JP4035247B2 - 眼底血流計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の眼底部にレーザー光を照射し、眼底部からの散乱反射光を受光し、この受光信号を解析して血流速度を計測する眼底血流計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来例の眼底血流計の構成図を示し、眼科診断に通常使用されるスリットランプを改造したものである。光路K1には照明光学系が配置されており、白色観察用光源1からの白色光は、孔あきミラー2で反射され、スリット3、レンズ4、被検眼Eの角膜の屈折力を相殺して眼底Eaを観察可能にするコンタクトレンズ5を介して、眼底Eaを照明する。また、孔あきミラー2の背後の光路上には、測定用のHe−Neレーザー光を発する測定用光源6が配置されており、測定用光源6からの測定光は、孔あきミラー2の中央の開口部を通り、観察用光源1からの光束と同軸にされて、眼底Eaを点状に照明する。
【0003】
眼底Eaからの散乱反射光は、角度α’をなす2本の受光光路K2、K3上の対物レンズ7a、7b、ミラー8a、8b、ミラー9a、9b、接眼レンズ10a、10bを介して、スポット像として検者に観察される。検者は接眼レンズ10a、10bを覗いて眼底Eaを観察しながら測定部位を選択する。
【0004】
図11は乳頭部Enでの血流速度を測定する際に検者が観察する眼底像を示し、照明光により照明されている領域I内で、測定対象となる乳頭部Enの中央部と、接眼レンズ10a、10bの焦点面に予め用意されているスケールSCとを合致させると、測定用光源6によるスポット像PSにより測定部位が決定される。このとき、測定光による眼底Eaでの反射光は、光ファイバ11を介してフォトマルチプライヤ12により受光され、この受光信号を周波数解析して、乳頭部Enでの血流速度を求めることができる。
【0005】
図12は乳頭部En内の血流からの受光信号を周波数解析した結果を示し、横軸は周波数Δf、縦軸はその出力Sを表している。周波数Δf及び出力Sと、信号振幅K、眼内での受光光路K2、K3のなす角度αとの関係は、次の近似式で表すことができ、図中に太い実線で示されている。
S(Δf)=−K・1og(Δf/α) …(1)
【0006】
図13は横軸に周波数Δfの対数をとって式(1) を図示したものであり、式(1) は勾配−Kと、横軸との切片αを有する直線となり、黒点は測定値を表している。
【0007】
この式(1) をレーザー光の波長λを使用して変形すると、乳頭部En内の血流の相対平均速度Vは次式で与えられる。
V=α・λ/2 …(2)
【0008】
乳頭部En内の血流による測定光束は、血管Evの血流速度の測定時とは異なり、多様な方向に散乱反射されるので、式(2) から2本の受光光路K2、K3の作る平面と血流の速度ベクトルυとの成す角度βによらない真の乳頭部En内の血流速度を測定することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の従来例において、乳頭部En内の血流速度を測定する際には、測定開始時点で乳頭部En内の血管がない部位を測定部位として選んで測定を行っているが、測定中に被検眼Eの固視微動等によって、測定部位に血管Evが現れる場合がある。その場合には、乳頭部En内の血流速度と共に、血管Ev内の血流速度の成分も含んでしまい、乳頭部En内の正確な血流速度を求めることができなくなるという問題点が生ずる。
【0010】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、乳頭部の血流速度を確実にかつ精度良く測定可能な眼底血流計を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る眼底血流計は、眼底の乳頭内に測定ビームを照射するビーム照射手段と、前記測定ビームの眼底から散乱反射光を受光する受光手段と、該受光手段の出力を周波数解析することにより前記乳頭内の血流速度を求める血流速度計算手段と、前記測定ビームの照射位置近傍を照明する照明手段と、該照明手段の反射光を受光する照射位置撮像手段と、該照射位置撮像手段の出力から前記照射位置に血管が存在するか否かを判断する判断手段とを有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図9に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施例の眼底血流計の構成図を示し、白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光源21