JP3647164B2 - 眼科測定装置 - Google Patents

眼科測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3647164B2
JP3647164B2 JP25756396A JP25756396A JP3647164B2 JP 3647164 B2 JP3647164 B2 JP 3647164B2 JP 25756396 A JP25756396 A JP 25756396A JP 25756396 A JP25756396 A JP 25756396A JP 3647164 B2 JP3647164 B2 JP 3647164B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
light
mirror
fundus
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25756396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1080398A (ja
Inventor
淑明 奥村
重秋 小野
信也 田中
知行 岩永
泰幸 沼尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP25756396A priority Critical patent/JP3647164B2/ja
Priority to US08/922,568 priority patent/US6192269B1/en
Publication of JPH1080398A publication Critical patent/JPH1080398A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3647164B2 publication Critical patent/JP3647164B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/12Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for looking at the eye fundus, e.g. ophthalmoscopes
    • A61B3/1241Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for looking at the eye fundus, e.g. ophthalmoscopes specially adapted for observation of ocular blood flow, e.g. by fluorescein angiography
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/14Arrangements specially adapted for eye photography
    • A61B3/145Arrangements specially adapted for eye photography by video means

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、眼科医院等の医療機関で眼底を検査する際に使用される眼科測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(1) 従来から、被検眼の眼底の血管中の血流速度を測定する眼科測定装置として、レーザードップラ眼底血流計が知られている。この眼底血流計は、被検眼の眼底の任意の血管にレーザー光を照射し、血管中の血液で反射した光のドップラシフト信号を検出するもので、測定中は血管をトラッキングして、眼球運動があってもレーザー光を常に同一の血管上に照射することができるようになっている。そして、光検出器に受光した被測定血流からの散乱反射光であるドップラシフトした成分と、静止している血管壁からの散乱反射光との干渉信号から、周波数解析を行ってドップラシフト周波数を演算し、2つの受光器で受光した受光信号から算出した周波数の最大シフトをそれぞれΔfmax1 、Δfmax2 、レーザーの波長をλ、測定部位の屈折率をn、眼内での2つの受光光軸のなす角度をα、眼内で2つの受光光軸がつくる平面と血流の速度ベクトルとのなす角度をβとすると、次式によって血流速度(最大速度Vmax)を定量的に求めている。
Vmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1|− |Δfmax2|| / cosβ … (1)
【0003】
このように、2方向から計測を行うことによって測定光の入射方向の奇与が相殺され、眼底上の任意の部位の血流を計測することができ、2つの受光光軸がつくる平面と眼底の交線と、血流の速度ベクトルとのなす角βを一致させることにより、β=0°となって真の最大血流速度を測定することができる。
【0004】
(2) また、ドップラシフトの最大値Δfmaxは、|Δfmax|という符号情報の欠如したものとなるために、眼底において部位の異なる血管の血流を測定する場合には、最大周波数シフトΔfmax1 、Δfmax2 の符号が共に正、共に負、正負異符号を有する場合が存在することになる。従って、測定する領域によっては式(1) により最大血流速度Vmaxを決定することか不可能になるという問題が生ずる。これを解決するために、入射光位置を瞳孔上のスポット像の2方向に設定し、それぞれのスポット像の光路から最大周波数シフト|Δfmax1|、|Δfmax2|及び|Δfmax1'|、|Δfmax2'|を算出して、最大血流速度Vmax、Vmax’を算出する。そして、この2つの最大血流速度VmaxとVmax’を比較することにより、真の最大流速を求めるための適切な光束の入射方向を決定し、この情報により光路切換えを適切な状態にして本測定を行うように制御している。
【0005】
また、臨床上、同一被検眼の経時変化等を観察することは極めて有意なので、同じ血管の同じ部位を特定するために、眼底血流測定時の眼底像をビデオテープレコーダやビデオプリンタ等で記録し、眼底像の測定スポット位置を基に目視によって血管の測定部位を特定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(イ) しかしながら、上述の従来例(1) においては、動脈の場合は心臓の収縮、拡張に応じて血流速度が周期的に変化しているために、最低1周期以上の測定が必要であるが、一方で静脈の場合は殆ど変動がないために短時間の測定でよい。しかし、従来の測定は動脈でも静脈でも区別せずに行われているために、動脈測定の場合に測定時間が長く設定されていて、静脈測定の測定時間が必要以上に長くなってしまう。この結果、この間は被検者は瞬きを我慢しなければならず、また被検眼の眼底に照射する露光量が必要以上に多くなって、被検者に相当の負担を与えている。
【0007】
