測定光のスポット像が重畳して観
察される。インジケータは操作部32によりガルバノメ
トリックミラーを回転することによって、眼底Ea上を一
次元に移動させることができる。
【0026】測定に際して、検者は先ず眼底像Ea' のピ
ント合わせを行う。操作部32のフォーカシングノブを
調整すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板
6、フォーカシングレンズ10、16、フォーカシング
ユニット18が連動して光路に沿って移動する。眼底像
Ea' のピントが合うと、透過型液晶板6、スケール板1
2、二次元撮像素子28が同時に眼底Eaと共役になる。
【0027】検者は眼底像Ea' のピントを合わせた後
に、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、操作
部32を操作して測定対象とする血管を適当な位置へ移
動する。システム制御部31は透過型液晶板6を制御し
て固視標像を移動し、イメージローテータ14を回転し
て、測定対象とする血管の走行方向に対して、フォトマ
ルチプライヤ30a、30bの中心を結んだ線が平行に
なるように操作する。
【0028】これにより、血管の走行方向と受光方向の
相対関係を決定したことになる。即ち、式(1) でβ=0
°とされたことになるが、このような調整を行わずに、
二次元撮像素子28の出力を画像処理として血管走行方
向を検出してもよい。しかし、一次元方向のトラッキン
グのみを行う本装置の場合に、β=0°となることが必
要となるが、このことは装置の簡略化、計算処理の負担
軽減等の利点を生ずるばかりか、入射受光方向を血管走
行方向に最適に調整することが可能となり、測定精度の
向上を図ることも可能である。
【0029】そして、ガルバノメトリックミラー15を
回転することによって、二次元撮像素子28の画素配列
の垂直方向と測定光の動く方向を、共にこれと直角な血
管に対して垂直な方向に調整する。
【0030】検者はトラッキングを開始し、その良否を
確認した上で操作部32の測定スイッチを押して測定を
開始する。この測定の間、測定光は血管トラッキングシ
ステムの働きによって血管上に保持されるが、一方の波
長630nmの測定光による散乱反射光は、対物レンズ
2、バンドパスフィルタ9、イメージローテータ14、
ガルバノメトリックミラー15、フォーカシングレンズ
16を経て、ダイクロイックミラー26により反射され
た後にダイクロイックミラー29を透過して、フォトマ
ルチプライヤ30a、30bに受光される。このとき、
フォトマルチプライヤ30a、30bが受光する光束
は、被検眼Eの瞳孔Ep上において受光瞳D1、D2である。
【0031】また、他方の波長780nmの測定光によ
る散乱反射光は、同様にしてダイクロイックミラー26
により反射された後に、更にダイクロイックミラー29
で反射され、フォトマルチプライヤ30c、30dに受
光される。このとき、フォトマルチプライヤ30c、3
0dが受光する光束は、被検眼Eの瞳孔Ep上において受
光瞳D3、D4である。両者の受光瞳D1とD3、D2とD4を特に
一致させる必要はないが、より多くの受光量を得るため
には、両者を一致させて受光瞳全体を使うことが好適で
ある。
【0032】これら4つのフォトマルチプライヤ30a
〜30dの出力は、それぞれシステム制御部31に出力
され、この受光信号は周波数解析されて眼底Eaの血流速
度の算出に使用される。ここで、フォトマルチプライヤ
30a、30bの組と30c、30dの組の出力は、次
式に従ったドップラシフトを有することになり、それぞ
れの組の信号から血流速度V1、V2を算出することができ
る。 V1={λ/(n・α)}・||Δfmax11|−|Δfmax12||/ cosβ …(2) V2={λ/(n・α)}・||Δfmax21|−|Δfmax22||/ cosβ …(3)
【0033】ここで、fmax11、fmax12、fmax21、fmax22
はそれぞれフォトマルチプライヤ30a、30b、30
c30dから求めた最大周波数シフトである。
【0034】測定が正しく行われていれば血流速度V1、
V2は一致するが、そうでない場合では差が生ずることに
なり、システム制御部31はこの差を見て測定の信頼度
とし、測定結果と共に表示する。検者はこの信頼度に基
づいて測定を終了するか、再測定を行うかの判断を行う
ことができ、両者がほぼ一致する場合には両者の平均を
最終結果として表示する。この値は2つの式(2) 、(3)