から被検眼Eと対向する対物レンズ22に至る照明光路上には、コンデンサレンズ23、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ付フィールドレンズ24、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役な位置に設けられたリングスリット25、被検眼Eの水晶体とほぼ共役な位置に設けられた遮光部材26、リレーレンズ27、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板28、リレーレンズ29、被検眼Eの角膜近傍と共役に設けられた遮光部材30、孔あきミラー31、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー32が順次に配列されている。
【0013】
孔あきミラー31の背後には眼底観察光学系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカスレンズ33、リレーレンズ34、スケール板35、光路中に挿脱自在な光路切換ミラー36、接眼レンズ37が順次に配列され、検者眼eに至っている。また、光路切換ミラー36が光路中に挿入されているときの反射方向の光路上には、テレビリレーレンズ38、CCDカメラ39が配置されており、CCDカメラ39の出力は液晶モニタ40に接続されている。
【0014】
バンドパスミラー32の反射方向の光路上には、紙面に垂直な回転軸を有し両面研磨されたミラー41が被検眼Eの瞳孔Epと共役な位置に配置されており、ミラー41の下側反射面41aの反射方向には第2のフォーカスレンズ42が配置され、上側反射面41bの反射方向にはレンズ43、光路に沿って移動自在なフォーカスユニット44が配置されている。なお、レンズ43の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔Epと共役関係にあり、この焦点面にミラー41が位置している。
【0015】
ミラー41の後方には、光路長補償半月板45、光路中に遮光部を有する黒点板46、凹面ミラー47が光路上に同心に配置され、これらは共働してミラー41の上側反射面41bと下側反射面41aを−1倍で結像するリレー光学系の機能が与えられており、ミラー41の下側反射面41aで反射されずに通過する光束を、ミラー41の上側反射面41bへ導くように構成されている。
【0016】
フォーカスユニット44においては、レンズ43と同一光路上にダイクロイックミラー48、集光レンズ49が順次に配置され、ダイクロイックミラー48の反射方向の光路上にはマスク50、ミラー51が配置されており、このフォーカスユニット44は一体的に矢印で示す方向に移動できるようになっている。
【0017】
集光レンズ49の入射方向の光路上には、コリメータレンズ52、コヒーレントな例えば赤色光を発するレーザーダイオードから成る測定用光源53が配列されている。更に、ミラー51の入射方向の光路上には、シリンドリカルレンズ等から成るビームエクスパンダ54、他の光源と異なる高輝度の例えば緑色光を発する測定部位照明用光源55が配列されている。
【0018】
ミラー41の下側反射面41aの反射方向の光路上には、光路に沿って移動自在なフオーカシングレンズ42、ダイクロイックミラー56、フィールドレンズ57、拡大レンズ58、エリアセンサ59が順次に配列され、測定位置観察系が構成されている。また、ダイクロイックミラー56の反射方向の光路上には、結像レンズ60、フォトマルチプライヤ61が配置され、測定用受光光学系が構成されている。なお、図示の都合上、全ての光路を同一平面上に示したが、測定部位照明用光源55の出射方向の測定光路、測定用光源53からマスク50に至る光路はそれぞれ紙面に直交している。
【0019】
更に、装置全体を制御するためのシステム制御部62が設けられ、システム制御部62には検者が操作する入力手段63、フォトマルチプライヤ61の出力がそれぞれ接続されており、システム制御部62の出力はミラー41を制御する制御回路64に接続されている。
【0020】
観察用光源21から発した白色光はコンデンサレンズ23を通り、バンドパスフィルタ付フィールドレンズ24により黄色の波長光のみが透過し、リングスリット25、遮光部材26、リレーレンズ27を通り、透過型液晶板28を背後から照明し、リレーレンズ29、遮光部材30を通って孔あきミラー31で反射され、黄色域の波長光のみがバンドパスミラー32を透過し、対物レンズ22を通って、被検眼Eの瞳孔Ep上で眼底照明光による光束像として一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。このとき、透過型液晶板28には固視標が表示されており、照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影されて、視標像として被検眼Eに呈示される。なお、リングスリツト25、遮光部材26、30は被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成するものであればその形状は問題とならない。