また、ドップラシフト信号の周波数解析には一般的にFFT(Fast Fourier Translater)処理等が用いられるが、このとき周波数の分解能を上げるために多くの時系列のデータが必要となる。しかし、動脈は周期的に変化し収縮期には急激に血流速度が速くなるので、あまり多くの時系列データを用いて周波数解析を行うと、本来の変動を見失う可能性がある。一方、静脈は殆ど変動がないために、多くの時系列のデータを用いれば周波数分解能を上げて周波数解析を行うことができる。従って、動脈の変動を見失わない程度の時間でデータをとって、周波数解析を行うように調整する必要が生ずる。
【0008】
(ロ) また、上述の従来例(2) においては、被検眼に白内障があったり測定時に睫毛が混入した場合等は、受光信号にノイズ成分が混入し、その結果Δfmax1 、Δfmax2 を断定する際の誤差要因が大きくなって、正しい測定結果が得られないことがある。このような場合には、測定結果を見ただけでは白内障や睫毛の混入等による不要な誤差成分が含まれているか分からないので、測定値が真の眼底血流速度を示しているか判別できない。更には、被検眼の白内障や測定時の睫毛の混入等は検者が測定時に観察できるので、測定時のコメント情報として記録しておくことも可能であるが、作業が極めて煩わしく、記録を忘れてしまうこともある。
【0009】
また、測定部位の特定に人為的作業が加わると、計測の誤差要因が多くなり再現性が悪くなり、作業が非常に煩わしく多大な時間を要することになる。更に、CCDカメラで眼底像と測定スポットを観察・記録し、画像計測により部位を特定することも可能であるが、この場合は装置が複雑で高価なものになるという欠点がある。
【0010】
本発明の目的は、上述の問題点(イ)を解消し、測定対象の血管が動脈か静脈かに応じて測定時間を選択する眼科測定装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る眼科測定装置は、被検眼の眼底上の血管の血流速度を測定する測定手段を備えた眼科測定装置において、測定対象が動脈であるか静脈であるかを入力するための入力手段と、前記測定対象が動脈である場合の測定時間を測定対象が静脈である場合の測定時間よりも長くするように前記測定手段を制御する制御手段とを有し、前記測定手段は、前記血管に可干渉の測定光を照射する測定光照射手段と、前記測定光が血管内粒子により散乱される信号光及び血管壁から散乱される参照光を異なる2方向から受光し測定データに変換する検出手段と、前記測定データを周波数解析して検出したそれぞれのドップラシフトに基づいて血管内の血流速度を算出する演算手段とを有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は眼底血流計へ応用した第1の実施例の構成図を示し、白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光源1から被検眼Eと対向する対物レンズ2へ至る照明光路上には、コンデンサレンズ3、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ付のフィールドレンズ4、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役なリングスリット5、被検眼Eの水晶体とほぼ共役な遮光部材6、リレーレンズ7、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板8、リレーレンズ9、被検眼Eの角膜近傍と共役な遮光部材10、孔あきミラー11、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー12が順次に配列され、照明光学系が構成されている。
【0015】
孔あきミラー11の背後には眼底観察光学系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカシングレンズ13、リレーレンズ14、スケール板15、光路に挿脱自在な光路切換ミラー16、接眼レンズ17が順次に配列され、検者眼eに至っている。光路切換ミラー16が光路に挿入されているときの反射方向の光路上には、テレビリレーレンズ18、CCDカメラ19が配置されており、CCDのカメラ19の出力は液晶モニタ20に接続されている。
【0016】
バンドパスミラー12の反射方向の光路上には、イメージローテータ21、紙面に垂直な回転軸を有し両面が研磨されたガルバノメトリックミラー22が配置され、ガルバノメトリックミラー22の下側反射面22aの反射方向には光路に沿って移動自在なフォーカスレンズ23が配置され、上側反射面22bの反射方向にはレンズ24、光路に沿って移動自在なフォーカスユニット25が配置されている。なお、レンズ24の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔Epと共役関係にあり、その焦点面にガルバノメトリックミラー22が配置されている。
【0017】
また、ガルバノメトリックミラー22の図面上方には、光路長補償半月板26、光路中に遮光部を有する黒点板27、凹面ミラー28が順次に配列され、ガルバノメトリックミラー22の下側反射面22aにより反射されることなく通過する光束を、ガルバノメトリックミラー22の上側反射面22bに戻るように導くリレー光学系が構成されている。なお、光路長補正用半月板26はガルバノメトリックミラー22の上側反射面22b、下側反射面22aの位置がそのミラー厚によって生ずる図面の上下方向へのずれを補正するためのものであり、イメージローテータ21へ向かう光路中にのみ作用するものである。
【0018】
フォーカスユニット25においては、レンズ24と同一光路上にダイクロイックミラー29、集光レンズ30が順次に配列され、ダイクロイックミラー29の反射方向の光路上には、マスク31、ミラー32が配置されており、このフォーカスユニット25は一体的に矢印で示す方向に移動できるようになっている。
【0019】
レンズ30の入射方向の光路上には、固定ミラー33、光路から退避可能な光路切換ミラー34が平行に配置され、光路切換ミラー34の入射方向の光路上には、コリメータレンズ35、コヒーレントな例えば赤色光を発するレーザーダイオード等の測定用光源36が配列されている。更に、ミラー32の入射方向の光路上には、シリンドリカルレンズ等から成るビームエクスパンダ37、他の光源と異なる高輝度の例えば緑色光を発するHe−Neレーザー光源等のトラッキング用光源38が配列されている。
【0020】
ガルバノメトリックミラー22の下側反射面22aの反射方向の光路上には、フォーカシングレンズ23、ダイクロイックミラー39、フィールドレンズ40、拡大レンズ41、イメージインテンシファイヤ付の一次元CCD42が順次に配列され、血管検出光学系が構成されている。また、ダイクロイックミラー39の反射方向の光路上には、結像レンズ43、共焦点絞り44、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役なミラー対45a、45bが配列され、ミラー対45a、45bの反射方向にはそれぞれフォトマルチプライヤ46a、46bが配置され、測定用受光光学系が構成されている。なお、図示の都合上全ての光路を同一平面上に示したが、ミラー対45a、45bの反射光路、トラッキング用光源38の出射方向の測定光路、測定用光源からマスク31に至る光路はそれぞれ紙面に直交している。そして、一次元CCD42、フォトマルチプライヤ46a、46bの出力はシステム全体の動作を制御する制御部47に接続されている。