により、4つの最大周波数シフトから算出されるので、
従来例の装置に比べて最大周波数シフトの決定により生
ずる測定誤差を半分にすることができる。
【0035】なお、このときのそれぞれに得られる最大
周波数シフトは絶対値なので、その絶対値の符号が反転
している場合には、各式の演算は加算と減算を切換える
必要がある。この符号の反転を算出の信頼度に反映する
ためには次の方法がある。即ち、「図2に示す両測定光
からの配置測定に対して同時に符号の反転が起こること
はない。」、「反転を起こしたときの血流速度は実際の
血流速度より小さく算出される。」という2つを前提条
件として、次の手順に従ってチェックを行う。
【0036】(a) 両者の差を正規化した形で求める。例
えば、R1=|V1−V2|/(V1+V2)を求める。 (b) V1 、V2の内小さい方の演算符号を代えて、両者の
差を正規化した形で求める。例えば、R2=|V1’−V2|
/(V1’+V2)を求める。ここで、 V1 <V2、V1’は符
号を反転させて得られた血流速度である。 (c) 信頼度としてR1とR2の低い方を採る。R=min(R1、
R2) (d) 差の小さい方の演算を行ってその平均値を血流速度
とする。
【0037】本実施例では、2つの波長の測定光を、受
光側で波長分離することにより、同時に2方向からの入
射及び2方向からの受光を行っているが、これを、測定
対象となる例えば動脈における拍動などの血流の変動に
比べて、十分な高速で時間分割を行うようにしても、同
様の結果を得ることが可能である。通常の人の拍動は1
回/秒程度なので、30回/秒程度の切換えが望まし
く、これを効率良く行うには、測定用レーザーダイオー
ド22a、22bを交互に点灯すればよい。
【0038】また、ダイクロイックミラー29と2個の
フォトマルチプライヤ30c、30dを不要とし、同じ
波長のレーザーダイオード22a、22bからの測定光
を交互に照射し、その切換えに同期してフォトマルチプ
ライヤ30a、30bで2方向から受光する。このと
き、測定光を血流速度の変化に比べて高速に切換えれ
ば、隣り合った受光信号はほぼ同時に受光されたと考え
ることができるので、得られた信号を同様に処理するこ
とができる。このようにして、構成部品を少なくするこ
とができ、装置の低価格化が可能となる。
【0039】図3は第2の実施例の要部の構成図を示
し、レーザーダイオード22bは使用せずに、1個のレ
ーザーダイオード22aとシャッタを用いて光路の切換
えが行われるようになっている。測定用光源であるレー
ザーダイオード22aの光路上にハーフミラー41が配
置され、ハーフミラー41の反射方向にミラー42が配
置されている。そして、ハーフミラー41、ミラー42
の前方には、それぞれ例えばポッケルスセルから成る電
気光学的シャッタ43a、43bが配置されている。
【0040】レーザーダイオード22aからの測定光は
ハーフミラー41によって2分割され、ハーフミラー4
1の反射側の測定光はミラー42で再び反射され、透過
側の測定光と共に集光レンズ21に向かい、レーザーダ
イオードが2つある場合と等価の測定光を作る。このと
き、それぞれの光路中の電気光学的シャッタ43a、4
3bが交互に開閉して、同時に2つの測定光が集光レン
ズ21に向かうのではなく、交互に1本ずつの測定光が
集光レンズ21、ミラー20等を通って高速で眼底に照
射される。
【0041】図4は第3の実施例の構成図を示す。本実
施例では測定用光源は1個のレーザーダイオード51を
使用し、ダイクロイックミラー29は使用せずに代りに
眼底Erからの散乱光を3個の等間隔に配置されたフォト
マルチプライヤ52a、52b、52cにより異なる3
方向から受光する構成とされている。その他の第1の実
施例と重複する部分は説明を省略する。
【0042】図5は被検眼Eの瞳孔Ep上の各光束の配置
を示し、測定光はガルバノメトリックミラー15の上側
反射面の位置M1で反射される1個のみとなり、測定光は
フォトマルチプライヤ52a、52b、52cのそれぞ
れ3つの受光瞳D1、D2、D3により受光される。
【0043】これによって、式(2) 、(3) はそれぞれ次
式(4) 、(5) となり、第1の実施例と等価の物理量を得
ることができる。 V1={λ/(n・α)}・||Δfmax1|−|Δfmax2|| / cosβ …(4) V2={λ/(n・α)}・||Δfmax2|−|Δfmax3|| / cosβ …(5)
【0044】なお、fmax1 、fmax2 、fmax3 はそれぞれ
フォトマルチプライヤ52a、52b、52cから求め