【0021】
眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳孔Ep上から眼底観察光光束として取り出され、孔あきミラー31の中心の開口部、フォーカスレンズ33、リレーレンズ34を通り、スケール板35で眼底像Ea’として結像した後に、光路切換ミラー36に至る。ここで、光路切換ミラー36が光路から退避しているときは、検者眼eにより接眼レンズ37を介して眼底像Ea’が観察可能となり、一方で光路切換ミラー36が光路に挿入されているときは、スケール板35上に結像した眼底像Ea’がテレビリレーレンズ38によりCCDカメラ39上に再結像され、液晶モニタ40に映出される。
【0022】
この眼底像Ea’を観察しながら、接眼レンズ37又は液晶モニタ40によりアライメントを行う。このとき、目的に応じて観察方式を採用することが好適であり、接眼レンズ37による観察の場合は、一般的に液晶モニタ40等よりも高解像かつ高感度なので、眼底Eaの微細な変化を続み取って診断する場合に適している。一方、液晶モニタ40による観察の場合は、視野を制限しないので検者の疲労を軽減することができ、更にCCDカメラ39の出力を外部のビデオテープレコーダやビデオプリンタ等に接続することにより、眼底像Ea’上の測定部位の変化を逐次に電子的に記録することが可能となるので、臨床上極めて有効である。
【0023】
測定用光源53を発した測定光はコリメータレンズ52によりコリメートされ、直接集光レンズ49の上方を通過し、ダイクロイックミラー48を透過する。一方、測定部位照明用光源55から発した測定部位照明光は、ビームエクスパンダ54により縦横異なる倍率でビーム径が拡大されて、ミラー51で反射された後に、整形用マスク50により所望の形状に整形され、ダイクロイックミラー48に反射されて、集光レンズ49によりマスク50の開口部中心と共役な位置にスポット状に結像している測定光と重畳される。更に、測定光と測定部位照明光はレンズ43を通り、ミラー41の上側反射面41bで一旦反射され、黒点板46を通った後に凹面鏡48で反射され、再び黒点板46、光路長補正用半月板45を通りミラー41の方へ戻される。
【0024】
この両光束はミラー42を透過して、バンドパスミラー32により対物レンズ22の方向へ偏向し、対物レンズ22を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。なお、光路長補正用半月板45はミラー41の上側反射面41bと下側反射面41aの位置がそのミラー厚によって生ずる図面上下方向へのずれを補正するためのものであり、バンドパスミラー32に向かう光路中にのみ作用する。このように、測定光と測定部位照明光はミラー41の上側反射面41b内で反射され、再び戻されて対物レンズ22の光軸から偏心した状態でミラー41に入射する。
【0025】
眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ22により集光し、バンドパスミラー32で反射され、更にミラー41の下側反射面41aで反射されて、フォーカスレンズ42を通り、ダイクロイツクミラー56において測定光と測定部位照明光とが分離される。測定部位照明光はダイクロイックミラー56を透過し、フィールドレンズ57、結像レンズ58により、エリアセンサ59上で眼底観察光学系による眼底像Ea’よりも拡大された血管像として結像する。一方、測定光はダイクロイックミラー56により反射され、フォトマルチプライヤ61で受光される。フォトマルチプライヤ61の出力はシステム制御部62に出力され、その受光信号は周波数解析されて眼底Eaの血流速度が求められる。
【0026】
乳頭部En内の任意の1点で測定を行う場合には、検者は透過型液晶板28に表示される固視点を移動する固視標操作桿を操作し、眼底像Ea’の観察領域を移動して、乳頭部En内の測定部位を血管Evが存在しない測定位置にアライメントする。測定部位が決定すると、検者は入力手段63中の図示しない測定開始スイッチを押し、これによって計測開始信号が出力されて、システム制御部62はフォトマルチプライヤ61の信号を1秒間取り込み、同時にエリアセンサ59の像を記録する。システム制御部62はフォトマルチプライヤ61の受光信号から前述の式(2) に示す角度αを求めて、血流の相対平均速度Vを算出して血流速度を求める。