【0021】
図2は制御部47のブロック回路の構成図を示し、CCDカメラ19の出力は制御部47内の血管位置検出回路50、トラッキングサーボ制御回路51、ガルバノメトリックミラー駆動回路52に順次に接続され、外部のガルバノメトリックミラー22に接続されている。また、フォトマルチプライヤ46a、46bの出力は、それぞれ増幅器53a、53bを介してパーソナルコンピュータ54に接続され、パーソナルコンピュータ54、入力手段55の出力はシステム制御回路56に接続されている。そして、システム制御回路56の出力は、観察用光源1、光路切換ミラー34、測定用光源36、トラッキング用光源38にそれぞれ接続されている。
【0022】
図3は被検眼Eの瞳孔Ep上の各光束の配置を示し、Iは黄色の照明光により照明される領域でリングスリット5の像、Oは眼底観察光束で孔あきミラー11の開口部の像、Vは測定/血管受光光束でガルバノメトリックミラー22の上下反射面22b、22aの有効部の像、Da、Dbは2つの測定受光光束でそれぞれミラー対45a、45bの像である。また、P2、P2' は測定光の入射位置で光路切換ミラー34を切換えることによって選択される測定光の位置を示し、鎖線で示す領域Mはガルバノメトリックミラー22の下側反射面22aの像である。
【0023】
観察用光源1から発した白色光は、コンデンサレンズ3を通り、フィールドレンズ4により黄色の波長光のみが透過し、リングスリット5、遮光部材6、リレーレンズ7を通り、透過型液晶8を背後から照明する。更に、この光束はリレーレンズ9、遮光部材10を通って孔あきミラー11で反射され、黄色域の波長光のみがバンドパスミラー12を透過し、対物レンズ2を通り、被検眼Eの瞳孔Ep上に眼底照明光光束像Iとして一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。
【0024】
このとき、透過型液晶板8には固視標が表示されており、これが照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影され視標像として被検眼Eに呈示される。なお、リングスリット5、遮光部材6、10は被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成するものであればその形状は問題とならない。
【0025】
眼底Eaからの反射光は、瞳孔Ep上から眼底観察光光束Oとして取り出されて同じ光路を戻り、孔あきミラー11の中心の開口部、フォーカシングレンズ13、リレーレンズ14を通り、スケール板15に眼底像Eaとして結像した後に、光路切換ミラー16に至る。ここで、光路切換ミラー16が光路から退避しているときは、検者眼eにより接眼レンズ17を介して眼底像Ea’が観察可能となり、一方で光路切換ミラー16が光路に挿入されているときは、スケール板15上に結像した眼底像Ea’は、テレビリレーレンズ18によりCCDカメラ19上に再結像されて液晶モニタ20に映出される。
【0026】
検者は接眼レンズ17又は液晶モニタ20により、この眼底像Ea’を観察しながら装置のアライメントを行う。このとき、目的に応じて適切な観察方式を採用することが好適であり、接眼レンズ17による観察の場合は、一般的に液晶モニタ20等よりも高解像度かつ高感度なので、眼底Eaの微細な変化を読み取って診断する場合に適している。一方、液晶モニタ20による観察の場合は、視野を制限しないので検者の疲労を軽減することができ、更にCCDカメラ19の出力を外部のビデオテープレコーダやビデオブリンタ等に接続することにより、眼底Ea上の測定部位の変化を逐次に電子的に記録することが可能となるので、臨床上極めて有効である。
【0027】
次に、測定用光源36を発した測定光はコリメータレンズ35によりコリメートされ、光路切換ミラー34が光路に挿入されている場合は、光路切換ミラー34、固定ミラー33でそれぞれ反射され、集光レンズ30の下方を通過する。また、光路切換ミラー34が光路から退避している場合は、直接集光レンズ30の上方を通過し、共にダイクロイックミラー29を透過する。
【0028】
一方、トラッキング用光源38から発したトラッキング光は、ビームエクスパンダ37により縦横異なる倍率でビーム径が拡大され、ミラー32で反射された後に、整形用マスク31で所望の形状に整形され、ダイクロイックミラー29に反射され、集光レンズ30によりマスク31の開口部中心と共役な位置に結像しているスポット状の測定光と重畳される。
【0029】
重畳された測定光とトラッキング光は、レンズ24を通り、ガルバノメトリックミラー22の上側反射面22bで一旦反射され、黒点板27を通った後に凹面鏡28で反射され、再び黒点板27、光路長補正用半月板26を通り、ガルバノメトリックミラー22の方へ戻される。ここで、ガルバノメトリックミラー22は被検眼Eの瞳孔Epと共役な位置に配置されており、その形状は被検眼Eの瞳孔Ep上において図3の破線Mで示した形状となっている。
【0030】
そして、凹面鏡28、黒点板27、光路長補正用半月板26は光路上に同心に配置されて、ガルバノメトリックミラー22の上側反射面22bと下側反射面22aとを−1倍で結像するリレー光学系の機能が与えられているので、光路切換ミラー34の光路中への挿入、退避により、ガルバノメトリックミラー22の像Mの裏側の図3の位置P1、P1' で反射された光束は、それぞれガルバノメトリックミラー22の切欠き部に位置するP2、P2' の位置へ戻されることになり、ガルバノメトリックミラー22に反射されることなくイメージローテータ21へ向かう。そして、イメージローテータ21を経てバンドパスミラー12により対物レンズ2の方向へ偏向された光束は、対物レンズ2を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。
【0031】
このように、測定光とトラッキング光はガルバノメトリックミラー22の上側反射面22b内で反射され、再び戻されるときには対物レンズ2の光軸から偏心した状態でガルバノメトリックミラー22に入射するので、図3に示すように瞳孔Ep上でスポット像P2又はP2' として結像した後に眼底Eaを点状に照射することになる。
【0032】
眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ2で集光され、バンドパスミラー12に反射されてイメージローテータ21を通り、ガルバノメトリックミラー22の下側反射面22aに反射され、フォーカシングレンズ23を通り、ダイクロイックミラー39において測定光とトラッキング光が分離される。