た最大周波数シフトである。
【0045】フォトマルチプライヤ52a〜52cの組
み合わせは、各式の角度αをそれぞれに対応したものと
すれば特に限定されることはなく、受光瞳D1〜D3の間隔
も等間隔にする必要はない。また、各フォトマルチプラ
イヤ52a〜52cの出力からの最大周波数シフトΔfm
ax1 、Δfmax2 、Δfmax3 の決定に、血流速度V1=V2と
いう拘束条件を付加することによって、算出される血流
速度の信頼性を向上することも可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る眼底血
流計は、測定光を1方向から照射し、少なくとも異なる
3方向から受光して得られる少なくとも3つの受光信号
を周波数解析して血流速度を算出することにより、得ら
れる最大周波数シフトの符号の反転問題を解決して、測
定値の信頼性を向上することができる。
【0047】また、本発明に係る眼底血流計は、測定光
を1方向から照射し、異なる3方向から受光して得られ
る3つの受光信号を周波数解析して血流速度を算出する
ことにより、測定値の信頼性を向上することができ、こ
のときそれぞれ得られる最大シフトは絶対値であるため
に、発生する符号の反転問題を同時に解決することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の構成図である。
【図2】瞳孔Ep上の光束配置の説明図である。
【図3】第2の実施例の要部構成図である。
【図4】第3の実施例の構成図である。
【図5】瞳孔Ep上の光束配置の説明図である。
【符号の説明】
1 観察用光源 2 対物レンズ 4 バンドパスフィルタ 5 リングスリット 6 透過型液晶板 8 孔あきミラー 9 バンドパスミラー 12 スケール板 14 イメージローテータ 15 ガルバノメトリックミラー 20、26、41 ダイクロイックミラー 22a、22b、51 レーザーダイオード 25 トラッキング用光源 28 二次元撮像素子 52a〜30d、52a〜52c フォトマルチプライ
ヤ 31 システム制御部 32 操作部 33 トラッキング制御部 43 電気光学的シャッタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼の眼底上の血管に可干渉な測定光
    を少なくとも1方向から照射する測定光照射手段と、前
    記測定光が血管内粒子により散乱される信号光及び周辺
    組織から散乱される参照光を少なくとも異なる2方向か
    ら受光する受光手段と、前記測定光照射手段の照射方向
    及び前記受光手段の受光方向の少なくとも何れか一方が
    異なる組み合わせで得られる少なくとも3つの受光信号
    を周波数解析する周波数解析手段と、眼底上の血管の走
    行方向と前記受光手段の受光方向との相対関係を決定す
    る決定手段と、前記周波数解析手段からの少なくとも3
    つの出力と前記受光手段の受光方向の眼底上の血管の走
    行方向への射影情報とに基づいて眼底上の血管の走行方
    向の血流速度を算出する算出手段とを有することを特徴
    とする眼底血流計。
  2. 【請求項2】 前記測定光照射手段は異なる2つの波長
    の測定光源を有し、これらの光源からの光束を異なる2
    方向から照射し、散乱された光束を前記受光手段により
    それぞれ2方向から受光する請求項1に記載の眼底血流
    計。
  3. 【請求項3】 前記測定光照射手段は、測定光源からの
    光束を拍動に比べて十分な速度で2方向から交互に照射
    し、前記受光手段は前記2方向の切換えに同期してそれ
    ぞれ2方向から受光する請求項1に記載の眼底血流計。
  4. 【請求項4】 前記受光手段は前記信号光及び参照光を
    異なる3方向から受光し、前記周波数解析手段は前記受
    光手段から同時又は略同時に得られる3つの受光信号を
    周波数解析し、前記算出手段は前記周波数解析手段から
    の3方向の受光方向に対応した3つの出力に基づいて血
    流速度を算出する請求項1に記載の眼底血流計。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002065623A (ja) * 2000-06-14 2002-03-05 Canon Inc 眼血流計
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