【0027】
血流の相対平均速度Vを算出する場合は、先ずエリアセンサ59からの信号を解析し、測定中に測定部位に血管Evが存在するかどうかをチェックする。図2は測定開始から終了までの間の乳頭部En内からの散乱光とエリアセンサ59の像を記録したものであり、測定開始後時刻tの測定位置の画像情報がPt、時刻tの散乱光を記録し周波数解析を行うエリアの電気信号がXtであり、画像情報Ptは時刻tにおけるエリアセンサ59の全領域の信号を表している。測定開始直後の画像情報P0について、血管Evが存在しているかどうかを判断する。
【0028】
図2の画像情報P0では血管Evは存在しないので、電気信号X0を周波数解析して血流速度V0を求める。画像情報Ptについても順次に同じ処理を行い、図2の画像情報Ptでは血管Evが存在しているので、電気信号Xtは周波数解析を行わない。
【0029】
本実施例では、画像情報Pt〜Pmの区間は血管Evが存在しており、その区間の血流速度は求めない。測定終了直前の画像情報Pnまで同様の処理を行うと、血流速度として算出できるのは、血流速度範囲V0〜Vt−1、Vm+1〜Vnである。従って、図2による測定から得られる血流速度Vは、これら血流速度範囲V0〜Vt−1、Vm+1〜Vnを平均した値として算出される。
【0030】
図3、図4はエリアセンサ59からの信号を解析して、測定中に測定部位に血管Evが存在しているかどうかを判断する方法の説明図を示し、両図共に左側が乳頭部Enの観察像で、エリアセンサ59が観察している領域を正方形で示してある。このとき、測定ビームは円弧状に照射されており、観察している領域を示す正方形にほぼ内接するような位置関係となっている。図の中央部は正方形の領域のエリアセンサ59による観察領域の拡大表示画面を示し、エリアセンサ59上には上部矢印から順番に出力されてゆき、その内の1本の矢印に対して現れる電気信号が右側に示されている。
【0031】
測定中に血管Evが測定部位に存在しているかどうかを判断する方法は、乳頭部En内を照明したときに、血管Evがエリアセンサ59内に存在しない場合にはほぼ均一な光量となり、血管Evがエリアセンサ59内に存在する場合には、血管部分の光の反射が血管以外の部分と比べて小さくなっていることを利用する。
【0032】
図3は血管Evが存在しない時の処理の説明図を示し、エリアセンサ59において矢印は観察される複数ライン内の1ラインを示し、このラインでは光の強い部分と弱い部分の差は小さくなっている。第1のステップとして、図3の中央部に示すエリアセンサ59上の上部ラインから、順次に観察領域の電気信号の最大値と最小値を求め、その差(最大値−最小値)から電気信号の幅を求める。第2のステップとして、それぞれの電気信号の振幅が、エリアセンサ59上の最も暗いレベルと最も明るいレベルとの差の半分に満たないかどうかを比較してゆく。
【0033】
図3の場合は、それぞれの矢印に対する電気信号の幅は、エリアセンサ59上の最も暗いレベルと最も明るいレベルとの差の半分に満たないと判断される。このようにして、エリアセンサ59内の最大値と最小値の幅を求めてゆき、幅が小さいときは乳頭部En内の血管Evが存在しない場所に測定ビームが照射されていると判断することができる。
【0034】
図4は血管Evが存在するときの処理の説明図を示し、エリアセンサ59には光の強い部分と弱い部分の差の大きい所が存在している。上述と同様に、第1のステップとして観察領域の電気信号の幅を求め、第2のステップとして差の半分に満たないかどうかを比較してゆく。図4の中央部に示すような場合には、矢印に対する電気信号の幅が、エリアセンサ59上の最も暗いレベルと最も明るいレベルとの差の半分以上と判断され、図の右側に示すように信号Hが存在する。
【0035】
この場合は、エリアセンサ59における電気信号の最大値と最小値の幅が大きいと判断されたラインの電気信号を、その中間値より光の弱い領域と光の強い領域に分けてその割合を求める。本実施例の場合には、中間値よりも光の弱い部分のデータ数を計数し、この光の弱い部分のデータ数とエリアセンサ59の全領域におけるデータ数との比をとっている。図4ではエリアセンサ59上で光の弱い部分が20%程度となっているが、光の弱い部分が全体の10%以上の場合は、明らかに太い血管Evがエリアセンサ59上に存在すると判断する。
【0036】