【0033】
トラッキング光はダイクロイックミラー39を透過し、フィールドレンズ40、結像レンズ41により、一次元CCD42上に眼底観察光学系による眼底像Ea’よりも拡大された血管像Ev’として結像する。そして、一次元CCD42により撮像された血管像Ev’に基づいて、血管位置検出回路50において血管像Ev’のトラッキング中心からのずれ量を表すデータが作成され、このデータがトラッキングサーボ制御回路51に入力され、ガルバノメトリックミラー駆動回路52を介してずれがなくなるようにガルバノメトリックミラー22が駆動される。
【0034】
一方、測定光はダイクロイックミラー39により反射され、レンズ43、共焦点絞り44の開口部を経て、ミラー対45a、45bで反射され、それぞれフォトマルチプライヤ46a、46bに受光される。フォトマルチプライヤ46a、46bの出力は、それぞれ増幅器53a、53bにおいて増幅され、パーソナルコンピュータ54に内蔵された図示しないAD変換器に入力される。AD変換器においてデジタルデータとされた信号はパーソナルコンピュータ54のメモリに記憶され、従来例と同様に周波数解析されて眼底Eaの血流速度が求められる。このとき、システム制御回路56は、観察用光源1、測定用光源36、トラッキング用光源38の点灯消灯や、光路切換ミラー34の光路への挿脱の制御を行う。
【0035】
また、測定光とトラッキング光による眼底Eaでの散乱反射光の一部はバンドパスミラー12を透過し、孔あきミラー11の背後の眼底観察光学系に導かれ、トラッキング光はスケール板15上に棒状のインジケータTとして結像し、測定光はこのインジケータTの中心部にスポット像として結像する。これらの像は接眼レンズ17又は液晶モニタ20を介して、図4に示すように眼底像Ea’、視標像Fと共に観察される。このとき、インジケータTの中心には図示しないスポット像が重畳して観察されており、インジケータTは入力手段55の操作桿等の操作部材により、眼底Ea上に撮影されたスケール板15に予め用意されている視野中心の正円のスケールSの範囲内を一次元に移動することができる。
【0036】
検者は先ず図4に示す眼底像Ea’上のフォーカス状態を見ながら眼底像Ea’のピント合わせを行う。入力手段55の図示しないフォーカスノブを調整すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板8、フォーカシングレンズ13、23、フォーカスユニット25が連動して光路に沿って移動する。そして、眼底像Ea’のピントが合うと、透過型液晶板8、スケール板15、一次元CCD42、共焦点絞り44は同時に眼底Eaと共役になる。
【0037】
ピント合わせが終了した後に、検者は入力手段55を操作して視標像Fを移動し、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管Evをスケール板15のサークルS内へ移動する。そして、入力手段55の図示しない操作桿によりイメージローテータ21を操作してインジケータTを回転し、測定対象とする血管Evの走行方向に対してインジケータTが垂直になるようにする。
【0038】
このとき、眼底観察光はイメージローテータ21を通過していないので、インジケータTのみが回転するように認識され、図2に示した瞳孔Ep上の各光学部材の像も原点を中心に同じ方向に同じ角度だけ回転し、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線とスポット像P1、P1’又はP2、P2’の中心を結んだ直線、即ちx軸は血管Evの走行方向に一致する。
【0039】
角度合わせが終了した後に、入力手段55の操作桿を操作してインジケータTを矢印方向に移動し、血管EvがインジケークTのほぼ中央に至るように合わせる。
【0040】
検者は測定部位を選択した後に、その測定部位が動脈か静脈かをパーソナルコンピュータ54の図示しない入力手段により入力する。そして、パーソナルコンピュータ54に入力された情報をシステム制御回路56に通信し、測定時のデータを取り込む時間を、例えば動脈の場合を2秒間、静脈の場合を0.5秒間に設定し、また周波数解析のためのデータ数を、例えば動脈の場合を512データ、静脈の場合を1024データに設定し、再び入力手段55を操作してトラッキングの開始を入力する。
【0041】
入力手段55からシステム制御回路56にトラッキング開始の指令が入力されると、血管位置検出回路50において一次元CCD42の受光信号に基づいて血管像Ev' の一次元基準位置からのずれ量が算出される。そして、トラッキングサーボサーボ回路51、ガルバノメトリック制御回路52によりこの移動量に基づいてガルバノメトリックミラー22が駆動され、一次元CCD42上の血管像Ev' の受像位置が一定になるように制御される。図5は血管像Ev' の受光量出力のグラフ図であり、縦軸がCCD42の受光量、横軸がCCD42の画素方向に対応し、血管Ev部分は受光量が少なく現われている。
【0042】
検者はトラッキング開始を確認した後で、入力手段55の図示しない測定スイッチを押して測定を開始する。システム制御回路56によって光路切換ミラー34が光路に挿入され、先ず被検眼Eの瞳孔Ep上のスポット像P1、P2の位置から入射した光束が、フォトマルチプライヤ46a、46bに受光されてAD変換器によりデジタル化され、動脈か静脈かにより予め設定されている取込時間でパーソナルコンピュータ54に取り込まれる。
【0043】
次に、システム制御回路56の信号により光路切換ミラー34が光路中から退避し、被検眼Eの瞳孔Ep上のスポット像P1’、P2’の位置から光束が入射され、入射した光束はフォトマルチプライヤ46a、46bに受光されてAD変換器によりデジタル化され、動脈か静脈かによって予め設定された取込時間でパーソナルコンピュータ54に取り込まれる。そして、これらの信号はパーソナルコンピュータ54により周波数解析演算が行われてドップラシフト周波数が求められる。なお、周波数解析演算は、動脈か静脈かによって予め設定された数の時系列のデータを用いてFFT処理により行われる。
【0044】
通常、動脈の場合は、心臓の収縮、拡張に応じて血流速度が周期的に変化しているために、最低でも1周期以上の測定が必要であるが、一方で静脈の場合は殆ど変動がないために短時間の測定でよい。また、動脈の血流速度は収縮期に急激に立ち上がる特性があるために、FFT処理の演算のためのデータ数は静脈よりも少なく設定されている。
【0045】
本実施例ではフォトマルチプライヤ46a、46bの受光信号のサンプリング時間は10μ秒に設定してある。従って、動脈の場合には1回のFFT処理に用いられるデータは512データなので、約5m秒毎の血流速度のデータが計算され、血流速度が変化していてもその波形は忠実に再現される。一方、静脈の場合には1回のFFT処理に用いられるデータは1024データなので、約10m秒毎の血流速度のデータが計算され、動脈の場合の半分のデータしか求められないが、血流速度は殆ど変動がないために問題はなく、更に周波数解析での周波数分解能が動脈の場合の2倍になるので測定精度は向上する。ここで、図6(a) は動脈の血流速度の例で縦軸が血流速度、横軸が時間である。また、同様に図6(b) は静脈の例である。