本実施例では、エリアセンサ59の各ラインの内、光の弱い部分が1ライン全体の10%以上となった場合には、それ以降のラインについては処理を実行しない。つまり、1ラインで血管Evが存在すると判断された時点で、時刻tにおいて血管Evが存在したと判断して処理を中止する。なお、このエリアセンサ59上で血管Evが存在するかどうかを判断する方法については、例えばエリアセンサ59上の全てのラインについて血管Evが存在するかどうかを求めた後に、連続したラインで血管Evが存在した場合に血管Evが存在すると判断する方法や、1ラインについて血管Evが存在すると判断された後に、次のラインで連続して血管Evが存在した場合に、血管Evが存在すると判断する方法などがある。
【0037】
ここで、エリアセンサ59上での光の弱い部分が全体の10%以上としたのは、毛細血管Evや血管以外の例えば睫毛などが観察されることによって、エリアセンサ59上に光の弱い部分が検出されることがあるためである。このような場合は、乳頭部En内からの散乱光は、血管Evがない場所を測定した時と殆ど同様に受光されるので、乳頭部En内の血流測定には直接影響がない。しかし、この場合は光の弱い部分の面積が太い血管Evが存在する場合と比べて非常に小さくなるために、光の弱い部分が占める割合が全体の10%より小さくなる。
【0038】
従って、このことを利用して太い血管Evの場合と区別をすることができ、全体に占める光の弱い部分の割合が全体の10%に満たない場合には、明らかに太い血管Evがエリアセンサ59上に存在していないと判断することができる。なお、本実施例では、光の弱い部分の占める割合を10%としているが、これと異なる値でも支障はない。また、電気信号に対して移動平均等のフィルタを通した後に、上述のような処理を実行する方法や、電気信号を微分して変化率の大きさを求めて血管Evによるエッジを検出する方法も考えられる。
【0039】
このように、本実施例においては、乳頭部Enの内部における血流測定開始と同時に、散乱光と測定部位のエリア情報を所定時間、例えば1秒間記録し、記録された情報から測定部位に太い血管Evが存在するかどうかを判断した後に、太い血管Evが存在しないときの血流速度を求めるように構成しているが、エリア情報から血管Evが存在するかどうかを瞬時に判断できるような、例えばDSPなどを装置に組み込むことによって、測定中に太い血管Evが現れたかどうかを判断して、測定を中止するように構成することも可能である。
【0040】
また、エリアセンサ59を使用して測定部位のエリア情報を得ているが、乳頭部Enの内部に照射する測定ビームのスポットによっては、一次元センサを使用して観察してもよい。更に、CCDカメラ39よりも高感度のCCDカメラを使用して、ビデオ信号から測定部位のエリア情報を得る方法も考えられ、この場合には、観察用光源21の照明光による反射光により観測することが可能なので、測定部位照明用光源55を不要とする構造にすることができる。
【0041】
図5は第2の実施例の構成図を示し、第1の実施例と同じ符号は同じ部材を表している。ミラー41の代りにガルバノメトリックミラー70が配置され、エリアセンサ59の出力は血管位置検出回路71に接続され、血管位置検出回路71の出力は、システム制御部62と制御回路64に接続されている。血管位置検出回路71は高速の論理回路で構成されており、次にエリアセンサ59からの出力が入ってくるまで制御回路64に位置情報を出力しており、ガルバノメトリックミラー70を移動することが可能である。
【0042】
第1の実施例と同様に、乳頭部En内の任意の1点で測定を行う場合には、検者は透過型液晶板28に表示される固視標を移動する固視標操作桿を操作し、眼底像Ea’の観察領域を移動して、乳頭部En内の測定すべき部位を血管Evが存在しない測定位置にアライメントする。測定部位が決定すると、検者が入力手段63の図示しない測定開始スイッチを押すことによって計測開始信号が出力され、システム制御部62はフォトマルチプライヤ61の信号を1秒間取り込む。同時に、エリアセンサ59の出力は血管位置検出回路71に入力されて、血管位置検出回路71において血管Evが検出された場合には、算出した血管位置に基づいて制御回路64に位置情報を出力して、ガルバノメトリックミラー70を駆動する。
【0043】
血管位置検出回路71において血管Evが検出されない場合は、制御回路64に位置情報は出力されず、ガルバノメトリックミラー70は駆動しない。血管位置検出回路71は1秒間の測定の間中この動作を繰り返し、血管Evが存在するときはガルバノメトリックミラー70を駆動し、血管Evが存在しないときはガルバノメトリックミラー70を駆動しないように動作する。このとき、血管位置検出回路71からシステム制御部62に、血管Evが存在していたか存在していなかったかの情報が出力されている。
【0044】
図6は測定中に血管Evが測定部位に存在するかどうかの判断方法の説明図である。血管Evが存在しないときの処理は、第1の実施例の図3と同様であるが、本実施例においては、システム制御部62に対して血管Evが存在していないという情報を出力している。
【0045】
次に、エリアセンサ59内に血管Evが存在するときは、図6に示すように血管部分の光の強度が弱くなっている部分Hが存在するために、エリアセンサ59全体の光の強度の最も明るいレベルMaxと最も暗いレベルMinの中間値Midより光が弱くなっている。図7は図6の矢印の1ラインを左方向より走査したときの拡大図を示し、光の弱い部分が存在する領域を計数する図示しないカウンタが設けられ、このカウンタは途中に光の強い部分が存在するとリセットされるようになっている。そして、既に求めてある中間値Midよりも光の弱い部分が存在した場合には、図7の下側に示すようにカウンタをインクリメントしてゆく。
【0046】
図7は実際のエリアセンサ59の信号に血管Evが存在しているときの様子とカウンタとの関係を表しているが、本実施例ではエリアセンサ59の信号をデジタル化した後に、デジタル化してある中間値Midとの大小を比較することによって、血管Evの存在を判別している。そして、カウンタの値が所定値Tを越えたときが走査した領域のどの部分かによって、検出位置を決定することができる。
【0047】
図6の中央部に示した領域の矢印の電気信号に対して、血管Evが存在すればそのときの位置情報を求め、存在しなければ位置情報は求めない。位置情報を求めた電気信号に対して、複数の位置情報の内の最大の移動量となるものを移動情報としている。ここで、エリアセンサ59上の左と右の両方に血管Evが存在すると、正確な位置情報を求めることができなくなるが、図6に示すような測定部位を考えると、乳頭部En内でエリアセンサ59の左と右に血管Evが現れることは殆どないと考えられる。
【0048】
次に、検出位置から制御回路64に出力する位置情報を算出する。位置情報は+方向が紙面に向かって右方向、−方向が紙面に向かって左方向を表し、その移動量を数字で表示する。図8に示すようにカウンタの値が所定値Tを越えた点Pが、走査した領域Rの中間点Mよりも左つまりエリアセンサ59上で信号が中心より先に現れる部分であるときは、所定値Tを越えた点の位置情報に対して、左方向にガルバノメトリックミラー70を移動するように、制御回路64に−(P+C/2)という位置情報を出力する。これは、点Pの位置をエリアセンサ59上の最も左に移動したときに、血管像として残る可能性のある血管Evが、ほぼカウンタの半分の値に相当するためである。従って、点Pの位置情報にカウンタの半値を加えた量が位置情報として算出され、システム制御部62へ血管Evが存在しているという情報が出力される。
【0049】
ここで、太い血管Evは図6に示す乳頭部Enの垂直方向に走っているので、水平(左右)方向に測定部位を移動することが、太い血管Evを測定部位から外すために有効であり、本実施例においてガルバノメトリックミラー70は、図6の正方形で囲んだエリアセンサ59が受光する領域に対して水平方向にのみ移動するようになっている。
【0050】
また、測定部位が乳頭部Enから外れてしまう場合も考慮する必要があるが、乳頭部Enと乳頭部以外の部分とでは反射率が大きく異なることから、乳頭部Enから測定ビームが外れかけると、乳頭部En以外の部分の光の強度は弱まっているので、エリアセンサ59全体の光の強度の中間値Mよりも光は弱くなり、血管Evが存在する場合と同様に直ちに認識することができる。従って、ガルバノメトリックミラー70を光の弱い部分が存在しない方向に移動すれば、乳頭部Enを外れない方向に移動することになるので、測定部位が乳頭部Enから外れた場合でも、血管Evが存在しない方向に戻す動作を行えばよい。
【0051】
図9に示すように、カウンタの値が所定値Tを越えた時点が、走査した領域Rの中間点Mよりも右にあるときは、走査した領域から所定値Tを越えた点を差し引いた領域の移動量を算出し、更にカウンタの値Cを差し引いた値に対して、右方向にガルバノメトリックミラー70を移動するように、制御回路64に(R−P−C)という位置情報を出力する。これは、点Pの位置をエリアセンサ59上の最も右に移動したときに、血管像として残る可能性のある血管Evがほぼカウンタの値に相当するためである。従って、点Pの位置情報にカウンタの値を加えた量が位置情報として算出され、システム制御部62へは血管Evが存在しているという情報が出力される。
【0052】