【0046】
被検眼Eの瞳孔Ep上のスポット像P1、P2の位置から入射した光束がフォトマルチプライヤ46a、46bに受光され、これらの受光信号からドップラシフト周波数Δfmax1 、Δfmax2 が求められ、最大血流速度Vmaxを計算することができる。また、被検眼Eの瞳孔Ep上のスポット像P1’、P2’の位置から入射した光束はフォトマルチプライヤ46a、46bに受光され、同様にこの受光信号からドップラシフト周波数Δfmax1'、Δfmax2'が求められ、最大血流速度Vmaxを計算することができる。
【0047】
入射光位置が1つの場合には、血管Evへの入射角度により最大血流速度Vmaxを計算する際の符号を反転させる処理が必要になるが、以上のように2つの入射位置より測定して最大血流速度VmaxとVmax’とを比較することにより、簡便に真の血流速度を求めることができる。
【0048】
最大血流速度Vmax、Vmax’の両方共に符号を反転させる必要がない場合には、ほぼVmaxとVmax’の値が等しくなり、何れも真の血流速度を現わしている。また、一方が小さい場合には値の大きい方が真の血流速度を現しているが、小さい方も符号を反転して再計算することにより真の血流速度を求めることができるので、結果として測定した全てのデータから真の血流速度を求めることができる。
【0049】
本実施例では、2つの入射位置からの信号を所定の時間取り込んでから処理を行っているが、短時間の予備測定を行い、何れに符号の判定処理が必要かを判断してから、一方の入射位置からのデータを取り込むようにしてもよい。
【0050】
図7は第2の実施例の構成図を示し、光学系は第1の実施例とほぼ同様に構成されている。第1の実施例の制御部47に対応する制御系には、装置全体システムを制御するためのシステム制御回路60が設けられ、システム制御回路60には、検者が操作する入力手段61、測定結果等を表示する表示手段62、各種データを記憶する記憶手段63、フォトマルチプライヤ46a、46bの出力がそれぞれ接続されており、システム制御回路60の出力は、ガルバノメトリックミラー22を制御する駆動回路64、イメージローテータ21を制御する制御回路65、透過型液晶8を制御する制御回路66、光路切換ミラー34にそれぞれ接続されている。また、駆動回路64には一次元CCD42の出力が血管位置検出回路67を介して接続されている。
【0051】
図8には被検眼Eの瞳孔Ep上の各光束の配置を合わせて示し、Iは黄色の照明光により照明される領域でリングスリット25の像、0は眼底観察光束で孔あきミラー31の閉口部の像、Vは測定/血管受光光束でガルバノメトリックミラー22の上下反射面の有効部の像、Da、Dbは2つの測定受光光束でそれぞれミラー対45a、45bの像である。P、P’は測定光の入射位置で光路切換ミラー34を切り換えることによって選択される測定光の位置を示し、鎖線で示す領域Nはガルバノメトリックミラー22の下側反射面の像である。
【0052】
照明光学系、眼底観察光学系、血管検出光学系、測定用受光光学系の作用は第1の実施例とほぼ同様なのでその説明は省略する。
【0053】
トラッキング用光源38からのトラッキング光はダイクロイックミラー39を透過し、フィールドレンズ40、結像レンズ41により、一次元CCD42上で眼底観察光学系による眼底像Ea’よりも拡大された血管像Ev’として結像する。そして、一次元CCD42で撮像された血管像Ev’に基づいて、血管位置検出回路67において血管像Ev’の移動量を表すデータが作成され、駆動回路64に出力され、駆動回路64はこの移動量を補償するようにガルバノメトリックミラー22を駆動する。
【0054】
また、測定用光源36から測定光はダイクロイックミラー39により反射され、レンズ43、共焦点絞り44の開口部を経て、ミラー対45a、45bで反射され、それぞれフォトマルチプライヤ46a、46bに受光される。これらのフォトマルチプライヤ46a、46bの出力は、それぞれシステム制御回路60に出力され、この受光信号は周波数解析されて眼底Eaの血流速度が求められ、この測定結果は表示手段62に表示される。本実施例では、図9に示すように測定時のイメージローテータ21の角度、ガルバノメトリックミラー22の角度、透過型液晶板28の固視標Fの位置情報が、血流速度の測定結果と共に記憶手段63に記録され、かつ表示手段62に表示されるので、実際の血流速度の測定値が血管Evのどの位置のものかを特定することが可能となる。
【0055】
また、測定光とトラッキング光による眼底Eaでの散乱反射光の一部はバンドパスミラー12を透過し、孔あきミラー11の背後の眼底観察光学系に導かれ、トラッキング光はスケール板15上に棒状のインジケータTとして結像し、測定光はこのインジケータTの中心部にスポット像として結像する。
【0056】
図10は観察眼底像Ea’を示し、接眼レンズ17又は液晶モニタ20を介して眼底像Ea’と共に視標像F等が観察される。このとき、インジケータTの中心には図示しないスポット像が重畳して観察されており、インジケータTは入力手段55の操作桿等の操作部材により、眼底Ea上に投影された視野中心の正円はスケール板15に予め用意されている視野中心の正円のスケールSの範囲内を一次元に移動させることができる。
【0057】
検者は先ず眼底像Ea’のピント合わせを行う。入力手段55の図示しないフォーカスノブを調整すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板28、フォーカシングレンズ13、23、フォーカスユニット25が連動して光路に沿って移動する。眼底像Ea’のピントが合うと、透過型液晶板28、スケール板15、一次元CCD42、共焦点絞り44は同時に眼底Eaと共役になる。実際の検査においては、検者は図10に示す眼底像Ea’上のフォーカス状態を見ながら測定対象となる血管Evの深さを設定し、眼底像Ea' のピントを合わせる。
【0058】
ピント合わせが終了した後に、検者は入力手段55を操作し、システム制御回路60は透過型液晶板28を制御する制御回路66を駆動し、透過型液晶板28上の視標像Fを移動し、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管Evをスケール板15のサークルS内へ移動する。そして、再び入力手段55の操作桿を操作して、システム制御回路60により制御回路65を駆動してイメージローテータ21が回動し、図11、図12に示すようにインジケータTを回転して、測定対象とする血管Evの走行方向に対してインジケータTが垂直になるようにする。
【0059】