このように、システム制御部62には血管Evが存在していたかどうかという情報が常に入力されているので、直ちにガルバノメトリックミラー70に移動があったかどうかを判断することができる。本実施例においては、検者が入力手段63の測定開始スイッチを押すことにより計測開始信号が出力されると、システム制御部62はフォトマルチプライヤ61の信号を1秒間取り込むように構成されているが、血管Evが存在していたかどうかの情報から、測定中の1/2以上に血管Evが存在している場合には、血流速度を計算する前にデータ不良として測定データを自動的にキャンセルするようになっている。このようにして、乳頭部En内の測定位置を観察し、測定位置に血管Evが存在する場合にはその血管位置を判別して、血管Evが存在する位置から測定ビームを移動して、乳頭部En内の血流速度測定を確実に実施することができる。
【0053】
また、測定中に1/5以上血管Evが存在していたときには、求めた血流速度が正確でないとして、警告音を出すようにしたり、信頼度合により速度表示の色を変える方法も考えられる。また、ガルバノメトリックミラー70によって測定部位を水平方向に移動可能としているが、垂直方向にも測定部位を移動可能なもう1つのガルバノメトリックミラー70を光学的に配置し、水平・垂直の両方向に移動可能とすることもできる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼底血流計は、乳頭部内の血流速度を測定する機能を備え、その測定位置を観察して、測定位置に血管が存在しているかどうかを判断可能としたことにより、乳頭部内の血管が存在しない位置に確実に測定ビームが照射し、乳頭部からの散乱光を周波数解析して、正確に乳頭部内の血流速度を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の構成図である。
【図2】乳頭部からの散乱光とエリアセンサ像のグラフ図である。
【図3】測定部位とエリアセンサ信号の説明図である。
【図4】測定部位とエリアセンサ信号の説明図である。
【図5】第2の実施例の構成図である。
【図6】測定部位とエリアセンサ信号の説明図である。
【図7】エリアセンサ信号のグラフ図である。
【図8】血管位置情報のグラフ図である。
【図9】血管位置情報のグラフ図である。
【図10】従来例の眼底血流計の構成図である。
【図11】眼底像の説明図である。
【図12】周波数解析した血流からの受光信号のグラフ図である。
【図13】周波数の対数表示のグラフ図である。
【符号の説明】
21 観察用光源
28 透過型液晶板
31 孔あきミラー
32 バンドパスミラー
36 光路切換えミラー
39 CCDカメラ
40 テレビモニタ
41 ミラー
44 フォーカスユニット
48、56 ダイクロイックミラー
50 マスク
53 レーザーダイオード
54 ビームエクスパンダ
55 測定部位照明光源
59 エリアセンサ
61 フォトマルチプライヤ
62 システム制御部
63 入力手段
64 制御回路
70 ガルバノメトリックミラー
71 血管位置検出回路

Claims (7)

  1. 眼底の乳頭内に測定ビームを照射するビーム照射手段と、前記測定ビームの眼底から散乱反射光を受光する受光手段と、該受光手段の出力を周波数解析することにより前記乳頭内の血流速度を求める血流速度計算手段と、前記測定ビームの照射位置近傍を照明する照明手段と、該照明手段の反射光を受光する照射位置撮像手段と、該照射位置撮像手段の出力から前記照射位置に血管が存在するか否かを判断する判断手段とを有することを特徴とする眼底血流計。
  2. 前記受光手段による受光中に前記判断手段により、前記測定ビームの照射位置に血管が存在すると判断したときには、前記乳頭内の受光を中止する請求項1に記載の眼底血流計。
  3. 前記受光手段による受光出力と共に前記照射位置撮像手段の出力を記録する記録手段を有し、該記録手段の出力を前記照射位置撮像手段の出力とし、前記測定ビームの照射位置に血管が存在しないことを前記判断手段により判断したときの散乱光を周波数解析することによって、前記乳頭内の血流速度を算出する請求項1に記載の眼底血流計。
  4. 前記照射位置を移動可能とする照射位置移動手段を有し、前記測定ビームの照射位置に血管が存在することを前記判断手段により判断したときは、前記照射位置移動手段により前記測定ビームの照射位置を移動する請求項1に記載の眼底血流計。
  5. 血管位置を算出する血管位置算出手段を有し、算出した前記血管位置に基づいて前記照射位置移動手段により前記測定ビームの照射位置を移動する請求項4に記載の眼底血流計。
  6. 前記照射位置撮像手段は二次元の領域を撮像する請求項1に記載の眼底血流計。
  7. 前記照射位置撮像手段は一次元の領域を撮像する請求項1に記載の眼底血流計。
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