検者はトラッキング開始を確認した後で、入力手段55の測定スイッチを押して測定を開始する。システム制御回路60はメージローテータ21の角度情報、ガルバノメトリックミラー22の角度情報、視標像Fの位置情報を記憶手段63に記憶する。そして、システム制御回路60により光路切換ミラー34が光路に挿入され、先ず被検眼Eの瞳孔Ep上のスポット像Pの位置から入射した光束がフォトマルチプライヤ46a、46bに受光され、この受光信号がシステム制御回路60に取り込まれて、最大周波数シフト|Δfmax1|、|Δfmax2|が求められる。ここで、|Δfmax1|、|Δfmax2|はそれぞれフォトマルチフライヤ46a、46bからの出力信号を周波数解析した処理結果である。
【0060】
このとき、入射される光束はスポット像Pに位置し、測定受光光束Da、Dbに対し十分に変位した位置に設けられているために、通常であれは最大血流速度Vmaxは従来例の式(1) において cosβ=1とし、Vmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1|− |Δfmax2|| によって求められるが、眼底Ea上の血管Evの位置によっては、真の最大速度はVmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1|+ |Δfmax2|| としなくてはならない場合も存在する。本実施例では、測定の前半はこの状態で先の式(1) による最大速度Vmaxを算出し、測定の後半ではシステム制御回路60により光路切換ミラー34を光路中から退避させて、被検眼Eの瞳孔Ep上のスポット像P’の位置から光束を入射させて測定を行う。
【0061】
瞳孔Ep上のスポット像P’の位置は、図8に示したように他方のスポット像Pの中心を通り、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線と平行な直線上に中心を有するように配置されているが、特に本実施例ではスポット像PとP’の間隔を測定受光光束Da、Dbの中心間の距離よりも大きくし、かつ2つの直線の中点を結ぶ直線がそれぞれの中心を結んだ直線と直交するように選択されている。
【0062】
入射光位置をスポット像Pからこのように選択したスポット像P’に切換えた後に、再びシステム制御回路60は2つのフォトマルチプライヤ46a、46bから信号を取り込み、それぞれの最大周波数シフト|Δfmax1'|、|Δfmax2'|を算出し、式(1) に従って最大血流速度Vmax’を算出する。このように、入射光を上述のように選択することによって、最大周波教シフト|Δfmax1|、|Δfmax2|の符号が切換わる図13に示す角φi の領域と、最大周波数シフト|Δfmax1'|、|Δfmax2'|の符号が切換わる領域を分離することができ、かつ符号が切換わらない領域においては最大血流速度Vmax≒Vmax’となる。
【0063】
また、最大血流速度Vmax、Vmax’の一方の符号が切換わる領域においては、(符号の切換えがない側)>(符号の切換えがある側)という関係を作り出すことが可能となる。従って、システム制御部60はこの2つの最大血流速度Vmax、Vmax’を比較することによって、前半と後半の正しい演算式を選択し、そしてシステム制御部60により算出された最大血流速度Vmax、Vmax’は表示手段62に表示される。また、記憶手段63に記憶された測定時のイメージローテータ21の角度情報、ガルバノメトリックミラー22の角度情報、透過型液晶板8の固視標Fの位置情報が測定結果と共に表示手段62に表示される。
【0064】
図14は測定部位と黄斑中心ぶとの関係の説明図を示し、眼底像Ea’/視標像Fの倍率をm/m’とすると、視標像Fの透過型液晶板8上での座標を(X0,Y0)、対物レンズ2光軸の眼底Ea上又は透過型液晶板8上での座標を(0,0)、黄斑中心部分の眼底Ea上での座標を(x0,y0)とすると、次式となる。
x0=(m’/m)X0 …(2)
y0=(m’/m)Y0 …(3)
【0065】
また、光学的に対称となる光軸は、視線の方向(視力値が最大となる黄斑中心部と節点を結ぶ方向)を示す視軸とは約5°耳側に傾いていることが一般に知られているために、被検眼Eの焦点距離として模型眼の代表値feをとり、対物レンズ2の光軸の網膜上の座標を(xa,ya)とすると、次の(4) 、(5) 式となる。
xa=(m’/m)・(X0±fe・ tan5°) …(4)
ya=(m’/m)Y0 …(5)
ただし、式(4) の±の符号は被検眼Eの左右によって変わる。
【0066】
ガルバノメトリックミラー22/被検眼Eの瞳孔Epの倍率をn/n’、ガルバノメトリックミラー22の振れ角をδ、トラッキング光、測定光の対物レンズ2の光軸に対する被検眼Eの瞳孔Epへの入射角をδ’とすると、
tanδ’/ tan2δ=n/n’ …(6)
となり、測定点の座標を(xb,yb)、対物レンズ2の光軸の眼底Ea上での座標(0,0)から測定点の座標(xb,yb)までの距離をrとすると、式(6) から次の(5) 、(6) 、(7) 式となる。
r=fe・ tanδ’=(n/n’)fe・ tan2δ …(7)
xb=r・ cosγ=(n/n’)fe・ tanδ・ cosγ …(8)
yb=r・ sinγ=(n/n’)fe・ tanδ・ sinγ …(9)
【0067】
ここで、γは眼底上での測定点(xb,yb)とx軸とのなす角であり、イメージローテータ21の回転角である。なお、反時計回り方向を正方向としている。
【0068】
式(4) 、(5) 、(8) 、(9) から、被検眼Eの黄斑中心部分(眼底上の固視標Fの位置)に対する測定点の位置を、イメージローテータ21及びガルバノメトリックミラー22の角度情報と固視線Fの位置情報によって決定することができる。
【0069】
本実施例においては、システム制御部60によって測定点の位置を算出し、図9に示すように、眼底Ea上の固視標Fの位置に対する測定点の位置と、イメージローテータ21の回転角によって求まる測定血管Evの走行方向を、同時に表示手段62に表示している。
【0070】
また、光軸の網膜上の座標(xa,ya)と測定点(xb,yb)を結ぶ直線と、対物レンズ2の光軸の眼底Ea上での座標(0,0)と測定点(xb,yb)を結ぶ直線とのなす角ψを求めると、
cosψ={r−(xa・ cosγ+ya・ sinγ)}/((xa−r・ cosγ)+(ya−r・sin γ)}1/2 …(10)
となり、また、光軸の網膜上の座標(xa,ya)と測定点(xb,yb)との距離をLとすると、次式となる。
L={(xa−xb)2 +(ya−yb)2}1/2 …(11)
【0071】
式(4) 、(5) 、(8) 、(9) 、(10)、(11)から、ψ、Lはγ、ψ、(X0,Y0)の関数となり、最大周波数シフト|Δfmax1|、|Δfmax2|の符号が切換わる図13に示す角φi の領域は、ψ、Lによって決定される。なお、m、m’、n、n’は光学系によって決まる定数である。
【0072】
従って、測定時のイメージローテータ21の回転角γ、固視標Fの座標(X0,Y0)、ガルバノメトリックミラー22の振れ角δを記録し、これらの値から、光軸の網膜上の座標(xa,ya)と測定点(xb,yb)を結ぶ直線と、対物レンズ2の光軸の眼底Ea上での座標(0,0)と測定点(xb,yb)を結ぶ直線とのなす角ψ、及び光軸の網膜上の座標(xa,ya)と測定点(xb・yb)との距離Lを求めることにより、角φi をパラメータとする最大周波数シフト|Δfmax1'|、|Δfmax2'|の符号が切換わる領域と切換わらない領域を推定することができるので、測定結果の確認用データとして用いることにより、測定結果の信頼性を向上させることができる。
【0073】
また、病気のために眼球が極端に楕円であったり、被検眼に白内障があったり、睫毛の混入によりフォトマルチプライヤ46a、46bからの信号にノイズが混入した場合等で、システム制御部60により算出された最大周波数シフト|Δfmax1|、|Δfmax2|や|Δfmax1'|、|Δfmax2'|の算出結果が極端に異常な場合には、測定時のイメージローテータ21の回転角γ、固視標Fの座標(X0,Y0)、ガルバノメトリックミラー22の振れ角δの値から|Δfmax1|、|Δfmax2|や|Δfmax1'|、|Δfmax2'|を再確認することができ、図15に示すように表示部62にエラー表示を行って検者に警告することもできる。
【0074】
以上においては、本発明を眼底Ea上の血流を測定する眼底血流計について説明したが、血流速度の他に、血管位置や血管径も同時に計測をするような眼科装置に応用することも可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように発明に係る眼科測定装置は、動脈の場合と静脈の場合の測定時間を変えることにより、測定時間が短縮されて被検眼の眼底に照射する露光量を減少させ、被検者の負担を少なくすることができる。
また、ドップラシフト信号の周波数解析の際に、動脈と静脈の演算に称する測定データの数を変えると、動脈の場合には血流速の立ち上がりを忠実に再現し、静脈の場合には周波数分解能を上げてより精度の良い測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の構成図である。
【図2】制御系のブロック回路の構成図である。
【図3】瞳孔上の光束配置の説明図である。
【図4】眼底観察像の説明図である。
【図5】一次元CCDの波形のグラフである。
【図6】血流速度の波形のグラフ図である。
【図7】第2の実施例の構成図である。
【図8】瞳孔上の光束配置の説明図である。
【図9】測定結果表示の説明図である。
【図10】観察眼底像の説明図である。
【図11】観察眼底像の説明図である。
【図12】観察眼底像の説明図である。
【図13】最大周波数シフトの符号反転の説明図である。
【図14】測定部位と黄斑中心部の関係の説明図である。
【図15】測定結果表示の説明図である。
【符号の説明】
1 観察用光源
8 透過型液晶板
12 バンドパスミラー
15 スケール板
16、34 光路切換えミラー
19 CCDカメラ
20 液晶モニタ
21 イメージローテータ
22 ガルバノメトリックミラー
25 フォーカスユニツト
36 測定用光源
37 ビームエクスバング
38 トラッキング用光源
42 1次元CCD
46a、46b フォトマルチプライヤ
47 制御部
50、67 血管位置検出回路
51 トラッキングサーボ制御回路
52、64 ガルバノメトリックミラー駆動回路
54 バーソナルコンピュータ
55、61 入力手段
56、60 システム制御回路
62 表示手段
63 記憶手段
65 イメージローテータ制御回路
66 透過型液晶板制御回路

Claims (3)

  1. 被検眼の眼底上の血管の血流速度を測定する測定手段を備えた眼科測定装置において、測定対象が動脈であるか静脈であるかを入力するための入力手段と、前記測定対象が動脈である場合の測定時間を測定対象が静脈である場合の測定時間よりも長くするように前記測定手段を制御する制御手段とを有し、前記測定手段は、前記血管に可干渉の測定光を照射する測定光照射手段と、前記測定光が血管内粒子により散乱される信号光及び血管壁から散乱される参照光を異なる2方向から受光し測定データに変換する検出手段と、前記測定データを周波数解析して検出したそれぞれのドップラシフトに基づいて血管内の血流速度を算出する演算手段とを有することを特徴とする眼科測定装置。
  2. 前記検出手段は測定データを所定の時間間隔でサンプリングし、前記演算手段において血流速度の計算に用いる前記測定データ数を動脈と静脈で異ならせることを特徴とする請求項に記載の眼科測定装置。
  3. 前記検出手段は前記測定対象が動脈である場合に用いる前記測定データ数を、前記測定対象が静脈である場合に用いる前記測定データ数よりも少なくすることを特徴とする請求項に記載の眼科測定装置。
JP25756396A 1996-09-06 1996-09-06 眼科測定装置 Expired - Fee Related JP3647164B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25756396A JP3647164B2 (ja) 1996-09-06 1996-09-06 眼科測定装置
US08/922,568 US6192269B1 (en) 1996-09-06 1997-09-03 Ophthalmological measurement apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25756396A JP3647164B2 (ja) 1996-09-06 1996-09-06 眼科測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1080398A JPH1080398A (ja) 1998-03-31
JP3647164B2 true JP3647164B2 (ja) 2005-05-11

Family

ID=17308014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25756396A Expired - Fee Related JP3647164B2 (ja) 1996-09-06 1996-09-06 眼科測定装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6192269B1 (ja)
JP (1) JP3647164B2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3814434B2 (ja) * 1998-12-30 2006-08-30 キヤノン株式会社 眼底血管検査装置
US6332683B1 (en) 1999-10-15 2001-12-25 Canon Kabushiki Kaisha Fundus examination apparatus
US6494577B2 (en) 2000-03-17 2002-12-17 Canon Kabushiki Kaisha Ophthalmologic apparatus
JP4708543B2 (ja) * 2000-06-14 2011-06-22 キヤノン株式会社 眼血流計
JP2002034921A (ja) 2000-07-19 2002-02-05 Canon Inc 眼底検査装置
JP4102058B2 (ja) * 2001-11-09 2008-06-18 株式会社トプコン 眼の光学特性測定装置
US8620410B2 (en) * 2002-03-12 2013-12-31 Beth Israel Deaconess Medical Center Multi-channel medical imaging system
EP1485011B1 (en) * 2002-03-12 2013-02-13 Beth Israel Deaconess Medical Center Medical imaging systems
JP3625064B2 (ja) * 2002-06-28 2005-03-02 独立行政法人理化学研究所 眼底の立体表示および座標計測装置
US8473035B2 (en) * 2003-09-15 2013-06-25 Beth Israel Deaconess Medical Center Medical imaging systems
JP4533028B2 (ja) 2004-07-20 2010-08-25 キヤノン株式会社 眼科用画像記録装置、方法、及びプログラム
DE102007053386A1 (de) * 2007-11-07 2009-05-14 Carl Zeiss Meditec Ag Anordnung und Verfahren zur automatischen Ermittlung einer Kataraktstärke eines Auges sowie ophthalmologisches Gerät und Steuerverfahren für ein solches
JP4732541B2 (ja) * 2008-10-24 2011-07-27 キヤノン株式会社 アダプター、光断層画像撮像装置、プログラム、眼科装置
JP5808119B2 (ja) 2010-04-13 2015-11-10 キヤノン株式会社 模型眼、光断層画像撮像装置の調整方法、及び評価方法
JP5602501B2 (ja) 2010-06-01 2014-10-08 キヤノン株式会社 眼科装置及びその制御方法、処理装置、処理方法、プログラム
JP5600478B2 (ja) 2010-06-01 2014-10-01 キヤノン株式会社 眼科撮影装置及びその制御方法
JP5486543B2 (ja) 2011-03-31 2014-05-07 キヤノン株式会社 眼科撮像装置、眼科撮像装置の制御方法、およびプログラム
JP6143447B2 (ja) 2011-12-21 2017-06-07 キヤノン株式会社 眼科装置及び眼測定方法、並びにプログラム
JP5913999B2 (ja) 2012-01-16 2016-05-11 キヤノン株式会社 眼科撮像装置およびその制御方法
JP5319799B2 (ja) 2012-01-26 2013-10-16 キヤノン株式会社 眼科装置、その制御方法およびプログラム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5031632A (en) * 1989-08-10 1991-07-16 Tsuyoshi Watanabe Method for the instrumentation of sizes of retinal vessels in the fundus and apparatus therefor
US5633695A (en) * 1995-08-14 1997-05-27 Canon Kabushiki Kaisha Beam steering optical system and method and ophthalmic apparatus using same having spaced apart irradiation and observation paths
US5935076A (en) * 1997-02-10 1999-08-10 University Of Alabama In Huntsville Method and apparatus for accurately measuring the transmittance of blood within a retinal vessel

Also Published As

Publication number Publication date
US6192269B1 (en) 2001-02-20
JPH1080398A (ja) 1998-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3647164B2 (ja) 眼科測定装置
US5163437A (en) Ophthalmic measuring device
JP3332535B2 (ja) 眼科測定装置
EP0392743A1 (en) Ophthalmological measurement method and apparatus
JP3814434B2 (ja) 眼底血管検査装置
US6193372B1 (en) Ophthalmologic apparatus
JPH1075931A (ja) 眼底検査装置
JP2002034921A (ja) 眼底検査装置
JPH10276986A (ja) 眼底血管観察装置
EP0337651B1 (en) Ophthalmological diagnosis method and apparatus
JPH08215150A (ja) 眼科診断装置
JPH10179517A (ja) 眼科画像処理装置及び眼科画像処理方法
US6607272B1 (en) Retinal blood flow measuring apparatus using a laser beam
US6302850B1 (en) Fundus blood flow metering method
JP3591952B2 (ja) 眼底検査装置
JP3636533B2 (ja) 眼科診断装置
JP3636553B2 (ja) 眼底検査装置
JP2001112716A (ja) 眼科検査装置
US20030018275A1 (en) Fundus blood flowmeter
JP3610139B2 (ja) 眼底検査装置
JP3762035B2 (ja) 眼科機器
JPH10234670A (ja) 眼科検査装置
JPH08308800A (ja) 眼科装置
JP2002355218A (ja) 眼血流計
JP3623999B2 (ja) 眼科診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041008

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120218

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130218

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees